【解決手段】情報表示装置3は、次回参照情報を、今回のゲーム範囲に対応した次回のゲーム範囲で表示する。これにより、次回のゲーム範囲の次回参照情報によりハマリ状態になり易い傾向がある旨等を把握可能となり、新たな興趣を与え得る。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機(スロットマシン)1に対応して遊技装置2及び遊技情報表示装置(以下、情報表示装置)3(入力手段、遊技情報特定手段、管理手段、第1区分手段、第2区分手段、参照情報管理手段)が設置されている。2台の遊技機1、2台の遊技装置2及び情報表示装置3は1台の中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6に接続されている。管理装置6は、遊技場内の例えば管理室に設置されており、キーボード7、モニタ8やプリンタ(図示せず)等が組み合わされて構成されている。LAN5には景品交換処理を行うPOS等の周辺機器(図示せず)が管理装置6と通信可能に接続されている。
【0009】
尚、
図1では省略しているが、数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となる。本実施形態では遊技機1がスロットマシンであることから、遊技価値(遊技媒体)はメダルである。遊技機1がパチンコ機であれば、遊技価値はパチンコ玉である。尚、以下において、メダルを玉とし、遊技価値の総称として表記する場合がある。
【0010】
遊技機1は、表示窓9、スタートレバー10、ストップ釦11〜13、表示ランプ部14、液晶表示部15、メダル投入口16、BET釦17、受皿18等を備えている。遊技者は、表示窓9を通じて内部に設けられたリールの図柄を視認可能となっている。各図柄は、
図2に示すように、左リール19、中リール20及び右リール21の円周面に描かれており、各リール19〜21が停止した状態では、表示窓9の上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、遊技機1には、各リール19〜21其々について3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。
【0011】
遊技機1は、遊技者によってメダル投入口16からメダル(遊技価値)が投入された状態、或いはBET釦17を操作することでクレジットメダル(遊技価値)が投入された状態でスタートレバー10が操作されると(ゲームが開始されると)、内部抽選を実行すると共にリール19〜21の変動を開始させ、ストップ釦11〜13が操作されることによって所謂引込制御(予め規定された引込範囲、例えば4図柄までにある図柄を後述する有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によってリール19〜21の変動を停止し、停止した内部当選役に対応した図柄に応じた枚数のメダルを払い出すことで単位遊技を実行する。
【0012】
図3は、遊技機1に設定されている内部当選役の役構成を示している。遊技機1には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス、特別状態)役及びRB(レギュラーボーナス、特別状態)役、所謂小役としての5枚役A〜F、7枚役、2枚役、1枚役A、1枚役B、及びリプレイ役が設定されている。
【0013】
遊技機1には、
図4に示すように、合計4本(表示窓9の上段及び中段に対応した横方向に1本ずつの2本と斜め方向の2本の合計4本)の有効ラインが設けられており、遊技者によってストップ釦11〜13が操作されて有効ラインのうちいずれかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが内部当選役に対応する図柄の組み合わせと一致したときに入賞となる。入賞となった場合には、BB状態やRB状態(ボーナス)やリプレイ等の発生、或いは対応する枚数のメダルの払出(遊技価値の付与)が行われて1ゲームが終了する。尚、BB状態は345枚、RB状態は110枚を超えるメダルの払出により終了する。また、1ゲーム当りのメダルの投入枚数(最大ベット数)は、通常状態では3枚、ボーナス中は2枚に設定されている。
