【解決手段】中継装置10は、搬送対象物1を連続的に第1方向の順方向D1aへ搬送する第1搬送部20と、複数の集合部29を間欠的に第1方向の順方向D1aへ移送する第2搬送部26と、第1搬送部20と第2搬送部26との間に設けられる中継搬送部50と、中継搬送部50を第1方向へ移動させる中継駆動部60とを備える。中継駆動部60は、少なくとも第1プッシャー31が2以上の搬送対象物1を第2方向の順方向D2aに移動させている間は、第1搬送部20によって複数の搬送対象物1が第1方向の順方向D1aへ搬送される速度と同じ速度で、中継搬送部50を第1方向の順方向D1aへ移動させる。
前記第1プッシャー及び前記中継プッシャーを、前記第2方向と、前記第1方向及び前記第2方向の各々と垂直を成す高さ方向とに移動させる第1プッシャー駆動装置を更に備え、
前記第1プッシャー駆動装置は、
前記第1プッシャー及び前記中継プッシャーを前記第2方向の順方向に移動させる間、前記第1プッシャーが2以上の搬送対象物に当接しつつ前記中継プッシャーが他の2以上の搬送対象物に当接する前記高さ方向位置に前記第1プッシャー及び前記中継プッシャーを配置し、
前記第1プッシャー及び前記中継プッシャーを前記第2方向の逆方向に移動させる間、前記第1プッシャー及び前記中継プッシャーを前記2以上の搬送対象物よりも高く上昇させた後に前記2以上の搬送対象物の高さよりも低い位置まで下降させる請求項3、4及び6のいずれか一項に記載の中継装置。
前記中継駆動部は、前記中継搬送部を前記第1方向に移動させて、第1同期搬送位置と、前記第1方向の順方向に関して前記第1同期搬送位置よりも下流側の第2同期搬送位置とに前記中継搬送部を配置し、
前記第1プッシャーは、前記中継搬送部が前記第1同期搬送位置から第2同期搬送位置に移動する間に、前記2以上の搬送対象物を前記中継搬送部に配置し、
前記第2プッシャーは、前記中継搬送部が第2同期搬送位置に配置されている状態で、前記2以上の搬送対象物を、前記第2方向の順方向に移動させて前記複数の集合部のうちの1以上に配置する請求項1〜9のいずれか一項に記載の中継装置。
前記第1プッシャー及び前記中継プッシャーは、前記中継搬送部に連結され、前記第1方向に関して前記中継搬送部とともに一体的に移動する請求項3、4、6及び7のいずれか一項に記載の中継装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0024】
図1〜
図11は、本発明の一実施形態に係る中継装置10の概略構成を示す平面図であり、中継装置10の経時的な状態変化を示す。
【0025】
図12〜
図23は、中継装置10のプッシャー駆動系の概略構成を示す側方図である。
図12はプッシャー駆動系の主たる要素を示し、
図13〜
図23はプッシャー駆動系の経時的な状態変化を簡略的に示す。
【0026】
図24〜
図28は、中継駆動部60及び第1プッシャー駆動装置70の概略構成を示す側方図であり、第1プッシャー駆動装置70の経時的な状態変化を示す。
【0027】
なお
図1〜
図28では、外方からは見えない要素の配置を示すために、そのような要素が概念的に図示されていることがある。また
図1〜
図28では、理解を容易にするため、一部の要素の図示が省略されていることがある。
【0028】
以下の説明において、
図1の左右方向に対応する方向を第1方向D1と称し、
図1の上下方向に対応する方向を第2方向D2と称し、
図1の紙面に垂直な方向に対応する方向を高さ方向D3と称する。したがって、第1方向D1、第2方向D2及び高さ方向D3は相互に垂直を成す。また第1方向D1は、後述の第1順方向D1a及び第1逆方向D1bの両者を含む概念であり、第2方向D2は、後述の第2順方向D2a及び第2逆方向D2bの両者を含む概念である。
【0029】
[中継装置の全体構成]
中継装置10は、
図1に示すように、搬送対象物1を搬送及び案内する装置として第1搬送部20、第2搬送部26及び中継搬送部50を備える。第1搬送部20及び第2搬送部26は、第1方向D1の順方向D1a(以下「第1順方向D1a」とも称する)へ搬送対象物1を搬送する。中継搬送部50は、第1順方向D1aに搬送対象物1を搬送しつつ、搬送対象物1を第2方向D2の順方向D2a(以下「第2順方向D2a」とも称する)へ案内する。第1搬送部20の搬送方向の上流側では、人手又は機械を介して、搬送対象物1が次々に第1搬送部20上に載せられる。一方、第2搬送部26の搬送方向の下流側には包装装置(図示省略)が設けられており、第2搬送部26によって搬送される搬送対象物1は包装装置によって袋に収容されて包装される。
【0030】
また中継装置10は、搬送対象物1を第2順方向D2aへ移送するための装置として第1プッシャー31、第2プッシャー32及び中継プッシャー33を備える。第1プッシャー31、第2プッシャー32及び中継プッシャー33は、それぞれ第2方向D2及び高さ方向D3に関して往復移動可能に設けられており、相互に協働して搬送対象物1を第2順方向D2aへ徐々に移送する。
【0031】
各搬送対象物1を構成する要素の種類及び数は特に限定されない。本実施形態では、各搬送対象物1は複数の小袋体を含み、これらの複数の小袋体が第1方向D1に並べられた状態で第1搬送部20の各収容スペース23に配置されている。また、最終的に第2搬送部26の各集合部29に載せられる1セットの物品群は、複数(本実施形態では「4つ」)の搬送対象物1によって構成されている。1セットの物品群に含まれる搬送対象物1の種類及びサイズは、相互に同じであってもよいし異なっていてもよい。
図1に示す中継装置10では、2タイプの搬送対象物1が1セットの物品群に含まれており、第1タイプの搬送対象物1aが中央に配置され、両端側に第2タイプの搬送対象物1bが配置されている。
【0032】
<第1搬送部>
第1搬送部20は、複数の搬送対象物1を定速で連続的に第1順方向D1aへ搬送する連続搬送方式の搬送部として構成され、搬送対象物1を一定の速度で移動させる。
図1に示す第1搬送部20は、無端状の搬送ベルト21と、当該搬送ベルト21の表面側に配置される複数のサイドガイド22とを有する。搬送ベルト21は、モータ等の駆動源(図示省略)によって駆動され、第1順方向D1aへ連続的に走行する。
【0033】
各サイドガイド22は第2方向D2へ延在しつつ搬送ベルト21に対して固定されており、第1方向D1に隣り合って配置されるサイドガイド22は相互に離間して配置されている。複数の搬送対象物1の各々は、隣り合って配置される2つのサイドガイド22によって仕切られる収容スペース23において搬送ベルト21上に載せられる。
図1に示す第1搬送部20では、搬送対象物1が配置される領域(すなわち収容スペース23)及び搬送対象物が配置されない領域が第1方向D1へ交互に設けられている。したがって、搬送ベルト21上において隣り合って配置される搬送対象物1同士の間には、搬送対象物1が配置されていない領域に対応するスペースが設けられている。
【0034】
