【課題】キャップの内側側面と透明性液状物の液面との境界において、液面を容易に視認でき、所定液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる計量キャップ及び計量キャップを備えた容器を提供する。
【解決手段】透明性液状物を充填する容器本体の口部に着脱可能に装着され、容器本体から取り外し、倒立状にして開口部10より透明性液状物を注ぎ込むことにより透明性液状物を計量する計量キャップ1であって、計量キャップ1が不透明性材料からなり、計量キャップ1の内側の底面21に、内側側面22の少なくとも計量マーク24が存在する高さ領域の色とは異なる色に着色された色領域14を設けた。
前記底面が内部空間に向けて隆起し、前記内側側面と互いに離隔する盛り上がり部を有し、前記盛り上がり部表面の少なくともキャップ開口部側となる先端側の部分に前記色領域を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の計量キャップ。
前記盛り上がり部を囲むように前記底面から立ち上がり、前記キャップを前記容器本体の口部に装着する際に該口部の周りに当接して液漏れを防止する円環状部材を設け、該円環状部材の高さを前記盛り上がり部の高さよりも低く設定するとともに、前記盛り上がり部表面の前記円環状部材よりも高い先端側部分に、前記色領域を設けた請求項4又は5に記載の計量キャップ。
前記底面から立ち上がり、前記キャップを前記容器本体の口部に装着する際に該口部の周りに当接して液漏れを防止する円環状部材を設け、前記底面の該円環状部材で囲まれた領域に前記色領域を設けた請求項1に記載の計量キャップ。
【背景技術】
【0002】
洗口液等の液状化粧品や液状医薬部外品、うがい薬等の液状医薬品、洗濯用、家庭用、住宅・家具用の各洗剤等の液状物の多くは、樹脂材料等からなるボトル状容器に充填された形態で市場に流通している。該容器は、液状物が充填され、液状物の注ぎ口となる口部を有する容器本体と、容器本体の口部に装着され、液状物を計量する目安になる目盛や文字記号が内側側面に設けられたキャップとからなる。そして、キャップを容器本体の口部から取り外し、倒立状にしてその内部に液状物を注ぎ込むことにより、液状物を計量するようになっている。
【0003】
洗濯用洗剤等の光による品質劣化が少ない液状物を充填する容器のキャップは主に透明材料からなり、目盛と液面との一致をキャップの横方向から比較的容易に視認することができる。しかし、液状化粧品、液状医薬部外品、液状医薬品等は、光による品質劣化を防止する観点から、多くの場合不透明材料からなるキャップを備えた容器に充填されているため、計量時にはキャップ開口部から液面を確認することになり、目盛や文字記号と液面との一致を視認しづらくなっている。特に、不透明材料からなるキャップで透明性液状物を計量する場合は、液面の位置の視認が難しいことがある。
【0004】
また、液状物の中でも液状化粧品、液状医薬部外品、液状医薬品等は、口に含んだり、飲み込んだり又は肌に塗布したりするものであることから、市場では無色又はごく薄く着色された透明性液状物の形態が好まれる傾向にあり、これらの液状物を不透明化又は濃色化することにより視認性の向上を図ることは望まれていない。また、これらの液状物は、1回当りの用量が定められているので、各種洗剤等よりも正確な計量が必要になる。このため、透明性液状物を正確かつ容易に計量できる計量キャップが要望されている。
【0005】
特許文献1は、貫通穴である表示用窓が側壁に設けられた内筒体及び該内筒体の外側側面に接するように設けられかつ該内筒体とは異なる色に着色された外筒体からなる計量筒体と、該計量筒体を取り囲んで一体成形されたキャップ本体とからなり、内筒体の表示用窓から見える外筒体の内側側面が内筒体とは異色であることを利用して、液状物を計量するように構成した計量キャップを開示している。しかしながら、キャップの内側側面に異なる色領域を設けても、透明性液状物の液面の視認性はあまり向上しない。
【0006】
特許文献2は、透明性筒体である側壁と、該筒体の下端に嵌合される底壁と、側壁の内側側面に沿って底壁の底面から突出する有色の断面視段差状スケール板とからなり、該スケール板の各段の頂面と液面とが一致するまで液状物を注ぎ込むことにより、計量を行なうように構成した計量キャップを開示している。しかしながら、該計量キャップでは、スケール板全体を着色しかつスケール板を側壁の内側側面に沿って設けていること等から、内部の着色面積が多くなり過ぎ、注ぎ込んだ透明性液状物が着色されたように見えることがないので、液面の視認性は向上しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、キャップの内側側面と透明性液状物の液面との境界において、該液面を容易に視認でき、所定液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる計量キャップ及び該計量キャップを備えた容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、倒立状にしたキャップの内側底面に、内側側面における計量マークが存在する領域とは異なる色に着色された色領域を設けることにより、所定液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる計量キャップが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記(1)〜(8)の計量キャップ及び下記(9)〜(10)の容器を提供する。
