【解決手段】グローブ31と筐体21で画成された内部に、グローブ31と一体に固定されたスピーカ5と、筐体21に支持された光源4と、スピーカ5の背後に収容された制御基板71と、スピーカ5と制御基板71を覆う筒体91とを備える。筒体91は、グローブ31の頭頂部側のスピーカカバー92と筐体21側の基板カバー93とに、スピーカ5の背後で2分割されるようにし、スピーカ5とスピーカカバー92はグローブ31に固定し、基板カバー92は筐体21に支持させ、スピーカカバー92と基板カバー93は離間して配置した。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る光源装置の概略構成を示す透視斜視図である。また、
図2は、光源装置の電気的構成を示すブロック図である。光源装置1は、一般の白熱電球用のソケットに装着可能な口金22を有し、典型的には電球型である。以下、この光源装置1において口金22とは反対側を頭頂部という。
【0015】
この光源装置1は、筐体21にグローブ31を被せて一体化した外形を有する。筐体21とグローブ31で画成される光源装置1の内部空間には、光源4、スピーカ5、及び光源4とスピーカ5を制御する制御基板71が収容される。即ち、この光源装置1は、照明機能及び放音機能を有する。
【0016】
光源4は、LED(Light Emitting Diode)素子又はEL(Electro Luminescence)素子等の発光素子により成る。発光素子は、白色光又は白色光以外の単色若しくは複数色を発光する。この光源4は筐体21に支持されている。スピーカ5は、コーン型、ドーム型の形状を有し、電気信号を物理的振動により音波信号に変換する装置であり、無線により受信した音楽や音声を放音する。例えばスピーカ5としてはダイナミック型が挙げられる。このスピーカ5は、グローブ31に一体的に固定されており、筐体21又は筐体21から繋がる構造とは非接触となっている。
【0017】
図2に示すように、制御基板71は、電源回路72、オーディオ制御回路73、光源制御回路74を備えている。電源回路72は、口金22を介して外部商用電源から電力を受け、整流及び平滑化によりAC/DC変換を行い、DC/DC変換によりオーディオ制御部73及び光源制御回路74に駆動電力を供給する。オーディオ制御回路73は、アンテナ又は赤外線受光部によりブルートゥース、WiFi、ZigBee、無線LAN又は赤外線等の無線通信規格経由でオーディオ信号を受信し、オーディオ信号を復調、アナログ変換、増幅等してスピーカ5へ出力する。光源制御回路74は、光源4の点灯、消灯、調光、調色を制御しつつ、光源4に電力を供給する。
【0018】
図3は、光源4、スピーカ5及び制御基板71を支持する光源装置1の詳細構造を示す断面図である。まず、筐体21は概略筒形状を有している。筒形状の一方の末端部は尻窄みし、他端面が開口している。口金22は、筐体21の尻窄みした末端部には固定されている。筐体21の口縁は、光源装置1の内部空間側に延出しており、リング状の棚23になっている。リング状の棚23は、筐体21の円筒軸と直交する平坦面を有する。この棚23の幅は光源4よりも広い。光源4は、このリング状の棚23に円環状に並設されている。
【0019】
熱を発する光源4を支持する筐体21としては、熱伝導性を有する金属や樹脂やセラミックにより形成されることが望ましい。熱伝導性の金属は例えばアルミニウム、熱伝導性の樹脂は例えばカーボンナノチューブ等の炭素繊維である。
【0020】
グローブ31は、内部構造を保護するとともに、光源4の光を外部に拡散させるべく、透過性材料により形成される。透過性材料は、例えばガラス、アクリル又はポリカーボネートである。グローブ31の周面には、ブラスト加工やコーディングにより面が荒らされ、透光性が付与されている。
【0021】
このグローブ31は、円筒のコップ形状を有し、口金22側が開口し、頭頂部がドーム型に膨出している。グローブ31の口縁周りの径は筐体21の外周径と同一である。このグローブ31と筐体21の両口縁を合わせ、互いの中心軸を一致させることで、グローブ31は筐体21に取り付けられる。尚、グローブ31の口縁の厚みは、筐体21のリング状の棚23よりも薄く、グローブ31の外周面と筐体21の外周面を面一に合わせて、グローブ31と筐体21とは接続される。そのため、グローブ31の内周面は光源4が配置される領域に及ばず、グローブ31は光源4を内包する。
【0022】
筐体21とグローブ31とで画成される内部空間には、スピーカ5の振動板を除いて、スピーカ5と制御基板71を覆う筒体91と、光源装置1の頭頂部へ光源4から導光するインナーレンズ6とが設けられている。
【0023】
この筒体は、スピーカ5と制御基板71を外部から視認困難にしつつ、光を光源装置1の外部に向けて反射させる反射板として設けられている。或いは、この筒体91は、光源4の熱からスピーカ5と制御基板71を保護するために設けられている。または或いは、筒体91は、これらの両方の目的で設けられている。反射板としての筒体91は、外表面が白系統色を有し、または外表面に反射材でコーティングされている。遮熱壁としての筒体91は、耐熱性の樹脂で成る。
【0024】
更に、この筒体91は、グローブの頭頂部から垂れ下がってスピーカ5を覆うスピーカカバー92と、筐体21から立ち上がって制御基板71を覆う基板カバー93とに2分割されている。スピーカカバー92と基板カバー93は、スピーカ5の背後、即ちスピーカ5の振動板よりも口金22側で分割されている。また、このスピーカカバー92と基板カバー93は離間して配置され、非接触である。
【0025】
インナーレンズ6は、スピーカ5を回り込むように、グローブ31の頭頂部中心側へ光を導光させ、グローブ31の頭頂部で光を拡散させる導光体であり、内部で全反射させて導光するために屈折率の高い素材が好ましく、例えばガラス、アクリル又はポリカーボネート等で成る。
【0026】
筒体91及びインナーレンズ6を更に詳細に説明する。基板カバー93は内部中空の円筒体91である。基板カバー93の径は、光源4が並設されるリング状の棚の内周径と同径又は若干小径である。この基板カバー93は、リング状の棚23よりも光源装置1の中心軸側に位置し、光源4よりも口金22側の低い位置で筐体21に支持され、頭頂部に向けて光源4よりも高く立ち上がる。光源4は基板カバー93の外部に位置する。一方、制御基板71は、基板カバー93の内部に収容されている。即ち、制御基板71と光源4は基板カバー94で隔絶されている。
【0027】
インナーレンズ6は、頭頂部側でグローブ31の内面に接着され、筐体21及び基板カバー93とは非接触である。このインナーレンズ6は、円筒のコップ形状を有し、頭頂部側がドーム状の膨出し、口金22側の端面が開口している。インナーレンズ6のドーム状の頭頂部には、入射光が拡散されるように、ブラスト加工等で粗面化され、又は刻み溝が穿設されている。
【0028】
インナーレンズ6の外周径は、インナーレンズ6の胴部とグローブ31の胴部との間に隙間が生じる程度に、グローブ31の内周径よりも小径である。インナーレンズ6の内周径は、インナーレンズ6の胴部と基板カバー93の胴部との間に隙間が生じる程度に、基板カバー93の外周径よりも大径である。また、インナーレンズ6の口縁部分の径は筐体21のリング状の棚23と同径である。
【0029】
このインナーレンズ6は、グローブ31の内側に収容され、グローブ31と軸を一致させ、またドーム状の端面をグローブ31の頭頂部に向けて配置され、ドーム状の端面がグローブ31の頭頂部に接着されることで、グローブ31に固定されている。インナーレンズ6の胴部は、グローブ31内で筐体21側に延びる。但し、インナーレンズ6の全長は、グローブ31の頭頂部から光源4まで距離よりも短く、インナーレンズ6の口縁は光源4に未達であり、インナーレンズ6と筐体21との間に隙間が生じる。
【0030】
スピーカカバー92は、インナーレンズ6の内面に接着され、筐体21及び基板カバー93とは非接触である。このスピーカカバー92は、お椀形状を有し、頭頂部側の端面がドーム状に膨出し、口金側の端面が開口している。スピーカカバー92の外周径は、スピーカカバー92の胴部とインナーレンズ6の胴部との間に隙間が生じる程度に、インナーレンズ6の内周径よりも小径である。このスピーカカバー92はインナーレンズ6の内側に収容され、ドーム状の端面がインナーレンズ6のドーム状端部の内面に向けて配置され、ドーム状の端面がインナーレンズ6のドーム状端面に接着されることで、インナーレンズ6を介してグローブ31に固定されている。
【0031】
スピーカカバー92の口縁部分の径は基板カバー93の径と同径である。スピーカカバー92の胴部は、基板カバー93へ向けて延び、スピーカカバー92の口縁と基板カバー93の口縁とは正対する。但し、スピーカカバー92の口縁は基板カバー93の口縁に未達であり、スピーカカバー92の口縁と基板カバー93の口縁との間には隙間が生じる。
【0032】
このようなグローブ31とインナーレンズ6とスピーカカバー92が重なる頭頂部には、グローブ31とインナーレンズ6とスピーカカバー92を貫く放音孔が形成されている。スピーカ5は、この放音孔に振動板を向け、振動板周囲を取り囲むエッジやフレームでスピーカカバー92の内面に固定されている。即ち、この光源装置1では、インナーレンズ6とスピーカカバー92を介してスピーカ5がグローブ31に固定されている。
【0033】
