(54)【発明の名称】シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法およびプログラム
【解決手段】コンピュータシステム200は、プロセッサ部203を含む。プロセッサ部203は、第1の入居希望者からの同居に関する第1の条件を受信すること(ステップS401)と、第2の入居希望者からの同居に関する第2の条件を受信すること(ステップS402)と、第1の条件と第2の条件とに基づいて、第1の入居希望者と第2の入居希望者とを候補者として特定するか否かを決定すること(ステップS403〜S406)とを少なくとも実行するように構成されている。
前記第1の条件は、前記第1の入居希望者が同居の相手方から受けることを希望する第1の希望サービスを含み、前記第2の条件は、前記第2の入居希望者が同居の相手方に提供することが可能な第2の提供サービスを含み、
前記プロセッサ部は、
前記第1の希望サービスと前記第2の提供サービスとを比較すること
をさらに実行するように構成されており、
前記プロセッサ部は、前記第1の希望サービスと前記第2の提供サービスとの比較結果に基づいて、前記第1の入居希望者と前記第2の入居希望者とを前記候補者として特定するか否かを決定する、請求項1に記載のコンピュータシステム。
前記第1の希望サービスは、前記第1の入居希望者が第1の希望主題を習得することを同居の相手方に支援してもらうことであり、前記第1の提供サービスは、同居の相手方が第1の提供主題を習得することを前記第1の入居希望者が支援することであり、
前記第2の希望サービスは、前記第2の入居希望者が第2の希望主題を習得することを同居の相手方に支援してもらうことであり、前記第2の提供サービスは、同居の相手方が第2の提供主題を習得することを前記第2の入居希望者が支援することである、請求項3に記載のコンピュータシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザがシェアハウスに入居することを希望する場合において、ユーザがシェアハウスに入居する前にユーザが提示することが可能な項目は、せいぜい、ユーザ自身の性別、ユーザ自身の国籍、ユーザが入居することになるシェアハウスに関する要望(例えば、部屋の間取りなど)に限定されていた。
【0005】
本発明は、シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を含み、前記プロセッサ部は、第1の入居希望者からの同居に関する第1の条件を受信することと、第2の入居希望者からの同居に関する第2の条件を受信することと、前記第1の条件と前記第2の条件とに基づいて、前記第1の入居希望者と前記第2の入居希望者とを前記候補者として特定するか否かを決定することとを少なくとも実行するように構成されている。
【0007】
本発明の1つの実施形態では、前記第1の条件は、前記第1の入居希望者が同居の相手方から受けることを希望する第1の希望サービスを含み、前記第2の条件は、前記第2の入居希望者が同居の相手方に提供することが可能な第2の提供サービスを含み、前記プロセッサ部は、前記第1の希望サービスと前記第2の提供サービスとを比較することをさらに実行するように構成されており、前記プロセッサ部は、前記第1の希望サービスと前記第2の提供サービスとの比較結果に基づいて、前記第1の入居希望者と前記第2の入居希望者とを前記候補者として特定するか否かを決定してもよい。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、前記第1の条件は、前記第1の入居希望者が同居の相手方に提供することが可能な第1の提供サービスをさらに含み、前記第2の条件は、前記第2の入居希望者が同居の相手方から受けることを希望する第2の希望サービスをさらに含み、前記プロセッサ部は、前記第2の希望サービスと前記第1の提供サービスとを比較することをさらに実行するように構成されており、前記プロセッサ部は、前記第1の希望サービスと前記第2の提供サービスとの比較結果と、前記第2の希望サービスと前記第1の提供サービスとの比較結果とに基づいて、前記第1の入居希望者と前記第2の入居希望者とを前記候補者として特定するか否かを決定してもよい。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、前記第2の希望サービスは、前記第1の希望サービスとは異なっていてもよい。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、前記第1の希望サービスは、前記第1の入居希望者が第1の希望主題を習得することを同居の相手方に支援してもらうことであり、前記第2の提供サービスは、同居の相手方が第2の提供主題を習得することを前記第2の入居希望者が支援することであってもよい。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記第1の希望サービスは、前記第1の入居希望者が第1の希望主題を習得することを同居の相手方に支援してもらうことであり、前記第1の提供サービスは、同居の相手方が第1の提供主題を習得することを前記第1の入居希望者が支援することであり、前記第2の希望サービスは、前記第2の入居希望者が第2の希望主題を習得することを同居の相手方に支援してもらうことであり、前記第2の提供サービスは、同居の相手方が第2の提供主題を習得することを前記第2の入居希望者が支援することであってもよい。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、前記第1の希望主題は、前記シェアハウスまたは前記シェアルームが所在する国以外の国の言語であってもよい。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、前記第1の希望主題は、前記シェアハウスまたは前記シェアルームが所在する国以外の国の言語であり、前記第2の希望主題は、前記シェアハウスまたは前記シェアルームが所在する国の文化であってもよい。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、前記第1の入居希望者は、前記シェアハウスまたは前記シェアルームが所在する国の国籍を有し、前記第2の入居希望者は、前記シェアハウスまたは前記シェアルームが所在する国以外の国の国籍を有していてもよい。
