(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-151812(P2018-151812A)
(43)【公開日】2018年9月27日
(54)【発明の名称】航海支援情報配信システム
(51)【国際特許分類】
G08G 3/00 20060101AFI20180831BHJP
G01C 21/22 20060101ALI20180831BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20180831BHJP
【FI】
G08G3/00 A
G01C21/22
G09B29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-46999(P2017-46999)
(22)【出願日】2017年3月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】榎戸 達也
(72)【発明者】
【氏名】西山 尚材
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB25
2C032HC09
2F129AA14
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC23
2F129DD02
2F129DD20
2F129DD37
2F129DD45
2F129DD53
2F129EE02
2F129EE25
2F129EE26
2F129EE53
2F129FF20
2F129FF32
5H181AA25
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF35
5H181FF38
(57)【要約】 (修正有)
【課題】安全で円滑な航行を支援する。
【解決手段】出発地から目的地まで航行した過去の航路を含む航海情報を記憶する航海情報データベース3と、船舶100の海図表示システム101から送信された航行の出発地と目的地を含む要求情報を受信すると、該要求情報に適合する航海情報を航海情報データベース3から取得して、該航海情報に基づく支援情報を海図表示システム101に配信する情報配信部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地まで航行した過去の航路を含む航海情報を記憶する航海情報記憶手段と、
外部の通信機器から航行の出発地と目的地を含む要求情報を受信すると、該要求情報に適合する航海情報を前記航海情報記憶手段から取得して、該航海情報に基づく支援情報を前記外部の通信機器に配信する情報配信手段と、
を備えることを特徴とする航海支援情報配信システム。
【請求項2】
航行した船舶から前記航海情報を受信すると、該航海情報を前記航海情報記憶手段に登録する情報登録手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の航海支援情報配信システム。
【請求項3】
前記航海情報には、航行した船舶の船種を含み、前記要求情報には、航行する船舶の船種を含む、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の航海支援情報配信システム。
【請求項4】
前記航海情報には、航行した船舶の積荷の種類を含み、前記要求情報には、航行する船舶の積荷の種類を含む、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の航海支援情報配信システム。
【請求項5】
前記航海情報には、航行した時期を含み、前記要求情報には、航行する時期を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の航海支援情報配信システム。
【請求項6】
前記航海情報には、航行した際の注意事項を含む、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の航海支援情報配信システム。
【請求項7】
前記航海情報記憶手段に記憶された航海情報を前記要求情報に基づいて解析、評価する解析評価手段を備える、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の航海支援情報配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過去に航行した航路を含む支援情報を配信する航海支援情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
航行に際して従来は紙製の海図が使用されていたが、近年は電子海図が普及し始め、電子海図を用いて航路計画を行える装置も知られている(例えば、特許文献1参照。)。この電子海図装置は、電子海図上に変針点を順次設定することにより航路設定する航路計画機能を備え、先に設定した変針点から伸びる補助線の所定箇所に、該補助線に直交する方向を示すマークを表示させる。そして、操作部から入力された操作指示に基づいて、マークを物標に合わせるように補助線を操作することで、次の変針点を設定する演算処理部を備えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−035556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、出発地から目的地までどのような航路を採るかは、船長や船員が決めなければならず、初めての出発地や目的地の場合には、適正な航路を決定することが困難である。また、出発地から目的地までの間に、航行や停泊に適さない場所がある場合もあり、このような場所を事前に知得できれば、安全で円滑な航行が可能となる。さらに、船種や貨物によっては、特定の航路を航行することが望ましい場合があり、このような航路を事前に知得できれば、安全で円滑な航行が可能となる。
