【課題】各社員の売上金額計算の対象期間と各社員の請求金額計算の対象期間との間にズレが生じる場合であっても、売上金額を含む売上データおよび請求金額を含む請求データを同時に作成できる金額データ作成装置、金額データ作成方法および金額データ作成プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)対象社員に適用される規則を、契約テーブルから取得し、(2)取得した前記規則に含まれる基準金額に従って、実績テーブルに含まれる前記対象社員の労働時間数を基に、前記対象社員の当月の売上金額を算出し、当該算出した売上金額を含む売上データを作成し、(3)取得した前記規則に含まれる基準金額、請求締日および請求区分に従って、前記実績テーブルに含まれる前記対象社員の前記労働時間数を基に、前記対象社員の当月の請求金額を算出し、当該算出した請求金額を含む請求データを作成する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る金額データ作成装置、金額データ作成方法および金額データ作成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.概要]
人別に労働時間で請求を立てる取引のある業界(例えば、IT派遣業界等)では、「自社の売上計上」と「顧客への請求額」とで、計算対象の期間が異なる場合がある。ここで、世間一般の販売管理システムにおいては、売上データと請求データとが紐づいてしまっているため、手作業により請求金額の伝票の修正を行ったり、または、システム帳票を使用せずに、請求データは手作業で作成していた。しかしながら、手作業で請求データを作成すると、業務ミスや内部統制フローにおける欠陥が生じてしまうため、二重チェックを行うなどして、マニュアルで統制をかけている会社が多かった。
【0015】
ここで、前記計算対象の期間が異なる場合についてより詳細に説明する。例えば、対取引先との締め支払においては、請求金額の計算対象期間は1日〜31日としない一方で、正しい会計処理を実施する場合に、売上金額の計算対象期間は1日〜31日とする必要がある。特に、派遣業界においては、取引先との締め支払以外にも、項目単位(基本作業時間、超過時間等)で、請求が当月になるか翌月になるかが異なるケースがある。
【0016】
このようなケースの場合、従来は、以下の(1)から(3)のいずれかの方法で処理していたが、実際の処理としては、正しいとはいえない状況になっていた。
(1)人間系ですべて分割する。
(2)売上金額計算の対象期間に合わせて、請求書は手作業により作成する(常に回収予定とは一致しない)。
(3)科目重要性の観点から、売上金額の計算を、請求金額計算の対象期間まで我慢する、すなわち、待つ。
【0017】
そこで、本実施形態においては、各社員の売上金額計算の対象期間と各社員の請求金額計算の対象期間との間にズレが生じる場合であっても、売上金額を含む売上データおよび請求金額を含む請求データを同時に作成することを可能にした。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0018】
[2.構成]
本実施形態に係る金額データ作成装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、金額データ作成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
金額データ作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、金額データ作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0020】
金額データ作成装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。金額データ作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、金額データ作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、金額データ作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を、表示部としてのモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106は、社員マスタ106aと、契約テーブル106bと、日報テーブル106cと、実績テーブル106dと、売上データとしての売上テーブル106eと、請求データとしての請求テーブル106fと、を備えている。これらのうち、社員マスタ106aおよび日報テーブル106cは、任意の構成要素であり、記憶部106に含まれていても含まれていなくてもよい。
【0025】
以下の説明においては、ある企業が派遣先企業に対して各社員を派遣する場合に、前記各社員についての前記ある企業内(自社内)での売上金額を算出し、また一方で、前記各社員についての前記派遣先企業に対する請求金額を算出するという場面を想定している。ただし、本発明を適用可能な場面は、上述した場面に限定されない。
【0026】
本実施形態に係る処理の概略としては、
図2に示すように、まず、社員マスタ106aと紐づく日報テーブル106cを基にして、実績テーブル106dが作成される。そして、作成された実績テーブル106dおよび社員マスタ106aと紐づく契約テーブル106bを基にして、売上テーブル106eおよび請求テーブル106fが作成される。以下、各マスタおよび各データが含む項目について説明する。