各サイドガイド22は、収容スペース23に配置された搬送対象物1の第1方向D1に関する位置を規制し、後述のように2以上の搬送対象物1を第1プッシャー31によって押して移動させる際に、当該2以上の搬送対象物1を第2順方向D2aに案内する。本実施形態の各サイドガイド22は、収容スペース23に配置された搬送対象物1に接触し、当該搬送対象物1を側方から支持する。ただし各サイドガイド22は、収容スペース23に配置された搬送対象物1に必ずしも接触している必要はなく、当該搬送対象物1の第1方向D1に関する配置を制限する位置に設けられていればよい。
【0035】
各サイドガイド22は第1方向D1に関して任意の位置に配置可能であり、隣接するサイドガイド22間の間隔(すなわち各収容スペース23の第1方向D1のサイズ)を柔軟に調整することができる。したがって、搬送対象物1の大きさ(すなわち小袋体の大きさ及び数)等に応じてサイドガイド22間の間隔を調整し、最適なサイズの収容スペース23に各搬送対象物1を配置してもよい。このように収容スペース23の大きさは、相互に同じであってもよいし異なっていてもよい。例えば、各搬送対象物1が単一サイズの小袋体を同数含む場合には、収容スペース23の大きさを相互に同じにしてもよい。一方、小袋体のサイズが搬送対象物1間で異なっていたり、小袋体の数が搬送対象物1間で異なっていたりする場合には、各収容スペース23の大きさが相互に異なっていてもよい。
【0036】
このようにサイドガイド22は、各収容スペース23において搬送対象物1が所望の姿勢を保持できるような位置及び間隔を持つように配置される。ただし、後述の中継搬送部50が有する複数の導入路51の開口部に対応する位置に収容スペース23の開口を配置可能なように、各サイドガイド22の位置及び各収容スペース23の位置は調整されている。また、各収容スペース23の開口部が対応の導入路51の開口部よりも小さくなるように、各サイドガイド22の位置は調整されている。
【0037】
<第2搬送部>
第2搬送部26は、複数の集合部29を間欠的に第1順方向D1aへ移送する間欠搬送方式の搬送部として構成され、移動及び停止を繰り返し行って複数の集合部29に収容された搬送対象物1を上流側から下流側に向かって(すなわち第1順方向D1aへ)搬送する。第2搬送部26は、無端状の搬送ベルト27と、当該搬送ベルト27の表面側に配置される複数のサイドガイド28とを有する。搬送ベルト27は、モータ等の駆動源(図示省略)によって駆動され、第1順方向D1aへ間欠的に走行する。各サイドガイド28は第2方向D2へ延在しつつ搬送ベルト27に対して固定されており、第1方向D1に隣り合って配置されるサイドガイド28は相互に離間して配置されている。複数の搬送対象物1によって構成される物品群は、隣り合って配置される2つのサイドガイド28によって仕切られる各集合部29において搬送ベルト27上に配置される。
図1に示す第2搬送部26では、物品群が配置される領域(すなわち集合部29)及び物品群が配置されない領域が第1方向D1へ交互に設けられている。したがって、搬送ベルト27上において隣り合って配置される物品群同士の間には、物品群が配置されていない領域に対応するスペースが設けられている。
【0038】
本実施形態のサイドガイド28は、第1方向D1に関して等間隔に配置されており、サイドガイド28によって区画される集合部29は、第1方向D1に関して一定のサイズを有する。特に、中継搬送部50が有する複数の合流路52の開口部に対応する位置に集合部29の開口を配置可能なように、各サイドガイド28及び各集合部29の位置は調整されている。また、各集合部29の開口部が対応の合流路52の開口部よりも大きくなるように、各サイドガイド28の位置は調整されている。
【0039】
複数の集合部29は、一定のピッチ数で間欠的に第1順方向D1aへ移送される。ここでいう「ピッチ数」とは、一度の間欠的な移動によって集合部29を移送する距離(以下「間欠移動距離」とも称する)に対応するピッチの数を意味する。「ピッチ」とは、第2搬送部26において隣り合って配置される物品群を収容する集合部29同士の間隔(すなわち第1方向D1の距離)を意味する。したがって「間欠移動距離=ピッチ×ピッチ数」の関係が成立する。ピッチ数は、任意の整数に設定可能であるが、中継搬送部50が有する中継搬送路53の数(すなわち合流路52の数)を上限とする整数に設定されることが好ましく、中継搬送部50が有する中継搬送路53の数を1以上の整数により割ることで得られる1以上の整数に設定されることがより好ましい。
【0040】
図1に示す中継装置10では、中継搬送路53の数(すなわち合流路52の数)は「4」である。したがって「ピッチ」を「100mm」と仮定した場合、「間欠移動距離」は、100mm、200mm、300mm及び400mmのうち(現実的には、100mm、200mm及び400mmのうち)のいずれかに設定されることが好ましい。間欠移動距離が「400mm」の場合(すなわちピッチ数が中継搬送路53の数に等しい場合(すなわち「ピッチ数=4」の場合))、中継搬送部50の第1方向D1への往復移動の1サイクルの間に、一度の間欠的な移動を含む第2搬送部26の間欠サイクルが1回行われればよい。一方、間欠移動距離が「200mm」の場合(すなわちピッチ数が中継搬送路53の数の半分の場合(すなわち「ピッチ数=2」の場合))、中継搬送部50の第1方向D1への往復移動の1サイクルの間に、上述の第2搬送部26の間欠サイクルが2回行われればよい。同様に、間欠移動距離が「100mm」の場合(すなわち「ピッチ数=1」の場合)、中継搬送部50の第1方向D1への往復移動の1サイクルの間に、上述の第2搬送部26の間欠サイクルが4回行われればよい。
【0041】
このように、中継搬送部50の第1方向D1への往復移動の1サイクルの間に「中継搬送路53の数(すなわち合流路52の数)×ピッチ」で表される距離以上(より好ましくは当該距離だけ)、集合部29を第1順方向D1aへ移動させればよい。これにより、中継搬送路53の合流路52の開口に対応する位置に空の集合部29を配置することができ、それぞれの合流路52から空の集合部29に物品群を移送することができる。
【0042】
<中継搬送部>
中継搬送部50は、第2方向D2に関し、第1搬送部20と第2搬送部26との間に設けられており、第1方向D1に並んで設けられた複数(本実施形態では「4つ」)の中継搬送路53を含む。各中継搬送路53は、複数(本実施形態では「4つ」)の導入路51と、当該複数の導入路51が合流する合流路52とを有する。各導入路51は第1搬送部20に隣接して配置され、各合流路52は第2搬送部26に隣接して配置されている。
【0043】
各中継搬送路53が有する複数の導入路51は、それぞれ、最終的に第2搬送部26の1つの集合部29に載せられる1セットの物品群を構成する複数の搬送対象物1(本実施形態では4つの搬送対象物1)を個別に収容しつつ第2順方向D2aへ案内する。各合流路52に接続される複数の導入路51は、下流側ほど相互に徐々に近づくように配置されており、各合流路52への案内レールとして機能する。
【0044】
各合流路52は、複数の導入路51から送られてきた1セットの物品群を構成する複数の搬送対象物1を、集合的に収容しつつ第2順方向D2aに案内する。なお、各合流路52に繋がる複数の導入路51は、1箇所で合流してもよいが、複数段階を経て合流してもよい。
