【解決手段】ペン型ポインティングデバイス1は、本体5の一端において凸状に設けられた透光性を有する光学部品13と、光学部品13を介して対象物に光を照射する光射出部と、光射出部から照射され、対象物で反射した光を検出する受光部と、受光部で検出された光に基づいて、本体部の移動量及び移動方向を検出し、検出された移動量及び移動方向に基づいて、移動量及び移動方向に関する移動信号を生成する移動検出部と、移動検出部で生成された移動信号を出力する出力部と有するマウス部8を備える。
前記受光部において光の受光が所定時間行われないとき、前記光射出部からの光の照射を停止するON/OFF制御部を更に備える請求項1又は4に記載のペン型ポインティングデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るペン型ポインティングデバイス(以下「ペン型デバイス」という。)1について、図面を参照しながら、説明する。
なお、以下では、携帯情報端末の例として、タブレット端末を挙げるが、本発明が適用される携帯情報端末はこれに限られず、ノート型パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどでもよい。
【0013】
本実施形態に係るペン型デバイス1は、
図1A〜
図1Cに示すように、ペン先6が本体5の端面5aから突出しているとき、タッチペンとして機能し、
図2A〜
図2Cに示すように、ペン先6が本体5に収容されているとき、マウスとして機能する。
【0014】
ペン型デバイス1は、
図3に示すように、一方向に長い軸状部材である本体5と、ペン先6と、本体5に収容されたデジタイザー部7及びマウス部8と、本体5の表面に設けられ、電池10と電気的に接続される充電端子9(
図1A参照)と、本体5に収容された電池10と、制御回路11と、センサー部12などを有する。
【0015】
本実施形態に係るペン型デバイス1は、タッチペンとして機能するとき、タブレット端末、ノートパソコン等の端末に設けられたタッチパネルへの入力に用いられる。タッチペンとして機能するペン型デバイス1は、アクティブ式でもよいし、パッシブ式でもよい。アクティブ式の場合、デジタイザー部7が作動する。デジタイザー部7は、
図4に示すように、圧力検出部15、デジタイザー制御部16、トランスデューサー17などを有する。
【0016】
ペン先6は、外部と先端で接触しデジタイザー部7と電気的に導通する材料によって構成される。ペン先6の材料は、例えば導電性合成樹脂である。また、ペン先6は、光学部品13としても用いられる。光学部品13は、光が通過する透光性を有する部材であり、光射出部18から射出された光が通過する。
【0017】
また、本体5の端面5aには、
図1C及び
図2Cに示すように、光学部品14が設置される。光学部品14では、光射出部18から射出された後、対象物で反射した光が受光部19へ向かって通過する。
【0018】
圧力検出部15は、ペン先6がタッチパネルなどに当接され、その押圧力によってペン先6がばね部材(図示せず。)の弾性力に抗して押し込まれた際の圧力を検出して、検出結果をデジタイザー制御部16に出力する。なお、圧力検出部15でペン先6の圧入を検出する場合に限られず、他の検出手段を使用してペン先6の圧入を検出してもよい。
【0019】
トランスデューサー17は、例えば、電圧制御発振器であり、ペン先6と電気的に接続されている。トランスデューサー17は、デジタイザー制御部16によって出力される電圧に基づいて正弦波信号(周波数f1,振幅A1)を生成し、生成した正弦波信号を、ペン先6を通じて送信する。
【0020】
また、デジタイザー制御部16は、圧力検出部15の圧力検出結果に基づいて、ペン先6の圧入を検出した場合には、トランスデューサー17に出力する電圧を変更し、正弦波信号(周波数f2(但し、f2>f1),振幅A1)を生成する。そして、デジタイザー制御部16は、生成した正弦波信号を、ペン先6を通じて送信する。タブレット端末は、タッチセンサを介して正弦波信号を受信する。
【0021】
電池10は、デジタイザー制御部16に電力を供給し、デジタイザー制御部16は、電圧レベルを調整してトランスデューサー17及び圧力検出部15に電圧を供給する。トランスデューサー17は電圧が供給されると、発振を開始して正弦波信号を生成し、ペン型デバイス1はアクティブ式のタッチペン(デジタイザー)として用いることが可能になる。
【0022】
