【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る車載ユニットの支持装置は、
車載ユニットが係合可能であるブラケットと、
前記ブラケットに保持された状態において、前記ブラケットに係合した前記車載ユニットに付勢力を付与しない退避位置と、前記ブラケットに係合した前記車載ユニットを前記ブラケット側に押し付ける押圧位置との間で前記ブラケットに対して移動可能に構成された少なくとも一つの付勢部材と、
を備える。
【0009】
上記(1)の構成によれば、退避位置と押圧位置との間で付勢部材を移動させることで、ブラケットへの車載ユニットの状態(固定状態又は固定解除状態)を切り替えることができる。即ち、付勢部材が退避位置にあるとき、ブラケットに係合した車載ユニットには付勢部材による付勢力が作用しないので、車載ユニットとブラケットとは互いに固定されておらず、固定解除状態にある。しかし、付勢部材を退避位置から押圧位置に移動させると、ブラケットに係合した車載ユニットが付勢部材によってブラケット側に押し付けられるので、車載ユニットとブラケットとが固定状態となる。よって、付勢部材の移動によって、車載ユニットのブラケットへの着脱作業を容易に行うことができる。
また、付勢部材が退避位置にあるとき、付勢部材がブラケットに保持された状態となっているため、付勢部材がブラケットから脱落することがない。一方、付勢部材が退避位置にあるとき、ブラケットに係合した車載ユニットには付勢部材による付勢力が作用しないため、付勢部材による付勢力の影響を受けずに、ブラケットへの車載ユニットの係合状態の切替えを容易に行うことができる。よって、ブラケットに対する車載ユニットの着脱作業を効率的かつ確実に行うことができる。
【0010】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の車載ユニットの支持装置において、
前記ブラケットは、前記付勢部材に対して該付勢部材の付勢方向の下流側に位置し、前記車載ユニットの前端部と係合可能に構成された少なくとも一つの第1係合部を含む。
【0011】
上記(2)の構成によれば、車載ユニットの前端部をブラケットの第1係合部に係合させ、押圧位置にある付勢部材によって車載ユニットを前方に付勢することで、車載ユニットをブラケットに容易に固定することができる。よって、ブラケットに対する車載ユニットの着脱作業を効率的かつ確実に行うことができる。
なお、本明細書において、車載ユニットの「前端部」とは、付勢部材の付勢方向において下流側に位置する車載ユニットの端部をいう。逆に、車載ユニットの「後端部」とは、付勢部材の付勢方向において上流側に位置する車載ユニットの端部をいう。このように、車載ユニットの「前端部」又は「後端部」との用語は、付勢部材の付勢方向との関係で一義的に定まるものであり、車載ユニットの機能面から定まる方向性と必ずしも関係性を有しない。同様に、本明細書において、車載ユニットとの関係で「前方」及び「後方」と言うとき、それぞれ、付勢部材の付勢方向における下流側に向かう方向及び上流側に向かう方向を意味する。
【0012】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の車載ユニットの支持装置において、
前記ブラケットは、前記車載ユニットの両側壁部にそれぞれ設けられた一対の係合部と係合可能に構成された一対の第2係合部をさらに含み、
各々の前記付勢部材は、前記退避位置において、前記一対の係合部がそれぞれ前記ブラケットの前記一対の第2係合部に係合するように前記第1係合部を回動中心として前記車載ユニットを回動させたとき、前記車載ユニットと干渉しない
ように構成される。
【0013】
上記(3)の構成によれば、各々の付勢部材が退避位置にあるとき、第1係合部を回動中心とする車載ユニットの回動を付勢部材が妨げないので、車載ユニットの回動により、車載ユニットとブラケットとの係合状態を容易に切り替えることができる。
【0014】
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)に記載の車載ユニットの支持装置において、
前記ブラケットは、前記車載ユニットの前記前端部を一つの前記第1係合部により保持するとともに、前記車載ユニットの後端部側において二つの前記付勢部材により前記車載ユニットを前方に付勢することで、前記車載ユニットを3点支持するように構成される。
【0015】
上記(4)の構成によれば、ブラケットが車載ユニットを前方1箇所と後方2箇所において3点支持するようにしたので、ブラケットに対する車載ユニットの姿勢を適正に保持することができる。
【0016】
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)に記載の車載ユニットの支持装置において、
前記ブラケットは、前記車載ユニットの前記前端部を二つの前記第1係合部により保持するとともに、前記車載ユニットの後端部側において一つの前記付勢部材により前記車載ユニットを前方に付勢することで、前記車載ユニットを3点支持するように構成される。
【0017】
上記(5)の構成によれば、ブラケットが車載ユニットを前方2箇所と後方1箇所において3点支持するようにしたので、ブラケットに対する車載ユニットの姿勢を適正に保持することができる。
【0018】
(6)幾つかの実施形態では、上記(2)乃至(5)の何れか一つに記載の車載ユニットの支持装置において、