【0014】
遊技機1は、ゲーム開始時の内部抽選において、0〜65535の間で発生する乱数のうち1つを抽出し、抽出した乱数と図示しない抽選テーブルとを照合することにより内部当選したか否かを判定している。
【0015】
図5は、遊技機1に設定されている内部当選テーブルに割り振られている乱数の数を役に対応して示している。この場合、乱数の数は、遊技機1の遊技状態に対応して設定されている。即ち、通常状態では、BB役及びRB役に対して64個、2種類の5枚役が同時に内部当選(以下、同時当選)する5枚役A+5枚役B〜Fに其々1952個、5枚役が単独で内部当選(以下、単独当選)する5枚役Aに0個、7枚役に1312個、2枚役に656個、1枚役A及び1枚役Bに其々4096個の乱数が割り振られている。さらに、通常状態では、リプレイ役に8978個、ハズレに36510個の乱数が割り振られている。また、BBまたはRB状態では、5枚役Aに65535個の乱数が割り振られ、ハズレに1個の乱数が割り振られている。このような割り振りの結果、5枚役Aには、単独当選する場合と、5枚役B〜Fのいずれか1つと同時当選する場合との全部で6通りが設定されており、5枚役Aが単独当選するのはボーナス中のみである。
【0016】
以上のようにBB役またはRB役に割り当てられている乱数の数は極めて小さく、BB役またはRB役が内部当選する確率は極めて小さいことから、遊技機1は、AT状態(以下、AT)を発生させることでボーナスを疑似的に発生させる。
【0017】
即ち、遊技機1は、遊技状態として、上述した通常状態、BB状態、RB状態に加えてATへも移行可能となっている。ATへは、例えば2枚役や7枚役が内部当選した場合の一定確率(前者が30%後者が1%)や上記役への当選以外の単独内部当選で成立するAT条件が成立した場合に移行するが、通常状態には複数のモードが設けられ、そのモード毎に対応した天井ゲーム数に到達した場合でもAT条件が成立してATへ移行する。
【0018】
ATは下記報知を行う特別状態であり、AT中は5枚役Aを複数ラインにて入賞させ15枚の入賞を得るためのストップ釦11〜13の操作順序を遊技機1の液晶表示部15にて報知する。即ち、1ゲームの払出枚数が15枚であるAT役の入賞操作(AT役入賞操作)を補助する報知(AT役報知)を行い、遊技者がその報知通り操作すればAT役が入賞し、操作しなければAT役でない一般役(5枚)が入賞する。
【0019】
一方、AT中は1枚役A及び1枚役Bのいずれが内部当選したかを報知する。即ち、終了役の入賞操作を回避するための報知(終了役報知)を行い、遊技者がその報知通り操作すれば終了役の入賞を回避できる。
【0020】
ATは所謂疑似ボーナス的な扱いとなっており、BB相当のAT(ATB)は80G、RB相当のAT(ATR)は30Gというような発生時に付与されるゲーム(ATゲーム)を行うまで継続し、終了すればATを終了して通常状態へと移行する。
【0021】
上述したように、5枚役Aは、単独当選する場合と、5枚役B〜Fのいずれか1つと同時当選する場合との全部で6通りあり、いずれの場合も5枚役Aのみが入賞する。但し、5枚役B〜Fのいずれか1つと同時当選した場合は、その組み合わせと押し順に応じて入賞役であるベル図柄が中リール20の上段か中段に停止するように制御されるので、上段に停止した場合(有効ライン1本で入賞)には5枚(一般役)、中段に停止した場合(有効ライン3本で入賞)には15枚のメダルが払い出される。尚、5枚役Aの単独当選時は押し順に関わらずベル図柄が中リールの中段に停止する。
【0022】
具体的には、以下の押し順の場合にベル図柄が中段で停止し、その他の押し順の場合に上段で停止する。尚、以下の説明では、左は左リール19、中は中リール20、右は右リール21を示している。
【0023】
・5枚役A+5枚役Bが同時当選……中リール20を最初に停止(中→左→右または中→右→左)の順に停止
・5枚役A+5枚役Cが同時当選……左→中→右の順に停止
・5枚役A+5枚役Dが同時当選……左→右→中の順に停止
・5枚役A+5枚役Eが同時当選……右→中→左の順に停止
・5枚役A+5枚役Fが同時当選……右→左→中の順に停止
【0024】
