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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-149075(P2018-149075A)
(43)【公開日】2018年9月27日
(54)【発明の名称】注射器の状態検知装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20180831BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20180831BHJP
【FI】
   A61M5/315 550A
   A61M5/31 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-47588(P2017-47588)
(22)【出願日】2017年3月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】辻 幹生
(72)【発明者】
【氏名】挽地 智志
(72)【発明者】
【氏名】米田 良憲
(72)【発明者】
【氏名】木下 誠
(72)【発明者】
【氏名】堀坂 忠宣
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066EE14
4C066QQ48
4C066QQ77
4C066QQ78
4C066QQ82
(57)【要約】
【課題】従来技術と比較して、消費電力量が少なく且つ安価に製造することができる注射器の状態検知装置を実現する。
【解決手段】注射器(2)に取り付け可能な検知装置(1)であって、注射器(2)の本体(21)に接触する第1のスイッチと(11)、注射器(2)のプランジャ(22)に接触する第2のスイッチ(12)と、第1のスイッチ(11)のオンオフを示す第1のオンオフ信号と第2のスイッチ(12)のオンオフを示す第2のオンオフ信号とを参照して、注射器(2)の状態を検知する制御部(10)とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器に取り付け可能な検知装置であって、
前記注射器の本体に接触する第1のスイッチと、前記注射器のプランジャに接触する第2のスイッチと、
前記第1のスイッチのオンオフを示す第1のオンオフ信号と前記第2のスイッチのオンオフを示す第2のオンオフ信号とを参照して、注射器の状態を検知する制御部と
を備えていることを特徴とする検知装置。
【請求項2】
前記制御部は、少なくとも前記第1のオンオフ信号を参照して、前記注射器が当該検知装置に取り付けられているか否かを判定することを特徴とする、請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2のオンオフ信号を更に参照して、前記注射器のプランジャが前記注射器の本体に押し込まれているか否かを判定することを特徴とする、請求項2に記載の検知装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1のオンオフ信号がオンである状態で、前記第2のオンオフ信号がオフからオンへの変化を含む場合に、前記注射器が注射完了状態に移行したと判定することを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の検知装置。
【請求項5】
前記検知装置の前記注射器の本体と接触する部分の内の少なくとも一部に、前記注射器の本体の少なくとも一部と嵌合する嵌合部を備えていることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の検知装置。
【請求項6】
前記制御部は、前回の注射完了時刻を参照し、前回の注射完了から所定の注射間隔よりも短い注射間隔で前記注射器が注射完了状態に移行したと判定した場合に、報知部を介してユーザに警告を発することを特徴とする、請求項1から5の何れか1項に記載の検知装置。
【請求項7】
外部装置との通信を開始するための第3のスイッチと、外部装置と通信するための通信部とを備え、
前記制御部は、前記第3のスイッチのオンオフを示す第3のオンオフ信号がオンである状態で、通信相手がいない場合に報知部を介してユーザに警告を発することを特徴とする、請求項1から6の何れか1項に記載の検知装置。
【請求項8】
上記報知部は、発光部であることを特徴とする、請求項6または7に記載の検知装置。
【請求項9】
前記第1のスイッチまたは前記第2のスイッチの少なくとも一方は、主電源が切断されている場合に当該主電源をオン状態にするための電源スイッチとして機能することを特徴とする、請求項1から8の何れか1項に記載の検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は注射器に取り付けて注射器の状態を検知するための検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
疾患の治療のために、一日に一回または数回の薬剤の注射が必要な場合がある。このような場合、適切な薬効を得るためには、注射の回数、注射のタイミング等の管理が重要である。
【0003】
特許文献1には、インシュリンを注射するために注射ボタンが入力(プッシュ)される時に共振回路を形成する組み込みコイルを利用して、注射量を測定することができる注射器が開示されている。
【0004】
