【解決手段】ネイルプリンタ装置は、爪41にインクを吐出するインク吐出口11を有するキャリア10と、キャリア10を第1方向に駆動するX軸モータ161と、キャリア10を第1方向と垂直な第2方向に、X軸モータ161によるキャリア10の駆動速度より低速で駆動するY軸モータ171と、Y軸モータ171により駆動されることでインク吐出口11のクリーニングを行うクリーニング部と、を備える。
前記係合部材は、前記媒体に対する前記ペンによる描画の際の前記ペンの前記第3方向の移動範囲外の位置において、前記描画モードと前記クリーニングモードとの切り替えを実行可能である
請求項4に記載の画像描画装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
【0024】
1.実施形態
(1)ネイルプリンタ装置の全体構成
(2)ネイルプリンタ装置の機能構成
(3)クリーニング部の構成と動作
【0025】
2.補足事項
<1.実施形態>
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態のネイルプリンタ装置(画像描画装置の一例)では、ワイパーによるインク吐出口のクリーニングを行う、ワイパー駆動機構の構成と動作に特徴のひとつがある。以下、ネイルプリンタ装置の全体構成、機能構成、及び特徴部分であるクリーニング部の構成と動作について具体的に説明する。
【0026】
<1−1.ネイルプリンタ装置の全体構成>
図1は、本実施形態のネイルプリンタ装置の外観斜視図である。
図2は、本実施形態のネイルプリンタ装置を、指を挿入する側の側面からみた外観図である。
図3は、本実施形態のネイルプリンタ装置を上面側から見たときの構成を示す図である。
図3において、制御部100はネイルプリンタ装置の任意の場所に配置される。
【0027】
図1〜
図3に示されるように、ネイルプリンタ装置は、キャリア10、インク吐出口11、ペン20、ペンホルダ21、ペンキャビネット30、指固定機構50、X軸モータ161(第1駆動部の一例)、X軸モータベルト162、Y軸モータ171(第2駆動部の一例)、Y軸モータシャフト172、及びZ軸モータ181などを含んで構成される。指固定機構50には、指40が挿入される。指40には、本実施形態のネイルプリンタ装置の塗料の塗布対象媒体となる爪41(媒体の一例)がある。指固定機構50は、指固定枠50Aと、指固定用バネ50Bとを含む。
【0028】
<1−1−1.キャリア10>
キャリア10は、爪41と対向する位置にインク吐出口11を含み、ペン20を支持するためのペンホルダ21を着脱可能に保持するよう構成される。キャリア10は、X軸モータ161、及びY軸モータ171により駆動され、X軸(第1方向の一例)、及びY軸(第2方向の一例)に移動可能に構成される。なお、本実施形態のネイルプリンタ装置ではZ軸駆動部はクリーニング部の構成としては必須ではない。キャリア10は、インク吐出口11から吐出されるインクを保持するインクカートリッジ(図示せず)を支持する。インクカートリッジは、ユーザにより取替可能または充填可能に構成されている。
【0029】
キャリア10は、爪41に対してX軸方向に移動しながら爪41に塗料の塗布などを行い、X軸方向の列に対する塗料の塗布などが完了したらY軸方向に移動(ピッチ送り)して、次のX軸方向の列の爪41に対する塗料の塗布などを行っていく。これらのX軸方向とY軸方向の移動を繰り返すことで、キャリア10は爪41に対する塗料の塗布などを実行する。このように、X軸方向はY軸方向と比較して移動距離が長いため、キャリア10はX軸方向にはY軸方向と比較して高速に移動し、Y軸方向にはX軸方向と比較して低速に移動するよう構成される。
【0030】
<1−1−2.インク吐出口11>
インク吐出口11は、インクカートリッジに保持されたインクを媒体である指40の爪41に対して吐出するよう構成される。インク吐出口11は、後述の制御部によりその吐出タイミングを制御される。インク吐出口11は、複数のノズルを備えており、このノズルからインクが吐出されることで、媒体に対してインクを吐出する。インク吐出口11は、後述のワイパーによりクリーニングされる。
【0031】
<1−1−3.ペン20>
ペン20は、ペンホルダ21を介して、キャリア10またはペンキャビネット30により着脱可能に保持される。ペン20は、キャリア10の動作により、記録媒体である爪41に接触し、これによりインク、装飾素材、または保護素材などを爪に塗布する。ペン20は、ボールペン、フェルトペン、または筆ペンなどの種々の態様のペンにより構成されて良い。
【0032】
<1−1−4.ペンホルダ21>
ペンホルダ21は、キャリア10またはペンキャビネット30により着脱可能に保持される。ペンホルダ21は、ペン20を着脱可能に保持する。ペンホルダ21によって保持されたペン20は、ユーザにより交換可能である。ペンホルダ21は、キャリア10の移動に伴ってペン20と共に移動する。
【0033】
<1−1−5.ペンキャビネット30>