【0011】
(1)透明性液状物を充填する容器本体の口部に着脱可能に装着され、容器本体から取り外し、倒立状にして開口部より透明性液状物を注ぎ込むことにより透明性液状物を計量するキャップであって、内側の底面に、内側側面の少なくとも計量マークが存在する高さ領域の色とは異なる色に着色された色領域を設けたことを特徴とする計量キャップ。
【0012】
上記(1)の計量キャップによれば、主に光の反射や屈折等によるものと考えられるが、透明性液状物が該キャップの内側底面に設けられた色領域と同じ色に着色されたように見え、特に該キャップの内側側面と液面との境界近傍で液面が着色されて見える度合いが高まって濃く着色されて見えるので、液面の視認性が向上し、計量マークと液面との一致を非常に認識し易くなり、所定液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。
【0013】
本明細書において、計量マークとは、キャップの内側側面に設けられ、所定液量を計量するための目印(計量目標)となるものである。従って、計量マークとしては計量目標になるものであれば形状や寸法等は特に限定されず、例えば、線状の目盛、記号、文字、凸部、溝等の凹部、段差、模様、粗面化領域、着色領域等が挙げられる。これらの計量マークは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて内側側面に設けることができる。計量マークは、好ましくは、内側側面の周方向に延びるように設けられ、円環状に設けてもよく、所定の間隔を空けて断続的に設けてもよい。また、計量マークを上下方向に複数設け、上段の計量マークを計量目標とし、下段の計量マークに計量終了予告機能を持たせてもよい。
【0014】
(2)色領域の色を、内側側面の少なくとも計量マークが存在する高さ領域の色に比べて、濃い色に設定した上記(1)の計量キャップ。
上記(2)の計量キャップによれば、内側側面と液面との境界近傍における液面のみが濃く着色されて見える度合いがより高まるので、液面の視認性がより向上する。
【0015】
(3)内側側面の少なくとも計量マークが存在する高さ領域の色が概ね白色である上記(1)又は(2)の計量キャップ。
上記(3)の計量キャップによれば、内側側面と液面との境界近傍において液面のみが濃く着色されて見える度合いがより一層高まり、内側側面と接する液面が色領域の色を反映した濃色の円環状領域に見えるので、液面の視認性ひいては計量性がより一層向上する。
【0016】
本明細書において、概ね白色とは、純白色だけでなく、淡黄白色、薄く肌色味を帯びた白色、薄く黒味を帯びた白色、薄く青味を帯びた白色、薄く赤味を帯びた白色等の、純白色に他の色が薄く混じった白色をも含む。別の言い方をすれば、概ね白色とは、少なくとも新聞紙(白色度55)よりも白く感じられる白色であり、好ましくは白色度60を超える白色、より好ましくは白色度70を超える白色である。
【0017】
(4)底面が内部空間に向けて隆起し、内側側面と互いに離隔する盛り上がり部を有し、盛り上がり部表面の少なくともキャップ開口部側となる先端側の部分に色領域を設けた上記(1)〜(3)のいずれかの計量キャップ。
上記(4)の計量キャップによれば、キャップ内に注ぎ込まれた透明性液状物全体が色領域と同色に見え易くなると共に、内側側面と液面との境界近傍における液面の色の濃さが高まり、色の濃い円環状領域を明瞭に視認できるので、液面の視認性及び計量性がさらに向上する。
【0018】
(5)盛り上がり部の形状が、円柱状又はドーム状である上記(4)の計量キャップ。
上記(5)の計量キャップによれば、盛り上がり部の形状を円柱状又はドーム状とすることにより、上記(4)の計量キャップの効果が得られ易くなる。また、盛り上がり部の形成が容易になる。
【0019】
(6)盛り上がり部を囲むように底面から立ち上がり、キャップを容器本体の口部に装着する際に該口部の周りに当接して液漏れを防止する円環状部材を設け、該円環状部材の高さを盛り上がり部の高さよりも低く設定するとともに、盛り上がり部表面の円環状部材よりも高い先端側部分に、色領域を設けた上記(4)又は(5)の計量キャップ。
【0020】
上記(6)の計量キャップによれば、該キャップによる容器本体口部の密封性を向上させるために、該口部の周囲に当接する円環状部材(シールリング)を設けても、盛り上がり部の円環状部材よりも高い先端側部分に色領域を設けることにより、色領域で反射される光の大部分が円環状部材により遮られることなく内側側面に到達するため、内側側面と液面との境界近傍の液面のみが濃く着色されて見え、液面の視認性が向上する効果が十分に発揮される。
