(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-138722(P2018-138722A)
(43)【公開日】2018年9月6日
(54)【発明の名称】動揺補正装置
(51)【国際特許分類】
E01D 18/00 20060101AFI20180810BHJP
【FI】
E01D18/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-33220(P2017-33220)
(22)【出願日】2017年2月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) 掲載年月日 平成29年2月22日 (2) 掲載アドレス http://www.jrc.co.jp/jp/about/news/2017/0222−1.html
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 角栄
(72)【発明者】
【氏名】小川 慶太朗
(72)【発明者】
【氏名】矢野 翔大
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059BB10
(57)【要約】
【課題】小型で低コストでありながら、突発的な外乱の波動が生じても架橋機構を損傷することを防止して安全に対象物にアクセスできる。
【解決手段】動揺補正装置1は、波動による動揺を解消するように6軸システムのヘキサポッド構成によってテーブル4を水平に補正制御する動揺補正機構3を備えた。テーブル4に架橋機構5を接続し、架橋機構5はヒンジ部12で上下方向に回動可能とした。架橋機構5の先端部5aの下面に、洋上施設との水平方向及び上下方向の距離を測定するレーザセンサ18を設置した。レーザセンサ18で測定した洋上施設との間の水平方向及び上下方向の測定データに基づいて架橋機構5と洋上施設とを非接触でアクセス可能な許容範囲内に保持するように、制御手段10で動揺補正機構3と架橋機構5を作動制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から与えられる動揺をヘキサポッド構成によって解消すると共に水平方向に移動可能な動揺補正機構と、
前記動揺補正機構に設置されたテーブルと、
前記テーブルに接続されていて上下方向に回動可能な架橋機構と、
前記架橋機構に設置されていて対象物との水平方向及び/または上下方向の距離を測定する測距センサと、
前記測距センサで測定した前記対象物との水平方向及び/または上下方向の距離の測定データに基づいて前記架橋機構を前記対象物と非接触で近接する許容範囲内に保持するように前記動揺補正機構及び前記架橋機構の少なくとも一方を作動制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする動揺補正装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記測距センサで測定した前記対象物と前記架橋機構との水平方向及び/または上下方向の距離の測定データを入力する入力手段と、
前記架橋機構と前記対象物とが非接触で近接した水平方向及び/または上下方向の距離となる許容範囲データを予め記憶させた許容範囲記憶手段と、
前記水平方向及び/または上下方向の前記測定データと前記水平方向及び/または上下方向の前記許容範囲データとを比較判別する判別手段と、
前記水平方向及び上下方向の少なくとも一方の前記測定データが前記許容範囲データから外れている場合に前記動揺補正機構及び前記架橋機構の少なくとも一方を駆動させる駆動指示手段と、を備えた請求項1に記載された動揺補正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば洋上施設等の対象物に船舶等から非接触でアクセスできるようにした動揺補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶等から洋上風力発電設備や海底鉱物掘削プラットホーム等の洋上施設にアクセスして作業者が船舶等から乗り移る場合、波が高さ1m〜1.5m程度に比較的穏やかな場合には船舶の橋桁部を洋上風力発電設備等の洋上施設に接続して容易に渡ることができる。しかしながら、波が比較的穏やかな日は年間で概略100日〜150日程度であり、波がこれより高い場合には洋上施設との間で安全にアクセスすることが困難であった。
【0003】
波が高い場合でも洋上で船舶から安全にアクセスできるようにした可動式桟橋等の動揺補正装置として、例えば特許文献1に記載されたものが提案されている。この可動式桟橋はヘキサポッド等の6自由度モーションベースに設置された天板に橋桁部を接続している。橋桁部の先端に設けたマグネットを洋上施設に吸着して接続することで、作業者等が船舶から洋上施設に移動できるとしている。
【0004】