ペンキャビネット30は、ネイルプリンタ装置のX軸方向の端部近傍に配置され、ペンホルダ21により保持されたペン20を着脱可能に保持する。ペンキャビネット30は、複数の(本実施形態では3本の)ペン20を、Y方向に整列された状態で保持する。
【0034】
<1−1−6.指40及び爪41>
ユーザの指40は、指固定機構50に対してY軸方向に挿入される。指40は、ネイルプリンタ装置の記録対象媒体である爪41を有する。
【0035】
<1−1−7.指固定機構50>
指固定機構50は、ユーザの指40をY軸方向に挿入可能であり、挿入された指40、及びこの指40と一体になっている爪41を固定するよう構成される。指固定機構50は、例えば指固定枠50A及び指固定用バネ50Bを含んで構成される。ただし、指固定機構50の構成は指固定枠50A及び指固定用バネ50Bを含む構成に限定されるものではなく、指40と爪41とを固定可能な構成であれば、他の構成であってもよい。
【0036】
<1−1−8.指固定枠50A>
指固定枠50Aは、指40を所定の領域から出るよう移動することを規制するような枠として形成される。このように指40の移動が規制されることで、記録対象媒体となる爪41の移動が規制される。
【0037】
<1−1−9.指固定用バネ50B>
指固定用バネ50Bは、指固定枠50Aによって画定される所定領域内において、指40及び爪41を固定して、これらの動きを規制するよう構成される。指固定用バネ50Bは、指40に対して主にZ方向の力を加えることで、指40の動きを規制するよう構成される。なお、指固定用バネ50Bに代わる別の構成により指40の動きを規制する構成としてもよい。例えば、指固定用バネ50Bを複数設け、指40を複数方向から固定するような構成とすることも可能であり、この場合には、指40の動きを複数方向から効果的に規制することが可能となる。
【0038】
<1−1−10.X軸モータ161>
X軸モータ161は、ステッピングモータを含んで構成されており、X軸モータベルト162を介して、キャリア10をX軸方向に移動させるよう構成される。X軸モータ161は、与えられた動力により回転し、この回転力をX軸モータベルト162に伝達するよう構成される。X軸モータ161は、キャリア10をX軸方向に移動させるが、この移動速度はキャリア10のY軸方向の移動速度より高速になる。
【0039】
<1−1−11.X軸モータベルト162>
X軸モータベルト162は、X軸モータ161に結合されるよう形成され、X軸モータ161から伝達された回転力に基づき回転し、この回転力によりキャリア10をX軸方向に移動させるよう構成される。
【0040】
<1−1−12.Y軸モータ171>
Y軸モータ171は、ステッピングモータを含んで構成されており、Y軸モータシャフト172を介して、キャリア10をY軸方向に移動させるよう構成される。Y軸モータ171は、与えられた動力により回転し、この回転力をY軸モータシャフト172に伝達するよう構成される。Y軸モータ171は、キャリア10をY軸方向に移動させるが、この移動速度はキャリア10のX軸方向の移動速度より低速になるが、X軸方向の移動と比較して動作時のトルクは強くなる。
【0041】
<1−1−13.Y軸モータシャフト172>
Y軸モータシャフト172は、Y軸モータ171に結合されるよう形成され、Y軸モータ171から伝達された回転力に基づき移動し、これによりキャリア10をY軸方向に移動させるよう構成される。
【0042】
<1−1−14.Z軸モータ181>
Z軸モータ181は、ステッピングモータを含んで構成されており、昇降バー60(係合部材の一例)をZ軸方向(重力方向の上下)(第3方向の一例)に移動させるよう構成される。Z軸モータ181は、与えられた動力により回転し、この回転力により昇降バー60をZ軸方向に移動させる。
【0043】
図1に示されるように、ネイルプリンタ装置の基礎部分となる基板シャーシ201は、キャリア10をX軸方向にスライド可能に指示したX軸モータ161、及びそれに連なるX軸モータベルト162を搭載している。さらに、基板シャーシ201は、Y軸方向に伸びるように配置された2本のガイド軸202及び203を、軸受部213及び214によりそれぞれ固定して支持している。基板シャーシ201は、Y軸モータ171を固定しつつ支持している。Y軸モータ171のモータ軸には、雄ネジ215が形成されている。基板シャーシ201のY軸方向端部近傍に配置されたX軸シャーシ200には、この雄ネジ215に係合する雌ネジ216が固定されている。これにより、Y軸モータ171の回転がXシャーシ200のY軸方向の移動に変換される。このように、X軸シャーシ200は、Y軸方向にスライド可能に支持されている。
【0044】
一方、X軸モータ161のモータ軸には、第1のプーリ204が直結されている。そして、第1のプーリ204のX軸マイナス方向には第2のプーリ205が配置され、第1のプーリ204と第2のプーリ205との間にはX軸モータベルト162が掛けられている。X軸モータ161が回転すると、その回転は第1のプーリ204からX軸モータベルト162を介して第2のプーリ205に伝達されることで、キャリア10がX軸方向に移動される。
