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特開2018-147576蓋吊り下げ具、及び該蓋吊り下げ具を備えたカットアウト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-147576(P2018-147576A)
(43)【公開日】2018年9月20日
(54)【発明の名称】蓋吊り下げ具、及び該蓋吊り下げ具を備えたカットアウト
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/30 20060101AFI20180824BHJP
   H01H 85/042 20060101ALI20180824BHJP
【FI】
   H01H85/30
   H01H85/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-38375(P2017-38375)
(22)【出願日】2017年3月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】安田 勝孝
(72)【発明者】
【氏名】阪本 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】日野 慎也
(72)【発明者】
【氏名】藤井 賢二
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502AA17
5G502CC13
5G502CC50
5G502DD04
5G502GG02
5G502HH10
(57)【要約】
【課題】
安全且つ簡単に蓋又はロープを取り替えることができる蓋吊り下げ具、及び該蓋吊り下げ具を備えたカットアウトを提供することを課題とする。
【解決手段】
上下方向における下端に開口部10が形成されたカットアウト本体2であって、絶縁性材料で形成された外周部20を有するカットアウト本体2と、開口部10を閉じる蓋3と、前記蓋3をカットアウト本体2に対して吊り下げる索体4と、を備えたカットアウト1に用いられる蓋吊り下げ具5であって、前記外周部20に対して着脱可能に係止される係止部51と、前記索体4を連結するための連結部52と、を備え、前記係止部51が前記外周部20に係止され、且つ前記連結部52に前記索体4が連結された状態で、前記蓋3で開口部10を閉じられるように構成されている蓋吊り下げ具5。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向における下端に開口部が形成されたカットアウト本体であって、絶縁性材料で形成された外周部を有するカットアウト本体と、前記開口部を閉じる蓋と、前記蓋をカットアウト本体に対して吊り下げる索体と、を備えたカットアウトに用いられる蓋吊り下げ具であって、前記外周部に対して着脱可能に係止される係止部と、前記索体を連結するための連結部と、を備え、前記係止部が前記外周部に係止され、且つ前記連結部に前記索体が連結された状態で、前記蓋で前記開口部を閉じられるように構成されている蓋吊り下げ具。
【請求項2】
前記係止部は、前記外周部に係止される係止本体と、該係止本体から下方側に向けて垂下する舌片部と、を備え、前記連結部は、前記舌片部に設けられている、請求項1に記載の蓋吊り下げ具。
【請求項3】
前記舌片部は、前記係止部が前記外周部に係止された状態で、前記カットアウト本体から径外方向に延びる延出物に、前記カットアウト本体の周方向で当接可能となるように構成されている、請求項2に記載の蓋吊り下げ具。
【請求項4】
前記連結部は、前記舌片部に対して、垂下方向に沿って複数設けられている、請求項2又は3に記載の蓋吊り下げ具。
【請求項5】
前記外周部には、径内方向に向けてくびれたくびれ部が周方向に沿って形成され、前記係止部は、対向して配置された一対の係止片を備え、前記一対の係止片は、前記くびれ部に対して嵌合係止するように構成されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の蓋吊り下げ具。
【請求項6】
