【解決手段】所定の通信方式で無線通信可能に構成されている、少なくとも2つのデバイスを含む音声出力システムが音声を出力する方法あって、2つのデバイスの一方のデバイスのスピーカから音声を出力する工程と、一方のデバイスと他方のデバイス間の距離を検出する工程と、検出する工程で検出された距離に応じて、一方のスピーカから出力される音声の音量を調整する工程と、を含む。調整する工程では、検出された距離が閾値より小さい場合は、検出された距離が大きいほど一方のデバイスのスピーカから出力される音声の音量を大きくし、検出された距離が閾値以上となった場合は、一方のスピーカからの音声の出力を停止させる。
前記調整する工程で、前記一方のデバイスのスピーカからの音声の出力を停止させた場合に、前記他方のデバイスが自己のスピーカから音声を出力する工程を含む請求項1に記載の音声を出力する方法。
前記調整する工程で、前記一方のデバイスのスピーカからの音声の出力を停止させた場合に、前記他方のデバイスが近くにある無線通信可能な他のデバイスのスピーカから音声を出力させる工程を含む請求項1に記載の音声を出力する方法。
前記音声を出力する工程で、前記他方のデバイスが前記一方のデバイスに音声信号を送信する工程を含む請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の音声を出力する方法。
前記他方のデバイスが自己のスピーカから音声を出力する工程で、前記一方のデバイスが前記他方のデバイスに音声信号を送信する工程を含む請求項2に記載の音声を出力する方法。
前記他方のデバイスが近くにある無線通信可能な他のデバイスのスピーカから音声を出力させる工程で、前記一方のデバイスが前記他方のデバイスに音声信号を送信する工程を含む請求項3に記載の音声を出力する方法。
前記所定の通信方式は、Bluetooth(登録商標)であり、前記検出する工程では、電波強度を測定して、前記一方のデバイスと前記他方のデバイス間の距離を検出することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の音声を出力する方法。
前記調整手段が前記ワイヤレススピーカのスピーカからの音声の出力を停止させた場合に、自己のスピーカから音声を出力する切替手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載のワイヤレスデバイス。
前記調整手段が前記ワイヤレススピーカのスピーカからの音声信号の出力を停止させた場合に、近くにある他のワイヤレススピーカから音声信号を出力させる切替手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載のワイヤレスデバイス。
前記所定の通信方式は、Bluetooth(登録商標)であり、前記距離検出手段は、電波強度を測定して、前記ワイヤレスデバイスと前記ワイヤレススピーカ間の距離を検出することを特徴とする請求項9〜請求項13のいずれか1つに記載のワイヤレスデバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ユーザが携帯するワイヤレスデバイスを使用して、他のワイヤレスデバイスから音声出力する場合に、ユーザの位置に応じて、好適な音量で音声を出力することが可能な、音声を出力する方法、ワイヤレスデバイス、ワイヤレススピーカ、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、所定の通信方式で無線通信可能に構成されている、少なくとも2つのデバイスを含む音声出力システムが音声を出力する方法あって、前記2つのデバイスの一方のデバイスのスピーカから音声を出力する工程と、前記一方のデバイスと前記他方のデバイス間の距離を検出する工程と、前記検出する工程で検出された距離に応じて、前記一方のスピーカから出力される音声の音量を調整する工程と、を含み、前記調整する工程では、前記検出された距離が閾値より小さい場合は、前記検出された距離が大きいほど前記一方のデバイスのスピーカから出力される音声の音量を大きくし、前記検出された距離が閾値以上となった場合は、前記一方のスピーカからの音声の出力を停止させることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記調整する工程で、前記一方のデバイスのスピーカからの音声の出力を停止させた場合に、前記他方のデバイスが自己のスピーカから音声を出力する工程を含むことが望ましい。
【0008】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記調整する工程で、前記一方のデバイスのスピーカからの音声の出力を停止させた場合に、前記他方のデバイスが近くにある無線通信可能な他のデバイスのスピーカから音声を出力させる工程を含むことが望ましい。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記音声を出力する工程で、前記他方のデバイスが前記一方のデバイスに音声信号を送信する工程を含むことが望ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記他方のデバイスが自己のスピーカから音声を出力する工程で、前記一方のデバイスが前記他方のデバイスに音声信号を送信する工程を含むことが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記他方のデバイスが近くにある無線通信可能な他のデバイスのスピーカから音声を出力させる工程で、前記一方のデバイスが前記他方のデバイスに音声信号を送信する工程を含むことが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記閾値は、ユーザ操作に応答して設定可能としたことが望ましい。