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特開2018-151342歪み検出装置及び歪み検出の補正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-151342(P2018-151342A)
(43)【公開日】2018年9月27日
(54)【発明の名称】歪み検出装置及び歪み検出の補正方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/16 20060101AFI20180831BHJP
【FI】
   G01B7/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-49407(P2017-49407)
(22)【出願日】2017年3月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大櫃 和成
【テーマコード(参考)】
2F063
【Fターム(参考)】
2F063AA25
2F063BC02
2F063BD01
2F063CB03
2F063DA01
2F063DA05
2F063HA01
2F063HA12
(57)【要約】
【課題】精度をより高めることができる歪み検出装置等を提供する。
【解決手段】歪み検出装置1は、非接触状態で所定方向に並ぶ2つの電極11,12に対して所定方向に並ぶ通電用電極13と、通電用電極13に電力を供給する供給部21と、所定方向に移動可能に設けられた導電部30とを備え、2つの電極11,12及び通電用電極13には導電部30を挿通可能な孔11a,12a,13aが設けられており、導電部30は、孔11a,12a,13aを挿通しているか否かによって2つの電極11,12及び導通用電極13との接触と非接触とが切り替わり、2つの電極11、12に非接触である第1位置と、2つの電極11,12及び通電用電極13に接触する第2位置と、2つの電極11,12のうち一方の電極12と通電用電極13に接触する第3位置とを切り替え可能に設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触状態で所定方向に並ぶ2つの電極に蓄積される静電容量の変化に基づいて当該2つの電極が設けられた被検出体の歪みを検出する歪み検出装置であって、
前記2つの電極に対して前記所定方向に並ぶ通電用電極と、
前記通電用電極に電力を供給する供給部と、
前記所定方向に移動可能に設けられて導電性を有する導電部とを備え、
前記2つの電極及び前記通電用電極には前記導電部を挿通可能な孔が設けられており、
前記導電部は、前記孔を挿通しているか否かによって前記2つの電極及び前記導通用電極との接触と非接触とが切り替わり、前記2つの電極に非接触である第1位置と、前記2つの電極及び前記通電用電極に接触する第2位置と、前記2つの電極のうち一方と前記通電用電極に接触する第3位置とを切り替え可能に設けられる
歪み検出装置。
【請求項2】
前記2つの電極及び前記通電用電極を外部から覆う絶縁性の被覆部と、
前記導電部と接続された状態で前記孔を挿通可能な絶縁体と、
前記絶縁体と接続されて前記被覆部の外側に延出する延出部とを備える
請求項1に記載の歪み検出装置。
【請求項3】
前記延出部は、前記絶縁体の前記所定方向の一端側に連結されたワイヤである
請求項2に記載の歪み検出装置。
【請求項4】
前記導電部は、前記2つの電極及び前記通電用電極と同時に当接する延設長を有する
請求項2又は3のいずれか一項に記載の歪み検出装置。
【請求項5】
前記被検出体は、溶接によって接続された配管であり、
前記2つの電極は、前記溶接の位置を挟んで並ぶ
請求項1から4のいずれか一項に記載の歪み検出装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の歪み検出装置の検出結果を補正するための歪み検出の補正方法であって、
前記導電部を前記第3位置とする前に、前記導電部を前記第1位置とし、前記導電部を前記第2位置とする