【0045】
上記のとおり、X軸モータ161及びY軸モータ171は、それぞれ回転角を制御可能なステッピングモータで構成されている。また、X軸モータ161がベルト駆動である一方で、Y軸モータ171はネジ駆動である。したがって、Y軸モータ171は、X軸モータ161よりも減速比が大きくなっている。これは、X軸モータ161の負荷を減らし、キャリア10をX軸方向に高速に移動させるために、X軸モータ161の駆動をキャリア10の移動に直結させる構成にしたからである。一方Y軸モータは、キャリア10、キャリア10を直接駆動するX軸モータ161、及びその駆動機構を搭載したXシャーシ200という比較的重い構成を移動させるため、ネジ駆動を選択することで大きなトルクを発生できる構成としている。さらに、爪への印刷(描画)動作はX軸方向の移動によって行うので、キャリア10をY軸方向に移動させる精度が印刷精度に直接影響を与える。その点からも、Y軸モータ171からXシャーシ200への減速比を大きく設定し、Xシャーシ200の位置を高精度に位置決めしやすくしている。
【0046】
<1−2.ネイルプリンタ装置の機能構成>
図4は、本実施形態のネイルプリンタ装置の機能的構成を示す図である。
図4に示されるように、本実施形態のネイルプリンタ装置は、制御部100、通信部110、起動処理部120、メモリ130、プリントヘッド制御部140、プリントヘッド141、電力供給部150、X軸モータ制御部160、X軸モータ161、Y軸モータ制御部170、Y軸モータ171、Z軸モータ制御部180、Z軸モータ181、及びユーザメッセージ部190を含んで構成される。ユーザメッセージ部190は、エラーLED(Light Emitting Diode)191、音声出力部192、及び画像表示部193を含んで構成される。
【0047】
<1−2−1.通信部110>
通信部110は、ネイルプリンタ装置に接続されたPC(Personal Computer)またはスマートフォンなどから、爪41に対して印刷する画像に関するデータなどを受信し、制御部100に出力するよう構成される。通信部110は、有線または無線通信によりPCまたはスマートフォンなどとの間でデータを送受信する。
【0048】
<1−2−2.起動処理部120>
起動処理部120は、揮発性メモリなどを含んで構成され、ネイルプリンタ装置に電源が投入されたときに、ネイルプリンタ装置のブーティング(起動)を実行するよう構成される。起動処理部120は、ユーザによりネイルプリンタ装置に電源が投入されると、制御部100を含む各構成を起動する処理を行う。
【0049】
<1−2−3.メモリ130>
メモリ130は、不揮発性メモリなどを含んで構成され、制御部100で実行される各種処理に関するファームウェア及びソフトウェアなどを記憶するよう構成される。また、メモリ130は、爪41に対して印刷する画像に関するデータや、爪41に対する印刷前に爪41に対して塗布されるコーティング剤の塗布処理に関するデータなどを記憶する。
【0050】
<1−2−4.プリントヘッド制御部140>
プリントヘッド制御部140は、所定の画像を爪41に形成したり、爪41にコーティング剤を塗布したりするため、プリントヘッド141の制御を実行するよう構成される。プリントヘッド制御部140は、プリントヘッド141から吐出されるインクの吐出タイミングなどを制御する。
【0051】
<1−2−5.プリントヘッド141>
プリントヘッド141は、インク吐出口11を含んで構成され、キャリア10に搭載され、着脱可能なインクカートリッジを含んで構成され、インクカートリッジのインクをインク吐出口11から吐出するよう構成される。
【0052】
<1−2−6.電力供給部150>
電力供給部150は、ネイルプリンタ装置の各構成に電力を供給するよう構成される。
【0053】
<1−2−7.X軸モータ制御部160>
X軸モータ制御部160は、制御部100の制御により、X軸モータ161の回転駆動を制御するよう構成される。X軸モータ制御部160により制御されたX軸モータ161は、キャリア10をX方向に移動させる。
【0054】
<1−2−8.Y軸モータ制御部170>
Y軸モータ制御部170は、制御部100の制御により、Y軸モータ171の回転駆動を制御するよう構成される。Y軸モータ制御部170により制御されたY軸モータ171は、キャリア10をY方向に移動させる。
【0055】
<1−2−9.Z軸モータ制御部180>
Z軸モータ制御部180は、制御部100の制御により、Z軸モータ181の回転駆動を制御するよう構成される。Z軸モータ制御部180により制御されたZ軸モータ181は、昇降バー60(後述)をZ方向に移動させる。
【0056】
<1−2−10.ユーザメッセージ部190>
ユーザメッセージ部190は、