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記所定の通信方式は、Bluetooth(登録商標)であり、前記検出する工程では、電波強度を測定して、前記一方のデバイスと前記他方のデバイス間の距離を検出することが望ましい。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、所定の通信方式でワイヤレススピーカと通信可能に構成されたワイヤレスデバイスであって、接続されているワイヤレススピーカから音声を出力させる音声出力手段と、前記接続されているワイヤレススピーカとの距離を検出する距離検出手段と、前記距離検出手段で検出された距離に応じて、前記スピーカから出力される音声の音量を調整する調整手段と、を備え、前記調整手段は、前記検出された距離が閾値より小さい場合は、前記検出された距離が大きいほど前記音声の音量を大きくし、前記検出された距離が閾値以上となった場合は、前記ワイヤレススピーカのスピーカからの音声の出力を停止させることを特徴とするワイヤレスデバイス。
【0015】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記調整手段が前記ワイヤレススピーカのスピーカからの音声の出力を停止させた場合に、自己のスピーカから音声を出力する切替手段を備えることが望ましい。
【0016】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記調整手段が前記ワイヤレススピーカのスピーカからの音声信号の出力を停止させた場合に、近くにある他のワイヤレススピーカから音声信号を出力させる切替手段を備えることが望ましい。
【0017】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記音声出力手段が、前記ワイヤレススピーカに音声信号を送信する手段を含むことが望ましい。
【0018】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記閾値は、ユーザ操作に応答して設定可能としたことが望ましい。
【0019】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記所定の通信方式は、Bluetooth(登録商標)であり、前記距離検出手段は、電波強度を測定して、前記ワイヤレスデバイスと前記ワイヤレススピーカ間の距離を検出することが望ましい。
【0020】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、所定の通信方式でワイヤレスデバイスと通信可能に構成されたワイヤレススピーカであって、接続されているワイヤレスデバイスから受信した音声信号に基づいてスピーカから音声を出力する音声出力手段と、前記接続されているワイヤレスデバイスとの距離を検出する距離検出手段と、前記距離検出手段で検出された距離に応じて、前記スピーカから出力される音声の音量を調整する調整手段と、を備え、前記調整手段は、前記検出された距離が閾値より小さい場合は、前記検出された距離が大きいほど前記スピーカから出力される音声の音量を大きくし、前記検出された距離が閾値以上となった場合は、前記スピーカからの音声の出力を停止することを特徴とする。
【0021】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、所定の通信方式でワイヤレススピーカと通信可能に構成されたワイヤレスデバイスに搭載されるプログラムであって、接続されているワイヤレススピーカから音声を出力させる工程と、前記接続されているワイヤレススピーカとの距離を検出する工程と、前記検出する工程で検出された距離に応じて、前記スピーカから出力される音声号の音量を調整する工程と、をコンピュータに実行させ、前記調整する工程では、前記検出された距離が閾値より小さい場合は、前記検出された距離が大きいほど前記スピーカから出力される音声の音量を大きくし、前記検出された距離が閾値以上となった場合は、前記スピーカからの音声の出力を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザが携帯するワイヤレスデバイスを使用して、他のワイヤレスデバイスから音声出力する場合に、ユーザの位置に応じて、好適な音量で音声を出力することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る音声を出力する方法、ワイヤレスデバイス、ワイヤレススピーカ、及びコンピュータが実行可能なプログラムの実施の形態について説明する。本発明の構成要素は、本明細書の図面に一般的に示してあるが、様々な構成で広く多様に配置し設計してもよいことは容易に理解できる。従って、本発明の装置、方法、及びプログラムの実施の形態についての以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の選択した実施の形態の一例を示すものであって、本明細書の特許請求の範囲に示す本発明と矛盾無く装置、システム及び方法についての選択した実施の形態を単に示すものである。当業者は、特定の細目の1つ以上が無くても、又は他の方法、部品、材料でも本発明を実現できることが理解できる。
【0025】
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る音声出力システムの概念図である。
図1に示すように、音声出力システム1は、所定の無線通信方式を使用して互いに無線通信可能に構成されている、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20とを備えている。以下では、所定の無線通信方式として、例えば、Bluetooth(登録商標)4.0,4.1,4.2等を使用した場合を一例として説明する。
【0026】
