特開2018-149089(P2018-149089A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000003
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000004
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000005
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000006
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000007
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000008
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000009
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000010
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000011
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000012
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000013
  • 特開2018149089-内視鏡装置 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-149089(P2018-149089A)
(43)【公開日】2018年9月27日
(54)【発明の名称】内視鏡装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/04 20060101AFI20180831BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20180831BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20180831BHJP
【FI】
   A61B1/04 540
   A61B1/00 R
   G02B23/24 B
   A61B1/00 680
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-47787(P2017-47787)
(22)【出願日】2017年3月13日
(71)【出願人】
【識別番号】313009556
【氏名又は名称】ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 高太郎
(72)【発明者】
【氏名】菅野 清貴
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040CA04
2H040CA11
2H040CA22
2H040DA02
2H040DA31
2H040GA01
2H040GA03
2H040GA11
4C161BB02
4C161CC06
4C161DD01
4C161FF02
4C161JJ06
4C161NN01
4C161NN03
4C161SS12
4C161UU02
(57)【要約】
【課題】小型化を図ること。
【解決手段】内視鏡装置は、被検体内に挿入され、先端から当該被検体内の被写体像を取り込んで接眼部から出射する内視鏡と、接眼部に着脱可能に接続される装着部を有し、被写体像を撮像するカメラヘッドとを備える。接眼部及び装着部は、内視鏡の被検体内への挿入軸Ax1を中心として内視鏡及びカメラヘッドを相対的に回転可能に接続する。接眼部には、内視鏡側端子12が設けられている。装着部には、内視鏡側端子12に当接してカメラヘッドから内視鏡に給電するためのヘッド側端子13が設けられている。内視鏡側端子12は、挿入軸Ax1を中心とする仮想円VC上に3つ設けられている。ヘッド側端子13は、仮想円VC上に2つ設けられている。
【選択図】図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に挿入され、先端から当該被検体内の被写体像を取り込んで接眼部から出射する内視鏡と、前記接眼部に着脱可能に接続される装着部を有し、前記被写体像を撮像するカメラヘッドとを備えた内視鏡装置であって、
前記接眼部及び前記装着部は、
前記内視鏡の前記被検体内への挿入軸を中心として当該内視鏡及び前記カメラヘッドを相対的に回転可能に互いに接続し、
前記接眼部には、
内視鏡側端子が設けられ、
前記装着部には、
前記内視鏡側端子に電気的に接続して前記カメラヘッドから前記内視鏡に給電するためのヘッド側端子が設けられ、
前記内視鏡側端子及び前記ヘッド側端子の一方の端子は、
前記挿入軸を中心とする仮想円上に少なくとも3つ設けられ、
前記内視鏡側端子及び前記ヘッド側端子の他方の端子は、
前記仮想円上に少なくとも2つ設けられている
ことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記一方の端子は、
前記他方の端子に向けて突出する凸状の端子であり、
前記他方の端子は、
前記仮想円に沿って円弧状に延在し、前記一方の端子に当接する面が平坦な端子である
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記一方の端子は、
3つ設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
3つの前記一方の端子は、
互いに同一形状を有し、前記挿入軸を中心とする120°の回転対称となるように設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