特許文献2には、注射デバイスに取り付ける補助デバイスであって、注射デバイスの投与量窓の画像を取り込むことができる光学式文字認識(OCR)リーダを利用して投与量窓に表示された数値を読み取ることによって、注射デバイスにダイヤル設定された薬剤の用量を検出する補助デバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2014−519391号公報(2014年 8月14日公表)
【特許文献2】特表2015−506770号公報(2015年 3月 5日公表)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来技術は、検知回路が複雑である。その結果、消費電力量が多いという課題を有している。また、製造コストが高いという課題を有している。
【0007】
そこで、本発明の一態様は、従来技術と比較して、消費電力量が少なく且つ安価に製造することができる注射器の状態検知装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る検知装置は、注射器に取り付け可能な検知装置であって、前記注射器の本体に接触する第1のスイッチと、前記注射器のプランジャに接触する第2のスイッチと、前記第1のスイッチのオンオフを示す第1のオンオフ信号と前記第2のスイッチのオンオフを示す第2のオンオフ信号とを参照して、注射器の状態を検知する制御部とを備えていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、2つのスイッチのオンオフ信号を参照して注射器の状態を検知することができるので、従来の技術の様に複雑な検知回路を要しない。従って、簡易な構造とすることができる。その結果、従来技術と比較して、消費電力量が少なく且つ安価に製造することができる検知装置となり得る。
【0010】
本発明の一態様に係る検知装置は、前記制御部は、少なくとも前記第1のオンオフ信号を参照して、前記注射器が当該検知装置に取り付けられているか否かを判定する構成としてもよい。
【0011】
上記構成によれば、少なくとも注射器の本体に接触する第1のスイッチのオンオフを示す第1のオンオフ信号を参照することによって、注射器が検知装置に取り付けられているか否かを判定することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る検知装置は、前記制御部は、前記第2のオンオフ信号を更に参照して、前記注射器のプランジャが前記注射器の本体に押し込まれているか否かを判定する構成としてもよい。
【0013】
上記構成によれば、注射器のプランジャ端部に接触する第2のスイッチのオンオフを示す第2のオンオフ信号を更に参照するので、検知装置に取り付けられた注射器のプランジャが注射器の本体に押し込まれているか否かを判定することができる。
【0014】
本発明の一態様に係る検知装置は、前記制御部は、前記第1のオンオフ信号がオンである状態で、前記第2のオンオフ信号がオフからオンへの変化を含む場合に、前記注射器が注射完了状態に移行したと判定することを特徴とする構成としてもよい。
【0015】
上記構成によれば、第2のオンオフ信号がオフからオンへの変化を含む場合は、プランジャが注射器の本体から引き出された状態から再び押し込まれたこと検知することができる。従って、第2のオンオフ信号の変化を参照することで、注射器が注射完了状態に移行したと判定することができる。
【0016】
本発明の一態様に係る検知装置は、前記検知装置の前記注射器の本体と接触する部分の内の少なくとも一部に、前記注射器の本体の少なくとも一部と嵌合する嵌合部を備えていることを特徴とする構成としてもよい。
【0017】
上記構成によれば、注射器のプランジャが注射器本体に完全に押し込まれた場合に検知装置の第2のスイッチとプランジャ端部とが確実に接触するように、嵌合部を介して、検知装置と注射器とを位置合わせして取り付けることができる。その結果、第2のスイッチによって、プランジャの移動をより確実に検知することができる。
【0018】
本発明の一態様に係る検知装置は、前記制御部は、前回の注射完了時刻を参照し、前回の注射完了から所定の注射間隔よりも短い注射間隔で前記注射器が注射完了状態に移行したと判定した場合に、報知部を介してユーザに警告を発することを特徴とする構成としてもよい。
【0019】
上記構成によれば、前回の注射完了から所定の注射間隔よりも短い注射間隔で注射を行った場合に、ユーザに警告を発することにより、注射のタイミングを管理することができる。
【0020】
本発明の一態様に係る検知装置は、外部装置との通信を開始するための第3のスイッチと、外部装置と通信するための通信部とを備え、
前記制御部は、前記第3のスイッチのオンオフを示す第3のオンオフ信号がオンである状態で、通信相手がいない場合に報知部を介してユーザに警告を発することを特徴とする構成としてもよい。
【0021】
上記構成によれば、検知装置は外部装置と通信することができる。さらに、外部装置との通信が確立できない場合にはユーザに警告を発することができる。
【0022】
本発明の一態様に係る検知装置は、上記報知部は、発光部であることを特徴とする構成としてもよい。
【0023】
上記構成によれば、発光によってユーザに警告を発することができる。
【0024】
本発明の一態様に係る検知装置は、前記第1のスイッチまたは前記第2のスイッチの少なくとも一方は、主電源が切断されている場合に当該主電源をオン状態にするための電源スイッチとして機能することを特徴とする構成としてもよい。
【0025】