また、ペン型デバイス1は、マウスとして機能するとき、端末の画面上に表示されているマウスポインタの位置を端末に入力する。ペン型デバイス1は、マウスとして機能するとき、マウス部8が作動する。
【0023】
マウス部8は、
図4に示すように、光射出部18と、受光部19と、移動検出部20と、出力部21などから構成される。マウス部8は、電池10から電力が供給される。
【0024】
光射出部18は、例えばLEDであり、LED光を射出する。受光部19は、光を受光し、受光した光を検出する。光射出部18から射出された光は、光学部品13を通過して、ペン型デバイス1がマウスとして操作されるテーブル等の対象面に照射される。対象面に照射された光は、対象面で反射し、例えば光学部品14を通過して、受光部19へ到達する。そして、受光部19において、対象物で反射された光が受光される。
【0025】
移動検出部20は、受光部19で受光した光に基づいて、本体5の移動量及び移動方向を検出する。移動検出部20は、検出された本体5の移動量及び移動方向に基づいて、移動量及び移動方向に関する移動信号を生成する。出力部21は、例えば無線通信によって、移動検出部20で生成された移動信号をタブレット端末へ送信する。
【0026】
したがって、受光部19で受光した光に基づいて、ペン型デバイス1の本体5の移動量及び移動方向が検出され、かつ、移動量及び移動方向に関する移動信号がタブレット端末へ出力されることから、ペン型デバイス1は、マウスとして使用可能である。
【0027】
ペン型デバイス1の本体5の端面5aには、本体5の軸方向に対して斜め方向に傾いた斜面部が形成されている。
【0028】
ペン型デバイス1の斜面部全体を設置面に接触させるとき、ペン型デバイス1は、設置面に対して1方向に傾いた状態となる。これにより、ペン型デバイス1をマウスモードとして使用するときの操作方向(前後左右)を特定することができる。予めペン型デバイス1の傾斜部の傾き方向と、マウスモードの操作方向との関係を記録しておくことで、マウスとして用いられるとき、ユーザーは、ペン型デバイス1の傾斜方向をもとにしてペン型デバイス1を操作することで、画面上のポインタを前後左右に正確に操作できる。
【0029】
制御回路11は、
図4に示すように、切替検出部22と、切替制御部23と、ON/OFF制御部24などを有する。
切替検出部22は、ペン先6の本体5に対する出入を検出する。切替検出部22は、ペン先6の出入に対応するペン先6の位置を検出してもよいし、又は、デジタイザー部7の位置を検出してもよい。
【0030】
切替制御部23は、切替検出部22の検出結果に基づいて、ペン型デバイス1がタッチペンとして機能するペンモードと、ペン型デバイス1がマウスとして機能するマウスモードとを切り替える。
【0031】
センサー部12は、例えば、近接センサー(Pセンサー)であり、ペン型デバイス1に対するユーザーによる接触を検出する。検出結果は、ON/OFF制御部24へ出力される。ON/OFF制御部24は、センサー部12による検出結果や、マウスモードにおいてマウス部8が動作していない時間等に基づいて、マウス部8をONからOFFへ切り替える。
【0032】
次に、本実施形態に係るペン型デバイス1の操作方法について説明する。
ペン型デバイス1は、動作モードとして、上述したとおり、ペンモードと、マウスモードを有する。
ユーザーがタッチペンとしてペン型デバイス1を用いる場合、
図1A〜
図1Cに示すように、本体5の外周面に設けられたスライド式ボタン25を用いて、ペン先6を押し下げて、端面5aからペン先6を突出させる。これにより、ペン先6が本体5から突出されたことが検出され、ペン型デバイス1は、ペンモードに切り替わる。ペンモードでは、デジタイザー部7が作動する。
【0033】
ペンモードでは、トランスデューサー17は、デジタイザー制御部16によって出力される電圧に基づいて正弦波信号(周波数f1,振幅A1)を生成し、生成した正弦波信号を、ペン先6を通じて送信する。デジタイザー制御部16は、圧力検出部15の圧力検出結果に基づいて、ペン先6の圧入を検出した場合には、トランスデューサー17に出力する電圧を変更し、正弦波信号(周波数f2(但し、f2>f1),振幅A1)を生成する。
【0034】
なお、ペン型デバイス1がペンモードに移行したとき、タブレット端末の画面にペン型デバイス1がペンモードとなっていることを表示し、ユーザーにペン型デバイス1がペンモードであることを通知できるようにしてもよい。この場合、タブレット端末は、ペン型デバイス1から動作モードに関する信号を受信し、受信した信号に基づいて、画面表示を制御する。
