特開2018-138723(P2018-138723A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本無線株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000003
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000004
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000005
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000006
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000007
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000008
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000009
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000010
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000011
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000012
  • 特開2018138723-シミュレータドーム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-138723(P2018-138723A)
(43)【公開日】2018年9月6日
(54)【発明の名称】シミュレータドーム
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/343 20060101AFI20180810BHJP
   G09B 9/052 20060101ALI20180810BHJP
【FI】
   E04B1/343 E
   G09B9/052
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-33221(P2017-33221)
(22)【出願日】2017年2月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 壮志
(57)【要約】
【課題】軽量で高強度であり、製造と組み立ての容易な天井部を備えた。
【解決手段】シミュレータドーム1は、側面周囲に設けたスクリーン部2と、スクリーン部2の上部に設置された天井部3とを備えた。天井部3は所定間隔で設置された略円弧板状の天井側リブ15と天井側リブ15の間に設置した天井側パネル16とを備えた。天井側リブ15の両側に天井側パネル16のフランジ部を当接させて各ねじ穴を通して固定ボルトとナットで共締めし、固定した。天井側リブ15と天井側パネル16は個別に形成して連結した。シミュレータドーム1天井部3は天井側リブ15と天井側パネル16を交互に配設して組み立てた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面周囲に設けたスクリーン部と、
前記スクリーン部の上部に設置された天井部とを備え、
前記スクリーン部と天井部の少なくとも一方は、所定間隔で設置されたリブと前記リブの間に設置して前記リブに連結されたパネルとを備えたことを特徴とするシミュレータドーム。
【請求項2】
前記リブとパネルは別体または一体に形成されている請求項1に記載されたシミュレータドーム。
【請求項3】
前記リブはその両側に配設された前記パネルのフランジ部と固定具で固定され、
前記リブは前記パネルの内側及び外側の一方または両方に突出している請求項1または2に記載されたシミュレータドーム。
【請求項4】
前記天井部は略半球状または球面の一部の形状に形成され、前記リブは球面形状に沿って下端部から頂部に向けて略円弧状に形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載されたシミュレータドーム。
【請求項5】
前記天井部の上部において、複数の前記リブの頂部側端部に換気装置やカバーが固定されている請求項4に記載されたシミュレータドーム。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のシミュレータ等を設けたシミュレータドームに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、乗物の運転練習や乗物の研究開発等においては、シミュレータが用いられている。シミュレータ用の映像を投影するシミュレータドームの略球面状の壁面は球面の一部をなすパネル状の分割体に設けたリブ同士を結合することで順次連結していた。