以上のように、AT役操作報知では、操作するストップ釦11〜13の押し順をゲーム開始時に報知するので、遊技者は、その報知に従ってストップ釦11〜13を押すことにより15枚のメダルを確実に獲得することができる。
尚、ボーナスゲーム中における5枚役Aの単独当選時は、押し順に関わらずベル図柄が中リール20の中段に停止(引込制御可能な場合)して15枚のメダルが払い出される。
【0025】
遊技機1からは遊技者による遊技に従って以下に示す遊技信号が出力される。
・アウト信号(単位遊技信号)=遊技機1から出力する。開始操作に応じベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(消費価値、使用媒体数)となる。尚、リプレイ時にも対応分を出力する。また、アウトを1ゲームに消費する単位数分(例えば3枚)特定した場合にゲームが実行された旨を特定するが、アウト信号の入力間隔や他のリール信号等の他の周知のゲームの特定方法によりゲームを特定しても良い。
【0026】
・セーフ信号=遊技機1から出力。メダルが1枚付与(払出)される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(入賞付与価値、払出媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分を出力する。
【0027】
・BBまたはRB信号=遊技機1から出力する。対応するボーナス状態(BB、RB)中にレベル出力されるので、信号入力期間をボーナス状態として特定する。
・売上信号=貸出装置から出力。後述する通りシリアル通信にて売上額や売上メダルを特定するが、貸出メダル5枚(100円相当)毎に1パルス出力される信号としても良く、その場合、売上信号数×100が売上額、売上信号×5を売上メダル(対価付与価値)とする等して売上情報を特定する。
【0028】
尚、ATの特定は、上記のようなBB信号と同様にATを特定可能なAT信号(状態信号)を出力する遊技機の場合には当該AT信号にて特定しても良いし、AT信号が出力されない遊技機の場合にはAT時に点灯するランプの点灯を光センサにより検知した検知信号(状態信号)により特定したり、単位期間(例えば10ゲーム)における小役の入賞状況や差数やセーフ等の遊技情報と予め設定される基準値とを比較することにより特定したりする等、周知の特定方法のいずれを採用しても良い。
【0029】
ここで、遊技機1は、
図6に示すように、通常状態においてAT(特別状態)が連荘で発生する確率が高い連荘モードと、連荘で発生する確率が低い通常モードとが設定され、更に通常モードには、第1モード、第2モード、第3モードが設定されている。第1モード及び第3モードからは第2モードへと移行可能である一方、第2モードからは第1モード及び第3モードへと移行できず、更に第3モードから第1モードへと移行可能であるが、第1モードから第3モードへと移行できないように設定されている。
【0030】
各モードには各々所謂天井ゲーム数が設けられており、上記した2枚役や7枚役等の内部当選の抽選以外にも、この天井ゲーム数分のゲームを行うことでATを発生可能である。
【0031】
天井ゲーム数は、モード移行時に抽選により振り分けられ、その上限は、
図7に示すように、連荘モードは32G、第1モードと第2モードとは各々1000G、第3モードは200Gに設定されている。この様な設定により、連荘モードでは天井ゲーム数の上限が少なくATを発生させ易い一方、第1モードや第2モードは天井ゲーム数の上限が多いことからATを発生させ難いと言える。また、第3モードに関しては、第1モードや第2モードよりも天井ゲーム数の上限が少ないことからATを発生させ易いと言える。
【0032】
上述の様に振り分けられた天井ゲーム数を遊技者は把握できず、一般に天井ゲームとは天井ゲーム数の上限を示すので、以下、本実施形態では天井ゲーム数の上限を天井ゲームとして説明する。
【0033】
いずれかのモードにてATやボーナスが発生した場合、ATやボーナス後に同一のモードを継続したり、他のモードへ移行したりする抽選が行われるが、
図8に示すように、モードによって同一のモードを継続したり、他のモードへと移行したりする確率が異なる。
【0034】
