特開2018-146785(P2018-146785A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-146785(P2018-146785A)
(43)【公開日】2018年9月20日
(54)【発明の名称】反射装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20180824BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20180824BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20180824BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20180824BHJP
【FI】
   G02B26/10 104Z
   G02B26/08 E
   B81B3/00
   G01S7/481 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-41702(P2017-41702)
(22)【出願日】2017年3月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230115864
【弁護士】
【氏名又は名称】永島 孝明
(74)【代理人】
【識別番号】100133639
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 卓哉
(74)【代理人】
【識別番号】100149168
【弁理士】
【氏名又は名称】若山 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 史記
【テーマコード(参考)】
2H045
2H141
3C081
5J084
【Fターム(参考)】
2H045AB06
2H045AB16
2H045AB38
2H045AB73
2H045AB81
2H141MA12
2H141MB24
2H141MC05
2H141MD12
2H141MD16
2H141MD20
2H141MD23
2H141MD24
2H141ME25
2H141MF10
2H141MF28
2H141MG06
2H141MZ06
2H141MZ16
2H141MZ28
3C081AA11
3C081AA13
3C081BA28
3C081BA44
3C081BA47
3C081BA54
3C081BA55
3C081CA13
3C081CA18
3C081CA20
3C081CA32
3C081DA11
3C081DA24
3C081DA29
3C081EA08
5J084AC02
5J084BA48
5J084BB28
5J084EA31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ミラー面積が大きく、広角走査が可能な小型化された反射装置、特に、車載LiDARとして好適な反射装置を提供する。
【解決手段】支持フレーム20に支持されたミラー部10と、前記ミラー部と前記支持フレームとを係合するヒンジ部30を有する揺動部40を備え、前記ミラー部が前記支持フレームに対して揺動し、前記ヒンジ部は引張強度が1500MPa以上であり、前記ミラー部の質量をM、前記揺動部の共振周波数をfとすると、Mが0.49*f+6.23以上、かつ68.6*f+46,8以下の関係を満たすことを特徴とする反射装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレームに支持されたミラー部と、前記ミラー部と前記支持フレームとを係合するヒンジ部を有する揺動部と、を備え、
前記ミラー部が前記支持フレームに対して揺動し、
前記ヒンジ部は引張強度が1500MPa以上であり、
前記ミラー部の質量Mと前記揺動部の共振周波数fとが以下の関係式(1)
を満たすことを特徴とする反射装置。
【数1】
【請求項2】
前記ミラー部の反射面とは異なる面には肉抜き部が形成されており、
前記ミラー部の質量Mと前記揺動部の共振周波数fとが以下の関係式(2)
を満たすことを特徴とする請求項1に記載の反射装置。
【数2】
【請求項3】
前記ミラー部は金属部と反射部とが接合され、
前記反射部の表面には反射層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射装置。
【請求項4】
前記反射部の面積S1と前記金属部の面積S2が以下の関係式(3)を満たすことを特徴とする請求項3項に記載の反射装置。
(数3)
S1 ≧ S2 ・・・ (3)
【請求項5】
前記ヒンジ部が金属で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射装置。
【請求項6】
前記金属部は、電磁駆動用磁石をミラー部に固定するための固定部を有しており、
前記固定部の周囲に肉抜き部を有していることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の反射装置。
【請求項7】
前記支持フレームには圧電素子が搭載されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射装置。
