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特開2018-153608スイッチを備えたスライドレールアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-153608(P2018-153608A)
(43)【公開日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】スイッチを備えたスライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/453 20170101AFI20180907BHJP
   A47B 88/40 20170101ALI20180907BHJP
   E05C 19/02 20060101ALI20180907BHJP
【FI】
   A47B88/00 H
   A47B88/04 E
   E05C19/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-154850(P2017-154850)
(22)【出願日】2017年8月10日
(31)【優先権主張番号】106109437
(32)【優先日】2017年3月20日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】梁 秀江
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B060
【Fターム(参考)】
3B060NB01
3B060ND01
(57)【要約】
【課題】 ユーザーが使用環境又は使用条件に応じてスライドレールアセンブリのプッシュオープン機能を有効又は無効することができる、スイッチを備えたスライドレールアセンブリを提供すること。
【解決手段】 スライドレールアセンブリは、第1のレールと、第2のレールと、第1の駆動装置と、第2の駆動装置と、スイッチとを含む。第2のレールは第1のレールに対して可動である。第1の駆動装置は、第2のレールが後退位置で第1の方向に沿って押圧された場合に、第2のレールが第1のレールに対して開くよう駆動するように構成されている。
第2の駆動装置は、第2のレールが第1の方向に沿って開位置から所定の位置に動かされた場合に第2のレールが前記第1のレールに対して閉まるよう駆動するように構成されている。スイッチは第1の状態で前記第1の駆動装置を有効にし、第2の状態で前記第1の駆動装置を無効にするように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、
前記第2のレールが後退位置で第1の方向に沿って押圧された場合に、前記第2のレールが前記第1のレールに対して開くよう駆動するように構成された第1の駆動装置と、
前記第2のレールが第1の方向に沿って開位置から所定の位置に動かされた場合に前記第2のレールが前記第1のレールに対して閉まるよう駆動するように構成された第2の駆動装置と、
第1の状態で前記第1の駆動装置を有効にし、第2の状態で前記第1の駆動装置を無効にするように構成されたスイッチと、
を含むスライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の駆動装置は前記第2のレールに配置され、前記第1の駆動装置は第1の弾性部材及びロック機構を含み、前記第1の弾性部材は、前記第1の方向とは反対の方向に沿って第1の弾性力を提供するように構成され、前記ロック機構はロック状態と非ロック状態との間で動作するように構成され、前記ロック機構がロック状態にある場合、前記第1の弾性部材は第1の弾性力を蓄積し、前記ロック機構が非ロック状態にある場合、前記第1の弾性部材は第1の弾性力を放つ、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記第2の駆動装置は前記第2のレールに配置され、前記第2の駆動装置は第2の弾性部材、ガイド機構及び捕捉機構を含み、前記第2の弾性部材は前記第1の方向と同じ方向に沿って第2の弾性力を提供するように構成され、前記第1のレールには固定部が固定配置され、前記ガイド機構は第1の経路と、該第1の経路に対して偏向した第2の経路とを有し、前記捕捉機構が前記ガイド機構の第1の経路内に位置する場合、前記固定部が前記捕捉機構に捕捉され、前記捕捉機構が前記ガイド機構の第2の経路内に位置する場合、前記捕捉機構は前記固定部から外れている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記スイッチは前記第2のレールに可動に取り付けられ、前記第1のレールは