上記構成によれば、検知装置の主電源が切断されている場合に、第1のスイッチまたは第2のスイッチの少なくとも一方がオン状態になることによって主電源をオン状態にすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様によれば、従来の技術と比較して、消費電力量が少なく且つ製造コストが安い注射器状態検知装置となり得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態1に係る検知装置の概略の構成を示す図であり、(a)は注射器が取り付けられた検知装置の外観を示す斜視図であり、(b)は(a)に示す検知装置の分解斜視図であり、(c)は(a)に示す検知装置および注射器を検知装置の正面から見た正面図であり、(d)は(c)に示す検知装置および注射器のA−A線矢視断面図であり、(e)は(c)に示す検知装置および注射器のB−B線矢視断面図である。
図2図1の(d)に示した断面図において筒部接触スイッチおよびプランジャ接触スイッチの状態を説明する図であり、(a)は検知装置に注射器が取り付けられていない場合、(b)は検知装置に注射器が取り付けられており、且つ注射器のプランジャが筒方向に延伸している場合、(c)は検知装置に注射器が取り付けられており、且つ注射器のプランジャが筒部に完全に押し込まれている場合の、筒部接触スイッチおよびプランジャ接触スイッチの状態を説明している。
図3】本発明の実施形態1に係る検知装置の要部構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態2に係る検知装置の要部構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態3に係る検知装置の要部構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態1に係る検知装置の制御部の動作の一例を説明するフローチャートである。
図7】本発明の実施形態2に係る検知装置の制御部の動作の一例を説明するフローチャートである。
図8】本発明の実施形態3に係る検知装置の制御部の動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔実施形態1〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態1に係る検知装置1について、詳細に説明する。
【0029】
(1.検知装置1の要部構成)
本発明の実施形態1に係る検知装置1の要部構成を図1に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る検知装置1の概略の構成を示す図であり、(a)は注射器2が取り付けられた検知装置1の外観を示す斜視図であり、(b)は(a)に示す検知装置1の分解斜視図であり、(c)は(a)に示す検知装置1および注射器2を検知装置1の正面図であり、(d)は(c)に示す検知装置1および注射器2のA−A線矢視断面図であり、(e)は(c)に示す検知装置1および注射器2のB−B線矢視断面図である。
【0030】
図1に示す検知装置1には、発光部(報知部)15および通信開始スイッチ(第3のスイッチ)16が備えられているが、実施形態1においては、これらは必須ではない。発光部(報知部)15については実施形態2および3において、通信開始スイッチ(第3のスイッチ)16については実施形態3において詳細に説明する。
【0031】
図1の(b)に示すように、本発明の実施形態1に係る検知装置1は、取付け具18を分離することができる。検知装置1は取付け具18を備えることによって、検知装置1を注射器2に取り付けることができる。
【0032】
(筒部接触スイッチ11およびプランジャ接触スイッチ12)
図1の(d)に示すように、検知装置1の注射器2と接触する側の面には、2つのスイッチ11、12が設けられている。筒部接触スイッチ(第1のスイッチ)11は、注射器2の筒部21に接触し得る位置に設けられている。プランジャ接触スイッチ(第2のスイッチ)12は、プランジャ22が注射器2に完全に押し込まれた場合に、プランジャ22に接触し得る位置に設けられている。より具体的に言えば、プランジャ接触スイッチ12は、プランジャ22の投与量調整ダイアル(プランジャ22の最太部)24に接触し得る位置に設けられている。
【0033】
筒部接触スイッチ11およびプランジャ接触スイッチ12は、マイクロスイッチ部材がバネによって検知装置1の側面よりも外側に押し出されるように構成されている。筒部接触スイッチ11およびプランジャ接触スイッチ12は、マイクロスイッチ部材が検知装置1の側面よりも外側に押し出されている場合には検知装置への通電を停止し、マイクロスイッチ部材が検知装置1に押し込まれた場合には検知装置への通電を開始するように構成されている。本明細書においては、マイクロスイッチ部材が検知装置1の側面よりも外側に押し出されて検知装置への通電が停止されている状態を「オフである状態」または「オフ状態」といい、これに対してマイクロスイッチ部材が検知装置1に押し込まれて検知装置への通電が維持されている状態を「オンである状態」または「オン状態」という。
【0034】
筒部接触スイッチ11およびプランジャ接触スイッチ12の構成は上述したものに限定されない。注射器2との接触/非接触に応じて注射器2との接触端部の位置変化が生じ、かかる位置変化に応じて「オン」または「オフ」のオンオフ信号を生成することができるような物理的なスイッチであれば同等の効果を得ることができる。
