【解決手段】情報処理装置であって、運転者が所持する携帯端末から前記運転者を識別する識別情報を取得する識別情報取得部と、前記携帯端末から位置情報を取得する位置情報取得部と、取得した前記位置情報に基づいて、前記運転者の運転を診断する運転診断部と、診断結果に応じて、前記運転者の自動車保険の契約時の割引率を導出する割引率導出部と、を備えた。
前記運転診断手段は、取得した前記位置情報に基づいて、前記運転者の運転する車両の走行データを推定する走行データ推定手段をさらに備える請求項1または2に記載の情報処理装置。
前記割引率に基づいて、前記運転者の自動車保険の契約に関する契約情報を生成する契約情報生成手段をさらに備えた請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、保険加入者による不正な運転診断による保険加入を効果的に抑制することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
運転者が所持する携帯端末から前記運転者を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記携帯端末から位置情報を取得する位置情報取得手段と、
取得した前記位置情報に基づいて、前記運転者の運転を診断する運転診断手段と、
診断結果に応じて、前記運転者の自動車保険の契約時の割引率を導出する割引率導出手段と、
を備えた。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、
運転者が所持する携帯端末から前記運転者を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記携帯端末から位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
取得した前記位置情報に基づいて、前記運転者の運転を診断する運転診断ステップと、
診断結果に応じて、前記運転者の自動車保険の契約時の割引率を導出する割引率導出ステップと、
を含む。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理プログラムは、
運転者が所持する携帯端末から前記運転者を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記携帯端末から位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
取得した前記位置情報に基づいて、前記運転者の運転を診断する運転診断ステップと、
診断結果に応じて、前記運転者の自動車保険の契約時の割引率を導出する割引率導出ステップと、
をコンピュータに実行させる。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理システムは、
運転者が所持する携帯端末と、
前記携帯端末により運転者を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記携帯端末により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
取得した前記位置情報に基づいて、前記運転者の運転を診断する運転診断手段と、
診断結果に応じて、前記運転者の自動車保険の契約時の割引率を導出する割引率導出手段と、
を備えた。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、保険加入者による不正な運転診断による保険加入を効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理装置100について、
図1を用いて説明する。情報処理装置100は、運転者の運転を診断して、保険料の割引率を導出する装置である。
【0014】
図1に示すように、情報処理装置100は、識別情報取得部101、位置情報取得部102、運転診断部103および割引率導出部104を含む。識別情報取得部101は、運転者が所持する携帯端末から運転者を識別する識別情報を取得する。位置情報取得部102は、携帯端末から位置情報を取得する。運転診断部103は、取得した位置情報に基づいて、運転者の運転を診断する。割引率導出部104は、診断結果に応じて、運転者の自動車保険の契約時の割引率を導出する。
【0015】
本実施形態によれば、保険加入者による不正な運転診断による保険加入を効果的に抑制することができる。
【0016】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理システムについて、
図2乃至
図6を用いて説明する。
図2は、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムによる処理の概要を説明する図である。
【0017】
情報処理システム200は、情報処理装置210と携帯端末220とを含む。情報処理システム200は、運転者が自動車保険に加入する前に運転診断を受け、その運転診断に基づいて、運転者の自動車保険の割引率を導出するシステムである。運転者が運転診断を受けるタイミングは、自動車保険に加入する前には限定されず、例えば、自動車保険加入後のタイミングであってもよい。また、割引率は、例えば、保険の契約時や加入時の保険料や掛金などの割引率であるが、保険の契約後や加入後の保険料や掛金などであってもよい。
【0018】
まず、保険に加入しようとする運転者は、ステップS201において、情報処理システム200の提供するアプリケーションをダウンロードして、自らの所持するスマートフォンなどの携帯端末220にインストールする。
【0019】