上下方向における下端に開口部が形成されたカットアウト本体であって、絶縁性材料で形成された外周部を有するカットアウト本体と、前記開口部を閉じる蓋と、前記蓋をカットアウト本体に対して吊り下げる索体と、前記索体に連結され、前記蓋を吊り下げるように構成された蓋吊り下げ具と、を備え、前記蓋吊り下げ具は、前記外周部に対して着脱可能に係止される係止部と、前記索体を連結するための連結部と、を備え、前記係止部が前記外周部に係止され、且つ前記連結部に前記索体が連結された状態で、前記蓋で前記開口部を閉じられるように構成されているカットアウト。
【請求項7】
前記カットアウト本体は、所定の固定対象に支持される被支持部と、電線を挿通するための挿通部と、を備え、前記係止部は、前記外周部に係止される係止本体と、該係止本体から下方側に向けて垂下する舌片部と、を備え、前記被支持部及び前記挿通部のうちの少なくとも一方は、前記係止本体よりも下方側に位置し、且つ前記舌片部よりも前記外周部の径外方向に延出し、前記連結部は、前記舌片部に設けられ、前記係止本体よりも下方側に位置する前記被支持部及び前記挿通部のうちの少なくとも一方よりも下方側に設けられている、請求項6に記載のカットアウト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋吊り下げ具、及び該蓋吊り下げ具を備えたカットアウトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高圧配電線から変圧器に引き込まれる電線である引下線は、変圧器を過電流から保護するために、カットアウトを介して変圧器に接続される。カットアウトは、上下方向における下端に開口部を有する筒状のカットアウト本体と、該カットアウト本体の開口部を閉じる蓋と、カットアウト本体と蓋とを繋ぐロープとを備える。カットアウト本体の側部には、ロープを挿通するためのロープ挿通孔が形成されており、一端に蓋が取り付けられたロープは、他端が該ロープ挿通孔に挿通され、カットアウト本体に固定されている(特許文献1)。
【0003】
カットアウトは、過電流が流れた際に、カットアウト本体内に設置されたヒューズが溶断し、該ヒューズの溶断に伴って蓋がカットアウト本体から外れるように構成されている。即ち、蓋がカットアウト本体から吊られた状態は、ヒューズが溶断されたことを意味し、地上からヒューズが溶断しているか否かを確認できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−235609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カットアウト本体と蓋とを繋ぐロープは、経年劣化によって、又はカットアウト周辺での作業時に作業工具等に引っ掛かる等して断線し易い。断線したロープは、風によって周囲の充電部に巻き付き、地絡事故を誘発する虞がある。また、ロープが断線した状態で蓋がカットアウト本体から外れると、蓋が歩行者や車両に対して落下する虞があり危険である。そのため、ロープの断線に対しては補修が必要となるが、断線したロープをカットアウト本体に固定するためには、ロープ挿通孔にロープを通して結ぶ作業が必要となる。この補修作業は、細かい作業であるため間接活線工具では困難である。また、この補修作業は、ゴム手袋を装着した作業者による直接作業によっても容易ではない。更に、高圧配電線に接続されたカットアウトに対する直接作業は、安全面からも適切ではない。そのため、カットアウト本体と蓋とを繋ぐロープが断線すると、カットアウトの補修作業が困難であるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、安全且つ簡単に蓋又はロープを取り替えることができる蓋吊り下げ具、及び該蓋吊り下げ具を備えたカットアウトを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る蓋吊り下げ具は、上下方向における下端に開口部が形成されたカットアウト本体であって、絶縁性材料で形成された外周部を有するカットアウト本体と、前記開口部を閉じる蓋と、前記蓋をカットアウト本体に対して吊り下げる索体と、を備えたカットアウトに用いられる蓋吊り下げ具であって、前記外周部に対して着脱可能に係止される係止部と、前記索体を連結するための連結部と、を備え、前記係止部が前記外周部に係止され、且つ前記連結部に前記索体が連結された状態で、前記蓋で前記開口部を閉じられるように構成されている。