図4に示されるように、エラーLED191、音声出力部192、及び画像表示部193を含んで構成される。ユーザメッセージ部190は、ネイルプリンタ装置で発生したエラーを、LED、音声、または画像によりユーザに通知する。
【0057】
<1−2−11.エラーLED191>
エラーLED191は、LEDによる発光手段を備えており、制御部100の制御により点灯及び点滅可能に構成される。エラーLED191は、ネイルプリンタ装置に発生したエラーを、LEDの発光を介してユーザに通知する機能を有する。なお、エラーLED191は、エラーを通知する機能以外の機能を併せ持ってもよい。
【0058】
<1−2−12.音声出力部192>
音声出力部192は、スピーカーなどの構成を備えており、制御部100の制御により音声を出力可能に構成される。音声出力部192は、ネイルプリンタ装置に発生したエラーを、音声を介してユーザに通知する機能を有する。なお、音声出力部192は、エラーを通知する機能以外の機能を併せ持ってもよい。
【0059】
<1−2−13.画像表示部193>
画像表示部193は、液晶表示装置または有機EL表示装置などの構成を備えており、制御部100の制御により画像を表示可能に構成される。画像表示部193は、ネイルプリンタ装置に発生したエラーを、画像を介してユーザに通知する機能を有する。なお、画像表示部193は、エラーを通知する機能以外の機能を併せ持ってもよい。
【0060】
<1−2−14.制御部100>
制御部100は、ネイルプリンタ装置が備える各構成を制御可能に構成される。
【0061】
例えば、制御部100は、通信部110により受信した印刷すべき画像などのデータに基づいて、爪41に対して画像などを形成するため、プリントヘッド制御部140、X軸モータ制御部160、Y軸モータ制御部170、及びZ軸モータ制御部180を制御する。これにより、制御部100は、キャリア10を移動させながら、ペン20が爪41に接しながら画像を描画したりコーティング剤などを塗布したり、インク吐出口11からインクを吐出したりコーティング剤などを吐出したりする動作を制御する。
【0062】
また、制御部100は、X軸モータ制御部160、Y軸モータ制御部170、及びZ軸モータ制御部180を制御してキャリア10を移動させ、キャリア10とペンキャビネット30との間でのペンホルダ21の受け渡し、及びキャリア10のインク吐出口11のクリーニングなどを実行する。
【0063】
<1−3.クリーニング部の構成及び動作>
次に、本実施形態の特徴のひとつであるクリーニング部部分の構成及び動作について、
図5〜
図37を参照しながら具体的に説明する。
【0064】
本実施形態において、クリーニング部とは、インク吐出口11に付着したインク等を除去してクリーニングするための構成を指す。本実施形態のクリーニング部は、X軸方向においてペンキャビネット30と反対側の端部付近に配置される(
図1などを参照)。
【0065】
図5〜
図8は、ワイパー16によるインク吐出口11のクリーニング時の所定の状態を示す図である。
図6は、
図5と同じ状態においてキャリア10の表示を省略した図であり、
図8は、
図7と同じ状態においてキャリア10の表示を省略した図である。本実施形態でいうクリーニング部は、ワイパー駆動基台206、第1スライダ207、及び第2スライダ208を含むワイパー駆動機構15、並びにワイパー16を含む。また、ワイパー駆動機構15はインク吐出口キャップ14を含む。
【0066】
<1−3−1.インク吐出口キャップ14>
インク吐出口キャップ14は、ワイパー駆動機構15に連結されて構成されており、インク吐出口11を弾性的に覆うことでキャッピングすることができるよう構成される。インク吐出口キャップ14は、例えばゴムなどの弾性体により形成される。インク吐出口キャップ14は、樹脂などにより形成されてもよい。インク吐出口キャップ14によりキャッピングされたインク吐出口11は、空気と接することを制限され、これにより、インクが固化することを防止することができる。
【0067】
<1−3−2.ワイパー駆動機構15>
図9は、ワイパー駆動機構の主要部品の分解斜視図である。基板シャーシ201に固定されたワイパー駆動基台206には、4本の長穴206a、206b、206c、及び206dが形成されている。これらの長穴206a、206b、206c、及び206dには、第1スライダ207に形成されたガイド軸207f、207g、207h、及び207j(ガイド軸207h及び207jは背面側に配置されているため図示なし)がそれぞれ係合している。これによって、ワイパー駆動基台206に対して第1スライダ207がスライド自在に支持されている。さらに、第1スライダ207には、ワイパー駆動基台206同様、4本のガイド孔207a、207b、207c、及び207dが形成されている。これらの4本のガイド孔207a、207b、207c、及び207dには、第2スライダ208に形成されたガイドピン208a、208b、208c、及び208d(ガイドピン208c及び208dは背面側に配置されているため図示なし)がそれぞれ係合している。これにより、第1スライダ207に対して第2スライダ208がスライド自在に支持されている。