【0035】
本実施形態に係る検知装置1は、それぞれが注射器2の異なる部位と接触する少なくとも2つの物理的なスイッチを備え、各スイッチが注射器2との接触/非接触に応じて生成するオンオフ信号(例えば、オンオフ信号の組合せおよびオンオフ信号の変化)と、注射器2の状態とを関連付けて処理することによって、従来技術のような複雑な検知回路を必要としないシンプルな構造によって注射器2の状態を検知することを可能としている。
【0036】
(取付け具18)
図1の(b)に示すように、取付け具18は、注射器2の筒部(本体)21を把持するための把持部としてスリーブ部30を有しており、スリーブ部30で注射器2の筒部21を挟み込んで保持することができる。取付け具18のスリーブ部30の端部にはスライドレール33が設けられており、検知装置1の本体の注射器2と接触する側の面に設けられたスライド嵌合部(図示しない)と互いに嵌合することにより、検知装置1の本体とスリーブ部30とがスライド可能に連結される。
【0037】
取付け具18は、注射器2の筒部21と接触する部分の内の少なくとも一部に、注射器2の筒部21の少なくとも一部と嵌合する凸部(嵌合部)31を備えていることが好ましい。実施形態1では、注射器2の筒部21の円周方向に設けられた2つの凹部25と嵌合することができるように、取付け具18には、2つの凹部25に対応する位置に2つの凸部(嵌合部)31が形成されている。
【0038】
図1の(e)に示すように、取付け具18の2つの凸部31と注射器2の筒部21の2つの凹部25とを嵌合させることによって、注射器2の筒部21の長さ方向および円周方向の位置合わせをして取付け具18に固定することができる。その結果、注射器2を検知装置1に対してより正確な位置に固定することができる。取付け具18の凸部31の形状および大きさは特に限定されず、適宜設定することができる。
【0039】
取付け具18には持ち手32が設けられていてもよい。ユーザは、持ち手32を指に掛けることによって検知装置1を取り付けた注射器2を容易に保持することができる。取付け具18の形状は、注射器2の筒部(本体)21を取り付けて保持することができる限りは特に限定されない。
【0040】
図3は、本実施形態に係る検知装置1の要部構成を示すブロック図である。図3に示すように、検知装置1は、筒部接触スイッチ(第1のスイッチ(SW1))11と、プランジャ接触スイッチ(第2のスイッチ(SW2))12と、筒部接触スイッチ11のオンオフを示す第1のオンオフ信号およびプランジャ接触スイッチ12のオンオフを示す第2のオンオフ信号を参照して注射器の状態を検知する制御部10と、記憶部13と、主電源制御部14とを備えている。
【0041】
図3に示すように、制御部10は、第1のスイッチ信号取得部101、第2のスイッチ信号取得部102および状態判定部103を備えている。制御部10は、検知装置1を統括的に制御する。
【0042】
第1のスイッチ信号取得部101は、筒部接触スイッチ11のオンオフを示す第1のオンオフ信号を取得する。筒部接触スイッチ11が「オン状態」の場合には、第1のオンオフ信号はオンを示す。これに対して、筒部接触スイッチ11が「オフ状態」の場合には、第1のオンオフ信号はオフを示す。
【0043】
第2のスイッチ信号取得部102は、プランジャ接触スイッチ12のオンオフを示す第2のオンオフ信号を取得する。プランジャ接触スイッチ12が「オン状態」の場合には、第2のオンオフ信号は「オン」を示す。これに対して、プランジャ接触スイッチ12が「オフ状態」の場合には、第2のオンオフ信号は「オフ」を示す。
【0044】
状態判定部103は、第1のスイッチ信号取得部101が取得した第1のオンオフ信号および第2のスイッチ信号取得部102が取得した第2のオンオフ信号を参照して、注射器2の状態を検知する。ここで、上記「注射器2の状態」は、注射器2の検知装置1へ装着状態、注射器2のプランジャ22の筒方向の移動状態が意図され、例えば、注射器2が検知装置1に装着されている、注射器2のプランジャ22が筒部21に完全に押し込まれている(「注射器2のプランジャ22が原点位置にある」ともいう)、注射器2のプランジャ22が筒方向に延伸している(「注射器2のプランジャ22が原点位置にない」ともいう)、注射器が注射完了状態に移行した等が意図される。
【0045】
記憶部13には、過去の(少なくとも前回の)注射完了時刻が記録されている。
【0046】
主電源制御部14は、検知装置1の電源(例えば、電池)から検知装置1の各部への電力供給を制御する。検知装置1は、注射器2が装着されていない場合に主電源をオフ状態とするように構成されている。これにより、検知装置1は、注射器2が装着されていない場合に電力を消費しないので、電池寿命を長くすることができる。
【0047】
筒部接触スイッチ11またはプランジャ接触スイッチ12の少なくとも一方は、主電源が切断されている場合に当該主電源をオン状態にするための電源スイッチとして機能させることができる。従って、筒部接触スイッチ11またはプランジャ接触スイッチ12の少なくとも一方がオン状態になると、検知装置1の主電源がオン状態になり、検知装置1の電源(例えば、電池)から検知装置1の各部への電力供給が開始される。
【0048】
(2.検知装置1の動作)
図2は、図1の(d)に示した断面図において筒部接触スイッチ11およびプランジャ接触スイッチ12の状態を説明する図である。図2の(a)に示すように、検知装置1に注射器2が取り付けられていない場合は、筒部接触スイッチ11およびプランジャ接触スイッチ12は、共にマイクロスイッチ部材が検知装置1の側面よりも外側に押し出されている。この場合、筒部接触スイッチ11およびプランジャ接触スイッチ12は共に「オフ状態」である。従って、第1のオンオフ信号および第2のオンオフ信号は共に「オフ」を示す。
