(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-13970(P2018-13970A)
(43)【公開日】2018年1月25日
(54)【発明の名称】ウェアラブルコンピュータ
(51)【国際特許分類】
G06F 1/32 20060101AFI20171222BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20171222BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20171222BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20171222BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20171222BHJP
G06F 1/26 20060101ALI20171222BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20171222BHJP
【FI】
G06F1/32 Z
A61B5/00 C
A61B5/10 310A
A61B5/16
A61B5/02 710A
A61B5/00 102A
G06F1/26 331D
G06F3/01 515
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-143430(P2016-143430)
(22)【出願日】2016年7月21日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100169199
【弁理士】
【氏名又は名称】石本 貴幸
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
5B011
5E555
【Fターム(参考)】
4C017AA10
4C017AB02
4C017AC28
4C038PP05
4C038VA04
4C038VA15
4C038VB31
4C038VC20
4C117XB03
4C117XB04
4C117XC16
4C117XE13
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4C117XF13
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4C117XJ13
4C117XJ44
5B011DA12
5B011EA04
5B011JB10
5B011KK01
5B011LL11
5B011MB07
5E555AA77
5E555BA04
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5E555CC01
5E555EA09
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】充電に関するユーザの煩わしさを軽減すること。
【解決手段】ウェアラブルコンピュータ10は、装着者の体温を用いて発電する体温発電装置19と、振動発電装置20と、制御部11とを備える。制御部11は、装着者が睡眠中か否かを判定する判定部と、動作モードを高消費電力モードと低消費電力モードとから選択する動作モード選択部とを有する。動作モード選択部は、少なくとも判定部によって睡眠中であると判定されている期間において低消費電力モードを選択する。体温発電装置19は、少なくとも判定部によって睡眠中であると判定されている期間において、発電を行い、振動発電装置20は、少なくとも判定部によって睡眠中ではないと判定されている期間において発電を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の体温を用いて発電する体温発電装置と、
前記体温発電装置とは異なる他の発電装置と、
前記装着者が睡眠中か否かを判定する判定部と、
動作モードを高消費電力モードと低消費電力モードから選択する動作モード選択部と、
を具備し、
前記動作モード選択部は、少なくとも前記判定部によって睡眠中であると判定されている期間において低消費電力モードを選択し、
前記体温発電装置は、少なくとも前記判定部によって睡眠中であると判定されている期間において発電を行い、
前記他の発電装置は、少なくとも前記判定部によって睡眠中ではないと判定されている期間において発電を行うウェアラブルコンピュータ。
【請求項2】
前記体温発電装置は、前記判定部によって睡眠中であると判定されている期間以外においても発電を行う請求項1に記載のウェアラブルコンピュータ。
【請求項3】
前記装着者の体温を検出する温度センサを備え、