【請求項8】
前記ヒンジ部の引張強度は、3500Mpa以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射装置。
【請求項9】
前記ヒンジ部の揺動軸に平行な長さの寸法が28mm以下であることを特徴とする
請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射装置
【請求項10】
前記揺動部は、前記ミラー部の中心に対して、対称となるように形成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の反射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射装置に関する。更に詳しくは、ミラー面積が大きく、広角走査が可能な小型化された反射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
反射装置の中には、測定位置から対象物までの距離を測定する光走査装置として、いわゆる測距センサが提案されている。測距センサは、いわゆるTOF(Time Of Flight)方式を採用し、パルス変調した光源を利用して、発光及び受光のタイミングの位相差情報を出力し、出力された位相差情報信号を演算処理することによって、距離データを取得している。
【0003】
測定範囲が広角化された反射装置である光走査装置としては、モータを採用して、当該モータを駆動させて、光走査する測距センサがある。例えば、レーザ光反射用部材としてポリゴンミラーを採用し、これにモータと組み合わせた測距センサが提案されている。また、駆動モータを採用して、測距センサが備えている光学系全体の構成を当該駆動モータによって回転させる測距センサが知られている。
【0004】
一方、光を用いたリモートセンシング技術として、いわゆる「LiDAR」(Light Detection and Ranging)が提案されている。LiDARは、パルス状に発光するレーザ照射に対する散乱光を測定することによって、遠距離にある対象物までの距離、及び対象物の性質を分析することができる。かかるLiDARを光走査装置として、先進運転支援システム(ADAS)、自動運転等に応用することが検討されている。
【0005】
先進運転支援システム(ADAS)、自動運転等においては、少なくともカメラ、レーザ、LiDARが必要となる。主として、カメラとレーザは、自動車周囲の情報を把握するために使用され、LiDARは、レーダーのバックアップとして使用される。先進運転支援システム(ADAS)、自動車自動運転等において、自動車自身が安全で的確な決定を行うためには、対象物の正確な検知と対象物の分類を行う性能が重要となる。このため、ミラー部の面積が大きく、測定範囲が広角化された反射装置としての光走査装置が必要となる。
【0006】
ところで、ミラー部のサイズを小さくすることなく、高い共振周波数に対応可能な振動ミラー素子が提案されている(例えば、特許文献1)。この振動ミラー素子は、一対の第1駆動部を互いに連結するとともに、一対の第1駆動部の間の部分にミラー部が連結された連結部を設けることによって、ミラー部が直接連結部に連結されている。このため、連結部とミラー部とが細長形状の捻じれ梁部を介して間接的に連結される場合に比べて、ミラー部と連結部との接続部分の剛性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−142517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、モータを採用することによって、測定範囲を広角化することができる反射装置は、モータを採用しているため反射装置全体の外形が大きくなってしまうという問題点を有する。また、反射装置のミラー面積を大きくしようとした場合にも、反射装置の全体が大きくなってしまう。特に、光走査装置を車載LiDARとして採用するためには、従来の反射装置である光走査装置よりも小型化されたものであることが必要であり、広角走査が可能であることが好ましい。さらに、小型化された反射装置である光走査装置であっても、装置全体に占めるミラー面積が大きいものであることが好ましい。
【0009】
特許文献1に記載された振動ミラー素子は、ミラー部を直接連結部に連結した構成を採用し、ミラー部と連結部の接続部分の剛性を高めているに過ぎないものであるから、ミラー部の面積を大きく保持しつつ、高い共振周波数を実現することが容易ではないという問題点を有する。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ミラー面積が大きく、広角走査が可能であり、小型化された反射装置を提供することにある。また、本発明の目的は、測距センサとして好適な金属ミラー(METALミラー)であって、特に、車載LiDARとして、好適な仕様を備えた小型化された反射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本件発明者等は、反射装置が備えているミラー部とヒンジ部からなる揺動部を所定の引張強度を有する材料で形成し、ミラー部の質量Mと揺動部の共振周波数fとの関係に着目することによって、ミラー面積が大きく、広角走査が可能な小型化された反射装置を提供できることを見出して、本発明を完成するに至った。具体的には本発明は以下の技術的事項から構成される。
