特開2018-149053(P2018-149053A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2018149053-スリット入り救急絆創膏 図000003
  • 特開2018149053-スリット入り救急絆創膏 図000004
  • 特開2018149053-スリット入り救急絆創膏 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-149053(P2018-149053A)
(43)【公開日】2018年9月27日
(54)【発明の名称】スリット入り救急絆創膏
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/02 20060101AFI20180831BHJP
   A61F 13/10 20060101ALN20180831BHJP
【FI】
   A61F13/02 380
   A61F13/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-47032(P2017-47032)
(22)【出願日】2017年3月13日
(71)【出願人】
【識別番号】390000929
【氏名又は名称】祐徳薬品工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森 良子
(57)【要約】      (修正有)
【課題】貼付時の失敗が少なく、加工が容易で、汎用性を維持した救急絆創膏を提供する。特に、指に使用する際に、救急絆創膏が浮いたり、指から外れたりすることなく、指へのフィット感を向上させた救急絆創膏を提供する。
【解決手段】支持体及び粘着剤からなるテープ部1と、傷口保護パッド3と、剥離紙からなり、テープ部にスリット2を設けた救急絆創膏において、スリット中心部の幅aが1mm以上であるスリット入り救急絆創膏とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体及び粘着剤からなるテープ部と、傷口保護パッドと、剥離紙からなり、テープ部にスリットを設けた救急絆創膏において、スリット中心部の幅が1mm以上であることを特徴とするスリット入り救急絆創膏。
【請求項2】
スリット中心部の幅が1〜10mmであることを特徴とする請求項1記載のスリット入り救急絆創膏。
【請求項3】
スリット中心部の幅が1〜3mmであることを特徴とする請求項1記載のスリット入り救急絆創膏。
【請求項4】
スリット端部の幅が5〜20mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスリット入り救急絆創膏。
【請求項5】
スリットの長辺方向の長さが20mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスリット入り救急絆創膏。
【請求項6】
スリット中心と傷口保護パッドとの距離が3mm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスリット入り救急絆創膏。
【請求項7】
スリット中心の形状が丸型状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスリット入り救急絆創膏。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、救急絆創膏に関する。具体的には、救急絆創膏の支持体及び粘着剤からなるテープ部にスリットを入れ、指に貼付するときに指へのフィット感を向上させた救急絆創膏に関する。
【背景技術】
【0002】
切り傷等の応急処置として、一般的に救急絆創膏が利用されている。傷口に救急絆創膏を貼付することにより、傷口を保護し、治癒を促す効果が期待される。特に、指先や手の周辺の傷は、日常生活で使用頻度が高い部位であり、救急絆創膏の利便性が強く感じられる。一方で、指先や手の周辺は可動域が広く、繊細な作業を行う部位でもあり、貼付した救急絆創膏がその作業の邪魔になる場合もある。
【0003】
そこで、救急絆創膏にハサミやカッター等で切れ目を付加し、指先や手の周辺の動きへの応答性を向上させる方法が考案されている。当該切れ目を付加した救急絆創膏は手の動きを邪魔することなく、手の曲面へも隙間なく貼付することができ、使用感に優れたものである。一方で、使用時にハサミ等をあらかじめ準備する必要があり、また、利き腕側の手を負傷した場合は切れ目を入れることが困難な場合があり、さらに、緊急時には切れ目を入れる作業それ自体が負担となる場合がある。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、製品としてあらかじめ切れ目を入れた救急絆創膏が開示されている。また、特許文献3には、切れ目の方向や形状を工夫した救急絆創膏が開示されている。さらにまた、特許文献4及び特許文献5には、外観の形状を工夫した救急絆創膏が開示されている。これらはいずれも指先へ貼付したときの使用感を向上させた救急絆創膏である。
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の救急絆創膏は、貼付時に切れ目のとなり同士のテープ部が重なってしわになる場合や、貼付に失敗してしまう場合がある。特に切れ目が多いほどその傾向が強い。また、特許文献3の救急絆創膏は加工が複雑で、ユーザーの好みに合わせた救急絆創膏とすることが難しい。一方、特許文献4及び特許文献5の救急絆創膏は形状が複雑で、その形状によっては使用部位が限定される場合があり、汎用性としてはやや好ましくない。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3003260号
