(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-15100(P2018-15100A)
(43)【公開日】2018年2月1日
(54)【発明の名称】撹拌釜
(51)【国際特許分類】
A47J 27/14 20060101AFI20180105BHJP
A47J 37/04 20060101ALI20180105BHJP
A47J 43/07 20060101ALI20180105BHJP
【FI】
A47J27/14 Q
A47J37/04 A
A47J43/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-146149(P2016-146149)
(22)【出願日】2016年7月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000130651
【氏名又は名称】株式会社サムソン
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 馨
(72)【発明者】
【氏名】森本 守
(72)【発明者】
【氏名】中井 保次郎
【テーマコード(参考)】
4B040
4B053
4B054
【Fターム(参考)】
4B040AA01
4B040AC08
4B040AD07
4B040AD09
4B040LA01
4B040LA11
4B053AA01
4B053BA14
4B053BB02
4B053BB03
4B053BE04
4B053BL11
4B053BL20
4B054AA02
4B054AA16
4B054CD03
4B054CD05
4B054CH01
4B054CH11
(57)【要約】
【課題】上下方向の成分を持って回転する撹拌羽根を用い、調理食材を撹拌羽根によってすくい上げるようにして撹拌している撹拌釜において、間欠撹拌の撹拌停止時に食材が乾燥することを防ぐことのできる撹拌釜を提供する。
【解決手段】食材を収容する撹拌容器1、撹拌容器内で水平もしくは斜め方向に延びる回転軸4、前記回転軸にアームを介して接続した撹拌羽根6、撹拌容器から外側に突き出た部分の回転軸と接続している駆動装置7、駆動装置に対する作動指令の出力等を行う制御装置8を持った撹拌釜において、撹拌羽根の位置を検出する羽根位置検出装置9を設置しておき、制御装置8は、撹拌羽根6の回転を停止する場合に羽根位置検出装置9にて羽根位置の検出を行い、撹拌羽根が下方にあることを検出して撹拌羽根の回転を停止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を収容する撹拌容器、撹拌容器内で水平もしくは斜め方向に延びる回転軸、前記回転軸にアームを介して接続した撹拌羽根、撹拌容器から外側に突き出た部分の回転軸と接続している駆動装置、駆動装置に対する作動指令の出力等を行う制御装置を持ち、回転軸を回転させることで回転軸に接続した撹拌羽根は上下方向の成分を持った回転を行う撹拌釜において、
撹拌羽根の位置を検出する羽根位置検出装置を設置しておき、制御装置は、撹拌羽根の回転を停止する場合に羽根位置検出装置にて羽根位置の検出を行い、撹拌羽根が下方にあることを検出して撹拌羽根の回転を停止することができるようにしているものであることを特徴とする撹拌釜。
【請求項2】
請求項1に記載の撹拌釜において、前記回転軸に設置するアームは回転軸周面の180°よりも狭い範囲に設置するようにしていることを特徴とする撹拌釜。
【請求項3】