また、スピーカ5は、振動板を除いて、インナーレンズ6に覆われることになる。またはスピーカカバー92の高さによっては、スピーカ5は、振動板を除いて、スピーカカバー92と基板カバー93とによって覆われる。
【0034】
(作用)
このような光源装置1において、外部商用電源から口金22を介して供給された電力が電源回路72で交直変換及び降圧されて、光源制御回路74の制御下で光源4に給電されると、光源4は発光し、一部の光はグローブ31の胴部から出射する。光源4から出射した他の光は、インナーレンズ6の胴部に導かれて、インナーレンズ6の頭頂部に至り、拡散しつつ光源装置1の頭頂部から出射する。また、筒体91を反射板として機能させる場合、光源4から筒体方向に出射した光は、筒体91で反射し、インナーレンズ6とグローブ31を透過して光源装置1の外部へ至る。
【0035】
ここで、光源4は発光により高熱を発生させる。しかしながら、遮熱機能を付与した筒体91によって画成された空間は、基板カバー93とスピーカカバー92との間の隙間を除き、光源4と隔絶されているので、スピーカ5の熱による消磁が抑制され、また制御基板71の熱劣化が抑制されている。そうすると、遮断壁とスピーカカバー92とは、熱伝導や対流熱伝達を極力小さくすべく、例えば1.5mm程度以下、望ましくは0.5mm程度まで近接させておくことが望ましい。
【0036】
但し、この光源装置1では、基板カバー93とスピーカカバー92との間は隙間を潰さずに空けておく。このような光源装置1において、外部商用電源から口金22を介して供給された電力が電源回路72で交直変換及び降圧されて、オーディオ制御回路73の制御下でスピーカ5にオーディオ信号が入力されると、スピーカ5は、外部から受信したオーディオ信号を音波に変換して放音する。
【0037】
スピーカ5の背後から放音された音波は、逆位相の音波としてスピーカ5の前面に回り込もうとするが、スピーカ5はスピーカカバー92で前後がセパレートされている。更に、
図4は、グローブと筐体により画成される内部空間を示す図であるが、
図4に示すように、スピーカ5の背後には、第1の空間81がスピーカカバー92と基板カバー93とで画成されている。また、基板カバー93とインナーレンズ6との間には、第2の空間82が画成されている。更に、インナーレンズ6とグローブ31との間には、第3の空間83が画成されている。
【0038】
そして、スピーカカバー92と基板カバー93との間には、第1の隙間84を有している。そのため、スピーカカバー92と基板カバー93とで画成される第1の空間81と基板カバー93とインナーレンズ6とで画成される第2の空間82は、この第1の隙間84によって連通することになる。また、インナーレンズ6と筐体21との間に第2の隙間85を有している。そのため、基板カバー93とインナーレンズ6とで画成される第2の空間82とインナーレンズ6とグローブ31との間に画成される第3の空間83とが、この第2の隙間85によって連通することになる。
【0039】
そうすると、この光源装置1において、スピーカ5の背後に拡がる1つの密閉空間は、第1の空間81と第2の空間82と第3の空間83を合わせた、グローブ31の内部空間と基板カバー93の内部空間の和集合の空間となる。即ち、このグローブ31の内部空間と基板カバーの内部空間の和集合の空間が、スピーカ5のエンクロージャとして利用され、エンクロージャの容積が大きくなり、スピーカ5の音質が向上する。
【0040】
(効果)
このように、この光源装置1は、口金22が接続された筐体21に、光の透過性を有するグローブ31を被せて形作られている。このグローブ31と筐体21で画成された内部に、グローブ31と一体に固定されたスピーカ5と、筐体21に支持された光源4と、スピーカ5の背後に収容された制御基板71と、スピーカ5と制御基板71を覆う筒体91とを備えるようにした。筒体91は、スピーカ5の放音面を除いて多い、光源4からスピーカ5及び制御基板71を隔絶する。
【0041】
そして、この筒体91は、グローブ31の頭頂部側のスピーカカバー92と筐体21側の基板カバー93とに、スピーカ5の背後で2分割されるようにし、スピーカ5とスピーカカバー92はグローブ31に固定し、基板カバー93は筐体21に支持させ、スピーカカバー92と基板カバー93は離間して配置した。
【0042】
これにより、この光源装置1は、スピーカ5及び制御基板71を外部から隠すことで光量を増加させ、或いはスピーカ5と制御基板71を熱から保護しつつ、スピーカ5と制御基板71を筒体91で覆いつつ、スピーカ5のエンクロージャとして利用される範囲を、グローブ31の内部空間と基板カバー93の内部空間の和集合の空間まで拡大でき、エンクロージャの容積が大きくなり、スピーカ5の音質が向上する。例えば、固有振動数を低下させ、低音域を豊かに再現することができる。