少なくとも3つの前記一方の端子は、
同一の高さ寸法を有するように形成され、
少なくとも2つの前記他方の端子は、
前記一方の端子に当接する面が面一となるように形成され、
前記装着部には、
前記内視鏡側端子が前記ヘッド側端子に近接する方向に前記接眼部を当該装着部に押圧する押圧部が設けられている
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記内視鏡側端子は、
前記ヘッド側端子とは異なる数だけ設けられ、互いに同一形状を有し、前記挿入軸を中心とする回転対称となるように設けられ、
前記ヘッド側端子は、
互いに同一形状を有し、前記挿入軸を中心とする回転対称となるように設けられている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記内視鏡側端子は、
前記ヘッド側端子と同一の数だけ設けられ、
前記内視鏡側端子及び前記ヘッド側端子の一方は、
互いに同一形状を有し、前記挿入軸を中心とする回転対称となるように設けられ、
前記内視鏡側端子及び前記ヘッド側端子の他方は、
少なくともいずれかが他と異なる形状を有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記ヘッド側端子は、
第1ヘッド側端子及び第2ヘッド側端子の2つ設けられ、
前記カメラヘッドは、
前記第1ヘッド側端子及び前記第2ヘッド側端子にそれぞれ逆相の交流電圧を供給する送電部を備え、
前記内視鏡は、
前記内視鏡側端子に入力された交流電圧を全波整流する整流回路と、
前記整流回路にて全波整流された電圧を平滑化する平滑回路とを備える
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記内視鏡側端子は、
第1内視鏡側端子、第2内視鏡側端子、及び第3内視鏡側端子の3つ設けられ、
前記整流回路は、
前記第1内視鏡側端子及び前記第2内視鏡側端子間に入力された交流電圧を全波整流する第1整流回路と、
前記第1内視鏡側端子及び前記第3内視鏡側端子間に入力された交流電圧を全波整流する第2整流回路と、
前記第2内視鏡側端子及び前記第3内視鏡側端子間に入力された交流電圧を全波整流する第3整流回路とを備える
ことを特徴とする請求項8に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記内視鏡及び前記カメラヘッドは、
前記交流電圧に通信信号を重畳させて互いに通信を行う通信部をそれぞれ備える
ことを特徴とする請求項8または9に記載の内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像素子を用いて人等の被検体内(生体内)を撮像し、当該生体内を観察する内視鏡装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の内視鏡装置は、ヘッド分離型の内視鏡装置で構成されている。具体的に、当該内視鏡装置は、生体内に挿入され、先端から当該生体内の被写体像を取り込んで接眼部から出射する内視鏡と、接眼部に着脱自在に接続され、被写体像を撮像するカメラヘッドとを備える。また、当該内視鏡装置では、カメラヘッドは、外部の光源及びテレビカメラ装置から内視鏡を介して給電される。このため、接眼部には、2つの内視鏡側端子が設けられている。また、カメラヘッドの装着面には、2つの内視鏡側端子に対して1対1でそれぞれ電気的に接続して内視鏡からカメラヘッドに給電するための2つのヘッド側端子が設けられている。具体的に、2つの内視鏡側端子は、内視鏡の中心軸を中心とする円環形状を有し、互いに径寸法の異なる円環状端子でそれぞれ構成されている。また、2つのヘッド側端子は、内視鏡の中心軸を中心とする径方向に並設され、2つの円環状端子にそれぞれ挿入される突型端子でそれぞれ構成されている。すなわち、当該内視鏡装置では、内視鏡側端子及びヘッド側端子を上記の形状とすることで、内視鏡の中心軸を中心とする内視鏡及びカメラヘッドの相対的な回転に対応させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−262467号公報(図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の内視鏡装置では、内視鏡側端子及びヘッド側端子を内視鏡の中心軸を中心とする径方向に並設させている。このため、内視鏡(接眼部)及びカメラヘッドとしては、当該内視鏡側端子及びヘッド側端子の配置を考慮して、内視鏡の中心軸を中心とする径方向に拡径させる必要がある。すなわち、特許文献1に記載の内視鏡装置では、小型化を阻害する、という問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、小型化を図ることができる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内視鏡装置は、被検体内に挿入され、先端から当該被検体内の被写体像を取り込んで接眼部から出射する内視鏡と、前記接眼部に着脱可能に接続される装着部を有し、前記被写体像を撮像するカメラヘッドとを備えた内視鏡装置であって、前記接眼部及び前記装着部は、前記内視鏡の前記被検体内への挿入軸を中心として当該内視鏡及び前記カメラヘッドを相対的に回転可能に互いに接続し、前記接眼部には、内視鏡側端子が設けられ、前記装着部には、前記内視鏡側端子に電気的に接続して前記カメラヘッドから前記内視鏡に給電するためのヘッド側端子が設けられ、前記内視鏡側端子及び前記ヘッド側端子の一方の端子は、前記挿入軸を中心とする仮想円上に少なくとも3つ設けられ、前記内視鏡側端子及び前記ヘッド側端子の他方の端子は、前記仮想円上に少なくとも2つ設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る内視鏡装置では、上記発明において、前記一方の端子は、前記他方の端子に向けて突出する凸状の端子であり、前記他方の端子は、前記仮想円に沿って円弧状に延在し、前記一方の端子に当接する面が平坦な端子であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る内視鏡装置では、上記発明において、前記一方の端子は、3つ設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る内視鏡装置では、上記発明において、3つの前記一方の端子は、互いに同一形状を有し、前記挿入軸を中心とする120°の回転対称となるように設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る内視鏡装置では、上記発明において、少なくとも3つの前記一方の端子は、同一の高さ寸法を有するように形成され、少なくとも2つの前記他方の端子は、前記一方の端子に当接する面が面一となるように形成され、前記装着部には、前記内視鏡側端子が前記ヘッド側端子に近接する方向に前記接眼部を当該装着部に押圧する押圧部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る内視鏡装置では、上記発明において、前記内視鏡側端子は、前記ヘッド側端子とは異なる数だけ設けられ、互いに同一形状を有し、前記挿入軸を中心とする回転対称となるように設けられ、前記ヘッド側端子は、互いに同一形状を有し、前記挿入軸を中心とする回転対称となるように設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る内視鏡装置では、上記発明において、前記内視鏡側端子は、前記ヘッド側端子と同一の数だけ設けられ、前記内視鏡側端子及び前記ヘッド側端子の一方は、互いに同一形状を有し、前記挿入軸を中心とする回転対称となるように設けられ、前記内視鏡側端子及び前記ヘッド側端子の他方は、少なくともいずれかが他と異なる形状を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る内視鏡装置では、上記発明において、前記ヘッド側端子は、第1ヘッド側端子及び第2ヘッド側端子の2つ設けられ、前記カメラヘッドは、前記第1ヘッド側端子及び前記第2ヘッド側端子にそれぞれ逆相の交流電圧を供給する送電部を備え、前記内視鏡は、前記内視鏡側端子に入力された交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路にて全波整流された電圧を平滑化する平滑回路とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る内視鏡装置では、上記発明において、前記内視鏡側端子は、第1内視鏡側端子、第2内視鏡側端子、及び第3内視鏡側端子の3つ設けられ、前記整流回路は、前記第1内視鏡側端子及び前記第2内視鏡側端子間に入力された交流電圧を全波整流する第1整流回路と、前記第1内視鏡側端子及び前記第3内視鏡側端子間に入力された交流電圧を全波整流する第2整流回路と、前記第2内視鏡側端子及び前記第3内視鏡側端子間に入力された交流電圧を全波整流する第3整流回路とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る内視鏡装置では、上記発明において、前記内視鏡及び前記カメラヘッドは、前記交流電圧に通信信号を重畳させて互いに通信を行う通信部をそれぞれ備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る内視鏡装置では、内視鏡側端子及びヘッド側端子は、接眼部及び装着部において、同一の仮想円上にそれぞれ設けられている。すなわち、内視鏡側端子は、従来のように挿入軸を中心とする径方向に並設されていない。ヘッド側端子も同様である。このため、内視鏡(接眼部)及びカメラヘッド(装着部)としては、当該内視鏡側端子及びヘッド側端子の配置を考慮して、挿入軸を中心とする径方向に拡径させる必要がない。
したがって、本発明に係る内視鏡装置によれば、小型化を図ることができる、という効果を奏する。
特に、内視鏡側端子及びヘッド側端子の一方の端子は、仮想円上に少なくとも3つ設けられている。また、内視鏡側端子及びヘッド側端子の他方の端子は、仮想円上に少なくとも2つ設けられている。このため、挿入軸を中心として内視鏡及びカメラヘッドを相対的に回転させた場合であっても、当該一方の端子のうち2つの端子と当該他方の端子のうち2つの端子とが1対1で必ず電気的に接続する構成を実現することができる。したがって、挿入軸を中心として内視鏡及びカメラヘッドを相対的に回転させた場合であっても、カメラヘッドから内視鏡に給電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施の形態に係る内視鏡装置の概略構成を示す図である。
図2A図2Aは、接眼部の構成を示す図である。
図2B図2Bは、接眼部の構成を示す図である。
図3A図3Aは、装着部の構成を示す図である。
図3B図3Bは、装着部の構成を示す図である。
図4図4は、カメラヘッドから内視鏡への給電構造を示すブロック図である。
図5図5は、送電部から第1,第2ヘッド側端子に供給される電圧波形をそれぞれ示す図である。
図6図6は、整流回路による整流後の電圧波形を示す図である。
図7A図7Aは、内視鏡及びカメラヘッドが相対的に回転した状態での第1〜第3内視鏡側端子と第1,第2ヘッド側端子との位置関係の一例を示す図である。
図7B図7Bは、内視鏡及びカメラヘッドが相対的に回転した状態での第1〜第3内視鏡側端子と第1,第2ヘッド側端子との位置関係の一例を示す図である。
図8図8は、平滑回路による平滑化後の電圧波形を示す図である。
図9図9は、本実施の形態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0019】
〔内視鏡装置の概略構成〕
図1は、本実施の形態に係る内視鏡装置1の概略構成を示す図である。