【0021】
(7)底面から立ち上がり、キャップを容器本体の口部に装着する際に該口部の周りに当接して液漏れを防止する円環状部材を設け、底面の該円環状部材で囲まれた領域に色領域を設けた上記(1)の計量キャップ。
上記(7)の計量キャップによれば、上記(1)の計量キャップと同様に、液面の視認性及び計量性の向上を図ることができる。
【0022】
(8)計量マークを、内側側面に対して凹状に設けた上記(1)〜(7)のいずれかの計量キャップ。
上記(8)の計量キャップによれば、透明性液状物を計量マークが浸る程度に注ぎ込むと、内側側面と液面との境界近傍において液面が濃く着色されて見える度合いよりも、計量マーク自体が非常に濃く着色され、液中に浮き上がったように非常に鮮明に視認できるので、例えば、該計量マークの上端辺りを計量目標とすれば、所定液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。この効果が得られる理由は現状では十分明らかではないが、該キャップに透明性液状物を注ぎ込むと、凹状に設けた計量マーク中に空気の小泡が形成され、底面の色領域で反射した光が該小泡表面で乱反射することにより、計量マーク全体が底面の色領域と同色に光るためであると推測されている。
【0023】
(9)口部を有し、透明性液状物が充填される容器本体と、口部に嵌合手段を介して着脱可能に装着される上記(1)〜(8)のいずれかの計量キャップと、を備えることを特徴とする容器。
上記(9)の容器によれば、上記(1)〜(8)のいずれかの計量キャップを備えているので、透明性液状物の所定量を容易にかつほぼ正確に計量できる。
【0024】
(10)透明性液状物が、液状化粧品、液状医薬部外品又は液状医薬品である上記(9)の容器。
上記(10)の容器によれば、該容器に充填される透明性液状物として、1回当りの用量が定められている、洗口液等の液状化粧品や液状医薬部外品、うがい薬等の液状医薬品を用いることにより、該透明性液状物の効果を無駄なく発揮させることができると共に、用量を超える使用を抑制することができる。なお、例えば洗口液には、液状化粧品に分類されるものと、液状医薬部外品に分類されるものとがある。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、透明性液状物をほぼ正確にかつ容易に計量できる計量キャップ及び該キャップを備えた容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態の計量キャップの概略構成を示す模式図である。
【
図2】
図1に示す計量キャップの変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図3】
図1に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図4】
図1に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図5】
図1に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図6】
図1に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図7】
図1に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図8】本発明の第2実施形態の計量キャップの概略構成を示す模式図である。
【
図9】
図8に示す計量キャップの変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図10】
図8に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図11】
図8に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図12】本発明の第3実施形態の計量キャップの概略構成を示す模式図である。
【
図13】
図12に示す計量キャップの変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図14】
図12に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図15】
図12に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図16】本発明の第4実施形態の計量キャップの概略構成を示す模式図である。
【
図17】
図16に示す計量キャップの変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図18】
図16に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図19】
図16に示す計量キャップの別の変形例の概略構成を示す模式図である。
【