【0049】
また、図2の(b)に示すように、検知装置1に注射器2が取り付けられており、且つ注射器2のプランジャ22が筒方向(図中に矢印で示す方向)に延伸している場合は、筒部接触スイッチ11と注射器2の筒部21とが接触するので、筒部接触スイッチ11のマイクロスイッチ部材が検知装置1に押し込まれている(オン状態)。一方、プランジャ接触スイッチ12は、延伸しているプランジャ22と接触していないので、プランジャ接触スイッチ12はマイクロスイッチ部材が検知装置1の側面よりも外側に押し出されている(オフ状態)。従って、第1のオンオフ信号は「オン」を示し、第2のオンオフ信号は「オフ」を示す。
【0050】
また、図2の(c)に示すように、検知装置1に注射器2が取り付けられており、且つ注射器2のプランジャ22が筒部21に完全に押し込まれている場合は、筒部接触スイッチ11と注射器2の筒部21とが接触し、プランジャ接触スイッチ12とプランジャ22とが接触するので、筒部接触スイッチ11およびプランジャ接触スイッチ12は、共にマイクロスイッチ部材が検知装置1に押し込まれている(オン状態)。従って、第1のオンオフ信号および第2のオンオフ信号は共に「オン」を示す。
【0051】
ここで、例えば、注射器の針先から薬剤が確実に出ることを確認するために、実際の注射の前に少量を試し打ち(空打ち)をする場合がある。このような場合、従来技術では、注射ボタンの入力や、注射デバイスの投与量窓の数値の変化を検知して注射が行われたか否かを判定するので、試し打ちを実際の注射と誤ってカウントする可能性がある。これに対して、本実施形態に係る検知装置1は、延伸しているプランジャ22が筒部21に完全に押し込まれたことをもって1回の注射が完了したと判定する。このため、試し打ちによって延伸しているプランジャ22を筒部21に完全に押し込まない限りは、これを1回の注射が完了したと誤判定することがない。従って、本実施形態に係る検知装置1によれば、注射回数をより正確に記録することができる。
【0052】
(3.制御部10の動作)
図6は、本実施形態に係る検知装置1の制御部10の動作の一例を説明するフローチャートである。
【0053】
(ステップS11)
筒部接触スイッチ11またはプランジャ接触スイッチ12の少なくとも一方がオン状態になり、主電源がオン状態になると、まず、第1のスイッチ信号取得部101は、第1のオンオフ信号を取得する。第1のスイッチ信号取得部101は、取得した第1のオンオフ信号を、状態判定部103に供給する。
【0054】
(ステップS12)
次いで、状態判定部103は、第1のオンオフ信号が「オン」を示している場合は、注射器2が装着されていると判定し、ステップS13へと進む。一方で、状態判定部103は、第1のオンオフ信号が「オフ」を示している場合は、注射器2が装着されていないと判定し、ステップS18へと進む。
【0055】
(ステップS13)
次いで、第2のスイッチ信号取得部102は、第2のオンオフ信号を取得する。第2のスイッチ信号取得部102は、取得した第2のオンオフ信号を、状態判定部103に供給する。
【0056】
(ステップS14)
次いで、状態判定部103は、第2のオンオフ信号が「オフ」を示している場合は、注射器2が装着され、且つプランジャ22が原点位置に無いと判定し、ステップS15へと進む。
【0057】
一方で、状態判定部103は、第2のオンオフ信号が「オン」を示している場合は、注射器2が装着され、且つプランジャ22が原点位置にあると判定し、ステップS13へと戻る。尚、ステップS13およびステップS14は、第2のオンオフ信号が「オフ」を示すまで繰り返される。
【0058】
(ステップS15)
次いで、第2のスイッチ信号取得部102は、第2のオンオフ信号を取得する。第2のスイッチ信号取得部102は、取得した第2のオンオフ信号を、状態判定部103に供給する。
【0059】
(ステップS16)
次いで、状態判定部103は、第2のオンオフ信号が「オン」を示している場合は、第2のオンオフ信号が「オフ」から「オン」への変化を含むので、注射器が注射完了状態に移行した(注射が実行された)と判定し、ステップS17へと進む。
【0060】
一方で、状態判定部103は、第2のオンオフ信号が「オフ」を示している場合は、第2のオンオフ信号が「オフ」から「オン」への変化を含まないので、注射器が注射完了状態に移行していない(注射が実行されていない)と判定し、ステップS15へと戻る。尚、ステップS15およびステップS16は、第2のオンオフ信号が「オン」を示すまで繰り返される。
【0061】
(ステップS17)
次いで、状態判定部103は、注射が実行された時刻情報を記憶部13に記録し、ステップS18へと進む。
【0062】
(ステップS18)
次いで、主電源制御部14は、主電源切断処理を実行し、検知装置1の主電源がオフにされる。
【0063】
(4.変形例)
一変形例において、記憶部13には、下記表1に示すような筒部接触スイッチ11のオンオフ信号(第1のオンオフ信号)およびプランジャ接触スイッチ12のオンオフ信号(第2のオンオフ信号)の少なくともいずれかと注射器の状態との対応関係を示す対応付け情報が保存されていてもよい。
【0064】
【表1】
【0065】