図1に示す中継搬送部50では、各中継搬送路53が有する4つの導入路51のうち中央に配置された2つの導入路51が先ず合流して中間合流路を形成し、その下流側において、当該中間合流路と両端に配置された2つの導入路51とが合流する。
【0045】
各搬送対象物1は、上述の導入路51及び合流路52を介し、第1搬送部20から第2搬送部26に向かって移送される。その際、1セットの物品群を構成する複数の搬送対象物1は、上流側から下流側に向かって導入路51を進行するに従って徐々に近づけられ、合流路52において集合され、集合した状態が維持されて第2搬送部26の各集合部29に載せられる。なお各導入路51及び各合流路52の大きさは搬送対象物1に応じて定められ、各導入路51及び各合流路52は、対応の搬送対象物1を適切に支持及び案内することが可能な大きさを有する。
図1に示す各中継搬送路53は、第1タイプの搬送対象物1aに応じた大きさを有する2つの導入路51の両側のそれぞれに、第2タイプの搬送対象物1bに応じた大きさを有する導入路51が配置されている。そして合流路52(特に集合部29に開口する部分)は、これらの第1タイプの搬送対象物1a及び第2タイプの搬送対象物1bが互いに第1方向D1に重なり合った状態に対応する大きさを有する。
【0046】
上述の中継搬送部50は、第1方向D1の順方向D1a及び逆方向D1b(以下「第1逆方向D1b」とも称する)へ往復移動可能に設けられており、中継駆動部60によって第1順方向D1a及び第1逆方向D1bに移動させられる。具体的には、中継駆動部60は移動体61を含み、中継搬送部50は移動体61によって固定的に支持されている。移動体61が第1方向D1へ移動することによって、中継搬送部50(すなわち導入路51及び合流路52)も移動体61とともに第1方向D1へ移動する。このように中継駆動部60は中継搬送部50を第1方向D1に移動させて、第1同期搬送位置P1(
図1参照)と、第1順方向D1aに関して第1同期搬送位置P1よりも下流側の第2同期搬送位置P2(
図3参照)とに中継搬送部50を配置する。
【0047】
第1プッシャー31は、中継搬送部50が第1同期搬送位置P1から第2同期搬送位置P2に移動する間に、第1搬送部20上の2以上の搬送対象物1を第2順方向D2aに移動させて複数の導入路51に配置する。一方、第2プッシャー32は、中継搬送部50が第2同期搬送位置P2に配置されている状態で、2以上の搬送対象物1を、第2順方向D2aに移動させて複数の集合部29のうちの1以上に配置する。なお中継駆動部60は、第2プッシャー32が2以上の搬送対象物1を複数の集合部29のうちの1以上に移動させた後に、中継搬送部50を第1逆方向D1bに移動させて第1同期搬送位置P1に再び配置し、その後、中継搬送部50を第1同期搬送位置P1から第1順方向D1aへ再び移動させる。
【0048】
本実施形態の中継駆動部60は、少なくとも第1プッシャー31が2以上の搬送対象物1を第2順方向D2aに移動させている間は、第1搬送部20によって複数の搬送対象物1が第1順方向D1aへ搬送される速度と同じ速度で、中継搬送部50の複数の導入路51を第1順方向D1aへ移動させる。すなわち中継駆動部60は、少なくとも第1プッシャー31が2以上の搬送対象物1を第2順方向D2aに移動させている間は、第1プッシャー31によって移動させられる当該2以上の搬送対象物1が配置される収容スペース23の開口が中継搬送部50の複数の導入路51の開口に対応する位置で互いに向かい合って配置されるように、中継搬送部50を第1順方向D1aへ移動させる。
【0049】
<第1プッシャー>
第1プッシャー31は、第1搬送部20によって搬送される複数の搬送対象物1のうちの2以上の搬送対象物1を第2順方向D2aに移動させて、当該2以上の搬送対象物1を中継搬送部50の複数の導入路51に配置する。本実施形態の第1プッシャー31は、第1方向D1に延在する棒状部材(「第1棒状部材」に相当)によって構成されている。当該棒状部材が2以上の搬送対象物1に当接した状態で第2順方向D2aに移動することによって、当該2以上の搬送対象物1は第2順方向D2aへ押されて複数の導入路51に配置される。なお、ここでいう「棒状部材」は、ある方向(本実施形態では第1方向D1)の長さが他の方向よりも大きい部材を指すが、その具体的な形状は特に限定されない。
図1に示す第1プッシャー31は単一の棒状部材によって構成されているが、複数の部材によって構成されてもよい。
【0050】
図1に示す第1プッシャー31は、中継搬送部50が有する導入路51の数に対応する搬送対象物1(本実施形態では「16(=4×4)個の搬送対象物1」)が第1搬送部20において占める範囲(特に第1方向D1の範囲)以上の大きさを持つように、第1方向D1へ延在する。これにより第1プッシャー31は、中継搬送部50が有する導入路51の数に対応する搬送対象物1を、同時に第2順方向D2aへ押して対応の収容スペース23から対応の導入路51に移送することができる。
【0051】
第1プッシャー31は、第1プッシャー駆動装置70によって駆動され、第2方向D2及び高さ方向D3に往復移動させられる。特に本実施形態の第1プッシャー駆動装置70は、第1プッシャー31を第2順方向D2aに移動させる間は、収容スペース23及び導入路51に配置される2以上の搬送対象物1に第1プッシャー31が当接することができる高さ方向位置に第1プッシャー31を配置する。また第1プッシャー駆動装置70は、第1プッシャー31を第2方向D2の逆方向D2b(以下「第2逆方向D2b」とも称する)に移動させる間は、第1搬送部20に配置されている2以上の搬送対象物よりも第1プッシャー31を高く上昇させた後に当該2以上の搬送対象物の高さよりも低い位置まで第1プッシャー31を下降させる。これにより第1プッシャー31は、第1搬送部20(すなわち各収容スペース23)に配置されている搬送対象物1と接触(すなわち干渉)することなく、当該搬送対象物1よりも下流側(すなわち第2順方向D2a側)の位置から当該搬送対象物1よりも上流側(すなわち第2逆方向D2b側)の位置に移動する。第1プッシャー31は、これらの一連の動作を繰り返し行うことによって、第1搬送部20から中継搬送部50への搬送対象物1の移送を繰り返し行うことができる。
【0052】
本実施形態の第1プッシャー駆動装置70は一対の第1往復プレート73を含み、第1プッシャー31の両端はこれらの第1往復プレート73に連結されている。これらの第1往復プレート73は、相互に同期して動作し、相互に同じ姿勢をとる。これらの第1往復プレート73の第2方向D2及び高さ方向D3への移動に応じて、第1プッシャー31は第2方向D2及び高さ方向D3へ移動させられる。
【0053】
また第1プッシャー31は、第1プッシャー駆動装置70及び中継駆動部60を介して中継搬送部50に連結されている。そのため、中継駆動部60が中継搬送部50を第1方向D1へ往復移動させるのに伴って、第1プッシャー31も中継搬送部50とともに第1方向D1へ往復移動する。
【0054】
<中継プッシャー>