【0012】
(1) 支持フレームに支持されたミラー部と、
前記ミラー部と前記支持フレームとを係合するヒンジ部を有する揺動部と、を備え、
前記ミラー部が前記支持フレームに対して揺動し、
前記ヒンジ部は引張強度が1500MPa以上であり、
前記ミラー部の質量Mと前記揺動部の共振周波数fとが以下の関係式(1)を満すことを特徴とする反射装置。
【数1】
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ミラー面積が大きく、広角走査が可能な反射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)実施形態1の反射装置の概要を示した斜視図(表面側)である。(b)実施形態1の反射装置の概要を示した斜視図(裏面側)である。
図2】実施形態1の反射装置の反射面(ミラー面)を示した平面図である。
図3】(a)コイルを備えた実施形態1の反射装置の概要を示した斜視図である。(b)実施形態1の反射装置のA−A断面構造を示した断面図である。
図4】実施形態1の反射装置による反射(光走査)の様子を示したモデル図である。
図5】実施形態1の反射装置を設計する際に必要なパラメーターを示したモデル図である。
図6】実施形態1の反射装置の揺動部40の仕様を示したモデル図である。
図7】実施形態1の反射装置における、共振周波数f(kHz)とミラー部の質量M(mg)との関係を示したグラフである。
図8】(a)実施形態2の反射装置の概要を示した斜視図(表面側)である。(b)実施形態2の反射装置の概要を示した斜視図(裏面側)である。(c)実施形態2の反射装置のミラー部の表面側の拡大図である。
図9】実施形態2の反射装置のB−B断面構造を示した断面図である。
図10】実施形態2の反射装置における、共振周波数f(kHz)とミラー部の質量M(mg)との関係を示したグラフである。
図11】(a)実施形態3の反射装置の概要を示した斜視図(表面側)である。(b)実施形態3の反射装置の概要を示した斜視図(裏面側)である。
図12】実施形態3の反射装置のミラー部の表面側の平面図である。
図13】実施形態4の反射装置のミラー部の表面側の平面図である。
図14】実施形態5の反射装置のミラー部の表面側の平面図である。
図15】実施形態6の反射装置のミラー部の表面側の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
<実施形態1>
図1は、実施形態1の反射装置1の概要を示した斜視図である。図1(a)は、反射装置1の表面側を示した斜視図である。図1(a)に示されるように反射装置1は、プレート状の支持フレーム20の内部に支持されたミラー部10と、ミラー部10と支持フレーム20とを係合するヒンジ部30とを備えている。ミラー部10とヒンジ部30は、揺動部40を構成している。ヒンジ部30は、ミラー部10の左右側面の中央部から延出し、支持フレーム20の内部と係合している。揺動部40は、ミラー部10がバランス良く揺動することができるようにするため、ミラー部10の中心に対して、対称となるように形成されている。すなわち、揺動部40は、ミラー部10の中心に対して対称性が保持されるように形成されていれば、特に限定されるものではなく、上記ミラー部10の中心に対して、点対称であっても、線対称であってもよい。また、ヒンジ部30の形状は、ミラー部10と支持フレーム20とを係合し、ミラー部10を揺動できる形状であればよく、直線形状、ミアンダ形状等であってもよい。
【0017】
支持フレーム20は、金属によって構成されている。支持フレーム20に採用することができる金属は、いわゆるメタルフレームとして用いられる金属疲労特性に優れた金属であることが好ましい。支持フレーム20に採用することができる金属としては、引張強度の大きい高強度ステンレス、特殊金属等を採用することができる。なお、支持フレーム20は、通常のメタルフレームと同様にプレス加工やエッチング等を用いて、所定の形状とすることによって得ることができる。
【0018】
揺動部40は、ヒンジ部30が捻じれることによって、支持フレーム20に対して揺動する。揺動部40は、支持フレーム20の内部において、揺動軸100を中心に所定の角度にて揺動する。ヒンジ部30は、引張強度が1500MPa以上の金属で形成されていることが好ましい。ヒンジ部30の引張強度が1500MPa以上であると、ヒンジ部30が捻じれることから発生する応力の影響を避けることができる。ヒンジ部30の引張強度が3500MPa以下であると、ヒンジ部30の捻じれによる疲労耐性が向上する。なお、引張強度は、JIS Z2241により規定される、金属材料引張試験方法により測定される。揺動部40を構成する金属としては、特殊金属の他、SUS301、SUS631、SUS632を例示することができる。
【0019】
図1(b)は、反射装置1の裏面側を示した斜視図である。図1(b)に示されるように反射装置1は、ミラー部10の裏面に電磁駆動用磁石50を備えている。電磁用駆動磁石50は、対向して設けられているコイル60と作用して、揺動部を揺動させる駆動力を発生させる。ミラー部10の裏面14と電磁駆動用磁石50とは、揺動部40が揺動しても落下しないように固定化されている。例えば、ミラー部10の裏面14と電磁駆動用磁石50とは、エポキシ系接着剤、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、UV硬化樹脂等の硬化性接着剤によって接着されていてもよい。