そして、状態判定部103は、第1のオンオフ信号および第2のオンオフ信号の少なくともいずれかと、表1に示した対応付け情報とを参照して、注射器2の状態を判定する構成とすることも可能である。
【0066】
また、別の変形例において、検知装置1は、主電源をオン状態にするために、筒部接触スイッチ11、プランジャ接触スイッチ12以外の電源スイッチが設けられていてもよい。
【0067】
また、別の変形例において、検知装置1の取付け具18は、持ち手32が設けられていない構成とすることも可能である。また、別の変形例において、取付け具18は、検知装置1と一体に形成されていてもよい。
【0068】
また、別の変形例において、取付け具18の凸部(嵌合部)31の個数は2つに限定されず、1つであっても、2つよりも多くてもよい(例えば、3つ、4つ等)。取付け具18の凸部が1つ以上であれば、注射器2の筒部21の長さ方向の位置合わせが可能となる。これに対して、取付け具18の凸部が2つ以上であれば、注射器2の筒部21の長さ方向および円周方向の位置合わせが可能となる。その結果、取付け具18の凸部が1つである場合と比較して、注射器2を検知装置1に対してより正確な位置に固定することができる。
【0069】
また、別の変形例において、制御部10は、ステップS11において、筒部接触スイッチ11のオンオフを示す第1のオンオフ信号およびプランジャ接触スイッチ12のオンオフを示す第2のオンオフ信号の両方を取得し、ステップS12において、第1のオンオフ信号および第2のオンオフ信号の両方を参照して注射器2が装着されているか否かを判定してもよい。
【0070】
〔実施形態2〕
以下、本発明の実施形態2に係る検知装置1aについて、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0071】
(1.検知装置1aの要部構成)
本発明の実施形態2に係る検知装置1aは、実施形態1に係る検知装置1と同様に、取付け具18を分離することができる。検知装置1aは取付け具18を備えることによって、検知装置1aを注射器2に取り付けることができる。
【0072】
図4は、本実施形態に係る検知装置1aの要部構成を示すブロック図である。図4に示すように、検知装置1aが報知部15をさらに備えている点が、実施形態1の検知装置1と異なっている。本実施形態に係る検知装置1aをかかる構成とすることによって、検知装置1aは、ユーザに警告等を報知することが可能となっている。図1の(b)に示すように、実施形態2に係る検知装置1aでは、報知部15として、LED発光部が設けられている。
【0073】
報知部15は、制御部10aが前回の注射完了時刻を参照し、前回の注射完了から所定の注射間隔よりも短い注射間隔で注射器2が注射完了状態に移行したと判定した場合に、ユーザに警告を発する。尚、適切な注射間隔は、注射する薬剤の種類によって異なる。
【0074】
(2.検知装置1aの動作)
本実施形態に係る検知装置1aは、上述したとおり、報知部15を備えているので、制御部10aが前回の注射完了時刻を参照し、前回の注射完了から所定の注射間隔よりも短い注射間隔で注射器2が注射完了状態に移行したと判定した場合に、ユーザに警告を発することが可能となっている点が、実施形態1の検知装置1とは異なる。
【0075】
また、本実施形態に係る検知装置1aでは、筒部接触スイッチ11のオンオフを示す第1のオンオフ信号およびプランジャ接触スイッチ12のオンオフを示す第2のオンオフ信号の両方を取得し、ステップS12において、第1のオンオフ信号および第2のオンオフ信号の両方を参照して注射器2が装着されているか否かを判定する点が、実施形態1の検知装置1とは異なる。そこで、かかる相違点の動作のみを以下に説明する。
【0076】
(3.制御部10aの動作)
図7は、本実施形態に係る検知装置1aの制御部10aの動作の一例を説明するフローチャートである。
【0077】
(ステップS21)
筒部接触スイッチ11またはプランジャ接触スイッチ12の少なくとも一方がオン状態になり、主電源がオン状態になると、まず、第1のスイッチ信号取得部101および第2のスイッチ信号取得部102は、第1のオンオフ信号および第2のオンオフ信号を取得する。第1のスイッチ信号取得部101および第2のスイッチ信号取得部102は、取得した第1のオンオフ信号および第2のオンオフ信号を、状態判定部103に供給する。
【0078】
(ステップS22)
次いで、状態判定部103は、(i)第1のオンオフ信号が「オン」を示し、且つ第2のオンオフ信号が「オン」を示している場合、および(ii)第1のオンオフ信号が「オン」を示し、且つ第2のオンオフ信号が「オフ」を示している場合は、注射器2が正常に装着されていると判定し、ステップS23へと進む。
【0079】
一方で、状態判定部103は、第1のオンオフ信号が「オフ」を示し、且つ第2のオンオフ信号が「オフ」を示している場合は、注射器2が装着されていないと判定し、ステップS18へと進む。また、状態判定部103は、第1のオンオフ信号が「オフ」を示し、且つ第2のオンオフ信号が「オン」を示している場合は、注射器2が異常装着されていると判定し、この場合もステップS18へと進む。
【0080】
(ステップS23)
次いで、状態判定部103は、第2のオンオフ信号が「オフ」を示している場合は、注射器2が装着され、且つプランジャ22が原点位置に無いと判定し、ステップS15へと進む。
【0081】
一方で、状態判定部103は、第2のオンオフ信号が「オン」を示している場合は、注射器2が装着され、且つプランジャ22が原点位置にあると判定し、ステップS13へと進む。