【0027】
社員マスタ106aは、例えば、社員コード、社員名等の項目を含む。
【0028】
契約テーブル106bは、当月の売上金額および請求金額を算出する際の規則を複数含む。前記規則は、各社員コードに対してそれぞれ別のものが設定される。前記規則は、基準金額と、請求締日と、当月締めの請求および翌月締めの請求のいずれか一方を意味する請求区分と、を含む。
【0029】
前記基準金額とは、ある一定の労働時間数に対する金額のことである。例えば、給与支払形態が、システムエンジニアリングサービス契約に基づく支払の場合、基本作業時間に対する単価と、基本作業時間を超過した場合の1時間あたりの超過単価と、これを下回った場合の1時間あたりの減額単価と、がそれぞれ別々に設定されることがある。
図3のA氏についての基準金額は、500,000円(基本作業時間の150〜170時間に対する単価)、3,000円(超過単価)、3,000円(減額単価)の3つである。あるいは、給与支払形態が、時給制に基づく支払の場合、
図3のC氏のように、基準金額は、1,000円(一日あたりの所定労働時間内の時給)、1,250円(残業時給)の2つである。なお、給与支払形態は、前述のシステムエンジニアリングサービス契約に基づく支払や時給制に基づく支払に限定されず、例えば、月給制に基づく支払等であってもよい。
【0030】
前記請求締日とは、金額計算の締日のことである。前記締日は、特に制限されないが、例えば、末日締め、10日締め、15日締め、20日締め等があげられる。
【0031】
前記請求区分とは、金額計算の対象期間が、当月と翌月のいずれであるかを示す区分である。例えば、8月分の請求金額を末日締めで計算する際に、前記請求区分が「当月」である場合には、8月1日〜8月31日の期間における労働時間数が、8月分の請求金額計算の対象期間となる。これに対して、前記請求区分が「翌月」である場合には、7月1日〜7月31日の期間における労働時間数が、8月分の請求金額計算の対象期間となる(いわゆる、翌月請求)。
【0032】
ここで、各社員の当月の売上金額については、基準金額、請求締日および請求区分の3つのパラメータのうち、基準金額のみに基づいて計算される。これは、請求締日は、どの社員も同様に末日であり、請求区分も、どの社員も同様に当月であるためである。例えば、A氏〜D氏の8月分の売上金額を計算する場合、
図5に示すように、A氏〜D氏はいずれも、売上金額の請求締日は31日であり、請求区分は当月の8月である。これに対して、A氏〜D氏それぞれにおいて、基準金額は
図3に示す通り異なる。
【0033】
一方で、各社員の当月の請求金額については、基準金額、請求締日および請求区分の3つのパラメータの組合せに基づいて計算される。例えば、C氏の8月分の請求金額を計算する際に、基準金額が時給1,000円であり、請求締日が20日であり、請求区分が当月である場合、C氏の8月分の請求金額は、1,000円に、7月21日〜8月20日の間における労働時間数を乗じることにより計算できる。別の例として、基準金額が時給1,000円であり、請求締日が末日であり、請求区分が当月である場合、C氏の8月分の請求金額は、1,000円に、8月1日〜8月31日の間における労働時間数を乗じることにより計算できる。更に別の例として、基準金額が時給1,000円であり、請求締日が20日であり、前記請求区分が翌月である場合には、C氏の8月分の請求金額は、1,000円に、6月21日〜7月20日の間における労働時間数を乗じることにより計算できる。
【0034】
日報テーブル106cは、各社員の1日あたりの労働時間数を含み、日報テーブル106cを基にして、実績テーブル106dが作成される。
【0035】
実績テーブル106dは、社員の労働時間数を含む。実績テーブル106dは、更に、例えば、社員CDを含んでもよく、これにより、実績テーブル106dは、各社員CDと紐づけて労働時間数を含むことができる。
【0036】
売上テーブル106eは、各社員の当月の売上金額を含む。請求テーブル106fは、各社員の当月の請求金額を含む。なお、各社員の当月の売上金額および各社員の当月の請求金額の算出の仕方の詳細については、以下[3.処理の具体例]で説明する。
【0037】
制御部102は、金額データ作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0038】
制御部102は、機能概念的に、(1)対象社員に適用される前記規則を、前記契約テーブルから取得する取得手段としての取得部102aと、(2)前記取得手段で取得した前記規則に含まれる基準金額に従って、前記実績テーブルに含まれる前記対象社員の前記労働時間数を基に、前記対象社員の当月の売上金額を算出し、当該算出した売上金額を含む売上データを作成する売上データ作成手段としての売上データ作成部102bと、(3)前記取得手段で取得した前記規則に含まれる基準金額、請求締日および請求区分に従って、前記実績テーブルに含まれる前記対象社員の前記労働時間数を基に、前記対象社員の当月の請求金額を算出し、当該算出した請求金額を含む請求データを作成する請求データ作成手段としての請求データ作成部102cと、を備えている。なお、各部が実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]で説明する。
【0039】
[3.処理の具体例]
以下、本実施形態に係る処理の具体例について、主に
図3〜
図7を用いて説明する。本実施形態においては、対象社員A氏〜D氏の4人それぞれについて、8月分の売上金額および請求金額を算出する場合について説明する。