図1において、第1のワイヤレスデバイス10は、例えば、携帯や装着が可能なスマートフォン10A、携帯電話端末10B、及びウェアラブル端末(例えば、スマートウオッチ、スマートグラス等)10C等の少なくとも音声再生機能を備えたデバイスである。第2のワイヤレスデバイス20は、例えば、ワイヤレススピーカ20A、ノートPC20B、及びタブレット20C等の少なくとも外部に音声出力可能なスピーカを有する音声出力機能を備えたデバイスである。なお、第1のワイヤレスデバイス10及び第2のワイヤレスデバイス20は、それぞれ音声再生機能と音声出力機能を備えていてもよい。
【0027】
第1及び第2のワイヤレスデバイス10,20は、Bluetooth(登録商標)4.0,4.1,4.2等を使用して他のBluetooth(登録商標)デバイスと無線通信可能に構成されている。また、第1及び第2のワイヤレスデバイス10,20は、A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)及びAVRCP(Audio Video Remote Control Profile)に対応しているものとする。
【0028】
図2は、
図1の第1及び第2のワイヤレスデバイス10,20の要部の機能構成例を示す図である。
図2では、説明上必要な最小限の構成のみを示している。
図2に示すように、第1のワイヤレスデバイス10は、例えば、ストレージに格納されている又はストリーミングしている音声信号を再生し、ワイヤレス接続されている第2のワイヤレスデバイス20に音声信号を送信してそのスピーカ21から音声を出力させる音声再生手段11と、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20間の距離を検出する距離検出手段12と、距離検出手段12で検出された、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20間の距離に応じて、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21から出力される音量レベルを調整する調整手段13と、を備えている。
【0029】
また、第1のワイヤレスデバイス10は、さらに、音声再生手段11で再生される音声を自己のスピーカ15aから出力する音声出力手段15を備えていてもよい。
【0030】
距離検出手段12は、例えば、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20間の距離を公知の方法で検出することができ、例えば、Bluetooth(登録商標)通信において、電波強度(RSSI(Received Signal Strengh Indication)値を測定して、両者間の距離を検出する方法や、測距センサ(例えば、赤外線を使用する方法等)を使用して両者間の距離を検出する方法等を使用することができる。
【0031】
調整手段13は、例えば、リモートコントロールで第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aの音量を調整することができる。調整手段13は、距離検出手段12で検出された、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20間の距離Sが閾値Nより小さい場合は、検出された距離Sが大きいほど、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aから出力される音声の音量を大きくし、検出された距離Sが閾値N以上となった場合は、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声の出力を停止させてもよい。
【0032】
また、検出された距離Sが閾値N以上となった場合に、音声の出力先を第2のワイヤレスデバイス10のスピーカ21aから自己のスピーカ15aに切り替える切替手段14を備えていてもよい。これにより、再生中の音声は、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの出力が停止され、自己のスピーカ15aから出力され、ユーザは中断することなく音声を聞くことができる。
【0033】
切替手段14は、検出された距離Sが閾値N以上となった場合は、音声再生手段11の音声信号の再生を(一時)停止し、次に、第2のワイヤレスデバイス20とのワイヤレス接続(ペアリング)をOFFとして、第2のワイヤレスデバイス20より近くにある他のワイヤレスデバイスとワイヤレス接続して、音声再生手段11に一時停止した位置から音声信号を再生させ、他のワイヤレスデバイスのスピーカから音声を出力させてもよい。
【0034】
なお、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声出力が停止された場合に、自己のスピーカ15aから音声出力するか、又は、他のワイヤレスデバイスのスピーカから音声出力するかを、ユーザのUI操作に応じて、設定可能な構成としてもよい。
【0035】
また、調整手段13は、検出された距離Sが閾値N以上となった場合は、再生手段11の音声信号の再生を(一時)停止して、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声の出力を停止し、再度、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20との距離Sが閾値Nより小さくなった場合に、再生手段11の音声信号の再生を再開して、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカからの音声の出力を再開してもよい。なお、再度、距離Sが閾値Nより小さくなった場合に、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声の出力を再開するか否かをユーザのUI操作に応じて、設定可能な構成としてもよい。
【0036】
第2のワイヤレスデバイス20は、