【0082】
(ステップS13〜S15)
ステップS13〜S15については、前記実施形態にて説明したとおりである。
【0083】
(ステップS16)
次いで、状態判定部103は、第2のオンオフ信号が「オン」を示している場合は、第2のオンオフ信号が「オフ」から「オン」への変化を含むので、注射器が注射完了状態に移行した(注射が実行された)と判定し、ステップS24へと進む。
【0084】
一方で、状態判定部103は、第2のオンオフ信号が「オフ」を示している場合は、第2のオンオフ信号が「オフ」から「オン」への変化を含まないので、注射器が注射完了状態に移行していない(注射が実行されていない)と判定し、ステップS15へと戻る。尚、ステップS15およびステップS16は、第2のオンオフ信号が「オン」を示すまで繰り返される。
【0085】
(ステップS24)
次いで、状態判定部103は、記憶部13に格納されている過去の注射完了時刻の記録の内、前回の注射完了時刻の記録を取得し、ステップS25へと進む。
【0086】
(ステップS25)
次いで、状態判定部103は、前回の注射完了時刻を参照し、前回の注射完了から所定の注射間隔よりも短い注射間隔で注射器2が注射完了状態に移行したと判定した場合には、ステップS26へと進む。
【0087】
一方で、前回の注射完了時刻を参照し、前回の注射完了から所定の注射間隔で注射器2が注射完了状態に移行したと判定した場合には、ステップS17へと進む。
【0088】
(ステップS26)
次いで、状態判定部103は、報知部15のLEDを点灯させて警告表示させる。
【0089】
(ステップS27)
次いで、状態判定部103は、報知部15のLEDを10秒間点滅させて警告表示させる。
【0090】
(ステップS28)
次いで、状態判定部103は、報知部15のLEDを消灯させて警告表示を終了させて、ステップS17へと進む。
【0091】
(ステップS17〜S18)
ステップS17〜S18については、前記実施形態にて説明したとおりである。
【0092】
(4.変形例)
一変形例において、ステップS24〜S28を、ステップS22の後であって、S15の前のどこかで行うことも可能である。
【0093】
また、別の変形例において、ステップS25において、状態判定部103は、前回の注射完了時刻を参照し、前回の注射完了から所定の注射間隔よりも長い注射間隔で注射器2が注射完了状態に移行したと判定した場合にも、報知部15を介して警告を行うようにすることも可能である。
【0094】
また、別の変形例において、ステップS27において報知部15のLEDを点滅させる時間を10秒間よりも長く設定してもよく、短く設定してもよい。
【0095】
また、別の変形例において、報知部15として音出力部を備え、音による報知をおこなってもよい。また、別の変形例において、報知部15として表示部を備え、文字、図柄等による報知を行ってもよい。
【0096】
〔実施形態3〕
以下、本発明の実施形態3に係る検知装置1bについて、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0097】
(1.検知装置1bの要部構成)
本発明の実施形態3に係る検知装置1bは、実施形態1に係る検知装置1および実施形態2に係る検知装置1aと同様に、取付け具18を分離することができる。検知装置1bは取付け具18を備えることによって、検知装置1bを注射器2に取り付けることができる。
【0098】
図5は、本実施形態に係る検知装置1bの要部構成を示すブロック図である。図5に示すように、(i)検知装置1bが通信開始スイッチ(第3のスイッチ)16、外部通信ユニット(通信部)17および複数個の報知部15をさらに備えている点、(ii)制御部10bが第3のスイッチ信号取得部104をさらに備えている点が、実施形態2の検知装置1aと異なっている。本実施形態に係る検知装置1bをかかる構成とすることによって、検知装置1bは、外部装置と通信することができる。また、外部装置との通信が確立できない場合にはユーザに警告を発することができる。また、外部装置との通信が確立できた場合にはユーザに通信中であることを報知することができる。
【0099】
図1の(b)に示すように、実施形態3に係る検知装置1bでは、通信開始スイッチ16が設けられている。さらに、ユーザに異なる内容の報知を行うことができるように、2つの報知部15aおよび15bとして、2つのLED発光部が設けられている。2つのLED発光部は、LED発光部15aが黄色、LED発光部15bが青色に発光するように構成されている。尚、発光部が発する光の色の種類および色の組合せは特に限定されず、適宜設定することができる。ユニバーサルデザインの観点から、赤色と緑色との組合せ以外の色の組合せを採用することが好ましい。
【0100】
通信開始スイッチ16は、所定時間以上押下されると、第3のオンオフ信号を生成する。
【0101】
外部通信ユニット17は、第3のオンオフ信号を受けて検知装置1bが外部装置との通信を開始する。
【0102】
報知部15aは、制御部10bが前回の注射完了時刻を参照し、前回の注射完了から所定の注射間隔よりも短い注射間隔で注射器2が注射完了状態に移行したと判定した場合、および制御部10bが外部装置との通信が確立できないと判定した場合に、ユーザに警告を発する。
【0103】
報知部15bは、制御部10bが外部装置との通信が確立できたと判定した場合に、ユーザに通信中であることを報知する。
【0104】
(2.検知装置1bの動作)