【0035】
ユーザーがペン型デバイス1をマウスとして用いる場合、
図2A〜
図2Cに示すように、スライド式ボタン25を用いて、ペン先6を引き上げて、ペン先6を本体5の内部に収容させる。これにより、ペン先6が本体5に収容されたことが検出され、ペン型デバイス1は、マウスモードに切り替わる。マウスモードでは、マウス部8が作動する。
【0036】
マウスモードでは、光射出部18が光の射出を開始し、光学部品13,14を介して、受光部19で光を受光する。そして、受光部19で受光した光に基づいて、本体5の移動量及び移動方向が検出され、かつ、移動量及び移動方向に関する移動信号がタブレット端末へ出力される。
【0037】
なお、ペン型デバイス1がマウスモードに移行したとき、タブレット端末の画面にペン型デバイス1がマウスモードとなっていることを表示し、ユーザーにペン型デバイス1がマウスモードであることを通知できるようにしてもよい。この場合も、タブレット端末は、ペン型デバイス1から動作モードに関する信号を受信し、受信した信号に基づいて、画面表示を制御する。
【0038】
また、マウスモードの状態において、ペン型デバイス1を画面にタッチすることによって、マウスモードの表示を解除し、かつ、ペン型デバイス1がペンモードに切り替わるように構成されてもよい。すなわち、端末は、ペン型デバイス1によるタッチが検出されたとき、マウスモードの表示を解除する。さらに、ペン型デバイス1は、端末のタッチパネルとの接触が検出されたとき、マウスモードの作動を停止し、ペンモードの作動を開始させる。
【0039】
本実施形態では、タブレット端末等の端末が起動中であって、マウスモードの作動状態を自動的に停止するため、マウス操作が行われているか否かを検知してもよい。例えば、ON/OFF制御部24は、センサー部12によってユーザーがペン型デバイス1を手で持っている状態が検知されている間に、受光部19においてマウス操作による光の受光が所定時間行われなかった場合、光射出部18からの光の照射を停止して、マウスモードの作動状態を停止してもよい。
【0040】
なお、上述した本実施形態では、ペン先6を本体5に出入する場合について説明したが、本発明は、この例に限定されず、
図5に示すように、本体5の端面5aに凸状に形成されたペン先6が出入しない構成でもよい。この場合、ペン先6には、外部と先端で接触しデジタイザー部7と電気的に導通し、かつ、光射出部18からの光が通過する光学部品13が設けられている。
本変形例に係るペン型デバイス1は、例えば、本体5の外周部にボタン部(入力部)を有し、ユーザーによるボタン部の押圧によって、ペンモードとマウスモードが切り替わる。
【0041】
以上、本実施形態及び本変形例によれば、一つのデバイスがマウスとタッチペンの機能を有しており、ペン形状を有することによって、携帯性が良い。また、ペン形状を有していながら、本実施形態では、ペン先6を本体5に収容することで、本変形例では、ユーザーがボタン部を操作することで、マウスモードへ移行し、マウスとして使用可能になる。ユーザーは、従来型のマウスを別途持ち運ぶことなく、端末に対してマウス操作による入力を行うことができる。
【0042】
なお、従来のマウスと類似する形状を有するマウス型ケースを別途用意しておき、ペン型デバイス1をマウス型ケースに挿入できるようにしてもよい。この場合、マウス型ケースをユーザーが操作することになり、ユーザーは従来と同様の操作感覚でマウス操作を行うことができる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るペン型ポインティングデバイス(以下「ペン型デバイス」という。)2について説明する。
本実施形態に係るペン型デバイス2は、
図6に示すように、ペン先6が本体5の端面5aから突出しているとき、タッチペンとして機能し、
図7に示すように、ペン先6が本体5に収容されているとき、マウスとして機能する。
【0044】
ペン型デバイス2は、
図8に示すように、本体5と、ペン先6と、本体5に収容されたデジタイザー部7及びマウス部8と、本体5に収容された電池10と、制御回路11と、センサー部12などを有する。センサー部12は、例えば、近接センサー、加速度センサーなどを備える。
【0045】