前記第1係合部は、前記車載ユニットの前記前端部に設けられた前方側凸部が係合される凹部を含み、
前記第1係合部の前記凹部は湾曲形状の周縁を有する。
【0019】
上記(6)の構成によれば、第1係合部の凹部の周縁を湾曲形状としたので、車載ユニットの前方側凸部を第1係合部の凹部に円滑に係合させることができる。
【0020】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れか一つに記載の車載ユニットの支持装置において、
前記ブラケットは、前記車載ユニットの両側壁部にそれぞれ設けられた一対の係合部と係合可能に構成された一対の第2係合部を含み、
前記少なくとも一つの付勢部材は、前記車載ユニットの一対の前記係合部をそれぞれ前記第2係合部に向けて付勢するための一対のばねを含む。
【0021】
上記(7)の構成によれば、車載ユニットの両側壁部に設けられた一対の係合部をそれぞれ付勢する一対のばねを設けたので、ブラケットへの車載ユニットの適切な姿勢で取り付けることができる。このため、例えば車載カメラのような取付け方向を高精度に管理すべき車載用計測機器をブラケットに取り付ける場合に特に有用である。
【0022】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)に記載の車載ユニットの支持装置において、
前記一対のばねを連結する連結部をさらに備える。
【0023】
上記(8)の構成によれば、一対のばねを連結部により連結したので、一対のばねを一度に移動させることができ、ブラケットに対する車載ユニットの着脱作業の効率化を図ることができる。
【0024】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れか一つに記載の車載ユニットの支持装置において、
前記少なくとも一つの付勢部材は、前記車載ユニットの後端部のうち前記車載ユニットの幅方向中央領域を前方側に押圧するための一つのばねを含む。
【0025】
上記(9)の構成によれば、車載ユニットの後端部の幅方向中央領域を押圧するための一つのばねを退避位置と押圧位置との間で移動させるだけで、車載ユニットのブラケットに対する着脱を行うことができる。
【0026】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れか一つに記載の車載ユニットの支持装置において、
各々の前記付勢部材は、
前記付勢部材が前記退避位置にあるときに前記ブラケットに係止される第1山部と、
前記付勢部材が前記押圧位置にあるときに前記ブラケットに係止される第2山部と、
を含む板ばねである。
【0027】
上記(10)の構成によれば、第1山部及び第2山部を含む板ばねを用いることで、退避位置及び押圧位置のそれぞれにおいて板ばね(付勢部材)を安定して保持することができる。このため、付勢部材の移動により、車載ユニットとブラケットとの固定状態を確実に切り替えることができる。
【0028】
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れか一つに記載の車載ユニットの支持装置において、
各々の前記付勢部材は、
前記押圧位置において前記車載ユニットに当接する屈曲部と、
前記屈曲部を介して接続される一対のアーム部と、
を有する板ばねであり、
前記ブラケットには、前記板ばねのうち前記屈曲部を含む部位が挿入される挿入孔が設けられる。
【0029】
上記(11)の構成によれば、屈曲部及び一対のアーム部を有する板ばねをブラケットの挿入孔に挿入し、板ばねを退避位置から押圧位置まで移動させることで、板ばねの屈曲部により車載ユニットをブラケット側に押し付けて固定することができる。これにより、板ばねを用いた簡素な構成により、車載ユニットの支持装置を実現することができる。
【0030】
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)の何れか一つに記載の車載ユニットの支持装置において、
各々の前記付勢部材は、前記ブラケットに対して着脱自在に設けられる。
【0031】
上記(12)の構成によれば、ブラケットに対する付勢部材の着脱が可能であるため、例えば、付勢部材の経年使用に伴って付勢力が低下した場合に、付勢部材のみを交換することができる。また、車載ユニットの仕様変更に伴って要求される付勢力が変更された場合であっても、ブラケットの仕様を変更することなく、付勢部材の仕様のみを変更することも可能である。
【0032】
(13)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る車載ユニットの着脱方法は、
車載ユニットとブラケットとの係合状態を切り替えるステップと、
少なくとも一つの付勢部材が前記ブラケットに保持された状態で、前記ブラケットに係合した前記車載ユニットに付勢力を付与しない退避位置と、前記ブラケットに係合した前記車載ユニットを前記ブラケット側に押し付ける押圧位置との間で各々の前記付勢部材を前記ブラケットに対して移動させるステップと、
を備える。
【0033】
上記(13)の構成によれば、退避位置と押圧位置との間で付勢部材を移動させることで、ブラケットへの車載ユニットの状態(固定状態又は固定解除状態)を切り替えることができる。よって、付勢部材の移動により、車載ユニットのブラケットへの着脱作業を容易に行うことができる。