【0020】
電磁駆動用磁石50は、揺動部40のヒンジ部30を大きく捻じるために必要な磁界を発生させることができるものであれば、特に制限されるものではない。例えば、電磁駆動用磁石50としては、磁束密度が高く、非常に強い磁力を持つ、ネオジム磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石を用いることができる。
【0021】
図2は、反射装置1の反射面(ミラー面)を備えたミラー部10を示した平面図である。図2に示されるようにミラー部10は反射面(ミラー面)として機能する。ミラー部10は、レーザ光発生部(図示せず)より発生したレーザ光を反射する。そして、ミラー部10は、反射面(ミラー面)として機能するようにその全体又は一部を鏡面研磨処理等により加工された表面を有している。また、ミラー部10は反射面(ミラー面)として機能するように、アルミニウム薄膜、金薄膜、銀薄膜、誘電体等からなる反射膜、上記反射膜が積層された反射層、アルミニウム、金、銀、誘電体からなる反射層を備えていてもよい。
【0022】
図3は、反射装置1の駆動原理を示した概念図である。図3(a)は、支持フレーム20の内部に支持されたミラー部10を備え、ミラー部の裏面14に電磁駆動用磁石50と、当該電磁駆動用磁石50に対向したコイル60を備えた反射装置1の概要を示した斜視図である。図3(a)に示された反射装置1を破線A−Aによって切り取ると、反射装置1の断面構造が得られる。
【0023】
図3(b)は、反射装置1のA−A断面構造を示した断面図である。図3(b)に示されるように、反射装置1は、ミラー部10の裏面に電磁駆動用磁石50を備えており、当該電磁駆動用磁石50に対向した位置にコイル60を備えている。コイル60に交流電流iを流すことにより、コイル60には矢印の方向に磁界が発生する。そして、電磁駆動用磁石50とコイル60との間に吸引力と反発力が発生する。かかる吸引力と反発力によって、ミラー部10が振動する。
【0024】
揺動部40の共振は、ミラー部10とヒンジ部30から構成される揺動部40が有する共振周波数と同一の周波数の交流電圧をコイル60に引加することによって、発生する。このように、反射装置1は、揺動部40の共振を利用して、揺動部40を構成するヒンジ部30を捻じることにより、レーザ光を広角度に反射して光走査することができる。反射装置1は、共振を利用して揺動部40を支持フレーム20に対して大きく捻じることができるため、高効率であり、かつ大きな光走査角度を得ることができる。なお、揺動部40の共振をさせる方式は、特に限定されるものではないが、支持フレーム20に圧電素子を搭載した圧電駆動方式等を採用してもよいし、電磁駆動方式等を採用してもよい。
【0025】
図4は、反射装置1による光走査の様子を示したモデル図である。レーザ光発生部(図示せず)より発生したレーザ光は、ミラー部10の表面に設けられているミラー面(反射面)によって反射される。ミラー部10は、揺動部40を構成するヒンジ部30が捻じれることによって揺動軸100を軸周りとして揺動する。ミラー部10が揺動することによって、ミラー面(反射面)も揺動する。ミラー部10が有するミラー面(反射面)が揺動することに伴って、レーザ光が反射する角度も変化する。ミラー部10が揺動することに伴って、光走査角度が変化する。
【0026】
(反射装置1の構造設計)
本発明の反射装置1の技術的特徴は、ミラー部10とヒンジ部30から構成される揺動部40にある。以下、反射装置1において、ミラー部10のミラー面積を最大とし、かつ広角走査を可能とするためには、ミラー部10とヒンジ部30をどのように設計していくかについて説明する。
【0027】
図5は、反射装置1が備えているミラー部10とヒンジ部30を設計する際に必要な寸法パラメーターを示したモデル図である。図5に示されるように、揺動部40は、ミラー部10とヒンジ部30とから構成されている。ヒンジ部30の形状、大きさを決定するパラメーターは、ヒンジ部30の長さ:Lf(mm)、ヒンジ部30の幅:2a(mm)、ヒンジ部30の厚み:2b(mm)である。ヒンジ部30の長さ:Lf(mm)は、ミラー部10の端部から支持フレーム20の端部までの距離となっている。
【0028】
ミラー部10の形状、大きさ等を決定するパラメーターは、ミラー面(反射面)のミラー面積を決定するためのパラメーターと、ミラー部10を加工する場合に必要なパラメーターに分けられる。ミラー面積を決定するためのパラメーターは、ミラー部10の幅:Lm(mm)、ミラー部10の長さ:D(mm)である。すなわち、ミラー部10の幅:Lm(mm)×ミラー部10の長さ:D(mm)がミラー部10のミラー面(反射面)のミラー面積を決定する。
【0029】
なお、図5に示されたミラー部10は、ミラー部10の長さ:D(mm)がミラー部10の幅:Lm(mm)よりも長く設定されているが、これに限定されることなく、光走査装置1の仕様に応じて適宜変更することができる。すなわち、ミラー部10において、ミラー部10の幅:Lm(mm)と、ミラー部10の長さ:D(mm)とが同一であってもよい。また、ミラー部10の幅:Lm(mm)がミラー部10の長さ:D(mm)よりも長く設定されていてもよい。