【0043】
また、筒体91の外表面に反射機能を付与することで、光源4から出射した光の多くをグローブ31の胴部に向けることができ、グローブ31の胴部を明るくすることができる。または、筒体を断熱性樹脂で構成することで、スピーカ5と制御基板71を熱から保護することができる。
【0044】
尚、スピーカ5の背後で筒体91を2分割することができれば、スピーカ5とスピーカカバー92のグローブ31への固定態様を各種取り得る。例えば、スピーカ5は、スピーカカバー92を介してグローブ31に固定したが、グローブ31に直接接着或いは嵌め込まれるようにしてもよい。
【0045】
また、この光源装置1では、一端がスピーカを回り込んでグローブ31の頭頂部中心側へ湾曲すると共に光を乱反射させ、他端が光源に向けて延びるインナーレンズ6を備えるようにした。但し、頭頂部の光量調整を目的に、インナーレンズ6は配置されるものであり、エンクロージャの容積拡大のためには、インナーレンズ6は必須ではない。
【0046】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る光源装置1について図面を参照しつつ詳細に説明する。第1の実施形態と同一構成及び同一機能については同一符号を付して詳細な説明を省略する。この第2の実施形態に係る光源装置1は、第1の実施形態の構造に対して、スピーカカバー92と基板カバー93との間の隙間に、音波信号の粗密波は通過させつつ、対流熱伝達を抑制するシール部を備えている。
【0047】
即ち、
図5に示すように、スピーカカバー92と基板カバー93の間の第1の隙間84には、ラビリンスシール部94が設けられている。ラビリンスシール部94は、筒体91への空気の流入経路に沿って櫛歯状の構造を有する。即ち、ラビリンスシール部94は、筒体91への空気の流入経路に沿って、絞られた流路と拡開した逃げ溝空間を交互に並べて成る。このラビリンスシール部94は、各逃げ溝空間で渦流を発生させて圧力損失を増大させることで、光源4によって熱膨張した気体の筒体91への流入を抑制する。
【0048】
櫛歯状の構造は、スピーカカバー92の口縁と基板カバー93の口縁の何れか又は両方に形成することができる。スピーカカバー92の口縁と基板カバー93の口縁の両方に櫛歯状の構造を形成し、スピーカカバー92と基板カバー93の間につづら折の流路を形成することで、ラビリンスシール部94の流路長を増大させるようにしてもよい。
【0049】
このように、この光源装置1は、スピーカカバー92と基板カバー93との間に、音の疎密波を通して、気流を遮断するシール部として、ラビリンスシール部94を備えるようにした。これにより、スピーカ5のエンクロージャ容積をグローブ31と筒体91の和集合まで拡大できるとともに、筒体91をスピーカカバー92と基板カバー93とに分離し、スピーカカバー92と基板カバー93とを離間させても、筒体91の内部へ加熱された気体が流入することを抑制することができる。従って、スピーカ5の音質向上とスピーカ5及び制御基板71の熱からの保護とを高度に両立することができる。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る光源装置1について図面を参照しつつ詳細に説明する。第2の実施形態と同一構成及び同一機能については同一符号を付して詳細な説明を省略する。この第3の実施形態に係る光源装置1は、第2の実施形態の構造に対して、ラビリンスシール部94の経路長を増大させている。
【0051】
即ち、
図6に示すように、スピーカカバー92の内周径は基板カバー93の外周径よりも大径であり、またスピーカカバー92の口縁は基板カバー93の頭頂部よりも口金22側に低く垂れ下がる。そして、スピーカカバー92は、基板カバー93の頭頂部側の端部を覆っている。この筒体91においては、スピーカカバー92の内周面と基板カバー93の外周面との間が、筒体91内の第1の空間81と筒体91外の第2の空間82を繋ぐ第1の隙間84となる。
【0052】
このような光源装置1において、ラビリンスシール部94は、基板カバー93の外周面と対向するスピーカカバー92の内周面、スピーカカバー92の内周面と対向する基板カバー93の外周面、又はこれらの両方に形成され、スピーカカバー92の口縁側から基板カバー92の頭頂部側の口縁側に沿って櫛歯状の構造を有する。この光源装置1では、ラビリンスシール部94の経路長をスピーカカバー92の口縁から基板カバー93の頭頂部側の口縁までとすることが出来るので、ラビリンスシール部94の経路長を増大させることができ、スピーカ5及び制御基板71の熱からの保護効果を更に高めることができる。
