【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
公表されたGWASのほとんどは、充分に計画された研究において、専用の試料(例えば、全血)由来の高品質のDNAを用い、一般的な疾患の原因となる遺伝的変異体を発見することに焦点を当てており、この強力な技術の用途は、新規薬物についての臨床試験に組み込まれることは滅多になく、したがって、薬理ゲノミクス研究においては、非常に限られた成功しか収めていない。現在のコンセンサスは、成功裏のGWASは、豊富な高品質ゲノムDNAを用いてのみ実施でき、最適以下のゲノムDNAおよび/または全ゲノムの増幅DNAは、GWASにおいて非常に望み薄であるかまたは捨てられる。本発明は、最適以下のゲノムDNA、例えば保存された臨床試料から抽出されたゲノムDNAを利用して薬物応答を予測するための、GWASによる薬理ゲノミクスバイオマーカーの発見の方法を記載する。
【0009】
1つの態様では、本発明は、1つまたは複数の薬理ゲノミクスバイオマーカーを同定する方法を提供し、この方法は、a)関連の表現型において異なる値を示す少なくとも2人の患者の保存された臨床試料からDNAを単離する工程と、b)単離された上記DNAを増幅する工程と、c)増幅された上記DNAの高密度ジェノタイピングデータを得る工程と、d)上記ジェノタイピングデータおよび上記関連の表現型における上記異なる値に基づいてアソシエーション解析を行う工程とを含み、上記薬理ゲノミクスバイオマーカー(複数可)が同定される。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記保存された臨床試料は、血漿試料、血清試料、乾燥血液スポット、尿試料、組織試料、腫瘍細胞および口腔スワブからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、上記保存された臨床試料は、血漿試料であってもよい。いくつかの実施形態では、上記保存された臨床試料は、約2〜1,000人以上の患者に由来してもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記単離されたDNAは、最適以下のゲノムDNAであってもよい。いくつかの実施形態では、上記増幅は、全ゲノム増幅(WGA)であってもよく、得られた上記DNAは、全ゲノム増幅DNA(wgaDNA)であってもよい。いくつかの実施形態では、上記高密度ジェノタイピングは、全ゲノムジェノタイピングであってよい。いくつかの実施形態では、上記高密度ジェノタイピングは、一塩基多型(SNP)によって実施されてもよい。いくつかの実施形態では、約1,000〜5,000,000以上、好ましくは約1,000,000のSNPが、上記高密度ジェノタイピングに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、上記高密度ジェノタイピングは、アレイベースであってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記ジェノタイピングデータは、ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムを使用することによって得られてもよい。いくつかの実施形態では、上記方法はさらに、e)上記ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムのコール率カットオフ値を調整する工程を含み得る。いくつかの実施形態では、工程d)および工程e)を複数回繰り返して、試料を含めかつ/または除外し、上記ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムを最適化してもよい。いくつかの実施形態では、上記ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムの最適な組み入れ基準が同定され得る。いくつかの実施形態では、上記ジェノタイプコールは、高品質ゲノムDNAの全ゲノムジェノタイピングに使用される典型的なコール率カットオフよりも低いコール率カットオフ値を用いて作製され得、ここで、使用される上記コール率カットオフ値は、約50%、60%、70%、80%、90%または95%であってもよい。いくつかの実施形態では、上記ジェノタイプコールは、Affymetrix Genotyping Console(商標)ソフトウェアを用いて生成され得る。いくつかの実施形態では、上記ジェノタイプコールは、BRLMMアルゴリズムを用いて生成され得る。いくつかの実施形態では、上記ジェノタイプコールは、帰属アルゴリズムを用いて作製され得、ここで、HapMapが、上記帰属アルゴリズムに使用され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記アソシエーション解析は、GWASであってもよい。いくつかの実施形態では、上記アソシエーション解析は、上記関連の表現型との各SNPの関連p値を計算することによって実施され得る。いくつかの実施形態では、上記計算は、アレル頻度および/またはジェノタイプベースの試験に基づき得る。