【0030】
ミラー部10を加工する場合に必要なパラメーターは、ミラー部10の厚み:tm(mm)、ミラー部10の反射面とは異なる面である裏面を軽量化するために肉抜き部となる凹部16又は開口部140を形成することによって算出される肉抜き率:OP(%)、である。ミラー部10の構造をミラー部の反射面である表面12に反射部材(ガラス基板)を貼り付けた構造とした場合は、反射部材(ガラス基板)の厚み:ts(mm)、ミラー部10の表面12に反射部材(ガラス基板)を貼り付ける際に用いる接着剤の厚み:tb(mm)も必要なパラメーターである。
【0031】
なお、肉抜き率:OP(%)は、ミラー部10の機械的強度及び軽量化の観点から、20〜80%であることが好ましい。肉抜き率:OP(%)が20%以上であると、ミラー部10の軽量化の効果を図ることができ、ヒンジ部30の長さを短くすることができるため好ましく、肉抜き率:OP(%)が80%以下であると、ミラー部10の機械的強度を保持することができるため好ましい。
【0032】
ミラー部10の構造をミラー部10の反射面と異なる面である裏面14に肉抜き部となる凹部16又は開口部142を形成しない場合には、肉抜き部を設ける必要はない。また、ミラー部10の構造をミラー部10の表面12に反射部材18(ガラス基板)を貼り付けた構造としない場合には、上記反射部材18(ガラス基板)の厚み:ts(mm)、及び上記接着剤の厚み:tb(mm)を設ける必要はない。
【0033】
図5に示されるように、ミラー部10とヒンジ部30からなる揺動部40の共振周波数:f(Hz)と共振周波数によって揺動部40が支持フレーム20に対して揺動する際に発生する角度を機械振れ角θm(deg.)と設定した。
【0034】
実施形態1の反射装置1は、ミラー面積が大きく、広角走査が可能な小型化された反射装置であり、特に、車載LiDARに好適な仕様を備えていることを特徴とする。このような技術的観点から、従来の反射装置よりも、さらに小型化された反射装置の構造を決定するのに必要なパラメーターの最大値(MAX)と最小値(MIN)とを上記各パラメーターそれぞれについて設定した。
【0035】
図6は、反射装置1のミラー部10とヒンジ部30からなる揺動部40の仕様を示したモデル図である。ミラー部10の仕様として、ミラー部10の幅Lmを8〜12mmの範囲、ミラー部10の長さDを3〜5mmの範囲から選択して、Lm:10.0(mm)×D:4.0(mm)に設定した。さらに、揺動部40の共振周波数fの最小値(MIN)を1000(Hz)とし、共振周波数fの最大値(MAX)を3000(Hz)とした。かかる共振周波数fの範囲は、反射装置1を車載LiDARに好適な仕様とする観点から設定したものである。また、反射装置1の機械振れ角θm(deg.)は、25〜35(deg.)が車載LiDARに好適な仕様となり、かつ広角走査が可能となるように35(deg.)に設定することができる。
【0036】
(ミラー部10とヒンジ部40の構造設計)
反射装置1の構造を決定するために必要なパラメーターを用い、各パラメーターの値を変化させて、ミラー部10の質量M(mg)と揺動部40の共振周波数f(kHz)との関係を算出した。
【0037】
ここで、ヒンジ部30の長さ:Lf(mm)が短い程、反射装置1を小型化できることから、ヒンジ部30の長さ:Lf(mm)が最小となったときのミラー部10の質量Mと揺動部40の共振周波数fを最適解とした。なお、本発明の反射装置において、ヒンジ部30の長さ:Lf(mm)とは、ヒンジ部30の形状に依拠することなく、ミラー部10と支持フレーム20との間の距離と定義する。
【0038】
図7は、実施形態1の反射装置1における、揺動部40の共振周波数f(kHz)とミラー部の質量M(mg)との関係を示したグラフである。図7に示されるように、ヒンジ部30の長さが最小となるように、各パラメーターを変化させて反射装置1を設計した結果、ミラー部10の質量M(mg)と揺動部40の共振周波数f(Hz)が以下の関係式(1)を満たすものであれば、ミラー部10の面積を広く形成することができ、かつ広角走査が可能である小型化された反射装置1を提供することが明らかとなった。さらに、実施形態1の反射装置1において、ヒンジ部30の揺動軸100に平行な長さの寸法を28mm以下とすることできることも明らかとなった。
【0039】
【数3】
【0040】
関係式(1)において、右辺となっている「68.6*f+46.8」は、ミラー部10の質量M(mg)の上限値を決定している境界線を示している。関係式(1)において、左辺となっている「0.49*f+6.23」は、ミラー部10の質量M(mg)の下限値を決定している境界線を示している。ミラー部10の質量M(mg)の上限値を決定する境界線と下限値を決定する境界線によって囲まれた領域が実施形態1の反射装置1が備えているミラー部10の仕様となる。
【0041】
ミラー部10の質量M(mg)が上限値を決定している境界線以下の領域であると、
反射装置全体を小型化することができるため好ましく、ミラー部10の質量M(mg)が下限値を決定している境界線以上の領域であると、広角走査が可能な揺動部40の機械振れ角θm(deg.)を達成することができるため好ましい。