ペン先6及びデジタイザー部7は、本体5の外周に設けられたクリップ部26と連結しており、クリップ部26の押し下げ、又は、引き上げによって、ペン先6が、本体5の端面5aから突出したり、本体5に収容されたりする。ペン先6の本体5への収容は、例えば、リリース用ボタン27が押圧されることによって行われる。なお、ペン先6は、第1実施形態と同様に、スライド式ボタンが設けられ、スライド式ボタンと連結して、本体5に対して出入する構成を有してもよい。
【0046】
また、本体5は、一方向に長い軸部28と、軸部28の一側に設けられたスライダー部29を有し、
図9に示すように、軸部28がスライダー部29の軸周りに回動可能に構成される。
【0047】
スライダー部29は、
図10に示すように、ほぼ円錐台形状を有し、中心部に貫通孔29Aが形成されている。また、
図10及び
図11に示すように、貫通孔29Aには、ペン先6が挿入されており、ペン先6は、貫通孔29Aに沿って移動可能である。また、スライダー部29は、軸部28に対して滑らかに回動できるように構成されている。また、スライダー部29には、ばね部材30が取り付けられる。スライダー部29に対して負荷がかからない状態、例えば、ペン型デバイス2が設置面から離れた状態で、ばね部材30の弾性力によって、スライダー部29の軸線と軸部28の軸線が一致するようにしてもよい。
【0048】
スライダー部29は、ペン先6を覆っており、端面5aの面積が広いことから、操作時に本体5を傾けたとしても、外部から光学部品13,14に光が侵入することを防止できる。
【0049】
本実施形態において、制御回路11における切替検出部は、第1実施形態の切替検出部22と異なり、スライダー部29に対する本体5の軸部28の回動を検出する。切替検出部は、例えば、ジャイロセンサーを有する。切替検出部は、ジャイロセンサーの検出結果を用いて、スライダー部29に対して軸部28が回動したか否かを検出する。
【0050】
切替制御部は、切替検出部の検出結果に基づいて、ペン型デバイス2がタッチペンとして機能するペンモードと、ペン型デバイス2がマウスとして機能するマウスモードとを切り替える。
【0051】
すなわち、本体5の内部に設けられたジャイロセンサーの検出結果に基づいて、本体5の軸部28がスライダー部29の軸周りに回動されたことが検出されたとき、切替制御部がペン型デバイス2をマウスモードに切り替える。これにより、ペン先6を収容しただけで、ペン型デバイス2がマウスモードに切り替わってしまうことを防止できる。
【0052】
ペン先6には、
図10に示すように、例えば二つの軸状の光学部品13,14が設置され、光学部品13は、光射出部18から射出された光が通過し、光学部品14は、反射した光が受光部19へ向かって通過する。二つの光学部品13,14の間は、光が透過しない非透過性部材31が設けられる。
【0053】
次に、本実施形態に係るペン型デバイス2の操作方法について説明する。
ペン型デバイス2は、動作モードとして、上述したとおり、ペンモードと、マウスモードを有する。
ユーザーがタッチペンとしてペン型デバイス2を用いる場合、クリップ部26を用いて、
図6に示すように、ペン先6を押し下げて、端面5aからペン先6を突出させる。これにより、ペン先6が本体5から突出されたことが検出され、ペン型デバイス2は、ペンモードに切り替わる。ペンモードでは、デジタイザー部7が作動する。
【0054】
ユーザーがペン型デバイス2をマウスとして用いる場合、リリース用ボタン27を押して、
図7に示すように、ペン先6を引き上げて、ペン先6を本体5の内部に収容させる。
【0055】
そして、ユーザーは、
図9に示すように、スライダー部29をマウスとして操作させる設置面に接触させる。このとき、センサー部12の加速度センサーによって、ペン型デバイス2が設置面に接地されたことが検出される。また、近接センサーによって、ユーザーがペン型デバイス2を手で持っている状態が検出される。ペン型デバイス2の設置面に対する接地と、ユーザーによる保持状態が検出された場合、切替検出部のジャイロセンサーが起動する。
【0056】
そして、ユーザーは、スライダー部29が設置面と接触した状態で、スライダー部29の軸線周りに本体5の軸部28を回動させる。
【0057】
これにより、ジャイロセンサーによって、軸部28がスライダー部29の軸線周りに回動されたことが検出され、ペン型デバイス2は、マウスモードに切り替わる。マウスモードでは、マウス部8が作動する。軸部28の軸線回りの回動が行われたか否かは、ジャイロセンサーが設置面に対する水平面内での回転(具体的にはX方向とY方向それぞれの方向で±N°以上往復すること)を所定時間内に検出することに基づいて行われる。