図2に示すように、ワイヤレス接続されているワイヤレスデバイスから受信した音声信号に基づく音声をスピーカ21aから出力させる音声出力手段21を備えている。音声出力手段21は、不図示のボタンや第1のワイヤレスデバイス10の調整手段13からの指示に応じて、スピーカ21aの音量レベルを設定することにしてもよい。
【0037】
図3は、
図2の音声出力システム1の動作の概略を説明するためのフローチャートである。
図3において、第1のワイヤレスデバイス10は、第2のワイヤレスデバイス20とワイヤレス接続する(ステップS11、T11)。第1のワイヤレスデバイス10は、音声再生手段11が音声信号の再生を開始し(ステップS12)、第2のワイヤレスデバイス20にワイヤレスで音声信号を送信する(ステップS13)。第2のワイヤレスデバイス20は、音声信号を受信して(ステップT12)、音声出力手段21は受信した音声信号に基づいて音声をスピーカ21aから出力する(ステップT13)。
【0038】
次に、第1のワイヤレスデバイス10の距離検出手段13は、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20間の距離Sを検出し(ステップS14)、検出した距離Sが、閾値Nより小さいか否かを判断する(ステップS15)。
【0039】
検出した距離Sが閾値Nより小さい場合(0≦S<N)は(ステップS15の「Yes」)、第1のワイヤレスデバイス10の調整手段13は、第2のワイヤレスデバイス20の出力手段21を介してスピーカ21aから出力される音声の音量レベルを距離が大きくなるほど大きく設定する(ステップS16)。ステップS14〜S16の処理は、音声が再生されている間、繰り返し実行してもよい。
【0040】
検出した距離Sが閾値N以上(閾値N≦S)の場合は(ステップS15の「No」)、第1のワイヤレスデバイス10の調整手段13は、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声の出力を停止させる(ステップS17)。
【0041】
第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声の出力を停止させる方法は、例えば、音声再生手段11の音声信号の再生を(一時)停止する、スピーカ21aから出力される音声の音量レベルをゼロに設定する、第2のワイヤレスデバイス20とのワイヤレス接続を解除する等がある。
【0042】
第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声の出力を停止させる場合には、切替手段14は、音声の出力先を第2のワイヤレスデバイス20から自己のスピーカ15aに切り替えてもよいし、第2のワイヤレスデバイス20とのワイヤレス接続を解除して、第2のワイヤレスデバイス20よりも近くにある他のワイヤレスデバイスとワイヤレス接続して、当該他のワイヤレスデバイスのスピーカから音声を出力させてもよい(ステップS18)。
【0043】
図4は、
図2の音声出力システム1のユーザの使用例を説明するための説明図である。
図4に示す例では、第1のワイヤレスデバイス10をスマートフォン10A、第2のワイヤレスデバイス20をワイヤレススピーカ20Aとした場合を一例として示している。ユーザはスマートフォン10Aを携帯(所持)しており、ワイヤレススピーカ20Aは、テーブル等に置かれているものとする。ユーザがスマートフォン10Aを携帯しているので、ユーザとワイヤレススピーカ20A間の距離は、スマートフォン10Aとワイヤレススピーカ20A間の距離と同視できる。また、ユーザは、スマートフォン10Aからワイヤレススピーカ20Aのスピーカで音声を再生しているものとする。なお、第2のワイヤレスデバイス20は、ワイヤレススピーカ20Aの替わりにノートPC20Bやタブレット20C等としてもよい。
【0044】
例えば、
図4(A)に示すように、ユーザがワイヤレススピーカ20Aの近くにいて、スマートフォン10Aがワイヤレススピーカ20Aと近い距離にある場合は、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aの音量レベルを小さくする。ユーザがワイヤレススピーカ20Aの近くにいる場合は、小さい音量でも音声が聞こえるため音量レベルをあまり高くしない。
【0045】
また、
図4(B)に示すように、ユーザがワイヤレススピーカ20Aから離れるにつれて、すなわち、スマートフォン10Aとワイヤレススピーカ20Aの距離が大きくなるに従って、ワイヤレススピーカ20Aのスピーカの音量レベルを高くする。ユーザがワイヤレススピーカ20Aから離れると、音声が聞こえ難くなるので音量レベルを高くする。
【0046】
さらに、
図4(C)に示すように、ユーザがワイヤレススピーカ20Aからさらに離れて、スマートフォン10Aとワイヤレススピーカ20Aの距離Sが閾値N以上になると、ワイヤレススピーカ20Aのスピーカからの音声出力を停止する。
【0047】
これは、音量レベルが大きくなりすぎると他人の迷惑となり、また、距離Sが閾値N以上離れると、例えば、ユーザが別の部屋に移動した場合が考えられるため、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声出力を停止している。この閾値Nは、上述したように、ユーザが設定可能であり、例えば、自分の部屋の大きさに応じて設定することにしてもよい。例えば、Bluetooth(登録商標)のClass2(通信可能距離が10m程度)を使用する場合は、例えば、閾値を4、5m程度等に設定してもよい。
【0048】
なお、ワイヤレススピーカ20Aのスピーカからの音声出力を停止した場合は、スマートフォン10Aは、
図4(D)に示すように、スマートフォン10Aは自己のスピーカから音声を出力してもよい。これにより、ユーザは音声を継続して聞くことが可能となる。
【0049】