前記判定部は、前記温度センサによる温度変化に基づいて前記装着者が睡眠中か否かを判定する請求項1に記載のウェアラブルコンピュータ。
【請求項4】
時計部を更に備え、
前記判定部は、前記時計部の現在時刻が予め設定されている入眠時刻から覚醒時刻までの間に該当する場合に、前記装着者が睡眠中であると判定する請求項1に記載のウェアラブルコンピュータ。
【請求項5】
モーションセンサを備え、
前記判定部は、前記モーションセンサからの信号に基づいて前記装着者が睡眠中であると判定する請求項1に記載のウェアラブルコンピュータ。
【請求項6】
照度センサを備え、
前記判定部は、前記照度センサによって検出された照度が予め設定された所定の照度以下の状態が所定期間継続した場合に、前記装着者が睡眠中であると判定する請求項1に記載のウェアラブルコンピュータ。
【請求項7】
前記低消費電力モードは、サスペンドモード、ハイバネーションモード、及び前記判定部による判定に関する機能以外の動作を停止させる睡眠モードのいずれか一つである請求項1に記載のウェアラブルコンピュータ。
【請求項8】
前記他の発電装置は、振動によって発電する振動発電装置である請求項1に記載のウェアラブルコンピュータ。
【請求項9】
装着者の体温を用いて発電する体温発電装置と、
前記装着者が睡眠中か否かを判定する判定部と、
前記判定部によって睡眠中であると判定された場合に、現在の動作モードを低消費電力モードとする動作モード選択部と、
を具備し、
前記体温発電装置は、少なくとも前記判定部によって睡眠中であると判定されている期間において、発電を行うウェアラブルコンピュータ。
【請求項10】
前記体温発電装置とは異なる他の発電装置を更に備える請求項9に記載のウェアラブルコンピュータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブルコンピュータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの腕に装着する時計型のウェアラブルコンピュータが知られている。このような時計型のウェアラブルコンピュータは、一般的に、充電コードや専用の充電スタンド等を介して電源と接続することで充電される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ウェアラブルコンピュータは、携帯電話機などの携帯型の情報処理端末に比べて小型化、軽量化が求められる。そのため、搭載される二次電池の容量が制限される傾向にあり、携帯電話機等に比べて継続使用時間が短い。それゆえ、充電を比較的頻繁に行う必要があり、ユーザに煩わしさを与えるおそれがある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、充電に関するユーザの煩わしさを軽減することのできるウェアラブルコンピュータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、装着者の体温を用いて発電する体温発電装置と、前記体温発電装置とは異なる他の発電装置と、前記装着者が睡眠中か否かを判定する判定部と、動作モードを高消費電力モードと低消費電力モードから選択する動作モード選択部と、を具備し、前記動作モード選択部は、少なくとも前記判定部によって睡眠中であると判定されている期間において低消費電力モードを選択し、前記体温発電装置は、少なくとも前記判定部によって睡眠中であると判定されている期間において発電を行い、前記他の発電装置は、少なくとも前記判定部によって睡眠中ではないと判定されている期間において発電を行うウェアラブルコンピュータである。
【0006】
本発明の他の一態様は、装着者の体温を用いて発電する体温発電装置と、前記装着者が睡眠中か否かを判定する判定部と、前記判定部によって睡眠中であると判定された場合に、現在の動作モードを低消費電力モードとする動作モード選択部とを具備し、前記体温発電装置は、少なくとも前記判定部によって睡眠中であると判定されている期間において、発電を行うウェアラブルコンピュータである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係るウェアラブルコンピュータのハードウェア構成の一例を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る制御部が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。
【