【0008】
かかる構成によれば、蓋吊り下げ具は、係止部がカットアウト本体の外周部に係止され、且つ連結部に索体が連結された状態で蓋が開口部を閉じられるように構成されている。そのため、索体が連結された蓋吊り下げ具をカットアウト本体に取り付けるだけで、蓋又は索体を安全且つ簡単に取り替えることができる。
【0009】
本発明の一態様として、前記係止部は、前記外周部に係止される係止本体と、該係止本体から下方側に向けて垂下する舌片部と、を備え、前記連結部は、前記舌片部に設けられていてもよい。
【0010】
かかる構成によれば、連結部は、舌片部に設けられているので、舌片部が垂下している分だけ開口部に接近する。そのため、索体を短くすることができるので、索体が絡まり難くなっている。
【0011】
本発明の他態様として、前記舌片部は、前記係止部が前記外周部に係止された状態で、前記カットアウト本体から径外方向に延びる延出物に、前記カットアウト本体の周方向で当接可能となるように構成されていてもよい。
【0012】
かかる構成によれば、係止部が外周部の周方向に回っても、舌片部が延出物に当接して停止するので、係止部が回るのを防止することができ、索体がカットアウト本体に絡み付くのを防止することができる。
【0013】
本発明の他態様として、前記連結部は、前記舌片部に対して、垂下方向に沿って複数設けられていてもよい。
【0014】
かかる構成によれば、索体の長さによって索体を連結する位置を変更することで、索体を弛みにくくすることができる。
【0015】
本発明の別の態様として、前記外周部には、径内方向に向けてくびれたくびれ部が周方向に沿って形成され、前記係止部は、対向して配置された一対の係止片を備え、前記一対の係止片は、前記くびれ部に対して嵌合係止するように構成されていてもよい。
【0016】
かかる構成によれば、一対の係止片がくびれ部に嵌合係止されるので、係止部が外周部から外れ難くなっている。
【0017】
本発明に係るカットアウトは、上下方向における下端に開口部が形成されたカットアウト本体であって、絶縁性材料で形成された外周部を有するカットアウト本体と、前記開口部を閉じる蓋と、前記蓋をカットアウト本体に対して吊り下げる索体と、前記索体に連結され、前記蓋を吊り下げるように構成された蓋吊り下げ具と、を備え、前記蓋吊り下げ具は、前記外周部に対して着脱可能に係止される係止部と、前記索体を連結するための連結部と、を備え、前記係止部が前記外周部に係止され、且つ前記連結部に前記索体が連結された状態で、前記蓋で前記開口部を閉じられるように構成されている。
【0018】
かかる構成によれば、蓋吊り下げ具は、係止部がカットアウト本体の外周部に係止され、且つ連結部に索体が連結された状態で蓋が開口部を閉じられるように構成されている。そのため、索体が連結された蓋吊り下げ具をカットアウト本体に取り付けるだけで、蓋又は索体を安全且つ簡単に取り替えることができる。
【0019】
本発明の一態様として、前記カットアウト本体は、所定の固定対象に支持される被支持部と、電線を挿通するための挿通部と、を備え、前記係止部は、前記外周部に係止される係止本体と、該係止本体から下方側に向けて垂下する舌片部と、を備え、前記被支持部及び前記挿通部のうちの少なくとも一方は、前記係止本体よりも下方側に位置し、且つ前記舌片部よりも前記外周部の径外方向に延出し、前記連結部は、前記舌片部に設けられ、前記係止本体よりも下方側に位置する前記被支持部及び前記挿通部のうちの少なくとも一方よりも下方側に設けられていてもよい。
【0020】
かかる構成によれば、索体は、被支持部及び挿通部のうちの少なくとも一方よりもカットアウトの下方側で舌片部に連結された状態となっている。そのため、係止部が外周部の周方向に回っても、索体が被支持部及び挿通部のうちの少なくとも一方に接触するのを防止することができ、索体の損傷又は断線を防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上より、本発明によれば、安全且つ簡単に蓋又はロープを取り替えることができる蓋吊り下げ具、及び該蓋吊り下げ具を備えたカットアウトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る蓋吊り下げ具が取り付けられた状態のカットアウトの側面図である。