内視鏡装置1は、医療分野において用いられ、生体内を観察する装置である。この内視鏡装置1は、図1に示すように、内視鏡2と、光源装置3と、ライトガイド4と、カメラヘッド5と、第1伝送ケーブル6と、表示装置7と、第2伝送ケーブル8と、制御装置9と、第3伝送ケーブル10とを備える。
【0020】
内視鏡2は、硬性鏡で構成されている。すなわち、内視鏡2は、硬質または少なくとも一部が軟質で細長形状を有し、生体内に挿入される。この内視鏡2内には、1または複数のレンズを用いて構成され、被写体像を集光する光学系が設けられている。
ところで、内視鏡2は、通常、温度や湿度が管理された環境下、例えば、処置室等に設置されている。このため、内視鏡2の先端は、使用前において、このような温度や湿度に晒されている。そして、内視鏡2が生体内に挿入された場合には、例えば、室温と体温との温度差や、生体内の高湿度環境(湿度:約98〜100%)等によって、内視鏡2内に設けられた光学系に曇りが発生し、視野が著しく低下してしまう。
そこで、内視鏡2内には、光学系に生じる曇りを防止する曇り防止装置11(図4参照)が設けられている。
この曇り防止装置11は、通電により発熱して当該熱を光学系に付与するヒータ111と、当該光学系の温度を検出する温度センサ112とを備える(図4参照)。
【0021】
光源装置3は、ライトガイド4の一端が接続され、制御装置9による制御の下、当該ライトガイド4の一端に生体内を照明するための光を供給する。
ライトガイド4は、一端が光源装置3に着脱自在に接続されるとともに、他端が内視鏡2に着脱自在に接続される。そして、ライトガイド4は、光源装置3から供給された光を一端から他端に伝達し、内視鏡2に供給する。内視鏡2に供給された光は、当該内視鏡2の先端から出射され、生体内に照射される。生体内に照射され、当該生体内で反射された光(被写体像)は、内視鏡2内の光学系により集光される。
【0022】
カメラヘッド5は、内部に撮像部(図示略)等が気密に収納された気密部51(図1)と、気密部51に設けられ、内視鏡2の接眼部21(図1)に着脱自在に接続される装着部52とを備える。そして、カメラヘッド5は、制御装置9による制御の下、内視鏡2にて集光された被写体像を撮像し、当該撮像による画像信号(RAW信号)を出力する。当該画像信号は、例えば、4K以上の画像信号である。また、カメラヘッド5は、制御装置9から供給された電力に基づいて、曇り防止装置11等を駆動するために内視鏡2に給電する。
なお、接眼部21及び装着部52の詳細な構成、並びに、カメラヘッド5から内視鏡2への給電構造の詳細については、後述する。
【0023】
第1伝送ケーブル6は、一端がコネクタCN1(図1)を介して制御装置9に着脱自在に接続され、他端がコネクタCN2(図1)を介してカメラヘッド5に着脱自在に接続される。そして、第1伝送ケーブル6は、カメラヘッド5から出力される画像信号等を制御装置9に伝送するとともに、制御装置9から出力される制御信号、同期信号、クロック、及び電力等をカメラヘッド5にそれぞれ伝送する。
なお、第1伝送ケーブル6を介したカメラヘッド5から制御装置9への画像信号等の伝送は、当該画像信号等を光信号で伝送してもよく、あるいは、電気信号で伝送しても構わない。第1伝送ケーブル6を介した制御装置9からカメラヘッド5への制御信号、同期信号、クロックの伝送も同様である。
【0024】
表示装置7は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示ディスプレイを用いて構成され、制御装置9による制御の下、当該制御装置9からの映像信号に基づく画像を表示する。
第2伝送ケーブル8は、一端が表示装置7に着脱自在に接続され、他端が制御装置9に着脱自在に接続される。そして、第2伝送ケーブル8は、制御装置9にて処理された映像信号を表示装置7に伝送する。
【0025】
制御装置9は、CPU(Central Processing Unit)等を含んで構成され、光源装置3、カメラヘッド5、及び表示装置7の動作を統括的に制御する。
例えば、制御装置9は、第1伝送ケーブル6を介してカメラヘッド5から取得した画像信号に対して種々の処理を施すことで映像信号を生成し、第2伝送ケーブル8を介して当該映像信号を表示装置7に出力する。そして、表示装置7は、当該映像信号に基づく画像を表示する。また、制御装置9は、第1,第3伝送ケーブル6,10を介して、カメラヘッド5や光源装置3に対して制御信号等を出力する。
第3伝送ケーブル10は、一端が光源装置3に着脱自在に接続され、他端が制御装置9に着脱自在に接続される。そして、第3伝送ケーブル10は、制御装置9からの制御信号を光源装置3に伝送する。
【0026】
〔接眼部の構成〕
次に、接眼部21の構成について説明する。
なお、以下に記載する「先端」は、内視鏡2の先端側の端部を意味する。また、「基端」は、内視鏡2の先端から離間した側の端部を意味する。
図2A及び図2Bは、接眼部21の構成を示す図である。具体的に、図2Aは、接眼部21を当該接眼部21の中心軸Ax1(本発明に係る挿入軸に相当)に沿う切断面にて切断した断面図である。図2Bは、接眼部21を基端側から見た図である。
接眼部21は、略円筒形状を有し、内視鏡2の基端に設けられている。この接眼部21内には、内視鏡2内の光学系により集光された被写体像を接眼部21の基端から外部に出射する接眼光学系211(図2A図2B)が設けられている。そして、接眼部21は、基端側に向かうにしたがって拡径するテーパ状に形成され、当該拡径した部分に装着部52が着脱自在に接続される。
【0027】
ここで、接眼部21における基端側の端面は、図2Aに示すように、当該接眼部21の中心軸Ax1(接眼光学系211のレンズ光軸)に直交する平坦状の面である。そして、当該基端側の端面には、図2Aまたは図2Bに示すように、内視鏡側端子12が設けられている。