図3】一日の体温変化の典型的な例を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るウェアラブルコンピュータの動作モードと、発電状態と、装着者の状態とを対応させて示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の一実施形態に係るウェアラブルコンピュータについて、図面を参照して説明する。ウェアラブルコンピュータ10は、人体に装着した状態で利用可能な携帯型のコンピュータシステムであり、例えば、装着者の腕に装着する時計型のウェアラブルコンピュータや、装着者の頭部に装着するヘッドマウント型のウェアラブルコンピュータが一例として挙げられる。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係るウェアラブルコンピュータ10のハードウェア構成の一例を示した図である。
図1に示すように、ウェアラブルコンピュータ10は、制御部11、入力部12、表示部13、通信部14、モーションセンサ15、温度センサ16、時計部17、二次電池18、体温発電装置19、振動発電装置20等を備えている。これら各部は、バス30を介して電気的に相互に接続されている。
【0010】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)21、CPU21が実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置22、メインメモリ23を備えている。
補助記憶装置22は、コンピュータ読取可能な記録媒体であり、例えば、一般的には、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等であるが、ウェアラブルコンピュータ10においては、その筐体サイズを考慮して半導体メモリが適している。
メインメモリ23は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU21の実行プログラムの読み出しや実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0011】
入力部12は、ユーザが入力操作を行うためのユーザインターフェースであり、例えば、後述する表示部13と一体化されたタッチパネルとして実現される。
表示部13は、例えば、液晶表示装置であり、制御部11の制御に従って表示を行う。
モーションセンサ15は、例えば、3軸加速度センサ、ジャイロセンサ、及び地磁気センサの少なくとも1つを含み、ウェアラブルコンピュータ10の基本姿勢に対する3軸方向の傾きや動き等を検出することで、装着者の動きを検出する。
【0012】
温度センサ16は、例えば、装着者の体温を検出する。
モーションセンサ15及び温度センサ16によって検出されたセンサ信号は、制御部11に出力され、各種処理に用いられる。
【0013】
体温発電装置19は、装着者の体温を用いて発電を行う装置であり、例えば、装着者の体温と外気温との温度差で発電するペルティエ素子を備えている。体温発電装置19によって発電された電力は、二次電池18に貯蔵される。体温発電装置19は、少なくとも後述する判定部31(
図2参照)によって装着者が睡眠中であると判定されている期間において発電を行う。好ましくは、体温発電装置19は、装着者が睡眠中であると判定されている期間以外においても発電を行うとよく、より好ましくは、装着者の体温を用いて発電を行える限りにおいて常に発電を行うとよい。
振動発電装置20は、振動を用いて発電を行う装置であり、例えば、装着者の動きによって生じた振動を用いて発電する。振動発電装置20は、少なくとも後述する判定部31(
図2参照)によって装着者が睡眠中ではないと判定されている期間に、振動による発電が行える範囲で発電を行う。振動発電装置20によって発電された電力は二次電池に貯蔵される。
【0014】
図2は、上記制御部11が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。
図2に示すように、制御部11は、判定部31と、動作モード選択部32とを備えている。制御部11の補助記憶装置22(
図1参照)には、これら各部の機能を実現するための一連の処理手順がプログラムとして記述されており、CPU21が補助記憶装置22からメインメモリ23に各種プログラムを読み出し、実行することにより、後述する各部の機能を実現する。
【0015】
判定部31は、装着者が睡眠中か否かを判定する。具体的には、判定部31は、温度センサ16によって検出された装着者の体温の変化に基づいて装着者が睡眠中か否かを判定する。
図3は、一日の体温変化の典型的な例を示した図である。
図3に示すように、朝から夜にかけて緩やかに上昇し、夜の入眠時から朝の覚醒時の少し前にかけて急激に低下し、その後また、緩やかに上昇を始める。