この可動式桟橋は、6自由度モーションベースで天板を洋上の船舶の揺れに対して水平に保つことができる。船舶が波動で揺動しても各アクチュエータの伸縮を制御することで船舶に生じる動揺を打ち消すように制御している。また、可動式桟橋は橋桁を複数の分割体で接続して構成され、各分割体の接続部に水平回転機構と上下回転機構を別個に設置して、予期できない突発的な波動が生じても可動式桟橋の揺動を抑制するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−137451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の可動式桟橋は、船舶に載置した可動式桟橋の橋桁部の先端は洋上設備にマグネットで吸着して連結させ、橋桁部の分割体同士の接続部に水平回転機構と上下回転機構を設置した構成を有しているため、設備が大型化して高コストであるという問題があった。
しかも、突発的な外乱の波動が生じた場合、橋桁部の先端が洋上設備にマグネットで連結されているために橋桁部の先端部や分割体同士の接続部等を破損するおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、小型で低コストでありながら、突発的な外乱の波動が生じても架橋機構を損傷することを防止して安全に対象物にアクセスできるようにした動揺補正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による動揺補正装置は、外部から与えられる動揺をヘキサポッド構成によって解消すると共に水平方向に移動可能な動揺補正機構と、動揺補正機構に設置されたテーブルと、テーブルに接続されていて上下方向に回動可能な架橋機構と、架橋機構に設置されていて対象物との水平方向及び/または上下方向の距離を測定する測距センサと、測距センサで測定した対象物との水平方向及び/または上下方向の距離の測定データに基づいて架橋機構を対象物と非接触で近接する許容範囲内に保持するように動揺補正機構及び前記架橋機構の少なくとも一方を作動制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、波動等の外乱で船舶等がゆれても動揺補正機構によってテーブルを水平に保つことができ、しかも、架橋機構と対象物との距離を測距センサで測定することで、架橋機構が対象物と非接触で近接する許容範囲内に保持されるように、水平方向及び/または上下方向の測定データが予め設定した許容範囲内にあるか否かを制御手段によって判別して動揺補正機構及び前記架橋機構の少なくとも一方を作動制御し、架橋機構を許容範囲内に補正できる。
【0009】
また、制御手段は、測距センサで測定した対象物と架橋機構との水平方向及び/または上下方向の距離の測定データを入力する入力手段と、架橋機構と対象物とが非接触で近接した水平方向及び/または上下方向の距離となる許容範囲データを予め記憶させた許容範囲記憶手段と、水平方向及び/または上下方向の測定データと水平方向及び/または上下方向の許容範囲データとを比較判別する判別手段と、水平方向及び上下方向の少なくとも一方の測定データが許容範囲データから外れている場合に動揺補正機構及び架橋機構の少なくとも一方を駆動させる駆動指示手段と、を備えることが好ましい。
本発明による動揺補正装置は、測距センサによる測定データが許容範囲記憶手段に予め記憶した水平方向及び/または上下方向の許容範囲データの範囲内か否かを判別手段で判断し、許容範囲から外れる場合には駆動指示手段で動揺補正機構と架橋機構の少なくとも一方を駆動して許容範囲内に納める。
この場合、測定データが水平方向(X−Y軸方向)で許容範囲を外れる場合には動揺補正機構で補正し、上下方向(Z軸方向)で許容範囲を外れる場合には架橋機構で補正する。本発明では各部材の機能を制限することで部品数を削減して小型化と軽量化を達成できる。
【0010】
また、動揺補正装置は、海上で船舶に設置されていることが好ましい。
動揺補正装置が海上で船舶に設置されている場合には、動揺補正装置と対象物の少なくとも一方または両方が突発的な波動等で変位しても制御手段によって対象物との距離が許容範囲内に位置するように架橋機構の移動を制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明による動揺補正装置によれば、テーブルに接続した架橋機構を対象物に対して非接触で且つ近接する位置に制御できるため、架橋機構と対象物との間のアクセス等を確実に行える。
また、例えば洋上等で突発的な波動が生じる等して、動揺補正装置と対象物の相対位置が突発的に変化した場合でも、対象物と非接触状態であるため架橋機構が対象物と衝突等して互いに損傷することを防止できる。しかも、本発明による動揺補正装置は各部材の機能と部品数を制限したため、小型化と軽量化を達成できて低コストである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態による動揺補正装置の概略斜視図である。
【
図2】
図1に示す動揺補正装置の架橋機構の電動シリンダを示す要部斜視図である。
【
図3】