内視鏡側端子12は、金属等の導電性材料から構成され、接眼部21における基端側の端面から突出する凸状の端子であり、当該端面に埋め込まれている。より具体的に、内視鏡側端子12は、中心軸Ax1に直交する切断面にて切断した断面が円形状を有し、突端が半球形状を有する。そして、内視鏡側端子12は、内視鏡2内に配線された電力線LiA(図2A)に電気的に接続する。
本実施の形態では、内視鏡側端子12は、図2Bに示すように、互いに絶縁された状態で設けられた第1〜第3内視鏡側端子121〜123の3つで構成されている。これら第1〜第3内視鏡側端子121〜123は、互いに同一形状を有し、接眼部21における基端側の端面からの突出寸法が同一となるように設けられている。また、第1〜第3内視鏡側端子121〜123は、中心軸Ax1を中心とする仮想円VC上において、当該中心軸Ax1を中心とする120°の回転対称となるように設けられている。なお、電力線LiAも同様に、第1〜第3内視鏡側端子121〜123に対応させて、第1〜第3電力線LiA1〜LiA3(図4参照)の3本で構成されている。
【0028】
〔装着部の構成〕
次に、装着部52の構成について説明する。
図3A及び図3Bは、装着部52の構成を示す図である。具体的に、図3Aは、装着部52を当該装着部52の中心軸Ax2(本発明に係る挿入軸に相当)に沿う切断面にて切断した断面図である。図3Bは、装着部52を先端側から見た図である。
装着部52は、円柱形状を有する。
この装着部52において、先端側の端面には、図3Aまたは図3Bに示すように、基端側に向けて窪み、接眼部21が嵌合する嵌合穴521が設けられている。そして、嵌合穴521に接眼部21が嵌合した状態では、中心軸Ax1,Ax2同士が合致する。また、嵌合穴521の内周面には、押圧部522が設けられている。
押圧部522は、中心軸Ax2に対して近接隔離する方向に移動可能に弾性を有し、接眼部21の外周面に当接して接眼部21を図3A中、右方向に向けて押圧する。本実施の形態では、押圧部522は、図3Bに示すように、4つ設けられ、中心軸Ax2を中心とする90°の回転対称となるように設けられている。
そして、内視鏡2及びカメラヘッド5は、互いに接続した状態で、中心軸Ax1(Ax2)を中心として相対的に回転可能に構成されている。
【0029】
また、装着部52において、基端側の端面には、図3Aまたは図3Bに示すように、嵌合穴521に連通し、気密部51と接続するための連通孔523が設けられている。
この連通孔523は、その中心が中心軸Ax2に一致する円孔で構成されている。そして、連通孔523には、気密部51における先端側の一部が接続される。なお、図3A及び図3Bでは、気密部51を構成するケーシング511、及びケーシング511の開口を気密に封止する光学素子512のみを図示している。
【0030】
ここで、嵌合穴521の底面は、図3Aに示すように、中心軸Ax2に直交する平坦状の面である。そして、当該底面には、図3Aまたは図3Bに示すように、ヘッド側端子13が設けられている。
ヘッド側端子13は、金属等の導電性材料から構成され、嵌合穴521の底面に埋め込まれている。そして、ヘッド側端子13は、気密部51内に配線された電力線LiB(図3A)に電気的に接続する。
本実施の形態では、ヘッド側端子13は、図3Bに示すように、互いに絶縁された状態で設けられた第1,第2ヘッド側端子131,132の2つで構成されている。これら第1,第2ヘッド側端子131,132は、互いに同一形状を有し、中心軸Ax2を中心とする仮想円VC(図2Bに示した仮想円VCと同一の円)に沿って延在する略半円弧状にそれぞれ形成され、先端側の面が平坦で面一となるように設けられている。また、第1,第2ヘッド側端子131,132は、中心軸Ax2を中心とする180°の回転対称となるように設けられている。なお、電力線LiBも同様に、第1,第2ヘッド側端子131,132に対応させて、第1,第2電力線LiB1,LiB2(図3A)の2本で構成されている。
【0031】
また、嵌合穴521の底面において、仮想円VC上の第1,第2ヘッド側端子131,132間には、図3Aまたは図3Bに示すように、先端側の面が平坦で第1,第2ヘッド側端子131,132における先端側の面と面一となる突出部524が設けられている。ここで、仮想円VC上において、第1,第2ヘッド側端子131,132の離間寸法(突出部524における仮想円VCに沿う長さ寸法)は、内視鏡側端子12における仮想円VCに沿う長さ寸法と略同一である(図7B参照)。なお、図3Bでは、突出部524と識別するために、第1,第2ヘッド側端子131,132に斜線を付している。
【0032】
そして、ヘッド側端子13は、装着部52に接眼部21が接続された際に、内視鏡側端子12に当接して電気的に接続する。すなわち、内視鏡側端子12及びヘッド側端子13は、カメラヘッド5から内視鏡2への給電用の端子として機能する。また、3つの内視鏡側端子12の各突端で形成される平面、及び2つのヘッド側端子13における先端側の平坦な面は、カメラヘッド5に対する内視鏡2の位置決め面(中心軸Ax1(Ax2)方向の位置決め面、及び中心軸Ax1(Ax2)に直交する2つの各軸まわりの回転方向の位置決め面)として機能する。
【0033】
ところで、内視鏡2やカメラヘッド5では、拭き取りや液浸での滅菌処理の際に使用する薬液や、オートクレーブ処理(高温高圧蒸気滅菌処理)での高温高圧蒸気から内部に配設される部材を保護するために、当該内視鏡2やカメラヘッド5内の気密性を確保する必要がある。そして、接眼部21における基端側の端面や嵌合穴521の底面に内視鏡側端子12やヘッド側端子13を単純に埋め込んだ構成を採用した場合には、内視鏡2やカメラヘッド5内の気密性を確保することが難しい。
このため、本実施の形態では、内視鏡側端子12及びヘッド側端子13をインサート成形により形成している。
【0034】
〔カメラヘッドから内視鏡への給電構造〕
次に、カメラヘッド5から内視鏡2への給電構造について説明する。
図4は、カメラヘッド5から内視鏡2への給電構造を示すブロック図である。
