【解決手段】糸切り装置の糸切り動作を実行するアクチュエーター31と糸調子装置50の糸張力付与状態から解放状態に切り替える糸緩め部材51とを連結する連動ワイヤ62を備え、連動ワイヤは、第一ワイヤ621と第二ワイヤ622から構成され、第一ワイヤは、一端部が連結部材64と連結されると共に他端部がアクチュエーターに連結され、第二ワイヤは、一端部が糸緩め部材に連結されると共に他端部が連結部材と連結され、連結部材は、少なくとも前記第一ワイヤと前記第二ワイヤのいずれか一方から他方への毛細管現象による潤滑油の浸透を遮断する構造となっている。
前記ガイドパイプは、前記閉塞端部を針棒側に向け、開放された端部をミシン立胴部側に向けた状態でミシンフレーム内に装備されていることを特徴とする請求項2記載のミシン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年のミシンは、潤滑油の漏れを防ぐために、ミシンベッド部にギアボックスを設け、ギアボックス内にモータの動力を伝達するためのギアや下軸の一部を収納し、ギアボックスを密閉空間とすることで、ミシンベッド部のドライ化が進められている。
一方、ミシンアーム部内は針棒と天秤への潤滑のために潤滑油を飛散供給させている。また、ミシンアーム部内に配置された糸緩め板は、糸切り時の糸張力開放のために、糸切りソレノイドとワイヤで連動する機構になっている。
このため、ミシンアーム内部に飛散した潤滑油が毛細管現象でワイヤを伝わって糸切りソレノイドまで潤滑油が到達してベッド下に配置してあるボトムカバーへ滴下するため、ボトムカバーの清掃の工数が増えることや、潤滑油の補充頻度が多くなるという問題が生じていた。
また、ミシンは、ミシンアーム部側をドライ化し、ミシンベッド部側を潤滑油で潤滑する場合もあり、この場合には、毛細管現象によりワイヤを伝って、ミシンベッド部側の潤滑油がミシンアーム部側に浸入するおそれがあった。
【0005】
本発明は、潤滑油の不使用箇所への潤滑油漏れを低減することが可能なミシンを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、ミシンにおいて、
糸切り装置の糸切り動作を実行するアクチュエーターと糸調子装置の糸張力付与状態から解放状態に切り替える糸緩め部材とを連結する連動ワイヤを備え、
前記連動ワイヤは、第一ワイヤと第二ワイヤから構成され、
前記第一ワイヤは、一端部が連結部材と連結されると共に他端部が前記アクチュエーターに連結され、
前記第二ワイヤは、一端部が前記糸緩め部材に連結されると共に他端部が前記連結部材と連結され、
前記連結部材は、少なくとも前記第一ワイヤと前記第二ワイヤのいずれか一方から他方への毛細管現象による潤滑油の浸透を遮断する構造となっていることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のミシンにおいて、
前記第一ワイヤを挿通するアウターチューブを備え、
前記連結部材は、一端部が閉塞され、他端部が開放されて前記アウターチューブが挿入されるガイドパイプであり、
前記第一ワイヤは、一端部が前記ガイドパイプの内部であって閉塞端部の内面側に連結され、
前記第二ワイヤは、他端部が前記ガイドパイプの閉塞端部の外面側に連結されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のミシンにおいて、
前記ガイドパイプは、前記閉塞端部を針棒側に向け、開放された端部をミシン立胴部側に向けた状態でミシンフレーム内に装備されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のミシンにおいて、
前記ガイドパイプは、前記閉塞端部から開放端部に向かって下方に傾斜した状態でミシンフレーム内に装備されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