【0005】
そこで本発明は、安全で円滑な航行を支援可能な航海支援情報配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、出発地から目的地まで航行した過去の航路を含む航海情報を記憶する航海情報記憶手段と、外部の通信機器から航行の出発地と目的地を含む要求情報を受信すると、該要求情報に適合する航海情報を前記航海情報記憶手段から取得して、該航海情報に基づく支援情報を前記外部の通信機器に配信する情報配信手段と、を備えることを特徴とする航海支援情報配信システムである。
【0007】
この発明によれば、外部の通信機器から航行の出発地と目的地を含む要求情報を受信すると、この要求情報に適合する航海情報、つまり、実際に航行された過去の航路が航海情報記憶手段から取得され、この航海情報に基づく支援情報が外部の通信機器に配信される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の航海支援情報配信システムにおいて、航行した船舶から前記航海情報を受信すると、該航海情報を前記航海情報記憶手段に登録する情報登録手段を備える、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の航海支援情報配信システムにおいて、前記航海情報には、航行した船舶の船種を含み、前記要求情報には、航行する船舶の船種を含む、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3に記載の航海支援情報配信システムにおいて、前記航海情報には、航行した船舶の積荷の種類を含み、前記要求情報には、航行する船舶の積荷の種類を含む、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4に記載の航海支援情報配信システムにおいて、前記航海情報には、航行した時期を含み、前記要求情報には、航行する時期を含む、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5に記載の航海支援情報配信システムにおいて、前記航海情報には、航行した際の注意事項を含む、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6に記載の航海支援情報配信システムにおいて、前記航海情報記憶手段に記憶された航海情報を前記要求情報に基づいて解析、評価する解析評価手段を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、航行の出発地と目的地を含む要求情報を送信すると、この要求情報に適合する航海情報に基づく支援情報、つまり、実際に航行された過去の航路が配信されるため、初めての出発地や目的地であっても、適正な航路を決定することが可能となる。この結果、初めての目的地や航行の経験が浅い場合に対しても、安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、実際に航行した船舶から受信した航海情報が情報登録手段によって航海情報記憶手段に自動的に登録されるため、漏れなく確実に航海情報が記憶、蓄積される。このため、多くの航海情報を確実に蓄積して、より適正な航海情報に基づく支援情報を配信することが可能となり、この結果、安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、航行する船舶の船種を要求情報に含めると、この船種と同じ船種の船舶が過去に航行した航海情報(航路)に基づく支援情報が配信される。このため、船種に応じた適正な支援情報を配信することが可能となり、この結果、より安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、航行する船舶の積荷の種類を要求情報に含めると、この積荷と同種の積荷の船舶が過去に航行した航海情報に基づく支援情報が配信される。このため、積荷の種類に応じた適正な支援情報を配信することが可能となり、この結果、より安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、航行する時期を要求情報に含めると、この時期と同時期に過去に航行した航海情報に基づく支援情報が配信される。このため、航行時期に応じた適正な支援情報を配信することが可能となり、この結果、より安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、過去に航行した際の注意事項が航海情報に含まれ、この注意事項も支援情報として配信されるため、より安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、航海情報記憶手段に記憶された航海情報を要求情報に基づいて解析、評価する解析評価手段を備えるため、解析、評価結果に基づいたより適正な支援情報を配信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】この発明の実施の形態に係る航海支援情報配信システムを示す概略構成図である。
【
図2】
図1の航海支援情報配信システムの航海情報データベースのデータ構成を示す図である。
【
図3】
図1の航海支援情報配信システムの配信コンピュータを示す概略構成ブロック図である。
【
図4】
図1の航海支援情報配信システムによる航海支援情報配信サービスを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0023】