即ち、連荘モードでは70%で連荘モードが継続し、20%で第1モード、5%で第2モード、5%で第3モードへと移行する。
第1モードでは60%で第1モードが継続し、5%で連荘モード、35%で第2モードへ移行するが、第3モードへは移行しない。第2モードでは60%で第2モードが継続し、40%で連荘モードへと移行するが、第1モードや第3モードには移行しない。第3モードでは、20%で連荘モード、50%で第1モード、30%で第2モードへ移行するが、第3モードが継続することはない。この場合、第1モード及び第2モードのいずれのモードでも901G以降に天井ゲーム数が振り分けられた場合には連荘モードでの移行抽選と同様の振分率にて移行抽選が行われる。これにより、900G以降であっても連荘モードへの移行率が高められており、900G以降となった場合の興趣性を高めている。
【0035】
ここで、第3モードは、連荘モードのみから移行し、天井ゲームが200Gであることから、ATの連荘状態が終了するにしても短期間でATが発生し、しかも連荘モードに移行する引戻しがあるかもしれないことを遊技者に期待させることができることから、遊技機の興趣性を高めることができる。
【0036】
次に天井ゲーム数の振分について説明する。天井ゲーム数の振分にはモード毎に傾向があり、連荘モードと第3モードでは天井ゲームまでのゲーム数がほぼ均等に振り分けられる。一方で、第1モードでは201−300G、401−500G、601−700G、801−900Gの範囲(以下、第1モード対応範囲)が、第2モードの同範囲(以下、第2モード対応範囲)と比べて割合が高く振り分けられる一方、第2モードではその逆に101−200G、301−400G、501−600G、701−800Gの範囲が第1範囲と比較して割合が高く振り分けられる。このような振分の結果、今回と次回とで天井ゲームによりATが連荘するような場合、今回のゲームが属するゲーム範囲(100G単位)別のATの発生状況と、次のゲームが属するゲーム範囲別の発生状況とは所定の関連性を有している。
【0037】
即ち、今回が連荘モードでATとなった場合は、次も連荘モードが継続してATとなる確率が高いことから、ATとなるゲーム範囲として1−100Gが連続する確率が高い。今回が第1モードでATとなった場合は、次も第1モードが継続してATとなる確率が高いものの、第2モードへと移行する確率も比較的高いことから、第1モード対応範囲が連続する確率が高いものの、第1モード対応範囲から第2モード対応範囲となる確率も比較的高い。今回が第2モードでATとなった場合は、次も第2モードが継続してATとなる確率が高いものの、連荘モードへと移行する確率も比較的高いことから、第2モード対応範囲が連続する確率が高いものの、第2モード対応範囲から1−100Gとなる確率も比較的高い。今回が第3モードでATとなった場合は、次は第1モードへと移行する確率が高いものの、第2モードや連荘モードへと移行する確率も比較的高いことから、1−100G、101−200Gから第1モード対応範囲となる確率が高いものの、第2モード対応範囲や1−100Gとなる確率も比較的高い。
【0038】
尚、上記は単なる例示であり、どのようなスペックの遊技機であっても良い。また、このようなスペック的に天井ゲーム数の振分率が異なる遊技機だけでなく、天井ゲーム数の振分が行われない完全確率でボーナスのみを抽選するような遊技機であっても、遊技者がオカルト的にボーナスの発生傾向を推測する場合もあるので、そのような遊技機を対象としても勿論良い。
【0039】
AT以外にもボーナスを発生可能であり、このボーナスの発生確率や小役確率が6段階に設定される遊技機設定値により異なることで、遊技機の出率等が調整されるが、ATの発生条件や以下に示すモード移行率等を遊技機設定値により異なる様にしても勿論良い。
【0040】
遊技装置2は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部(いずれも図示せず)により動作する。遊技装置2は、貨幣が投入される貨幣投入口22、メダルを貸し出すための貸出釦23、図示しないICカードが挿入されるカード挿入口24、ICカードを発行するための発行釦25、払出操作用の払出釦26、この払出釦26の押下に応じてメダルを遊技機1の受皿18に払出す払出ノズル27等を備えている。
