【解決手段】実施形態の報告書出力制御装置は、主産物の製造を識別するための製造識別情報、主産物を識別するための製品識別情報及び主産物の製造数量情報を含む製品データと、主産物の製造において生成される副産物であって、販売可能あるいは他の製造に利用可能な副産物を識別するための副産物識別情報及び副産物の生成数量を含む副産物データと、を主産物の製造依頼元である得意先に対応づけて記憶可能な記憶部と、指定された得意先について製品データ及び副産物データを参照し、製造識別情報に対応する主産物の製造毎に副産物の在庫量データを含む報告書データを生成可能な制御部と、を備えることを特徴とする。
主産物の製造を識別するための製造識別情報、前記主産物を識別するための製品識別情報及び前記主産物の製造数量情報を含む製品データと、前記主産物の製造において生成される副産物であって、販売可能あるいは他の製造に利用可能な副産物を識別するための副産物識別情報及び前記副産物の生成数量を含む副産物データと、を前記主産物の製造依頼元である得意先に対応づけて記憶可能な記憶部と、
指定された前記得意先について前記製品データ及び前記副産物データを参照し、前記製造識別情報に対応する前記主産物の製造毎に前記副産物の在庫量データを含む報告書データを生成可能な制御部と、
を備えた報告書出力制御装置。
前記制御部は、前記得意先における前記主産物の製造において使用した、当該得意先における以前の製造で生成された前記副産物の使用量を使用量データとして前記報告書データに含めるとともに、前記副産物の使用量データに対応する使用量を反映させた前記副産物の在庫量を算出して前記在庫量データとする、
請求項1記載の報告書出力制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、報告書出力制御装置、報告書出力制御方法および報告書出力制御プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
従来、商社等においては、自己で製造設備を持たない化学製品などの製造においては、製造業者に製造を委託する委託製造が一般的に行われている。
ところで、化学製品などにおいては、主産物の製造工程において、別途販売あるいは他の製造において利用可能な副産物が生成される場合がある。
このような場合において、製造業者は、製造に際して、副産物の販売可能量あるいは他の製造における利用可能量などを報告することが望まれている。
【0018】
図1は、実施形態の報告書出力制御装置の概要構成ブロック図である。
報告書出力制御装置10は、各種情報を記憶する記憶部11と、報告書出力制御装置10全体の制御を行う制御部12と、通信ネットワークCNを介してサーバSV等の外部装置との間で通信を行うための通信インタフェース部13と、キーボード、タブレット、マウス、マイク、カメラなどの各種の入力装置IDあるいはプリンタ、ディスプレイ、スピーカなどの各種の出力装置ODとの間でインタフェース動作を行う入出力インタフェース部14と、を備えている。
【0019】
この場合において、報告書出力制御装置10は、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータとして構成されるが、これに限らず、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置の態様を採ることも可能である。
【0020】
通信インタフェース部13は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線のローカル通信ネットワークを介して、報告書出力制御装置10を通信ネットワークCNに通信可能に接続する。通信インタフェース部13は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
ここで、通信ネットワークCNは、報告書出力制御装置10とサーバSVとを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部11に格納されるデータは、サーバSVに格納されてもよい。
【0021】
記憶部11には、各種データベース、各種テーブル、及び各種ファイルなどが格納される。
記憶部11には、OS(Operating System)と協働してMPU(Micro Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部11として、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0022】
記憶部11は、例えば、
図1に示すように、製造の依頼元である得意先の情報が格納された得意先マスタ21と、製造品について情報が格納された製造品マスタ22と、製造品の明細が格納された製造品明細データベース(DB)23と、製造実績に関するデータを製造品毎に格納した製造実績データベース(DB)24と、出力用報告書データが格納された出力用報告書データベース(DB)25と、を備えている。
【0023】
図2は、得意先マスタのデータフォーマット例の説明図である。
得意先マスタ21は、得意先を特定するための得意先コード(得意先ID)が格納された得意先コードデータ31と、得意先コードに対応する得意先の名称が格納された得意先名データ32と、得意先コードに対応する得意先の連絡先、担当部署、担当者名等の各種の得意先に関する情報が格納された得意先情報データ33と、を備えている。