歪み検出の補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歪み検出装置及び歪み検出の補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの電極間の静電容量の変化に基づいて、当該2つの電極が固定された構成に生じている歪みを検出する歪み検出装置が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−175600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歪み検出装置では、より高い精度での検出のため、2つの電極を両方とも電力供給系と非接続状態にするオープン補正と、2つの電極を両方とも電力供給系と接続状態にするショート補正が行われる。従来の歪み検出装置では、2つの電極の少なくとも一方を移動させて2つの電極同士を接触させることでショート補正を行った後に2つの電極の位置を歪み検出のための位置関係とする位置調整を行っていた。しかしながら、高温環境下など位置調整が困難な状況において補正を行う際に、位置調整で誤差が生じる可能性を排除しきれず、係る誤差による歪み検出の精度低下が起こり得るという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、精度をより高めることができる歪み検出装置及び歪み検出の補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、非接触状態で所定方向に並ぶ2つの電極に蓄積される静電容量の変化に基づいて当該2つの電極が設けられた被検出体の歪みを検出する歪み検出装置であって、前記2つの電極に対して前記所定方向に並ぶ通電用電極と、前記通電用電極に電力を供給する供給部と、前記所定方向に移動可能に設けられて導電性を有する導電部とを備え、前記2つの電極及び前記通電用電極には前記導電部を挿通可能な孔が設けられており、前記導電部は、前記孔を挿通しているか否かによって前記2つの電極及び前記導通用電極との接触と非接触とが切り替わり、前記2つの電極に非接触である第1位置と、前記2つの電極及び前記通電用電極に接触する第2位置と、前記2つの電極のうち一方と前記通電用電極に接触する第3位置とを切り替え可能に設けられる。
【0007】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明による歪み検出装置の検出結果を補正するための歪み検出の補正方法は、前記導電部を前記第3位置とする前に、前記導電部を前記第1位置とし、前記導電部を前記第2位置とする。
【0008】
本発明の望ましい態様として、前記2つの電極及び前記通電用電極を外部から覆う絶縁性の被覆部と、前記導電部と接続された状態で前記孔を挿通可能な絶縁体と、前記絶縁体と接続されて前記被覆部の外側に延出する延出部とを備える。
【0009】
本発明の望ましい態様として、前記延出部は、前記絶縁体の前記所定方向の一端側に連結されたワイヤである。
【0010】
本発明の望ましい態様として、前記導電部は、前記2つの電極及び前記通電用電極と同時に当接する延設長を有する。
【0011】
本発明の望ましい態様として、前記被検出体は、溶接によって接続された配管であり、
前記2つの電極は、前記溶接の位置を挟んで並ぶ。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、精度をより高めることができる歪み検出装置及び歪み検出の補正方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る歪み検出装置及び歪み検出装置が設けられた被検出体の主要構成例を示す模式図である。
図2図2は、歪み検出装置に接続されるLCRメータと2つの電極及び通電用電極との接続関係の一例を示す模式図である。
図3図3は、2つの電極及び通電用電極と導電部との位置関係であって図1に示す位置関係とは異なる位置関係の一例を示す図である。
図4図4は、2つの電極及び通電用電極と導電部との位置関係であって図1に示す位置関係とは異なる位置関係の一例を示す図である。
図5図5は、導電部の具体的構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る歪み検出装置1及び歪み検出装置1が設けられた被検出体の主要構成例を示す模式図である。図2は、歪み検出装置1に接続されるLCRメータ20と2つの電極11,12及び通電用電極13との接続関係の一例を示す模式図である。歪み検出装置1が設けられる被検出体は、例えば溶接によって接続された配管Pである。図1は、2つの配管を接続している溶接部Wに設けられた歪み検出装置1を図示している。
【0016】
歪み検出装置1は、例えば図1に示すように、3つの電極、供給部21、導電部30、被覆部40、ワイヤ50等を備える。3つの電極のうち2つは、非接触状態で並ぶ2つの電極11,12である。3つの電極のうち2つの電極11,12を除く1つの電極は、通電用電極13である。
【0017】
本実施形態における配管Pは、例えば発電機のボイラーと接続されている蒸気輸送配管であり、自然環境下の気温(例えば、25[℃])よりも高温(例えば、600[℃])になる。以下、本実施形態において単に高温と記載した場合、係る配管Pの温度(例えば、600[℃])をさすものとする。