図3に示すように、睡眠中と覚醒中とでは、体温の変化の特性が明らかに異なる。したがって、装着者の体温を検出し、検出した体温の時間的変化の特性から覚醒中なのか睡眠中なのかを判定することが可能である。
【0016】
判定部31は、例えば、温度センサ16によって検出された温度から所定期間内における温度の変化率を算出し、算出した温度の変化率の絶対値が所定の判定閾値以上であり、かつ、温度が低下する傾向を示していた場合に、装着者が睡眠中であると判定する。なお、体温は個人差があるため、例えば、試験的に数日間に渡って装着者の体温を時刻情報と共に記録し、記録した体温の履歴から判定閾値をカスタマイズすることとしてもよい。
【0017】
また、判定部31は、上記判定条件に代えて、温度センサ16によって検出された温度が所定回数に渡って連続して低下傾向を示していた場合に、睡眠中と判定することとしてもよい。なお、睡眠中か否かを判定する判定条件は上記例に限定されず、
図3に示すような特性に基づいて適宜設定すればよい。
【0018】
動作モード選択部32は、判定部31によって睡眠中であると判定された場合に、現在の動作モードを低消費電力モードとする。具体的には、動作モード選択部32は、高消費電力モードと低消費電力モードとを含む複数の動作モードの中から、少なくとも判定部31によって睡眠中であると判定されている期間において、低消費電力モードを選択する。
低消費電力モードは、少なくとも表示部13及び通信部14の動作が停止されるモードである。低消費電力モードは、例えば、サスペンドモード、ハイバネーションモード、及び睡眠モードのいずれか一つである。睡眠モードは、例えば、睡眠中か否かを判定するために必要とされる機能のみを動作状態として維持し、それ以外の機能は動作停止状態とするモードである。睡眠モードでは、例えば、温度センサ16と、制御部11とを動作させ、それ以外の構成の動作を停止させる。
また、高消費電力モードは、低消費電力モードよりも消費電力が大きなモードであり、表示部13及び通信部14のうち少なくともいずれか一方が動作状態となるモードである。
【0019】
動作モード選択部32は、判定部31によって睡眠中であると判定された場合に、現在の動作モードが予め設定された低消費電力モードでなければ(例えば、通常動作モード等)、動作モードを低消費電力モードに切り替え、また、現在の動作モードが低消費電力モードであれば、そのモードを維持する。
【0020】
次に、本実施形態に係るウェアラブルコンピュータ10の充電に関する動作について
図1及び
図2を参照して説明する。
例えば、体温発電装置19及び振動発電装置20は、常に動作状態とされており、発電可能な状況下において発電し、発電電力が二次電池18に貯蔵される。
また、温度センサ16は装着者の体温を定期的に検出し、検出した温度を制御部11に出力する。制御部11の判定部31は、例えば、温度センサ16から受信した温度と過去に受信した少なくとも1つの温度とを用いて装着者の温度変化率を算出し、算出した温度の変化率の絶対値が所定の判定閾値以上であり、かつ、温度が低下する傾向を示していた場合に、装着者が睡眠中であると判定する。
【0021】
動作モード選択部32は、判定部31によって装着者が睡眠中であると判定された場合に、現在の動作モードを低消費電力モードとする。これにより、ウェアラブルコンピュータ10は、判定部31によって睡眠中であると判定されている期間において、低消費電力モードに設定される。
【0022】
そして、例えば、装着者によって入力部12から低消費電力モードの解除を促す操作(例えば、電源ボタンが押下される等)がされた場合、装着者が覚醒したことを示すので、動作モード選択部32は、低消費電力モードを解除し、現在の動作モードを入力操作に応じたモード、例えば、通常モード(高消費電力モード)に切り替える。
なお、低消費電力モードを解除するタイミングとしては、上記例に限られない。例えば、覚醒後は、装着者が活動することとなるので、モーションセンサ15によって動きが検出されることとなる。したがって、モーションセンサ15によって継続的に動きが検出される場合に、低消費電力モードを解除することとしてもよい。この場合、低消費電力モードにおいて、モーションセンサ15も動作していることが条件となる。
【0023】
以上説明してきたように、本実施形態に係るウェアラブルコンピュータ10によれば、
図4に示すように、装着者の睡眠中において、動作モードが低消費電力モードに設定される。これにより、睡眠中の電力消費を抑制することができ、体温発電装置19が発電したほとんどの電力が負荷によって消費されることなく、二次電池18に貯蔵されることとなる。これにより、装着者が目覚めたときには、二次電池18を満充電に近い状態とすることが可能となる。よって、充電のための特別な準備を行うことなく、二次電池18を充電することができ、ユーザの充電に関する煩わしさを軽減することが可能となる。