【0024】
図3は、製造品マスタのデータフォーマット例の説明図である。
製造品マスタ22は、得意先を特定するための得意先コード(得意先ID)が格納された得意先コードデータ41と、完成品としての製造品を特定するための完成品番コードを格納した完成品番コードデータ42と、完成品としての製造品名が格納された完成品番名データ43と、製造品の製造に必要な使用材料のリストが格納された使用材料データ44と、製造品の製造に伴って生成される副産物であって、販売又は製造に再利用可能な副産物あるいは副産物のリストが格納された副産物データ45と、を備えている。
【0025】
図4は、製造品明細データベースのデータフォーマット例の説明図である。
製造品明細データベース23は、完成品としての製造品を特定するための完成品番コードを格納した完成品番コードデータ51と、製造品の製造工程を特定するための工程データ52と、使用材料を特定するための使用品番コードが格納された使用品番コードデータ53と、使用材料の払出数が格納された払出数データ54と、使用材料に適用される規格を特定するための規格データ55と、使用材料の使用数量が格納された使用数量データ56と、使用材料の単位数量当たりの原価が格納された原価単価データ57と、使用材料を払い出した倉庫を特定するための払出倉庫データ58と、使用材料の払出原価を格納した払出原価データ59と、を備えている。
【0026】
図5は、製造実績データベースのデータフォーマット例の説明図である。
製造実績データベース24は、大別すると、完成した製品の情報である完成情報を格納した完成情報データ61と、使用材料の在庫に関する情報である使用在庫情報を格納した使用在庫情報データ62と、製造品の製造に伴って生成される副産物であって、販売又は製造に再利用可能な副産物の在庫に関する情報である副産物在庫情報データ63と、を備えている。
【0027】
完成情報データ61は、完成品としての製造品を特定するための完成品番コードを格納した完成品番コードデータ71と、完成品としての製造品名が格納された完成品番名データ72と、完成品としての製造品の製造数を格納した完成数データ73と、を備えている。
【0028】
使用在庫情報データ62は、使用材料を特定するための使用品番コードが格納された使用品番コードデータ75と、使用材料名を特定するための使用品番名が格納された使用品番名データ76と、使用材料の使用数を格納した使用数データ77と、を備えている。
なお、使用材料が複数ある場合には、使用在庫情報データ62には、使用品番コードデータ75、使用品番名データ76及び使用数データ77の組が複数組格納される。
【0029】
副産物在庫情報データ63は、販売あるいは製造において利用可能な副産物を特定するための副産物品番コードが格納された副産物品番コードデータ81と、副産物名を特定するための副産物品番名が格納された副産物品番名データ82と、副産物の生成数(発生数)を格納した発生数データ83と、を備えている。
なお、販売あるいは製造において利用可能な副産物が複数生成される場合には、副産物在庫情報データ63には、副産物品番コードデータ81、副産物品番名データ82及び発生数データ83の組が複数組格納される。
【0030】
制御部12は、報告書出力制御装置10を統括的に制御するマイクロプロセッサ等として構成されている。
制御部12は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0031】
制御部12は、本実施形態の要部機能的には、大別すると、記憶部11を参照して報告書データを作成する報告書データ作成部91と、報告書データ作成部91が作成した報告書データに基づいて出力用報告書データを作成する出力用報告書データ作成部92と、出力用報告書データに基づく表示等の各種表示を実行する表示実行部93と、出力用報告書データに基づく印刷等の各種印刷を実行する印刷実行部94と、を備えている。
【0032】
次に実施形態の処理の具体例について説明する。
以下の説明においては、得意先に対して原料X(支給原料X:品番コード=S001)を支給されて、製品Aの製造を行う場合について説明する。
この場合において、製品A(主産物)を製造するには、原料Xの他に化学品Y(品番コード=K001)、化学品Z(品番コード=K002)及び当該製品Aの製造時に生成される副産物と同一の副産物F(品番コード=F001)が用いられるものとし、初めて製品Aを製造する場合を例として説明を行う。
【0033】
まずは、製造品に関する情報の登録処理について説明する。
図6は、製造品明細登録処理の処理フローチャートである。
制御部12は、入出力インタフェース部14を介して、モニタなどの出力装置ODにオペレータに製造品明細登録の処理を促す。
これにより、オペレータは、キーボード、マウス等の入力装置IDを介して製造品情報登録処理を行う(ステップS11)。
【0034】
図7は、製造品明細登録画面の一例の説明図である。
製造品明細登録画面100は、大別すると、完成品としての製造品の情報を入力する製造品情報入力領域101と、製造品の製造に必要な使用材料(使用原料)に関する情報を入力する使用材料リスト入力領域102と、製造品である主産物の製造時に生成される副産物であって、販売あるいは他の製造に利用可能な副産物に関する情報を入力する副産物入力領域103と、を備えて構成されている。