カメラヘッド5(気密部51)のケーシング511内には、図4に示すように、送電部53と、通信部54と、接続検出部55と、コントローラ56とが配設されている。
【0035】
図5は、送電部53から第1,第2ヘッド側端子131,132に供給される電圧波形をそれぞれ示す図である。
送電部53は、第1,第2電力線LiB1,LiB2にそれぞれ電気的に接続し、コントローラ56による制御の下、第1,第2ヘッド側端子131,132に対してそれぞれ逆相の交流電圧(図5に実線で示した波形の交流電圧と図5に破線で示した波形(図5に実線で示した波形に対して180°位相がずれた波形)の交流電圧)を供給する。
【0036】
通信部54は、第1,第2電力線LiB1,LiB2に対して直流カット用のコンデンサCaを介してそれぞれ電気的に接続し、コントローラ56による制御の下、第1,第2電力線LiB1,LiB2で伝送される交流電圧に通信信号を重畳させて内視鏡2の後述する通信部24との間で通信(所謂、電力線通信)を行う。
ここで、当該電力線通信の通信方式としては、例えば、直交周波数分割多重方式(OFDM方式)、スペクトル拡散方式(SS方式)、あるいはマルチキャリア方式(MC方式)等を例示することができる。
【0037】
接続検出部55は、内視鏡2及びカメラヘッド5(接眼部21及び装着部52)の接続状態を検出する。この接続検出部55としては、例えば、ホール素子やRFID検出回路等を例示することができる。そして、接続検出部55は、検出結果に応じた検出信号をコントローラ56に出力する。
コントローラ56は、制御装置9による制御の下、カメラヘッド5全体及び曇り防止装置11の動作を制御する。
例えば、コントローラ56は、接続検出部55にて内視鏡2及びカメラヘッド5が接続されたことが検出された場合に、送電部53から第1,第2ヘッド側端子131,132に対してそれぞれ逆相の交流電圧を供給させる。すなわち、コントローラ56は、接続検出部55にて内視鏡2及びカメラヘッド5が接続されたことが検出されていない場合には、送電部53から第1,第2ヘッド側端子131,132に対してそれぞれ交流電圧を供給しない。また、コントローラ56は、通信部54を介して温度センサ112の検出結果(光学系の温度)を取得し、当該光学系が目標温度となるようにヒータ111の通電制御を実行する。
【0038】
内視鏡2内には、図4に示すように、曇り防止装置11の他、整流回路22と、平滑回路23と、通信部24と、タグ25とが配設される。
本実施の形態では、整流回路22は、図4に示すように、並列に接続された第1〜第3整流回路221〜223の3つで構成されている。これら第1〜第3整流回路221〜223は、例えば、ブリッジ式全波整流回路で構成されている。
第1整流回路221は、第1,第2電力線LiA1,LiA2に電気的に接続し、第1,第2内視鏡側端子121,122間に入力された交流電圧を全波整流する。
第2整流回路222は、第1,第3電力線LiA1,LiA3に電気的に接続し、第1,第3内視鏡側端子121,123間に入力された交流電圧を全波整流する。
第3整流回路223は、第2,第3電力線LiA2,LiA3に電気的に接続し、第2,第3内視鏡側端子122,123間に入力された交流電圧を全波整流する。
そして、整流回路22は、上記のように全波整流した電圧を平滑回路23に出力する。
【0039】
図6は、整流回路22による整流後の電圧波形を示す図である。図7A及び図7Bは、内視鏡2及びカメラヘッド5が相対的に回転した状態での第1〜第3内視鏡側端子121〜123と第1,第2ヘッド側端子131,132との位置関係の一例を示す図である。具体的に、図7A及び図7Bは、第1〜第3内視鏡側端子121〜123と第1,第2ヘッド側端子131,132とを中心軸Ax1(Ax2)に沿う方向から見た図である。
本実施の形態では、内視鏡2及びカメラヘッド5が回転した場合には、第1〜第3内視鏡側端子121〜123と第1,第2ヘッド側端子131,132との位置関係としては、2つのパターンが存在する。
1つ目のパターンは、図7Aに示すように、1つの内視鏡側端子12と1つのヘッド側端子13とが当接(電気的に接続)し、2つの内視鏡側端子12と1つのヘッド側端子13とが電気的に接続したパターンである。なお、図7Aでは、第1内視鏡側端子121と第1ヘッド側端子131とが電気的に接続し、第2,第3内視鏡側端子122,123と第2ヘッド側端子132とが電気的に接続した状態を例示している。
【0040】
ここで、第1ヘッド側端子131に対して図5に実線で示した波形の交流電圧が供給され、第2ヘッド側端子132に対して図5に破線で示した波形の交流電圧が供給されている場合を想定する。この場合、図7Aに例示した1つ目のパターンでは、第1〜第3整流回路221〜223は、以下に示す波形の電圧を出力することとなる。
第1整流回路221には、第1ヘッド側端子131に電気的に接続した第1内視鏡側端子121から図5に実線で示した波形の交流電圧が入力され、第2ヘッド側端子132に電気的に接続した第2内視鏡側端子122から図5に破線で示した波形の交流電圧が入力される。このため、第1整流回路221は、全波整流により図6に示した波形の電圧を出力する。
【0041】
第2整流回路222は、第1ヘッド側端子131に電気的に接続した第1内視鏡側端子121から図5に実線で示した波形の交流電圧が入力され、第2ヘッド側端子132に電気的に接続した第3内視鏡側端子123から図5に破線で示した波形の交流電圧が入力される。このため、第2整流回路222は、全波整流により図6に示した波形の電圧を出力する。
第3整流回路223は、第2ヘッド側端子132に電気的に接続した第2内視鏡側端子122から図5に破線で示した波形の交流電圧が入力され、同様に、第2ヘッド側端子132に電気的に接続した第3内視鏡側端子123から図5に破線で示した波形の交流電圧が入力される。すなわち、第3整流回路223には、等電位となる交流電圧がそれぞれ入力される。このため、第3整流回路223は、機能しない。