前記ガイドパイプと前記アウターチューブとの間にオイルシールが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記構成より、潤滑油漏れを低減することが可能となる。
ことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態の概略構成]
以下、本発明の実施形態であるミシンについて
図1及び
図2に基づいて詳細に説明する。
図1はミシン100をミシン使用者側とは反逆側から見た概略図、
図2はミシンアーム部内の一部の構成を拡大し一部断面にして示した拡大図である。
なお、以下の説明において、ミシン100におけるミシン使用者側(
図1の紙面裏側)を前側、使用者側とは反逆側(
図1の紙面表側)を後側、後述するミシン立胴部22側(
図1における左側)を左側、針棒側(
図1における右側)を右側とする。
【0014】
本発明の実施形態であるミシン100はいわゆる本縫いミシンであり、一般的な本縫いミシンが備える縫い針、針棒、針上下動機構、布送り機構、釜機構、天秤機構等の各構成を備えているが、これらは周知のものなので説明は省略する。
【0015】
[ミシンフレーム]
上記ミシン100は、ミシンフレーム20を備え、当該ミシンフレーム20の内部に各構成を設けている。
このミシンフレーム20は、ミシン100の全体において下部に位置するミシンベッド部21と、ミシンベッド部21の左端部において上方に立設されたミシン立胴部22と、ミシン立胴部22の上端部から右側に延設されたミシンアーム部23とを備えている。
ミシンフレーム20のミシンベッド部21に設けたギアボックス(不図示)内は潤滑油が供給されており、当該潤滑油によってギアボックス内の各機構の潤滑が図られている。
また、ミシンアーム部23内の針棒側と天秤側へは、ミシンベッドのギアボックス内に配置してあるポンプ(不図示)で潤滑油を吸い上げ、ミシンアーム部23内に潤滑油を飛散させて各機構の潤滑が図られている。
【0016】
ミシンベッド部21内には、前述した布送り機構、釜機構が装備されており、さらに、これらに加えて糸切り装置が設けられている。
糸切り装置は、ミシンベッド部21の右端部の上面に設けられた針板の下側に設けられた固定メスと、当該固定メスとの協働で上糸及び下糸を切断する動メスと、ミシンモーターのトルクを利用して動メスに切断往復動作を付与するカム機構と、カム機構のカムとその従節体との係合状態と非係合状態とを切り替えるアクチュエーターとしての糸切りソレノイド31とを備えている。
なお、糸切り装置もまた周知の構成であるため、図示並びに全体構成の詳細な説明は省略する。
【0017】
また、ミシンベッド部21は、ボトムカバー211を備えており、その底部には前後方向に沿った軸回りに回動する押さえ上げレバー41が垂下支持されている。
押さえ上げレバー41は、後述する布押さえ42を布保持状態から引き上げるための人為的な入力手段であり、回動端部に設けられたパッド411をミシンの使用者が左方に膝で押すことで回動動作が入力されて、布押さえを退避位置まで上昇させることができる。
【0018】
ミシンアーム部23内には、針上下動機構、天秤機構が装備されている。
また、ミシンアーム部23の右端部には、図示を省略した針棒が上下動可能に支持されている。
【0019】
[布押さえ]
さらに、ミシンアーム部23の右端部であって、針棒の近傍には、下端部で布押さえ42を保持する押さえ棒43が上下動可能に支持されている。
この押さえ棒43は、図示しない押さえバネによって常に下方に押圧されており、その押圧力から布押さえの押さえ圧を得ている。
ミシンアーム部23内において、押さえ棒43上部の近傍には、当該押さえ棒43に装備された棒抱きを押し上げることで、布押さえ42を退避位置まで上昇させるベルクランク状の図示しない押さえ上げリンクが装備されている。