請求項1または2に記載の撹拌釜において、羽根位置検出装置は、撹拌容器から外側に出ている部分の回転軸に、回転軸に対して垂直方向に突出させた、回転軸の回転に連動して回転する位置検出用突起体と、位置検出用突起体の接近を検出する近接スイッチからなるものであることを特徴とする撹拌釜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向の成分を持った回転を行う撹拌羽根を持ち、食材を持ち上げるようにして撹拌しながら加熱調理を行う撹拌釜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品工場などで使用されている調理釜として、特開2006−26277号公報に記載があるように、撹拌容器と撹拌装置からなる撹拌釜が知られている。この撹拌釜は、撹拌容器内を水平方向に貫く回転軸を設け、回転軸には撹拌容器の内壁面方向に延びる複数のアームを設置し、アームの先端に撹拌羽根を設置している。アームは回転軸を中心とした対称位置に設置することで撹拌羽根間の角度を180°とする場合や、回転軸の周面を3等分した位置に設置して撹拌羽根間の角度を120°とする場合などがある。
【0003】
また、回転軸は撹拌容器内で斜めに設置している撹拌釜もある。斜軸の場合も同様であり、回転軸には撹拌容器の内壁面方向に延びる複数のアームを設置し、アームの先端に撹拌羽根を設置している。この場合も、アームは回転軸を中心とした対称位置に設置することで撹拌羽根間の角度を180°とする場合や、回転軸の周面を3等分した位置に設置して撹拌羽根間の角度を120°とする場合などがある。
【0004】
これらの撹拌釜では、回転軸は撹拌容器の外側に設置している駆動装置に接続し、駆動装置によって回転軸を軸回転することで、撹拌羽根の回転を行う。撹拌羽根は、上下方向もしくは上下方向と左右方向の混ざった斜め方向での回転を行う。撹拌容器の底部は断面円弧形の底面を持ったものとし、回転軸を軸回転することで撹拌羽根が底面に沿って回転するものとしておく。この撹拌釜では、撹拌羽根は食材をすくい上げるように撹拌する。
【0005】
この場合、撹拌羽根が回転軸より高い位置に持ち上げられた際には、食材の一部が撹拌羽根に乗ったままで持ち上げられることもある。撹拌羽根のすくい面は、撹拌羽根の回転によって徐々に急角度となり、さらには下向きとなるため、持ち上げられた食材もすぐに落下し、撹拌容器内下部の食材に戻る。
【0006】
このような大型の撹拌釜では、撹拌容器の下部に蒸気ジャケットを設け、蒸気ジャケット内に蒸気を供給することができるようにしておき、蒸気ジャケット内に供給した蒸気によって撹拌容器内の食材を加熱することが広く行われている。
【0007】
調理時には、底部の蒸気ジャケットに蒸気を供給し、撹拌容器内の食材を底部より加熱しながら撹拌羽根によって撹拌を行う。また、食材によっては撹拌しすぎるとよくないものもあり、その場合には連続して撹拌を行うのではなく、撹拌と撹拌の一次停止を交互に繰り返す間欠撹拌を行う。例えば1分間撹拌を行い、次の2分間は撹拌停止とすることを繰り返すことで、撹拌しすぎることを防止しながら加熱を行う。
【0008】
ところが間欠撹拌では、撹拌を停止した時に食材の一部が撹拌羽根の上に乗った状態で停止してしまうことがあった。食材が上部に持ち上げられた撹拌羽根に付着して停止すると、撹拌容器内に収容している食材のうちの一部が取り出された状態となるため、そこで乾燥するなどの変質が発生し、このことによって製品の品質が低下してしまう場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−26277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、上下方向の成分を持って回転する撹拌羽根を用い、調理食材を撹拌羽根によってすくい上げるようにして撹拌している撹拌釜において、間欠撹拌の撹拌停止時に食材が乾燥することを防ぐことのできる撹拌釜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、食材を収容する撹拌容器、撹拌容器内で水平もしくは斜め方向に延びる回転軸、前記回転軸にアームを介して接続した撹拌羽根、撹拌容器から外側に突き出た部分の回転軸と接続している駆動装置、駆動装置に対する作動指令の出力等を行う制御装置を持ち、回転軸を回転させることで回転軸に接続した撹拌羽根は上下方向の成分を持った回転を行う撹拌釜において、