なお、本実施形態では、ジャイロセンサーが起動した後に、ジャイロセンサーにおいてペン型デバイス2の動きが検出されない場合、ジャイロセンサーを再び停止してもよい。
【0058】
以上、本実施形態によれば、一つのデバイスがマウスとタッチペンの機能を有しており、ペン形状を有することによって、携帯性が良い。また、ペン形状を有していながら、本実施形態では、ペン先6を本体5に収容することで、マウスモードへ移行し、マウスとして使用可能になる。ユーザーは、従来型のマウスを別途持ち運ぶことなく、端末に対してマウス操作による入力を行うことができる。また、本体5の軸部28がスライダー部29の軸周りに回動されたことが検出されたとき、ペンモードからマウスモードに切り替わるため、誤作動を防止できる。
【0059】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るペン型ポインティングデバイス(以下「ペン型デバイス」という。)3について説明する。
【0060】
本実施形態に係るペン型デバイス3は、上述した第1及び第2実施形態と異なり、タッチペンとして機能するペン先32側と、マウスとして機能するマウス側とが本体5の反対側に設置される。
本実施形態に係るペン型デバイス3は、
図12及び
図13に示すように、ペン先32が下方に向けられているとき、ペンモードとして機能し、
図15に示すように、ペン先32とは反対のマウス側が下方に向けられているとき、マウスモードとして機能する。
【0061】
ペン型デバイス3は、
図14に示すように、本体5と、ペン先32と、本体5に収容されたデジタイザー部7及びマウス部8と、本体5の表面に設けられた充電端子9(
図12参照)と、本体5に収容された電池10と、制御回路11と、センサー部12などを有する。
【0062】
ペン型デバイス3の一端部には、ペン先32が設けられ、ペン先32の内部には、
図14に示すように、外部と先端で接触しデジタイザー部7と電気的に導通する芯材33が設けられている。芯材33の材料は、例えば導電性合成樹脂や金属である。
【0063】
ペン型デバイス3は、第1実施形態と同様に、デジタイザー部7は、圧力検出部、デジタイザー制御部、トランスデューサーなどを有する。
【0064】
ペン型デバイス3の他端部には、マウス部8が設置される。マウス部8は、第1実施形態と同様に、光射出部と、受光部と、移動検出部と、出力部などから構成される。ペン型デバイス3の本体5の端面5bには、
図13及び
図14に示すように、光が透過する透光性の光学部品34,35が設けられる。
【0065】
ペン型デバイス3の本体5の端面5bには、本体5の軸方向に対して斜め方向に傾いた斜面部が形成されている。
【0066】
ペン型デバイス3の斜面部全体を設置面に接触させるとき、
図15に示すように、ペン型デバイス3は、設置面に対して1方向に傾いた状態となる。これにより、ペン型デバイス3をマウスモードとして使用するときの操作方向(前後左右)を特定することができる。予めペン型デバイス3の傾斜部の傾き方向と、マウスモードの操作方向との関係を記録しておくことで、マウスとして用いられるとき、ユーザーは、ペン型デバイス3の傾斜方向をもとにしてペン型デバイス3を操作することで、画面上のポインタを前後左右に正確に操作できる。
【0067】
制御回路11の切替検出部は、本体5の向きを検出する。切替検出部は、例えばジャイロセンサーである。
【0068】
切替制御部は、切替検出部の検出結果に基づいて、ペン型デバイス3がタッチペンとして機能するペンモードと、ペン型デバイス3がマウスとして機能するマウスモードとを切り替える。なお、ジャイロセンサーの検出による切り替えではなく、
図12及び
図14に示すように、本体5の外周部にボタン部(入力部)36を有し、ユーザーによるボタン部36の押圧によって、ペンモードとマウスモードが切り替わるようにしてもよい。
【0069】
次に、本実施形態に係るペン型デバイス3の操作方法について説明する。
ペン型デバイス3は、動作モードとして、上述したとおり、ペンモードと、マウスモードを有する。
ユーザーがタッチペンとしてペン型デバイス3を用いる場合、ユーザーは、
図12及び
図13に示すように、ペン先32を下方へ向ける。これにより、ペン先32が下方へ向けられていることが検出され、ペン型デバイス3は、ペンモードに切り替わる。ペンモードでは、デジタイザー部7が作動する。
【0070】
ユーザーがペン型デバイス3をマウスとして用いる場合、ユーザーは、