【0068】
また、第1スライダ207に形成されたワイパー軸孔207eには、ワイパー16のワイパー軸16aが係合している。これにより、第1スライダ207に対してワイパー16が回動自在に支持されている。第2スライダ208には、圧縮バネ209をZ軸方向に立てた状態で支持するバネ受け軸208jが形成されている。圧縮バネ209の先にはインク吐出口キャップ14が配置され、これによってインク吐出口キャップ14は第2スライダ208に対してZ軸方向に弾性的に付勢されながら支持されている。また、ワイパー駆動基台206には、フック206jが形成されている。
【0069】
図10は、ワイパー駆動基台206にスライド自在に支持された第3スライダ210の構成の分解斜視図である。第3スライダ210にはスライド孔210aが形成されている。このスライド孔210aには、
図11に示すように、ワイパー駆動基台206のフック206jが係合しており、これによりワイパー駆動基台206が第3スライダ210を移動自在に支持している。
【0070】
さらに
図13に示されるように、第3スライダ210の底面部210dの突起210cと側壁210fとの間には、ワイパー駆動基台206の突起206eが係合している。また、第3スライダ210の底面部210dの裏面部210bは、ワイパー駆動基台206によりガイドされており、第3スライダ210はワイパー駆動基台206に対してY軸方向にスライド可能である。この第3スライダ210には軸部210gが形成されており、この軸受け210gにはロック部17の係合孔17aが挿入され、ネジ212にて抜け止めがなされている。これにより、ロック部17が第3スライダ210に対して回動自在に支持される。また、このロック部17のバネ受け17jと第3スライダ210のバネ受け210eとの間には、バネ211(
図13参照)が掛けられている。これにより、
図13に示されているように、第3スライダ210に対して、ロック部17が係合孔17aを中心として反時計方向の回転力(図中の矢印方向)を有して固定されている。ロック部17の底面部17bは、ワイパー駆動基台206の傾斜部206k(
図9参照)に当接して姿勢を保持されている。
【0071】
また
図12に示されるように、ロック部17に形成された凹部17c(
図10参照)は、ワイパー駆動基台206の前面部206mに係合している。これにより、ワイパー駆動基台206に対してロック部17のY軸方向の移動が禁止されており、さらにワイパー駆動基台206に対する第3スライダ210のY軸方向の移動も禁止される。
【0072】
上記のような部材により構成されるワイパー駆動機構15の動作について、具体的に説明する。
【0073】
図14〜
図17は、それぞれワイパー駆動基台206をX軸側から見た側面図である。
図16は、ワイパー駆動機構15が作動していない初期の状態を示している。ワイパー駆動基台206に対して、第1スライダ207は最下端位置に位置しており、ワイパー駆動基台206の長孔206c及び206dの最下端位置に、第1スライダ207のガイド軸207h及び207jがそれぞれ位置している。ワイパー駆動基台206と第1スライダ207との間には弾性部材(図示せず)が掛けられており、第1スライダ207はワイパー駆動基台206に対して図中のA方向に付勢力が発生している。また、第1スライダ207に対して、第2スライダ208は最下端位置に位置しており、第2スライダ208のガイドピン208c及び208dは、第1スライダ207のガイド孔207c及び207dの最下端位置にそれぞれ位置している。上記同様に、第2スライダ208は、第1スライダ207に対して図中のA方向に弾性部材(図示せず)に付勢力が発生している。すなわち、この
図16の状態は、外部から力を受けていない通常状態である。この状態では、ロック部17は、
図12に示されるように、バネ211(
図13参照)の作用により、ロック部17の凹部17cはワイパー駆動基台206の前面部206mに係合しているので、外部からの振動や衝撃があっても第3スライダ210が動くことはない。
【0074】
また、この状態では、X軸モータ161及びY軸モータ171によってキャリア10をXY平面で移動させ、爪にインクを吐出させることが可能である。すなわち、
図16の状態は、印刷モードにおけるワイパー駆動機構15の状態である。
【0075】
モードが、印刷モードから、ヘッドクリーニングモードに移行すると、キャリア10はX軸モータ161によってX軸のマイナス方向(ペンキャビネット30とは逆の方向)に最大移動される(
図1等参照)。
図18は、ロック部17の周辺の構成をY軸方向から見た図である。この
図18の状態では、ロック部17は、
図12のようにロックされている状態の姿勢となっている。この状態では、昇降バー60のラック部60aはX軸シャーシ200よりも上方(Z軸方向でプラス側)に位置している。
【0076】