図2】同実施形態に係る蓋吊り下げ具の斜視図である。
図3】蓋吊り下げ具の第1変形例である。
図4】蓋吊り下げ具の第2変形例である。
図5】同変形例に係る蓋吊り下げ具が取り付けられた状態のカットアウトの側面図である。
図6】蓋吊り下げ具の第3変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る蓋吊り下げ具について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施形態に係る蓋吊り下げ具5は、上下方向における下端に開口部10が形成されたカットアウト本体2であって、絶縁性材料で形成された外周部20を有するカットアウト本体2と、開口部10を閉じる蓋3と、蓋3をカットアウト本体2に対して吊り下げる索体4と、を備えたカットアウト1に用いられる。
【0025】
カットアウト本体2は、中心部にヒューズを挿通するための領域が形成された円筒状に形成されている。以下、カットアウト本体2の中心線が延びる方向を上下方向とする。カットアウト本体2は、上下方向における下端側に位置する基部21と、基部21よりも上端側に位置する胴部22と、を備える。本実施形態では、基部21及び胴部22の外周側面が外周部20を構成している。カットアウト本体2は、胴部22の先端(上端)が徐々に縮径する先細り形状を有する。また、カットアウト本体2は、所定の固定対象Sに支持される被支持部23と、電線を挿通するための挿通部24とを備える。カットアウト本体2は、電線を挿通するための挿通部24として、高圧配電線から引き込まれた一次側引下線W1を挿通するための第1挿通部241と、変圧器と接続するための二次側引下線W2を挿通するための第2挿通部242と、を備える。第1挿通部241は、胴部22の上端に形成され、一次側引下線W1をカットアウト本体2に対して固定するための第1固定部J1を備える。第2挿通部242は、基部21の側面に形成され、二次側引下線W2をカットアウト本体2に対して固定するための第2固定部J2を備える。引下線W1,W2が固定部J1,J2に固定されることで、引下線W1,W2がカットアウト本体2に対して揺動するのを抑えている。
【0026】
外周部20には、径内方向に向けてくびれたくびれ部200が周方向に沿って形成されている。本実施形態では、外周部20には、上下方向に沿って、複数のくびれ部200が形成されている。具体的には、外周部20は、上下方向に延びる面を構成する外周本体201と、該外周本体201から径外方向に延出する延出部202であって、外周本体201を周方向に1周するように形成された延出部202と、を備える。外周部20は、複数の延出部202を備え、該複数の延出部202は、上下方向で重なるように配置されている。
【0027】
くびれ部200は、上下方向で並ぶ一対の延出部202と、該一対の延出部202同士の間に位置する外周本体201とによって画定される領域である。本実施形態の外周部20には、複数のくびれ部200が形成され、該複数のくびれ部200のうちの何れかに、所定の固定対象Sとしての腕金Sに支持される被支持部23が設けられている。具体的には、被支持部23は、くびれ部200に固定された固定金具23である。本実施形態では、くびれ部200は、胴部22に形成されている。基部21は、側面が滑らかに形成されている。本実施形態の外周部20は、絶縁性材料として、陶磁器(または合成樹脂)製材料で形成されている。
【0028】
図2に示すように、蓋3は、板状の皿部31と、該皿部31の端縁から皿部31の厚み方向に延出する縁部32とを有する。
【0029】
索体4は、一端が蓋3に連結され、他端が蓋吊り下げ具5に連結されている。索体4は、絶縁性材料で形成されている。図2には、説明のため、索体4が湾曲し、縁部32が上方を向いている態様が示されているが、本実施形態の索体4は、容易に折れ曲がりする柔らかい紐である。そのため、索体4は、カットアウト本体2に対して蓋3を吊り下げた状態では、蓋3の重さによって上下方向に張った状態となっている。
【0030】