【0015】
本発明の1つの局面において、本発明の方法は、シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するためのコンピュータシステムにおいて実行される方法であって、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を含み、前記方法は、前記プロセッサ部が、第1の入居希望者からの同居に関する第1の条件を受信することと、前記プロセッサ部が、第2の入居希望者からの同居に関する第2の条件を受信することと、前記プロセッサ部が、前記第1の条件と前記第2の条件とに基づいて、前記第1の入居希望者と前記第2の入居希望者とを前記候補者として特定するか否かを決定することとを含む。
【0016】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を含み、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、第1の入居希望者からの同居に関する第1の条件を受信することと、第2の入居希望者からの同居に関する第2の条件を受信することと、前記第1の条件と前記第2の条件とに基づいて、前記第1の入居希望者と前記第2の入居希望者とを前記候補者として特定するか否かを決定することとを前記プロセッサ部に行わせる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法およびプログラムを提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本願明細書において用いられる用語の定義を説明する。
・「シェアハウス」とは、複数の居住者によって居住されることが可能な住宅であって、複数の部屋を有する住宅をいう。複数の部屋のそれぞれは、一人部屋であるか相部屋であるかは問わない。複数の部屋の少なくとも1つは、複数の居住者が共通に利用することが可能な部屋(例えば、食堂、談話室、ジムなど)であってもよい。ここで、住宅の形態は問わないものとする。例えば、「シェアハウス」は、アパートやマンションのような集合住宅であってもよいし、一戸建てのような住宅であってもよい。同一の住宅(例えば、シェアハウス)に居住することを同居するともいう。
・「シェアルーム」とは、複数の居住者によって居住されることが可能な部屋をいう。この部屋は、「シェアハウス」の複数の部屋のうちの1つであってもよいし、「シェアハウス」ではない一般のアパートやマンションのような集合住宅の複数の部屋のうちの1つであってもよいし、「シェアハウス」ではない一般の一戸建てのような住宅の複数の部屋のうちの1つであってもよい。同一の部屋(例えば、シェアルーム)に居住することを同居するともいう。
・「国の文化」とは、その国を構成する人々によって習得、共有、伝達される行動様式および生活様式の総体をいう。「国の文化」には、例えば、国の歴史、地理、宗教、倫理、道徳などが含まれる。さらに、「国の文化」には、例えば、国を構成する人々の風習や習慣、国を構成する人々によって好まれる芸術(美術、音楽、演劇など)、スポーツ(野球、サッカー、相撲など)、娯楽(アニメ、ゲーム、映画など)、飲食物(主食、副食など)などが含まれる。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0021】
1.シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するための新しいビジネスモデル
出願人は、シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するための新しいビジネスモデルを提案する。この新しいビジネスモデルは、シェアハウスまたはシェアルームに入居することを希望する複数の入居希望者のそれぞれが、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を提示することによって、その条件の少なくとも一部を満たす入居希望者をシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定するものである。ここで、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件は、任意の条件であり得るが、入居希望者が同居の相手方から受けることを希望する特定のサービス、または、入居希望者が同居の相手方に提供することが可能な特定のサービスを含むことが好ましい。例えば、シェアハウスまたはシェアルームが日本に所在する場合において、日本人である入居希望者Aが、英語の習得を同居の米国人に支援してもらうことを希望しており、かつ、米国人である入居希望者Bが、日本の伝統文化(例えば、歌舞伎)の習得を同居の日本人に支援してもらうことを希望しているものと仮定する。この場合、入居希望者Aが、入居希望者Bの希望をかなえることを支援する能力を有し(例えば、入居希望者Aは、日本の伝統文化(例えば、歌舞伎)に精通している)、かつ、入居希望者Bが、入居希望者Aの希望をかなえることを支援する能力を有する(例えば、入居希望者Bは、英語を母国語としている)場合には、入居希望者Aと入居希望者Bとを同じシェアハウスまたは同じシェアルームに同居する候補者として特定することにより、入居希望者Aおよび入居希望者Bの双方のシェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する希望をかなえることが可能である。