また、ワイヤレススピーカ20Aのスピーカからの音声出力を停止した場合は、スマートフォン10Aは、ワイヤレススピーカ20Aよりも近くにある他のワイヤレスデバイス30を検索し、当該他のワイヤレスデバイス30とワイヤレス接続して他のワイヤレスデバイス30のスピーカから音声を出力してもよい。
【0050】
なお、スマートフォン10Aとワイヤレススピーカ20Aの距離が閾値N以上になって、スマートフォン10Aが自己のスピーカ又は他のワイヤレスデバイス30から音声出力を開始した後に、再度、ユーザがワイヤレススピーカ20Aに近づいてスマートフォン10Aとワイヤレススピーカ20Aの距離が閾値N未満となった場合には、スマートフォン10Aのスピーカ又は他のワイヤレスデバイスから音声出力を停止して、再度、ワイヤレススピーカ20Aのスピーカから音声出力してもよい。
【0051】
以上のように構成される第1のワイヤレスデバイス10において、音声再生手段11、
距離検出手段12、調整手段13、切替手段14、及び音声出力手段15は、例えば、ハードウェアやソフトウェア(OS、API、サービス、ユーティリティ、ライブラリ、ドライバ、及びアプリケーション等のプログラム)のモジュール、又は、その組み合わせで構成することができる。また、コンピュータがプログラムを実行することにより、音声再生手段11、距離検出手段12、調整手段13、切替手段14、及び音声出力手段15の機能を実現することにしてもよい。
【0052】
また、以上のように構成される第2のワイヤレスデバイス20において、音声出力手段21は、例えば、ハードウェアやソフトウェア(OS、API、サービス、ユーティリティ、ライブラリ、ドライバ、及びアプリケーション等のプログラム)のモジュール、又は、その組み合わせで構成することができる。また、コンピュータがプログラムを実行することにより、音声再生手段21の機能を実現することにしてもよい。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態の第1のワイヤレスデバイス10によれば、所定の通信方式で他のワイヤレスデバイスと通信可能に構成されており、接続されている第2のワイヤレスデバイス20に音声信号を送信してスピーカ21aから出力させる音声再生手段11と、ワイヤレスデバイス20との距離を検出する距離検出手段12と、距離検出手段12で検出された距離に応じて、スピーカ21aから出力される音声の音量を調整する調整手段13と、を備え、調整手段13は、検出された距離が閾値より小さい場合は、検出された距離が大きいほど前記音声の音量を大きくし、検出された距離が閾値以上となった場合は、スピーカ21aからの音声の出力を停止させることとしたので、ユーザが携帯している第1のワイヤレスデバイス10から音声を再生して、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aから音声を出力する場合に、ユーザの位置に応じて、好適な音量で音声を出力することが可能となる。
【0054】
付言すると、ユーザが第2のワイヤレスデバイス20との距離が離れるほど、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aの音量レベルを上げることでユーザに取って音声が聞きやすくなり、他方、ユーザが第2のワイヤレスデバイス20から離れるほど音量を大きくすると、他人にとって迷惑となる場合もあるため、所定の距離離れた場合は、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声出力を停止することで、ユーザの聞きやすさと他人の迷惑の防止を両立させることが可能となる。
【0055】
また、本実施の形態の第1のワイヤレスデバイス10は、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声の出力が停止した場合には、切替手段14が、音声再生手段11で再生される音声信号の出力先を自己のスピーカ15aに切り替えることにしたので、ユーザは、第2のワイヤレスデバイス20から離れて第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声出力が停止した場合でも、第1のワイヤレスデバイス10のスピーカ15aから音声を聞くことが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態の第1のワイヤレスデバイス10は、切替手段14が、第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aからの音声の出力が停止した場合には、第2のワイヤレスデバイス20よりも近くにある他のワイヤレスデバイスとワイヤレス接続して、音声再生手段11で再生される音声信号の出力先を他のワイヤレスデバイスのスピーカに切り替えることにしたので、ユーザは、第2のワイヤレスデバイス20から離れて第2のワイヤレスデバイス20のスピーカからの音声出力が停止した場合でも、他のワイヤレスデバイスのスピーカから音声を聴くことが可能となる。
【0057】
また、閾値Nは、ユーザ操作に応答して設定可能としたので、住居等のレイアウトに応じて、第2のワイヤレスデバイス20の音声出力を停止させる適宜な距離を設定することが可能となる。
【0058】
また、所定の通信方式は、Bluetooth(登録商標)であり、電波強度を検出して、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス間の距離を検出することとしたので、簡単な方法で第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20間の距離を検出することが可能となる。
【0059】