ヘッドクリーニングモードになると、Z軸モータ181が昇降バー60のラック部60aに歯合して、昇降バー60をZ軸マイナス方向に移動させる。すると、
図19に示されるように、ロック部17のアーム部17dに、昇降バー60のラック部60aの下端部60bが当接し、係合孔17aを中心に、ロック部17を時計方向に回動させる。
【0077】
これにより、ロック部17の凹部17cの上方(Z軸プラス方向)に位置している係合部17eが、X軸シャーシ200の係合孔200aに侵入する。
図20は、
図19の状態におけるロック部17とX軸シャーシ200との係合部をX軸方向から見た断面図である。ロック部17の係合部17eは、X軸シャーシ200の係合孔200aの端面部200bと200cとの間に挟まれている。より具体的にはX軸シャーシ200の係合孔200aの端面部200bと200cとの間に挟まれているのは、ロック部17の前面部17g、及び係合孔17eとバネかけ部17fとの間の壁部17hである。
【0078】
このとき、
図12で示したように係合していた凹部17cと前面部206mとの係合が解除される。
図21は、この状態の斜視図を示している。
図21に示されるように、係合部17eが係合孔200aに入り込み、係合部17eがZ軸方向から見える状態になっている。
【0079】
このように、X軸シャーシ200とロック部17とが連結すると、次に、Y軸モータ171を回転させ、X軸シャーシ200をY軸マイナス方向に移動させる(
図1等参照)。これにより、X軸シャーシ200とともに、ロック部17と第3スライダ210がY軸方向マイナス方向に一体的に移動する(
図1等参照)。さらにY軸マイナス方向にX軸シャーシ200を移動させると、ロック部17のバネかけ部17fの先端部17kが、第2スライダ208の前面部208gに当接する(
図22参照)。X軸シャーシ200がさらにY軸マイナス方向に移動しようとすると、ロック部17の先端部17hが第2スライダ208の前面部208gをZ軸マイナス方向に押すようになる。すると、図示しない弾性部材に抗して、第2スライダ208が第1スライダ207に対してY軸方向に移動することとなる。そうすると、第2スライダ208のガイドピン208a、208b、208c、及び208dが、第1スライダ207のガイド孔207a、207b、207c、及び207dに沿って、その傾斜面を上昇する。
図15は、このときの状態を示す図である。
【0080】
この状態から、さらにY軸モータ171が回転すると、ロック部17の先端部17hが第2スライダ208の前面部208gをY軸マイナス方向に押す。これにより第2スライダ208のガイドピン208a、208b、208c、及び208dが、第1スライダ207のガイド孔207a、207b、207c、及び207dの端面部を押して、第1スライダ207を付勢手段(図示せず)に抗してY軸マイナス方向に移動させる。このとき、第1スライダ207のガイド軸207f、207g、207h、及び207jが、第2スライダ208の4本の長穴206a、206b、206c、及び206dに沿ってそれぞれ移動する。これにより、
図14に示されるように、第1スライダ207が、上方(Z軸プラス方向)に移動する。
【0081】
この
図14の状態になると、Y軸モータ171はその動作を停止する。つまり、Y軸モータ171が回転し、X軸シャーシ200がY軸マイナス方向に移動すると、
図16の状態(ワイパー駆動基台206、第1スライダ207、及び第2スライダが、弾性部材によって相対的に最も離間した位置関係)が一定時間維持され、その後、
図15の状態(ワイパー駆動基台206と第1スライダ207とは離間し、第2スライダと第1スライダとは近接した位置関係)が生じ、さらに
図14の状態(ワイパー駆動基台206、第1スライダ207、及び第2スライダ208が弾性部材に抗して相対的に最も近接した位置関係)で停止する。
【0082】
次に、Y軸モータ171が逆回転し、X軸シャーシ200をY軸プラス方向に移動させる。このとき、第1スライダ207及び第2スライダ208は、Y軸モータ171が正回転をする上記動作の単純な反対動作ではなく、異なる動作をする。
図9に示されるように、第1スライダ207には、ロック爪部207kが支点部207mを中心に、樹脂の弾性性を利用して、たわみ可能に(可撓性を持って)支持されている。
図23は、
図15の状態から
図16の状態に変化する時の、ワイパー駆動機構15の挙動の右側面部側を示している。
図16の初期状態では、
図23に示されるように、第1スライダ207のガイド軸207f及び207gが、ワイパー駆動基台206の長孔206a及び206bの最下端位置にある。この時、第1スライダ207のロック爪部207kは、ワイパー駆動基台206のガイド孔206n(
図9参照)の解放端側(Y軸プラス方向の位置)に位置している。
【0083】
図24〜
図30は、
図23の動作を説明するための部分拡大図を示す。
図24〜
図30には、第3スライダ210の突起210hが示されている(