蓋吊り下げ具5は、外周部20に対して着脱可能に係止される係止部51と、索体4を連結するための連結部52と、を備え、係止部51が外周部20に係止され、且つ連結部52に索体4が連結された状態で蓋3が開口部10を閉じられるように構成されている。本実施形態の蓋吊り下げ具5は、カットアウト本体2に対して着脱可能となるように構成されている。そのため、蓋吊り下げ具5は、作業者が直接、又は間接活線工具を介して把持するための把持部53を備える。
【0031】
係止部51は、絶縁性材料によって形成されている。本実施形態の係止部51は、カットアウト本体2のくびれ部200に対して嵌合係止するように構成されている。具体的には、係止部51は、カットアウト本体2のくびれ部200に嵌合係止する嵌合部511と、該嵌合部511がカットアウト本体2から脱落するのを防止するためのストッパー部512と、カットアウト本体2に嵌合部511を嵌合させる際に、カットアウト本体2に当接し、カットアウト本体2を嵌合部511に案内するための案内部513とを有する。
【0032】
係止部51は、対向して配置された一対の係止片50を備える。係止部51は、一対の係止片50が対向して配置されることで、嵌合部511を構成している。また、一対の係止片50は、先端部503同士が接離するように構成されており、横方向(対向方向)で離間して配置されている。この構成によって、係止部51は、カットアウト本体2に対して、径方向からアプローチすることができる。本実施形態では、一対の係止片50の先端部503が案内部513を構成している。以下、一対の係止片50が対向する方向を横方向、一対の係止片50をカットアウト本体2に対してアプローチさせる方向を縦方向、横方向及び縦方向に直交する方向を上下方向とする。
【0033】
係止片50は、長尺で、剛性を有する材料で形成されている。対向する係止片50が位置する側(カットアウト本体2側)を内方とすると、係止片50は、横方向外方に向かって湾曲する第1湾曲部501と、該第1湾曲部501及び先端部503に連続し、横方向内方に対して湾曲する第2湾曲部502であって、先端部503を横方向外方に向ける第2湾曲部502とを備える。
【0034】
一対の係止片50の第1湾曲部501同士は、対向して配置されることで、嵌合部511を構成している。本実施形態では、係止部51は、一対の係止片50の基端同士が接続されることで、基端側で嵌合部511が閉じるように構成されている。また、一対の係止片50の第2湾曲部502同士は、対向して配置されることで、嵌合部511の開口Pをカットアウト本体2の外周部20に対して狭めるストッパー部512を構成している。更に、一対の係止片50の先端部503同士は、横方向における逆方向に延びることで、案内部513を構成している。具体的には、先端部503同士は、嵌合部511をカットアウト本体2に嵌合させる際に、側面504が外周部20に当接する。先端部503と第2湾曲部502とは滑らかなカーブを描いて繋がっており、先端部503が外周部20に押し付けられるに伴って、先端部503と第2湾曲部502との境界部505が外周部20の曲面に対して当接しながら第2湾曲部502同士を広げていく。そして、第2湾曲部502が外周部20に対して押し進められて所定の位置に達すると、第2湾曲部502同士は、一対の係止片50の復元力により当初の距離を保つように互いに接近し、同時に嵌合部511が外周部20に嵌合する。このように、一対の先端部503と一対の境界部505とによって案内部513が構成されることで、先端部503を外周部20に押し付けることで、嵌合部511にカットアウト本体2をスムースに導くことができる。
【0035】
連結部52は、索体4を連結する部分である。本実施形態では、連結部52は、係止部51に設けられている。本実施形態では、連結部52は、係止部51の嵌合部511に設けられている。具体的には、嵌合部511は、径外方向に突出する突出部511aを備え、該突出部511aが連結部52を構成している。即ち、索体4は、該突出部511aに所定の連結手段によって連結されている。本実施形態では、索体4は、連結部52に結び付けられている。連結部52は、ストッパー部512に対して嵌合部511の径方向で並ぶように、横方向に対して反対側に設けられている。
【0036】