【0053】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る光源装置1について図面を参照しつつ詳細に説明する。第1乃至第3の実施形態と同一構成及び同一機能については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
図7に示すように、この第4の実施形態に係る光源装置1は、対流熱伝達を抑制するシール部として、スピーカカバー92と基板カバー93との隙間に埋めたスポンジ95を備えている。スポンジ95は、ポリウレタンや軟質ウレタンフォーム等による柔軟性に富んだ多孔質構造を有する。このスポンジ95は、光源4で加熱された流体の筒体91への流入障壁となりつつ、疎密波で成る音波は通過させる。
【0055】
このように、この光源装置1は、スピーカカバー92と基板カバー93との間に、音の疎密波を通して、気流を遮断するシール部として、スポンジ95を備えるようにした。これにより、スピーカ5のエンクロージャ容積をグローブ31と筒体91の和集合まで拡大できるとともに、筒体91をスピーカカバー92と基板カバー93とに分離し、スピーカカバー92と基板カバー93とを離間させても、筒体91の内部へ加熱された気体が流入することを抑制することができる。従って、スピーカ5の音質向上とスピーカ5及び制御基板71の熱からの保護とを高度に両立することができる。
【0056】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る光源装置1について図面を参照しつつ詳細に説明する。第1乃至第4の実施形態と同一構成及び同一機能については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0057】
図8に示すように、この第5の実施形態に係る光源装置1は、対流熱伝達を抑制するシール部として、スピーカカバー92と基板カバー93との隙間にリップシール部96を備える。リップシール部96は、スピーカカバー92及び基板カバー93の口縁と同径を有する環状形状を有し、環状基部と当該環状基部の円周囲に沿って延出した舌状部を備えている。環状基部は、スピーカカバー92の口縁に固定され、舌状部は、先端を基板カバー93の口縁に押し付けている。
【0058】
このリップシール部96は、疎密波で成る音波は伝播させつつ、光源4で加熱された流体のエネルギーの一部を舌状部を押し上げようとするエネルギーに変換して消耗させ、筒体91へ加熱された流体が流入することを抑制する。従って、スピーカ5の音質向上とスピーカ5及び制御基板71の熱からの保護とを高度に両立することができる。
【0059】
(他の実施形態)
以上のように本発明の各実施形態を説明したが、筒体91をスピーカカバー92と基板カバー93とに分割し、スピーカカバー92と基板カバー93とを離間させればよく、またそのためにグローブ31とスピーカ5とスピーカカバー92を一体的に固定し、光源4と基板カバー93を筐体21に支持させればよく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そして、これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0060】
図9に示すように、例えば、光源装置1を頭頂部側の照明装置1aと口金22側の電源アダプタ装置1bに分割し、照明装置1aと電源アダプタ装置1bとを着脱自在としてもよい。この光源装置1は、筐体21を光源装置1の軸と直交する方向に2分割される。電源アダプタ装置1bは、口金22側の第1の筐体21aであり、照明装置1aは、頭頂部側の第2の筐体21b及びグローブ31を一体化して成る。
【0061】
第2の筐体21bは有底であり、この第2の筐体21bは光源4と基板カバー93を支持する。第2の筐体21bに被さるグローブ31は、インナーレンズ6とスピーカカバー92とスピーカ5と一体化して成る。制御基板71のうち、電源回路72とオーディオ制御回路73の無線受信部は、電源アダプタ装置1bに配置され、制御基板71のうち、無線受信部を除いたオーディオ制御回路73と光源制御回路74は、照明装置1aの筒体91内に配置される。電源アダプタ装置1bは頭頂部側に天井面を有し、電源アダプタ装置1bの天井面と照明装置1aの底面には、互いの基板を電気的に接続するコネクタ21cが配置される。
【0062】
更に、照明装置1aと電源アダプタ装置1bの外周囲には、ネジ孔1cが設けられている。互いのコネクタ21cを接続し、互いのネジ孔1cを合わせ、ネジ孔1cにネジを通すことで、照明装置1aと電源アダプタ装置1bは着脱自在に接続され、光源装置1となる。