図10参照)。この突起210hもまた、ワイパー駆動基台206のガイド孔206nに挿入されている。前述したように、動作時には第3スライダ210が先行して移動するので、突起210hは、
図25に示されるように、ワイパー駆動基台206のガイド孔206nの終端近傍に移動し、その後、第1スライダ207がワイパー駆動基台206に対してY軸のマイナス方向に移動し始める。第1スライダ207が移動することで、ロック爪部207kもY軸マイナス方向に移動するが、ワイパー駆動基台206の長孔206a及び206bが傾斜しているためZ軸プラス方向にも移動(上昇)することとなる。そのため、ロック爪部207kは、まずガイド孔206nの天面部に接触し(
図25参照)、その後さらに第1スライダ207が移動することとなる。そして、ロック爪部207kはZ軸プラス方向に付勢力を増加させながらY軸プラス方向に移動し、
図26の状態を経て、
図27のように、付勢力によってガイド孔206nの上段(Z軸プラス側)に移動する。この
図27の状態が、
図23のガイド軸207f(2)、207g(2)、そしてロック爪部207k(2)のハッチングで示された位置である。この状態は
図14の状態である。
【0084】
この位置から、Y軸モータ171を逆回転させると、X軸シャーシ200がY軸プラス方向に移動する。これにより、X軸シャーシ200の係合孔200aを介して、ロック部17及び第3スライダ210がY軸プラス方向に移動される。このとき、ロック部17の先端部17hが、第2スライダ208の先端部208gから離間する方向に移動するので、弾性部材(図示せず)により、第1スライダ207に対しては、ワイパー駆動基台206に対して相対的にY軸プラス方向に移動する力が働く。また、第2スライダ208に対しても、第1スライダ207に対して相対的にY軸のプラス方向に移動する力が働く。しかし、第1スライダ207のロック爪部207kがワイパー駆動基台206のガイド孔206nの係止部206pに当接するため、第1スライダ207は移動が禁止される。そのため、第2スライダ208のみが、第1スライダ207に対して、離間する方向に移動する。その結果、
図17に示される状態になって、この状態が維持される。
【0085】
ここからさらにY軸モータ171が回転し、第3スライダ210がY軸プラス方向に移動すると、
図28に示されるように、突起210hが、ロック爪部207kの傾斜面207nに当接して、さらにY軸プラス方向に移動しようとする。すると、ロック爪部207kには、傾斜面207nによってZ軸マイナス方向に力が働く。これにより、ロック爪部207kは係止部206pから解放され、弾性部材(図示せず)の付勢力によって
図23のガイド軸207f(2)及び207g(2)は、それぞれ207f及び207gの位置に移動する。これにより、
図24に示された状態に戻る。
【0086】
以上の動作が、Y軸モータ171の正転、及び反転による、ワイパー駆動機構15の往復動作である。次に、この往復動作によるワイパー16の動きと、インク吐出口キャップ14の動きを説明する。
【0087】
図29は、第2スライダ208及びワイパー16の拡大図である。
図29に示されるように、第2スライダ208の内壁に設けられたワイパーコントロールピン208e及び208f(
図9参照)は、ワイパー16のR脚部16bを挟むように配置されている。ワイパー16のワイパー軸16aが第1スライダ207のワイパー軸孔207eに係合しているので(
図9参照)、第1スライダ207と第2スライダ208との相対位置関係でワイパー16の姿勢が変化する。
【0088】
図16及び
図17に示された状態のように、第1スライダ207と第2スライダ208とが弾性部材(図示せず)で離間した位置にあるときには、
図29のようにワイパー16は直立している。そして、弾性部材に抗して第1スライダ207と第2スライダ208とが近接した
図14及び
図15に示された状態では、
図30にようにワイパー16はY軸プラス方向に傾斜する。第1のスライダ207と第2スライダ207との位置関係は、前述したワイパー駆動機構15の往復動作で、離間→近接→離間へと変化する。これにより、ワイパー16の状態は、直立→傾斜→直立へと変化する。
【0089】
図31は、ワイパー16の動きを示す図である。ワイパー16は、ワイパー駆動機構15の往復動作により、(c)直立(低いZ軸位置)→(d)傾斜(低いZ軸位置)→(e)傾斜(高いZ軸位置)→(f)直立(高いZ軸位置)へと変化する。ワイパー16のワイパー軸16aは、第1スライダ207により支持されているので、第1スライダ207のワイパー駆動基台206に対する相対位置によって、ワイパー16は姿勢が同じでもZ軸方向の位置が異なる。そのため、
図31に示されるように、ワイパー16は、その姿勢と共にZ軸位置が変化する。
【0090】
図16の状態では、ワイパー16は
図31の(c)の直立した状態にある。そして
図15の状態になると、ワイパー16は
図31の(d)の傾斜した状態になる。ここまでは、第1スライダ207は低い(Z軸方向マイナス方向の)位置にあるので、ワイパー16も低い位置にあり、キャリア10とワイパー16とは離間しており、接することはない。