そして、ステップS203において、運転者の運転を診断して、保険加入の際には診断結果に応じた割引率の適用を受けられる「割引チャレンジ」に参加するために、運転者は、携帯端末220の表示画面に表示された「チャレンジ」ボタンをタップする。運転者が「チャレンジ」ボタンをタップすると、携帯端末220の画面が、運転免許証番号などの入力画面へ遷移するので、運転者は運転免許証番号などの個人を特定可能な情報を入力する。その後、注意事項や免責事項などが表示されるので、運転者が、注意事項などの同意確認ボタンをタップすれば、「割引チャレンジ」が開始される。
【0020】
ステップS205において、携帯端末220は、割引チャレンジ参加期間中の、例えば、所定の期間の走行データを情報処理装置210に送信する。走行データは、例えば、運転者が所持する携帯端末220に含まれるGPS(Global Positioning System)などの位置情報計測部が計測した位置情報である。所定の期間は、運転者の運転の診断に必要な期間であり、例えば、秒単位、分単位、時間単位、日単位、週単位、月単位、年単位などであるが、これらには限定されない。
【0021】
ステップS207において、情報処理装置210は、携帯端末220から取得した位置情報から運転診断に必要な期間の位置情報を抽出して、運転診断を行う。また、情報処理装置210は、運転診断に必要な期間の位置情報だけを携帯端末220から取得してもよい。運転診断は、運転者の運転操作や車両の挙動などに基づいて行われる。具体的には、情報処理装置210は、取得した位置情報から、加速時および減速時の運転操作や、右折時および左折時の運転操作、加速時および減速時の車両の走行データや車両の挙動、右折時および左折時の車両の走行データや車両の挙動などに基づいて、運転診断を行う。
【0022】
ステップS209において、情報処理装置210は、運転診断を行った診断結果に基づいて、スコアを導出する。スコアの導出は、例えば、診断結果からスコアを算出するための計算式に当てはめて導出してもよいし、診断結果とスコアとの対応関係を記憶したデータベースなどを参照してスコアを導出してもよい。
【0023】
そして、ステップS211において、情報処理装置210は、診断結果に応じた割引率、例えば、運転者のスコアや運転特性に応じた自動車保険の保険料や掛金などの割引率を導出する。
【0024】
ステップS213において、情報処理装置210は、携帯端末220に導出した割引率を報知し、携帯端末220はディスプレイなどに情報処理装置210から報知された割引率を表示する。また、情報処理装置210は、例えば、保険代理店に割引率を報知してもよい。
【0025】
ステップS215において、情報処理装置210は、導出した割引率に基づいて契約情報を生成し、生成した契約情報を運転者に提示する。契約情報は、例えば、割引の有無や割引率、免許証番号、申込専用コードなどの自動車保険の契約に必要な情報である。また、情報処理装置210は、生成した契約情報に基づいて、契約書を作成して、運転者に提示してもよい。これにより、運転者は、運転診断に基づいた割引率が適用された保険料で自動車保険に加入することができる。
【0026】
なお、情報処理システム200においては、カーナビゲーションシステムやドライブレコーダなどの車載端末などを用いずに、運転者の所持する携帯端末220を用いるので、例えば、保険の加入前であっても、運転者は気軽に運転診断を受けることができる。さらに、運転診断の結果いかんによっては、より有利な保険料の割引率の適用が受けられるため、保険会社側も新たな保険加入者の獲得が期待できる。
【0027】
情報処理システム200を用いて、運転診断の結果に応じた保険料割引を導入することにより、保険加入を検討している運転者にとって納得感のある保険料を実現できる。また、情報処理システム200を用いることにより、運転者がより有利な割引率を得ようとするので、安全運転の促進を図ることも可能となり、ひいては、事故の無い社会の実現を支援することもできる。
【0028】
また、近年では自動車を所有せずに、必要な場合にレンタカーやカーシェアリングなどを利用するユーザが若年層を中心に拡大している。このような現状において、安全運転の実績を持ちながらも、初めて自動車保険に加入する場合には、保険料が高額になるケースが多く、高額な保険料の負担がネックとなって自動車の所有を控える理由の一つと言われている。情報処理システム200が提供する「割引チャレンジ」は、このような現状において、自動車を所有しないユーザに対して、自動車購入における障壁の一つを低くすることができるので、自動車購入者の増加に伴い、新たな保険加入者の増加にもつながる。
【0029】
さらに、運転者個人と非常に結びつきの強いスマートフォンなどの携帯端末220を用いて運転診断を行うので、成りすましによる、不正な診断結果を悪用した保険加入を効果的に防止することができる。つまり、スマートフォンなどには、運転者個人に関する様々な情報が入っているので、有利な割引率を得ようとする人物であっても、自身のスマートフォンを他人に貸与してまで、不正行為を行おうとすることには躊躇する可能性がある。よって、スマートフォンなどの携帯端末220を用いれば、成りすましのような不正行為を未然に防止できる可能性が飛躍的に高まる。
【0030】
図3は、本実施形態に係る情報処理システム200の構成を示すブロック図である。情報処理システム200は、情報処理装置210および携帯端末220を含む。情報処理装置210と携帯端末220とは、相互に通信可能となっている。
【0031】
情報処理装置210は、識別情報取得部311、位置情報取得部312、運転診断部313、割引率導出部314、記憶部316および契約情報生成部317を有する。さらに、運転診断部313は、運転操作推定部315を有する。
【0032】
識別情報取得部311は、車両の運転者を識別する識別情報を取得する。識別情報の取得は、例えば、運転者が、携帯端末220を操作して入力したデータを、携帯端末220から取得してもよい。また、識別情報の取得は、あらかじめデータベースなどに登録されたデータから取得してもよい。ここで、識別情報は、例えば、運転者の氏名、運転免許証番号などが代表的であるが、運転者を識別できる情報であれば、これらの情報には限定されない。
