(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-143555(P2018-143555A)
(43)【公開日】2018年9月20日
(54)【発明の名称】弾性ストッキング
(51)【国際特許分類】
A61F 13/08 20060101AFI20180824BHJP
A61F 13/06 20060101ALI20180824BHJP
A41B 11/00 20060101ALI20180824BHJP
A61F 5/01 20060101ALN20180824BHJP
A61F 5/02 20060101ALN20180824BHJP
【FI】
A61F13/08
A61F13/06 F
A41B11/00 B
A61F5/01 N
A61F5/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-42473(P2017-42473)
(22)【出願日】2017年3月7日
(71)【出願人】
【識別番号】501270287
【氏名又は名称】帝人フロンティア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505297633
【氏名又は名称】株式会社コーポレーションパールスター
(71)【出願人】
【識別番号】591079487
【氏名又は名称】広島県
(71)【出願人】
【識別番号】507234438
【氏名又は名称】公立大学法人県立広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】100121795
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴亀 國康
(72)【発明者】
【氏名】新宅 光男
(72)【発明者】
【氏名】井上 誠
【テーマコード(参考)】
3B018
4C098
【Fターム(参考)】
3B018AA02
3B018AB02
3B018AB04
3B018AB07
3B018AB08
3B018AC01
3B018AC07
3B018AD02
3B018AD07
4C098AA01
4C098AA02
4C098BB11
4C098BB12
4C098BC03
4C098BC17
4C098BC42
4C098BD07
(57)【要約】
【課題】高齢者や関節障害のある患者が容易に所要位置・状態に履くことができ、滑りにくく転倒を防止できるとともに苦痛の少ない弾性ストッキングを提供する。
【解決手段】本発明に係る弾性ストッキングは、足首部から膝方向に向かって漸減的な圧迫力を作用させる編地により脚部を被う圧縮編地部と、低伸縮性の編地により足甲部を被う形状保持編地部と、踵部を被う踵編地部、高伸縮性の編地により足底部を被う足底編地部と、足指部を被う足指編地部とを有する弾性ストッキングであって、前記足指編地部は、母趾を被う母趾袋部と足指基底部を被う基底帯部を有し、第2足趾から第5足趾にわたって開口してなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足首部から膝方向に向かって漸減的な圧迫力を作用させる編地により脚部を被う圧縮編地部と、低伸縮性の編地により足甲部を被う形状保持編地部と、踵部を被う踵編地部、高伸縮性の編地により足底部を被う足底編地部と、足指部を被う足指編地部とを有する弾性ストッキングであって、
前記足指編地部は、母趾を被う母趾袋部と足指基底部を被う基底帯部を有し、
第2足趾から第5足趾にわたって開口してなる弾性ストッキング。
【請求項2】
踵編地部は、ポリエステルナノファイバーからなる糸を使用し、フル回転編みとされる足底編地部に対して半回転往復編みで編成されることを特徴とする請求項1に記載の弾性ストッキング。
【請求項3】
踵編地部は、コース数を増加した踵袋部と、その踵袋部の約半分のコース数からなり足底編地部につながる付加部とからなることを特徴とする請求項2に記載の弾性ストッキング。
【請求項4】
母趾袋部は、高伸縮性の編地により半回転往復編みで編成されてなることを特徴とする請求項1〜3に記載の弾性ストッキング。
【請求項5】
基底帯部は、ともに高伸縮性の編地により編成される開口部と、足底編地部につながる足伸展部とからなり、その足伸展部は、同じコース数からなり半回転往復編みでそれぞれ編成される第1足伸展部と第2足伸展部とからなることを特徴とする請求項1〜4に記載の弾性ストッキング。
【請求項6】
足首部から膝方向に向かって漸減的な圧迫力を作用させる編地により脚部を被う圧縮編地部と、低伸縮性の編地により足甲部を被う形状保持編地部と、踵部を被う踵編地部、高伸縮性の編地により足底部を被う足底編地部と、足指部を被う足指編地部とを有する弾性ストッキングであって、
前記踵編地部は、ポリエステルナノファイバーからなる糸を使用し、フル回転編みとされる前記足底編地部に対して半回転往復編みで編成されてなる弾性ストッキング。
【請求項7】