図15に示すように、ペン先32を上方へ向け、かつ、マウス部8側の端部を下方へ向ける。これにより、マウス側が下方へ向けられていることが検出され、ペン型デバイス3は、マウスモードに切り替わる。マウスモードでは、マウス部8が作動する。
【0071】
本実施形態では、タブレット端末等の端末が起動中であって、マウスモードの作動状態を自動的に停止するため、マウス操作が行われているか否かを検知してもよい。例えば、ON/OFF制御部は、近接センサーによってユーザーがペン型デバイス1を手で持っている状態が検知されている間に、受光部においてマウス操作による光の受光が所定時間行われなかった場合、光射出部からの光の照射を停止して、マウスモードの作動状態を停止してもよい。
【0072】
以上、本実施形態によれば、一つのデバイスがマウスとタッチペンの機能を有しており、ペン形状を有することによって、携帯性が良い。また、ペン形状を有していながら、本実施形態では、ペン先32を上方へ向けることで、マウスモードへ移行し、マウスとして使用可能になる。ユーザーは、従来型のマウスを別途持ち運ぶことなく、端末に対してマウス操作による入力を行うことができる。
【0073】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るペン型ポインティングデバイス(以下「ペン型デバイス」という。)4について説明する。
本実施形態に係るペン型デバイス4は、
図16に示すように、ペン先32が下方に向けられているとき、ペンモードとして機能し、
図17に示すように、ペン先32とは反対のマウス側が下方に向けられているとき、マウスモードとして機能する。
【0074】
ペン型デバイス4は、本体5と、ペン先32と、本体5に収容されたデジタイザー部7及びマウス部8と、本体5に収容された電池10と、制御回路11と、センサー部12などを有する。センサー部12は、加速度センサー、近接センサーなどを備える。
【0075】
ペン型デバイス4の一端部には、ペン先32が設けられ、ペン先32の内部には、
図18に示すように、外部と先端で接触しデジタイザー部7と電気的に導通する芯材33が設けられている。芯材33の材料は、例えば導電性合成樹脂や金属である。
【0076】
ペン型デバイス4は、第1実施形態と同様に、デジタイザー部7は、圧力検出部、デジタイザー制御部、トランスデューサーなどを有する。
【0077】
ペン型デバイス4の他端部には、マウス部8が設置される。マウス部8は、第1実施形態と同様に、光射出部と、受光部と、移動検出部と、出力部などから構成される。ペン型デバイス4の本体5の端面5bには、
図18に示すように、光が透過する透光性の光学部品34,35が設けられる。
【0078】
制御回路11の切替検出部は、本体5の向きを検出する。切替検出部は、例えばジャイロセンサーである。
【0079】
切替制御部は、切替検出部の検出結果に基づいて、ペン型デバイス4がタッチペンとして機能するペンモードと、ペン型デバイス4がマウスとして機能するマウスモードとを切り替える。なお、ジャイロセンサーの検出による切り替えではなく、本体5の外周部にボタン部(入力部)を有し、ユーザーによるボタン部の押圧によって、ペンモードとマウスモードが切り替わるようにしてもよい。
【0080】
本体5は、軸部28と、軸部28の一側に設けられたスライダー部29を有し、軸部28がスライダー部29の軸周りに回動可能に構成されてもよい。
【0081】
図19に示すように、スライダー部29は、ほぼ円錐台形状を有し、中心部に光学部品34,35が設けられている。また、スライダー部29の軸部28側の端部は、例えば球面を有し(図示せず。)、本体5に対して滑らかに回動できるように構成されている。
【0082】
スライダー部29は、ペン先32を覆っており、設置面積が広いことから、操作時に本体5を傾けたとしても、外部から光学部品34,35に光が侵入することを防止できる。
【0083】
制御回路11における切替検出部は、スライダー部29に対する本体5の軸部28の回動を検出する。切替検出部は、例えば、ジャイロセンサーを有する。切替検出部は、ジャイロセンサーの検出結果を用いて、スライダー部29に対して軸部28が回動したか否かを検出する。
【0084】
切替制御部は、切替検出部の検出結果に基づいて、ペン型デバイス4がタッチペンとして機能するペンモードと、ペン型デバイス4がマウスとして機能するマウスモードとを切り替える。
【0085】