【0041】
遊技装置2は、貨幣を受け付け(貨幣受付処理)すると、遊技装置2に入金額が残高に加算して表示され、残高がある状態で遊技者が貸出釦23を押下(貸出操作、付与操作)すると払出単位(例えば1000円)分の貸出メダル(対価付与価値)を払出ノズル27から払い出し(対価付与処理)、その対価分を残高から減算する。尚、貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0042】
遊技装置2は、遊技者が獲得したメダルを受付可能で、受け付けた場合には持玉として管理し、その持玉を対価とした払戻処理(価値付与処理)を行った場合はその対価分(払い戻したメダルと同数)を持玉から減算する。そして、残高や持玉が残存する状態で遊技者が発行釦25を押し下げすると(発行操作を受け付けると)、残高や持玉を特定可能なICカードを発行する。尚、カード挿入口24にてICカードを受け付けた場合は、そのICカードにより特定される残高や持玉を引継ぐ(情報を記憶してICカードの情報を消去する)。
【0043】
遊技装置2は中継装置4を介したシリアル通信による売上信号により管理装置にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。
【0044】
情報表示装置3は、中継装置4を介して遊技機1や管理装置6等に接続されており、各種情報を受信して遊技履歴等を管理している。
図9は情報表示装置3の正面図である。情報表示装置3には呼出表示時や大当り中等にイルミネーション演出を行うイルミネーション部28、各種遊技情報等を表示する表示領域29、当該表示領域29の表示内容を変更する等の操作を受付ける各種操作釦からなる操作部30が設けられている。
【0045】
表示領域29は、通常は
図9に示す様に、メイン表示部29a、第1サブ表示部29b、第2サブ表示部29c、第3サブ表示部29d、第4サブ表示部29e、第5サブ表示部29f、第6サブ表示部29gに区分されており、其々対応する情報表示を行っている。これらの表示部29a〜29dが区分して設けられて情報表示を行うことについては従来と同様であり、例えば大当り演出を行う際や拡大して情報表示する際等、表示領域29全体で情報表示する場合にはその様な区分なく情報表示することが可能だが、通常は
図9に示す様に各表示部29a〜29gに区分して情報表示を行う。
【0046】
第1サブ表示部29bは、発生したBB(ビッグボーナス)数、第2サブ表示部29cは、発生したRB(レギュラーボーナス)数を該当期間(営業日)単位で其々表示している。
【0047】
第3サブ表示部29dは、対応する機種が導入されてから等の所定の基準時からの営業日単位の最高の獲得玉数(売上玉−差玉(アウト−セーフ)または遊技装置2等にて計数した持玉)、第4サブ表示部29eは、初期化条件成立後(営業開始やATの終了等により成立)からのゲームの実行回数である現G数、第5サブ表示部29fは、大当り単位のゲーム数をグラフ化した所謂ゲーム履歴グラフを其々表示しているが、第3サブ表示部29dと第5サブ表示部29fとで操作部30の案内等を表示する場合もある。
【0048】
第6サブ表示部29gでは機種名を表示し、メイン表示部29aでは、「次回大当り状況」として後述するように集計した参照情報を表示している。
管理装置6は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部、遊技機1や遊技装置2や呼出ランプユニット3との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部等(いずれも図示せず)を備え、遊技機側から出力された遊技信号を受信すると、遊技機1の遊技情報(アウト、セーフ、差数、出率、BB回数、RB回数等)を集計したり売上情報を算出したりする。
【0049】
尚、特に例示しないが、台番に対応付けて機種別等により遊技機をグループ分けする所謂機種設定等の周知の設定も行っている。
また、管理装置6は、管理者の操作入力により各種設定情報を設定可能であり、設定された情報を送信することで遊技装置2等にも設定可能である。
【0050】
以下、ATB及びATRに通常のBB及びRBを含んで特別状態という。この場合、