【0022】
このような入居希望者Aおよび入居希望者Bのマッチングは有用であるといえる。なぜなら、入居希望者Aおよび入居希望者Bは、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を満たすようにマッチングされることが可能であるからである。
【0023】
さらに、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件が、入居希望者が同居の相手方から受けることを希望する特定のサービス、または、入居希望者が同居の相手方に提供することが可能な特定のサービスを含む場合には、入居希望者Aおよび入居希望者Bのマッチングはさらに有用であるといえる。なぜなら、このようなマッチングによって、入居希望者Aおよび入居希望者Bの双方が、単にシェアハウスまたはシェアルームという住まいの提供を受けるばかりでなく、同居の相手方から自身が希望するサービス(例えば、同居の米国人からの英語の習得、同居の日本人からの歌舞伎の習得)を受けることが可能であるからである。本発明のビジネスモデルに基づくシェアハウスまたはシェアルームは、”学び”、”習得”というキーワードで表現される付加価値を提供するものであるといえる。本発明のビジネスモデルに基づくシェアハウスまたはシェアルームは、従来のシェアハウスまたはシェアルームに比較して高い付加価値を提供するものであるから、従来のシェアハウスまたはシェアルームに比較して高い賃貸料を設定することも可能である。
【0024】
なお、シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定する際に、シェアハウスまたはシェアルームを先に特定した後で、その特定されたシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するか、同居する候補者を先に特定した後でその候補者が同居するシェアハウスまたはシェアルームを特定するか、その順番は問わないものとする。例えば、入居希望者Aが入居を希望するシェアハウスまたはシェアルームを先に特定した後で、そのシェアハウスまたはシェアルームに入居を希望する入居希望者Bが現れたときに、入居希望者Aと入居希望者Bとのマッチングを行うようにしてもよいし、入居希望者Aと入居希望者Bとのマッチングを先に行い、入居希望者Aと入居希望者Bとを同居する候補者として特定した後で、それらの候補者が同居するシェアハウスまたはシェアルームを特定するようにしてもよい。ここで、入居希望者と物件(すなわち、シェアハウスまたはシェアルーム)とのマッチングは、公知の任意の手法を用いて行うことが可能である。例えば、入居希望者は、物件に希望する条件(例えば、家賃、間取り、築年数、最寄駅、最寄駅からの徒歩時間など)を会社(例えば、不動産管理会社)に提示することにより、その会社は、その条件の少なくとも一部を満たす物件を特定することが可能である。これにより、入居希望者と物件とのマッチングを行うことが可能である。
【0025】
図1は、シェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者を特定するための新しいビジネスモデルの一例を説明するための図である。以下、
図1に示される各ステップを説明する。
【0026】
ステップS101:入居希望者Aは、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社(例えば、不動産管理会社)に提示する。入居希望者Aによって提示された条件は、例えば、入居希望者Aと同居する候補者を特定するために利用される。
【0027】
なお、ステップS101において、入居希望者Aがシェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示する態様は問わない。入居希望者Aは、任意の態様でシェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示することが可能である。例えば、入居希望者Aは、会社によって提供されるアプリケーションがインストールされているユーザ装置(例えば、スマートフォン)を用いて、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件をユーザ装置に入力し、その入力された条件をネットワークを介して会社のシステムに送信することによって、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示するようにしてもよい。あるいは、入居希望者Aは、ユーザ装置(例えば、スマートフォン)を用いて、会社のシステムにログインした後に所定の手順に従ってユーザ装置を操作することによって、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示するようにしてもよい。あるいは、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を記載した書面を入居希望者Aが会社の窓口に提出する(または、会社宛てに郵送する)ことによって、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示するようにしてもよい。
【0028】
ステップS102:入居希望者Bは、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社(例えば、不動産管理会社)に提示する。入居希望者Bによって提示された条件は、例えば、入居希望者Bと同居する候補者を特定するために利用される。