当接機構を含み、前記スイッチが第1の状態にある場合、前記第1の駆動装置を有効にするために前記スイッチと前記当接機構との間に所定の間隙が形成され、前記スイッチが第2の状態にある場合、前記スイッチは前記第1の駆動装置を無効にするために前記当接機構と当接するか又は前記当接機構に隣接する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記第2のレールに取り付けられたベースをさらに含み、前記第2のレールには前記ベースが貫通できるように開口が形成され、前記スイッチは前記ベースに可動に取り付けられている、請求項4に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記スイッチは手動スイッチである、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
家具アセンブリの第1の家具部に取り付けられるように構成された第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールであって、前記第2のレールは前記家具アセンブリの第2の家具部を運ぶように構成されている、第2のレールと、
前記第2の家具部が後退位置で第1の方向に沿って押圧された場合に前記第2の家具部が前記第1の家具部に対して開くように駆動するように構成された第1の駆動装置と、
前記第2の家具部が第1の方向に沿って開位置から所定の位置に動かされた場合に、前記第2の家具部が前記第1の家具部に対して閉まるよう駆動するように構成された第2の駆動装置と、
第1の状態で前記第1の駆動装置を有効にし、第2の状態で前記第1の駆動装置を無効にするように構成されたスイッチと、
を含むスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の駆動装置は前記第2のレールに配置され、前記第1の駆動装置は第1の弾性部材及びロック機構を含み、前記第1の弾性部材は、前記第1の方向と反対の方向に沿って第1の弾性力を提供するように構成され、前記ロック機構はロック状態と非ロック状態との間で動作するように構成され、前記ロック機構がロック状態にある場合、前記第1の弾性部材は第1の弾性力を蓄積し、前記ロック機構が非ロック状態にある場合、前記第1の弾性部材は第1の弾性力を放つ、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項9】
前記第2の駆動装置は前記第2のレールに配置され、前記第2の駆動装置は第2の弾性部材、ガイド機構及び捕捉機構を含み、前記第2の弾性部材は前記第1の方向と同じ方向に沿って第2の弾性力を提供するように構成され、前記第1のレールには固定部が固定配置され、前記ガイド機構は第1の経路と、該第1の経路に対して偏向した第2の経路とを有し、前記捕捉機構が前記ガイド機構の第1の経路内に位置する場合、前記固定部が前記捕捉機構に捕捉され、前記捕捉機構が前記ガイド機構の第2の経路内に位置する場合、前記捕捉機構は前記固定部から外れている、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項10】
前記スイッチは前記第2のレールに可動に取り付けられ、前記第1のレールは当接機構を含み、前記スイッチが第1の状態にある場合、前記第1の駆動装置を有効にするために前記スイッチと前記当接機構との間に所定の間隙が形成され、前記スイッチが第2の状態にある場合、前記スイッチは前記第1の駆動装置を無効にするために前記当接機構と当接するか又は前記当接機構に隣接する、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項11】
前記第2のレールに取り付けられたベースをさらに含み、前記第2のレールには前記ベースが貫通できるように開口が形成され、前記スイッチは前記ベースに可動に取り付けられている、請求項10に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項12】
第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、
前記第2のレールが後退位置で第1の方向に沿って押圧された場合に、前記第2のレールが前記第1のレールに対して開くように駆動するよう構成された第1の駆動装置と、
前記第2のレールに動作可能に連結されたスイッチであって、該スイッチは第1の状態と第2の状態との間で動作するように構成され、該スイッチは第1の状態にある場合に前記第1の駆動装置を有効にするように構成され、該スイッチは第2の状態にある場合に、前記第1の駆動装置を無効にするように構成されている、スイッチと、