中継プッシャー33は、中継搬送部50の複数の導入路51に配置された2以上の搬送対象物1を第2順方向D2aに移動させ、複数の導入路51に配置された2以上の搬送対象物1を合流路52に集合させて一緒に配置する。本実施形態の中継プッシャー33は、第1方向D1に延在する少なくとも1つの棒状部材を含み、当該少なくとも1つの棒状部材が2以上の搬送対象物1に当接した状態で第2順方向D2aに移動することによって、当該2以上の搬送対象物1は押されて合流路52で集合して一緒に配置される。
【0055】
図1に示す中継プッシャー33は、棒状の第1中継プッシャー33a(「第2棒状部材」に相当)及び棒状の第2中継プッシャー33b(「第3棒状部材」に相当)を含み、第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bの各々は第1方向D1へ延在する。中継プッシャー33によって2以上の搬送対象物1が移動させられる方向(すなわち第2順方向D2a)に関し、第1中継プッシャー33aは第2中継プッシャー33bよりも上流側に配置される。第1中継プッシャー33aは、複数の導入路51のそれぞれに配置された2以上の搬送対象物1に当接した状態で第2順方向D2aに移動することによって、当該2以上の搬送対象物1を押して下流側に(すなわち第2順方向D2aに)移動させる。第2中継プッシャー33bは、中継搬送部50において第1中継プッシャー33aによって上流側から下流側に移動させられた2以上の搬送対象物1に当接した状態で第2順方向D2aに移動することによって、当該2以上の搬送対象物1を押して更に下流側に移動させる。
【0056】
特に
図1に示す中継装置10では、第1中継プッシャー33aによって上述の中間合流路の位置まで搬送対象物1が押され、各中継搬送路53が有する4つの導入路51のうちの中央に配置された2つの導入路51に配置された2つの搬送対象物1が、中間合流路で一緒に配置される。そして第2中継プッシャー33bによって、中間合流路に一緒に配置された2つの搬送対象物1とともに、両端に設けられた2つの導入路51のそれぞれに配置された2つの搬送対象物1が下流側に押され、これらの4つの搬送対象物1が中継搬送部50の合流路52において一緒に配置される。
【0057】
図1に示す第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bの各々は、中継搬送部50が有する導入路51の数に対応する搬送対象物1(本実施形態では16(=4×4)個の搬送対象物1)が中継搬送部50において占める範囲(特に第1方向D1の範囲)以上の大きさを持つように、第1方向D1に延在する。すなわち、第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bの各々は、中継搬送部50の導入路51が占める範囲(特に第1方向D1の範囲)以上の大きさを持つように、第1方向D1に延在する。これにより第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bの各々は、中継搬送部50が有する導入路51の数に対応する搬送対象物1を、同時に第2順方向D2aへ押して下流側に移送することができる。なお、
図1に示す第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bの各々は、単一の棒状部材によって構成されているが、複数の部材によって構成されてもよい。
【0058】
上述の第1プッシャー31及び中継プッシャー33(すなわち第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33b)は、相互に連結され、相互に連動する。すなわち第1プッシャー駆動装置70が有する上述の一対の第1往復プレート73には、第1プッシャー31の両端が連結されているだけではなく、中継プッシャー33(すなわち第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bの各々)の両端も取り付けられている。これにより第1プッシャー駆動装置70は、第1プッシャー31だけでなく中継プッシャー33も駆動し、第1プッシャー31及び中継プッシャー33の両者を第2方向D2と高さ方向D3とに往復移動させる。
【0059】
具体的には、第1プッシャー駆動装置70は、第1プッシャー31及び中継プッシャー33を第2順方向D2aに移動させる間、第1プッシャー31が2以上の搬送対象物1に当接しつつ中継プッシャー33が他の2以上の搬送対象物1に当接する高さ方向位置に、第1プッシャー31及び中継プッシャー33を配置する。また第1プッシャー駆動装置70は、第1プッシャー31及び中継プッシャー33を第2逆方向D2bに移動させる間、第1搬送部20及び中継搬送部50(特に導入路51)に配置された2以上の搬送対象物1よりも第1プッシャー31及び中継プッシャー33を高く上昇させた後に当該2以上の搬送対象物1の高さよりも低い位置まで下降させる。
【0060】
また第1プッシャー31及び中継プッシャー33は、第1プッシャー駆動装置70及び中継駆動部60(すなわち押込レバー75、第1往復プレート73、第1連結部材72及び移動体61)を介して中継搬送部50に連結され、中継搬送部50とともに第1方向D1に関して一体的に往復移動する。すなわち、上述の中継駆動部60は、中継搬送部50とともに第1プッシャー31及び中継プッシャー33を第1方向D1へ往復移動させる。
【0061】
なお上述の中継駆動部60及び第1プッシャー駆動装置70の具体的な構成については、
図12及び
図24を参照して後述する。
【0062】
<第2プッシャー>
第2プッシャー32は、2以上の搬送対象物1を、第1プッシャー31によって複数の導入路51に配置した後に、第2順方向D2aに移動させて、複数の集合部29のうちの1以上に配置する。すなわち第2プッシャー32は、搬送対象物1を中継搬送部50上から第2搬送部26上に移送する。より具体的には、中継プッシャー33が第2逆方向D2bに移動して、合流路52に一緒に配置された2以上の搬送対象物1から中継プッシャー33が離間した後に、第2プッシャー32は合流路52に一緒に配置された当該2以上の搬送対象物1に当接して第2順方向D2aに移動する。このように第2プッシャー32は、合流路52に一緒に配置された2以上の搬送対象物1を、第2順方向D2aに移動させて、複数の集合部29のいずれかに当該2以上の搬送対象物1を一緒に配置する。
【0063】
本実施形態の第2プッシャー32は第1方向D1に延在する棒状部材(「第4棒状部材」に相当)によって構成され、当該棒状部材が2以上の搬送対象物1に当接した状態で第2順方向D2aへ移動することによって、当該2以上の搬送対象物1が第2搬送部26の複数の集合部29のうちの1以上に押し出されて配置される。
【0064】
図1に示す第2プッシャー32は、中継搬送部50の中継搬送路53の数(すなわち合流路52の数)に対応する物品群(本実施形態は4つの物品群)が中継搬送部50において占める範囲(特に第1方向D1の範囲)以上の大きさを持つように、第1方向D1に延在する。すなわち第2プッシャー32は、中継搬送部50の合流路52が占める範囲(特に第1方向D1の範囲)以上の大きさを持つように、第1方向D1に延在する。これにより第2プッシャー32は、中継搬送部50が有する合流路52の数に対応する物品群(本実施形態では「4つ」の物品群)を、同時に第2順方向D2aへ押して、対応の合流路52から対応の集合部29に移送することができる。なお、