【0035】
そしてオペレータは、製造品情報入力領域101の商品コード入力欄105に完成品番コード(
図7の例の場合、完成品番コード=A001)を入力する。この結果、商品名表示欄106には完成品番コードに対応する商品名(
図7の例の場合、商品名=製品A)が表示される。
【0036】
オペレータは、商品コード及び商品名を確認し、問題なければ、キーボード、マウス等の入力装置IDを介して荷姿(箱、瓶等)、入数(例えば、一箱10個入り)、荷数、バラ数等の製造品情報を入力する。
【0037】
製造品情報入力領域101に対する入力処理と並行して制御部12は、オペレータが使用材料リスト入力領域102あるいは副産物入力領域103の入力操作に移行するための操作を行ったか否か(例えば、対応領域をマウス等でクリック操作を行ったか否か)を監視し、払出登録に移行するか否かを判別する(ステップS12)。
【0038】
ステップS12の判別において、使用材料リスト入力領域102における入力移行操作を行った場合、すなわち、オペレータが払出登録に移行することを望んでいると判別された場合には(ステップS12;Yes)、制御部12は、得意先コード及び完成品番コードに基づいて製造品マスタ22を参照し、使用材料データ44に基づいて使用材料リスト入力領域102に使用材料を表示し、オペレータに必要数値等の入力を促し、払出登録処理を行わせる(ステップS13)。
【0039】
図7の例の場合には、製品A(主産物)を製造するには、得意先から支給された支給原料Xに加えて化学品Y(品番コード=K001)、化学品Z(品番コード=K002)及び当該製品Aの製造時に生成される副産物と同一の副産物F(品番コード=F001)の払い出しが必要となる。
【0040】
そこで、制御部12は、使用材料リスト入力領域102に完成品番コード=A001及び完成品番コードに対応する商品名=製品Aを表示するととともに、使用材料リストとして、支給原料X、化学品Y、化学品Z及び副産物Fを表示する。
【0041】
これにより、オペレータは、支給原料X、化学品Y、化学品Z及び副産物Fのそれぞれの払出量を入力する。
【0042】
図8は、払出登録画面の一例の説明図である。
具体的には、使用材料リスト入力領域102において、払出量を入力しようとする使用材料の表示位置に対しマウスのクリック操作等を行うと、材料毎の払出入力画面110に移行する。
【0043】
払出入力画面110においては、商品名表示領域111に払出量入力対象の使用材料の使用材料コード(
図8の例の場合、品番コード=K001)が表示され、商品名表示領域112に使用材料名(
図8の例の場合、化学品Y)が表示される。
したがって、オペレータは、使用材料数量を変更する場合には、数量入力領域113に所望数量を入力することとなる。
【0044】
なお、この場合において、主産物である製造品及び支給原料Xの使用量が入力された段階で、その他の使用材料については、自動的に払出可能量の範囲内で、払出必要量が表示されるようにしてもよい。例えば、
図7の例においては、支給原料Xの払出量が100kgと入力されることで、化学品Yの払出必要量が1kg、化学品Zの払出必要量が2kgとされるようにしてもよい。なお、その他の使用材料において、払出可能量が払出必要量を下回る場合には、その旨を表示するようにしても良い。
また、この段階では、得意先における製品Aの製造が初めてであるので、以前における製品Aの製造に伴う副産物Fは存在しないので、払出量は0kgとなっている。
【0045】
使用材料リスト入力領域102における入力が終了すると、制御部12は、登録処理が終了したか否かを判別する(ステップS14)。
ステップS14の判別において、登録処理が終了した場合には処理を終了する。
ステップS14の判別において、未だ登録処理が終了していない場合には、すなわち、オペレータが登録処理の終了を指示していない場合には(ステップS14;No)、制御部12は、処理を再びステップS11に移行し、さらに払出登録に移行するか否かを判別する(ステップS12)。
【0046】
ステップS12の判別において、払出登録に移行しないと判別された場合には、制御部12は、副産物登録に移行する指示をオペレータが行ったか否かを判別する(ステップS15)。
【0047】
ステップS15の判別において、副産物登録に移行する指示をオペレータが行っていないと判別された場合には(ステップS15;No)、制御部12は、処理を再びステップS11に移行する。
【0048】
ステップS15の判別において副産物登録に移行する指示をオペレータが行った場合には(ステップS15;Yes)、制御部12は、得意先コード及び完成品番コードに基づいて製造品マスタ22を参照し、副産物データ45に基づいて副産物リスト入力領域103に副産物を表示し、オペレータに必要数値等の入力を促し、副産物登録処理を行わせる(ステップS16)。そして副産物登録処理がなされた場合には処理を再びステップS14に移行して登録処理の終了か否かを判別する。
【0049】
ここで、副産物登録処理についてより詳細に説明する。
図9は、副産物登録画面の一例の説明図である。