図1に示す架橋機構の先端に設けたレーザセンサと洋上施設を示す説明図である。
【
図4】架橋機構のレーザセンサと洋上施設との測距状態を示す説明図であり、(a)は洋上施設が下方にある場合の図、(b)は洋上施設が水平方向横側にずれた場合の図である。
【
図6】制御手段によるレーザセンサと洋上施設の距離を許容範囲内に調整するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による動揺補正装置1について説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態による動揺補正装置1は、例えば船舶2の上に設置されていて、対象物として例えば海上に設置された洋上風力発電施設等の洋上施設19との間で作業者等を乗り降りできるようにしたものである(
図3参照)。動揺補正装置1は例えば船舶2の甲板に固定されたヘキサポッド型(6軸システム)の動揺補正機構3と、動揺補正機構3の上部に設置されたテーブル4と、テーブル4に接続された桟橋からなる架橋機構5とを備えている。
なお、テーブル4と架橋機構5には柵が設置されているが、省略してもよい。
【0014】
ヘキサポッド型の構成を備えた動揺補正機構3は、ベース部7及び6本の伸長可能なアクチュエータ8を備えた6つの自由度を有する6軸システムであり、その上面に回転リンクを介してテーブル4が設置されている。各アクチュエータ8は例えば電動シリンダで形成されており、配線チューブ9を介して制御手段10によって個別に制御可能とされている。
しかも、動揺補正機構3は、船舶2が波動によって前後左右方向や上下方向に揺動したとしても制御手段10によってこれを検知して各アクチュエータ8を独立して伸縮制御することでテーブル4を水平に維持し、動揺を解消できる。即ち、海上の波動の中で船舶2に生じる、並進運動としてのサージ(前後揺)、スウェイ(左右揺)、ヒーブ(上下揺)や、回転運動としてのロール(横揺)、ピッチ(縦揺)、ヨー(船首揺)の各揺動を打ち消すように各アクチュエータ8を伸縮作動させる。
【0015】
動揺補正機構3によるテーブル4の揺動範囲は、例えば前後方向と左右方向の水平方向(X−Y軸方向)にテーブル4の中心に対して±300mm〜400mmの範囲、即ち直径で600mm〜800mm程度の円の範囲に設定されている。また、上下方向(Z軸方向)の揺動範囲はテーブル4の高さに対して±200mmの範囲、即ち合計で400mmの範囲に設定されている。
しかも、動揺補正機構3は、波動によって架橋機構5の先端が洋上施設19から水平方向に離間しすぎたり接近しすぎたり、或いは高低差の距離が増大しすぎたり近接しすぎたりした場合には、後述のように洋上施設19と非接触状態を維持しながら適宜な近距離の範囲内、即ちアクセスや物品の受け渡し等ができる許容範囲内に維持できるように各アクチュエータ8を伸縮させることで調整できる。
【0016】
テーブル4は例えば略六角形板状に形成されており、その一の辺部にはヒンジ部12を介して架橋機構5が接続されている。架橋機構5は1基の桟橋からなっており、ヒンジ部12によって上下回動可能とされている。
図2はテーブル4と架橋機構5の連結部を下方から見た要部斜視図であり、テーブル4の裏面には電動シリンダ13が設置されている。なお、電動シリンダ13に代えて油圧シリンダ等を採用してもよい。
この電動シリンダ13はテーブル4の裏面に固定されたシリンダチューブ14に対して進退可能なピストンロッド15が設けられている。ピストンロッド15の先端部は架橋機構5の下面に連結されている。そのため、ピストンロッド15を伸長させると架橋機構5をヒンジ部12から上方に回動させて上向きに補正し、ピストンロッド15を収縮させると架橋機構5をヒンジ部12から下方に回動させて下向きに補正することができる。架橋機構5には水平回転機構は設置されていない。
【0017】
図2及び
図3において、架橋機構5の先端部5aの裏面には測距センサとして例えばレーザセンサ18が設置されている。このレーザセンサ18によって対象物である洋上施設19との距離を測定することで、架橋機構5の先端部5aが洋上施設19に非接触で且つ作業者等が架橋機構5と洋上施設との間で一方から他方に乗り移るアクセスや物品の受け渡し等ができる程度に接近した許容範囲Lになるよう調整する。
【0018】
制御手段10で制御される架橋機構5と洋上施設19との許容範囲(距離)Lは、船舶2や洋上施設19や海上の状態等の各種条件に応じて上限値と下限値を適宜に設定できる。この許容範囲L内に架橋機構5を設置する場合の一例は、
図3に示すように、対象物である洋上施設19に対して架橋機構5の先端部5aが同一高さでY軸方向に許容距離Lに設定されている。或いは、
図4(a)に示すように、洋上施設19に対して架橋機構5の先端部5aが上側(または下側)に設定された場合、
図4(b)では、洋上施設19(a)に対して架橋機構5の先端部5aが水平方向にずれた場合等が想定できる。
架橋機構5と洋上施設19との許容範囲Lは例えば靴の幅程度に設定される。
【0019】