踵編地部は、コース数を増加した踵袋部と、その踵袋部の約半分のコース数からなり足底編地部につながる付加部とからなることを特徴とする請求項6に記載の弾性ストッキング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減又は予防する等、静脈還流の促進を目的に使用される医療用の弾性ストッキングに関する。
【背景技術】
【0002】
中分類が理学療法用機械器具に属し一般名称が弾性ストッキングとされる医療用の弾性ストッキングは、四肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減又は予防する等、静脈還流の促進を目的に使用され、末梢から中枢に向かい漸減的に圧迫を加える機能を有するものであると規定されている。この弾性ストッキングは、静脈瘤、静脈血栓後遺症などの静脈還流障害の治療において欠かせないものであり、リンパ浮腫の治療にも使用される。また、静脈血栓症や静脈瘤の予防に有用であり、長時間の立ち仕事をする人や高齢者や女性に対し、下肢のむくみ予防にも有用であるとされる。
【0003】
このような弾性ストッキングの機能、性能を高めるために種々の提案がされている。例えば、特許文献1に、下肢循環器系疾患治療に使用され、脚部の全部または一部を圧して支持するのに適し、足首から徐々に圧縮力を減らす機能を有する靴下タイプの整形術具であって、足または踵部を除いた脚部を覆う圧縮性の連続円筒状編み物部位と、これに連なり少なくとも足の部位では圧することなく覆うことができる非圧縮性筒状部位と、を有してなる整形術具が提案されている。この整形術具は、足には圧縮力がからないようになっており靴下に端末開口部を有するので、靴下を取り外さずに傷部を診察することができ、また、医師が容易に圧縮力のある部位を持ち上げて取り付け具合を再調整することができるとされる。
【0004】
特許文献2に、地糸と、該地糸より強い圧縮力を有する挿入糸を用いて編成された伸縮性編地で、少なくともレッグ部を形成している医療用ストッキングであって、踝からふくらはぎ下端までの足首領域、ふくらはぎ下端から膝までの下腿領域、膝から脚の付け根までの大腿領域の順に着圧が段階的に弱められ、前記地糸の糸長と前記挿入糸の糸長との比が、前記下腿領域で(地糸の糸長):(挿入糸の糸長)=4.3〜6.0:1、前記大腿領域で(地糸の糸長):(挿入糸の糸長)=3.3〜5.0:1とされている医療用ストッキングが提案されている。この医療用ストッキングは、爪先領域、フット領域、足首領域、下腿領域および大腿領域からなり、地糸のプレーン編組織(平編組織)に地糸より強い圧縮力を有する挿入糸を挿入して編成した伸縮性編地からなるので、リンパ浮腫等の治療用ストッキングとして必要な着圧を保ちつつ、通気性や透湿性が高く蒸れを防止することができるとされる。
【0005】
一方、弾性ストッキングを着用している患者の転倒事故が問題になっていることから、転倒を防止できる弾性ストッキングが提案されている。例えば、特許文献3に、静脈血栓塞栓症発症予防のための医療用弾性ストッキングであって、膝部から下の脚部を圧して覆うように形成された圧縮性の覆い部を有し、前記覆い部の踵部とつま先部がカットされて露出されている医療用弾性ストッキングが提案されている。この医療用弾性ストッキングは、従来の医療用弾性ストッキングの着用時の滑りによる転倒問題を解決することができ、本来の静脈血栓塞栓症発症予防の効果を失うことがないとされる。そして、踵部とつま先部が覆われた従来型の医療用弾性ストッキングと、本発明に係る医療用弾性ストッキングの下肢血流速度は、20分後、40分後においていずれも統計学的に有意差は認められなかったとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2000-512176号公報
【特許文献2】特開2011-115571号公報
【特許文献3】特開2014-188116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医療用の弾性ストッキングは、足指の肌や爪などの変色の有無を点検しこれが適正に使用されているか否か確認する必要がある。このため、特許文献1〜3に示されているように医療用弾性ストッキングは足指が露出するようになっているものが多い。しかしながら、特許文献1に記載する整形術具は、足に圧縮力がかからないようになっているので、端末開口部がめくれ易くつまずき・転倒の原因になる恐れがある。特許文献2又は3に記載の医療用弾性ストッキングは、足にも圧縮力が作用するようになっているので足指の冷えなどの問題があり、なお、端末開口部のめくれのおそれがある。
【0008】