【0042】
このように、実施形態1の反射装置1は、構造設計のために必要なパラメーターを用いて設計を行うことにより、ヒンジ部30の長さを最小値とし、さらにミラー部10のミラー面積が大きくするこができ、広角走査が可能な小型化された反射装置となることが判明した。さらに、実施形態1の反射装置1は、最適化を行うことによって、車載LiDARに好適な仕様を備えた小型化された反射装置となることが判明した。
【0043】
(反射装置の製造方法)
次に、実施形態1の反射装置1の製造方法について説明する。金属を支持フレーム20の外枠形状となるように打ち抜く。支持フレーム20の表面にミラー部10とヒンジ部30からなる揺動部40に対応する位置にレジストを形成する。上記レジストをマスクとしてエッチングにより加工する。共通の金属からなる支持フレーム20に含まれる、ミラー部10及びヒンジ部30から構成される揺動部40が所定の形状、厚みを有するようにエッチング加工により一体的に形成される。なお、後述する実施形態2〜6の反射装置も同様に製造する。ミラー部10の裏面に肉抜き部となる凹部又は開口部を形成させる場合には、裏面にもエッチング加工を行う。
【0044】
<実施形態2>
図8は、実施形態2の反射装置2の概要を示した斜視図である。図8(a)は、反射装置2の表面側を示した斜視図である。図8(a)に示されるように反射装置2の基本的構造は、実施形態1の反射装置1と同一である。
【0045】
図8(b)は、実施形態2の反射装置2の裏面側を示した斜視図である。図8(b)に示されるように反射装置2は、ミラー部10の裏面に電磁駆動用磁石50を備えている。電磁駆動用磁石50は、ミラー部10の裏面に設けられた肉抜き部となる凹部16に固定されている。図8(c)に示されるようにミラー部10の裏面14は、ミラー部10の外縁を外枠として残すようにして、その内部が肉抜きされており、凹部16を形成している。
【0046】
すなわち、ミラー部10の裏面14には、ハーフエッチング加工により、段差が設けられており、ハーフエッチング加工されたミラー部10の凹部16に電磁駆動用磁石50が固定される。ハーフエッチング加工されなかった部分が上記外縁となる。なお、上記外縁の幅は、特に制限されるものではないが、ミラー部10の質量を軽減させる観点から、ヒンジ部30の幅:2aと同一であってもよい。
【0047】
図9は、実施形態2の反射装置2のB−B断面構造を示した断面図である。図9に示されるように、実施形態2の反射装置2は、ミラー部10の裏面14を肉抜きすることによって凹部16を形成しているので、実施形態1の肉抜きされていないミラー部10の質量より、凹部16に相当する質量を大幅に軽減することができる。
【0048】
実施形態2の反射装置2において、ミラー部10とヒンジ部40の構造を決定するために必要なパラメーターを設定した。これらのパラメーターを用い、各パラメーターの値を変化させて、ミラー部10の質量M(mg)と揺動部40の共振周波数f(kHz)との関係を算出した。ヒンジ部30の長さ:Lf(mm)が最小となったときのミラー部10の質量Mと揺動部40の共振周波数fの最適解とした。
【0049】
図10は、実施形態2の反射装置2における、揺動部40の共振周波数f(kHz)とミラー部の質量M(mg)との関係を示したグラフである。図10に示されるように、ヒンジ部30の長さが最小となるように、各パラメーターを変化させて反射装置2を設計した結果、ミラー部10の質量M(mg)と揺動部40の共振周波数f(kHz)が以下の関係式(2)を満たすものであれば、ミラー部10の面積を広く形成することができ、かつ広角走査が可能である小型化された反射装置2を提供することが明らかとなった。さらに、実施形態2の反射装置1において、ヒンジ部30の揺動軸100に平行な長さの寸法を28mm以下とすることできることも明らかとなった。
【0050】
【数4】
【0051】
関係式(2)において、右辺となっている「43.68*f−3.12」は、凹部16を有するミラー部10の質量M(mg)の上限値を決定している境界線を示している。関係式(2)において、左辺となっている「0.49*f+6.23」は、凹部16を有するミラー部10の質量M(mg)の下限値を決定している境界線を示している。
【0052】
肉抜き部となる凹部16を有するミラー部10の質量M(mg)の上限値を決定する境界線と下限値を決定する境界線によって囲まれた領域が実施形態2の反射装置2が備えているミラー部10の仕様となる。図10に示されるように、実施形態2の反射装置2においては、ミラー部10の裏面14が肉抜きされて、凹部16が形成されているため、ミラー部10の質量の上限が実施形態1の反射装置1よりも低くなっている。
【0053】
凹部16を有するミラー部10の質量M(mg)が上限値を決定している境界線以下の領域であると、反射装置全体をさらに小型化することができるため好ましく、ミラー部10の質量M(mg)が下限値を決定している境界線以上の領域であると、広角走査が可能な揺動部40の機械振れ角θm(deg.)を達成することができるため好ましい。
【0054】