また、上記構成例では、第1のワイヤレスデバイス10が、第2のワイヤレスデバイス20との距離の検出及び第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aの音量レベルの設定指示を行っているため、第2のワイヤレスデバイス20は、特別な機構(アプリを含む)を設ける必要がなく、例えば、通常のbluetooth(登録商標)スピーカ等で構成することができる。
【0060】
なお、
図2の構成例では、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20間の距離の検出及び第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aの音量レベルの設定指示を、第1のワイヤレスデバイス10が行うことにしたが、第2のワイヤレスデバイス20が、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20間の距離の検出及び第2のワイヤレスデバイス20のスピーカ21aの音量レベルの調整を行うことにしてもよい。
【0061】
図5は、
図1の音声出力システム1の他の機能構成例を示す図である。
図2では、説明上必要な最小限の構成のみを示している。
図5において、
図2と同等機能を有する部位には同一符号を付している。
図5に示すように、第1のワイヤレスデバイス10は、ストレージに格納されている又はストリーミングしている音声信号を再生し、ワイヤレス接続されている第2のワイヤレスデバイス20に音声信号を送信してそのスピーカ21aから出力させる音声再生手段11と、音声再生手段11で再生される音声信号の出力先を切り替える切替手段14と、自己のスピーカ15aから音声信号を出力させる音声出力手段15と、を備えている。
【0062】
第2のワイヤレスデバイス20は、接続されている第1のワイヤレスデバイス10から受信した音声信号をスピーカ21aから出力する音声出力手段21と、接続されている第1のワイヤレスデバイス10との距離Sを検出する距離検出手段22と、距離検出手段22で検出された距離に応じて、スピーカ21aから出力される音声の音量を調整する調整手段23とを備えている。調整手段23は、検出された距離Sが閾値Nより小さい場合は、検出された距離Sが大きいほどスピーカ21aから出力される音声の音量を大きくし、検出された距離Sが閾値以上となった場合は、スピーカ21aからの音声の出力を停止する。
【0063】
図6は、
図5の音声出力システム1の動作の概略を説明するためのフローチャートである。
図6において、第1のワイヤレスデバイス10は、第2のワイヤレスデバイス20とワイヤレス接続する(ステップS21、T21)。第1のワイヤレスデバイス10は、音声再生手段11が音声信号の再生を開始し(ステップS22)、第2のワイヤレスデバイス20にワイヤレスで音声信号を送信する(ステップS23)。第2のワイヤレスデバイス20は、音声信号を受信して(ステップT22)、音声出力手段21は受信した音声をスピーカ21aから出力する(ステップT23)。
【0064】
次に、第2のワイヤレスデバイス20の距離検出手段22は、第1のワイヤレスデバイス10と第2のワイヤレスデバイス20間の距離Sを検出し(ステップT24)、検出した距離Sが、閾値Nより小さいか否かを判断する(ステップT25)。
【0065】
検出した距離Sが閾値Nより小さい場合(0≦S<N)は(ステップT25の「Yes」)、第2のワイヤレスデバイス20の調整手段23は、スピーカ21aから出力される音声の音量レベルを距離Sが大きくなるほど大きく設定する(ステップT26)。
【0066】
検出した距離Sが閾値N以上(閾値N≦S)は(ステップT15の「No」)、第2のワイヤレスデバイス20の調整手段23は、例えば、第1のワイヤレスデバイス10とのワイヤレス接続を解除して、スピーカ21aからの音声の出力を停止させる(ステップT27)。
【0067】
第1のワイヤレスデバイス10の切替手段14は、第2のワイヤレスデバイス20とのワイヤレス接続が解除された場合には、音声再生手段11で再生される音声信号の出力先を自己のスピーカ15aに切り替えてもよいし、第2のワイヤレスデバイス20よりも近くにある他のワイヤレスデバイスとワイヤレス接続して、当該他のワイヤレスデバイスのスピーカから音声を出力してもよい(ステップS24)。
【0068】
なお、上記
図1〜
図6では、第1のワイヤレスデバイス10から第2のワイヤレスデバイス20に音声信号を送信してそのスピーカから出力することとしたが、第2のワイヤレスデバイス20が第1のワイヤレスデバイス10に音声信号を送信してそのスピーカから出力させることにしてもよい。この場合、第2のワイヤレスデバイス20が、
図2及び
図5で示した、第1のワイヤレスデバイス10が備える音声再生手段11、距離検出手段12,調整手段13、及び切替手段14等と同等の機能を備えることにしてもよい。
【0069】
(実施例)
次に、
図7〜
図12を参照して、上記実施の形態の
図2に係る第1のワイヤレスデバイス10及び第2のワイヤレスデバイス20を、スマートフォン及びワイヤレススピーカに適用した場合の一実施例を説明する。
【0070】
図7は、実施例に係るワイヤレススピーカの概略の外観構成を示す斜視図である。
図7に示すように、ワイヤレススピーカ50は、略四角柱形状を呈する筐体51を備えている。筐体51の内部には、各種電子部品やバッテリ等が搭載されている。筐体51の正面51aにはスピーカ52が配置されている。また、筐体51の上面51bには、電源ボタン53a、音量を調整するためのプラスボタン53b及びマイナスボタン53c等を含む操作部53が配置されている。
【0071】
図8は、
図7のワイヤレススピーカ50の概略のハードウェア構成例を示す図である。
図8に示すように、ワイヤレススピーカ50は、コントローラ55と、Bluetooth(登録商標)通信部56と、操作部53と、信号処理部57と、オーディオアンプ58と、及びスピーカ52等を備えている。
【0072】