いくつかの実施形態では、上記関連の表現型は、分類形質、定定量的形質、または他の関連の表現型であってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、上記方法はさらに、同定された薬理ゲノミクスバイオマーカーを用いて、追加のジェノタイピングデータに基づくアソシエーション解析を実施する工程を含み得る。いくつかの実施形態では、約1〜500以上の上記同定された薬理ゲノミクスバイオマーカーが、追加のジェノタイピングに使用され得る。いくつかの実施形態では、工程a)からのいくつかまたは全ての上記保存された臨床試料および/または追加の臨床試料が、上記追加のジェノタイピングに使用され得る。いくつかの実施形態では、追加のジェノタイピングデータは、検証ジェノタイプコーリングアルゴリズムを使用することによって得ることができる。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記検証ジェノタイプコーリングアルゴリズムの上記コール率カットオフ値を調整する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、ジェノタイピングおよび上記コール率カットオフの調整を複数回繰り返して、試料を含めかつ/または除外し得る。いくつかの実施形態では、上記検証ジェノタイプコーリングアルゴリズムのための最適な組み入れ基準が同定され得る。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記検証ジェノタイプコーリングアルゴリズムを用いて得られた上記追加のジェノタイピングデータを上記ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムを用いて得られたジェノタイピングデータと比較する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、工程d)からの上記薬理ゲノミクスバイオマーカーのサブセットが同定され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、上記方法は、以前に行われた臨床試験からの保存された臨床試料の遡及的研究に使用され得る。いくつかの実施形態では、上記方法は、薬理ゲノミクスバイオマーカーのde novo同定に使用され得る。
【0016】
別の態様では、本明細書中で開示される方法によって同定された薬理ゲノミクスバイオマーカーまたは薬理ゲノミクスバイオマーカーの群が本明細書中で提供され、ここで、上記バイオマーカーは、1つまたは複数のSNPであり得る。いくつかの実施形態では、上記薬理ゲノミクスバイオマーカーは、1つまたは複数のさらなる薬理ゲノミクスバイオマーカーを同定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、上記薬理ゲノミクスバイオマーカーは、コンパニオン診断試験を開発するために使用され得る。
【0017】
さらなる態様では、本明細書中で開示される方法によって同定される薬理ゲノミクスバイオマーカーを用いたコンパニオン診断試験が、本明細書中で提供される。本明細書中で開示されるコンパニオン診断試験を用いて処置に対する被験体の応答性を予後診断する方法もまた、本明細書中で提供される。さらに、本明細書中で開示される方法によって同定される薬理ゲノミクスバイオマーカーを用いた新規薬物標的を同定する方法も、本明細書中で提供される。本発明の方法は、臨床医にとって、処置についての患者を同定するため、治療の開発の過程の間に患者の選択を補助するため、個々の患者を特定の処置レジメンで処置するときの成功の尤度を予測するため、疾患進行を評価しそしてモニタリングするため、処置効能をモニタリングするため、および個々の患者の予後を決定するために、有用である。これらの実施形態のいずれも、本発明に包含される。
【0018】
さらなる態様では、本明細書中で開示される方法によって同定される薬理ゲノミクスバイオマーカーまたは薬理ゲノミクスバイオマーカーの群を評価するための試薬を含むキットが、本明細書中で提供される。いくつかの実施形態では、上記キットは、薬理ゲノミクスバイオマーカーを使用してコンパニオン診断試験を実施するための指示をさらに含み得る。
【0019】
なお別の態様では、最適以下のゲノムDNA試料を用いたジェノタイピング方法が、本明細書中で提供され、この方法は、a)上記最適以下のゲノムDNA試料の配列情報を受け取る工程と、b)上記配列情報に基づいて組み入れ基準を最適化する工程と、c)上記配列情報および最適化した上記組み入れ基準に基づいてジェノタイプを計算する工程とを含む。いくつかの実施形態では、上記最適化を複数回繰り返して、試料を含めかつ/または除外することができる。いくつかの実施形態では、最適な組み入れ基準が同定され得る。いくつかの実施形態では、上記ジェノタイピングデータは、ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムおよび/または検証ジェノタイプコーリングアルゴリズムを用いることによって得ることができる。いくつかの実施形態では、上記組み入れ基準は、上記ジェノタイプコーリングアルゴリズムのコール率カットオフ値であってもよい。いくつかの実施形態では、上記ジェノタイプコールは、高品質または最適なゲノムDNAの全ゲノムジェノタイピングに使用される典型的なコール率カットオフよりも低いコール率カットオフを使用することによって作製され得、ここで、使用される上記コール率カットオフ値は、約50%、60%、70%、80%、90%または95%であってもよい。いくつかの実施形態では、上記ジェノタイピングデータは、複数のジェノタイピングプラットホームを用いることによって得ることができる。いくつかの実施形態では、複数のジェノタイピングプラットホーム由来の上記ジェノタイピングデータは、最適化のために比較され得る。