【0033】
位置情報取得部312は、運転者が所持する携帯端末220の位置情報を取得する。位置情報の取得は、リアルタイムで取得してもよいし、所定のタイミングで一定期間の位置情報を取得してもよい。取得する位置情報は、運転者の運転の診断に必要な所定の期間の位置情報である。
【0034】
運転診断部313は、取得した所定の期間の位置情報に基づいて、運転者の運転を診断する。運転操作推定部315は、運転者の運転操作を推定する。運転操作推定部315は、例えば、取得した位置情報の時間変化などから運転者がどのような運転操作をしたかを推定する。推定する運転操作は、例えば、発進時および停止時の操作や、加速および減速の操作、右折および左折の操作などであるが、これらには限定されない。診断結果は、例えば、スコア化してもよい。
【0035】
割引率導出部314は、運転診断部313による運転診断の結果に応じて、運転者の自動車保険の契約時の割引率を導出する。割引率は、例えば、スコアに応じて、あらかじめ10%〜30%などと決められていてもよい。導出する割引率は、自動車保険の契約時の割引率には限定されず、保険契約後の割引率であってもよい。
【0036】
記憶部316は、診断結果と割引率との関係を記憶する。そして、割引率導出部314は、記憶部316を参照して自動車保険の契約時の割引率を導出する。
【0037】
契約情報生成部317は、割引率導出部314が導出した割引率に基づいて、運転者の自動車保険の契約に関する契約情報を生成する。契約情報は、割引の有無や割引率、免許証番号、申込専用コードなどの他に、例えば、月々の保険料や補償内容、保険金額などを含む情報である。
【0038】
携帯端末220は、位置情報計測部321および位置情報送信部322を有する。位置情報計測部321は、GPSシステムなどの位置を計測するシステムであり、携帯端末220の位置を計測する。なお、携帯端末220の位置の計測は、GPSシステムを用いる方法には限定されず、例えば、ビーコンやWiFiなどの電波を利用した方法により携帯端末220の位置を計測してもよい。
【0039】
位置情報送信部322は、位置情報計測部321で計測した携帯端末220の位置情報を情報処理装置210へ送信する。情報処理装置210への位置情報の送信は、リアルタイムで送信してもよいし、蓄積された一定期間の位置情報のデータを所定のタイミングで送信してもよい。
【0040】
図4は、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる情報処理装置210の備える割引率テーブル401の一例を示す図である。割引率テーブル401は、運転者ID(Identifier)411に関連付けて、端末ID412、位置情報413、運転操作414、診断結果415および割引率416を記憶する。
【0041】
運転者ID411は、運転者を識別するための識別子である。端末ID412は、運転者の所持するスマートフォンなどの携帯端末を識別するための識別子である。位置情報413は、運転者の所持する携帯端末220から取得した位置に関する情報である。運転操作414は、位置情報413から推定した車両の運転者の運転操作である。診断結果415は、運転者の運転を診断した結果である。割引率416は、診断結果から導出された、自動車保険の保険料などの割引率である。
【0042】
図5は、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる情報処理装置210のハードウェア構成を示す図である。CPU(Central Processing Unit)510は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで
図3の情報処理装置210の機能構成部を実現する。ROM(Read Only Memory)520は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびその他のプログラムを記憶する。また、ネットワークインタフェース530は、ネットワークを介して他の装置などと通信する。なお、CPU510は1つに限定されず、複数のCPUであっても、あるいは画像処理用のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。また、ネットワークインタフェース530は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM(Random Access Memory)540の領域に送受信データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。また、RAM540とストレージ550との間でデータを転送するDMAC(Direct Memory Access Controller)を設けるのが望ましい(図示なし)。さらに、入出力インタフェース560は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM540の領域に入出力データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。したがって、CPU510は、RAM540にデータが受信あるいは転送されたことを認識してデータを処理する。また、CPU510は、処理結果をRAM540に準備し、後の送信あるいは転送はネットワークインタフェース530やDMAC、あるいは入出力インタフェース560に任せる。
【0043】
RAM540は、CPU510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM540には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。識別情報541は、運転者を識別するための情報である。位置情報542は、携帯端末220から取得した位置に関する情報である。運転操作543は、取得した位置情報から推定した運転者の運転操作である。診断結果544は、運転者の運転を診断した結果である。割引率545は、診断結果に応じて導出された自動車保険の保険料の割引率である。端末ID546は、運転者の所持するスマートフォンなどの携帯端末を識別する情報である。これらのデータは例えば、割引率テーブル401から展開される。