例えば特許文献1には、平面視略円環状に形成されたスクリーン及び背面板とその上端部に設置された天井部とを備えたシミュレータドームが開示されている。シミュレータドームの天井部はトラス構造からなる骨格部を備えており、天井部の内側で骨格部にプロジェクタが配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2781755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のシミュレータドームは、天井部がトラス構造からなる骨格部を備えたため、強度は高いが重量が大きくなる上に製造と組み立てに手間がかかるのでコスト高になるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、軽量で高強度であり製造と組み立ての容易な天井部を備えたシミュレータドームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるシミュレータドームは、側面周囲に設けたスクリーン部と、スクリーン部の上部に設置された天井部とを備え、天井部は所定間隔で設置されたリブとリブの間に設置してリブに連結されたパネルとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、シミュレータドームの天井部をリブとパネルを交互に配設して組み立て固定したため、軽量でありながら所定間隔で配列したリブによって高強度を得られ、組み立ても容易である。
【0007】
また、リブとパネルは別体または一体に形成されていることが好ましい。
リブをパネルと別体に形成すれば、製作時の金型が単純化され、リブとパネルの設計の自由度が増す。また、リブをパネルと一体に形成すれば天井部の組み立てが容易になる。
【0008】
また、パネルはその両側部にフランジ部が形成され、リブはその両側に配設されたパネルのフランジ部と固定具で固定され、リブはパネルの内側及び外側の一方または両方に突出していることが好ましい。
リブの両側に配設したパネルのフランジ部をリブに当接させて固定具で互いに連結することで簡単に固定できる。しかも、リブがパネルの内側または外側に突出している構造であれば高剛性であり、内面側にリブが突出しない場合には天井部がスクリーン部の面に連続した内面を形成できて外観上の見栄えが良い。また、リブがパネルの内側に突出している構造であれば、ライトやセンサ等の各種の備品等を取り付けることができる上に外面側にリブが突出しない場合には外観上の見栄えがよい。
【0009】
また、天井部は略半球状または球面の一部の形状に形成され、リブは球面形状に沿って下端部から頂部に向けて略円弧状に形成されていることが好ましい。
リブを天井部の球面形状に沿って頂部に向けて略円弧状に形成することで軽量でありながらシミュレータドームを高剛性に形成できる。
【0010】
天井部の上部において、複数のリブの頂部側端部に換気装置やカバーが固定されていてもよい。
換気装置を設置すればシミュレータドームの換気ができる上に、リブを換気装置を介して固定すれば剛性が一層高くなる。また、リブにカバーを設置すれば剛性が高くなる上に雨水等の浸入を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるシミュレータドームによれば、天井部は所定間隔で設置されたリブとパネルとを備えたため、リブによって軽量でありながら高剛性を得られて組み立ても容易である。
しかも、リブとパネルを個別に形成することで製作時の金型が単純化されてリブとパネルの設計の自由度が増すことになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態によるシミュレータドームの天井部のパネルを一部削除した概略斜視図である。
図2図1に示す天井部の拡大図である。
図3】スクリーン部の本体リブと天井部の天井側リブとの連結構造を示す図である。
図4】リブの斜視図である。
図5】パネルの斜視図である。
図6】(a)は天井部の天井側リブと天井側パネルの連結構造を示す図1のA−A線断面図、(b)はスクリーン部の本体リブと本体パネルの連結構造を示す断面図である。
図7】天井部の頂部における天井側リブと換気装置の連結構造を示す図である。
図8】第一変形例による天井部の天井側リブと天井側パネルの連結構造を示す断面図である。