を含むスライドレールアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のレールと前記第2のレールとの間で可動に配置された第3のレールと、前記第2のレールが前記第1の方向に沿って開位置から所定の位置に動かされた場合、前記第2のレールが前記第1のレールに対して閉まるように駆動するよう構成された第2の駆動装置とをさらに含む、請求項12に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項14】
前記第1の駆動装置は前記第2のレールに配置され、前記第1の駆動装置は第1の弾性部材及びロック機構を含み、前記第1の弾性部材は、前記第1の方向と反対の方向に第1の弾性力を提供するように構成され、前記ロック機構はロック状態と非ロック状態との間で動作するように構成され、前記ロック機構がロック状態にある場合、前記第1の弾性部材は第1の弾性力を蓄積し、前記ロック機構が非ロック状態にある場合、前記第1の弾性部材は第1の弾性力を放つ、請求項12に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項15】
前記第2の駆動装置は前記第2のレールに配置され、前記第2の駆動装置は第2の弾性部材、ガイド機構及び捕捉機構を含み、前記第2の弾性部材は前記第1の方向と同じ方向に沿って第2の弾性力を提供するように構成され、前記第1のレールには固定部が固定配置され、前記ガイド機構は第1の経路と、該第1の経路に対して偏向した第2の経路とを有し、前記捕捉機構が前記ガイド機構の第1の経路内に位置する場合、前記固定部が前記捕捉機構に捕捉され、前記捕捉機構が前記ガイド機構の第2の経路内に位置する場合、前記捕捉機構は前記固定部から外れている、請求項13に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項16】
前記第1のレールは当接機構を含み、前記スイッチが第1の状態にある場合、前記第1の駆動装置を有効にするために前記スイッチと前記当接機構との間に所定の間隙が形成され、前記スイッチが第2の状態にある場合、前記スイッチは前記第1の駆動装置を無効にするために前記当接機構と当接するか又は前記当接機構に隣接する、請求項12に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項17】
前記第2のレールに取り付けられたベースをさらに含み、前記第2のレールには前記ベースが貫通できるように開口が形成され、前記スイッチは前記ベースに可動に取り付けられている、請求項16に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項18】
前記スイッチは手動スイッチである、請求項12に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項19】
前記第1のレールは第1の家具部に取り付けられ、前記第2のレールは第2の家具部を運ぶように構成されている、請求項12に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項20】
前記第1の家具部はキャビネットであり、前記第2の家具部は引き出しである、請求項19に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールアセンブリに関し、より具体的にはスイッチを備えたスライドレールアセンブリに関する。スライドレールアセンブリはプッシュオープン機能及び自閉機能を有し、ユーザーはスイッチによりスライドレールアセンブリのプッシュオープン機能を使用環境又は使用条件に応じて有効又は無効にすることができる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはプッシュオープン機能及び自閉機能を有するスライドレールアセンブリが開示されている。
【0003】
プッシュオープン機能を有するスライドレールアセンブリを介して引き出しがキャビネットに取り付けられ、引き出しがキャビネット内に引っ込められている場合、引き出しの前方パネルとキャビネットとの間に明らかな押圧間隙がある。押圧間隙は、ユーザーが引き出しを押してキャビネットに対して動かすことができ、スライドレールアセンブリに配置された押圧放出(push-ejection)機構によりキャビネットに対して引き出しを開けることができる。プッシュオープン型の引き出しは引き出しの前面パネルに追加のハンドグリップを設ける必要がないため、引き出しの前面パネルが平らできれいな外観を有することができる。他方、所謂自閉スライドレールアセンブリは、引き出しがキャビネット内に押し込まれる際の最後のプロセスでスライドレールアセンブリの自閉機構により開いた引き出しをキャビネットに対して後退させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8172345号明細書