コントローラ55は、プロセッサとプロセッサを動作させるためのプログラムを格納した記録媒体等を備えたマイコン等で構成されている。コントローラ55は、ワイヤレススピーカ50の全体の制御を司り、操作部53から入力される操作信号やBluetooth(登録商標)通信部56を介して入力されるコントロール信号に基づいて、各部の動作を制御する。例えば、コントローラ50は、信号処理部51における信号処理、オーディオアンプ52の音量レベルの調整(スピーカ52から出力される音声の音量レベルの調整)、及びBluetooth(登録商標)通信部56の制御などを行う。
【0073】
信号処理部51は、コントローラ55から入力される音声信号に対して、コントローラ55の制御に従ってD/A変換や音質の調整等の各種の信号処理を行う。オーディオアンプ58は、信号処理部57から入力される音声信号に対して、コントローラ55から入力されるボリューム値に応じた増幅率で増幅することにより音量調整し、音量調整後の音声信号をスピーカ52に出力する。スピーカ52は、オーディオアンプ58から入力される音声を外部に出力する。
【0074】
Bluetooth(登録商標)通信部56は、コントローラ55の制御に従い、Bluetooth(登録商標)方式の無線通信を他のBluetooth(登録商標)デバイスと行うためのデバイスであり、Bluetooth(登録商標)デバイスの検索、(マルチ)ペアリングの設定/解除、及び接続等を行う。
【0075】
図9は、本実施例に係るスマートフォンの外観を示す概略の斜視図である。
図8に示すように、スマートフォン60は、略六面体形状の筐体62を備えている。筐体62の表面のうち一方側の面を正面62A、正面62Aに対向する他方側の面を背面、筐体62の表面のうち正面62Aと背面に挟まれた面を側面62Bとする。スマートフォン60は、筐体62の正面62Aに、タッチパネル63A及び各種アイコンや画像が表示される表示部63Bで構成されるタッチ表示部63と、レシーバ67が配置されている。筐体62の手前側の側面62Bに、マイク65と、内蔵スピーカ66とが配置されている。また、右側の側面62Bに、不図示の電源ボタンやボリューム調整ボタン等の操作部が配置されている。
【0076】
タッチ表示部63は、アイコン、文字、図形、画像等の情報を表示するとともに、指、スタイラス、ペン等(以下、「指示体」と称する)を用いてタッチパネル63Aに対して行われる各種操作を検出する。タッチパネル63Aが各種操作を検出する方式は、静電容量式、感圧式等の方式を採用することができる。
【0077】
図10は、
図9のスマートフォン60の概略の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、スマートフォン60は、制御部70と、メモリ71と、記憶部72と、Bluetooth(登録商標)通信部75と、通信部76と、電源部74と、タッチ表示部63(タッチパネル63A、表示部63B)と、操作部73と、マイク65と、内蔵スピーカ66等を備えている。
【0078】
タッチ表示部63は、表示部63Bと、表示部63Bに重畳されたタッチパネル63Aとを有する。タッチパネル63Aは、指やペン等の指示体を用いてタッチパネル63Aに対して行われた各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル63A上での位置とともに検出し、制御部70に通知する。タッチパネル63Aによって検出される操作には、タッチ操作、スライド操作、及びピッチ操作が含まれる。表示部63Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、文字や図形等を表示する。
【0079】
操作部73は、電源ボタンやボリューム調整ボタン等を通じて利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する指示信号を制御部70へ送信する。
【0080】
電源部74は、制御部70の制御に従って、蓄電池又はACアダプタから得られる電力を、制御部70を含むスマートフォン60の各部へ供給する。
【0081】
通信部76は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間で無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。Bluetooth(登録商標)通信部75は、Bluetooth(登録商標)方式でBluetooth(登録商標)デバイスと近距離無線通信を行う。内蔵スピーカ66は、制御部70から送信される音声信号を音声として出力する。マイク65は、利用者の音声や超音波等を集音して制御部70へ出力する。
【0082】
メモリ71は、例えば、RAMやDRAM等で構成されており、制御部70によって実行されるプログラム、制御部70が参照するデータ、制御部70の演算結果等が一時的に記憶されるワークエリアとして使用される。
【0083】
記憶部72は、例えば、不揮発性メモリ(例えば、EEPROM、SSD)であり、制御部70での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。記憶部72に記憶されるプログラムには、Bluetooth(登録商標)通信を含むスマートフォンの基本的な機能を実現するためのOS72a(例えば、iOS、Android、Windows(登録商標))、デバイスをハードウェア制御するためのドライバ72b、スマートフォン70とワイヤレススピーカ50との距離に応じて、ワイヤレススピーカ50のスピーカ52の音量レベルを調整するためのスピーカ用アプリ72c、音声ファイルを再生させるための音声再生アプリ72d、並びに、電話機能を実現するための電話アプリ、電子メール機能を実現するためのメールアプリ、WEBブラウジング機能を実現するためのブラウザアプリ、ファイル閲覧用アプリ、及びワープロアプリ等の他のアプリ72e、及び各種データ等が含まれる。各種アプリとデバイス間の通信にはOS72aが介在する。