【0020】
さらに、最適以下のゲノムDNA試料を用いた上記ジェノタイピング方法を用いてアソシエーション解析を実施する方法も提供され、上記方法は、組み入れ基準を最適化する工程を含む。いくつかの実施形態では、上記アソシエーション解析は、最適化のために複数回繰り返され得る。a)上記最適以下のゲノムDNA試料の配列情報を受け取る工程と、b)上記配列情報に基づいて組み入れ基準を最適化する工程と、c)上記配列情報および最適化した上記組み入れ基準に基づいてジェノタイプを計算する工程とを含む、最適以下のゲノムDNA試料を用いたジェノタイピング方法についての複数の指示を含むコンピューター読み取り可能媒体もまた、本明細書中で提供される。
【0021】
なお別の態様では、最適以下のゲノムDNAを用いてGWASを実施する方法もまた、本明細書中で提供される。いくつかの実施形態では、上記最適以下のゲノムDNAは、保存された試料由来であってもよい。いくつかの実施形態では、上記最適以下のゲノムDNAは、血漿試料由来であってもよい。いくつかの実施形態では、上記最適以下のゲノムDNAは、増幅されていてもよい。いくつかの実施形態では、複数のジェノタイピングプラットホームが、使用され得る。いくつかの実施形態では、同じまたは異なる試料を上記複数のジェノタイピングプラットホームに使用してもよい。いくつかの実施形態では、上記方法は、高品質ゲノムDNAを提供する試料をさらに使用してもよい。
本発明の好ましい実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
1つまたは複数の薬理ゲノミクスバイオマーカーを同定する方法であって、
a)関連の表現型において異なる値を示す少なくとも2人の患者の保存された臨床試料からDNAを単離する工程と、
b)該単離されたDNAを増幅する工程と、
c)該増幅されたDNAの高密度ジェノタイピングデータを得る工程と、
d)該ジェノタイピングデータおよび該関連の表現型における該異なる値に基づいてアソシエーション解析を行う工程であって、
ここで、該薬理ゲノミクスバイオマーカー(複数可)が同定される工程とを含む、
方法。
(項目2)
前記保存された臨床試料が、血漿試料、血清試料、乾燥血液スポット、尿試料、組織試料、腫瘍細胞および口腔スワブからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記保存された臨床試料が、血漿試料である、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記単離されたDNAが、最適以下のゲノムDNAである、項目1〜3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
前記増幅が、全ゲノム増幅(WGA)であり、得られたDNAが、全ゲノム増幅DNA(wgaDNA)である、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記高密度ジェノタイピングが、全ゲノムジェノタイピングである、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記高密度ジェノタイピングが、一塩基多型(SNP)を用いることによる、項目1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
約1,000〜5,000,000以上のSNPが使用される、項目7に記載の方法。
(項目9)
約1,000,000のSNPが使用される、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記高密度ジェノタイピングが、アレイベース、ビーズベースまたはハイスループット配列決定ベースである、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記ジェノタイピングデータが、ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムを使用することによって得られる、項目1〜10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
e)前記ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムのコール率カットオフ値を調整する工程
をさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
工程d)および工程e)を複数回繰り返して、試料を含めかつ/または除外する、項目12に記載の方法。