図1に示す第2プッシャー32は単一の棒状部材によって構成されているが、複数の部材によって構成されてもよい。
【0065】
第2プッシャー32は第2プッシャー駆動装置85によって駆動され、第2方向D2及び高さ方向D3に往復移動させられる。特に本実施形態の第2プッシャー駆動装置85は、第2プッシャー32を第2順方向D2aに移動させる間、合流路52に配置される物品群(すなわち2以上の搬送対象物1)に第2プッシャー32が当接する高さ方向位置に第2プッシャー32を配置する。また第2プッシャー駆動装置85は、第2プッシャー32を第2逆方向D2bに移動させる間、第2プッシャー32を合流路52に配置された物品群(すなわち2以上の搬送対象物1)よりも高く上昇させた後に当該物品群の高さよりも低い位置まで下降させる。これにより第2プッシャー32は、合流路52に配置されている物品群(すなわち搬送対象物1)と接触(すなわち干渉)することなく、当該物品群よりも下流側(すなわち第2順方向D2a側)の位置から当該物品群よりも上流側(すなわち第2逆方向D2b側)の位置に移動する。第2プッシャー32は、これらの一連の動作を繰り返し行うことによって、中継搬送部50から第2搬送部26への物品群の移送を繰り返し行うことができる。
【0066】
本実施形態の第2プッシャー駆動装置85は一対の第2往復プレート88を含み、第2プッシャー32の両端はこれらの第2往復プレート88に取り付けられている。これらの第2往復プレート88の第2方向D2及び高さ方向D3への移動に応じて、第2プッシャー32は第2方向D2及び高さ方向D3へ移動させられる。
【0067】
なお第2プッシャー駆動装置85の具体的な構成については、
図12を参照して後述する。
【0068】
<第1プッシャー駆動装置>
第1プッシャー駆動装置70の構成を
図12及び
図24を参照して説明する。なお、
図12には第1駆動ボックス71が図示されているが、
図24では、第1駆動ボックス71の図示が省略され、第1駆動ボックス71内に配置されている装置類が図示されている。第1プッシャー31及び中継プッシャー33(すなわち第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33b)を第2方向D2及び高さ方向D3に移動させる第1プッシャー駆動装置70は、図示しない駆動源、回転軸77、回転ブロック76、第1連結部材72、案内溝78、第1往復プレート73、エアシリンダ74及び押込レバー75を含み、リンク機構を構成する。
【0069】
上述の第1往復プレート73の各々には、第1往復プレート73を第2方向D2及び高さ方向D3に移動させる2組の第1駆動機構が連結されている。第1駆動機構の各々は、モータによって構成される第1駆動部(図示省略)、第1駆動部の回転軸77に固定された回転ブロック76、及び回転ブロック76に揺動自在に連結された第1連結部材72を含む。
【0070】
各第1往復プレート73には、第2方向D2に関して離間した位置で、2つの第1連結部材72の一端部が揺動自在に連結されている。各第1往復プレート73に連結される2組の第1駆動機構は相互に連動し、これらの第1駆動機構に含まれる第1往復プレート73は相互間で常に同じ姿勢をとるように駆動される。これにより、各第1往復プレート73は第2方向D2及び高さ方向D3に往復移動させられ、第1往復プレート73を往復移動させる間、第1往復プレート73は、傾くことなく、第2方向D2及び高さ方向D3によって規定される平面内で並進運動を行う。
【0071】
回転ブロック76の一端側には回転軸77が固定されており、他端側には第1連結部材72が揺動自在に連結されている。各第1連結部材72の一端部は第1往復プレート73に揺動自在に連結され、他端部は移動体61に形成された案内溝78にスライド自在に係合している。案内溝78は、高さ方向D3に延在する長孔を形成し、各第1連結部材72の他端部を高さ方向D3へ案内する。各第1連結部材72は、第1往復プレート73に連結する箇所と案内溝78に係合する箇所との間において回転ブロック76に連結されている。したがって各第1連結部材72は、回転軸77の回転に伴って揺動し、回転軸77の回転位置に応じた姿勢をとり、第2方向D2及び高さ方向D3に関して第1往復プレート73を往復移動させる(
図24〜
図28参照)。
【0072】
このような第1往復プレート73の往復移動に伴って、第1往復プレート73に取り付けられている第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bと、第1往復プレート73に押込レバー75を介して連結されている第1プッシャー31とは、第2方向D2及び高さ方向D3に関して往復移動する。
【0073】
各第1往復プレート73には、押込レバー75の中間部が揺動自在に連結されている。押込レバー75の一方の端部には第1プッシャー31の端部が固定されており、押込レバー75の他方の端部にはエアシリンダ74のシリンダが揺動自在に固定されている。このシリンダはエアシリンダ74の一方側の端部を構成し、エアシリンダ74の他方側の端部は第1往復プレート73に対して揺動自在に固定されている。エアシリンダ74のシリンダの突出量は可変であり、このシリンダの突出量に応じて、第1往復プレート73に対する押込レバー75の姿勢が定まるとともに、第1プッシャー31の位置(特に高さ方向D3の位置)が変わる。したがって、搬送対象物1の大きさ(特に高さ方向D3の大きさ)に応じてエアシリンダ74のシリンダの突出量は決定され、第1プッシャー31は搬送対象物1に対して適切な位置で当接及び押圧する。
【0074】
なお、上述の第1駆動部及びエアシリンダ74は、図示しない制御装置によって制御されている。
【0075】
上述の構成を有する第1プッシャー駆動装置70によって、第1プッシャー31は、
図24の符合「t」によって示される閉ループ軌道に沿って移動する。すなわち第1プッシャー31は、退避位置(
図24に示す閉ループ軌道tの最左端位置)から第2順方向D2aへほぼ水平に移動する第1移動過程と、第2逆方向D2bに移動しつつ高さ方向D3に関して上昇する第2移動過程と、第2逆方向D2bに移動しつつ高さ方向D3に関して下降する第3移動過程と、を繰り返し行う。第1移動過程では、第1プッシャー31によって、第1搬送部20の収容スペース23から中継搬送部50(特に導入路51)上に搬送対象物1が押し出される。第2移動過程では、第1プッシャー31は、第1搬送部20上の別の搬送対象物1と接触しないように、搬送対象物1の押し出しを完了した位置から第2逆方向D2bへ戻る。そして第3移動過程では、第1プッシャー31は、第1搬送部20上の搬送対象物1よりも上流側(すなわち第2逆方向D2b側)且つ高さ方向D3に関して第1搬送部20上の搬送対象物1と当接可能な位置(すなわち退避位置)に戻される。これらの第1移動過程〜第3移動過程が連続的に繰り返し行われることによって、第1プッシャー31は、第1搬送部20の収容スペース23から中継搬送部50の導入路51上に、搬送対象物1を連続的に移送することができる。
【0076】