すなわち、本体5の内部に設けられたジャイロセンサーの検出結果に基づいて、本体5の軸部28がスライダー部29の軸周りに回動されたことが検出されたとき、切替制御部がペン型デバイス4をマウスモードに切り替える。これにより、ペン型デバイス4の方向を変更しただけで、ペン型デバイス4がマウスモードに切り替わってしまうことを防止できる。
【0086】
スライダー部29には、
図19に示すように、例えば軸状の光学部品34,35が設置され、光学部品34は、光射出部18から射出された光が通過し、光学部品35は、反射した光が受光部19へ向かって通過する。二つの光学部品34,35の間は、光が透過しない非透過性部材31が設けられる。
【0087】
次に、本実施形態に係るペン型デバイス4の操作方法について説明する。
ペン型デバイス4は、動作モードとして、上述したとおり、ペンモードと、マウスモードを有する。
ユーザーがタッチペンとしてペン型デバイス4を用いる場合、ユーザーは、
図16に示すように、ペン先32を下方へ向ける。これにより、ペン先32が下方へ向けられていることが検出され、ペン型デバイス4は、ペンモードに切り替わる。ペンモードでは、デジタイザー部7が作動する。
【0088】
ユーザーがペン型デバイス4をマウスとして用いる場合、ユーザーは、
図17に示すように、ペン先32を上方へ向け、かつ、マウス部8側の端部を下方へ向ける。これにより、マウス側が下方へ向けられていることが検出される。
【0089】
そして、ユーザーは、スライダー部29をマウスとして操作させる設置面に接触させる。このとき、加速度センサーによって、ペン型デバイス4が設置面に接地されたことが検出される。また、近接センサーによって、ユーザーがペン型デバイス4を手で持っている状態が検出される。ペン型デバイス4の設置面に対する接地と、ユーザーによる保持状態が検出された場合、切替検出部のジャイロセンサーが起動する。
【0090】
そして、ユーザーは、スライダー部29が設置面と接触した状態で、スライダー部29の軸線周りに本体5の軸部28を回動させる。
【0091】
これにより、ジャイロセンサーによって、軸部28がスライダー部29の軸線周りに回動されたことが検出され、ペン型デバイス4は、マウスモードに切り替わる。マウスモードでは、マウス部8が作動する。軸部28の軸線回りの回動が行われたか否かは、ジャイロセンサーが設置面に対する水平面内での回転(具体的にはX方向とY方向それぞれの方向で±N°以上往復すること)を所定時間内に検出することに基づいて行われる。
【0092】
なお、本実施形態では、ジャイロセンサーが起動した後に、ジャイロセンサーにおいてペン型デバイス4の動きが検出されない場合、ジャイロセンサーを再び停止してもよい。
【0093】
なお、ペン型デバイス4がマウスモードに移行したとき、タブレット端末の画面にペン型デバイス4がマウスモードとなっていることを表示し、ユーザーにペン型デバイス1がマウスモードであることを通知できるようにしてもよい。この場合も、タブレット端末は、ペン型デバイス4から動作モードに関する信号を受信し、受信した信号に基づいて、画面表示を制御する。
【0094】
また、マウスモードの状態において、ペン型デバイス4を画面にタッチすることによって、マウスモードの表示を解除し、かつ、ペン型デバイス4がペンモードに切り替わるように構成されてもよい。すなわち、端末は、ペン型デバイス4によるタッチが検出されたとき、マウスモードの表示を解除する。さらに、ペン型デバイス4は、端末のタッチパネルとの接触が検出されたとき、マウスモードの作動を停止し、ペンモードの作動を開始させる。
【0095】
本実施形態では、タブレット端末等の端末が起動中であって、マウスモードの作動状態を自動的に停止するため、マウス操作が行われているか否かを検知してもよい。例えば、近接センサーによってユーザーがペン型デバイス4を手で持っている状態が検知されている間に、マウス操作による出力が所定時間行われなかった場合、マウスモードの作動状態を停止してもよい。
【0096】
以上、本実施形態によれば、一つのデバイスがマウスとタッチペンの機能を有しており、ペン形状を有することによって、携帯性が良い。また、ペン形状を有していながら、本実施形態では、ペン先32を上方へ向け、かつ、本体5の軸部28がスライダー部29の軸周りに回動されることで、マウスモードへ移行し、マウスとして使用可能になる。ユーザーは、従来型のマウスを別途持ち運ぶことなく、端末に対してマウス操作による入力を行うことができる。また、本体5の軸部28がスライダー部29の軸周りに回動されたことが検出されたとき、ペンモードからマウスモードに切り替わるため、誤作動を防止できる。