図31の(d)の傾斜姿勢から、第1スライダ207が移動すると、ワイパー16は傾斜姿勢を維持したままZ軸プラス方向に移動し、
図31の(e)の状態となる。この
図31の(e)の状態は、
図14の状態であり、キャリア10がY軸マイナス方向に最も移動した位置である。ここでは、インク吐出口キャップ14が、圧縮バネ209によって、Z軸方向に弾性的に付勢されている(
図32参照)。このとき、ワイパー16はキャリア10の下面と隙間を有している。
【0091】
この状態から、Y軸モータ171が逆回転し
図17の状態になると、ワイパー16は
図31の(f)に示す直立状態となる。このとき、
図33に示されるように、ワイパー16は(f)の直立姿勢となっており、ワイパー16の先端部がキャリア10に接する。前述したように、この
図33の状態は
図17、及び
図27の状態である。前述したように、この後、第3スライダ210がY軸プラス方向に移動しても、第1スライダ207はその移動が禁止されるため、
図27の状態が維持される。その結果、第1スライダ207は、第3スライダ210とともに移動するキャリア10との間で相対的な移動が生じ、このロック期間(
図27〜
図28の期間)において、キャリア10に対して、ワイパー16は
図32の(f)姿勢を保持する。その結果、
図34に示されるように、インク吐出口11にワイパー16の先端が接し、インク吐出口11の汚れを拭き取ることができる。
【0092】
ワイパー16の先端がインク吐出口11との接触を終了するストローク(Y軸方向の位置)に至ると、前述の
図28の状態から
図24の状態に至る。これにより、ワイパー16は、
図31の(f)の直立姿勢を保ちながら、(c)の位置に移動し、キャリア10とワイパー16との接触は解除される。つまり、ロックされることでキャリア10とワイパー16との間でY軸方向の相対的な移動が生じ、その結果、ワイパー16によるキャリア10のインク吐出口11のクリーニングが行われる。
【0093】
つまり、Y軸モータ171の回転により、ワイパー16は、キャリア10に対して傾斜した姿勢で上昇し、キャリア10に接触する。その後、キャリア10と共にインク吐出口11が移動することでインク吐出口11の清掃が行なわれ、ワイパー16はZ軸マイナス方向に移動しキャリア10及びインク吐出口11から離間する。
【0094】
本実施形態のワイパー駆動機構15は上記のように構成したことで、ワイパー16は、キャリア10に近接するため、Z軸プラス方向の移動のためのストロークは必要となるが、ワイパー16がキャリア10に接触して行われるインク吐出口11の清掃は、インク吐出口11のY軸方向の長さの移動で十分となる。そのため、Y軸モータ171によるストロークは、インク吐出口11のY軸方向の長さ程度のストロークとすることができ、最小のストロークとすることができる。
【0095】
また、インク吐出口キャップ14は、Z軸プラス方向に圧縮バネ209により付勢力を受けている構造としている。そのため、第2スライダ208がZ軸方向に移動することで、インク吐出口キャップ14も同様にZ軸方向に移動する。第2スライダ208は、第1スライダ207により支持されているので、第2スライダ208の位置は、第1スライダ207がワイパー駆動基台206に対する位置に影響を受け、さらに第2スライダ208の第1スライダ207との相対位置にも影響を受ける。
【0096】
また、上記で説明したように、インク吐出口キャップ14は、第2スライダ208がZ軸方向において最も高い位置にあるときにのみ、インク吐出口11を覆うことができる構成となっている。インク吐出口キャップ14がインク吐出口11を覆うときには、圧縮バネ209の作用によりインク吐出口キャップ14がキャリア10の方向に弾性的に付勢されている。これにより、インク吐出口キャップ14は適度な力でインク吐出口11を保護することが可能となっている。
【0097】
<2.補足事項>
以上、本発明の各実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0098】
上記実施形態では、一例としてネイルプリンタ装置を例に挙げて説明したが、必ずしもネイルプリンタ装置に限定されるものではなく、対象物に塗料を塗布する装置として広く適用することが可能である。例えば、上記実施形態のネイルプリンタ装置は、立体物に対してインクの吐出による印刷などを実行する塗布装置として適用可能である。本発明は、一般的なインクジェットプリンタ装置よりも小型化を求められるネイルプリンタ装置などの塗布装置において特に有用である。
【0099】
また、上記実施形態では、主にインクにより爪41に画像を形成することを想定して説明しているが、ネイルプリンタ装置は、爪41に対する画像の形成のみでなく、下地膜の形成やコーティング剤による膜の形成を実行可能である。このとき、インクカートリッジはコーティング剤など(インクと総称して塗料と呼ぶ)を保持する。