また、医療用の弾性ストッキングは、足首部に最も高い圧迫力が作用し、膝又は上腿部に向かって漸減的な圧迫力が作用するように形成されており、その圧迫力の強さの程度は足首部の圧迫力で表示されている。静脈瘤、静脈血栓後遺症の治療においては、30〜40mmHgの圧迫力を有する弾性ストッキングが必要であるとされ、皮膚の硬化、色素沈着あるいは潰瘍を形成しやすい場合には40〜50mmHgの圧迫力を有する弾性ストッキングが必要とされる。しかしながら、高齢者や関節障害のある患者が、圧迫力30〜50mmHgの弾性ストッキングを履くのは容易でなく、苦痛を伴う。このため、所要の機能を発揮するともに、少しでも容易に履くことができ、苦痛の少ない弾性ストッキングが求められる。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、高齢者や関節障害のある患者が容易に所要位置・状態に履くことができ、滑りにくく転倒を防止できるとともに苦痛の少ない弾性ストッキングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る弾性ストッキングは、足首部から膝方向に向かって漸減的な圧迫力を作用させる編地により脚部を被う圧縮編地部と、低伸縮性の編地により足甲部を被う形状保持編地部と、踵部を被う踵編地部、高伸縮性の編地により足底部を被う足底編地部と、足指部を被う足指編地部とを有する弾性ストッキングであって、前記足指編地部は、母趾を被う母趾袋部と足指基底部を被う基底帯部を有し、第2足趾から第5足趾にわたって開口してなる。
【0011】
上記発明において、踵編地部は、ポリエステルナノファイバーからなる糸を使用し、フル回転編みとされる足底編地部に対して半回転往復編みで編成することができる。この踵編地部は、コース数を増加した踵袋部と、その踵袋部の約半分のコース数からなり足底編地部につながる付加部とからなるものがよい。
【0012】
また、母趾袋部は、高伸縮性の編地により半回転往復編みで編成されてなるものがよい。基底帯部は、ともに高伸縮性の編地により編成される開口部と、足底編地部につながる足伸展部とからなり、その足伸展部は、同じコース数からなり半回転往復編みでそれぞれ編成される第1足伸展部と第2足伸展部とからなるものがよい。
【0013】
また、本発明に係る弾性ストッキングは、足首部から膝方向に向かって漸減的な圧迫力を作用させる編地により脚部を被う圧縮編地部と、低伸縮性の編地により足甲部を被う形状保持編地部と、踵部を被う踵編地部、高伸縮性の編地により足底部を被う足底編地部と、足指部を被う足指編地部とを有する弾性ストッキングであって、前記踵編地部は、ポリエステルナノファイバーからなる糸を使用し、フル回転編みとされる前記足底編地部に対して半回転往復編みで編成されてなる。
【0014】
上記発明において、踵編地部は、コース数を増加した踵袋部と、その踵袋部の約半分のコース数からなり足底編地部につながる付加部とからなるものがよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる弾性ストッキングは、高齢者や関節障害のある患者が容易に所要位置に履くことができ、滑りにくく転倒を防止できるとともに苦痛がなく安心して着用することができる。また、介護士が、高齢者や患者に容易に弾性ストッキングを履かすことができ、弾性ストッキングの使用状態の点検を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る弾性ストッキングを足底側から見た図面である。
【
図2】本発明に係る弾性ストッキングを側面から見た図面である。
【
図3】本発明に係る弾性ストッキングの足指部分の装着状態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について図面を基に説明する。本発明に係る弾性ストッキングは、母趾から膝の下まで、あるいは上腿部分までの脚部を被う弾性ストッキングとして使用することができる。本弾性ストッキング10は、
図1に示すように、足首部から膝方向に向かって漸減的な圧迫力を作用させる編地により脚部を被う圧縮編地部11と、低伸縮性の編地により足甲部を被う形状保持編地部12と、踵部を被う踵編地部13、高伸縮性の編地により足底部を被う足底編地部15と、足指部を被う足指編地部17とを有する弾性ストッキングである。そして、足指編地部17は、母趾を被う母趾袋部170と足指基底部を被う基底帯部171を有し、第2足趾から第5足趾にわたって開口してなる。
【0018】
圧縮編地部11は、足首部に最も高い圧迫力が作用し、足首部から膝又は上腿部分に向かって漸減的な圧迫力が作用するように編成されている。従って、一般に、弾性ストッキングの仕様又は性能は足首部に作用する圧迫力をもって表示されるので、足首部に作用する圧迫力が定まると、脚部は、通常のストッキングの製造に使用される手法と同様な方法で編成される。形状保持編地部12は、足甲部を被う低伸縮性の編地により編成されており、その形状・大きさがほとんど変わらない。形状保持編地部12は、タック編みにより編成することができる。
【0019】
踵編地部13は、足とも、また床とも滑りにくいものがよく、例えばポリエステルナノファイバーからなる糸を使用するのがよい。ここで、ポリエステルナノファイバーは、これを形成するポリマーが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどであり、単繊維径(単繊維の直径)が250〜800nmであるものがよい。このポリエステルナノファイバーからなる糸は、上記ポリエステルナノファイバーのフィラメント数が2000〜60000本、総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)が35〜500dtexであるものがよい。かかる糸からなる編地はグリップ力が高くなり、弾性ストッキング10は、踵部に密着して滑りにくく、また床面に密着して滑りにくい。このため、この弾性ストッキング10を装着する者の転倒を防止することができる。