このように実施形態2の反射装置2は、ミラー部10の裏面14を肉抜きすることによって、凹部16を形成しているので、ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができる。ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができるため、反射装置2のヒンジ部30の長さをより短くすることができる。このため、反射装置2全体としては、さらに小型化を図ることができる。また、反射装置2は、特に車載LiDARに好適な仕様とすることができ、小型化された反射装置とすることができる。
【0055】
<実施形態3>
図11は、実施形態3の反射装置3の概要を示した斜視図である。図11(a)は、反射装置3の表面側を示した斜視図である。図11(a)に示されるように反射装置1の基本的構造は、実施形態1の反射装置1と同一である。
【0056】
実施形態3の反射装置3が備えているミラー部10は、ミラー部10の表面12に反射部18を備えている。すなわち、実施形態3の反射装置3のミラー部10は、支持フレーム20と同一平面上に存在するミラー部10の表面12とミラー部10の表面12に固定された反射部18からなる。すなわち、実施形態3の反射装置3が備えているミラー部10は、反射部18とミラー部10の表面12の金属部から構成されており、これらの部材が接合されている「ミラー部2枚構造」を採用している。
【0057】
ミラー部10はミラー部10の表面12を構成する金属部と反射部18とが接合され、反射部の表面には、反射層として反射膜182が形成されている。反射部18としては、ミラー部10に固定するこができる部材であって、その表面に反射膜182を形成することができる部材であれば、特に制限されない。反射部18として、ガラス基板を例示することができる。
【0058】
図11(b)は、実施形態3の反射装置3の裏面側を示した斜視図である。図11(b)に示されるように反射装置3は、ミラー部10の裏面14に電磁駆動用磁石50を備えている。ミラー部10の裏面には、肉抜き部として、4つの開口部142a、142b、142c、及び142dが設けられている。上記4つの開口部は、ミラー部10の裏面14に電磁駆動用磁石50をミラー部10の裏面に固定するための磁石受け面140を残すようにして形成されている。
【0059】
図11(b)に示されるように磁石受け面140は、電磁駆動用磁石50とミラー部10の裏面14を固定するために円形となっている。すなわち、ミラー部10の裏面には、磁石受け面140が形成され、当該磁石受け面140を中心に配置して、4つの開口部142a〜142dが設けられている。
【0060】
開口部142の形状は、電磁駆動用磁石50をミラー部10の裏面14に固定することができ、揺動部40の揺動に対して十分な機械的強度を保持することができる形状であれば、特に限定されるものでない。また、開口部142の個数も電磁駆動用磁石50をミラー部10の裏面14に固定することができ、揺動部40の揺動に対して十分な機械的強度を有することができるものであれば、特に限定されない。4つの開口部142a、142b、142c、及び142dは、すべて同一形状であっても、それぞれ異なる形状であってもよい。
【0061】
実施形態3の反射装置3のミラー部10は、ミラー部10の表面12に反射部18を備えており、反射部18の面積S1とミラー部10の表面12を構成している金属部の面積S2が以下の関係式(3)を満たすことを特徴としている。
【0062】
(数5)
S1 ≧ S2 ・・・(3)
【0063】
上記関係式(3)は、反射部18の面積S1が当該反射部18と接合して、かつ当該反射部18を支持するミラー部10の表面12である金属部の面積S2よりも大きいことを意味する。反射部18を支持するミラー部10の表面12は、肉抜きされることによって、反射部18と接合する面積が小さくなる。このため、反射部18の面積S1は、金属部の面積S2よりも大きい。
【0064】
図12は、実施形態3の反射装置3のミラー部10の表面側の平面図である。図12に示されるように、ミラー部10は、ミラー部10の表面12と当該表面12に固定された反射部18(ガラス基板)からなる「ミラー部2枚構造」を採用している。ミラー部10の表面12の外枠形状と反射部18(ガラス基板)の形状は同一であり、反射部18(ガラス基板)には、反射膜182を設けることができるので、ミラー面積を向上させることができる。
【0065】
ミラー部10を構成する金属部の表面12と反射部18(ガラス基板)とを固定するための手段は、特に制限されるものではない。例えば、ミラー部10の表面12にエポキシ系接着剤を塗布して、エポキシ系接着剤が塗布された表面12に反射部18(ガラス基板)を載置してから、当該表面12と反射部18(ガラス基板)とを接着することによって固定してもよい。
【0066】
このように実施形態3の反射装置3は、ミラー部10を肉抜きすることによって、肉抜き部となる4つの開口部142a〜142dを形成しているので、ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができる。ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができるため、反射装置3のヒンジ部30の長さをより短くすることができる。このため、反射装置3全体としては、小型化を図ることができる。図12からも明らかなように、肉抜き部となる4つの開口部142a〜142dは、ミラー部10を中心にして、対称となるように形成されている。実施形態3の反射装置3においても、ヒンジ部30の揺動軸100に平行な長さの寸法を28mm以下とすることできることも明らかとなった。