図20】実験用キャップの概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態である計量キャップ(以下単に「キャップ」と呼ぶことがある)1の概略構成を示す模式図である。
図1〜
図19において、(a)は外観形状を示す斜視図、(b)は倒立状態での斜視図、(c)は倒立状態での断面斜視図である。ま た、
図2〜
図19において、キャップ1と共通する部材や領域は、
図1と同じ参照符号を付して説明を省略する。キャップ1は、開口部10側に突出する頂部13bを有する盛り上がり部13を備え、頂部13bの全表面に色領域14を設けたことを特徴とする。
【0028】
キャップ1は有底円筒状の外形を有し、キャップ1の開口部10を臨む内側の底面21を有する底壁11と、底壁11の周縁部から立ち上がり、その内側側面22に計量マーク24及びキャップ1を容器本体の口部(不図示)に装着するための嵌合部25を有する側壁12と、底面21の一部が内側側面22と離隔しつつキャップ1の内部空間に向けて隆起した盛り上がり部13と、盛り上がり部13の開口部10側(先端側)表面の、内側側面22とは異なる色に着色された色領域14と、盛り上がり部13を囲むように底面21から立ち上がりかつキャップ1を容器本体の口部に装着する際に該口部の回りに当接して液漏れを防止する円環状部材であるシールリング15と、を備えている。
【0029】
キャップ1は、透明性液状物が充填された容器本体(不図示)の注ぎ口である口部に着脱可能に装着(外嵌固定)され、該口部から取り外して倒立状にし、透明性液状物を注ぎ込むことで、所定液量を計量する機能を有している。キャップ1の外形は有底円筒状に限定されず、例えば、有底多角形状等の任意の形状とすることができる。
【0030】
キャップ1及び口部を有する容器本体を構成する材料は透明性材料でも不透明性材料でも良いが、透明性液状物の光による劣化等を抑制する観点から、樹脂材料、ガラス材料等を主成分とする不透明性材料であることが好ましい。液状物としては透明性であれば特に限定されないが、例えば、洗口液等の液状化粧品や液状医薬部外品、うがい薬等の液状医薬品、液状農薬、洗濯用、家庭用、家具・建物用の各種洗剤等が挙げられる。透明性液状物が液状化粧品、液状医薬部外品、液状医薬品等である場合、定められた用量をほぼ正確かつ容易に計量できることから、用量を超えた不必要な使用を抑制できる。
【0031】
底壁11は本実施形態ではほぼ円形状であるが、その形状は特に限定されず、例えば、三角形、四角形、六角形、八角形等の多角形状でも良い。
【0032】
側壁12の内側側面22は本実施形態では全体が同じ色である。内側側面22と液面との境界近傍における液面の視認性を向上させる観点から、内側側面22は概ね白色とすることが好ましい。計量マーク24は、開口部10近傍の内側側面22を周方向に線状に延びる目盛である。本実施形態では2本線としているが、1本でも3本以上でも良い。嵌合部25はねじ山である。これを口部の外側側面のねじ山に螺合させることにより、キャップ1を口部に装着する。また、キャップ1の口部からの着脱を容易にするために、任意形状の凹部及び凸部(いずれも不図示)から選ばれる少なくとも1種を、側壁12の外側側面23の任意の位置に、例えば、外側側面23の周方向又は周方向に垂直な方向に所定の間隔を空けて設けてもよい。
【0033】
盛り上がり部13は、シールリング15及び内側側面22と離隔しつつ、底面21のほぼ中央から底壁11と同軸状に隆起し、ほぼ円柱状の基部13aと、基部13aよりもやや小径のほぼ平坦な頂面を有するドーム(半球)状頂部13bとからなっている。基部13aは円柱状に限定されず、角柱状等の任意形状とすることができる。本実施形態では、盛り上がり部13の開口部10側(先端側)部分となる頂部13bの表面全体が内側側面22とは異なる色に着色され、色領域14になっている。色領域14は上面視ほぼ円形である。また、色領域14は、底面21を基準にして、シールリング15の上端よりも高い位置にある。
【0034】
色領域14の色は特に限定されないが、液面の視認性を向上させる観点から、内側側面22よりも濃い色であることが好ましい。なお、色の濃さは彩度として定義されており、彩度計等で測定することが可能である。色領域14の色は特に限定されないが、透明性液状物として液状化粧品、液状医薬部外品や液状医薬品を用いる場合には、奇抜な色に見えると口に含むのに抵抗感があるという観点及び液面の視認性を向上させる観点の両面から、例えば、緑色、赤色、橙色、青色、水色等が好ましい。また、色領域14を異なる複数の色で染め分けてもよい。このとき、内側側面22の色を概ね白色とすることにより、液面の視認性及び計量性はより一層向上する。
【0035】
色領域14を設けることにより、開口部10のどの位置からでも、キャップ1内の透明性液状物全体が色領域14と同色に薄く着色されたように見えるとともに、内側側面22との境界近傍の液面が他の部分よりも濃く着色されたように見えるので、液面の視認性及び計量性が顕著に向上する。
【0036】