図1は、この発明の実施の形態に係る航海支援情報配信システム1を示す概略構成図である。この航海支援情報配信システム1は、過去に実際に航行した航路を含む、航海に関する情報である支援情報を配信するシステムであり、情報配信設備2と各船舶100の海図表示システム(外部の通信機器)101とが通信網NWを介して通信自在に接続されている。ここで、この実施の形態では、情報配信設備2が陸上に設置され、各船舶100から受信して蓄積した航海情報に基づく支援情報を、要求があった船舶100に配信する場合について、主として説明する。
【0024】
海図表示システム101は、電子海図を用いて航路計画などを行えるシステムであり、航行ごとに次のような情報などを航海情報として入力、記憶、管理する機能を備える。
・船舶100および海図表示システム101の識別情報
・船舶100の船種
・出発地から目的地までに実際に採られた航路・ルート
・積荷の種類
・航行した時期
・航行した際の注意事項・メモ
・写真とその位置
【0025】
そして、航行後や航行中に所定の操作を行うことで、航海情報が情報配信設備2に送信されるようになっている。また、航行前や航行中に所定の操作を行うことで、要求情報が情報配信設備2に送信されるようになっている。ここで、要求情報として次のような情報などを含められる(入力できる)ようになっている。
・航行の出発地と目的地(発着地)
・航行する船舶100の船種
・航行する船舶100の積荷の種類
・航行する時期
【0026】
情報配信設備2は、データ伝送自在に接続された航海情報データベース(航海情報記憶手段)3と配信コンピュータ4と支援情報データベース5とを備える。航海情報データベース3は、各船舶100から受信した航海情報などを記憶するデータベースであり、
図2に示すように、航行ID31ごとに、船舶ID32、船種33、発着地34、航路35、荷種36、時期37、メモ38、写真39、その他3aが記憶されている。
【0027】
具体的に、航行ID31には、航行の識別情報が記憶され、船舶ID32には、船舶100と海図表示システム101の識別情報が記憶される。船種33には、航行した船舶100の船種(客船、コンテナ船、タンカー等)が記憶され、発着地34には、航行の出発地と目的地が記憶され、航路35には、出発地から目的地まで航行した実際の航路・経路が記憶される。荷種36には、航行した船舶100の積荷の種類(乗用車、食物、木材等)が記憶され、時期37には、航行した時期(時間帯や季節)が記憶される。メモ38には、航行した際に気づいた注意事項や連絡事項などとその場所・位置(例えば、ある場所では停泊が困難)が記憶され、写真39には、航路上の特徴的な地形やメモ38などに関連する写真とその場所・位置が記憶される。また、その他3aには、航行時の気象情報と船体の動揺との関係、波浪情報、燃料消費量などが記憶される。
【0028】
このような航海情報データベース3の航海情報には、後述するように各船舶100から直接受信した航海情報の他、外部から入力された航海情報を含んでもよい。
【0029】
配信コンピュータ4は、汎用のコンピュータで構成され、
図3に示すように、通信部41と、情報登録部(情報登録手段)42と、情報配信部(情報配信手段)43と、これらを制御などする中央処理部44と、を備える。通信部41は、船舶100の海図表示システム101などと通信するためのインターフェイスである。
【0030】
情報登録部42は、航行した船舶100から航海情報を受信すると、該航海情報を航海情報データベース3に登録するタスク・プログラムである。すなわち、通信部41を介して船舶100から航海情報を受信すると、航行ID31を付してこの航海情報を航海情報データベース3に登録・記憶する。ここで、同じ発着地や同じ船種等ごとに航海情報をグルーピングして航海情報データベース3に登録してもよく、これにより、情報配信部43における検索を迅速、容易に行うことが可能となる。また、船舶100からの航海情報とは、船舶100が実際に航行したときの情報であり、例えば、航路上の特定の区間を航行した時に要した時間、燃費、さらには計画航路とのずれなども含まれ、これらの際に船員などが記したメモも含まれる。
【0031】
情報配信部43は、船舶100の海図表示システム101から航行の出発地と目的地を含む要求情報を受信すると、該要求情報に適合する航海情報を航海情報データベース3から取得して、この航海情報に基づく支援情報を当該海図表示システム101に配信するタスク・プログラムである。すなわち、通信部41を介して航行の発着地や上記のような情報を含む要求情報を受信すると、この要求情報中の情報に適合・一致する航海情報を航海情報データベース3から検索、取得して、この航海情報を支援情報として要求があった海図表示システム101に通信部41を介して送信するものである。
【0032】
具体的には、まず、要求情報中の発着地と同じ発着地(発着地34)の航海情報(航行ID31)を航海情報データベース3から検索、取得する。次に、要求情報中に船種や積荷の種類、あるいは航行時期が含まれている場合には、先に取得した航海情報のなかから、要求情報と同じ船種(船種33)、積荷の種類(荷種36)、航行時期(時期37)の航海情報を検索、取得する。そして、取得した航海情報を支援情報として海図表示システム101に配信する。
【0033】
ここで、複数の航海情報を取得した場合には、すべての航海情報を支援情報として海図表示システム101に配信し、要求情報中のすべての情報に一致する航海情報を取得できなかった場合には、特定の情報に一致する航海情報を支援情報として海図表示システム101に配信する。例えば、発着地が一致し、かつ、他の情報との一致数が多い航海情報や、航行上優先度の高い情報が一致する航海情報を支援情報として海図表示システム101に配信する。このようにして配信された支援情報は、支援情報データベース5に記憶、蓄積され、支援情報データベース5のデータ構成は、航海情報データベース3のデータ構成と同等となっている。
【0034】