【0040】
[3−1.取得処理]
まず、取得部102aが行う取得処理について説明する。取得部102aは、対象社員に適用される規則を、契約テーブル106bから取得する。以下、A氏〜D氏それぞれについて適用される規則について、社員別に説明する。
【0041】
(1)A氏
取得部102aは、A氏に適用される規則として、
図3に示すように、(基準金額、請求締日、請求区分)=(基本作業時間の単価500,000円、末日、当月)、(超過単価および減額単価の3,000円、末日、当月)という組み合わせの2つの規則を取得する。
【0042】
(2)B氏
取得部102aは、B氏に適用される規則として、
図3に示すように、(基準金額、請求締日、請求区分)=(基本作業時間の単価500,000円、末日、当月)、(超過単価および減額単価の3,000円、末日、翌月)という組み合わせの2つの規則を取得する。
【0043】
(3)C氏
取得部102aは、C氏に適用される規則として、
図3に示すように、(基準金額、請求締日、請求区分)=(所定労働時間の時給1,000円、20日、当月)、(残業時給1,250円、20日、当月)という組み合わせの2つの規則を取得する。
【0044】
(4)D氏
取得部102aは、D氏に適用される規則として、
図3に示すように、(基準金額、請求締日、請求区分)=(基本作業時間の単価500,000円、20日、当月)、(超過単価および減額単価の3,000円、20日、翌月)という組み合わせの2つの規則を取得する。
【0045】
[3−2.売上データ作成処理]
次に、売上データ作成部102bが行う売上データ作成処理について説明する。売上データ作成部102bは、取得部102aで取得した規則に含まれる基準金額に従って、実績テーブル106dに含まれる対象社員の労働時間数を基に、対象社員の当月の売上金額を算出し、当該算出した売上金額を含む売上データ(売上テーブル106e)を作成する。以下、A氏〜D氏それぞれの8月分の売上金額について、社員別に説明する。
【0046】
(1)A氏
取得部102aが、A氏について取得した規則に含まれる基準金額は、前記[3−1.]の項目で説明したとおり、基本作業時間の単価500,000円と、超過単価および減額単価の3,000円と、である。また、前記[2.構成]の契約テーブル106bについての説明で述べたとおり、8月分の売上金額を算出する際の請求締日は、どの社員についても31日(末日締め)であり、請求区分は、どの社員についても8月(当月)であるため、A氏の8月分の売上時間は、
図5に示すように、8月1日〜8月31日までの売上時間の184時間である。したがって、A氏の8月分の売上金額は、
図7に示すように、500,000円(基本作業時間の170時間まで)+3,000円(超過した14時間に対する超過単価)×14時間=542,000円と算出できる。
【0047】
(2)B氏
取得部102aが、B氏について取得した規則に含まれる基準金額は、前記[3−1.]の項目で説明したとおり、基本作業時間の単価500,000円と、超過単価および減額単価の3,000円と、である。また、前記(1)と同様に、8月分の売上金額を算出する際の請求締日は31日(末日締め)、請求区分は8月(当月)であるため、B氏の8月分の売上時間は、
図5に示すように、8月1日〜8月31日までの売上時間の196時間である。したがって、B氏の8月分の売上金額は、
図7に示すように、500,000円(基本作業時間の170時間まで)+3,000円(超過した26時間に対する超過単価)×26時間=578,000円と算出できる。
【0048】
(3)C氏
取得部102aが、C氏について取得した規則に含まれる基準金額は、前記[3−1.]の項目で説明したとおり、所定労働時間の時給1,000円と、残業時給1,250円と、である。また、前記(1)と同様に、8月分の売上金額を算出する際の請求締日は31日(末日締め)、請求区分は8月(当月)である。このため、C氏の8月分の所定労働時間内の売上時間は、
図5に示すように、8月1日〜8月31日までの売上時間(通常)の168時間(8時間×21日)であり、また、C氏の残業における売上時間は、
図5に示すように、8月1日〜8月31日までの売上時間(残業)の9時間(1時間×9日)である。したがって、C氏の8月分の売上金額は、
図7に示すように、1,000円×168時間+1,250円×9時間=179,250円と算出できる。
【0049】
(4)D氏
取得部102aが、D氏について取得した規則に含まれる基準金額は、前記[3−1.]の項目で説明したとおり、基本作業時間の単価500,000円と、超過単価および減額単価の3,000円と、である。また、前記(1)と同様に、8月分の売上金額を算出する際の請求締日は31日(末日締め)、請求区分は8月(当月)であるため、D氏の8月分の売上時間は、
図5に示すように、8月1日〜8月31日までの売上時間の175時間である。したがって、D氏の8月分の売上金額は、
図7に示すように、500,000円(基本作業時間の170時間まで)+3,000円(超過した5時間に対する超過単価)×5時間=515,000円と算出できる。
【0050】
[3−3.請求データ作成処理]
最後に、請求データ作成部102cが行う請求データ作成処理について説明する。請求データ作成部102cは、取得部102aで取得した規則に含まれる基準金額、請求締日および請求区分に従って、実績テーブル106dに含まれる対象社員の労働時間数を基に、対象社員の当月の請求金額を算出し、当該算出した請求金額を含む請求データ(請求テーブル106f)を作成する。以下、A氏〜D氏それぞれの8月分の請求金額について、社員別に説明する。