(項目14)
最適な組み入れ基準が同定される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記ジェノタイプコールが、高品質ゲノムDNAの全ゲノムジェノタイピングに使用される典型的なコール率カットオフよりも低いコール率カットオフを用いて作製される、項目11〜14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
使用される前記コール率カットオフが、約50〜95%である、項目12に記載の方法。
(項目17)
使用される前記コール率カットオフが、約80〜90%である、項目13に記載の方法。
(項目18)
使用される前記コール率カットオフが、約90%である、項目14に記載の方法。
(項目19)
前記ジェノタイプコールが、Affymetrix Genotyping Console(商標)ソフトウェアを用いて生成される、項目11〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記ジェノタイプコールが、BRLMMアルゴリズムを用いて生成される、項目1〜19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記ジェノタイプコールが、帰属アルゴリズムを用いて作製される、項目1〜20のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
HapMapが、前記帰属アルゴリズムに使用される、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記アソシエーション解析が、ゲノムワイドなアソシエーション研究(GWAS)である、項目1〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記アソシエーション解析が、前記関連の表現型との各SNPの関連p値を計算することによって実施される、項目1〜23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記計算が、アレル頻度および/またはジェノタイプベースの試験に基づく、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記関連の表現型が、分類形質、定量的形質、または他の関連の表現型である、項目1〜25のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記保存された臨床試料が、約2〜1,000人以上の患者に由来する、項目1〜26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記同定された薬理ゲノミクスバイオマーカーを用いて、追加のジェノタイピングデータに基づくアソシエーション解析を実施する工程をさらに含む、項目1〜27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
約1〜500以上の前記同定された薬理ゲノミクスバイオマーカーが、前記追加のジェノタイピングに使用される、項目28に記載の方法。
(項目30)
工程a)からのいくつかもしくは全ての前記保存された臨床試料および/または追加の臨床試料が、前記追加のジェノタイピングに使用される、項目28または29に記載の方法。
(項目31)
前記追加のジェノタイピングデータが、検証ジェノタイプコーリングアルゴリズムを使用することによって得られる、項目28〜30のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記検証ジェノタイプコーリングアルゴリズムの前記コール率カットオフ値を調整する工程をさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
ジェノタイピングおよび前記コール率カットオフの調整を複数回繰り返して、試料を含めかつ/または除外する、項目32に記載の方法。
(項目34)
最適な組み入れ基準が同定される、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記検証ジェノタイプコーリングアルゴリズムを用いて得られた前記追加のジェノタイピングデータを前記ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムを用いて得られた前記ジェノタイピングデータと比較する工程をさらに含む、項目28〜34のいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
工程d)からの前記薬理ゲノミクスバイオマーカーのサブセットが同定される、項目28〜35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
項目36に記載の方法であって、以前に行われた臨床試験からの保存された臨床試料の遡及的研究に使用される、方法。
(項目38)
薬理ゲノミクスバイオマーカーのde novo同定に使用される、項目36または37に記載の方法。
(項目39)
項目36〜38のいずれか1項に記載の方法によって同定される、薬理ゲノミクスバイオマーカー。