図5に示す制御手段10は次の構成を備えている。即ち、レーザセンサ18で測定した架橋機構5の先端部5aと洋上施設19との距離の測定データを入力する入力手段21と、許容範囲Lにおける水平方向のX方向とY方向の各許容範囲XL、YLとZ方向(高さ方向)の許容範囲ZLのデータをそれぞれ設定して記憶した許容範囲記憶手段22とを有している。
【0020】
そして、レーザセンサ18で測定した測定データにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の距離と、X、Y、Z軸方向の各許容範囲XL、YL、ZLとを判別手段23で比較して測定データが許容範囲XL、YL、ZLに含まれるか否かを判別する。判別手段23において、X、Y、Z軸方向で許容範囲を外れた測定データを抽出して駆動指示手段24を介して動揺補正機構3と架橋機構5の電動シリンダ13とのいずれか一方または両方に駆動指示信号を出力し、レーザセンサ18で測定した測定データが許容範囲XL、YL、ZLに含まれるように制御する。
【0021】
本実施形態による動揺補正装置1は上述した構成を備えており、次にその作動方法について
図6に示すフローチャートに沿って説明する。
船舶2が洋上施設19にアクセスする場合、例えば大型船では洋上施設19に接近し、小型船では先端を洋上施設19に当接させてアクセスを試みる。これらのいずれかの状態で、動揺補正装置1の架橋機構5を洋上施設19に近接させ、先端部5aのレーザセンサ18によって洋上施設19の先端との距離を測定する(S101)。
そして、レーザセンサ18による測定データのX軸、Y軸、Z軸方向の各距離が許容範囲記憶手段22に予め記憶された許容範囲XL、YL,ZL内か否かを、判別手段23で比較判断する。
【0022】
測定データがX軸、Y軸方向において許容範囲XL、YLから逸脱する場合には(S102)、駆動指示手段24によって動揺補正機構3に補正の指示を出力して6軸の各アクチュエータ8を駆動することで架橋機構5の先端部5aが許容範囲XL、YL内に至るまで補正する(S103)。
また、測定データがZ軸(高さ)方向において許容範囲ZLから逸脱する場合には(S104)、駆動指示手段24によって架橋機構5の電動シリンダ13を駆動してヒンジ部12を中心に架橋機構5の傾斜角度を調整する(S105)。
【0023】
このような作業によって架橋機構5の先端部5aが洋上施設19と非接触で近接したアクセス可能な許容範囲L内になるように調整する。なお、動揺補正機構3によってテーブル4の水平を保ちながら架橋機構5で高さ方向の変位を補正することが可能である。
そして、予め定めた所定時間、例えば50mmsec経過するとS101に戻り、再度レーザセンサ18で洋上施設19との距離を測定して架橋機構5の先端部5aが許容範囲L内に位置するように繰り返し調整する。
【0024】
上述のように本実施形態による動揺補正装置1によれば、レーザセンサ18による測定データによって、架橋機構5の先端部5aと洋上施設19との距離を非接触で安全にアクセスできる許容範囲内Lに補正することができる。
また、本実施形態では、架橋機構5と洋上施設19とが非接触であるため突発的な波動等によって架橋機構5や洋上施設19が互いに衝突等して損傷することを防止できる。
しかも、架橋機構5は単体の桟橋からなり、上下方向に傾斜可能な電動シリンダ13を設けただけであるから、部材の機能を制限することで部品数を削減して小型化と軽量化を達成できる。
【0025】
なお、本発明による動揺補正装置1は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な置換や変形等を適用することができる。以下に本発明の変形例について説明するが、上述した実施形態と同一または同様な部分や部材には同一の符号を用いて説明する。
【0026】
例えば、上述した実施形態では測距センサとしてレーザセンサ18を設置したが、本発明はレーザセンサ18に限定されることなく、イメージセンサ、赤外線センサ、超音波センサ等、適宜の測距センサを採用できる。
また、上述した実施形態では架橋機構5として桟橋を1基設置したがヒンジを介して複数基設置してもよい。
【0027】
また、ヘキサポッド型の構成を備えた動揺補正機構3は、6本の伸長可能なアクチュエータ8を備えた6つの自由度を有する6軸システムとしたが、必ずしもX−Y方向と上下方向の6軸方向の調整を行える必要はなく。任意の1軸以上の調整ができればよい。
なお、上述した実施形態では動揺補正機構3及び架橋機構5を設置してX−Y方向と上下方向の両方の変位を補正できるようにしたが、動揺補正機構3及び架橋機構5の一方だけを設けて対象物と架橋機構5との距離を調整できるようにしてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0028】
1 動揺補正装置
2 船舶
3 動揺補正機構
5 架橋機構
5a 先端部
8 アクチュエータ
10 制御手段
12 ヒンジ部
13 電動シリンダ
18 レーザセンサ
22 許容範囲記憶手段
23 判別手段