特開2018-153121(P2018-153121A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-153121(P2018-153121A)
(43)【公開日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】芝収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 43/00 20060101AFI20180907BHJP
【FI】
   A01D43/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-51943(P2017-51943)
(22)【出願日】2017年3月16日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り [試験を行った日] 平成28年12月19日 [試験を行った場所] 鳥取県東伯郡北栄町大谷1873−1 圃場
(71)【出願人】
【識別番号】000247904
【氏名又は名称】有限会社河島農具製作所
(71)【出願人】
【識別番号】517094725
【氏名又は名称】琴浦町
(71)【出願人】
【識別番号】504150461
【氏名又は名称】国立大学法人鳥取大学
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】河島 隆則
(72)【発明者】
【氏名】野波 和好
【テーマコード(参考)】
2B075
【Fターム(参考)】
2B075AA10
2B075GA01
2B075GA05
(57)【要約】
【課題】進行方向の地面の凹凸形状の起伏に関わらず、切芝をコンベア移送部に掬い上げることができる芝収穫機を提供すること。
【解決手段】走行部2によって走行する車体本体3と、該車体本体3の進行方反対側へ上昇するように回動するコンベア4を有するコンベア搬送部5と、該コンベア搬送部5の前記車体本体3の前進方向の前方下方に設けられて切芝Aを前記コンベア4上に移載する掬い上げ移送部6と、前記コンベア搬送部5によって前記車体本体3上方に搬送された切芝Aを所定枚数重ねて結束できる芝結束部7とを具備する芝収穫機1において、前記掬い上げ移送部6が前記車体本体2の前進方向の地面Gの表面形状に応じて上下動する揺動機構14を具備したこと。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行部によって走行する車体本体と、該車体本体の進行方向反対側へ上昇するように回動するコンベアを有するコンベア搬送部と、該コンベア搬送部の前記車体本体の前進方向の前方下方に設けられて切芝を前記コンベア上に移載する掬い上げ移送部と、前記コンベア搬送部によって前記車体本体上方に搬送された切芝を所定枚数重ねて結束できる芝結束部とを具備する芝収穫機において、
前記掬い上げ移送部が前記車体本体の前進方向の地面の表面形状に応じて上下動する揺動機構を具備したことを特徴とする芝収穫機。
【請求項2】
前記揺動機構は、前記コンベア搬送部の前方下方において軸により回転自在に一端側を支持され、他端側を前記掬い上げ移送部と回転自在に平行に固定してなる第1平行リンク及び第2平行リンクと、これら2つの第1平行リンク及び第2平行リンクの前記軸周りの所定角度以上の回転を規制する回転規制部材とを具備することを特徴とする請求項1に記載の芝収穫機。
【請求項3】
前記揺動機構は、前記車体本体と前記コンベア搬送部の間に設けられ上下方向の移動工程に遊びがあるように設けられたピストンを有する油圧シリンダーと、前記車体本体と前記コンベア搬送部の間に設けられて前記コンベア搬送部の上下方向に生じる衝撃を緩和するダンパーと、を具備する高さ変動機構を有する芝収穫機に設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の芝収穫機。
【請求項4】
前記掬い上げ移送部が、前記第1平行リンク及び第2平行リンクの他端側で夫々一端側を回転自在に連結された連結リンクと、該連結リンクの他端側に固定された差込爪用軸筒と、該差込爪用軸筒に所定角度で固定された一端側から他端側の先端に向かって上方が漸次車体本体の前進方向へ下降している複数の差込爪と、該差込爪の下降した他端側の先端の上方に固定されて車体本体の進行方向への走行に伴い地面と切芝の間に差し込まれる差込板と、を具備していることを特徴とする請求項2又は3のいずれか一項に記載の芝収穫機。