撹拌羽根の位置を検出する羽根位置検出装置を設置しておき、制御装置は、撹拌羽根の回転を停止する場合に羽根位置検出装置にて羽根位置の検出を行い、撹拌羽根が下方にあることを検出して撹拌羽根の回転を停止することができるようにしているものであることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記の撹拌釜において、前記回転軸に設置するアームは回転軸周面の180°よりも狭い範囲に設置するようにしていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記の撹拌釜において、羽根位置検出装置は、撹拌容器から外側に出ている部分の回転軸に、回転軸に対して垂直方向に突出させた、回転軸の回転に連動して回転する位置検出用突起体と、位置検出用突起体の接近を検出する近接スイッチからなるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明を実施することで、食材の一部が持ち上げられた状態で放置されて乾燥することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本発明を実施している撹拌釜の一部透過斜視図
【
図4】本発明の他の実施例である斜軸撹拌釜の正面図
【
図5】本発明の他の実施例である斜軸撹拌釜の平面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
図1は本発明を実施している撹拌釜の断面図、
図2は本発明を実施している撹拌釜の一部透過斜視図、
図3は本発明を実施している撹拌釜のフロー図である。そして
図4と
図5は、本発明の他の実施例である斜軸撹拌釜に関するものであり、
図4は斜軸撹拌釜の正面図、
図5は斜軸撹拌釜の平面図である。
【0017】
先ず
図1から
図3に基づいて説明する。撹拌釜は下方を突出させているかまぼご型の底部を持ったものであり、撹拌容器1の下方に蒸気ジャケット2を持つ。蒸気ジャケット2は内部に高温の蒸気を導入することで、撹拌容器1内に収容した食材3の加熱を行う。撹拌容器1内には、水平方向に貫く回転軸4を設け、回転軸4には撹拌容器1の内壁面方向に延びる複数のアーム5を設置し、アーム5の先端に撹拌羽根6を設置している。
【0018】
回転軸4は撹拌容器1の外側に設置している駆動装置7に接続し、回転軸4を軸回転することで撹拌羽根6を上下方向に回転させる。撹拌容器1の内側底面は、前記回転軸4から等距離となるように断面は半円状としておき、回転軸4を軸回転することで撹拌羽根6が撹拌容器内底面に沿って回転するものとしておく。
【0019】
撹拌羽根6は食材3をすくい上げるように縦方向に回転するものとしており、加熱する食材にもよるが、撹拌羽根6ですくい上げた食材は、撹拌羽根に乗せて高く持ち上げられ、撹拌羽根の傾斜が大きくなると撹拌羽根から滑り落ちて食材の溜まり部分に落下することになる。このように撹拌することで、食材を大きく撹拌することができる。
【0020】
実施例での撹拌釜では回転軸4にアーム5を4本設置しており、撹拌羽根6は各アーム5に設置しているために撹拌羽根6も4枚設置している。各アーム5は回転軸4の面を上下に分割した場合に一方の面にのみ設ける。従来例である
図7であれば、アーム5は回転軸4を中心とした対称位置に設けているが、本発明を実施している
図1では、回転軸4の下側の面にのみアーム5を設置する。アーム5は2本1組みであって、2本のアーム5を回転軸の周面の同じ角度位置に設けており、アーム5の取り付け角度差は180°よりも小さくし、実施例では角度差90°のところに設置している。
【0021】