図5に示すように通常のBB、RBの内部当選確率は極めて低く設定されており、これらが発生することは稀であることから、特別状態という場合は実質的にATB及びATRのことであり、BB=ATB、RB=ATRと言うことができる。
【0051】
ところで、上述したように今回のゲームが属するゲーム範囲別の特別状態の発生状況と、次のゲームが属するゲーム範囲別の発生状況とは関連性を有することから、遊技者は、今回のゲーム中に次のゲーム範囲別の特別状態の発生状況を知りたいと考える。
【0052】
このような事情に対処するために、情報表示装置3は、特別状態に対応した遊技履歴を該当営業日の日付に対応付けて所定期間(例えば28日分)記憶している。
図11は情報表示装置3が管理する遊技履歴例であり、特別状態の発生等の初期化条件により初期化される現在のゲーム数(以下、現G数。特定ゲーム)を順次特定し、BBやRBが発生した場合に、その際のゲーム(参照ゲーム)数等を対応付けて管理している。
図11で示すBB、RBは、BB=ATB、RB=ATRであり、通常のBB、RBを含んでいないものとするが、第5サブ表示部29fに大当り単位のゲーム数を表示する必要から、通常のBB、RBが発生すれば遊技履歴に登録される。この様な場合、本実施形態では、後述する
図12等の集計対象がATBとATRであることから、集計対象から通常のBB、RBを除外すれば良いが、除外しなくても良いし、遊技履歴に通常のBB、RBを登録することなく当初から除外するようにしても良い。
【0053】
遊技履歴には以下の項目が設定されている。
種別=レコードに対応する種別(特別状態の種類または閉店)
時刻=レコードに対応する対応時刻(例えば特別状態の発生時刻)
ゲーム数=特別状態が発生するまでのゲーム数(特別状態が発生する等の初期化条件により初期化される)
獲得数=特別状態にて獲得した遊技価値(セーフ−アウト)
累計獲得数=レコード期間終了時点の累計の獲得数(前回の数値+今回のセーフ−アウトの増減値)
【0054】
図12は、
図11のように発生した特別状態を対象として、発生した時点のゲーム数が100G単位で区分されるゲーム範囲の何れに属するかにより区分して遊技情報を集計した例である。「今回分」が全ての特別状態を対象として集計した遊技情報で、「次回分」が「今回分」のゲーム範囲別に発生した特別状態後の次の特別状態が発生したゲーム数が属するゲーム範囲別に区分した遊技情報を示しており、以下の項目が設定されている。
【0055】
ゲーム=ゲーム範囲を示す。「〜100」であれば1〜100G、「〜200」であれば101〜200Gが対応する。「次回分」についても同様である。
到達=対応するゲーム範囲に到達した回数(今回到達情報、次回到達情報)。即ち、当該ゲーム範囲にて特別状態が発生した場合や閉店した場合、或いは次のゲーム範囲へと移行した場合等が含まれ、当該ゲーム範囲の最低ゲーム数となった場合に計数される。
【0056】
特別状態=対応するゲーム範囲における特別状態の発生回数(今回特別情報、次回特別情報、合計特別情報)。
期待度=対応するゲーム範囲の特別状態の発生期待度であり、特別状態(次回特別情報)÷到達(次回到達情報)により示される値(次回期待度情報)。
【0057】
到達率=対応するゲーム範囲に到達した割合(次回到達率情報)。最低ゲーム範囲(「〜100」)の到達=今回の特別状態(今回特別情報)に対する対応するゲーム範囲の到達(次回到達情報)の割合を示す。例えば、今回分「〜100」の次回分「〜500」であれば、今回分「〜100」における次回分の最低ゲーム範囲の到達(今回分「〜100」の特別状態)は「4308」であり、今回分「〜100」に対応した次回分「〜500」の到達は「338」であることから、その到達率は338÷4308=7.8%となる。
【0058】
分布=各ゲーム範囲における特別状態の分布割合であり、特別状態の合計数(合計特別情報)に対する対応するゲーム範囲の特別状態(次回特別情報)の割合(次回分布情報)。尚、いずれも次回分を対象として説明したが、今回分も同様である。
【0059】
情報表示装置3は、メイン表示部29aにおいて