【特許文献2】米国特許第8100487号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プッシュオープン機能及び自閉機能を有するスライドレールアセンブリにより、ユーザーは引き出しを便利に開閉することができる。しかしながら、プッシュオープン機能を有するスライドレールアセンブリは、引き出しとキャビネットとの間に明らかな押圧間隙を有し得るため、引き出しに埃、虫又は他の異物が簡単に入り易い。さらに、プッシュオープン機能を有するスライドレールアセンブリはロックする必要がある引き出しには適していない。
【0006】
本発明は、ユーザーが使用環境又は使用条件に応じてスライドレールアセンブリのプッシュオープン機能を有効又は無効することができる、スイッチを備えたスライドレールアセンブリに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレールと、前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、前記第2のレールが後退位置で第1の方向に沿って押圧された場合に、前記第2のレールが前記第1のレールに対して開くよう駆動するように構成された第1の駆動装置と、前記第2のレールが第1の方向に沿って開位置から所定の位置に動かされた場合に前記第2のレールが前記第1のレールに対して閉まるよう駆動するように構成された第2の駆動装置と、第1の状態で前記第1の駆動装置を有効にし、第2の状態で前記第1の駆動装置を無効にするように構成されたスイッチと、を含む。
【0008】
前記第1の駆動装置は前記第2のレールに配置されていることが好ましい。前記第1の駆動装置は第1の弾性部材及びロック機構を含む。前記第1の弾性部材は、前記第1の方向とは反対の方向に沿って第1の弾性力を提供するように構成されている。前記ロック機構はロック状態と非ロック状態との間で動作するように構成されている。前記ロック機構がロック状態にある場合、前記第1の弾性部材は第1の弾性力を蓄積する。前記ロック機構が非ロック状態にある場合、前記第1の弾性部材は第1の弾性力を放つ。
【0009】
前記第2の駆動装置は前記第2のレールに配置されていることが好ましい。前記第2の駆動装置は第2の弾性部材、ガイド機構及び捕捉機構を含む。前記第2の弾性部材は前記第1の方向と同じ方向に沿って第2の弾性力を提供するように構成されている。前記第1のレールには固定部が固定配置され、前記ガイド機構は第1の経路と、該第1の経路に対して偏向した第2の経路とを有する。前記捕捉機構が前記ガイド機構の第1の経路内に位置する場合、前記固定部が前記捕捉機構に捕捉される。前記捕捉機構が前記ガイド機構の第2の経路内に位置する場合、前記捕捉機構は前記固定部から外れている。
【0010】
前記スイッチは前記第2のレールに可動に取り付けられていることが好ましい。前記第1のレールは当接機構を含む。前記スイッチが第1の状態にある場合、前記第1の駆動装置を有効にするために前記スイッチと前記当接機構との間に所定の間隙が形成されている。前記スイッチが第2の状態にある場合、前記スイッチは前記第1の駆動装置を無効にするために前記当接機構と当接するか又は前記当接機構に隣接する。
【0011】
前記第2のレールに取り付けられたベースをさらに含むことが好ましい。前記第2のレールには前記ベースが貫通できるように開口が形成されている。前記スイッチは前記ベースに可動に取り付けられている。
【0012】
前記スイッチは手動スイッチであることが好ましい。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは家具アセンブリの第1の家具部に取り付けられるように構成された第1のレールと、前記第1のレールに対して可動な第2のレールであって、前記第2のレールは前記家具アセンブリの第2の家具部を運ぶように構成されている、第2のレールと、前記第2の家具部が後退位置で第1の方向に沿って押圧された場合に前記第2の家具部が前記第1の家具部に対して開くように駆動するように構成された第1の駆動装置と、前記第2の家具部が第1の方向に沿って開位置から所定の位置に動かされた場合に、前記第2の家具部が前記第1の家具部に対して閉まるよう駆動するように構成された第2の駆動装置と、第1の状態で前記第1の駆動装置を有効にし、第2の状態で前記第1の駆動装置を無効にするように構成されたスイッチと、を含む。