回転軸4には撹拌羽根6の位置を検出するための羽根位置検出装置9を設けておく。羽根位置検出装置9は、撹拌容器1から外側に出ている部分の回転軸4に、軸芯に対して垂直方向に突出させた、回転軸4の回転に連動して回転する位置検出用突起体12と、位置検出用突起体12の接近を検出する近接スイッチ13などが考えられる。回転軸4に設置する位置検出用突起体12は、撹拌羽根6の全体が下側に来たところで検出できるものがよく、例えばアーム5を側面から見た場合のアーム位置を時計の文字盤に見立てた場合、アーム位置が4時37分の位置にある場合に突起体が12時を指す位置にあり、近接スイッチ13は位置検出用突起体12が12時の位置にある時に検知するものとする。羽根位置検出装置9で検出した撹拌羽根位置の情報は、撹拌釜の運転を制御する制御装置8へ出力する。
【0022】
撹拌容器の下部には蒸気ジャケット2を設けており、蒸気ジャケット2内に蒸気をためることができるようにしておく。蒸気ジャケット2には、途中に蒸気弁10を持った蒸気供給配管を接続しており、蒸気弁10通じて蒸気の供給を行う。蒸気弁10を開くことで蒸気ボイラからの高温蒸気を蒸気ジャケット2内へ供給すると、蒸気の熱が撹拌容器1の底面を加熱し、撹拌容器1から食材3へ伝わる。蒸気ジャケット2内で食材3を加熱することで温度の低下した蒸気は、凝縮後に蒸気ジャケット2の底部に設けているブロー弁11を通して排出する。
【0023】
撹拌釜の運転制御は制御装置8にて行う。運転制御の設定は制御装置8に入力しており、制御装置8は、駆動装置7、蒸気弁10、ブロー弁11などに対して作動指令の出力などを行う。撹拌釜による調理工程を説明する。撹拌容器1内への食材3の投入は、撹拌容器上部の開口部より行う。撹拌羽根6が上部にあった場合には、駆動装置7を作動して回転軸4を回転させることで撹拌羽根6を下方としてから食材の投入を行う。食材3の撹拌容器1内への収容後、蒸気弁10を開くことで蒸気ジャケット2内へ蒸気を導入して食材3の加熱を行う。制御装置8は蒸気弁10の開閉を調節して蒸気ジャケット2内への蒸気供給を制御し、所定の温度で撹拌容器1内に収容した食材3の加熱を行う。
【0024】
加熱を行う食材3が粘性の高い場合や、固形物を含む場合は、焦げ付きを防止するために撹拌を行う。撹拌の実施も、制御装置8から駆動装置7に対して作動指令の出力を行い、駆動装置7の駆動によって回転軸4を回転する。回転軸4を回転することで回転軸4と接続しているアーム5及び撹拌羽根6が回転し、撹拌羽根が食材3をすくい上げるようにして撹拌を行う。加熱時に撹拌を行うことで食材は全体的に加熱させることができ、食材が部分的に過熱されることを防止できる。
【0025】
調理する食材が煮くずれし易いものであるなど、撹拌は必要であるが常時撹拌したのでは撹拌しすぎることになるという場合には、撹拌時間と撹拌停止時間を設定しておき、所定時間の撹拌と所定時間の撹拌停止を繰り返しながら加熱する間欠撹拌を行う。制御装置8は、駆動装置7に対して設定しておいた撹拌時間分の作動と、撹拌停止時間分の作動停止の指令を交互に出力し、食材3の撹拌を間欠的に行う。
【0026】
この時、制御装置8では羽根位置検出装置9によって羽根位置の検出を行っておき、全ての撹拌羽根6の位置が回転軸4より下にあることを確認して駆動装置7の作動を停止するようにする。撹拌の停止条件は、設定しておいた撹拌時間が終了し、かつ撹拌羽根6の位置が下方にある場合とし、所定の撹拌時間が終了しても撹拌羽根の位置が下方にあることが検出されるまでは、駆動装置の稼働を継続する。撹拌時間終了後に羽根位置検出装置9によって羽根位置が下方にあることを検出すると、駆動装置7の作動を停止して撹拌を停止する。
【0027】
実施例では、位置検出用突起体12が最も高い位置に来た時が、各撹拌羽根6の低い位置になる時であり、近接スイッチ13は位置検出用突起体12が最も高い位置になったときに位置検出を行うようにしている。制御装置8は、撹拌時間の終了後、位置検出用突起体12が最も高くなって近接スイッチ13での検出が行われたときに駆動装置7を停止するように設定しておくことで、撹拌羽根6を低くした状態で停止することができる。なお、撹拌羽根6の停止位置については設定により変更できるようにしてもよい。停止位置の変更は、位置検出用突起体12又は近接スイッチ13の設置位置を変更することや、近接スイッチ13によって位置検出を行った時より所定時間遅らせて駆動装置7を停止するように設定することも考えられる。