【0029】
なお、ステップS102において、入居希望者Bがシェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示する態様は問わない。入居希望者Bは、任意の態様でシェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示することが可能である。例えば、入居希望者Bは、会社によって提供されるアプリケーションがインストールされているユーザ装置(例えば、スマートフォン)を用いて、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件をユーザ装置に入力し、その入力された条件をネットワークを介して会社のシステムに送信することによって、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示するようにしてもよい。あるいは、入居希望者Bは、ユーザ装置(例えば、スマートフォン)を用いて、会社のシステムにログインした後に所定の手順に従ってユーザ装置を操作することによって、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示するようにしてもよい。あるいは、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を記載した書面を入居希望者Bが会社の窓口に提出する(または、会社宛てに郵送する)ことによって、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を会社に提示するようにしてもよい。
【0030】
なお、ステップS102が行われるタイミングは、ステップS101の前であってもよいし、ステップS101と同時であってもよいし、ステップS101の後であってもよい。
【0031】
会社は、入居希望者Aによって提示された条件と入居希望者Bによって提示された条件とを受け取り、これらの条件に基づいて、入居希望者Aと入居希望者Bとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定するか否かを決定する。入居希望者Aによって提示された条件の少なくとも一部が満たされ、かつ、入居希望者Bによって提示された条件の少なくとも一部が満たされた場合には、会社は、入居希望者Aと入居希望者Bとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定する。それ以外の場合には、会社は、入居希望者Aと入居希望者Bとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定しない。
【0032】
ステップS103:会社は、同居する候補者が特定されたことを入居希望者Aおよび入居希望者Bのそれぞれに通知する。
【0033】
なお、ステップS103において、会社が、同居する候補者が特定されたことを各入居希望者に通知する態様は問わない。会社は、同居する候補者が特定されたことを任意の態様で各入居希望者に通知することが可能である。例えば、会社は、各入居希望者が使用しているユーザ装置(例えば、スマートフォン)に電子メールを送信することによって、同居する候補者が特定されたことを各入居希望者に通知するようにしてもよい。あるいは、会社は、同居する候補者が特定されたことを会社のホームページに掲示することによって、同居する候補者が特定されたことを各入居希望者に通知するようにしてもよい。あるいは、会社は、同居する候補者が特定されたことを記載した書面を各入居希望者に手渡す(または、各入居希望者宛てに郵送する)ことによって、同居する候補者が特定されたことを各入居希望者に通知するようにしてもよい。
【0034】
さらに、同居する候補者が特定された時点で候補者が同居するシェアハウスまたはシェアルームが既に特定されている場合には、会社が、同居する候補者が特定されたことと共に、候補者が同居するシェアハウスまたはシェアルームを特定するための情報(シェアハウスまたはシェアルームの住所、電話番号、最寄り駅、地図など)を各入居希望者に通知することが好ましい。
【0035】
なお、
図1に示される実施形態では、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を提示する入居希望者の数が2人である場合を説明したが、本発明は、これに限定されない。本発明は、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を提示する入居希望者の数が3以上の任意の数である場合でも適用することが可能である。
【0036】
例えば、シェアハウスまたはシェアルームでの同居に関する条件を提示する入居希望者の数が3人(入居希望者A、入居希望者B、入居希望者C)である場合には、会社は、入居希望者Aによって提示された条件と入居希望者Bによって提示された条件と入居希望者Cによって提示された条件とを受け取り、これらの条件に基づいて、入居希望者Aと入居希望者Bと入居希望者Cとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定するか否かを決定するようにしてもよい。入居希望者Aによって提示された条件の少なくとも一部が満たされ、かつ、入居希望者Bによって提示された条件の少なくとも一部が満たされ、かつ、入居希望者Cによって提示された条件の少なくとも一部が満たされた場合に、会社は、入居希望者Aと入居希望者Bと入居希望者Cとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定し、それ以外の場合に、会社は、入居希望者Aと入居希望者Bと入居希望者Cとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定しないようにしてもよい。