シールリング15は、内側では盛り上がり部13と離隔し、外側では内側側面22と離隔している。キャップ1を容器本体の口部に装着した時、口部の先端部分は、盛り上がり部13とシールリング15との間に挿入され、シールリング15が該口部の回りに当接することにより口部が密閉され、容器本体からの液漏れが防止される。シールリング15の高さは、本実施形態では、シールリング15の上端が、盛り上がり部13の色領域14を設けた頂部13bよりも低い位置になるように設定されているので、色領域14の効果が顕著になる。
【0037】
本実施形態では、底壁11と側壁12との境界部分は、内側及び外側共になだらかな曲面(断面視ほぼ扇状)となっているが、これに限定されず、例えば、底壁11に対して側壁12がほぼ垂直に立ち上がるように構成してもよい。
【0038】
キャップ1の寸法は、容器本体(不図示)に設定される透明性液状物の充填量、容器本体の寸法等に応じて適宜選択されるので、限定はされないが、その一例を示せば、直径が20〜50mm程度、好ましくは25〜35mm程度であり、高さが2〜5cm程度、好ましくは2.5〜4.5cm程度である。これにより、例えば、10〜40ml程度の透明性液状物を容易に計量できる。また、キャップ1は、例えば2色成形法等を利用して作製することができる。また、色領域14を別部材とし、色領域14以外の上記構成を備えるキャップ本体に色領域14を接着、嵌合、熱溶着等の適切な手段で取り付けることにより、キャップ1を作製してもよい。この場合、色領域14は、樹脂材料、ゴム材料、エラストマー材料等で構成される色付きのパッキン等の形態となる。
【0039】
キャップ1によれば、キャップ1内に注ぎ込まれた透明性液状物全体が色領域14と同色に薄く染まって見えるとともに、内側側面22と液面との境界近傍の液面のみが色領域14と同色に濃く染まって見え、色の濃い円環状領域が形成されることにより、内側側面22に接する液面の視認性が顕著に向上し、液面を計量マーク24の位置に一致させることが非常に容易になる。その結果、透明性液状物の所定液量をほぼ正確にかつ極めて容易に計量することができる。
【0040】
図2〜
図7は、それぞれ、第1実施形態であるキャップ1の変形例であるキャップ1A、1B、1C、1D、1E、1Fの概略構成を示す模式図である。キャップ1A〜1Fは、それぞれ、開口部10側に突出する頂部を有する盛り上がり部を備え、該頂部にキャップ1の色領域14と同じ構成を有する色領域を設けたことを特徴とし、キャップ1と同様の効果を達成できる。なお、
図2〜
図6では計量マークの図示を省略しているが、実際にはキャップ1と同じ位置に計量マークを設けている。
【0041】
図2に示すキャップ1Aは、ほぼ円柱状の基部30aと、基部30aに続いて開口部10側に突出するドーム(半球)状の頂部30bとからなる盛り上がり部30、及び頂部30bの表面全体に設けられた色領域31を有する。盛り上がり部30の基部30aの高さ(底面21を基準とする高さ、以下同じ)はシールリング15とほぼ同じであり、頂部30b及びその表面に設けられた色領域31はシールリング15よりも高い位置にある。
図3に示すキャップ1Bは、高さがシールリング15よりも低いドーム状の盛り上がり部32及び盛り上がり部32の表面全体に設けられた色領域33を有する。
【0042】
図4に示すキャップ1Cは、ほぼ円柱状の基部34aと、基部34aに続くドーム(半球)状の頂部34bとからなる盛り上がり部34、盛り上がり部34の表面全体に設けられた色領域35、及び、計量マークの下方において内側側面22の周方向にほぼ線状に延びる2段の円環状段差26を有している。本実施形態では盛り上がり部34の頂部34bはシールリング15よりも高くなっているが、頂部34bの一部がシールリング15よりも高くなってもよく、また、盛り上がり部34とシールリング15とがほぼ同じ高さになってもよい。
【0043】
円環状段差26は、底面21に対してほぼ平行な水平面26aを有しており、水平面26aには色領域35からの反射光が届き難くなっている。このため、該段差26が液面よりも下位になった場合には、該段差26が着色されないで液中に浮き上がったように見える効果が得られ、該段差26の視認が非常に容易になる。一方、内側側面22との境界近傍の液面のみが濃く着色されて見える効果は、キャップ1等と同じである。従って、本実施形態のように、内側側面22における計量マークの下位に該段差26を設けることにより、該段差26の視認が計量終了の予告機能を果たすので、液面の視認性の向上と相俟って、正確かつ容易な計量を可能にする。なお、水平面26aの代わりに斜面を設けても、同様の効果が得られる。また、段差の数は2段に限定されず、1段でも3段以上でも良い。
【0044】
図5に示すキャップ1Dは、ほぼ円柱状の基部36aと、基部36aに続いて開口部10側に突出する円錐状の頂部36bとからなる盛り上がり部36、及び頂部36bの表面全体に設けられた色領域37を有している。頂部36bは円錐状に限定されず、角錐状等の任意の形状とすることができる。本実施形態では、盛り上がり部36の基部36aの高さはシールリング15とほぼ同じであり、頂部36b及びその表面に設けられた色領域37はシールリング15よりも高い位置にある。頂部36bはその一部がシールリング15より高くなっていてもよく、また、盛り上がり部36がシールリング15と同等の高さ又はシールリング15よりも低くてもよいが、本発明の効果を十分に発揮させるためには、本実施形態のように色領域37がシールリング15よりも高い位置にあることが好ましい。