【0018】
配管Pに設けられている構成及び配管Pの周囲の構成は、配管Pから温度を伝達されて高温又は当該高温に近い温度になる。このような高温の環境下では自然環境下よりも酸化等の腐食が進行しやすいことから、2つの電極11,12及び通電用電極13は、より高い耐食性を有することが望ましい。本実施形態における2つの電極11,12及び通電用電極13は、例えば白金を素材とする電極である。
【0019】
2つの電極11,12は、蓄電器(コンデンサ)と同様の原理で静電容量Cを蓄積する。静電容量Cは、2つの電極11,12間の距離に応じて増減し得る。このため、異なるタイミングでそれぞれ測定された静電容量Cに差が生じた場合、当該異なるタイミング間に2つの電極11,12間の距離が変じたことを示す。このように、歪み検出装置1は、非接触状態で所定方向に並ぶ2つの電極11,12に蓄積される静電容量Cの変化に基づいて当該2つの電極11,12が設けられた被検出体の歪みを検出する。本実施形態における2つの電極11,12は、配管Pを接続している溶接の位置を挟んで並ぶ。具体的には、2つの電極11,12は、例えば図1に示す配管Pにおいて、溶接前に別体であった2つの配管同士を物理的に接続している溶接部Wを挟んで非接触の位置関係となるよう設けられた板状の電極である。2つの電極11,12は、板面が平行になるよう配管Pに固定されている。より具体的には、2つの電極11,12は互いに対向する側が最も径が大きい円板状となっており、その反対側に相対的に小さい径の円筒が延出している電極であり、絶縁体14,15を介して配管Pに固定されている。本実施形態では、2つの電極11,12の形状、すなわち、円板の径及び厚みは等しいが、これは一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。2つの電極11,12の各々と配管Pとの間は絶縁されている。
【0020】
通電用電極13は、2つの電極11,12に対して2つの電極11,12の所定方向に並ぶ。具体的には、通電用電極13は、円筒状の電極であり、絶縁体16を介して配管Pに固定されている。本実施形態では、2つの電極11,12の円筒の中心と通電用電極13の円筒の中心は同一直線上に位置するが、これは一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。通電用電極13と配管Pとの間は絶縁されている。
【0021】
供給部21は、通電用電極13に電力を供給する。具体的には、供給部21は、例えばLCRメータ20が有する発信器である。係る発信器は、配線MI1を介して通電用電極13と電気的に接続されて通電用電極13に電圧を印加する。
【0022】
本実施形態では、LCRメータ20は、接続された構成の静電容量C(キャパシタンス)に限らず、抵抗値(インピーダンス)、誘導起電力(インダクタンス)を求めることもできる。本実施形態のLCRメータ20は、例えば2端子法で2つの電極11,12と接続されるLCRメータであり、電圧を印加するハイ(H)側のセンサケーブルが通電用電極13と接続され、LCRメータ20に設けられている検流計等の測定部22と接続されているロウ(L)側のセンサケーブルが2つの電極11,12のうち1つ(電極11:他方の電極)と配線MI2を介して接続されている。電極11は、2つの電極11,12のうち、通電用電極13からより遠い位置にある電極である。LCRメータ20による静電容量C等の測定の際には、2つの電極11,12のうち1つ(電極12:一方の電極)と通電用電極13とが導電部30によって接続される。配線MI1,MI2は例えば無機物絶縁(MI:Mineral Insulation)ケーブルであるが、これに限られるものでなく、絶縁のための被覆が施された導線であればよく、適宜変更可能である。
【0023】
図3図4は、2つの電極11,12及び通電用電極13と導電部30との位置関係であって図1に示す位置関係とは異なる位置関係の一例を示す図である。導電部30は、所定方向に移動可能に設けられる。具体的には、2つの電極11,12及び通電用電極13には導電部30を挿通可能な孔(例えば、孔11a,12a,13a)が設けられており、導電部30は、所定方向への移動に係り、これら3つの電極に設けられている孔を挿通する。
【0024】
より具体的には、2つの電極11,12及び通電用電極13はそれぞれ、例えば図3に示すように、円板の中央を貫通する孔11a,12a,13aを有する。孔11a,12a,13aは、例えば2つの電極11,12及び通電用電極13の円板と同心の円状の孔であるが、これは孔11a,12a,13aの具体的形状の一例であってこれに限られるものでなく、導電部30が挿通可能な形状であればよく、適宜変更可能である。