【0044】
入出力データ547は、入出力インタフェース560を介して入出力されるデータである。送受信データ548は、ネットワークインタフェース530を介して送受信されるデータである。また、RAM540は、各種アプリケーションモジュールを実行するためのアプリケーション実行領域549を有する。
【0045】
ストレージ550には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ550は、割引率テーブル401を格納する。割引率テーブル401は、
図4に示した、位置情報413と割引率416などとの関係を管理するテーブルである。ストレージ550は、さらに、識別情報取得モジュール551、位置情報取得モジュール552、運転診断モジュール553、割引率導出モジュール554、運転操作推定モジュール555、記憶モジュール556および契約情報生成モジュール557を格納する。
【0046】
識別情報取得モジュール551は、運転者を識別する情報を取得するモジュールである。位置情報取得モジュール552は、運転者が所持する携帯端末220の位置情報を取得するモジュールである。運転診断モジュール553は、取得した位置情報の時間変化などに基づいて、運転者の運転を診断するモジュールである。割引率導出モジュール554は、運転者の運転診断の結果に応じて、保険料の割引率を導出するモジュールである。運転操作推定モジュール555は、位置情報に基づいて、運転者の運転操作を推定するモジュールである。記憶モジュール556は、割引率に関する情報と識別情報とを記憶するモジュールである。契約情報生成モジュール557は、導出した割引率に基づいて、保険の契約に関する情報を生成するモジュールである。これらのモジュール551〜557は、CPU510によりRAM540のアプリケーション実行領域549に読み出され、実行される。制御プログラム558は、情報処理装置210の全体を制御するためのプログラムである。
【0047】
入出力インタフェース560は、入出力機器との入出力データをインタフェースする。入出力インタフェース560には、表示部561、操作部562、が接続される。また、入出力インタフェース560には、さらに、記憶媒体564が接続されてもよい。さらに、音声出力部であるスピーカ563や、音声入力部であるマイク、あるいは、GPS位置判定部が接続されてもよい。なお、
図5に示したRAM540やストレージ550には、情報処理装置210が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0048】
図6は、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる情報処理装置210の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、CPU510がRAM540を使用して実行し、
図3の情報処理装置210の機能構成部を実現する。
【0049】
ステップS601において、情報処理装置210は、運転者が、情報処理システム200の提供するアプリケーションを起動して、システムにログインしたか否かを判断する。システムにログインしていないと判断した場合(ステップS601のNO)、情報処理装置210は、運転者がシステムにログインするのを待機する。システムにログインしたと判断した場合(ステップS601のYES)、情報処理装置210は、ステップS603へ進む。
【0050】
ステップS603において、情報処理装置210は、システムにログインした運転者が「割引チャレンジ」のチャレンジ期間内であるか否かを判断する。チャレンジ期間内でないと判断した場合(ステップS603のNO)、情報処理装置210は、ステップS621へ進み、その他の操作を実行する。チャレンジ期間内であると判断した場合(ステップS603のYES)、情報処理装置210は、ステップS605へ進む。
【0051】
ステップS605において、情報処理装置210は、「割引チャレンジ」についての注意事項についての運転者の同意があるか否かを判断する。運転者の同意がないと判断した場合(ステップS605のNO)、情報処理装置210は、ステップS621へと進み、その他の操作を実行する。運転者の同意があると判断した場合(ステップS605のYES)、情報処理装置210は、ステップS607に進む。
【0052】
ステップS607において、情報処理装置210は、運転者を識別する識別情報を取得する。情報処理装置210は、例えば、運転者が所持する携帯端末220を用いて入力した識別情報を取得する。識別情報は、例えば、運転者の氏名や免許証番号などである。
【0053】
ステップS609において、情報処理装置210は、運転者の所持する携帯端末220から位置情報を取得する。情報処理装置210は、運転者の運転の診断が可能な期間、例えば、運転者が「割引チャレンジ」に参加してから所定の期間の位置情報を取得する。
【0054】
ステップS611において、情報処理装置210は、位置情報の時間変化などに基づいて、運転者の運転操作を推定する。推定する運転操作は、例えば、加速時および減速時の運転操作、右折時および左折時の運転操作などである。
【0055】
ステップS613において、情報処理装置210は、推定した運転操作に基づいて、運転者の運転を診断する。情報処理装置210は、例えば、診断結果をスコア化しても、運転者に報知してもよい。
【0056】
ステップS615において、情報処理装置210は、運転者の運転の診断結果に応じて、割引率を導出する。情報処理装置210は、例えば、導出した割引率を運転者や保険代理店などに報知してもよい。