【請求項5】
前記差込板は、両側が車体本体の前進方向と反対側に曲がっていることを特徴とする請求項4に記載の芝収穫機。
【請求項6】
前記差込爪は、中央部の差込爪の高さが両側の差込爪の高さより高いことを特徴とする請求項4又は5のいずれか一項に記載の芝収穫機。
【請求項7】
前記コンベア搬送部の回転駆動軸からの回動伝達により回転する搬送スプロケット軸に設けた搬送スプロケットを前記差込爪に隣接してその外周先端が差込爪の上方面より高くなるように設けたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の芝収穫機。
【請求項8】
前記コンベア搬送部のコンベアの下降側のコンベア回転軸よりも後方側の上方位置に搬送されてくる切芝の上面を自重によって押える回転自在な押えローラを設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の芝収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生育した芝生を地面から切り離して所定の大きさに裁断されている切芝を所定枚数積み重ねて結束するための芝収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、芝生を育成したものを養生地からグランドやゴルフ場などにおいて使用するための出荷に際しては、既成の機械を用いて地面から切り離して所定の大きさに裁断した切芝を複数枚重ねて結束する結束準備作業が行われている。この作業は、多量の切芝を拾い集めて結束するという中腰状態での作業を繰り返し行わなければならない重労働であり、嫌われる作業であった。
【0003】
そこで、この結束準備作業を機械化するカット芝収穫機が提案されている。例えば、特許文献1においては、自走式運搬車の地面上のカット芝を掬い上げ搬送用ローラコンベア部に送るピックアップ部、搬送されてくるカット芝を取り込みカーリングしながらロール状に巻き上げられたカット芝をロール方向に紐で結束したものを排出する機能を備えた結束部とで構成したものが提案されている。この従来技術よると、前進運転しながら、カット芝をピックアップ部で掬い上げて搬送用ローラコンベア部に送り込み、この搬送用ローラコンベアで所定の高さまで搬送されたカット芝を立ち姿勢のままでロール状に結束できるので、従来の重労働から解放されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−321148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術においては、カット芝を切り離した地面の凹凸に対する工夫がなされていないために、カット芝を掬い上げ搬送用ローラコンベア部に送るピックアップ部が、地面の凹部や凸部に遭遇した際には、その進行方向先端部の部材が地面に当たって食い込んで、作業が中断したり、先端部が破損し部材の修理に時間を要するという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の芝収穫機は、進行方向の地面の凹凸形状の起伏に関わらず、切芝をコンベア移送部に掬い上げることができる芝収穫機を提供することを目的とし、その手段とするところは、走行部によって走行する車体本体と、該車体本体の進行方反対側へ上昇するように回動するコンベアを有するコンベア搬送部と、該コンベア搬送部の前記車体本体の前進方向の前方下方に設けられて切芝を前記コンベア上に移載する掬い上げ移送部と、前記コンベア搬送部によって前記車体本体上方に搬送された切芝を所定枚数重ねて結束できる芝結束部とを具備する芝収穫機において、前記掬い上げ移送部が前記車体本体の前進方向の地面の表面形状に応じて上下動する揺動機構を具備したことにある。
【0007】
また、前記揺動機構は、前記コンベア搬送部の前方下方において軸により回転自在に一端側を支持され、他端側を前記掬い上げ移送部と回転自在に平行に固定してなる第1平行リンク及び第2平行リンクと、これら2つの第1平行リンク及び第2平行リンクの前記軸周りの所定角度以上の回転を規制する回転規制部材とを具備することにある。
【0008】