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレールと、前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、前記第2のレールが後退位置で第1の方向に沿って押圧された場合に、前記第2のレールが前記第1のレールに対して開くように駆動するよう構成された第1の駆動装置と、前記第2のレールに動作可能に連結されたスイッチであって、該スイッチは第1の状態と第2の状態との間で動作するように構成されたスイッチとを含む。スイッチは第1の状態にある場合に前記第1の駆動装置を有効にするように構成されている。スイッチは第2の状態にある場合に、前記第1の駆動装置を無効にするように構成されている。
【0015】
前記第1のレールと前記第2のレールとの間で可動に配置された第3のレールと、前記第2のレールが前記第1の方向に沿って開位置から所定の位置に動かされた場合、前記第2のレールが前記第1のレールに対して閉まるように駆動するよう構成された第2の駆動装置とをさらに含む。
【0016】
スライドレールアセンブリは、前記第2のレールが前記第1の方向に沿って開位置から所定の位置に動かされた場合、前記第2のレールが前記第1のレールに対して閉まるように駆動するよう構成された第2の駆動装置をさらに含むことが好ましい。
【0017】
前記第1のレールは第1の家具部に取り付けられることが好ましい。前記第2のレールは第2の家具部を運ぶように構成されている。
【0018】
前記第1の家具部はキャビネットであり、前記第2の家具部は引き出しであることが好ましい。
【0019】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付の図面は実施形態のさらなる理解を提供するために含まれるとともに、本明細書に組み込まれてその一部を構成する。図面は実施形態の一部を図示し、発明の詳細な説明と共にそれらの原理を説明する役割を果たす。
図1図1は、本発明の一実施形態に係る第1の家具部及び第2の家具部に適用されたスライドレールアセンブリを示す図であり、第2の家具部は第1の家具部に対して開いている。
図2図2は、開いた第2の家具部がない状態の図1のスライドレールアセンブリを示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る第1の状態にあるスライドレールアセンブリのスイッチを示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る第2の状態にあるスライドレールアセンブリのスイッチを示す図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る、第1の家具部と閉じた状態の第2の家具部とを含む家具アセンブリを示す図である。
図8図8は、図7の家具アセンブリの側面図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る、第1の家具部に対して後退位置に位置する家具アセンブリの第2の家具部を示す図であり、スイッチは第1の状態にある。
図10図10は、第1の方向に沿って第2の家具部に加えられた押圧力を示す図である。
図11図11は、第1の駆動装置により、第1の家具部に対して第2の方向に沿って押し出されて開く第2の家具部を示す図である。
図12図12は、第1の方向に沿って開位置から第1の位置に動かされた第2の家具部を示す図である。
図13図13は、第1の方向に沿って開位置から第2の位置に動かされた第2の家具部を示す図である。
図14図14は、本発明の一実施形態に係る、第1の家具部に対して後退位置に位置する家具アセンブリの第2の家具部を示す図であり、スイッチは第2の状態にある。
図15図15は、後退位置から第2の方向に沿って開けられて動いた第2の家具部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る、第1の家具部22及び第2の家具部24を含む家具アセンブリ20を示す。本実施形態では、第1の家具部22がキャビネットであり、第2の家具部24が引き出しであるが、本発明はこの構成に限定されない。一対のスライドレールアセンブリ26を援用して、第2の家具部24が第1の家具部22に対して可動であることが好ましい。
【0022】