【0084】
制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP等であり、スマートフォン50の動作を統括的に制御して各種の機能(モード)を実現する。具体的には、制御部70は、記憶部72に記憶されているデータやメモリ21に展開したデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部72に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、タッチ表示部63、Bluetooth(登録商標)通信部75,通信部76等を制御することによって各種機能(モード)を実現する。なお、制御部70が実行するプログラムや参照するデータは、通信部73による通信でサーバ装置からダウンロードしたり、アップデートしてもよい。
【0085】
スピーカ用アプリ72cは、スマートフォン70とワイヤレススピーカ50との距離に応じて、ワイヤレススピーカ50のスピーカ52の音量レベルを調整するためのアプリであり、その設定画面で、各種設定が可能となっている。
【0086】
図11は、スピーカ用アプリ72cの設定画面の一例を説明するための図である。
図11に示す設定画面において、ユーザは、ワイヤレススピーカ50からの音声出力を停止する場合のワイヤレススピーカ50との距離S(閾値N)を設定可能となっている。同図に示す例では、一例として4.5mが設定されている。また、
図11に示す設定画面において、ワイヤレススピーカ50からの音声出力を停止した後の処理について、ユーザは、音声出力しない第1のモード、自装置のスピーカから音声出力する第2のモード、他のワイヤレスデバイスのスピーカから音声出力する第3のモードのいずれかを設定可能となっている。
【0087】
図12は、スマートフォン60がワイヤレススピーカ50との距離に応じて、ワイヤレススピーカ50の音量を調整する処理を説明するためのフローチャートである。
図12において、まず、スマートフォン60は、ワイヤレススピーカ50と、互いのBluetooth(登録商標)通信部75,56を介して、ワイヤレス接続(ペアリング)する(ステップS31、T31)。
【0088】
スマートフォン60では、音声再生アプリ72がユーザ操作に応答して、音声信号の再生を開始し(ステップS32)、Bluetooth(登録商標)通信部75を介して、ワイヤレススピーカ50に音声信号を送信する(ステップS33)。
【0089】
ワイヤレススピーカ50では、Bluetooth(登録商標)通信部56を介して音声信号を受信し(ステップT32)、コントローラ55は、受信した音声信号を信号処理部57及びアンプ58を介して、スピーカ52から出力させる(ステップT33)。
【0090】
次に、スマートフォン60では、スピーカ用アプリ72cは、Bluetooth(登録商標)通信部75を介して、スマートフォン60とワイヤレススピーカ50間の距離Sを検出する(ステップS34)。具体的には、例えば、スピーカ用アプリ72cは、Bluetooth(登録商標)通信部75から、Bluetooth(登録商標)通信部75とBluetooth(登録商標)通信部56間の電波のRSSI値(電波強度)を取得し、RSSI値と距離との関係を規定するテーブルを参照して、スマートフォン60とワイヤレススピーカ50間の距離Sを算出(検出)することができる。スピーカ用アプリ72cは、検出した距離Sが、閾値Nより小さいか否かを判断する(ステップS35)。
【0091】
検出した距離Sが閾値Nより小さい場合(0≦S<N)は(ステップS35の「Yes」)、スピーカ用アプリ72cは、ワイヤレススピーカ50のスピーカ52から出力される音声の音量レベルを距離が大きくなるほど大きく設定する(ステップS36)。より具体的には、スピーカ用アプリ72cは、Bluetooth(登録商標)通信部75を介して、ワイヤレススピーカ50に音量レベルのリモートコントロール信号を送出する。これに応じて、ワイヤレススピーカ50では、コントローラ55は、Bluetooth(登録商標)通信部56を介してリモートコントロール信号を受信すると、リモートコントロール信号に応じて、アンプ58のゲインを設定する。これにより、スピーカ52から出力される音声の音量レベルが変更される。
【0092】
検出した距離Sが閾値N以上の場合(閾値N≦S)は(ステップS35の「No」)、スピーカ用アプリ72cは、ワイヤレススピーカ50のスピーカ52からの音声の出力を停止させる(ステップS37)。
【0093】
ワイヤレススピーカ50のスピーカ52からの音声の出力を停止させる方法は、例えば、音声再生アプリ72dに再生を(一時)停止させる、ワイヤレススピーカ50のスピーカ52から出力される音声の音量レベルをゼロに設定する、ワイヤレススピーカ50のワイヤレス接続を切断する等がある。
【0094】
次に、スピーカ用アプリ72cは、設定画面で設定されているモードを判別する(ステップS38)。スピーカ用アプリ72cは、第1のモードが選択されている場合には、音声信号の出力先の切り替えを行わず、音声の出力を停止させた状態とする。また、スピーカ用アプリ72cは、第2のモードが選択されている場合には、音声の出力先を内蔵スピーカ66に切り替える(ステップS39)。また、スピーカ用アプリ72cは、第3のモードが選択されている場合には、ワイヤレススピーカ50とのワイヤレス接続を解除して、ワイヤレススピーカ50よりも近くにある他のワイヤレスデバイスとワイヤレス接続して、当該他のワイヤレスデバイスのスピーカから音声を出力する(ステップS40)。
【0095】
上記実施例によれば、例えば、スマートフォン60にスピーカ用アプリ72cをインストールするだけで、ワイヤレススピーカ50に特別な仕組みを設けなくても、ワイヤレススピーカ50との距離に応じて、ワイヤレススピーカ50から出力される音声の音量レベルを調整することが可能となる。