この押さえ上げリンクは、複数のリンク部材、伝達竿部材等を介して、前述した押さえ上げレバー41の回動支軸に連結されている。従って、押さえ上げレバー41に回動操作を加えると、押さえ上げリンクが回動し、押さえバネに抗して布押さえ42を退避位置まで上昇させることができるようになっている。
【0020】
[糸調子装置]
また、ミシンアーム部23の前面側であって、前述した押さえ上げリンクの近傍には、糸調子装置50が装備されている。
この糸調子装置50は、
図2に示すように、上糸を挟持する一対の糸調子皿と、糸調子皿同士を圧接させて上糸に糸張力を付与する糸調子バネと、糸調子バネのバネ圧を調節する調節つまみと、これらを支持する糸調子軸と、糸調子バネを押し戻して一対の糸調子皿が付与する上糸の糸張力を解放する糸緩め部材としての糸緩めピン51とを備える周知の構成からなる。
【0021】
糸調子装置50の一対の糸調子皿と調節つまみは、ミシンアーム部23の前面外部に設けられ、上糸を一対の糸調子皿に挟み込む操作とバネ圧(糸張力)の調節作業とをミシンの使用者ができるようになっている。
一方、糸緩めピン51は、ミシンアーム部23の内側において、糸調子装置50の後端部に突接されており、その先端部を前方に押し込むことで一対の糸調子皿による上糸への糸張力を解放することができる。
【0022】
[糸緩め機構]
図2に示すように、糸調子装置50のすぐ後側には、糸緩め機構60の糸緩め部材としての糸緩め板61が装備されている。
糸緩め機構60は、上記糸緩め板61と、糸切り装置の糸切りソレノイド31と糸緩め板61とを連結する連動ワイヤ62と、連動ワイヤ62を挿通するアウターチューブ63と、一端部が閉塞され、他端部が開放されてアウターチューブ63の糸緩め板61側の端部が挿入される連結部材としてのガイドパイプ64と、ガイドパイプ64とアウターチューブ63との間に設けられた二つのオイルシール66とを備えている。
【0023】
糸緩め板61は、前後方向に沿った支軸611により、その上端部と下端部とが回動可能に支持されている。
糸緩め板61の上端部は、連動ワイヤ62の一端部が連結されており、下端部は、糸調子装置50の糸緩めピン51を前方に押し込む入力部612を備えている。
入力部612は、下斜め前に傾斜した傾斜面を備えており、糸緩め板61の下端部が後方から見て反時計方向に回動すると、入力部612の傾斜面に糸緩めピン51が当接し、傾斜に沿って糸緩めピン51を前方に押し込むことができる。
また、糸緩め板61は、連動ワイヤ62の弛みが生じないように、常に、後方から見て時計方向に回動を付与する図示しないバネが連結されている。
【0024】
また、前述した押さえ上げリンクは、糸緩め板61の後側で隣に並んで配置されており、布押さえ42を退避位置に上昇させる際には、後方から見て反時計方向に回動する。その際、押さえ上げリンクは、糸緩め板61に当接し、当該糸緩め板61も後方から見て反時計方向に回動させる。
このため、布押さえ42を退避位置に上昇させる際には、糸緩め板61も連動させて糸調子装置50の上糸への糸張力を解放させる。
【0025】
アウターチューブ63は、内部中空であって、連動ワイヤ62を挿入することにより、当該連動ワイヤ62をアウターチューブ63に沿ってその長手方向に移動可能に支持するガイドである。
このアウターチューブ63は、一端部がほぼ右方に向けられた状態で糸緩め板61の左方に配置されており、ミシン立胴部22を通ってミシンベッド部21内に至り、他端部が右方に向けられた状態で糸切りソレノイド31の左側に配置されている。
さらに、アウターチューブ63は、連動ワイヤ62と共に移動しないように、ミシンフレーム20内の各部において支持部材65で固定支持されている(
図1では支持部材65を一つのみ図示)。