また、上記のように、船種や積荷の種類、あるいは航行時期などに応じて航海情報を検索するのは、船種や積荷の種類、航行時期などに応じた適正な航路や、注意事項などがあるからである。例えば、積荷が食物の場合には、凍結しないように北ルートを避けた航路が好ましく、そのような航路を航行した航海情報に基づく支援情報を配信することで、適正な航海を支援できるからである。
【0035】
次に、このような構成の航海支援情報配信システム1の動作および、航海支援情報配信システム1による航海支援情報配信サービスについて、
図4に基づいて説明する。
【0036】
まず、各船舶100の海図表示システム101から情報配信設備2の配信コンピュータ4に航海情報が送信されると(ステップS1)、配信コンピュータ4の情報登録部42が起動され(ステップS2)、この航海情報が航海情報データベース3に登録される。このようにして、実際の航行によって得られた航海情報が航海情報データベース3に蓄積されていく。
【0037】
次に、ある船舶100の海図表示システム101から配信コンピュータ4に要求情報が送信されると(ステップS3)、配信コンピュータ4の情報配信部43が起動され(ステップS4)、この要求情報に適合する航海情報が航海情報データベース3から検索、取得されて、この航海情報に基づく支援情報が要求のあった海図表示システム101に配信される(ステップS5)。なお、海図表示システム101への配信(ステップS5)は、1回だけではなく船舶100の航行に合わせて定期的に行ってもよい。これを受けて、海図表示システム101の表示装置に、出発地から目的地までの航路や航行する際の注意事項などが表示される。ここで、表示される航路については、複数の支援情報を取得した場合には、色分けして表示してもよい。また、情報の精度が高い航路については、航路を示す線の種類を変更してもよい。
【0038】
以上のように、この航海支援情報配信システム1によれば、航行の出発地と目的地を含む要求情報を情報配信設備2に送信すると、この要求情報に適合する航海情報に基づく支援情報、つまり、実際に航行された過去の航路等が配信されるため、初めての出発地や目的地であっても、適正な航路を決定することが可能となる。この結果、初めての目的地や航行の経験が浅い場合に対しても、安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0039】
また、実際に航行した船舶100から受信した航海情報が情報登録部42によって航海情報データベース3に自動的に登録されるため、漏れなく確実に航海情報が記憶、蓄積される。このため、多くの航海情報を確実に蓄積して、より適正な航海情報に基づく支援情報を配信することが可能となり、この結果、安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0040】
さらに、航行する船舶100の船種を要求情報に含めると、この船種と同じ船種の船舶100が過去に航行した航海情報(航路)に基づく支援情報が配信される。このため、船種に応じた適正な支援情報を配信することが可能となり、この結果、より安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0041】
同様に、航行する船舶100の積荷の種類を要求情報に含めると、この積荷と同種の積荷の船舶100が過去に航行した航海情報に基づく支援情報が配信される。このため、積荷の種類に応じた適正な支援情報を配信することが可能となり、この結果、より安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0042】
また、航行する時期を要求情報に含めると、この時期と同時期に過去に航行した航海情報に基づく支援情報が配信される。このため、航行時期に応じた適正な支援情報を配信することが可能となり、この結果、より安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0043】
しかも、過去に航行した際の注意事項も支援情報として配信されるため、より安全で円滑な航行を支援することが可能となる。
【0044】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、要求があった船舶100に支援情報を配信する場合について説明したが、船舶100に限らず、要求があったコンピュータなど(外部の通信機器)に支援情報を配信する場合も含まれる。
【0045】
また、情報配信部43において、要求情報に適合する航海情報を航海情報データベース3から検索、取得する際に、指定された優先事項や推定される優先事項に従って航海情報を検索するようにしてもよい。例えば、燃費を優先する場合に、燃費が低い航路の航海情報を検索したり、安全を優先する場合に、より危険度が低い航路の航海情報を検索したりしてもよい。さらに、天候や波浪などを航海情報と要求情報に含め、要求情報の天候や波浪などに一致・類似する航海情報に基づく支援情報を配信するようにしてもよい。
【0046】
また、船舶100の船種や積荷の種類などを航海情報として船舶100から配信コンピュータ4に送信しているが、船舶100を管理、運営するコンピュータなどにこれの情報を記憶し、このコンピュータなどから航海情報を送信するようにしてもよい。すなわち、配信コンピュータ4は、船舶100に限らず、どこの外部から航海情報を受信してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 航海支援情報配信システム
2 情報配信設備
3 航海情報データベース(航海情報記憶手段)
4 配信コンピュータ
42 情報登録部(情報登録手段)
43 情報配信部(情報配信手段)
5 支援情報データベース
100 船舶
101 海図表示システム(外部の通信機器)
NW 通信網