図9】第二変形例による天井側リブと天井側パネルの連結構造を示す断面図である。
図10】(a)、(b)は天井側リブの変形例を示す断面図である。
図11】第二実施形態によるシミュレータドームにおける天井側リブと天井側パネルを一体に形成した分割体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるシミュレータドーム1について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態によるシミュレータドーム1は、例えば球体面の下部を切除した形状に形成されており、映像を投射するためのスクリーン部2とその上部に設置した天井部3とを備えている。スクリーン部2は側面周囲に平面視略円環状または筒状に形成されたスクリーン本体5とその上端部で径方向内側に延びて形成された天板部6とを有している。
【0014】
スクリーン本体5は、周方向に所定間隔で配列された略円弧板状の本体リブ8と本体リブ8の間に配設されていて両側の本体リブ8にそれぞれ連結された本体パネル9とを備えている。しかも、本体リブ8は本体パネル9の外側に突出している。スクリーン本体5の内面は、後述するプロジェクタ10から画像が投射されるスクリーン面を構成するものであり、本体リブ8と本体パネル9が滑らかな曲面に形成されている。
本体リブ8と本体パネル9は別体に形成することが金型製作上好ましいが、一体に形成してもよい。
【0015】
図2及び図3に示すように、スクリーン部2の上端部では各本体リブ8が径方向内側に折り曲げられた梁部12が設けられ、各本体リブ8の梁部12は天板部6において、径方向内側に延びている。そして、径方向に延びる梁部12はその先端部とその外側に略正多角形状または円周状に形成された2条の支持枠13に連結されている。天板部6は複数の梁部12と支持枠13とで略蜘蛛の巣状に形成され、天板部6から下方のスクリーン本体5に向けて傾斜配置されたプロジェクタ10が固定されている。図2ではプロジェクタ10は省略されているが、天板部6の梁部12と支持枠13に周方向に所定間隔で複数のプロジェクタ10が固定されているものとする。
【0016】
次に天井部3について説明する。
天井部3は、スクリーン部2の上端部の天板部6の上面に設置されている。天井部3の外周面において、周方向に所定間隔で配列された略円弧板状の天井側リブ15と天井側リブ15の間に配設された天井側パネル16とを備えている。天井側リブ15は本体リブ8の延長状に設置され、天井側パネル16は本体パネル9の延長状に設置されていて両側の天井側リブ15にそれぞれ連結されている。本体リブ8と天井側リブ15とで略円弧状をなす骨部が周方向に所定間隔で配列されたシミュレータドーム1の骨組構造を形成している。
図4に示すように、天井側リブ15は例えばアルミ等の金属または炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等からなり、略円弧状の板材からなる。しかも、天井側リブ15には長さ方向に沿って所定間隔でボルト挿通孔をなすねじ穴部15aが形成されている。天井側リブ15の長手方向中間部の内側には部分的に幅広になる拡幅部15bが形成されているが、拡幅部15bはなくてもよい。
【0017】
次に図5に示す天井側パネル16について説明する。
天井側パネル16は例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等からなり、球面の一部をなすように曲面形状を有し且つ天板部6側の下端部から頂部側に向かって次第に幅が狭くなるように略二等辺三角形曲面状に形成されている。天井側パネル16の対向する二辺の側部には外側に折り曲げられたフランジ部16aが突出して形成され、その長手方向に沿ってボルト挿通孔をなすねじ穴部16bが所定間隔で形成されている。
天井部3において、図2のA−A線で示す天井側リブ15と天井側パネル16の連結構造が図6(a)に示されている。天井側リブ15の両側に配設された天井側パネル16はそのフランジ部16aが天井側リブ15に当接され、互いにねじ穴部15a、16bを通して固定具をなす固定ボルト18とナット19とで共締めされて固定されている。天井側リブ15は幅方向一端部がフランジ部16aと共に天井側パネル16の外側に突出し、他端部が内側に突出する構成を有している。
【0018】
なお、本体リブ8と本体パネル9も天井側リブ15と天井側パネル16と同様な素材と構成を有している。また、スクリーン部2においても、図6(b)に示すように、天井側リブ15と天井側パネル16の連結構造と同様に本体リブ8と本体パネル9が固定ボルト18とナット19で連結されている。スクリーン本体5の内面はスクリーン面を構成するため、図6(b)に示すように、本体リブ8の内側端部が本体パネル9の内面と同一曲面を形成するように形成することが好ましい。