また第1プッシャー駆動装置70によって移動させられる第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bの軌道は、図示は省略するが、上述の第1プッシャー31と同様の形(
図24の符合「t」参照)となる。すなわち第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bの各々は、第1プッシャー31と同様のタイミングで、退避位置(すなわち第2順方向D2aに関する最上流側位置)から第2順方向D2aへほぼ水平に移動する第1移動過程と、第2逆方向D2bに移動しつつ高さ方向D3に関して上昇する第2移動過程と、第2逆方向D2bに移動しつつ高さ方向D3に関して下降する第3移動過程と、を繰り返し行う。これらの第1移動過程〜第3移動過程が連続的に繰り返し行われることによって、第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bは、各中継搬送路53の導入路51から合流路52に、搬送対象物1を連続的に移送することができる。
【0077】
<第2プッシャー駆動装置>
図12に示すように、第2プッシャー32を第2方向D2及び高さ方向D3に移動させる第2プッシャー駆動装置85は、第2駆動ボックス86に収容された第2駆動源(図示省略)、第2連結部材87及び第2往復プレート88を含み、第1プッシャー駆動装置70と同様のリンク機構を構成する。
【0078】
各第2往復プレート88には2組の第2駆動機構が連結されており、各第2駆動機構は、図示しない制御装置によって制御される第2駆動部(図示省略)、第2駆動部の回転軸に固定された回転ブロック(図示省略)、及び当該回転ブロックに揺動自在に連結された第2連結部材87を含む。
【0079】
各第2往復プレート88には、第2方向D2に関して離間した位置で、2つの第2連結部材87の一端部が揺動自在に連結されている。各第2往復プレート88に連結される2組の第2駆動機構は相互に連動し、これらの第2駆動機構に含まれる第2連結部材87は相互間で常に同じ姿勢をとるように駆動される。これにより、各第2往復プレート88は第2方向D2及び高さ方向D3に往復移動させられ、第2往復プレート88の往復移動の間、第2往復プレート88は、傾くことなく、第2方向D2及び高さ方向D3によって規定される平面内で並進運動を行う。
【0080】
各第2駆動機構において、回転ブロックの一端側には第2駆動部の回転軸が固定され、他端側には第2連結部材87が揺動自在に連結され、各第2連結部材87の一端部は第2往復プレート88に揺動自在に連結され、他端部は移動体に形成された案内溝にスライド自在に係合し、各第2連結部材87の他端部は案内溝に沿って高さ方向D3へ案内される。そして、各第2連結部材87は、第2往復プレート88に連結する箇所と案内溝に係合する箇所との間において回転ブロックに連結されており、第2駆動部の回転軸の回転位置に応じた姿勢をとり、第2方向D2及び高さ方向D3に関して第2往復プレート88を往復移動させる。
【0081】
このような第2往復プレート88の往復移動に伴って、第2往復プレート88の一端部に取り付けられている第2プッシャー32は、第2方向D2及び高さ方向D3に関して往復移動する。第2プッシャー駆動装置85によって移動させられる第2プッシャー32の軌道は、図示は省略するが、上述の第1プッシャー31と同様の形(
図24の符合「t」参照)となる。すなわち第2プッシャー32は、退避位置(すなわち第2順方向D2aに関する最上流側位置)から第2順方向D2aへほぼ水平に移動する第1移動過程と、第2逆方向D2bに移動しつつ高さ方向D3に関して上昇する第2移動過程と、第2逆方向D2bに移動しつつ高さ方向D3に関して下降する第3移動過程と、を繰り返し行う。
【0082】
<中継駆動部>
図24に示すように、中継搬送部50を第1順方向D1a及び第1逆方向D1bへ移動させる中継駆動部60は、移動体61、サーボモータ62、サーボモータ取付プレート63、連結ブロック64及び第1方向案内レール65を含む。
【0083】
すなわち中継駆動部60は、中継搬送部50を固定的に支持する上述の移動体61を含み、移動体61には連結ブロック64が固定的に取り付けられている。連結ブロック64は、サーボモータ62の回転軸に螺子係合しており、当該回転軸の回転に応じて当該回転軸に沿って移動する。
【0084】
サーボモータ62の回転軸は第1方向D1へ延在し、サーボモータ62は、サーボモータ取付プレート63を介して架台66に取り付けられている。架台66上には、第1方向D1に延在する2つの第1方向案内レール65が設けられており、移動体61は第1方向案内レール65にスライド自在に係合している。連結ブロック64はサーボモータ62の回転軸に沿って移動し、移動体61は第1方向案内レール65に沿って移動する。
【0085】
図示しない制御装置の制御下でサーボモータ62の回転軸の回転が制御され、連結ブロック64及び移動体61の第1方向D1に関する位置が調整される。これにより、移動体61に対して固定的に設けられた中継搬送部50、第1プッシャー31及び中継プッシャー33(すなわち第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33b)を、第1方向D1へ一体的に往復移動させることができる。
【0086】
[搬送対象物の移送フロー]
次に、本実施形態の中継装置10において行われる搬送対象物1の搬送フローについて説明する。理解を容易にするため、中継装置10において搬送対象物1の搬送が行われていない状態から、搬送対象物1の搬送を開始する場合について、以下説明する。
【0087】
なお、以下に説明する搬送対象物1の搬送フローでは、図示しない制御装置によって、中継装置10を構成する各装置が総合的に制御されている。例えば、搬送ベルト21の駆動源、搬送ベルト27の駆動源、第1駆動部、第2駆動部、エアシリンダ74及びサーボモータ62が、図示しない制御装置によって制御され、中継装置10を構成する各装置が駆動されている。
【0088】
<第1搬送部の連続搬送工程>
図1、
図13、
図14及び
図24に示すように、各収容スペース23に搬送対象物1が配置された状態で搬送ベルト21が第1順方向D1aに走行し、搬送対象物1が連続的に搬送される。第1搬送部20によって行われる搬送対象物1の連続的な搬送は、以下の各工程が行われる間中、継続的に行われる。
【0089】
<第1搬送部から中継搬送部への移送工程>
そして
図2、
図3、
図15、
図25、
図26に示すように、第1プッシャー31によって、第1搬送部20の収容スペース23から中継搬送部50の導入路51に搬送対象物1が押されて移動させられる。
【0090】
このとき
図2及び
図3に示すように、第1搬送部20の収容スペース23に対して中継搬送部50の導入路51が同じ速度で追従するように、中継搬送部50、第1プッシャー31及び中継プッシャー33(すなわち第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33b)は第1順方向D1aへ移動させられる。これにより、中継搬送部50は第1同期搬送位置P1(
図1参照)から第2同期搬送位置P2(