以上のように、1つ目のパターンでは、整流回路22から平滑回路23に対して、図6に示した波形の電圧が出力される。
【0042】
2つ目のパターンは、図7Bに示すように、1つの内視鏡側端子12がヘッド側端子13と電気的に接続せず(1つの内視鏡側端子12が突出部524に当接し)、2つの内視鏡側端子12と2つのヘッド側端子13とが1対1でそれぞれ電気的に接続したパターンである。なお、図7Bでは、第1内視鏡側端子121がヘッド側端子13と電気的に接続せず(第1内視鏡側端子121が突出部524に当接し)、第2内視鏡側端子122と第1ヘッド側端子131とが電気的に接続し、第3内視鏡側端子123と第2ヘッド側端子132とが電気的に接続した状態を例示している。
ここで、上記同様に、第1ヘッド側端子131に対して図5に実線で示した波形の交流電圧が供給され、第2ヘッド側端子132に対して図5に破線で示した波形の交流電圧が供給されている場合を想定する。この場合、図7Bに例示した2つ目のパターンでは、第1〜第3整流回路221〜223は、以下に示す波形の電圧を出力することとなる。
第1,第2整流回路221,222は、第1内視鏡側端子121が第1,第2ヘッド側端子131,132のいずれにも電気的に接続していないため、当該第1内視鏡側端子121から交流電圧が入力されない。このため、第1,第2整流回路221,222は、機能しない。
一方、第3整流回路223は、第1ヘッド側端子131に電気的に接続した第2内視鏡側端子122から図5に実線で示した波形の交流電圧が入力され、第2ヘッド側端子132に電気的に接続した第3内視鏡側端子123から図5に破線で示した波形の交流電圧が入力される。このため、第3整流回路223は、全波整流により図6に示した波形の電圧を出力する。
以上のように、2つ目のパターンでは、整流回路22から平滑回路23に対して、図6に示した波形の電圧(1つ目のパターンと同一の波形の電圧)が出力される。すなわち、内視鏡2及びカメラヘッド5がいずれの位置に相対的に回転した状態であっても、整流回路22から平滑回路23に対して、図6に示した波形の電圧が出力される。
【0043】
図8は、平滑回路23による平滑化後の電圧波形を示す図である。
平滑回路23は、例えば、LCフィルタで構成され、整流回路22から出力された電圧を平滑化する。すなわち、平滑回路23は、図6に示した波形の電圧を平滑化することで、図8に示す波形の電圧を生成する。平滑化後の電圧(直流電圧)は、曇り防止装置11等に供給される。そして、曇り防止装置11等は、当該直流電圧にて駆動する。
【0044】
通信部24は、整流回路22及び平滑回路23間の電力線LiCに対して直流カット用のコンデンサCaを介して電気的に接続し、通信部54との間で電力線通信を行う。
タグ25は、接続検出部55による内視鏡2及びカメラヘッド5の接続状態の検出に用いられる部分であり、例えば、永久磁石(接続検出部55がホール素子である場合)やRFIDタグ(接続検出部55がRFID検出回路である場合)等で構成されている。
【0045】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態に係る内視鏡装置1では、内視鏡側端子12及びヘッド側端子13は、接眼部21及び装着部52において、同一の仮想円VC上にそれぞれ設けられている。すなわち、内視鏡側端子12は、従来のように中心軸Ax1を中心とする径方向に並設されていない。ヘッド側端子13も同様である。このため、内視鏡2(接眼部21)及びカメラヘッド5(装着部52)としては、内視鏡側端子12及びヘッド側端子13の配置を考慮して、中心軸Ax1(Ax2)を中心とする径方向に拡径させる必要がない。
したがって、本実施の形態に係る内視鏡装置1によれば、小型化を図ることができる、という効果を奏する。
特に、内視鏡側端子12は、仮想円VC上に3つ設けられている。また、ヘッド側端子13は、仮想円VC上に2つ設けられている。このため、中心軸Ax1(Ax2)を中心として内視鏡2及びカメラヘッド5を相対的に回転させた場合であっても、内視鏡側端子12のうち2つの端子と2つのヘッド側端子13とが1対1で必ず電気的に接続する構成を実現することができる。したがって、中心軸Ax1(Ax2)を中心として内視鏡2及びカメラヘッド5を相対的に回転させた場合であっても、カメラヘッド5から内視鏡2に給電することができる。
【0046】
また、本実施の形態に係る内視鏡装置1では、内視鏡側端子12は、3つ設けられ、同一の高さ寸法を有する凸状の端子でそれぞれ構成されている。また、ヘッド側端子13は、2つ設けられ、仮想円VCに沿って円弧状に延在し、内視鏡側端子12に当接する面が平坦で面一となる端子でそれぞれ構成されている。さらに、装着部52には、内視鏡側端子12がヘッド側端子13に近接する方向に接眼部21を装着部52に押圧する押圧部522が設けられている。
このため、3つの内視鏡側端子12の各突端で形成される平面、及び2つのヘッド側端子13における先端側の平坦な面をカメラヘッド5に対する内視鏡2の位置決め面(中心軸Ax1(Ax2)方向の位置決め面、及び中心軸Ax1(Ax2)に直交する2つの各軸まわりの回転方向の位置決め面)として機能させることができる。
特に、例えば、内視鏡側端子12を4つ設けた場合には、当該4つのうち1つの内視鏡側端子12の突端は、他の3つの内視鏡側端子12の各突端で形成される平面とは異なる位置に位置付けられ易い。このため、当該場合には、当該1つの内視鏡側端子12を中心軸Ax1(Ax2)に沿って移動可能な可動型の端子で構成する必要がある。そして、当該1つの内視鏡側端子12を可動型の端子で構成した場合には、内視鏡2内の気密性を確保することが難しい。
本実施の形態に係る内視鏡装置1では、上述したように内視鏡側端子12を3つで構成することで、当該3つの内視鏡側端子12を可動型の端子で構成する必要がなく、内視鏡2内の気密性を十分に確保することができる。
【0047】