【0037】
あるいは、入居希望者Aと入居希望者Bとがシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として既に特定されている場合(入居希望者Aと入居希望者Bとがシェアハウスまたはシェアルームでの同居を既に開始している場合を含む)において、入居希望者Cによって提示された条件の少なくとも一部が満たされ、かつ、入居希望者Aによって提示された条件または入居希望者Bによって提示された条件のいずれかの少なくとも一部が満たされた場合に、会社は、入居希望者Aと入居希望者Bと入居希望者Cとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定し、それ以外の場合に、会社は、入居希望者Aと入居希望者Bと入居希望者Cとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定しないようにしてもよい。
【0038】
あるいは、入居希望者Bによって提示された条件の少なくとも一部が満たされ、かつ、入居希望者Aによって提示された2つ以上の条件のうちの特定の条件の少なくとも一部が満たされたとして、入居希望者Aと入居希望者Bとがシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として既に特定されている場合(入居希望者Aと入居希望者Bとがシェアハウスまたはシェアルームでの同居を既に開始している場合を含む)において、入居希望者Cによって提示された条件の少なくとも一部が満たされ、かつ、入居希望者Aによって提示された2つ以上の条件のうちのその特定の条件以外の条件の少なくとも一部が満たされた場合に、会社は、入居希望者Aと入居希望者Bと入居希望者Cとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定し、それ以外の場合に、会社は、入居希望者Aと入居希望者Bと入居希望者Cとをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定しないようにしてもよい。
【0039】
2.新しいビジネスモデルを実現するためのコンピュータシステムの構成
図2は、新しいビジネスモデルを実現するためのコンピュータシステム200の構成の一例を示す。
【0040】
コンピュータシステム200は、インターネット210を介して、少なくとも1つのユーザ装置220と接続されることが可能なように構成されている。
【0041】
少なくとも1つのユーザ装置220のそれぞれは、インターネット210を介してコンピュータシステム200と通信することが可能な任意の装置であり得る。例えば、ユーザ装置220は、スマートフォンであってもよいし、タブレット型の端末であってもよいし、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。
【0042】
コンピュータシステム200は、インターフェース部201と、メモリ部202と、プロセッサ部203とを含む。
【0043】
インターフェース部201は、少なくとも1つのユーザ装置220との通信を制御する。
【0044】
メモリ部202には、処理の実行に必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等が格納されている。例えば、メモリ部202には、
図4に示される処理のフローを実現するためのプログラムが格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部202に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部202にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット210などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部202にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSB等の記憶媒体を介してメモリ部202にインストールされるようにしてもよい。
【0045】
プロセッサ部203は、コンピュータシステム200全体の動作を制御する。プロセッサ部203は、メモリ部202に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム200を所望のステップを実行する装置として機能させることが可能である。
【0046】
コンピュータシステム200は、データベース部204に接続されている。
【0047】
図3Aは、データベース部204に格納されているデータの構成の一例を示す。
【0048】
図3Aに示される例では、第1の入居希望者(例えば、日本人である入居希望者A)からの同居に関する条件310は、第1の入居希望者が同居の相手方から受けることを希望する「希望サービス」と、第1の入居希望者が同居の相手方に提供することが可能な「提供サービス」とを含む。この例では、「希望サービス」は、第1の入居希望者が「英語」または「中国語」を習得することを同居の相手方に支援してもらうというサービスである。また、この例では、「提供サービス」は、同居の相手方が「日本の歴史」を習得することを第1の入居希望者が支援するというサービスである。
【0049】