【0019】
また、図2に示すように、天井部3の各天井側リブ15は周方向に所定間隔で配列されており、先端部はその頂部Tには届かないため頂部Tに略円形の空間20が形成されている。図7において、各天井側リブ15の上端部にはリング状の固定枠22が固定され、固定枠22の上部にはシミュレータドーム1内の空気を排気するための換気装置23がボルト等で固定されている。換気装置23内には換気ファン24が設置されている。
また、換気装置23の下側には外部からの光がスクリーン面に届くことを妨げる例えば板状の遮光部材25が設置されている。遮光部材25の縁部には連結棒26の一端が固定され、他端は天井側リブ15の長手方向途中部分に設けた拡幅部15bに接続されている。連結棒26は少なくとも2本設置すればよく、必要に応じて適宜の本数を天井側リブ15の拡幅部15bに接続できる。
【0020】
本実施形態によるシミュレータドーム1は上述した構成を備えており、次にシミュレータドーム1の組み立て方法の一例を説明する。
まず、シミュレータドーム1のスクリーン部2を組み立てるには、図示しない基台上に1本の本体リブ8を固定し、その一側部に本体リブ8のフランジ部を当接させて固定ねじ18とナット19で仮固定する。そして、次に、所定間隔を開けて設置した本体リブ8の両側に本体パネル9のフランジ部を当接させて固定ボルト18とナット19で共締めし、順次同様に本体リブ8と本体パネル9を連結していく。
そして、最後の本体パネル9のフランジ部を最初の本体リブ8と仮固定したフランジ部と共に固定ボルト18及びナット19で共締め固定することで略円環状のスクリーン部2が形成される。また、天板部6における梁部12の内側に2組の支持枠13を固定ボルト18とナット19で固定すればスクリーン部2を強固に固定できる。
【0021】
次に、天井部3の組み立て時には、天井側リブ15の下端部を天板部6の梁部12または本体リブ8にボルト等で固定する。そして、天井側リブ15の一側部に天井側パネル16のフランジ部16aを当接させて、各ねじ穴部15a、16bで固定ボルト18とナット19を締め込み仮固定する。次に固定した天井側リブ15の両側に天井側パネル16のフランジ部16aを当接させて固定ねじ18とナット19で共締めし、順次同様に天井側リブ15と天井側パネル16を連結していく。
そして、最後の天井側パネル16のフランジ部16aを最初の天井側リブ15と仮固定したフランジ部16aと共に固定ボルト18及びナット19で共締め固定することで略球面上部の天井部3が形成される。
【0022】
なお、天井部3の組み立ての最後に、組み立て誤差や各部品の製造誤差等のために最後の天井側パネル16と最初の天井側リブ15との間に隙間が生じたり、互いに重なる等して誤差が生じることがある。この場合には、天井側リブ15が板状であるため、複数枚を密着させるか天井側リブ15の厚みを増減調整するか異なるものに交換する等して、隙間を埋めたり天井側パネル16との重なりを解消したりする等して互いに調整することができる。
そして、各天井側リブ15の頂部に設けた環状の固定枠22上に換気装置23をボルト等で固定することで、天井部3の天井側リブ15は一層強固で高剛性の骨組み構造が得られる。なお、各天井側リブ15の頂部には換気装置23に代えてカバー等を設置してもよい。
また、組み立て工程の途中で、或いはスクリーン部2及び天井部3の組み立て終了後に複数のプロジェクタ10、遮光部材25等を適宜取り付けるようにすればよい。
【0023】
上述したように本実施形態によるシミュレータドーム1によれば、天井部3は別個に形成した天井側リブ15と天井側パネル16のフランジ部16aとを天井側パネル16の外側に突出させて固定ボルト18とナット19で共締め固定したため、比較的軽量でありながら高剛性を得ることができる上に、組み立ても容易である。各天井側リブ15の上端部に換気装置23を固定することで一層骨組み構造が強固になる。
そのため、従来のシミュレータドームのように、パネル状の分割体のリブ同士を結合することで順次連結した構成よりも高強度を有する。
【0024】
しかも、天井側リブ15と天井側パネル16を個別に形成することで製作時の金型が単純化されて天井側リブ15と天井側パネル16の設計の自由度が増すことになる。
天井側リブ15と天井側パネル16の組み立て時に生じる誤差を、天井側リブ15を複数枚重ねたり厚みの異なるものに交換したり厚みを増減調整したりする等して解消できる。
なお、天井部3に限らず、スクリーン部2における本体リブ8及び本体パネル9においても同様な作用効果を発揮できる。