具体的には、各スライドレールアセンブリ26は、第1のレール28と、第1のレール28に対して可動な第2のレール30とを含む。スライドレールアセンブリ26は、第1のレール28に対する第2のレール30の移動距離を伸長するために第1のレール28と第2のレール30との間で可動に配置された第3のレール32をさらに含むことが好ましい。第1のレール28は第1の家具部22に取り付けられているため、第1のレール28を第1の家具部22の一部として見なすことができる。他方、第2のレール30は第2の家具部24を運搬するために第2の家具部24に取り付けられているため、第2のレール30を第2の家具部24の一部として見なすことができる。第1のレール28は拡張部34を含み、第2のレール30は運搬部36を含むことが好ましい。
【0023】
図3に示すように、第2のレール30は第1のレール28に対して後退位置Rに位置している。第2のレール30が後退位置Rにある場合、第2のレール30の運搬部36の位置は第1のレール28の拡張部34に実質的に対応する。
【0024】
図4に示すように、スライドレールアセンブリ26はスイッチ38をさらに含む。スイッチ38は手動式スイッチであり、スライドレールアセンブリ26の第1のレール28及び第2のレール30の一方に動作可能に連結されていることが好ましい。本実施形態では、スイッチ38は第2のレール30に動作可能に連結されている。スライドレールアセンブリ26は第2のレール30に取り付けられたベース40をさらに含むことが好ましい。第2のレール30の運搬部36には開口42が形成され、ベース40は開口42を貫通することができる。ベース40は、リベット留め、ネジ、係合又は溶接により第2のレール30に固定できる。そのため、ベース40を第2のレール30の一部として見なすことができる。または、ベース40を第2のレール30に直接且つ一体的に形成してもよいが、本発明はそのような構成に限定されない。
【0025】
スイッチ38を第2のレール30のベース40に可動に取り付けてもよいし(例えば枢結)、スイッチ38を第2のレール30のベース40に着脱可動に取り付けてもよいが、本発明はこれらの構成に限定されない。他方、第1のレール28は当接機構44を含む。当接機構44は第1のレール28に取り付けられた要素でもあってもよいし、当接機構44を第1のレール28に直接形成してもよい。本実施形態では、当接機構44は拡張部34に位置する壁部構造として形成されている。
【0026】
図5及び図6に示すように、スイッチ38は第2のレール30に対して第1の状態S1と第2の状態S2との間で操作されるように構成されている。
【0027】
図7及び図8に示すように、第2の家具部24が第1の家具部22に対してプッシュオープンモードで配置され且つ後退位置Rに位置している場合、押圧間隙を形成するために第2の家具部24と第1の家具部22との間に距離Dが定義されており、ユーザーは、第1の家具部22に対して第2の家具部24を開けることができるように第2の家具部24を押して第1の家具部22に対して動かすことができる。
【0028】
図9に示すように、スライドレールアセンブリ26は第1の駆動装置46及び第2の駆動装置48を含む。第1の駆動装置46は第2のレール30に配置されている。第1の駆動装置46は第2のレール30に配置されている。第1の駆動装置46は第1の弾性部材50及びロック機構52を含む。第1の弾性部材50は第1の弾性力F1を提供するように構成されている。ロック機構52はロック状態と非ロック状態との間で動作するように構成されている。ロック機構52がロック状態にある場合、第1の弾性部材50は第1の弾性力F1を蓄積する。ロック機構52が非ロック状態にある場合、第1の弾性部材50は第1の弾性力F1を放つ。具体的には、第2の家具部24が第1の家具部22に対して後退位置Rに位置し、第2の家具部24と第1の家具部22との間に押圧間隙が存在する場合に、ロック機構52はロック状態にある。
【0029】
第2の駆動装置48も第2のレール30に配置されている。第2の駆動装置48は第2の弾性部材54、ガイド機構58及び捕捉機構60を含む。第2の弾性部材54は第2の弾性力F2を提供するように構成されている。第2の弾性力F2の方向は第1の弾性力F1の方向と逆方向である。固定部56は第1のレール28に固定配置されている。固定部56は図4に示す固定ピンであり得る。ガイド機構58は第1の経路62aと、第1の経路62aに対して偏向した第2の経路62bとを有する。捕捉機構60がガイド機構58の第1の経路62a内に位置している場合、固定部56は捕捉機構60によって捕捉されている。捕捉機構60がガイド機構58の第2の経路62b内に位置している場合、捕捉機構60は固定部56から外れている(図11を参照されたい)。具体的には、第2の家具部24が第1の家具部22に対して後退位置Rに位置し、第2の家具部24と第1の家具部22との間に押圧間隙が存在している場合に、捕捉機構60がガイド機構58の第1の経路62aに位置し、固定部56が捕捉機構60によって捕捉されている。その間、第2の弾性部材54は初期状態で第2の弾性力F2を蓄積する。