(項目40)
項目36〜38のいずれか1項に記載の方法によって同定される、薬理ゲノミクスバイオマーカーの群。
(項目41)
前記バイオマーカーが、1つまたは複数のSNPである、項目39または40に記載の薬理ゲノミクスバイオマーカー。
(項目42)
1つまたは複数のさらなる薬理ゲノミクスバイオマーカーを同定するために使用される、項目39〜41のいずれか1項に記載の薬理ゲノミクスバイオマーカー。
(項目43)
コンパニオン診断試験を開発するために使用される、項目39〜41のいずれか1項に記載の薬理ゲノミクスバイオマーカー。
(項目44)
項目39〜41のいずれか1項に記載の薬理ゲノミクスバイオマーカーを用いるコンパニオン診断試験。
(項目45)
項目44に記載のコンパニオン診断試験を用いて処置に対する被験体の応答性を予後診断する方法。
(項目46)
項目39〜41のいずれか1項に記載の薬理ゲノミクスバイオマーカーを用いて新規薬物標的を同定する方法。
(項目47)
項目36〜38のいずれか1項に記載の方法によって同定される薬理ゲノミクスバイオマーカーを評価するための試薬を含むキット。
(項目48)
前記薬理ゲノミクスバイオマーカーを使用してコンパニオン診断試験を実施するための指示をさらに含む、項目47に記載のキット。
(項目49)
前記試薬が、ポリヌクレオチド分子および/またはポリペプチド分子を検出するために使用される、項目47に記載のキット。
(項目50)
最適以下のゲノムDNA試料を用いるジェノタイピング方法であって、
a)該最適以下のゲノムDNA試料の配列情報を受け取る工程と、
b)該配列情報に基づいて組み入れ基準を最適化する工程と、
c)該配列情報および該最適化した組み入れ基準に基づいてジェノタイプを計算する工程と
を含む方法。
(項目51)
前記最適化を複数回繰り返して、試料を含めかつ/または除外する、項目50に記載の方法。
(項目52)
最適な組み入れ基準が同定される、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記ジェノタイピングデータが、ゲノムワイドなジェノタイプコーリングアルゴリズムおよび/または検証ジェノタイプコーリングアルゴリズムを用いることによって得られる、項目50〜52のいずれか1項に記載の方法。
(項目54)
前記組み入れ基準が、前記ジェノタイプコーリングアルゴリズムのコール率カットオフ値である、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記ジェノタイプコールが、高品質ゲノムDNAの全ゲノムジェノタイピングに使用される典型的なコール率カットオフよりも低いコール率カットオフを用いて作製される、項目54に記載の方法。
(項目56)
使用される前記コール率カットオフが、約50〜95%である、項目55に記載の方法。
(項目57)
使用される前記コール率カットオフが、約80〜90%である、項目56に記載の方法。
(項目58)
使用される前記コール率カットオフが、約90%である、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記ジェノタイピングデータが、複数のジェノタイピングプラットホームを用いることによって得られる、項目50〜58のいずれか1項に記載の方法。
(項目60)
複数のジェノタイピングプラットホーム由来の前記ジェノタイピングデータが、前記最適化のために比較される、項目59に記載の方法。
(項目61)
項目50〜60のいずれか1項に記載のジェノタイピング方法を用いてアソシエーション解析を実施する方法。
(項目62)
前記アソシエーション解析が、前記最適化のために複数回繰り返される、項目61に記載の方法。
(項目63)
最適以下のゲノムDNA試料を用いるジェノタイピング方法のための複数の指示を含むコンピューター読み取り可能媒体であって、以下の工程:
a)該最適以下のゲノムDNA試料の配列情報を受け取る工程と、
b)項目50〜62のいずれか1項に記載の方法を用いて、該配列情報に基づいて組み入れ基準を最適化する工程と、
c)該配列情報および該最適化した組み入れ基準に基づいてジェノタイプを計算する工程と
を含む、媒体。
(項目64)
最適以下のゲノムDNAを用いてGWASを実施する方法。
(項目65)
前記最適以下のゲノムDNAが、保存された試料由来である、項目64に記載の方法。(項目66)
前記最適以下のゲノムDNAが、血漿試料由来である、項目64または65に記載の方法。
(項目67)
複数のジェノタイピングプラットホームが使用される、項目64〜66のいずれか1項に記載の方法。
(項目68)
同じ試料を前記複数のジェノタイピングプラットホームに使用する、項目67に記載の方法。
(項目69)
異なる試料を前記複数のジェノタイピングプラットホームに使用する、項目67に記載の方法。
(項目70)
高品質ゲノムDNAを提供する試料をさらに含む、項目64〜69のいずれか1項に記載の方法。
(項目71)
項目61または62に記載のアソシエーション解析方法を用いる、項目64〜70のいずれか1項に記載の方法。
(項目72)
項目64〜71のいずれか1項に記載の方法を用いる、1つまたは複数の薬理ゲノミクスバイオマーカーを同定する方法。