【0020】
踵編地部13は、フル回転編みとされる足底編地部15に対して半回転往復編みで編成される。そして、踵編地部13は、
図2に示すように、コース数を増加した踵袋部130とこれに延伸して、その踵袋部130の約半分のコース数からなる付加部131が設けられ、足底編地部15につながる。踵編地部13は、コース数を増加させた踵袋部130に一般に設けられる踵の頂部方向のゴアライン21を有するので、踵を確実に包み込むことができる。そして、ゴアライン22を挟んで付加部が設けられる。これにより、弾性ストッキングを着用する個体差に拘わらず、また着用状態に拘わらず付加部131が確実に床面に密着して滑りにくく、弾性ストッキング10を着用する者の転倒を防止することができる。また、踵編地部13は、
図2に示すように、その外周縁に彩色を施した糸を織り込んだ踵線135を設けるのがよい。これにより、介護士等は、高齢者等に弾性ストッキングを適切に着用させることができ、また、着用状態を確認することができる。
【0021】
足底編地部15は、上述のように高伸縮性の編地により編成される。高伸縮性の編地部分は、低伸縮性の編地の伸縮の度合いが伸び率で30〜100%であるのに対し、伸び率を80〜200%とすることができる。高伸縮性の編地の伸び率は、低伸縮性の編地の伸び率に対して1.0〜3.0倍とすることができ、1.5〜2.5倍が好ましい。
【0022】
足指編地部17は、上述のように、母趾を被う母趾袋部170と足指基底部を被う基底帯部171を有し、第2足趾から第5足趾にわたって開口してなる。すなわち、第2足趾から第5足趾にわたって開口しているが、母趾が母趾袋部170に被われるようになっている。
図1に示すように、基底帯部171は、開口部175と、足底編地部15につながる足伸展部173とからなる。足伸展部173と開口部175はともに高伸縮性の編地により編成される。足伸展部173は、同じコース数からなり半回転往復編みでそれぞれ編成される第1足伸展部173aと第2足伸展部173bとからなるようにするのがよい。足伸展部173は、MP関節に相当する部分を被っている。第1足伸展部173aと第2足伸展部173bの境界部分にゴアライン25が入っている。
【0023】
本弾性ストッキング10は第2足趾から第5足趾にわたって開口しているので足指の肌や爪などの変色の有無を点検し、弾性ストッキング10が適正に使用されているか否かを容易に確認することができる。また、足指編地部17は、母趾が母趾袋部170に挿入されるようになっているので、高伸縮性の編地により編成され、第2足趾から第5足趾にわたって開口しているにも拘わらず、開口部175のめくれや着用位置のずれを防止することができ、弾性ストッキング10の適正な着用状態を維持することができる。また、弾性ストッキング10は、足伸展部173が、第一足伸展部173aと第二足伸展部173bの2つの部分からなっているので、足指編地部17が足の底背屈によく追随するようになっている。
【0024】
開口部175は、高伸縮性の編地により編成されており、
図3に示すように、第5足趾を被うようにすることができ(
図3(a))、または、第2足趾から第5足趾にわたって開放されるように弾性ストッキング10を着用することができる。また、本弾性ストッキング10は、公知の筒状になって先端部分が開口した弾性ストッキングのような足指の冷えを抑制することができる。
【0025】
また、本弾性ストッキング10は、上述したように、足部分が、足甲部を被う形状保持編地部12と、踵部を被う踵編地部13、足底編地部15と足指編地部17とにより覆われている。形状保持編地部12は低伸縮性で形状、大きさがほとんど変わらないのに対し、足底編地部15と足指編地部17は高伸縮性で、形状保持編地部12よりも1.0〜3.0倍の伸び率を有している。このため、足指を上に持ち上げる力が作用するようになっている。そして、足指編地部17には足伸展部173が設けられ、足伸展部173には第1足伸展部173aと第2足伸展部173bの2つの部分も設けられている。従って、本弾性ストッキング10は、足を背屈させる伸展機能を有しており、この伸展機能により筋肉ポンプ機能を高めることができる。また、本弾性ストッキング10は、形状、大きさがほとんど変わらない形状保持編地部12を有しているので、先ずこの形状保持編地部12を足甲部に合わせるようにして足に被せ、その後、脚部に圧縮編地部11を引き上げるように被せていくことにより容易に装着することができる。また、弾性ストッキング着用の苦痛を抑制することができる。このため、高齢者や関節障害のある患者が容易、かつ安心して履くことができる。
【符号の説明】
【0026】
10 弾性ストッキング
11 圧縮編地部
12 形状保持編地部
13 踵編地部
130 踵袋部
131 付加部
135 踵線
15 足底編地部
17 足指編地部
170 母趾袋部
171 基底帯部
173 足伸展部
173a 第1足伸展部
173b 第2足伸展部
175 開口部
21、22、25 ゴアライン