【0030】
第2の家具部24(又は第2のレール30)が第1の家具部22(又は第1のレール28)に対して後退位置Rに位置し、スイッチ38が第1の状態S1にある場合に、スイッチ38と第1のレール28の当接機構44との間に所定の間隙Gが形成されていることが好ましい。所定の間隙Gは押圧間隙(距離D)と実質的に等しい。そのため、第1の駆動装置46が有効にされる。
【0031】
図10及び図11に示すように、ユーザーが第1の方向D1に沿って第2の家具部24(又は第2のレール30)に押圧力Fを加えると、第1の駆動装置46のロック機構52が動作してロック状態から非ロック状態に切り替わる。押圧力Fが第2の家具部24にもはや加えられていない場合、第2の家具部24が第1の家具部22に対して開けられて第2の方向D2に沿って第1の家具部22に対して伸長距離L移動するように第1の駆動装置46の第1の弾性部材50は第1の弾性力F1を放つ。これが所謂「プッシュオープン」機能である。第2の方向D2は第1の方向D1と逆方向であり、第1の駆動装置46の第1の弾性力F1の方向は第1の方向D1と逆方向である。
【0032】
プッシュオープン工程では、第2の駆動装置48の捕捉機構60がガイド機構58の第1の経路62aから第2の経路62bに動かされる。捕捉機構60がガイド機構58の第2の経路62bに位置している場合、捕捉機構60は固定部56から外れている。そのため、第2の弾性部材54の第2の弾性力F2が増大する。
【0033】
図12及び図13に示すように、ユーザーが第2の家具部24(又は第2のレール30)を押して、第1の家具部22(又は第1のレール28)に対して開位置から所定の位置Pに第1の方向D1(即ち、後退方向)に沿って動かすと、第1のレール28に配置された固定部56が第2の駆動装置48の捕捉機構60によって捕捉され、第2の弾性部材54が即座に第2の弾性力F2を放ち、第2の家具部24(又は第2のレール30)を駆動して第1の家具部22(又は第1のレール28)に対して閉まるようにする。これは所謂自閉機能である。第2の駆動装置48の第2の弾性力D2の方向は第1の方向D1と同じである。
【0034】
図14及び図15に示すように、第2の家具部24(又は第2のレール30)が第1の家具部22(又は第1のレール28)に対して後退位置に位置し、スイッチ38が第2の状態S2にある場合、スイッチ38は第1のレール28の当接機構44と当接するか又は当接機構44に隣接するため、第2の家具部24(又は第2のレール30)を第1の家具部22(又は第1のレール28)に対して押して開けることができない。即ち、スイッチ38が操作されて第2の状態S2にある場合、第1の駆動装置46は無効であるのに対して第2の駆動装置48は依然として有効である。したがって、スライドレールアセンブリは依然として自閉機能を有する。
【0035】
そのような状態では、ユーザーは、第2の家具部24(又は第2のレール30)を第1の家具部22(又は第1のレール28)に対して第2の方向D2に沿って開くことができる。加えて、ユーザーが第2の家具部24(又は第2のレール30)を押して、第1の家具部22(又は第1のレール28)に対して第1の方向D1に沿って閉めた場合、第2の駆動装置48の捕捉機構60は依然として第1のレール28の固定部56を捕捉することができる。第2の駆動装置48が第2の弾性力F2を放つことを通じて、第2の家具部24(又は第2のレール30)が駆動されて第1の家具部22(又は第1のレール28)に対して閉められる。
【0036】
上述したように、本発明により、ユーザーは使用環境又は使用状況に応じてスライドレールアセンブリのプッシュオープン機能を無効にすることができ、スライドレールアセンブリは依然として自閉機能を維持することができる。
【0037】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0038】
20 家具アセンブリ
22 第1の家具部
24 第2の家具部
26 スライドレールアセンブリ
28 第1のレール
30 第2のレール
32 第3のレール
34 拡張部
36 運搬部
38 スイッチ
40 ベース
42 開口
44 当接機構
46 第1の駆動装置
48 第2の駆動装置
50 第1の弾性部材
52 ロック機構
54 第2の弾性部材
56 固定部
58 ガイド機構
60 捕捉機構
62a、62b 経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15