更に、前記揺動機構は、前記車体本体と前記コンベア搬送部の間に設けられ上下方向の移動工程に遊びがあるように設けられたピストンを有する油圧シリンダーと、前記車体本体と前記コンベア搬送部の間に設けられて前記コンベア搬送部の上下方向に生じる衝撃を緩和するダンパーと、を具備する高さ変動機構を具備する芝収穫機に設けられたことにある。
【0009】
更に又、前記掬い上げ移送部が、前記第1平行リンク及び第2平行リンクの他端側で夫々一端側を回転自在に連結された連結リンクと、該連結リンクの他端側に固定された差込爪用軸と、該差込爪用軸に固定された一端側から他端側の先端に向かって上方が漸次車体本体の前進方向へ下降している複数の差込爪と、該差込爪の下降した他端側の先端の上方に固定されて車体本体の進行方向への走行に伴い地面と切芝の間に差し込まれる差込板と、を具備していることにある。前記差込板は、両側が車体本体の前進方向と反対側に曲がっていることにある。前記差込爪は、中央部の差込爪の高さが両側の差込爪の高さより高いことにある。前記コンベア搬送部の回転駆動軸からの回動伝達により回転する搬送スプロケット軸に設けた搬送スプロケットを前記差込爪に隣接してその外周先端が差込爪の上方面より高くなるように設けたことにある。前記コンベア搬送部のコンベアの下降側の回転軸よりも上昇側の上方位置に搬送されてくる切芝の上面を自重によって押える回転自在な押えローラを設けたことにある。
【発明の効果】
【0010】
上記芝収穫機によると、車体本体の進行方向のコンベア搬送部の下方に設けた掬い上げ
移送部が切芝のある地面の表面形状に応じて上下動する揺動機構を設けたので、掬い上げ移送部に先端部にある差込爪が地面に衝突し破損することが減少し、部材交換の手間の減少、修理費や交換部品代の節減を図ることが出来る。
【0011】
又、揺動機構は、所定の揺動角度を規制部材で調整自在になっているので切芝や地面のの乾燥状況や湿潤状況、あるいは切芝の生育状態、切芝の厚さ等を鑑みながら揺動角度を最適の状態に調整できる。又、2つの平行リンクによって掬い上げ移送部を支持したまま揺動させることが出来るので、感度よく揺動でき、差込爪の破損の防止に効果的である。
【0012】
地面にある凹凸形状が大きい時には、差込爪の破損も大きくなるが、高さ変動機構によってコンベア搬送部の車体本体に対する角度を大きく変動できるので、前進方向に固定している掬い上げ移送部も大きく上下方向に変動させることが出来て破損を確実に阻止し得る。この時、ダンパーによって衝撃を緩和するがこれによってコンベア搬送部が上下動しても油圧シリンダーのピストンは長穴の中での移動工程に遊びがあるので支障になることはない。
【0013】
更に、複数の差込爪の先端跨るようにして差込板を具備しているので、地面と切芝の間に差込爪が挿入され易く、スムーズに移載が行われる。又、差込板は、両側が車体本体の前進方向と反対方向へ曲がっているので、まず、中央部で切芝を掬い上げてから次いで側方で掬い上げることになるので、掬い上げ力の分散を図ることが出来る結果、掬い上げ力が向上する。更に、差込爪は中央部分が側方より高くなっているので、切芝は中央部が盛り上がり両側が少し垂れた状態で上方へ移送されることとなるので、差込爪の上面との摩擦抵抗がその分少なくなり、移送がスムーズに行われる。加えて、この差込爪に隣接して搬送スプロケットの外周先端が差込爪の上方面より高くなっているので、切芝の根の部分がこの搬送スプロケットの先端の歯で上昇方向へ押されて移送されるので、より確実にしかもスムーズに移送される。
【0014】
更に、コンベアに乗り移って直ぐに押えローラによって切芝の上面である芝草が押さえられるので、切芝が飛び上がることはなく、コンベアと押さえローラによって上下面を挟まれつつ移送されることとなりより確実にスムーズに移送される。押えローラは自身の自重で押え、しかも切芝の進行に追随して回転しながらの押えであるために、動力源が不要で経済的である。又、その設置位置はコンベア回転軸よりも後方側の上方位置であることから、切芝の先端側の飛び上がりを効率よく防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の芝収穫機の実施形態の側面図
図2】この発明の芝収穫機の実施形態の同平面図
図3】揺動機構及び掬い上げ移送部の拡大平面図
図4図3の側面図
図5】揺動機構である平行リンクの動作説明図
図6】揺動機構である平行リンクの動作説明図