また、本実施形態に係るウェアラブルコンピュータ10によれば、体温発電装置19と、体温発電装置19以外の他の発電装置である振動発電装置20とを備え、他の発電装置である振動発電装置20の発電量が低下する睡眠中に、消費電力を抑制するとともに体温発電を行うので、振動発電装置20による発電量の低下を補うことが可能となる。
【0024】
更に、本実施形態に係るウェアラブルコンピュータ10によれば、判定部31が温度センサ16の計測値を用いて睡眠中か否かを判定する。この温度センサ16は、体温発電装置19の制御にも用いられる。したがって、体温発電装置19に付随して設けられている温度センサ16による計測情報を用いて判定部31が判定処理を行うことで、睡眠中か否かを判定するための専用のセンサを追加で設ける必要がなく、装置の大型化やコストの増大を回避することができる。
【0025】
なお、上述した本実施形態では、体温発電装置以外の発電装置として振動発電装置20を備えていたが、振動発電装置20に限らず、他の発電装置を備えていてもよい。また、体温発電装置19以外の発電装置は必須の要件ではなく、体温発電装置以外の発電装置を備えていない構成も取り得る。
【0026】
なお、本実施形態に係るウェアラブルコンピュータ10では、判定部31が装着者の体温を用いて入眠および覚醒を判定していたが、これに限らず、他の判定基準を用いて装着者が睡眠中であるか否かを判定することとしてもよい。
【0027】
例えば、
図5に示すように、判定部31aは、時計部17から受信する時刻情報に基づいて装着者が睡眠中か否かを判定することとしてもよい。この場合、例えば、入眠時刻と覚醒時刻とを予め設定しておき、判定部31aは、時計部17から受信する時刻が入眠時刻から覚醒時刻までの時間帯である場合に、睡眠中と判定する。ここで、入眠時刻と覚醒時刻とは装着者の生活リズムに応じて適宜変更されてもよい。例えば、入眠や覚醒は、上述したように体温に基づいて推定することができるから、時刻と体温とを記録しておき、その履歴に基づいて入眠時刻と覚醒時刻とを調整してもよい。また、装着者が入眠時刻及び覚醒時刻を設定可能な構成としてもよい。あるいは、時計の目覚まし機能がセットされた場合には、目覚ましのアラーム時間として設定された時刻を覚醒時刻として用いてもよい。
【0028】
また、例えば、
図6に示すように、判定部31bは、モーションセンサ15によって検出される動作情報を用いて装着者が睡眠中か否かを判定することとしてもよい。例えば、モーションセンサ15の検出結果から寝返りに対応する動作が検出された場合に、装着者が睡眠中であると判定することとしてもよい。
【0029】
また、例えば、
図7に示すように、ウェアラブルコンピュータ10は、照度センサ40を更に備え、判定部31cは、照度センサ40によって検出された照度情報に基づいて装着者が睡眠中か否かを判定することとしてもよい。例えば、判定部31cは、照度センサ40から受信する照度が予め設定された所定の照度以下の状態が所定期間継続した場合に、装着者が睡眠中であると判定することとしてもよい。
【0030】
また、睡眠中は脈拍数(心拍数)が低下する。したがって、
図8に示すように、装着者の脈拍数を検出する脈拍センサ41を更に設け、判定部31dは、脈拍センサ41によって検出される脈拍に基づいて、装着者が睡眠中か否かを判定することとしてもよい。
例えば、脈拍センサ41は、装着者の皮膚内の血管に光を照射し、血中のヘモグロビンに吸収されずに反射された光を受光し、その光の量に基づいて単位時間あたりの脈拍数を導出する。判定部31dは、脈拍センサ41によって計測された脈拍数が所定の閾値以下である場合に、装着者が睡眠中であると判定する。なお、体温と同じく、脈拍数も個人差がある。したがって、装着者の脈拍数の過去の履歴等を用いて、閾値を調整することとしてもよい。
【0031】
また、判定部31、31a〜31dの判定条件を適宜組み合わせることにより、装着者が睡眠中か否かを判定することとしてもよい。更に、ユーザが入眠及び覚醒を知らせるための操作部を入力部12に設け、ユーザによる操作部の操作に基づいて判定部が入眠および覚醒を判定することとしてもよい。
【0032】
以上、上記実施形態を用いて本発明について説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
10:ウェアラブルコンピュータ
11、11a〜11d:制御部
12:入力部
13:表示部
14:通信部
15:モーションセンサ
16:温度センサ
17:時計部
18:二次電池
19:体温発電装置
20:振動発電装置
21:CPU
22:補助記憶装置
23:メインメモリ
31、31a〜31d:判定部
32:動作モード選択部
40:照度センサ
41:脈拍センサ