【0051】
(1)A氏
取得部102aが、A氏について取得した規則に含まれる基準金額、請求締日および請求区分は、前記[3−1.]の項目で説明したとおり、(基本作業時間の単価500,000円、末日、当月)、(超過単価および減額単価の3,000円、末日、当月)である。このため、A氏の8月分の請求時間は、
図5に示すように、8月1日〜8月31日までの請求時間の184時間である。したがって、A氏の請求金額は、
図7に示すように、500,000円(基本作業時間の170時間まで)+3,000円(超過した14時間に対する超過単価)×14時間=542,000円と算出できる。
【0052】
(2)B氏
取得部102aが、B氏について取得した規則に含まれる基準金額、請求締日および請求区分は、前記[3−1.]の項目で説明したとおり、(基本作業時間の単価500,000円、末日、当月)、(超過単価および減額単価の3,000円、末日、翌月)である。このため、B氏の8月分の基本作業時間についての請求時間は、
図5に示すように、8月1日〜8月31日までの請求時間(基本)の170時間であり、また、B氏の8月分の超過時間についての請求時間は、
図4および
図5に示すように、7月1日〜7月31日までの請求時間(超過)の5.0時間である。したがって、B氏の8月分の請求金額は、
図7に示すように、500,000円(基本作業時間の170時間まで)+3,000円(超過した5時間に対する超過単価)×5時間=515,000円と算出できる。
【0053】
(3)C氏
取得部102aが、C氏について取得した規則に含まれる基準金額、請求締日および請求区分は、前記[3−1.]の項目で説明したとおり、(所定労働時間の時給1,000円、20日、当月)、(残業時給1,250円、20日、当月)である。このため、C氏の8月分の所定労働時間についての請求時間は、
図5に示すように、7月21日〜8月20日までの請求時間(通常)の160時間(8時間×20日)であり、また、C氏の残業についての請求時間は、
図5に示すように、7月21日〜8月20日までの請求時間(残業)の7時間(1.0時間×7日)である。したがって、C氏の8月分の請求金額は、
図7に示すように、1,000円×160時間+1,250円×7時間=168,750円と算出できる。
【0054】
(4)D氏
取得部102aが、D氏について取得した規則に含まれる基準金額、請求締日および請求区分は、前記[3−1.]の項目で説明したとおり、(基本作業時間の単価500,000円、20日、当月)、(超過単価および減額単価の3,000円、20日、翌月)である。このため、D氏の8月分の基本作業時間についての請求時間は、
図5に示すように、7月21日〜8月20日までの請求時間(基本)の170時間であり、また、D氏の8月分の超過時間についての請求時間は、
図4に示すように、6月21日〜7月20日までの請求時間(超過)の12時間である。したがって、D氏の8月分の請求金額は、
図7に示すように、500,000円(基本作業時間の170時間まで)+3,000円(超過した12時間に対する超過単価)×12時間=536,000円と算出できる。
【0055】
このように、本実施形態に係る金額データ作成装置100によれば、各社員の売上金額計算の対象期間と各社員の請求金額計算の対象期間との間にズレが生じる場合であっても、売上金額を含む売上データおよび請求金額を含む請求データを同時に作成できる。このため、例えば、従来のように、売上データの作成のみシステムで行い、請求データの作成は手作業により行う等の対応をする必要がなくなるため、会計処理業務における効率性および正確性を大幅に向上させることができる。
【0056】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0057】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0058】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0059】
また、金額データ作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0060】
例えば、金額データ作成装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて金額データ作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0061】
また、このコンピュータプログラムは、金額データ作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0062】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0063】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0064】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0065】
また、金額データ作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、金額データ作成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0066】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。