本実施形態の把持部53は、間接活線工具によって把持可能に構成されている。具体的には、把持部53は、薄板状に形成され、係止部51から該係止部51の外方に対して延出している。把持部53は、複数設けられている。本実施形態では、把持部53は、先端部503、及び第1湾曲部501に設けられている。
【0037】
本実施形態に係る蓋吊り下げ具5の説明は以上である。次に、蓋吊り下げ具5の使用方法について説明する。
【0038】
本実施形態では、カットアウト1が、蓋吊り下げ具5が装着された状態で腕金Sに固定されている場合と、蓋吊り下げ具5が未装着の状態で腕金Sに固定されている場合とが想定される。即ち、本実施形態の蓋吊り下げ具5は、カットアウト本体2に対して着脱可能に構成されているので、蓋吊り下げ具5は、カットアウト本体2に対して、所望のタイミングで取り付けることができる。前者の場合、例えば、カットアウト1は、設置当初から蓋吊り下げ具5がカットアウト本体2に取り付けられた状態で腕金Sに固定されていてもよい(この場合、蓋3及び索体4は、揺動しないようにカットアウト本体2等に仮止めされているのが好ましい)。後者の場合、例えば、蓋吊り下げ具5は、カットアウト1に元々取り付けられていた紐(図示しない)が切れた場合や、当初蓋(図示しない)が紛失した場合に、紐及び当初蓋を交換する作業時に用いられてもよい(取り付けられてもよい)。何れの場合であっても、蓋吊り下げ具5をカットアウト本体2に取り付ける際には、作業者は、一端に蓋3が連結された索体4の他端を蓋吊り下げ具5に連結しておく。
【0039】
作業者は、手作業(間接活線工具を用いずに)によって蓋吊り下げ具5をカットアウト本体2に取り付ける場合には、一対の係止片50の先端部503同士を開いて、嵌合部511をくびれ部200に嵌合させる。作業者は、間接作業によって蓋吊り下げ具5をカットアウト本体2に取り付ける場合には、把持部53のうちの何れかを間接活線工具で把持し、カットアウト本体2の外周部20に一対の係止片50の先端部503を当接させる。この状態で係止部51を外周部20に押し付け、第2湾曲部502に対して外周部20を滑らせながら一対の係止片50を徐々に開き、嵌合部511を外周部20に嵌め込む。当初蓋が紛失している場合には、蓋吊り下げ具5をカットアウト本体2に取り付けた後、蓋3で開口部10を閉じる。
【0040】
以上のように、上記実施形態では、蓋吊り下げ具5は、係止部51がカットアウト本体2の外周部20に係止され、且つ連結部52に索体4が連結された状態で蓋3が開口部10を閉じられるように構成されている。そのため、索体4が連結された蓋吊り下げ具5をカットアウト本体2に取り付けるだけで、蓋3又は索体4を安全且つ簡単に取り替えることができる。
【0041】
例えば、上記実施形態の蓋吊り下げ具5をカットアウト本体2に取り付けることで、当初蓋とカットアウト本体2とを連結していた紐が断線した場合、当初蓋が破損した場合や紛失した場合に、当初蓋が撤去された開口部10を新たな蓋3で閉じることでカットアウト本体2を取り替えること無く使用することができる。そのため、機能的に問題の無いカットアウト1を取り替えずに使用できるので、取り替え工事が必要なく、コスト上も有利である。また、係止部51を安全な位置(絶縁性材料で形成された外周部20)に取り付けるので、安全に作業を行うことができる。このように、上記構成のカットアウト1においては、当初蓋及び紐を安全かつ簡単に取り替えることができる。
【0042】
また、上記実施形態では、係止部51が一対の係止片50を備え、一対の係止片50がカットアウト本体2のくびれ部200に嵌合係止するように構成されている。そのため、係止部51が外周部20から外れ難くなっている。また、一対の係止片50の先端同士が横方向に離間しているので、係止部51を外周部20の径方向からアプローチさせて、外周部20に嵌め込むことができる。そのため、係止部51を外周部20に対して取り付け易くなっている。
【0043】
尚、本発明の蓋吊り下げ具5は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0044】