【0025】
導電部30は、2つの電極11,12及び通電用電極13と同時に当接する延設長を有する。具体的には、導電部30は、例えば、当接体30a、第1連結体30b、第2連結体30c、連結部30d等を有する。当接体30aは、例えば環状の導電体である。第1連結体30bと第2連結体30cは、例えば両端側が丸みを帯びるように両端側に向かって径が小さくなる部分を有する円柱状の部材である。当接体30aは、第1連結体30bと第2連結体30cのうち、丸みを帯びず、相対的に径が大きい位置の外周縁に沿って設けられている。当接体30aの外径は、第1連結体30bと第2連結体30cの外径よりも大きい。導電部30の外径は、当接体30aの外径に対応する。
【0026】
本実施形態の当接体30aは、第1連結体30bと第2連結体30cの各々に2つずつ設けられている。第1連結体30bに設けられた2つの当接体30a同士の間隔は、2つの当接体30aのうち第2連結体30cに対してより遠い位置にある一方が電極11と当接している場合に他方が電極12と当接することが可能であって、かつ、当該一方が電極12と当接している場合に当該他方が通電用電極13と当接することが可能な間隔である。第2連結体30cに設けられた2つの当接体30a同士の間隔は、2つの当接体30aのうち第1連結体30bに対してより近い位置にある一方が電極12と当接している場合に他方が通電用電極13と当接することが可能な間隔である。連結部30dは、丸みを帯びた第1連結体30bと第2連結体30cの一端同士を連結する。連結部30dを介して、第2連結体30cは第1連結体30bに対して回動可能に連結されている。
【0027】
連結部によって連結された第1連結体30bと第2連結体30cは、孔11a,12a,13aの全ての内側に同時に進入した状態となることができる延設長を有する。また、導電部30は、第1連結体30bに設けられた2つの当接体30aのうち第2連結体30cに対してより遠い位置にある一方が電極11と当接し、他方が電極12と当接している場合に、第2連結体30cに設けられた2つの当接体30aのうち第1連結体30bに対してより近い位置にある一方が電極12と当接し、他方が通電用電極13と当接することができるよう、当接体30aの位置、第1連結体30b及び第2連結体30cの延設長が決定されている。当接体30aは、例えば白金を素材とする。第1連結体30b、第2連結体30c及び連結部30dは、例えばインコネル(登録商標)等のニッケル合金を素材とする。
【0028】
導電部30は、孔11a,12a,13aの内側を挿通することで、2つの電極11,12及び通電用電極13に対して当接しながら所定方向に沿って移動可能に設けられている。本実施形態では、孔11a,12a,13aは全て同じ径である。また、導電部30の外径は、2つの電極11,12及び通電用電極13との嵌合によって導電部30が所定方向に移動することを妨げられないよう、孔11a,12a,13aの内径以下となっている。
【0029】
導電部30は、孔11a,12a,13aを挿通しているか否かによって2つの電極11,12及び導通用電極13との接触と非接触とが切り替わる。具体的には、導電部30は、第1位置と、第2位置と、第3位置とを切り替え可能に設けられている。第1位置は、導電部30が2つの電極11,12に対して非接触である位置である。第2位置は、導電部30が2つの電極11,12及び通電用電極13に接触する位置である。第3位置は、導電部30が2つの電極11,12のうち一方と通電用電極13に接触する位置である。
【0030】
具体的には、導電部30は、例えば図3に示すように、2つの電極11,12と非接触の位置に移動可能に設けられている。また、導電部30は、例えば図4に示すように、2つの電極11,12及び通電用電極13と接触する位置に移動可能に設けられている。また、導電部30は、例えば図1に示すように、導電部30が2つの電極11,12のうち一方の電極12と通電用電極13に接触する位置に移動可能に設けられている。すなわち、図3は、本実施形態において導電部30が第1位置にある場合の例を示している。また、図4は、本実施形態において導電部30が第2位置にある場合の例を示している。また、図1及び図2は、本実施形態において導電部30が第3位置にある場合の例を示している。
【0031】
被覆部40は、2つの電極11,12及び通電用電極13を外部から覆う。具体的には、被覆部40は、例えば図1等に示すように、3つの電極を内包する空間を形成するように配管Pに固定されたカバーとして設けられる。より具体的には、被覆部40は、例えば、内側面が3つの電極に対して非接触となる位置で固定された状態で配管Pに立設するよう設けられる。
【0032】