【0028】
撹拌を停止する場合、撹拌羽根6が高い位置で停止すると、撹拌羽根6に食材が乗ったまま取り残されることがある。撹拌停止時間が長いものであると、取り残された食材が乾燥するなどして変質することがあった。羽根位置検出装置9によって撹拌羽根6の位置を確認するようにしておき、撹拌を停止する場合には、撹拌羽根6が低い位置になった時に撹拌を停止するようにすると、停止中の撹拌羽根6は撹拌容器1内にためている食材内でとどまるために、一部の食材が取り出されたままになるといったことを防止することができる。
【0029】
間欠撹拌の場合は、撹拌を停止してからの経過時間が設定時間に達すると、制御装置8は再び駆動装置7に対して作動指令の出力を行って撹拌を再開する。その後も所定の加熱時間が終了するまでは撹拌又は撹拌停止を行う。所定の加熱時間が終了すると、撹拌羽根6を下向きとした状態で撹拌を停止し、また蒸気弁10は閉じて加熱を終了する。そして、調理済みの食材は撹拌容器上部の開口部より取り出す。撹拌容器1を傾けることができるようにしておくと、撹拌容器内からの食材の取り出しは容易に行うことができる。
【0030】
このように、撹拌羽根6が回転軸4より下側になったことを確認後に駆動装置7の作動を停止することで、撹拌羽根6が上部で停止してしまい、食材の一部が分離された状態で放置されることによって、乾燥などの変質が引き起こされることを防止することができる。また、撹拌羽根6が下側になっている状態で停止しておくと、食材の投入時に食材が撹拌容器からこぼれ出ることも防止することができる。
【0031】
次に
図4と
図5に基づいて、他の実施例を説明する。この実施例は、撹拌容器1内には容器底部から斜めに延びる回転軸4を設置した斜軸撹拌釜に関するものである。この実施例でも、撹拌羽根6と接続したアーム5は、回転軸周面の一方の面に設置しており、2つのアームの取り付け角度差は120°としている。
【0032】
従来例である
図7の場合、アーム5は回転軸4の全周に設けているため、アームが下側のみとなることはなく、アームの少なくとも1本は回転軸4の上面側となってアームは上向きとなる。しかし、本実施例の場合、上から見た平面図である
図5に示しているように、アームは回転軸の片側に設けると、回転軸の上面側に撹拌羽根6がない場合ができる。
図5の場合、2本あるアーム5の中心が回転軸の真下にあり、2本のアーム5は水平より30°だけ下がっている。
【0033】
この場合も回転軸4には撹拌羽根6の位置を検出するための羽根位置検出装置9を設けておく。羽根位置検出装置9は、前記と同様に撹拌容器1から外側に出ている部分の回転軸4に、軸芯に対して垂直方向に突出させた、回転軸4の回転に連動して回転する位置検出用突起体12と、位置検出用突起体12の接近を検出する近接スイッチ13でよい。回転軸4に設置する位置検出用突起体12は、2枚のアームの中心が真下側に来たところで検出するものとしておく。羽根位置検出装置9で検出した撹拌羽根位置の情報は、撹拌釜の運転を制御する制御装置8へ出力する。撹拌羽根の回転を停止する場合、制御装置8では2枚ある撹拌羽根6の中心位置が真下の位置となった時に駆動装置7の駆動を停止するようにしておく。
【0034】
この場合の2枚の撹拌羽根6は、水平より30°下方に向いたものであって、撹拌羽根の位置は撹拌容器内の食材内となる。そのため、撹拌停止時に食材の一部が撹拌羽根に乗った状態で分離し、食材が乾燥するということを防止することができる。
【0035】
なお、本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 撹拌容器
2 蒸気ジャケット
3 食材
4 回転軸
5 アーム
6 撹拌羽根
7 駆動装置
8 制御装置
9 羽根位置検出装置
10 蒸気弁
11 ブロー弁
12 位置検出用突起体
13 近接スイッチ