【0057】
ステップS617において、情報処理装置210は、導出した割引率に基づいて、運転者の自動車保険の契約に関する契約情報を生成する。情報処理装置210は、例えば、生成した契約情報を運転者や保険代理店などに報知してもよい。
【0058】
本実施形態によれば、保険加入前に運転診断を受けることができるので、自動車保険の加入履歴がない保険の新規加入者であっても、保険料の割引を受けることができる。また、保険の新規加入者であっても保険料などの割引を受けることができるので、保険の加入者を効果的に増やすことができる。さらに、個人と結びつきの強い携帯端末などの位置情報を利用するので、本人確認の信頼性が高くなり、不正な運転診断による、不正な割引率の適用を受けた保険加入を効果的に防止することができる。
【0059】
また、車載端末などを用いずに、携帯端末の位置情報に基づいて、運転者の運転操作を推定して割引率を導出するシステムであるので、保険の新規加入者は、容易に「割引チャレンジ」に参加することができる。さらに、保険会社側も、車載端末を用いないので、携帯端末用のアプリケーションを提供すれば、新規加入者の獲得を見込むことができる。また、運転者の運転操作に基づいて、運転診断を行い、割引率を導出するので、保険加入者にとって納得感の割引率を提案することができる。
【0060】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る情報処理システムについて、
図7乃至
図10を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る情報処理システムの構成を説明するための図である。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態と比べると、情報処理装置の運転診断部が運転操作推定部の代わりに走行データ推定部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0061】
情報処理装置710の運転診断部313は、走行データ推定部711を有する。走行データ推定部711は、取得した位置情報に基づいて、車両の走行データを推定する。車両の走行データは、例えば、速度や加速度、ハンドル舵角などであるが、これらには限定されない。具体的には、走行データ推定部711は、位置情報の時間変化などから、車両の速度や加速度、ハンドル舵角などの走行データを推定する。走行データは、具体的には、発進時および停止時の走行データや、加速時および減速時の走行データ、右折時および左折時の走行データなどであるが、これらには限定されない。例えば、走行データは、どのような道路形状や、どのような道路種別(高速道路、一般道、一方通行路など)の道路を走行したかを含んでもよい。そして、運転診断部313は、推定した走行データに基づいて、運転者の運転を診断する。
【0062】
図8は、本実施形態に係る情報処理システム700に含まれる情報処理装置710の備える割引率テーブル801の一例を示す図である。割引率テーブル801は、運転者ID411に関連付けて走行データ811を記憶する。走行データ811は、取得した位置情報の時間変化などに基づいて推定された車両の走行時の各種データである。そして、割引率導出部314は、例えば、割引率テーブル801を参照して割引率を導出する。
【0063】
図9は、本実施形態に係る情報処理システム700に含まれる情報処理装置710のハードウェア構成を示す図である。CPU(Central Processing Unit)510は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで
図7の情報処理装置710の機能構成部を実現する。
【0064】
RAM940は、CPU510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM940には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。走行データ941は、位置情報413から推定した車両の走行データである。このデータは例えば、割引率テーブル801から展開される。
【0065】
ストレージ950には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ950は、割引率テーブル801を格納する。割引率テーブル801は、
図8に示した、走行データ811と割引率416などとの関係を管理するテーブルである。ストレージ950は、さらに、走行データ推定モジュール951を格納する。走行データ推定モジュール951は、位置情報の時間変化などから車両の走行データを推定するモジュールである。このモジュール951は、CPU510によりRAM940のアプリケーション実行領域549に読み出され、実行される。なお、
図9に示したRAM940やストレージ950には、情報処理装置710が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0066】
図10は、本実施形態に係る情報処理システム700に含まれる情報処理装置710の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、CPU510がRAM940を使用して実行し、
図7の情報処理装置710の機能構成部を実現する。ステップS1001において、情報処理装置710は、位置情報の時間変化などから車両の走行データを推定する。
【0067】
本実施形態によれば、車両の走行データを推定して運転診断を行うので、道路種別なども加味した割引率を導出することができる。
【0068】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0069】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。