ワイヤ50は、例えば図1等に示すように、導電部30と接続された状態で孔13aを挿通可能な絶縁部45を介して導電部30の所定方向の一端と連結されたワイヤである。絶縁部45は、導電部とワイヤ50とを絶縁した状態で連結する。また、本実施形態の絶縁部45は、導電部30が第2位置にある状態でもワイヤ50を通電用電極13に対して被覆部40の外側寄りの位置に留める延設長を有する。これによって、ワイヤ50は導電性に関する設計上の制限を受けない。すなわち、ワイヤ50は、導電性を有していてもよい。具体的には、絶縁部45は、例えば第1接続部45a及び第2接続部45bを有する。第1接続部45aは、一端側が第2連結体30cに固定され、他端側が第2接続部45bと連結している。第2接続部45bは、一端側が第2接続部45bに連結され、他端側がワイヤ50に固定されている。第1接続部45aと第2接続部45bのうち少なくとも一方は、絶縁性を有する。すなわち、第1接続部45aと第2接続部45bのうち少なくとも一方は、一端側と他端側との間を導通させない表面加工処理が施されているか又は絶縁性を有する部材からなる。
【0033】
ワイヤ50は、可撓性を有する。また、ワイヤ50は、被覆部40の外側に延出する延出部として機能する。具体的には、ワイヤ50は、電極11,12及び通電用電極13に対して所定方向に沿う延長線上に位置する被覆部40の一側面に設けられている貫通孔41を挿通可能に設けられている。より具体的には、貫通孔41は、3つの電極に設けられている孔11a,12a,13aが位置する一直線上に位置している。本実施形態における貫通孔41は、3つの電極に設けられている孔11a,12a,13aと同一径の円状の孔であり、導電部30、絶縁部45及びワイヤ50が挿通可能となっている。本実施形態では、貫通孔41は、被覆部40から延出するよう設けられた延出部41aの内側の孔であるが、延出部41aが省略され、被覆部40の側方に設けられた孔が貫通孔41となっていてもよい。
【0034】
ワイヤ50は、導電部30を移動させる際の取っ手として機能する。具体的には、例えば導電部30の一端のうち溶接部Wに対して電極13側に設けられたワイヤ50が被覆部40の外側から引っ張り出されるように力を加えられることで、導電部30は溶接部Wに対して電極13側に移動する。逆に、ワイヤ50が押し込まれるるように力を加えられることで、導電部30は溶接部Wに対して電極12側に移動する。このように、導電部30を移動させる作業を行う作業者は、ワイヤ50を介して係る作業を実施することができる。
【0035】
本実施形態では、被覆部40は、貫通孔41が設けられた側面の外側に延設されたチューブ状の延設部42を有する。延出部41a及び延設部42は、例えば被覆部40と同様の素材で設けられており、貫通孔41を介して被覆部40内の空間と延設部42内の空間とが連続するよう設けられている。延設部42が設けられる場合、ワイヤ50は、ワイヤ50の端部が延設部42の端部より外側に位置する延設長を有する。延設部42は、その延設長に応じて、被覆部40が設けられている位置からより遠くまで被覆部40及び延設部42によって外部から絶縁された空間を延長する構成として機能する。このため、配管Pからの温度の伝達がより及びにくい位置まで当該外部から絶縁された空間を延長することができる。従って、ワイヤ50を介した導電部30の移動に係る作業を、配管Pからの温度に実質的に晒されることのない遠方から行うことができるようになる。
【0036】
次に、本実施形態に係る歪み検出の補正方法について説明する。まず、導電部30が第1位置に移動されることで、オープン補正が行われる。次に、導電部30が第2位置に移動されることで、ショート補正が行われる。係るオープン補正及びショート補正によって、測定部22のゼロ点と測定値との間に生じる誤差を補正する所謂ゼロ点補正のための補正値をより高い精度で求めることができる。係るオープン補正及びショート補正が行われた後、導電部30が第3位置に移動されることで、静電容量Cに基づいた歪み検出が可能な状態になる。このように、導電部30を第3位置とする前に、導電部30を第1位置とし、導電部30を第2位置とすることで、歪み検出の精度をより高めることができる。
【0037】
