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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-155590(P2018-155590A)
(43)【公開日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】耐圧防爆機器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/26 20060101AFI20180907BHJP
   F16J 13/12 20060101ALI20180907BHJP
【FI】
   G01D11/26 C
   F16J13/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-52498(P2017-52498)
(22)【出願日】2017年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 真也
【テーマコード(参考)】
3J046
【Fターム(参考)】
3J046AA09
3J046BB03
3J046BC16
3J046BD02
3J046EA00
(57)【要約】
【課題】ポッティング材が容易に収縮できる構成を採ることによりポッティング材中に気泡や剥離、ひび割れ等が生じることがない耐圧防爆機器の製造方法を提供する。
【解決手段】本体22に取り付けられるとともに凸部34が形成されたカバー25を有する蓋部材23を備えた耐圧防爆機器の製造方法である。凸部34の環状溝37に第2のOリング38を装着する装着ステップと、ガラスパネル26を凸部34の一端面に対向した状態で一定の間隔を保つようにOリングに当接させて載置するパネル配置ステップとを有する。ガラスパネル26の外周とカバー25の内周面との間にポッティング材41を充填する充填ステップと、充填ステップ完了後、ポッティング材41を加熱硬化させる加熱硬化ステップとを有する。加熱硬化ステップ終了から所定時間経過後のガラスパネル26と凸部34の一端面36との距離が加熱硬化ステップ前のガラスパネル26と凸部34の一端面36との距離よりも短縮されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、一端が前記本体に取り付けられ、他端に軸線に向かって突出した凸部が形成された筒状のカバーを有する蓋部材とを備えた耐圧防爆機器の製造方法であって、
前記凸部の前記一端側に位置する一端面に形成された環状の凹部にOリングを装着する装着ステップと、
板状のガラスパネルを前記凸部の一端面に対向した状態で一定の間隔を保つように前記Oリングに当接させて載置するパネル配置ステップと、
前記ガラスパネルの外周と前記カバーの内周面との間にポッティング材を充填する充填ステップと、
前記充填ステップ完了後、前記ポッティング材を加熱硬化させる加熱硬化ステップとを有し、
前記加熱硬化ステップ終了から所定時間経過後の前記ガラスパネルと前記凸部の一端面との距離が前記加熱硬化ステップ前の前記ガラスパネルと前記凸部の一端面との距離よりも短縮されていること
を特徴とする耐圧防爆機器の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の耐圧防爆機器の製造方法において、
前記パネル配置ステップ以降の工程では、前記ガラスパネルを前記Oリングへ押圧する如何なる部材も使用しないこと
を特徴とする耐圧防爆機器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部視認用の窓部を有する蓋部材と窓部内のガラスパネルとの間にポッティング材を充填するステップを有する耐圧防爆機器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可燃性ガスや引火性液体などを取り扱う工場や事業所等に設置される機器においては、防爆構造とすることが要求されている。この種の耐圧防爆機器としては、たとえば差圧発信器、ゲージ圧発信器、絶対圧発信器などがある。防爆構造は、これらの機器の測定結果を表示する表示部にも要求されている。
【0003】
従来の耐圧防爆機器の表示部としては、たとえば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に開示された表示部の防爆構造は、図10に示すように構成されている。
図10に示す表示部1は、計測機器の本体2の内部視認用の穴3と、この穴3に取付けられた蓋部材4とによって構成されている。蓋部材4は、円筒状に形成されたカバー5にガラスパネル6やばね部材7などの部品を組付けることによって形成されている。
【0004】
カバー5は、一端が本体2の穴3の中に挿入された状態で本体2に取付けられている。カバー5の他端には、円筒状のカバー5の軸線C1に向かって突出する内フランジ状の凸部8が形成されている。
ガラスパネル6は、円板状に形成されており、凸部8の一端側(図10においては上側)の面に載置されている。このガラスパネル6と凸部8との間はOリング9によってシールされている。このOリング9は、凸部8に形成された環状溝10に挿入されて保持されている。また、カバー5の内周面とガラスパネル6の外周部との間にはポッティング層11が設けられている。ポッティング層11は、液状のポッティング材(図示せず)をカバー5とガラスパネル6との間に充填し、加熱して硬化させることによって形成されている。
【0005】
ポッティング材の充填は、ガラスパネル6を凸部8に向けて押圧した状態で行われる。詳述すると、ポッティング材は、図11に示すように、ガラスパネル6が凸部8に向けて押されてOリングが変形し、ガラスパネル6における凸部8と対向する端面6aが凸部8の一端面8a(ガラスパネル6と対向する面)に当接した状態で充填されている。