【0026】
連動ワイヤ62は、ガイドパイプ64により連結された第一ワイヤ621と第二ワイヤ622とから構成されている。
第一ワイヤ621は、アウターチューブ63の全長に渡って挿入されており、第一ワイヤ621の一端部は、アウターチューブ63の一端部から外側に延びてガイドパイプ64に連結されている。また、第一ワイヤ621の他端部は、アウターチューブ63の他端部から外側に延びて糸切りソレノイド31のプランジャに連結されている。
第二ワイヤ622は、一端部が糸緩め板61の上端部に連結され、他端部がガイドパイプ64に連結されている。
【0027】
ガイドパイプ64は、内部中空であって、一端部が閉塞され、他端部が開放されている。このガイドパイプ64は、その開放端部がほぼ左方(ミシン立胴部22側)に、閉塞端部がほぼ右方(針棒側)に向けられており、開放端部から閉塞端部の閉塞壁面641の内面側の近傍までアウターチューブ63の一端部が挿入されている。この閉塞壁面641が、第一ワイヤ621と第二ワイヤ622のいずれか一方から他方への毛細管現象による潤滑油の浸透を遮断する構造となっている。
そして、アウターチューブ63の一端部から延出された第一ワイヤ621の一端部がガイドパイプ64の閉塞壁面641の内面側(ガイドパイプ64の中空内部の内周面に連なる面)に形成された有底の挿入穴に挿入され、抜けないように接着、かしめ、溶着等によって固定されている。
また、ガイドパイプ64の閉塞壁面641の外面側(ガイドパイプ64の外周面に連なる面)の中心には、閉塞端部からガイドパイプ64を延長する方向に延びる小径の棒状部642が形成されており、当該棒状部642の先端面に形成された有底の挿入穴に第二ワイヤ622の他端部が挿入され、抜けないように接着、かしめ、溶着等によって固定されている。
なお、閉塞壁面641の内面側に形成された第一ワイヤ621の挿入穴と閉塞壁面641の内面側に形成された第二ワイヤ622の挿入穴とは、同心上に位置しているが、相互につながってはおらず,分断されている。
【0028】
また、ガイドパイプ64内には、ガイドパイプ64の内周面とアウターチューブ63の外周面との間での潤滑油の通過を阻止するためのオイルシール66がアウターチューブ63の長手方向に並んで二つ装備されている。
【0029】
[ミシンの糸切りの際の各部の動作]
糸切りは、図示しない操作ペダルによる糸切り実行の入力により実行される。糸切りの開始が入力されると、針上下動を行うミシンモーターが停止に向けて減速を開始し、所定のタイミングで糸切りソレノイド31が作動し、糸切り装置のカム機構のカムと従節体とを非係合状態から係合状態に切り替える。これにより、ミシンモーターで駆動するカム機構のカムが従節体をカム面に従って所定方向に往復移動させ、動メスに切断往復動作を付与して上糸及び下糸の切断を実行する。
【0030】
一方、糸切り装置のカム機構のカムと従節体とを係合状態に切り替える際の糸切りソレノイド31のプランジャは右方に移動し、糸緩め機構60の連動ワイヤ62の第一ワイヤ621の他端部を糸切りソレノイド31側に引き寄せる。
これにより、ガイドパイプ64を介して連結された第二ワイヤ622は、糸緩め板61の上端部を左方に引き寄せ、後方から見て反時計方向に回動させる。これにより、糸調子装置50の糸緩めピン51を前方に押し込んで上糸への糸張力を解放する。
つまり、上糸の糸張力が付与されない解放状態で糸切りが実行される。
【0031】
[ミシンの布押さえの押さえ解放時の各部の動作]
ミシン100の布押さえ42の押さえを解放する際には、ミシンに使用者が膝で押さえ上げレバー41に回動操作を加える。これにより、複数のリンク部材、伝達竿部材等を介して、押さえ上げリンクが後方から見て反時計方向に回動し、布押さえ62を退避位置まで上昇させる。