【特許文献2】特開2006−305278号
【特許文献3】実用新案登録第3025501号
【特許文献4】実開平5−91637号
【特許文献5】特開2014−73338号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、貼付時の失敗が少なく、加工が容易で、汎用性を維持した救急絆創膏を提供することをその課題とするものである。特に、指に使用する際に、救急絆創膏が浮いたり、指から外れたりすることなく、指にフィットする救急絆創膏を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、救急絆創膏に特定の形状のスリットを2ヶ所設けることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0009】
本発明のスリット入り救急絆創膏により、傷口保護パッドの可動範囲が拡大し、特殊な構造や機能を追加することなく、指にフィットさせることができる。また、本発明の救急絆創膏のスリットは、従来の救急絆創膏の切れ目と比較して、テープ部が重なったり、しわになったりしにくく、指への貼付性も従来の救急絆創膏と違和感が少ないため、貼付時及び使用時の使用感に優れる。さらに、前記切れ目が裂けて、使用時又は剥離時に救急絆創膏が断裂することも予防することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のスリット入り救急絆創膏の実施形態の一例を、図面に基づいて具体的に説明する。本発明はこれら実施形態に何ら制約されるものではない。
【0011】
本発明のスリット入り救急絆創膏は、図1図2及び図3に示すように、救急絆創膏の傷口保護パッド付近から、救急絆創膏の長辺方向の各端部まで、2本のスリットを有する。
【0012】
本発明の救急絆創膏のスリット中心部の幅(a)は、1mm以上であり、1〜10mmが好ましく、1〜3mmがさらに好ましい。スリットの幅が1mm未満では、救急絆創膏を指に貼付する際にフィットさせにくく、部位によっては十分な可動範囲が確保できない場合があり、好ましくない。
【0013】
本発明の救急絆創膏の2本のスリットの大きさ及び形状は、特に制限はないが、正方形、長方形及び三角形等とすることができる。特に、スリット端部の幅(b)が5〜20mmである三角形の場合、より救急絆創膏を指にフィットさせ易く、かつ、可動範囲も大きくなり、好ましい。また、当該2本のスリットの大きさ及び形状は、それぞれ同形状(傷口保護パッドを中心に対称型)でもよく、異形状(傷口保護パッドを中心に非対称型)でもよい。
【0014】
本発明の救急絆創膏のスリットの長辺方向の長さ(c)は、特に制限はないが、その長さが20mm以上であることが好ましく、20〜50mmがさらに好ましい。20mm未満では、十分な指へのフィット性、及び救急絆創膏のスリット周辺の可動域が確保できない場合があり、好ましくない。
【0015】
本発明の救急絆創膏のスリット中心と傷口保護パッドとの距離(d)は、特に制限はないが、その距離が3mm以上であることが好ましく、3〜5mmがさらに好ましい。3mm未満では、スリット中心と傷口保護パッドとの間のテープ部の面積が狭くなり、十分な指への接着性が確保できない場合があり、好ましくない。
【0016】
本発明の救急絆創膏のスリットの傷口保護パッド側の切れ目の形状は、特に制限はないが、丸型状に加工することができる。丸型状とすることで、救急絆創膏の貼付時、使用時又は剥離時に、当該切れ目から裂けたり破れたりすることを予防することができ、好ましい。
【0017】
本発明のスリット入り救急絆創膏は、特に制限はないが、一般の救急絆創膏と同程度の大きさ、形状とすることができる。これにより、一般の救急絆創膏と違和感なく、指以外でも使用でき、また、容易に使い分けることができるので、好ましい。
【0018】
本発明のスリット入り救急絆創膏の支持体及び粘着剤からなるテープ部、及び傷口保護パッドは、一般的に救急絆創膏で使用する素材、加工等を使用することができる。これにより、安全性、信頼性を確保でき、かつ、製造コスト等を比較的安価にでき、好ましい。また、同様に救急絆創膏の剥離紙も、一般的に救急絆創膏で使用する紙、プラスチック製ライナー等を使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明のスリット入り救急絆創膏は、一般的な救急絆創膏と同様に使用することができ、特に指先や手の周辺の傷に使用するときに優れた貼付性、使用感が得られる。さらに、救急絆創膏のスリットの幅や形状を所定の範囲に設定することで、特殊な素材や加工等を必要とせず、低コストで製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明のスリット入り救急絆創膏の一実施形態を示す正面図である。
図2】本発明のスリット入り救急絆創膏のスリット中心部の拡大図である。
図3】本発明のスリット入り救急絆創膏の他の実施形態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 テープ部(支持体及び粘着剤)
2 スリット
3 傷口保護パッド
4 スリット中心
a スリット中心部の幅
b スリット端部の幅
c スリットの長辺方向の長さ
d スリット中心と傷口保護パッドとの距離
図1
図2
図3