ここで、「日本人」は、シェアハウスまたはシェアルームが所在する国の国籍を有する者の一例であるが、これに限定されない。第1の入居希望者は、日本国以外の国籍を有する者であってもよい。さらに、「英語」および「中国語」は、第1の入居希望者が習得することを希望する主題(希望主題)の一例であるが、これに限定されない。第1の入居希望者は、「英語」および「中国語」以外の主題を習得することを希望することも可能である。また、「英語」および「中国語」は、シェアハウスまたはシェアルームが所在する国以外の国の言語の一例であるが、これに限定されない。第1の入居希望者は、「英語」および「中国語」以外の言語を指定することも可能である。さらに、「日本の歴史」は、同居の相手方が習得することの支援を第1の入居希望者が提供することが可能な主題(提供主題)の一例であるが、これに限定されない。第1の入居希望者は、同居の相手方が「日本の歴史」以外の主題を習得することの支援を提供することも可能である。また、「日本の歴史」は、シェアハウスまたはシェアルームが所在する国の文化の一例であるが、これに限定されない。第1の入居希望者は、「日本の歴史」以外の文化を指定することも可能である。
【0050】
さらに、
図3Aに示される例では、第2の入居希望者(例えば、米国人である入居希望者B)からの同居に関する条件320は、第2の入居希望者が同居の相手方から受けることを希望する「希望サービス」と、第2の入居希望者が同居の相手方に提供することが可能な「提供サービス」とを含む。この例では、「希望サービス」は、第2の入居希望者が「日本の歴史」を習得することを同居の相手方に支援してもらうというサービスである。また、この例では、「提供サービス」は、同居の相手方が「英語」を習得することを第2の入居希望者が支援するというサービスである。
【0051】
ここで、「米国人」は、シェアハウスまたはシェアルームが所在する国以外の国の国籍を有する者の一例であるが、これに限定されない。第2の入居希望者は、米国以外の国籍を有する者であってもよい。さらに、「日本の歴史」は、第2の入居希望者が習得することを希望する主題(希望主題)の一例であるが、これに限定されない。第2の入居希望者は、「日本の歴史」以外の主題を習得することを希望することも可能である。また、「日本の歴史」は、シェアハウスまたはシェアルームが所在する国の文化の一例であるが、これに限定されない。第2の入居希望者は、「日本の歴史」以外の文化を指定することも可能である。さらに、「英語」は、同居の相手方が習得することの支援を第2の入居希望者が提供することが可能な主題(提供主題)の一例であるが、これに限定されない。第2の入居希望者は、同居の相手方が「英語」以外の主題を習得することの支援を提供することも可能である。また、「英語」は、シェアハウスまたはシェアルームが所在する国以外の国の言語の一例であるが、これに限定されない。第2の入居希望者は、「英語」以外の言語を指定することも可能である。
【0052】
図3Bは、入居希望者からの同居に関する条件に含まれる「希望サービス」と「提供サービス」との比較を説明するための図である。
【0053】
図3Bに示されるように、第1の入居希望者からの同居に関する条件310に含まれる「希望サービス」と第2の入居希望者からの同居に関する条件320に含まれる「提供サービス」とが比較される(
図3Bでは、この比較が矢印330によって示されている)。このような比較は、例えば、後述する
図4のステップS403において行われる。また、第2の入居希望者からの同居に関する条件320に含まれる「希望サービス」と第1の入居希望者からの同居に関する条件310に含まれる「提供サービス」とが比較される(
図3Bでは、この比較が矢印340によって示されている)。このような比較は、後述する
図4のステップS404において行われる。
【0054】
なお、
図2に示されるインターフェース部201、メモリ部202、プロセッサ部203のそれぞれの構成要素は、単一のハードウェア部品で構成されていてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されていてもよい。コンピュータシステム200の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。
【0055】
また、
図2に示される実施形態では、コンピュータシステム200と少なくとも1つのユーザ装置220とは、インターネット210を介して接続されることが可能であるとしたが、本発明はこれに限定されない。インターネット210の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。なお、インターネット210およびその代わりの任意のネットワークを介することなく、少なくとも1つのユーザ装置220をコンピュータシステム200に電気的に結合した構成もまた本発明の範囲内である。さらに、ユーザ装置220の機能およびコンピュータシステム200の機能の両方を一体的に組み込んだシステム(すなわち、スタンドアロン型のシステム)をコンピュータシステム200として構築してもよい。このようなスタンドアロン型のコンピュータシステム200もまた本発明の範囲内である。
【0056】
また、
図2に示される実施形態では、データベース部204は、コンピュータシステム200の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部204をコンピュータシステム200の内部に設けることも可能である。データベース部204の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部204は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部204は、コンピュータシステム200の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
【0057】
3.コンピュータシステムの処理