そして、押さえ上げリンクの隣に位置する糸緩め板61が、当該押さえ上げリンクに押されて後方から見て反時計方向に回動する。
これにより、糸緩め板61が糸調子装置50の糸緩めピン51を前方に押し込んで上糸への糸張力を解放する。
つまり、布押さえ62が退避位置に上昇して被縫製物を解放する際には、上糸の糸張力も解放される。
【0032】
[実施形態の技術的効果]
上記ミシン100では、糸緩め機構60が、アウターチューブ63を開放端部から挿入し、閉塞端部において、第一ワイヤ621と第二ワイヤ622とを連結するガイドパイプ64を備えている。
このため、ミシンアーム部の内部に飛散させている潤滑油が第二ワイヤ622に付着し、毛細現象により潤滑油を吸い上げたとしても、第一ワイヤ621に到達することはない。また、ガイドパイプ64及びアウターチューブ63で第一ワイヤ621を保護しているため、ミシンアーム部の内部に飛散させている潤滑油が第一ワイヤ621に付着することはない。
したがって、糸切りソレノイド31への潤滑油の到達並びにボトムカバーへの潤滑油の漏れを防止することが可能である。
【0033】
また、ガイドパイプ64は、閉塞端部を針棒側に向け、開放端部をミシン立胴部22側に向け、閉塞端部から開放端部に向かって下方に傾斜した状態でミシンフレーム20内に装備されている。
このため、アウターチューブ63に付着した潤滑油がガイドパイプ64の開放端部から進入して第一ワイヤ621へ付着する可能性を低減し、糸切りソレノイド31への潤滑油の到達並びにボトムカバーへの潤滑油の漏れをより効果的に防止することが可能である。
【0034】
また、ガイドパイプ64とアウターチューブ63との間にオイルシール66を設けて、ガイドパイプ64の開放端部からの潤滑油の侵入を防止しているので、潤滑油が第一ワイヤ621へ付着して糸切りソレノイド31まで伝わることはなく、糸切りソレノイドへの潤滑油の到達並びにボトムカバーへの潤滑油の漏れをより効果的に防止することが可能である。
【0035】
また、アウターチューブ63は第一ワイヤ621の他端部が糸切りソレノイド31のプランジャと連結される直近まで第一ワイヤ621を覆っており、第一ワイヤ621の他端部がアウターチューブ63の他端部から露出する手前側に設けられたオイルシール(不図示)によってアウターチューブ63を伝わってきた潤滑油を遮断するため、糸切りソレノイド31側へ潤滑油が漏出することはない。
【0036】
[糸緩め機構の他の構成]
上記糸緩め機構60では、連結部材としてガイドパイプ64を利用しているがこれに限定されない。連結部材は、第一ワイヤ621の一端部と第二ワイヤ622の他端部との間に潤滑油を遮断する構造(例えば、潤滑油を浸透しない部材が相互間に介在するような構造)であれば、少なくとも、第一ワイヤ621と第二ワイヤ622のいずれか一方から他方への毛細管現象による潤滑油の浸透を防ぎ、ドライエリアへの潤滑油の侵入を抑制、低減することが可能である。
この場合、連結部材は、アウターチューブ63内に挿入可能な棒状の構造とすることで潤滑油の侵入をさらに抑制、低減することが可能である。また、連結部材とアウターチューブ63との間にオイルシールを設けることで、潤滑油の侵入をさらに効果的に抑制、低減することが可能である。
【0037】
[その他]
上記実施形態では、本縫いミシンを例示したが、これに限定されない。本発明の特徴的な構成である糸緩め機構60は、糸切りを実行するアクチュエーターと糸調子装置を解放する糸緩め部材とを連動ワイヤで連動させるいかなるミシンにも適用可能である。
また、上記実施形態では、ミシンアーム部がオイル潤滑のミシンを例示したが、ミシンベッド部側で潤滑油による潤滑を行い、ミシンアーム部をドライ化したミシンにも適用可能である。その場合、ミシンベッド部の潤滑油が毛細管現象により連動ワイヤを伝わってミシンアーム部、特に針棒機構側へ潤滑油が漏出することを防止することができる。