本実施形態に係る検知装置1bは、上述したとおり、通信開始スイッチ16、外部通信ユニット17および報知部15bを備えているので、外部装置と通信することができ、さらに、外部装置との通信状態に関連した報知を行うことが可能となっている点が、実施形態2の検知装置1aとは異なる。そこで、かかる相違点の動作のみを以下に説明する。
【0105】
(3.制御部10bの動作)
図8は、本実施形態に係る検知装置1bの制御部10bの動作の一例を説明するフローチャートである。
【0106】
(ステップS21)
ステップS21については、前記実施形態にて説明したとおりである。
【0107】
(ステップS22)
次いで、状態判定部103は、(i)第1のオンオフ信号が「オン」を示し、且つ第2のオンオフ信号が「オン」を示している場合、および(ii)第1のオンオフ信号が「オン」を示し、且つ第2のオンオフ信号が「オフ」を示している場合は、注射器2が正常に装着されていると判定し、ステップS23へと進む。ステップS23以降の処理については、前記実施形態にて説明したとおりである。
【0108】
一方で、状態判定部103は、第1のオンオフ信号が「オフ」を示し、且つ第2のオンオフ信号が「オフ」を示している場合は、注射器2が装着されていないと判定し、ステップS31へと進む。
【0109】
(ステップS31)
第3のスイッチ信号取得部104は、第3のオンオフ信号を取得する。第3のスイッチ信号取得部104は、取得した第3のオンオフ信号を、状態判定部103に供給する。
【0110】
(ステップS32)
次いで、状態判定部103は、第3のオンオフ信号が「オン」を示しており、且つ第3のオンオフ信号の持続時間が4秒以下であると判定した場合は、ステップS18へと進む。ステップS18については、前記実施形態にて説明したとおりである。
【0111】
一方で、状態判定部103は、第3のオンオフ信号が「オン」を示しており、且つ第3のオンオフ信号の持続時間が4秒間よりも長いと判定した場合は、ステップS33へと進む。
【0112】
(ステップS33)
次いで、状態判定部103は、外部通信ユニット17に、外部装置との通信を開始させる。
【0113】
(ステップS34)
次いで、状態判定部103は、外部通信ユニット17から、外部装置との通信状態を取得する。
【0114】
(ステップS35)
次いで、状態判定部103は、取得した外部装置との通信状態を参照し、外部通信を確立できたと判定した場合には、ステップS36へと進む。
【0115】
一方で、取得した外部装置との通信状態を参照し、外部通信を確立できなかったと判定した場合には、ステップS39へと進む。
【0116】
(ステップS36)
次いで、状態判定部103は、報知部15bのLEDを点灯させて通信中であることを報知させる。
【0117】
(ステップS37)
次いで、外部通信ユニット17は、外部装置へとデータを伝送する。
【0118】
(ステップS38)
次いで、状態判定部103は、報知部15bのLEDを消灯させて通信が終了したことを報知させて、ステップS18へと進む。ステップS18については、前記実施形態にて説明したとおりである。
【0119】
(ステップS39)
次いで、状態判定部103は、報知部15aのLEDを点灯させて警告表示させる。
【0120】
(ステップS40)
次いで、状態判定部103は、報知部15aのLEDを4秒間点滅させて警告表示させる。
【0121】
(ステップS41)
次いで、状態判定部103は、報知部15aのLEDを消灯させて警告表示を終了させて、ステップS18へと進む。ステップS18については、前記実施形態にて説明したとおりである。
【0122】
(4.変形例)
一変形例において、検知装置1bは、外部装置と有線通信するように構成されてもよい。
【0123】
また、別の変形例において、ステップS40において報知部15aのLEDを点滅させる時間を4秒間よりも長く設定してもよく、短く設定してもよい。
【0124】
また、別の変形例において、報知部15bとして音出力部を備え、音による報知をおこなってもよい。また、別の変形例において、報知部15bとして表示部を備え、文字、図柄等による報知を行ってもよい。
【0125】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部10、10a、10bの制御ブロック(特に第1のスイッチ信号取得部101、第2のスイッチ信号取得部102、状態判定部103および第3のスイッチ信号取得部104)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0126】
後者の場合、制御部10、10a、10bは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0127】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0128】
1 検知装置
1a 検知装置
1b 検知装置
2 注射器
10 制御部
10a 制御部
10b 制御部
11 筒部接触スイッチ(第1のスイッチ)
12 プランジャ接触スイッチ(第2のスイッチ)
13 記憶部
14 主電源制御部
15 LED発光部(報知部)
15a LED発光部(報知部)
15b LED発光部(報知部)
16 通信開始スイッチ(第3のスイッチ)
17 外部通信ユニット(通信部)
21 筒部(本体)
22 プランジャ
24 投与量調整ダイアル(最太部)
31 凸部(嵌合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8