【0045】
図6に示すキャップ1Eは、ほぼ円柱状の基部38aと、基部38aに続いて開口部10側に突出する五角錐台状の頂部38bとからなる盛り上がり部38、及び頂部38bの表面全体に設けられた色領域39を有している。この場合、頂部38bを構成する角錐台の断面形状は五角形に限定されず、三角形、四角形、六角形等の任意の多角形とすることができる。頂部38bの形状は角錐台状に限定されず、円錐台状等の任意の形状とすることができる。また、盛り上がり部38の高さはシールリング15とほぼ同じになっているが、これに限定されず、シールリング15よりも高くても低くてもよい。
【0046】
図7に示すキャップ1Fは、キャップ1と同じ構成を有し、計量マーク24が内側側面22を周方向に沿って円環状に延びる溝となっていることを特徴とする。このように、内側側面22に対して凹状の計量マーク24を設けることにより、キャップ1F内に透明性液状物を注ぎ込んだ場合に、該液状物全体が色領域14の色に薄く染まって見え、かつ、内側側面22との境界近傍の液面のみが色領域14の色に濃く染まって見えると共に、この溝自体が前記境界近傍の液面よりも更に濃く染まって非常に鮮明に視認できるようになる。従って、計量マーク24の位置が顕著に判り易くなり、計量性が大きく向上する。
【0047】
本実施形態では、円環状の溝1本を設けているが、これに限定されず、1本以上の任意の数の溝を設けることができ、また、複数の短い溝を所定の間隔を空けて内側側面22の周方向に設けてもよく、内側側面22の周方向に延びる所定長さの溝を一部に設けてもよい。なお、溝の断面形状は特に限定されないが、形成し易さ等の観点から、半円状、四角形状等が好ましい。
【0048】
図8は、本発明の第2実施形態であるキャップ2の概略構成を示す模式図である。
図9〜
図11は、それぞれキャップ2の変形例2A〜2Cの概略構成を示す模式図である。なお、
図9〜
図11では計量マーク24の図示を省略しているが、実際にはキャップ2と同じ位置に計量マークを設けている。
【0049】
図8〜
図10に示すキャップ2、2A、2Bは、いずれも、頂面40aが底面21に対してほぼ平行な平坦面であるほぼ円柱状の盛り上がり部40及び頂面40a全体に設けられた色領域41を有している。盛り上がり部40は、キャップ2ではシールリング15よりも高くなり、キャップ2Aではシールリング15とほぼ同じ高さになり、キャップ2Bではシールリング15よりも低くなっている。キャップ2、2A〜2Bのように構成しても、キャップ1と同様の効果が得られる。これらの中でも、内側側面22と液面との境界近傍における液面の視認性向上の観点から、キャップ2、2Aが好ましく、キャップ2がより好ましい。
【0050】
図11に示すキャップ2Cは、底面21に対して傾斜したほぼ平坦な斜面である頂面42aを有するほぼ円柱状の盛り上がり部42及び頂面42a全体に設けられた色領域43を有している。色領域43は一部がシールリング15よりも高い位置にあり、他部がシールリング15よりも低い位置にあるので、内側側面22との境界近傍の液面が全周にわたって濃く着色されたように見えるのではなく、ほぼ半周分が濃く着色されたように見え易くなる。このため、着色されない部分とのコントラストから、濃く着色された液面の動きを視認し易くなるので、視認性及び計量性を向上させ得る。
【0051】
図12は、本発明の第3実施形態のキャップ3の概略構成を示す模式図である。
図13〜
図15は、それぞれキャップ3の変形例3A〜3Cの概略構成を示す模式図である。なお、
図13〜
図15では計量マーク24の図示を省略しているが、実際にはキャップ3と同じ位置に計量マークを設けている。
【0052】
図12に示すキャップ3は、シールリング15を有さず、底面21全体に色領域44を設けている。
図13に示すキャップ3Aは、底面21のシールリング15で囲まれた領域全体に色領域45を設けている。このように、底面21に盛り上がり部を設けることなく色領域44、45を直接設けた場合には、内側側面22との境界近傍の液面のみが着色されて見える色の濃さはやや低くなるものの、色領域44、45を設けない場合に比べて液面の視認性は確実に向上する。本実施形態では、底面21のみを色領域44、45としているが、これに限定されず、底面21とその近傍の内側側面22に色領域を設けてもよい。内側側面22に設けられる色領域としては、例えば、円環状色領域、複数の色領域断片が所定の間隔を空けて周方向に配列された色領域等が挙げられる。
【0053】