具体的には、副産物入力領域103において、生成量(発生量)を入力しようとする副産物の表示位置に対しマウスのクリック操作等を行うと、副産物登録画面120に移行する。
【0050】
副産物登録画面においては、商品名表示領域121に登録対象の副産物の品番コード(
図9の例の場合、品番コード=F001)が表示され、商品名表示領域122に副産物名(
図9の例の場合、副産物F)が表示される。
したがって、オペレータは、副産物の生成量を入力する場合には、数量入力領域113に所望数量(
図9の例の場合、13kg)を入力することとなる。
【0051】
図10は、製造実績データの一例の説明図である。
まず、製品Aの初回製造時の製造実績データについて説明する。
製品Aの初回製造時の製造実績データである製造実績番号=SZ001に対応する製造実績データによれば、製品Aの初回製造時においては、完成情報データに基づけば、完成品番コード=A001の製品Aが90kg製造されたことが分かる。
【0052】
また、使用在庫情報データによれば、製品Aの製造に払い出すべき原料としては、使用品番コード=S001の支給原料Xが100kg、使用品番コード=K001の化学品Yが1kg、使用品番コード=K002の化学品Zが2kg及び使用品番コード=F001の副産物Fが0kgであったことが分かる。
【0053】
ここで、使用品番コード=F001の副産物Fが0kgとなっているのは、今回が初回の製造であるため、在庫としては副産物Fが全くないからである。したがって、実際の製造においては、別途買い入れるなどにより副産物Fと同一の原料を手に入れる必要があったということである。
また、副産物在庫情報データに基づけば、製品Aの初回の製造によって、生成された副産物品番コード=F001の副産物Fが13kg在庫となったことが分かる。
【0054】
次に製品Aの第2回目の製造時の製造実績データについて説明する。
製品Aの第2回目の製造時の製造実績データである製造実績番号=SZ002に対応する製造実績データによれば、製品Aの第2回目の製造時においては、完成情報データに基づけば、完成品番コード=A001の製品Aが106kg製造されたことが分かる。
【0055】
また、使用在庫情報データによれば、製品Aの製造に払い出すべき原料としては、使用品番コード=S001の支給原料Xが110kg、使用品番コード=K001の化学品Yが1kg、使用品番コード=K002の化学品Zが2kg及び使用品番コード=F001の副産物Fが13kgであったことが分かる。
【0056】
ここで、使用品番コード=F001の副産物Fが13kgとなっているのは、前回の製造(この場合は、初回の製造)において、生成された副産物Fを全て払い出していることを示している。
また、副産物在庫情報データに基づけば、製品Aの第2回目(今回)の製造によって、生成された副産物品番コード=F001の副産物Fが20kg在庫となったことが分かる。
【0057】
次に支給原料に対応する製造の加工報告書の出力について説明する。
図11は、報告書としての加工報告書の出力処理の処理フローチャートである。
以下の説明においては、特定の得意先及び当該得意先から支給された原料(支給原料)を指定して加工報告書を出力する場合を例とするが、出力したい加工報告書によって、様々な条件設定を行うことが可能である。例えば、複数の得意先を指定したり、複数の原料を指定したり、一又は複数の副産物を指定したり、各条件の論理積、論理和などを用いることも可能である。
【0058】
入力装置IDを介して、例えば、所望の得意先(顧客)に対応する支給原料を用いた製品Aについての報告書(加工報告書)の出力を指示する場合には、オペレータは、当該得意先を入力し(ステップS21)、必要に応じて支給原料を指定する(ステップS22)。
【0059】
ここでは、理解の容易のため、所望の得意先(顧客)については、製造実績データとしては、製造実績番号=SZ001及び製造実績番号=SZ002の2つの製造実績データのみであったものとする。
【0060】
これにより制御部12は、記憶部11の製造実績データベース24を参照して所望の得意先(顧客)対応する製品Aに対応する製造実績データを参照し(ステップS23)、製造実績番号=SZ001及び製造実績番号=SZ002の2つの製造実績データに対応する完成情報データ61、使用在庫情報データ62及び副産物在庫情報データ63を製造実績データベース24から抽出する。
【0061】
さらに制御部12は、製造実績毎、すなわち、製造実績番号毎に完成情報データ61から完成品番名データ72及び完成数データ73を抽出し、使用在庫情報データ62から支給原料に対応する使用品番名データ76、支給原料に対応する使用数データ77、副産物に対応する使用品番コードデータ75及び副産物に対応する使用数データ77を抽出し、副産物在庫情報データ63から副産物に対応する使用品番コードに対応する副産物品番名データ82及び発生数データ83を抽出する。
続いて、制御部12は、報告書データ作成部91として機能し、加工報告書データを作成する(ステップS24)。
【0062】
図12は、加工報告書データのデータフォーマット及び具体例の一例の説明図である。