図12に示すように集計した参照情報を表示する。参照情報としては現G数が属するゲーム範囲を対象として、現G数が属する今回ゲーム範囲における期待度等の参照情報である今回参照情報を今回表示部29a1に表示する一方、当該今回ゲーム範囲(第1グループ単位)にて特別状態が発生した場合における次回に特別状態が発生する次回ゲーム範囲(第2グループ単位)別の期待度等の参照情報である次回参照情報を次回表示部29a2(表示手段)に数値と棒グラフ(期待度は赤色(図中に左斜線で示す)、到達率は緑色(図中に右斜線で示す))により表示している。つまり、次回表示部29a2は、今回ゲーム範囲(第1グループ単位)に対応した次回ゲーム範囲(第2グループ単位)別の次回参照情報を表示している。
【0060】
図9に示す例の場合、現G数が120であり、今回ゲーム範囲が101−200回転であるから、
図12に示す「〜200」に対応した次回ゲーム範囲である「〜100」「〜200」「〜300」「〜400」「〜500」の「期待度」及び「到達率」を表示している。また、操作部30に対する操作により
図12に示す「分布」を次回表示部29a2に切替表示可能である。同様に、操作部30に対する操作により今回表示部29a1に「到達率」及び「分布」を表示可能である。
【0061】
ここで、情報表示装置3は、
図9に示すように表示しているゲーム範囲(以下、表示元範囲)の中で最も低い次回参照情報における到達率(以下、表示最低到達率。
図9であれば401−500回転の到達率)が基準値(例えば10.0%、基準情報)に達している場合、表示元範囲にて特別状態が発生した場合に次回にてハマリ状態になり易い傾向があるとして、そのハマリ状態の詳細を把握させるべく次のゲーム範囲(501回転以降)の次回参照情報(表示対象となる第2グループとは異なる第2グループに対応した次回到達率情報)と、表示元範囲の次回参照情報(表示時点の特定ゲームに対応した第1グループに対応する次回到達率情報)との切替表示を繰り返す。
図9に示す例の場合は表示最低到達率(401−500回転の到達率)が基準値に達していないので、次回にてハマリ状態になり易い傾向がないため切替表示は行わない。
【0062】
また、表示最低到達率が、現G数が属するゲーム範囲(以下、現範囲)以降のゲーム範囲(以下、以降範囲。表示対象となる第1グループとは異なる第1グループ)に対応した表示最低到達率(以下、以降表示最低到達率。基準情報)よりも高い場合や、以降表示最低到達率が基準値に達していない場合は、現範囲にて特別状態が発生せず、以後範囲にて特別状態が発生した方が、ハマリ状態になり難い傾向があるとして、当該以降表示最低到達率に対応した参照情報(表示対象となる第1グループとは異なる第1グループに対応した次回到達率情報)と、現範囲の参照情報との切替表示を繰り返す。この場合、現範囲や、基準値に達していない以降範囲がなければ切替表示は行わない。尚、いずれか一方の場合のみを採用しても良い。
【0063】
更に、前者と後者とを組み合わせても良く、表示最低到達率が基準値に達しておらず、以降表示最低到達率が上記の条件を満たしている場合には、次回参照情報を次のゲーム範囲に切替え、その後、以降範囲の参照情報に切替えて、その後、元の表示へと戻る切替表示を繰り返しても良い。
【0064】
尚、表示最低到達率に代えて例えば601−700回転の到達率等、表示対象に関わりのない予め設定される比較条件に対応した特定のゲーム範囲の到達率を比較対象として切替表示しても良い。
【0065】
図10は、以降範囲の参照情報を表示した場合のメイン表示部29aの表示例である。
現G数が251Gであることから、あと50Gにて以降範囲に到達するため、「あと50G後の大当り状況」として以降範囲に到達するまでのゲーム数と以降範囲の参照情報とを表示している。この場合、以降表示最低到達率が上記条件を満たしているため、その旨を把握可能に識別表示(数値を赤色(図中に白抜きで示す)にして点滅表示)している。
【0066】
尚、情報表示装置3は、操作部30における各種操作釦により遊技情報の切替操作があった場合、図示しない他の遊技情報へ表示を切り替える。
例えば、操作部30における各種操作釦には「今回」釦と「次回」釦とがあり、「今回」釦を押下すると、100G単位で集計した参照情報の内、次のゲーム範囲(