図7】差込爪の拡大平面図
図8】差込爪の拡大側面図
図9】掬い上げ移送部による切芝の掬い上げ状態平面説明図
図10図9の側面説明図
図11】掬い上げ移送部からコンベア搬送部への移送の側面説明図
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の芝収穫機の実施形態について以下図面を参照しつつ説明する。この芝収穫機1は、図1図2に示すように、クローラなどの走行部2によって走行する車体本体3と、該車体本体3の進行方向反対側へ上昇するように回動するコンベア4を有するコンベア搬送部5と、該コンベア搬送部5の前記車体本体3の前進方向の前方下方に設けられて切芝Aを前記コンベア4上に移載する掬い上げ移送部6と、前記コンベア搬送部5によって前記車体本体3上方に搬送された切芝Aを所定枚数重ねて結束できる芝結束部7を具備している。コンベア4と芝結束部7の間には、コンベア4によって後方側の上方へ運ばれた切芝Aを後方側にある前記芝結束部7に下降傾斜面で自然落下搬送するコロ移送部8が設けられている。又、該コロ移送部8の側方で前記車体本体3の上方には芝収穫機1の操縦桿9や運転席10を有する操縦部11が進行方向を向いて前方側に設けられている。
【0017】
前記コンベア搬送部5は、前記コンベア4の両側をコンベア側枠12で囲まれると共にその側板12の上端側と下端側に設けているコンベア回転軸13に巻回されてコンベア回転軸13の回転駆動により、上方面の搬送部が進行方向の下方から後方方向の上方へと切芝Aを搬送する。この実施形態のコンベア4は中央部に隙間のある2条のコンベア4となっている。このコンベア側枠12の上方端側は車体本体3に回転自在に軸支されており、コンベア側板12の下方端側には掬い上げ搬送部6が揺動機構14を介して揺動自在に連結されている。又、コンベア側枠12の上方と一端を車体本体3に回転自在に固定した油圧シリンダー15のピストン16とは、コンベア側板12に形成した長穴17内をピストン16に設けたピン18が上下方向に若干の遊びをもって移動可能になるように収納されている。これによって、コンベア搬送部5の車体本体3に対する角度変える力が作用してもピストン16は影響を受けない。この油圧シリンダー15は主として芝収穫機1をトラックなどの運搬車への積み込み積み下ろしの際にコンベア搬送部5が邪魔にいならないように持ち上げるために使用される。又、車体本体3とコンベア搬送部5に両端を回転自在に固定されたダンパー19が設けられている。更に、コンベア搬送部5の下方に固定した支持腕21の先に地面Gに着地してコンベア搬送部5の荷重を支持しつつ回転するキャスター22が設けられている。このキャスター22によって車体本体3に対するコンベア搬送部5の取付け角度が維持される。このキャスター22には、土が付着し易く、それによってコンベア搬送部5の先端が持ち上がるのを防止するためのスクレバー23が設けられている。掬い上げ移送部6の高さ変動機構20は、ピストン16に設けたピン18とこのピン16が収納される長穴17、ダンパー19によって構成されている。
【0018】
前記掬い上げ搬送部6は、図1乃至図11に示されるように、前記コンベア搬送部5の前方下方において揺動機構14を介して揺動自在に固定されている。揺動機構14は、図4乃至図6に示すように、コンベア搬送部5のコンベア側板12から上方へ突出するように固定されている第1取付枠24に更に先端側に突き出すように固定された第2取付枠25に一端側を第1取付軸26及び第2取付軸27を介して回転自在に固定された第1平行リンク28及び第2平行リンク29を主な要件としている。これら第1平行リンク28と第2平行リンク29の他端側には、これら第1平行リンク28と第2平行リンク29が常時平行になるように第1連結軸30及び第2連結軸31を介して、前記掬い上げ搬送部6を構成する連結リンク32に回転自在に固定されている。更に、前記第1平行リンク28の上方には、前記第1取付軸26を境にして前後方向に第2取付枠25に固定されているボルト・ナットなどからなる第1回転規制部材33及び第2回転規制部材34が設けられ、前記第1平行リンク28の上面がこれら第1回転規制部材33又は第2回転規制部材34に当接することで、第1取付軸26及び第2取付軸27周りの回転を規制されるようになっている。すなわち、第1取付軸26より進行方向後方に位置する第1回転規制部材33の長さの調節と、第1取付軸26より進行方向前方に位置する第2回転規制部材34の長さの調節とによって、揺動機構14である第1平行リンク28と第2平行リンク29の揺動角度を最適となるように調整することができる。