上記実施形態では、図2に示すように、連結部52は、ストッパー部512に対して嵌合部511の径方向で並ぶように、横方向に対して反対側に設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではない。図3に示すように、連結部52は、ストッパー部512に対して、径方向に対して横方向にずれた位置に設けられていてもよい。例えば、連結部52は、嵌合部511の第1湾曲部501に設けられていてもよい。この場合、ストッパー部512に対して嵌合部511の径方向で並ぶ位置には、把持部53が設けられていてもよい。把持部53をこの位置に設けることで、例えば、該把持部53を間接活線工具で把持しつつ外周部20に嵌合部511を嵌合させる際には、ストッパー部512に対して直線的に押し付け力を作用させることができるので、係止部51を嵌合部511に嵌合させ易い。
【0045】
上記実施形態では、特に言及するものではないが、図4に示すように、係止部51は、外周部20に係止される係止本体514と、係止本体514から下方側に向けて垂下する舌片部515と、を備え、連結部52は、舌片部515に設けられていてもよい。かかる構成によれば、連結部52は、舌片部515に設けられているので、舌片部515が垂下している分だけ(係止本体514に設けられている場合と比較して)、開口部10に接近する(図5参照)。そのため、連結部52が係止本体514に設けられている場合と比較して、索体4を短くすることができるので、索体4が絡まり難くなっている。
【0046】
即ち、索体4は、係止本体514よりも下方側で連結されることとなり、係止本体514に連結されている場合(例えば、図1の長さの場合)と比較して短くなっている。図5に示すように、本実施形態では、連結部52は、舌片部515の最下端Bに設けられている。また、この場合、舌片部515は、係止部51が外周部20に係止された状態で、カットアウト本体2から径外方向に延びる延出物に、カットアウト本体2の周方向で当接可能となるように構成されていてもよい。かる構成によれば、係止部51が外周部20の周方向に回っても、舌片部515が延出物に当接して停止するので、係止部51が回るのを防止することができ、索体4がカットアウト本体2に絡み付くのを防止することができる。
【0047】
即ち、図5に示すように、舌片部515は、延出物としての二次側引下線W2、又は第2固定部J2に対して、周方向に重なるように配置されている。図5では、最下端Bが二次側引下線W2及び第2固定部J2と略同じ高さとなっているが、舌片部515の長さは自由に設定可能である。舌片部515は、最下端Bが二次側引下線W2及び第2固定部J2よりも下方側に位置する長さで形成されていてもよい。即ち、第2挿通部242の第2固定部J2は、係止本体514よりも下方側に位置し、且つ舌片部515よりも外周部20の径外方向に延出している。連結部52は、舌片部515に設けられ、第2固定部J2よりも下方側に設けられている。この場合、索体4は、二次側引下線W2及び第2固定部J2よりも下方側で連結された状態となるので、係止部51が外周部20の周方向に回っても、索体4が二次側引下線W2及び第2固定部J2に接触するのを防止することができ、索体4の損傷又は断線を防止することができる。
【0048】
更に、この場合、図6に示すように、連結部52は、舌片部515に対して、垂下方向に沿って複数設けられていてもよい。かかる構成によれば、索体4の長さによって索体4を連結する位置を変更することで、索体4を弛みにくくすることができる。
【0049】
図6では、舌片部515が捻じられることによってクロス部Xが形成され、上下に並ぶクロス部Xとクロス部Xとの間を連結部52として、連結部52が垂下方向に沿って配置されている。しかしながら、図6の態様に限られず、例えば、舌片部515を棒状に形成して、球体等を長手方向(垂下方向)に沿って所定間隔置きに設置することで、複数の連結部52を形成するなど、連結部52は、索体4を連結する位置を変更できれば、如何なる形状であってもよい。
【0050】
また、上記構成によれば、蓋吊り下げ具5を取り付ける位置を、カットアウト本体2の設置状況に応じて決めることができる。即ち、係止部51をカットアウト本体2の胴部22に取り付けなければならない場合には、索体4を舌片部515の上端側に位置する連結部52に連結し、係止部51をカットアウト本体2の基部21に取り付けなければならない場合には、索体4を舌片部515の中途部や下端側に位置する連結部52に連結する。このように、上記構成の蓋吊り下げ具5は、カットアウト1の設置状況に応じて、索体4を適切な位置に連結させることができる。