【0067】
また、実施形態3の反射装置3は、ミラー部10の表面に反射部18(ガラス基板)が形成されているため、ミラー部10の平坦度が大幅に向上し、反射装置の光学的特性を改善することができる。結果として、実施形態3の反射装置3は、特に車載LiDARに好適な仕様とすることができ、小型化された反射装置とすることができる。
【0068】
<実施形態4>
図13は、実施形態4の反射装置4のミラー部10の表面側の平面図である。図13に示されるように、ミラー部10は、上記「ミラー部2枚構成」を採用している。ミラー部10を構成している金属部の表面12の外枠形状と反射部18(ガラス基板)の形状は同一である。実施形態4の反射装置4においては、ミラー部10を肉抜きすることによって、肉抜き部となる2つの開口部144a、144bを形成しているので、ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができる。ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができるため、反射装置4のヒンジ部30の長さをより短くすることができる。図13からも明らかなように、肉抜き部となる4つの開口部144a、144bは、ミラー部10を中心にして、対称となるように形成されている。実施形態4の反射装置4においても、ヒンジ部30の揺動軸100に平行な長さの寸法を28mm以下とすることできることも明らかとなった。
【0069】
<実施形態5>
図14は、実施形態5の反射装置5のミラー部10の表面側の平面図である。図14に示されるように、ミラー部10は、実施形態3と同様に上記「ミラー部2枚構成」を採用している。ミラー部10を構成する金属部の外枠形状と反射部18(ガラス基板)の形状は同一ではない。ミラー部10は、当該ミラー部10を構成している金属部の上部と下部が取り去られており、ヒンジ部30と直交して連結する左右2本のミラー部10を構成する金属材料と電磁駆動用磁石50をミラー部10に固定するための円形状の固定部を有している。
【0070】
このように実施形態5の反射装置5においては、ミラー部10の一部を肉抜きすることによって取り去って、上記固定部の周囲に設けられた肉抜き部となる2つの開口部146a、146bを形成しているので、ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができる。ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができるため、反射装置5のヒンジ部30の長さをより短くすることができる。図14からも明らかなように、肉抜き部となる4つの開口部146a、146bは、ミラー部10を中心にして、対称となるように形成されている。実施形態5の反射装置5においても、ヒンジ部30の揺動軸100に平行な長さの寸法を28mm以下とすることできることも明らかとなった。
【0071】
<実施形態6>
図15は、実施形態6の反射装置6のミラー部の表面側の平面図である。図15に示されるように、実施形態3と同様に上記「ミラー部2枚構成」を採用している。ミラー部10は、当該ミラー部10を構成している金属部が電磁駆動用磁石50をミラー部10に固定するための円形状の固定部のみとなっている。このように実施形態6の反射装置6においては、上記固定部の周囲を肉抜き部とすることによって、ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができる。ミラー部10の質量Mを大幅に軽減することができるため、反射装置6のヒンジ部30の長さをより短くすることができる。実施形態6の反射装置6においても、ヒンジ部30の揺動軸100に平行な長さの寸法を28mm以下とすることできることも明らかとなった。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は、全て本発明の適用範囲である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の反射装置は、ミラー面積が大きく、広角走査が可能な小型化された反射装置であるので、光走査装置である測距センサとしての利用が期待される。また、本発明の反射装置は、特に、車載LiDARに好適な仕様を備えた小型化された反射装置であるので自動車関連産業、自動車電装関連産業において利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1〜6 反射装置
10 ミラー部
12 ミラー部表面
14 ミラー部裏面
16 凹部(肉抜き部)
18 ガラス基板
20 支持フレーム
30 ヒンジ部
40 揺動部
50 電磁駆動用磁石
60 コイル
100 揺動軸
140 電磁駆動用磁石受け凹部
142a〜d 開口部(肉抜き部)
144a、b 開口部(肉抜き部)
146a、b 開口部(肉抜き部)
148 開口部
182 反射膜(アルミニウム薄膜)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15