【0025】
なお、本発明によるシミュレータドーム1は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な置換や変形等を適用することができる。以下に本発明の変形例について説明するが、上述した実施形態と同一または同様な部分や部材には同一の符号を用いて説明する。
【0026】
例えば、上述した第一実施形態によるシミュレータドーム1では、図6(a)に示すように、天井側リブ15とその両側の天井側パネル16の連結構造において、天井側リブ15が屋外側と屋内側に突出するようにしたが、本発明はこのような構成に限定されない。
例えば、図6(b)に示すスクリーン部2の本体リブ8とその両側の本体パネル9の連結構造と同様に、第一変形例として、天井側リブ15は屋内側に突出せず、天井側パネル16の内面と面一になるように天井側リブ15を形成してもよい。このような構成を採用すれば、シミュレータドーム1の屋内側において、天井部3の内面側の連結構造がスクリーン部2の内面側の連結構造と共通化するため、外観上の見栄えがよくなる。
【0027】
次に本発明の実施形態の第二変形例による天井側リブ15と天井側パネル16の連結構造について図8により説明する。
本変形例では、天井側パネル16の両端部に形成したフランジ部16aは内側に屈曲した構成を有している。両側のフランジ部16aに挟まれた天井側リブ15は外側端部が天井側パネル16の外面と面一であり、内側端部がフランジ部16aと同一位置またはより内側に突出している。そして、天井側リブ15と両側のフランジ部16aとがねじ穴部15a、16bを通して固定ボルト18とナット19で共締めされている。
本第二変形例によれば、天井部3の外面が面一になるので外観上の見栄えがよいという利点がある。
【0028】
図9は本実施形態の第三変形例を示すものである。
図9に示す天井部3の連結構造において、天井側パネル28はフランジ部を有しておらず、端面に凹陥部28aが形成されている。両側の天井側パネル28の間に連結される天井側リブ29はその両端面に凸部29aが形成されており、しかも天井側パネル28の内外に突出していない。そのため、天井側リブ29の両端面に両側の天井側パネル28の凹陥部28aを嵌入させることで互いに連結できる。連結に際し、各端面に接着剤等を塗布して連結強度を高めてもよい。或いは天井側パネルの端面に凸部を形成し、天井側リブ29の両端面に凹部を形成してもよい。
上述した第三変形例の連結構造によれば、天井側パネル28も天井側リブ29も連結状態において、内面と外面に突出せずいずれも面一に形成されるため、一層外観上の見栄えが良くなる。
【0029】
図10は本実施形態による天井側リブ15の変形例である。実施形態では断面略長方形の板状に形成したが、図10(a)に示すように略T字に形成してもよい。或いは図6(b)に示すように略L字状に形成してもよい。いずれの場合も天井側リブ15の強度、剛性が向上する。しかも、屈曲部を内側または外側に形成することで他の取り付け備品等を取り付けたりすることができる。
【0030】
図11は本発明の第二実施形態による天井部3の分割体31を示すものである。本第二実施形態では、分割体31をなす天井側パネル16の一方の側部に天井側リブ15を一体形成し、他方の側部にフランジ部16aを一体形成したものである。そして、連結に際して、天井側リブ15と天井側パネルのフランジ部16aを固定ボルト18とナット19で共締めすればよい。
本第二実施形態によれば、分割体31の製造時の金型が複雑化するが、天井部3の組み立てが一層容易になり、強度も向上する。
【0031】
また、スクリーン部2において、本体リブ8と本体パネル9の連結構造は図6(b)に示すように、内面に本体リブ8が突出せず、面一になるように形成したが、これに代えて図6(a)や図8に示す天井側リブ15と天井側パネル16の連結構造を採用してもよい。
また、シミュレータドーム1はスクリーン部2と天井部3を略半球状または球体の下部を切除した形状に形成したが、本発明はそのような構成に限定されない。例えば、球体面の半割り状であってもよいし、球面の一部の形状に形成されていてもよい。
なお、天井側リブ15、本体リブ8はリブに、天井側パネル16、本体パネル9はパネルに含まれる。
【符号の説明】
【0032】
1 シミュレータドーム
2 スクリーン部
3 天井部
8 本体リブ
9 本体パネル
15、29 天井側リブ
16、28 天井側パネル
16a フランジ部
18 固定ボルト
19 ナット
23 換気装置
31 分割体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11