【0051】
上記実施形態では特に言及するものではないが、蓋吊り下げ具5は、カットアウト本体2に取り付けられた状態でカットアウト1の一部として流通してもよく、カットアウト本体2とは別体として流通してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、主に蓋吊り下げ具5に係る発明として説明したが、本発明は、蓋吊り下げ具5を備えたカットアウト1に係る発明としても捉えることができる。即ち、本発明の他実施形態として、カットアウト1は、上下方向における下端に開口部10が形成されたカットアウト本体2であって、絶縁性材料で形成された外周部20を有するカットアウト本体2と、開口部10を閉じる蓋3と、蓋3をカットアウト本体2に対して吊り下げる索体4と、索体4に連結され、蓋3を吊り下げるように構成された蓋吊り下げ具5と、を備えていてもよい。そして、蓋吊り下げ具5は、外周部20に対して係止される係止部51と、索体4を連結するための連結部52と、を備え、係止部51が外周部20に係止され、且つ連結部52に索体4が連結された状態で、蓋3で開口部10を閉じられるように構成されていてもよい。
【0053】
上記実施形態は特に言及するものではないが、カットアウト1は、当初蓋と、該当初蓋とカットアウト本体2とを連結する紐と、を備えていてもよい。即ち、当初蓋及び紐を備えたカットアウト本体2に対して、蓋吊り下げ具5、蓋3、及び索体4を設けるようにしてもよい。
【0054】
上記実施形態では、舌片部515は、延出物としての二次側引下線W2、又は第2固定部J2に、カットアウト本体2の周方向で当接可能となるように構成されている場合について説明したがこれに限定されるものではない。延出物は、例えば、カットアウト本体2を腕金Sに対して支持させるための固定金具23(図1及び図5参照)であってもよく、舌片部515は、固定金具23に、カットアウト本体2の周方向で当接可能となるように構成されていてもよい。即ち、被支持部23としての固定金具23が係止本体514よりも下方側に位置し、且つ舌片部515よりも外周部20の径外方向に延出していてもよい。
【0055】
上記実施形態では、蓋吊り下げ具5が把持部53を備えている場合について説明したが、蓋吊り下げ具5は、把持部53を備えていなくてもよい。
【0056】
上記実施形態では、係止部51がくびれ部200に嵌合係止する場合について説明したが、これに限定されるものではない。係止部51は、延出部202を抱き込むクリップ状に形成されていてもよい。また、胴部22にくびれ部200が形成され、係止部51が胴部22に係止される場合について説明したが、基部21にくびれ部200が形成され、係止部51は、基部21に対して係止されてもよい。
【0057】
上記実施形態では、蓋吊り下げ具5は、カットアウト1に元々取り付けられていた紐(図示しない)が切れた場合や、当初蓋が紛失した場合に、紐及び当初蓋を交換する作業時に用いられる場合を例示した。しかしながら、蓋吊り下げ具5は、先にカットアウト本体2に取り付けられている蓋吊り下げ具5と交換されることで、蓋3又は索体4を取り替えるように使用されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…カットアウト、2…カットアウト本体、3…蓋、4…索体、5…蓋吊り下げ具、20…外周部、21…基部、22…胴部、23…固定金具(被支持部)、24…挿通部、31…皿部、32…縁部、50…係止片、51…係止部、52…連結部、53…把持部、200…くびれ部、201…外周本体、202…延出部、241…第1挿通部、242…第2挿通部、501…第1湾曲部、502…第2湾曲部、503…先端部、504…側面、505…境界部、511…嵌合部、511a…突出部、512…ストッパー部、513…案内部、514…係止本体、515…舌片部、J1…第1固定部、J2…第2固定部、S…腕金(固定対象)、W…引下線、W1…一次側引下線、W2…二次側引下線、X…クロス部
図1
図2
図3
図4
図5
図6