図3参照)に移動させられる。なお、中継搬送部50が第1同期搬送位置P1から第2同期搬送位置P2に移動する間に(すなわち中継搬送部50が第2同期搬送位置P2に到達するタイミングで又は当該タイミングの前に)、第1プッシャー31によって行われる収容スペース23から導入路51への搬送対象物1の移動は完了する。
【0091】
<復帰工程>
そして
図4に示すように、中継搬送部50、第1プッシャー31及び中継プッシャー33(すなわち第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33b)は、第1逆方向D1bに移動させられ、第2同期搬送位置P2から第1同期搬送位置P1に戻される。
【0092】
また
図4、
図16、
図17、
図27及び
図28に示すように、第1プッシャー31及び中継プッシャー33(すなわち第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33b)は、対応の搬送対象物1よりも上流側(すなわち第2逆方向D2b側)に配置される。すなわち、第1プッシャー31は第1搬送部20の収容スペース23に配置されている搬送対象物1よりも上流側に配置され、第1中継プッシャー33aは導入路51に配置されている搬送対象物1よりも上流側に配置される。なお第2中継プッシャー33bは、各中継搬送路53の上述の中間合流路よりも上流側に配置される。
【0093】
このとき、第1プッシャー31は第1搬送部20の収容スペース23に配置されている搬送対象物1よりも上方を通過して第2逆方向D2bへ移動し、第1中継プッシャー33aは導入路51に配置されている搬送対象物1よりも上方を通過して第2逆方向D2bへ移動する。これにより、第1プッシャー31及び第1中継プッシャー33aと搬送対象物1との間の接触が防がれている。
【0094】
<第1合流工程>
そして
図5、
図6及び
図18に示すように、第2順方向D2aに移動する第1プッシャー31によって、第1搬送部20の収容スペース23から中継搬送部50の導入路51に新たな搬送対象物1が移動させられる。また第2順方向D2aに移動する第1中継プッシャー33aによって、中継搬送部50の導入路51から下流側に搬送対象物1が移動させられ、各中継搬送路53における中央の2つの導入路51に配置された搬送対象物1は中間合流路で合流する。
【0095】
このとき、
図5及び
図6に示すように、第1搬送部20の収容スペース23に対して中継搬送部50の導入路51が同じ速度で追従するように、中継搬送部50、第1プッシャー31及び中継プッシャー33は第1順方向D1aへ移動させられる。また、第1プッシャー31及び第1中継プッシャー33aによって行われる搬送対象物1の第2順方向D2aへの移動は、中継搬送部50が第1同期搬送位置P1(
図4参照)から第2同期搬送位置P2(
図6参照)に移動する間に(すなわち中継搬送部50が第2同期搬送位置P2に到達するタイミングで又は当該タイミングの前に)完了する。
【0096】
<復帰工程>
そして
図7に示すように、中継搬送部50、第1プッシャー31及び中継プッシャー33は第1逆方向D1bに移動させられ、第2同期搬送位置P2から第1同期搬送位置P1に戻される。また
図7、
図19及び
図20に示すように、第1プッシャー31及び中継プッシャー33は、対応の搬送対象物1よりも上流側に配置される。
【0097】
<第2合流工程>
そして
図8、
図9及び
図21に示すように、第1プッシャー31によって、第1搬送部20の収容スペース23から中継搬送部50の導入路51に搬送対象物1が移動させられる。また第1中継プッシャー33aによって、中継搬送部50の導入路51から下流側に搬送対象物1が移動させられ、各中継搬送路53における中央の2つの導入路51に配置された搬送対象物1は中間合流路で合流する。また第2中継プッシャー33bによって、各中継搬送路53の中間合流路に配置された搬送対象物1及び両端の導入路51に配置された搬送対象物1は下流側に移動させられ、これらの搬送対象物1が合流路52において合流する。
【0098】
このとき、
図8及び
図9に示すように、第1搬送部20の収容スペース23に対して中継搬送部50の導入路51が同じ速度で追従するように、中継搬送部50、第1プッシャー31及び中継プッシャー33は第1順方向D1aへ移動させられる。また、第1プッシャー31、第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33bによって行われる搬送対象物1の第2順方向D2aへの移動は、中継搬送部50が第1同期搬送位置P1(
図7参照)から第2同期搬送位置P2(
図9参照)に移動する間に(すなわち中継搬送部50が第2同期搬送位置P2に到達するタイミングで又は当該タイミングの前に)完了する。
【0099】
<中継搬送部から第2搬送部への移送工程>
そして
図9及び
図22に示すように、第2プッシャー32が、各合流路52に配置された複数の搬送対象物1(すなわち物品群)よりも上流側に配置される。具体的には、中継搬送部50の合流路52上に配置される搬送対象物1よりも高い上方位置で待機していた第2プッシャー32(
図21参照)が、第2中継プッシャー33bが第2逆方向D2bに移動して合流路52上の搬送対象物1から離間した後に、第2逆方向D2bに移動しつつ下降する(
図22参照)。これにより第2プッシャー32は、第2中継プッシャー33bと接触することなく、合流路52上の搬送対象物1よりも上流側(すなわち第2逆方向D2b側)において、当該搬送対象物1と当接可能な高さ位置に配置される。
【0100】
そして
図10及び
図23に示すように、合流路52上の複数の搬送対象物1は、第2プッシャー32によって第2順方向D2aに押され、対応の集合部29に移動させられる。
【0101】
なお中継搬送部50、第1プッシャー31及び中継プッシャー33は、少なくとも、合流路52上の搬送対象物1の上流側に第2プッシャー32を配置する工程(
図9、
図21及び
図22参照)から集合部29上に搬送対象物1を配置する工程(
図10及び
図23参照)が完了するまでの間は、
図9及び
図10に示すように第2同期搬送位置P2に配置された状態を維持する。
【0102】
<間欠搬送工程>
そして
図11に示すように、第2搬送部26の集合部29に配置された物品群(すなわち複数の搬送対象物1)は第1順方向D1aへ間欠移送され、後段に設けられた図示しない包装装置に向けて送られる。
【0103】
また中継搬送部50、第1プッシャー31及び中継プッシャー33は第1逆方向D1bに移動させられ、第2同期搬送位置P2から第1同期搬送位置P1に戻される。また第1プッシャー31及び中継プッシャー33は第2逆方向D2bに移動させられ、それぞれ対応の搬送対象物1よりも上流側に配置される。
【0104】
そして、上述の
図8〜
図11及び
図20〜
図23を用いて説明した上述の工程が繰り返し行われることによって、第1搬送部20から中継搬送部50を介して第2搬送部26に搬送対象物1が連続的に送られる。すなわち、各装置が以下の予め定められた動作を繰り返し行うことで、第1搬送部20から中継搬送部50を介して第2搬送部26に搬送対象物1が連続的に送られる。