図14に示すキャップ3Bは、底面21のシールリング15で囲まれた領域全体及びシールリング15の内側側面15a全体に色領域46を設け、かつ、内側側面22の上端部から所定幅の円環状着色領域27を設けている。円環状着色領域27の幅は特に限定されず、本実施形態のように該領域27の中に計量マークが存在するように構成してもよく、また、該領域27の上端に計量マークが存在するように構成してもよい。内側側面22に上下方向に幅のある該領域27を設けることにより、透明性液状物を注ぎ込む途中で液面が変色して見えるので、計量終了の予告機能が得られる。本実施形態では、シールリング15の内側側面15aを色領域46の一部としているが、これに限定されず、該内側側面15aを色領域とせず、底面21のみを色領域としてもよい。
【0054】
本実施形態において、色領域46と円環状着色領域27とは同色でも異色でも良く、同色の場合には同じ濃さでも異なる濃さでも良いが、視認性の観点から、異色とすることが好ましく、色領域46を円環状着色領域27よりも異色で濃い色とすることがより好ましい。色領域46と円環状着色領域27とを異色とする場合は、液面は2つの色を混合した第3の色に変色して見えることで視認性が向上する。例えば、色領域46を黄色とし、円環状着色領域27を緑色とすれば、液面はこれらよりも濃い青緑色に見え、視認性が向上する。
【0055】
図15に示すキャップ3Cは、底面21のシールリング15で囲まれた領域全体に設けた色領域45と、色領域45の表面に接しかつシールリング15の内側側面15aと離隔するように設けた円柱状透明部材28とを有している。円柱状透明部材28は、内側側面22との境界近傍の液面のみが濃く着色されて見える本発明の効果を損なうことなく、キャップ3Cを容器本体の口部(不図示)に装着した場合に、キャップ3Cと口部との気密性を向上させ得る。円柱状透明部材28の頂面28aは本実施形態では底面21に対してほぼ平行な平坦な面であるが、これに限定されず、凸面、凹面、斜面等でもよい。
【0056】
図16は本発明の第4実施形態のキャップ4の概略構成を示す模式図である。
図17〜
図19は、それぞれキャップ4の変形例4A、4B、4Cの概略構成を示す模式図である。
【0057】
図16に示すキャップ4は、底面21のシールリング15で囲まれた領域全体に色領域45を設け、かつ、内側側面22には2段の円環状段差26を計量マーク24として設けている。キャップ4によれば、内側側面22との境界近傍の液面のみが濃く着色されて見える効果と、円環状段差26の水平面26aが着色されずに液中で浮き上がったように見える効果とが得られる。従って、2面ある水平面26aのうち、上段側に位置する水平面26aを計量目標とすれば、下段側に位置する水平面26aが液中で浮き上がって見えることが計量終了の予告機能を果たすことになるので、一層正確な計量が可能になる。
【0058】
本実施形態では円環状段差26を設けているが、これに限定されず、例えば、内側側面22の周方向に所定間隔を空けて複数の所定長さの段差片を設けてもよく、円周方向の一部のみに所定長さの段差片を設けてもよい。また、本実施形態では、2段からなる段差26を設けているが、これに限定されず、1段以上の任意の段差数とすることができる。段差を一段としても、段差が浮き上がって見え始めた液面の位置を計量目標とすれば、ほぼ正確な計量は可能である。また、本実施形態では、水平面26aを有する段差26を設けているが、斜面を有する段差を設けてもよい。
【0059】
図17に示すキャップ4Aは、一段段差47と斜面48とが内側側面22の周方向に交互に複数ずつ配置された計量マーク24を有している。一段段差47には、該段差47の延びる方向に対してほぼ垂直な方向に凹むスリット47aが複数形成されている。キャップ4Aに透明性液状物を注ぎ込んだ場合に、段差47に形成された複数のスリット47aは、色領域45と同色で濃く鮮やかに視認でき、一方、斜面48は色領域45の色には着色されないので、このコントラストから、段差47の水平面と液面との一致を容易に視認できるようになり、計量性が向上する。
【0060】
図18に示すキャップ4Bは、内側側面22の周方向にほぼ線状に延びる一段段差49を計量マーク24として有している。一段段差49には、該段差49の延びる方向に対してほぼ垂直な方向に凹んだスリット49aが該段差49の全周にわたって複数形成されている。スリット49aはスリット47aと同じ効果を示すので、段差49と液面との一致を容易に視認できるようになり、計量性が向上する。
【0061】
図19に示すキャップ4Cは、断面視ほぼ直角三角形状でありかつ底面21に対してほぼ平行な水平面50aを有する一段段差50と、数字記号「10」が凹設された斜面51とが内側側面22の周方向に交互に複数ずつ配置された計量マーク24を有している。キャップ4Cに透明性液状物を注ぎ込んだ場合に、一段段差50及び斜面51は色領域45の色には着色されないが、数字記号「10」は斜面51に凹設されているため、濃く鮮明に着色されて見える。このため、数字記号「10」と液面との一致を容易に視認できるようになり、計量性が向上する。
なお、上記した各実施形態における色領域は、色領域14と同じ構成を採ることができる。
【0062】