【0019】
前記掬い上げ移送部6は、図7に示すように、前記連結リンク32、該連結リンク32に固定した差込爪用筒軸35、該差込爪用筒軸35に前記連結リンク32と所定角度で固定された複数の差込爪36、これら複数の差込爪36の先端上方に跨って固定した所定幅を有する差込板37、及び複数の差込爪36の下方に跨って固定した底板38を具備している。各差込爪36は、上端部は前進方向の先端部から後方部に向かって漸次高くなる傾斜面を有し下端部は地面に平行となる直線である略三角形の板状部材である。差込爪36はこの実施形態では4本あり、先端部においては中央の2本の中央差込爪39の上方への突出高さが大きく両側方の側方差込爪40は低く形成され、且つ、中央差込爪39は側方差込爪40より前方へ長く突出している。又、前記差込板37は、前記中央差込爪39、側方差込爪40の先端上方に跨って固定されているので、中央部分が側方部分より高く、又、両側部分が側方差込爪40の長さが中央差込爪39より短い分だけ後方へ折れ曲った形状となっている。底板38は差込爪36の先端において差込板37に密着している。従って、車体本体3が前進して差込爪36の先端の差込板37と底板38のなす尖った角度で地面と切芝Aの間に侵入して行くと、切芝Aの根の中央部分が先に差込板37の中央部で掬い上げられてから次いで側方部分が掬い上げられ、その状態で更に車体本体3が前進すると切芝Aは中央部分が持ち上がり両側部分が少し垂れ下がった状態で差込爪36の進行方向上方へ運ばれ、上方に達した時には全ての差込爪36の傾斜高さは同じになっているので、横方向に同一面となった状態になる。
【0020】
図9に示すように、前記掬い上げ搬送部6の両側の側方差込爪40に両端を回転自在に支持され中央部を中央差込爪39に回転自在に支持された搬送スプロケット軸41が設けられている。この搬送スプロケット軸41は、図3図4に示すように、前記コンベア回転軸13のスプロケット42に巻回したチェーン43から搬送スプロケット軸41のスプロケット44に回転が伝達されることによって回転駆動する。2条のコンベア4は中央部において間隙を設けているので、この間隙からチェーン43が出てスプロケット44に巻回することができる。搬送スプロケット軸41には、前記差込爪36のそれぞれに近接して搬送スプロケット45の外周の歯が差込爪36の上方から若干突出するように設けられている。このために、図9図10に示すように、差込爪36の上方に達した切芝Aはその下面を搬送スプロケット45の歯によって滑ることなく更に上方へと押されるので、コンベア回転軸13に巻回しているコンベア4の搬送面へと移送される。
【0021】
コンベア4の上方で且つコンベア回転軸13より若干斜面上方側には、切芝Aの上方の芝葉を押える左右2つの所定幅と所定の重量を有する押えローラ46があり、この押えローラ46は第1取付枠24に両端を固定された押えローラ取付軸47に一端側を回転自在に固定されたアーム48の他端側の軸49によって回転自在に固定される。そのために、搬送スプロケット45によって差込爪36の上方を滑りつつコンベア4の搬送面に移載された直後の切芝Aの上方を切芝Aの斜面移動に追随しつつ回転しながら自重で押えることとなる。切芝Aはこのように土や根の付いた下面をコンベア4の搬送面に載せた状態で芝葉の上方を押えローラ46の自重で押えるので、上下から挟まれたことになり、その結果滑ることなく且つ上方へ飛び上がることもなくコンベア4の搬送面にスムーズに移載され搬送されることになる。
【0022】
上記のようにしてコンベア搬送部5によって車体本体3の後方の所定高さまで運ばれた切芝Aは、図1図2に示されるように、コロ移送部8に乗り移ってその上面を滑落して行き、作業者の略腰の高さ位置となる芝結束部7に運ばれる。この芝結束部7は、図2に良く現れているように、コロ移送部8と直角方向に隣接してコロ移送部8のコロとは回転方向が90度異なる複数のコロ
からなる切芝重ね台50と、この切芝重ね台50上にコロ移送部8から運ばれてきた切芝Aを作業者が所定枚数重ねてから、隣接する結束台51へ押して移送する。この結束台51では、結束紐巻部52から引っ張り出される結束紐によって重ねた複数枚の切芝Aを十字に括り、出荷できる状態にして所定場所に置き作業を終了する。このような結束作業は作業者が立ったままの姿勢で出来るので作業が楽になる。