加工報告書データ130は、製造実績を特定するための製造実績番号を格納した製造実績番号データ131、得られる製造品の製品名を格納した製品名データ132、得られた製造品の量(数)を格納した製品完成数データ133、製造品の製造のために得意先から支給された原料名を格納した支給原料名データ134、製造品の製造のために得意先から支給された原料の量(数)を格納した支給数データ135、前回以前の製造において生成された副産物であって、当該製造品の製造に用いた副産物(仕掛原料)の名称(仕掛原料名)を格納した仕掛原料名データ136、当該製造品の製造に用いた副産物(仕掛原料)の使用量(数)を格納した仕掛使用数データ137及び当該製造品の製造後に残っている副産物(仕掛原料)の残量を格納した原料残データ138を備えている。
【0063】
具体的には、製造実績番号=SZ001の場合には、得られた製造品の製品名=製品Aであり、得られた製造品の量(数)は90kgであり、製造品の製造のために得意先から支給された原料名は支給原料Xであり、得意先から支給された原料の量(数)は100kgであり、仕掛原料名は副産物Fであり、仕掛原料の使用量(数)は0kgであり、当該製造品の製造後に残っている仕掛原料の残量(在庫)は13kgとなっている。
【0064】
続いて、制御部12は、出力用報告書データ作成部92として機能し、得られた加工報告書データ130に基づいて、出力用報告書データを生成し、出力用報告書データベース25に格納する(ステップS25)。
【0065】
図13は、加工報告書の出力例の説明図である。
加工報告書140は、得意先名が表示される得意先名表示部141と、加工報告書の報告日、報告担当会社、報告担当部署、報告担当者名などの書誌的事項を表示する書誌事項表示部142と、加工報告書データ130に基づく、加工報告詳細リスト部143と、を備えている。
【0066】
この加工報告書140の出力は、制御部12により出力処理で実行される(ステップS26)。
具体的には、制御部12の表示実行部93により、ディスプレイ等の表示画面に表示され、あるいは、印刷実行部94によりプリントアウトされる。
【0067】
以上の説明のように、本実施形態によれば、主産物の製造に利用可能な副産物の在庫があるにもかかわらず、副産物と同一の材料を主産物の製造時に誤発注してしまうことを抑制でき、材料の有効利用が図れ、製造コストの上昇を抑制できる。
特に委託を受けて主産物の製造を行う場合に、契約外の材料発注を未然に防止することが可能となる。
【0068】
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0069】
以上の説明においては、副産物を同一の主産物の原料として用いる場合について説明したが、他の主産物の原料として用いたり、販売したりするような場合であっても、同様に報告書に反映することが可能である。
【0070】
また、以上の説明においては、報告書をプリントアウトする場合について説明したが、表計算ソフトウェア用のデータとして出力する場合のように、ファイル出力する場合についても同様に適用が可能である。すなわち、報告書の出力態様は限定されるものでは無い。
【0071】
また、例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0072】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いてその目的の範囲で、任意に変更することができる。
【0073】
また、報告書出力制御装置10に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0074】
例えば、報告書出力制御装置10が備える処理機能、特に制御部12にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、MPU(CPU)および当該MPU(CPU)にて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて報告書出力制御装置10に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してMPU(CPU)に命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、MPU(CPU)と協働して制御部を構成する。
【0075】
また、このコンピュータプログラムは、報告書出力制御装置10に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0076】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0077】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0078】
記憶部11に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0079】
また、報告書出力制御装置10は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、報告書出力制御装置10は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0080】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。