また、本実施の形態に係る内視鏡装置1では、3つの内視鏡側端子12は、中心軸Ax1を中心とする120°の回転対称となるように設けられている。
このため、3つの内視鏡側端子12が装着部52(ヘッド側端子13や突出部524)から受ける荷重を同一のものとすることができる。したがって、カメラヘッド5に対する内視鏡2の位置決め状態を良好に維持することができる。
【0048】
また、本実施の形態に係る内視鏡装置1では、カメラヘッド5は、第1,第2ヘッド側端子131,132にそれぞれ逆相の交流電圧を供給する送電部53を備える。また、内視鏡2は、第1,第2内視鏡側端子121,122間に入力された交流電圧を全波整流する第1整流回路221と、第1,第3内視鏡側端子121,123間に入力された交流電圧を全波整流する第2整流回路222と、第2,第3内視鏡側端子122,123間に入力された交流電圧を全波整流する第3整流回路223と、整流回路22にて全波整流された電圧を平滑化する平滑回路23とを備える。
このため、内視鏡2及びカメラヘッド5がいずれの位置に相対的に回転した状態(上述した1つ目のパターンや2つ目のパターン)であっても、常時、安定した直流電圧を曇り防止装置11等に供給することができる。
特に、例えば、第1,第2ヘッド側端子131,132に直流電圧を供給する構成を採用した場合には、上述した1つ目のパターンや2つ目のパターンの状態を検知する構成が必要となり、構成が複雑化し易い。これに対して、本実施の形態では、逆相の交流電圧を供給する構成を採用しているため、当該1つ目のパターンや2つ目のパターンの状態を検知する構成が不要となり、構成の簡素化を図ることができる。
【0049】
また、本実施の形態に係る内視鏡装置1では、内視鏡2及びカメラヘッド5は、電力線通信を行う通信部24,54をそれぞれ備える。
このため、給電用の電力線と通信ラインとを共用し、電力線とは別に通信ラインを設ける必要がないため、内視鏡2及びカメラヘッド5の構成の簡素化を図ることができる。
【0050】
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。
図9は、本実施の形態の変形例を示す図である。具体的に、図9は、図7A及び図7Bに対応した図である。
上述した実施の形態では、内視鏡側端子12とヘッド側端子13とは、異なる数で構成されていたが、これに限らない。例えば、図9に示すように、ヘッド側端子13Aとして、内視鏡側端子12と同一の数、すなわち、第3〜第5ヘッド側端子133〜135の3つで構成しても構わない。
ここで、第3,第4ヘッド側端子133,134は、互いに同一形状を有し、仮想円VCに沿って延在する円弧状にそれぞれ形成され、先端側の面が平坦で面一となるように設けられている。また、第5ヘッド側端子135は、仮想円VCに沿って延在する円弧状に形成されているが、第3,第4ヘッド側端子133,134よりも円弧の長さが短く設定されている。なお、第5ヘッド側端子135は、先端側の面が平坦で第3,第4ヘッド側端子133,134における先端側の面と面一となるように設けられている。
なお、第3〜第5ヘッド側端子133〜135の間には、具体的な図示は省略したが、上述した実施の形態で説明した突出部524が設けられている。
【0051】
また、内視鏡側端子12及びヘッド側端子13,13Aの形状は、上述した実施の形態及び図9で示した形状に限らず、上述した実施の形態及び図9とは逆に、内視鏡側端子12をカメラヘッド5に設け、ヘッド側端子13,13Aを内視鏡2に設けても構わない。
さらに、内視鏡側端子12及びヘッド側端子13,13Aの数は、上述した実施の形態及び図9で示した数に限らず、いずれか一方の端子が少なくとも3つ設けられており、いずれか他方の端子が少なくとも2つ設けられていれば、その他の数で構成してもよい。
【0052】
上述した実施の形態では、カメラヘッド5から給電する対象部材として、曇り防止装置11を採用していたが、これに限らず、その他の部材を当該対象部材としてもよい。例えば、光源装置3及びライトガイド4を省略し、内視鏡2の先端にLED(Light Emitting Diode)を設ける。そして、当該対象部材として、当該LEDを採用してもよい。また、焦点や画角を調整するために内視鏡2内に設けた光学系を光軸に沿って移動させるアクチュエータを当該内視鏡2内に設けた場合には、当該対象部材として、当該アクチュエータを採用してもよい。
【0053】
上述した実施の形態において、コントローラ56の機能の少なくとも一部をカメラヘッド5外部(例えば、コネクタCN1,CN2、制御装置9)に設けても構わない。
上述した実施の形態において、内視鏡2は、硬性鏡に限らず、軟性鏡としてもよい。
上述した実施の形態において、内視鏡装置1は、医療分野に限らず、工業分野で用いられ、機械構造物等の被検体内を観察する内視鏡装置としても構わない。
【符号の説明】
【0054】
1 内視鏡装置
2 内視鏡
3 光源装置
4 ライトガイド
5 カメラヘッド
6 第1伝送ケーブル
7 表示装置
8 第2伝送ケーブル
9 制御装置
10 第3伝送ケーブル
11 曇り防止装置
12 内視鏡側端子
13,13A ヘッド側端子
21 接眼部
22 整流回路
23 平滑回路
24 通信部
25 タグ
51 気密部
52 装着部
53 送電部
54 通信部
55 接続検出部
56 コントローラ
111 ヒータ
112 温度センサ
121〜123 第1〜第3内視鏡側端子
131〜135 第1〜第5ヘッド側端子
211 接眼光学系
221〜223 第1〜第3整流回路
511 ケーシング
512 光学素子
521 嵌合穴
522 押圧部
523 連通孔
524 突出部
Ax1,Ax2 中心軸
Ca コンデンサ
CN1,CN2 コネクタ
LiA,LiB,LiC 電力線
LiA1,LiB1 第1電力線
LiA2,LiB2 第2電力線
LiA3 第3電力線
VC 仮想円
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9