【0023】
次に、揺動機構14の動きについて説明すると、図4乃至図6に示すように、第1平行リンク28及び第2平行リンク29はそれぞれ第1取付軸26及び第2取付軸27を中心にして常時同方向に同角度回転するので、連結リンク32もこれに伴って同じ回転をして、連結リンク32に固定されている差込爪用筒軸35は上下動し、従ってこの差込爪用筒軸35に所定角度で固定されている複数の差込爪36も上下動する。差込爪36の底面に固定している底板38は地面Gと平行か若干上向きになっていると差込爪36の先端が切芝Aと地面Gの間に侵入し易いので望ましく、そのための角度設定が、第1取付軸26より後方よりにある第1回転規制部材33を締めて第1平行リンクが28の後方が若干下がるようにセットし、第2回転規制部材34をその分若干緩めて第1平行リンク28が自由回動できるようにしておく。平坦な地面Gを走行中は差込爪36が前記のように若干上向きの状態で進行して切芝Aを掬い上げて行くが、差込爪36の先端が地面Gの脹らみ部に衝突した時には差込爪36が上向きの力の作用を受けるので、第1取付軸26を中心にして第1平行リンク28の前方側が第2規制部材34に当たるまで浮き上がる。これによって、差込爪36に作用した衝突に伴う衝撃力は緩和されて差込爪36の破損を防止できる。逆に、地面Gの窪みに差込爪36が嵌まり込んだ時には、差込爪36は下向きの作用を受けるので、第1取付軸26を中心にして第1平行リンク28の後方側が第1規制部材33に当たるまで浮き上がり、これによって差込爪36に作用する衝撃が緩和され破損が防止される。
【0024】
高さ変動機構21は、走行部2やキャスター22が地面Gの凹凸や障害物に遭遇して車体本体3が少し大き目に前後方向に傾いた結果、掬い上げ移送部6及び差込爪36が大きく上下動する場合にも差込爪36を破損しないようにするための機構である。車体本体3が前方方向へ傾く場合として、走行部2の後方が石や土の盛上り等の障害物で持ち上がった場合、キャスター22が同じような理由で持ち上がった場合、走行部2の前方やキャスター22が窪みに填った場合などがある。逆に、車体本体3の前方が持ち上がる場合としては、前記とは逆の現象によって生じる。このような場合には、いずれも車体本体3とコンベア搬送部6のなす角度が大きくなるか逆に縮小される方向に力が働くので、ダンパー19によってこれらの力の作用が緩衝されて上下方向の動きが縮小される。それでも角度の変化は瞬間的には生じるのでピストン16とコンベア搬送部5との接点に長穴17という遊びが設けられているので緩和できる構成となっている。従って、地面Gの大きな凹凸や障害物に伴う上下前後方向の変動についてはこの高さ変動機構20によって緩和できるのである。
【0025】
以上のように、この芝収穫機1は、地面Gに凹凸面があったとしても、その凹凸が比較的大きい場合には高さ変動機構20で緩和し、比較的小さい場合には揺動機構14で緩和できるので、差込爪36等の部材の破損の損失を軽減することができ、経済的メリットは勿論のこと、作業の中断がその分少なくなるので切芝Aの収穫作業能率が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
この発明は、従来苦痛を伴う重労働とされていた切芝Aの収穫作業を楽に行え、且つ、故障の発生率を減少させられるものであるから、この芝収穫機の製造産業のみならず、切芝収穫労働の短縮化を図ることが出来るので、全体としての産業界への貢献は大きいものである。
【符号の説明】
【0027】
1 芝収穫機
2 走行部
3 車体本体
4 コンベア
5 コンベア搬送部
6 掬い上げ搬送部
7 芝結束部
14 揺動機構
15 油圧シリンダー
17 長穴
18 ピン
19 ダンパー
20 高さ調整機構
28 第1平行リンク
29 第2平行リンク
33 第1回転規制部材(回転規制部材)
34 第2回転規制部材(回転規制部材)
36 差込爪
37 差込板
39 中央差込爪(差込爪)
40 側方差込爪(差込爪)
41 搬送スプロケット軸
45 搬送スプロケット
46 押えローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11