特に、本実施形態のように高温になる配管Pに固定される歪み検出装置1は、高温の環境下で生じる可能性がある配管Pの溶接部W及び溶接部W付近の歪みを検出することを主要な目的としている。また、歪み検出の分解能として、例えばマイクロメートル単位の分解能が求められている。このため、歪み検出装置1に接続される測定部22の誤差補正は、配管Pが高温になってから行われることが望ましい。本実施形態では、ワイヤ50を介して導電部30を第1位置と第2位置に移動させることでオープン補正とショート補正を行うことができるので、歪み検出が行われる環境と同様の環境下で簡便に補正を行うことができる。従って、本実施形態によれば、簡便な作業で歪み検出の精度をより高めることができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、導電部30の位置を第1位置と第2位置と第3位置に切り替えることで2つの電極11,12と通電用電極13との接続関係を切り替えることができるので、2つの電極11,12の位置関係を変ずることなくオープン補正及びショート補正を行うことができる。従って、本実施形態によれば、歪み検出の精度をより高めることができる。
【0039】
また、被覆部40によって2つの電極11,12及び通電用電極13を外部から絶縁することができることから、2つの電極11,12に対する外部の影響を抑制することができる。従って、歪み検出の精度をより高めることができる。
【0040】
また、ワイヤ50が導電部30の所定方向の一端側に連結されたているので、ワイヤを操作することで当該端部側に導電部30を移動させることができる。
【0041】
また、導電部30が2つの電極11,12及び通電用電極13と同時に当接する延設長を有する棒状の導電体であるので、単純な操作で2つの電極11,12と通電用電極13との接続関係を切り替えることができる。
【0042】
また、2つの電極11,12が配管Pを接続している溶接部Wを挟んで並ぶことで、溶接部Wに歪みが生じた場合に当該歪みを検出することができる。
【0043】
なお、上記の実施形態における歪み検出装置1の具体的構成はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0044】
図5は、導電部30の具体的構成の一例を示す図である。例えば図5に示すように、導電部300は、棒状の基部31と、基部31の外周面よりも外側に突出する複数の弾性部32,33,34とを具備していてもよい。弾性部32,33同士の所定方向の間隔及び弾性部33,34同士の所定方向の間隔は、2つの電極11,12同士の所定方向の間隔及び通電用電極13と2つの電極11,12のうち通電用電極13に相対的に近い位置の電極12との間隔に応じる。また、基部31の所定方向に直交する断面形状は、2つの電極11,12及び通電用電極13に設けられた孔11a,12a,13aを非接触の状態で挿通することができる断面形状である。より具体的には、例えば円柱状の基部31の外径は、孔11a,12a,13aの径未満である。また、弾性部32,33,34を含む導電部30の所定方向に直交する断面形状は、2つの電極11,12及び通電用電極13に設けられた孔11a,12a,13aを挿通した場合に2つの電極11,12及び通電用電極13に接触する断面形状である。より具体的には、例えば円柱状の基部31の周囲を取り巻くように配設されたばね状の部材による弾性部32,33,34の外径は、孔11a,12a,13aの径以上であり、その弾性によって孔11a,12a,13aの径以下に収まることができるよう設けられている。基部31及び弾性部32,33,34は、例えば白金等の導電体からなる。図1から図4で例示した導電部30を図5に示すような導電部300に置き換えてもよい。これによって、2つの電極11,12及び通電用電極13と導電部30と0をより接触させやすくなる。
【0045】
導電部30等、各部の構成の具体的な素材及び形状は上記の実施形態で例示したものに限定されず、適宜変更可能である。例えば、当接体30aの素材として、インコネル(登録商標)等のニッケル合金を採用してもよい。
【0046】
導電部30は、非測定時に被覆部40の外部に取り出されてもよい。この場合、歪み検出装置1等が固定される環境と同様の環境下(例えば、高温環境下)に導電部30が晒される期間をオープン補正及びショート補正の実施期間並びに歪み検出の実施期間に限定することができるので、導電部30に要求される耐腐食性等の条件をより緩和しやすくなり、上記のニッケル合金の採用をより容易にすることができる。
【0047】
また、歪み検出装置1等は溶接部W、高温環境下に限らず任意の構成に設けることができる。
【0048】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0049】
1 歪み検出装置
11,12 電極
11a,12a,13a 孔
13 通電用電極
20 LCRメータ
21 供給部
22 測定部
30 導電部
30a 当接体
30b 第1連結体
30c 第2連結体
30d 連結部
31 基部
32,33,34 弾性部
35,36 導電体
40 被覆部
41 貫通孔
42 延設部
45 絶縁部
50 ワイヤ
C 静電容量
P 配管
W 溶接部
図1
図2
図3
図4
図5