図9であれば201−300回転)における参照情報等の他の参照情報を表示する一方、「次回」釦を押下すると、今回参照情報はそのままとする一方、次の次回参照情報(
図9であれば501−600回転から901回転以降)を表示する。また、
図12のような一覧表示を表示対象としても勿論よい。
【0067】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
情報表示装置3は、次回参照情報を、今回のゲーム範囲に対応した次回のゲーム範囲で表示するため、次回のゲーム範囲の次回参照情報によりハマリ状態になり易い傾向がある旨等を把握可能となり、新たな興趣を与え得る。
【0068】
今回参照情報と次回参照情報とを比較可能に表示することで、例えば次回参照情報にて芳しくない情報が表示されている場合に今回参照情報でも芳しくない情報が表示されることで安心したり、次回参照情報にて芳しい情報が表示されている場合に、今回参照情報でも芳しい情報が表示されることで遊技意欲が増したりする等の今回分と次回分とを組み合わせた新たな興趣を与え得る。
【0069】
次回参照情報として「期待度」「分布」「到達率」等を表示するので、次回の特別状態の発生時にハマリ状態になり易い傾向があること等をより把握可能となる。
図10のように到達率に応じて表示切替することで、今回のゲーム範囲にて特別状態が発生した場合に次回にてハマリ状態になり易い傾向がある旨を把握できる。また、次回のゲーム範囲を切り替えることでハマリ状況の詳細を把握可能になる一方、今回のゲーム範囲を切り替えることで今回のゲーム範囲では次回にハマリ状態になり易い傾向がある一方、他のゲーム範囲ではハマリ状態になり難い傾向がある旨を把握可能になる。
【0070】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
遊技機上方の情報表示装置にて表示する構成を例示したが、遊技装置のような遊技機間に設けられる情報表示装置に本案を採用しても良い。また、対応する遊技機のみを参照ゲーム数等の集計対象としたが、他の同機種の遊技機を集計対象に含んでも良い。
【0071】
ボーナス以外に所謂ARTや大当り等を特別状態としても良い。
参照情報として到達率や期待度等を例示したが、その逆数を表示対象とする等、比較結果を示せば次回参照情報として参考になり得る。
【0072】
関連する設定情報は予め設定されていれば遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部や遊技機メーカ等)の管理サーバからダウンロードして設定しても良い。
【0073】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機の種類を示せばどの様な区分としても良い。
【0074】
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、演算式については単なる例示であり例示した演算式と同様の値を示すまたは同様の意義を持つ演算値を演算するのであれば、どの様な演算式を採用しても良い。
【0075】
以下と未満についてはどちらを採用しても良く、「達していない」等の表現は以下或いは未満となった場合のいずれにも対応する表現となる。以上と超過についても同様で、「達している」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0076】
液晶表示を例示したが、有機EL等の他の表示方法を採用しても良い。
対象となる遊技機は、スロットマシンやパチンコ遊技機等が例示出来、パチンコ遊技機の場合、単位遊技は所謂図柄変動とすれば良いが、その他に遊技媒体を排出せずデータ上のポイントを遊技に応じて更新する所謂封入式の遊技機等も想定できるため、玉やメダル等の遊技媒体や上記ポイントを包含する遊技価値という表現を適宜使用している。
【0077】
情報表示装置が行う処理の一部を管理装置、遊技装置、或いは中継装置等にて行っても良いし、情報表示装置のみで全てを構成しても良い。また、例示した構成を適宜設定に応じて採用するか否かを変更しても良いし、変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせても良いし、適宜構成を除外しても良い。