図4は、コンピュータシステム200において実行される処理のフローの一例を示す。この処理は、プログラムの形式で表現されている。このプログラムは、コンピュータシステム200内のメモリ部202に格納されている。このプログラムは、コンピュータシステム200内のプロセッサ部203によって実行される。
【0058】
以下、
図4に示される各ステップを説明する。
【0059】
ステップS401:プロセッサ部203は、第1の入居希望者(例えば、入居希望者A)からの同居に関する条件(第1の条件)を受信する。第1の条件は、例えば、ユーザ装置220を用いて第1の入居希望者によって入力され、ユーザ装置220によって送信され、インターネット210を介してコンピュータシステム200によって受信される。コンピュータシステム200によって受信された第1の条件は、データベース部204に格納される。
【0060】
ステップS402:プロセッサ部203は、第2の入居希望者(例えば、入居希望者B)からの同居に関する条件(第2の条件)を受信する。第2の条件は、例えば、ユーザ装置220を用いて第2の入居希望者によって入力され、ユーザ装置220によって送信され、インターネット210を介してコンピュータシステム200によって受信される。コンピュータシステム200によって受信された第2の条件は、データベース部204に格納される。
【0061】
ステップS403:プロセッサ部203は、第1の条件に含まれる「希望サービス」と、第2の条件に含まれる「提供サービス」とを比較する。両者の比較の結果、両者が少なくとも部分的に一致すると判定された場合には、処理は、ステップS404に進む。それ以外の場合には、処理は、ステップS406に進む。
図3Bに示される例では、第1の入居希望者からの同居に関する条件310に含まれる「希望サービス」と、第2の入居希望者からの同居に関する条件320に含まれる「提供サービス」とが比較される(
図3Bに示される矢印330を参照)。具体的には、第1の入居希望者からの同居に関する条件310に含まれる「希望サービス」における「英語」または「中国語」のいずれか一方が、第2の入居希望者からの同居に関する条件320に含まれる「提供サービス」の中に含まれているか否かが判定される。この例では、「希望サービス」における「英語」が「提供サービス」の中に含まれているため、「希望サービス」と「提供サービス」とは少なくとも部分的に一致すると判定される。従って、処理は、ステップS404に進む。
【0062】
ステップS404:プロセッサ部203は、第2の条件に含まれる「希望サービス」と、第1の条件に含まれる「提供サービス」とを比較する。両者の比較の結果、両者が少なくとも部分的に一致すると判定された場合には、処理は、ステップS405に進む。それ以外の場合には、処理は、ステップS406に進む。
図3Bに示される例では、第2の入居希望者からの同居に関する条件320に含まれる「希望サービス」と、第1の入居希望者からの同居に関する条件310に含まれる「提供サービス」とが比較される(
図3Bに示される矢印340を参照)。具体的には、第2の入居希望者からの同居に関する条件320に含まれる「希望サービス」における「日本の歴史」が、第1の入居希望者からの同居に関する条件310に含まれる「提供サービス」の中に含まれているか否かが判定される。この例では、「希望サービス」における「日本の歴史」が「提供サービス」の中に含まれているため、「希望サービス」と「提供サービス」とは少なくとも部分的に一致すると判定される。従って、処理は、ステップS405に進む。
【0063】
ステップS405:プロセッサ部203は、第1の入居希望者と第2の入居希望者とをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定する。このように、第1の入居希望者と第2の入居希望者とをマッチングすることにより、第1の入居希望者および第2の入居希望者は、自分の希望をかなえることを支援してくれる相手方と同居することが可能になる。
【0064】
ステップS406:プロセッサ部203は、第1の入居希望者と第2の入居希望者とをシェアハウスまたはシェアルームに同居する候補者として特定しない。
【0065】
なお、上述した
図3Bに示される例では、「希望サービス」における「英語」または「中国語」のいずれか一方が「提供サービス」に含まれているか否かが判定される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の入居希望者が同居の相手方から受けることを希望する「希望サービス」が、第1の入居希望者が「英語」および「中国語」の両方を習得することを同居の相手方に支援してもらうというサービスである場合には、第1の入居希望者からの同居に関する条件310に含まれる「希望サービス」における「英語」および「中国語」の両方が、第2の入居希望者からの同居に関する条件320に含まれる「提供サービス」の中に含まれているか否かが判定される。これにより、「英語」および「中国語」の両方を習得したいという第1の入居希望者の希望をかなえることが可能である。
【0066】
なお、
図4において、ステップS404は省略されることが可能である(すなわち、
図3Bの矢印340によって示される比較は省略されることが可能である)。ステップS404が省略される場合には、ステップS403において、両者の比較の結果、両者が少なくとも部分的に一致していると判定された場合には、処理は、ステップS405に進む。それ以外の場合には、処理は、ステップS406に進む。これにより、ステップS404が存在する場合に比較して緩和された条件で、第1の入居希望者と第2の入居希望者とを同居の候補者として特定することが可能である。
【0067】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。