本発明の別の実施形態である容器は、透明性液状物をキャップに注ぎ込むための口部を有する液状物充填用の容器本体と、該口部に嵌合手段を介して着脱可能に装着されるキャップとを備え、キャップが上記した本発明のキャップであることを特徴とする。
【0063】
本発明の容器に充填される液状物としては、透明性であれば特に限定されないが、例えば、洗口液等の液状化粧品や液状医薬部外品、うがい薬等の液状医薬品、液状農薬、洗濯用、家庭用、家具・建物用の各洗剤等が挙げられるが、液状化粧品、液状医薬部外品、液状医薬品等が好ましい。
【0064】
本発明の容器は、上記した色領域を有する本発明のキャップを倒立状にして透明性液状物の計量に用いることにより、液面の視認性が向上し、所定液量をほぼ正確にかつ容易に計量できる。本発明の容器は透明性材料及び不透明性材料のいずれから構成してもよいが、不透明性材料で構成することが好ましい。不透明性材料から構成することにより、変質等を伴うことなく、耐光性が十分ではない液状物を長期間にわたって安定的に保存できるようになる。
【0065】
(実験例1)
(1)実験用キャップ
図20は、実験用キャップ60A〜60Dの概略構成を示す模式斜視図である。(a)の実験用キャップ60Aは、側壁12の内側側面22上端及びその近傍に帯状色領域61(面積1620mm2)を円環状に設けている。(b)の実験用キャップ60Bは、側壁12の内側側面22における上下方向のほぼ中央部に帯状着色領域62(面積563mm2)を円環状に設けている。(c)の実験用キャップ60Cは、側壁12の内側側面22下端及びその近傍に帯状着色領域63(面積387mm2)を円環状に設けている。実験用キャップ60A〜60Cは比較用サンプルである。(d)の実験用キャップ60Dは、シールリング15で囲まれた底面21に色領域64(面積332mm2)を設けており、本発明キャップのサンプルである。なお、帯状着色領域61、62、63及び色領域64の色は、同色(緑色)とした。また、実験用キャップ60A〜60Dとは別に、全体が着色されておらず、実験用キャップ60A〜60Dと同寸法のブランク用白色キャップ(色領域及び帯状着色領域なし)についても下記実験を実施した。
【0066】
(2)液面色度の測定
実験用キャッブ60A〜60D及びブランク用白色キャップの内側側面22において、嵌合部(ねじ切り)が終わる部分から
図20(d)に示す黒丸で囲んだ四角形の領域66が浸るまで水を注いだ状態で領域66のカラー写真を撮影し、得られたカラー写真から領域66の平均色を、画像処理ソフト(商品名:Adobe Photoshop、アドビ社製)を用い、L*a*b値にて数値化し、L−a−b三次元マッピング化し、液面色度とした。
【0067】
(3)側面色度
実験用キャッブ60A〜60D及びブランク用白色キャップについて、上記領域66が浸るまで水を注いだ状態で、該領域66が終わる部分から内側側面22の上端までの白丸で囲んだ四角形の領域65(
図20(d))のカラー写真を撮影し、得られたカラー写真から領域65の平均色を上記(2)と同様にしてL*a*b値にて数値化し、L−a−b三次元マッピング化し、側面色度とした。
【0068】
(4)液面色度の補正
上記で得られた液面色度及び側面色度から、液面色度と側面色度との距離(差)を求めて上記液面色度を補正し、得られた補正値(距離)を各キャップにおける液面の真の着色度とした。真の着色度の値が大きいほど、着色して見える度合いが高まることを示している。結果を
図21に示す。
【0069】
図21から、底部(底面21)に面積が最小の色領域64を設けたキャップ60Dは、内側側面22の上部(上端及びその近傍)、内側側面22の中部(下方向のほぼ中央部)及び内側側面22の下部(下端及びその近傍)にそれぞれ帯状着色領域61〜63を設けたキャップ60A〜60Cに比べて、液面色度と側面色度との距離(差)である液面の着色度が大きくなった。この結果から、液面の着色度は、色領域又は帯状着色領域の面積よりも、それらを設ける位置により大きな影響を受けることが分かる。より具体的には色領域を内側側面22よりも底面21に設けることにより液面が着色されて見える度合いが顕著に高まる。
【0070】
(実験例2)
実験例1と同じ白色キャップ、上記キャップ1、1A、1B、1D、2A及び3Aについて、実験例1と同様にして、液面色度と側面色度との距離(差)を求めた。なお、各キャップの色領域の色は緑色とした。結果を
図22に示す。
図22から、本発明のキャップ1、1A、1B、1D、2A及び3Aは液面の着色度が高く、特にキャップ1及びその変形例であるキャップ1A、1Dの液面着色度が高く、キャップ1Aの液面着色度が顕著に高いことが分かる。
【0071】
(実験例3)
実験例1と同じ白色キャップ、上記キャップ1A及び3Aについて、実験例1と同様にして、液面色度と側面色度との距離(差)を求めた。なお、各キャップの色領域の色は赤色とした。結果を
図23に示す。
図23から、本発明のキャップ1A及び3Aは液面の着色度が高く、特にキャップ1の変形例であるキャップ1Aの液面着色度が顕著に高いことが分かる。この結果から、色領域の色として、緑色だけでなく、赤色も非常に有効であることが分かる。