【0105】
すなわち第1搬送部20は、複数の搬送対象物1を一定の速度で第1順方向D1aへ搬送している。また中継搬送部50は、第1同期搬送位置P1から第2同期搬送位置P2に移動するステップS1と、第2同期搬送位置P2において待機するステップS2と、第2同期搬送位置P2から第1同期搬送位置P1に移動するステップS3と、を繰り返し行う。また第2搬送部26は、各集合部29を停止させて待機するステップS11と、各集合部29を第1順方向D1aに移動させるステップS12と、を繰り返し行う。また第1プッシャー31及び中継プッシャー33(すなわち第1中継プッシャー33a及び第2中継プッシャー33b)は、搬送対象物1に当接可能な高さ位置において第1順方向D1aへ移動するステップS21と、第1逆方向D1bへ移動しつつ搬送対象物1に当接しない高さ位置に上昇するステップS22と、第1逆方向D1bへ移動しつつ搬送対象物1に当接する高さ位置に下降するステップS23と、を繰り返し行っている。また第2プッシャー32は、搬送対象物1に当接可能な高さ位置において第1順方向D1aへ移動するステップS31と、第1逆方向D1bへ移動しつつ搬送対象物1に当接しない高さ位置に上昇するステップS32と、搬送対象物1に当接しない高さ位置で待機するステップS33と、第1逆方向D1bへ移動しつつ搬送対象物1に当接する高さ位置に下降するステップS34と、を繰り返す。
【0106】
上述の各工程は、第1搬送部20、中継搬送部50、第2搬送部26、第1プッシャー31、第2プッシャー32及び中継プッシャー33によって行われる上述のステップが適切なタイミングで行われることによって実現されている。
【0107】
以上説明したように本実施形態の中継装置10によれば、複数の搬送対象物1を、複数の導入路51を有する中継搬送部50を介して第1搬送部20から第2搬送部26に適切に移送することができる。
【0108】
なお上述の実施形態では、各中継搬送路53が有する全ての導入路51を介して、搬送対象物1を第1搬送部20から第2搬送部26に移送する場合について説明したが、必ずしも全ての導入路51が搬送対象物1の搬送に使われなくてもよい。例えば、各中継搬送路53が有する4つの導入路51のうち3つの導入路51のみを介し、搬送対象物1を第1搬送部20から第2搬送部26に移送してもよい。この場合、各中継搬送路53が有する4つの導入路51のうち3つの導入路51に対応する収容スペース23にのみ搬送対象物1を配置した状態で、第1搬送部20によって搬送対象物1を搬送させればよい。
【0109】
このように、搬送対象物1を実際に載せる収容スペース23の数を調整して搬送対象物1の搬送に使用する導入路51の数を変えるだけで、各集合部29に移送する搬送対象物1の数を柔軟且つ簡単に変えることができる。また、様々な大きさ及び種類の搬送対象物1を、中継搬送部50を介して第1搬送部20から第2搬送部26に適切に移送することができる。このように、搬送対象物1の数、大きさ或いは種類が変わっても、搬送装置の構成要素の交換が不要であり、或いは交換を要する要素の数が少なくて済み、本実施形態の中継装置10は利便性が非常に高い。
【0110】
また第1プッシャー31、第2プッシャー32及び中継プッシャー33を用いることにより、複数段階に分けて、搬送対象物1を第1搬送部20から第2搬送部26に徐々に且つ確実に移送することができる。特に、第1プッシャー31及び中継プッシャー33を駆動する第1プッシャー駆動装置70と、第2プッシャー32を駆動する第2プッシャー駆動装置85とを分離することによって、第1プッシャー31及び中継プッシャー33の作動と第2プッシャー32の作動とを互いに独立して別々に行うことができる。これにより、搬送対象物1の押し出しのタイミングを細かく且つ柔軟に設定することができ、搬送対象物1の待機時間を短縮して第1搬送部20から第2搬送部26へ搬送対象物1を短時間で移送することも可能である。
【0111】
また、第1プッシャー31及び中継プッシャー33の駆動系を第1プッシャー駆動装置70によって共通化することで、コストを低減しつつ、第1プッシャー31及び中継プッシャー33の動作を確実に同期させて、プッシャー間の衝突等のアクシデントを防ぐことができる。
【0112】
また、第1プッシャー31及び第2プッシャー32とは別個に中継プッシャー33を設けることによって、互いに分離して配置された複数の搬送対象物1を、中継搬送部50において確実に集合させることができる。これにより、第1搬送部20では搬送対象物1を互いに分離した状態で各収容スペース23に配置することができ、収容スペース23に対する搬送対象物1の配置作業を簡単化することができる。特に、複数種類の搬送対象物1を第1搬送部20によって搬送させる必要がある場合でも、搬送対象物1を種類毎に別個の収容スペース23に配置することができるため、搬送対象物1を各収容スペース23に対して容易に載置することができるだけではなく、各収容スペース23に対する搬送対象物1の配置ミスを防ぐのにも有効である。また、中継搬送部50の導入路51及び合流路52を介して複数の搬送対象物1を搬送することによって、確実且つ適切に、複数の搬送対象物1を集合させることができる。そして、適切に集合した状態の複数の搬送対象物1を各集合部29に確実に積み込むことができる。また、複数の搬送対象物1を集合させるための別途の装置を設ける必要がないため、装置全体のサイズの縮小化及びコストの低減化を図ることができる。
【0113】
なお上述の実施形態では、各集合部29に配置された複数の搬送対象物1(すなわち物品群)が図示しない包装装置に向けて搬送されるが、第2搬送部26は、包装以外の他の用途のための装置等に向けて複数の搬送対象物1を搬送してもよい。
【0114】
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また、上述の構成要素以外の構成要素を含む形態も、本発明の実施形態に含まれる。また、上述の構成要素のうちの一部の要素が含まれない形態も、本発明の実施形態に含まれる。また、本発明のある実施形態に含まれる一部の構成要素と、本発明の他の実施形態に含まれる一部の構成要素とを含む形態も、本発明の実施形態に含まれる。したがって、上述の実施形態及び変形例、及び上述以外の本発明の実施形態の各々に含まれる構成要素同士が組み合わされてもよく、そのような組み合わせに係る形態も本発明の実施形態に含まれる。また、本発明によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書、要約書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0115】
例えば、上述の実施形態に係る中継装置10では中継プッシャー33が設けられているが、中継プッシャー33は省略されてもよい。この場合、第1プッシャー31によって第1搬送部20から中継搬送部50に移送された搬送対象物1を、第2プッシャー32によって中継搬送部50から第2搬送部26に移送する。この場合、中継搬送部50の構成、第1プッシャー31及び第2プッシャー32の移動範囲や移動タイミング、及び各収容スペース23及び各集合部29の大きさや位置は、適宜調整される。