従来の耐圧防爆機器の表示部1は、気密性を高くするために、ポッティング材の充填範囲がガラスパネル6の端面6aに沿って径方向の内側に延びるように構成されている。すなわち、凸部8における環状溝10より径方向外側の外周部8bが環状溝10より径方向内側の内周部8cと較べてガラスパネル6との間隔が広くなるように形成され、この外周部8bとガラスパネル6の端面6aとによって挟まれた円環状空間12にもポッティング材が充填されている。
【0006】
蓋部材4を組み立てるためには、先ず、Oリング9を凸部8の環状溝10に挿入し、このOリング9の上にガラスパネル6を載置する。そして、ガラスパネル6を押圧してガラスパネル6の端面6aが凸部8の上述した内周部8cに当接している状態でポッティング材を注入する。その後、ポッティング材を加熱してポッティング層11として硬化させ、ばね部材7をカバー5に取付ける。ばね部材7は、板ばねからなり、ガラスパネル6を凸部8に向けて付勢する状態でカバー5の内周部に保持されている。
【0007】
特許文献1に示す表示部1においては、Oリング9とポッティング材とによってカバー5の内部と外部とが隔離されるから、防爆構造の要求を満たすこととなる。ポッティング材からなる封止部分は、防爆要件により、気泡や剥離、ひび割れなどが存在しない完全充填の状態でなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014−126426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されている製造方法では、硬化後のポッティング材中に完全に気泡等が残ることがないようにポッティング材の充填を行うことができず、不良品が発生するという問題があった。気泡や剥離、ひび割れは、ガラスパネル6と凸部8との間の円環状空間12に充填されたポッティング材中に顕著に現れることが分かった。
気泡や剥離、ひび割れは、図12に示すように生じる。図12において、符号13は、気泡や剥離が生じている部分を示し、符号14は、ひび割れが生じている部分を示す。
このような気泡や剥離、ひび割れが生じる原因は、ポッティング材の体積が硬化時に減少するからであると考えられる。ポッティング材は、硬化時に体積が約2%減少することが知られている。
【0010】
ポッティング材の体積は、室温の状態から加熱されて硬化するまでの間に図13(A)〜(D)に示すように変化する。図13(A)は、ポッティング材15が液状を維持する室温の状態を示し、図13(B)は、液体のポッティング材15が室温から硬化温度まで加熱された状態を示す。図13(C)は、ポッティング材が硬化温度に達してから約1時間保持されてポッティング層11として固化した状態を示す。図13(D)は、ポッティング層11が固化した後に硬化温度から室温まで冷却された後の状態を示す。
図13(A)〜(D)に示すように、ポッティング材15の体積は、硬化温度に達することにより増大し、硬化した後に温度が室温まで低下することにより減少する。
【0011】
上述した円環状空間12の壁の一部を構成するガラスパネル6は、図11に示すように、端面6aが凸部8の内周部8cに接触しているために、凸部8との間隔が狭くなる方向に変位することができない。このため、円環状空間12に充填されたポッティング材が硬化するときは、体積の減少が妨げられ、ポッティング材内で過大な応力が生じる。この応力を模式的に表現すると図14に示すようになる。図14においては、ポッティング材内に生じる過大な応力を矢印によって示している。このような過大な応力が気泡や剥離、ひび割れの原因であると考えられる。
【0012】
本発明は、このように気泡や剥離、ひび割れ等の発生原因を究明してなされたもので、ポッティング材が容易に収縮できる構成を採ることによりポッティング層中に気泡や剥離、ひび割れ等が生じることがない耐圧防爆機器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するために、本発明に係る耐圧防爆機器の製造方法は、本体と、一端が前記本体に取り付けられ、他端に軸線に向かって突出した凸部が形成された筒状のカバーを有する蓋部材とを備えた耐圧防爆機器の製造方法であって、前記凸部の前記一端側に位置する一端面に形成された環状の凹部にOリングを装着する装着ステップと、板状のガラスパネルを前記凸部の一端面に対向した状態で一定の間隔を保つように前記Oリングに当接させて載置するパネル配置ステップと、前記ガラスパネルの外周と前記カバーの内周面との間にポッティング材を充填する充填ステップと、前記充填ステップ完了後、ポッティング材を加熱硬化させる加熱硬化ステップとを有し、前記加熱硬化ステップ終了から所定時間経過後の前記ガラスパネルと前記凸部の一端面との距離が前記加熱硬化ステップ前の前記ガラスパネルと前記凸部の一端面との距離よりも短縮されている方法である。
本発明は、前記耐圧防爆機器の製造方法において、前記パネル配置ステップ以降の工程では、前記ガラスパネルを前記Oリングへ押圧する如何なる部材も使用しない方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る耐圧防爆機器の製造方法は、ポッティング材がガラスパネルと凸部の一端面との間で硬化するときの体積減少を許容する方法であるから、硬化時にポッティング材中に過大な応力が生じることはない。
したがって、本発明によれば、ポッティング材中に気泡や剥離、ひび割れ等が生じることがない耐圧防爆機器の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る耐圧防爆機器の製造方法によって製造される耐圧防爆機器の表示部を示す断面図である。
図2】表示部の一部を拡大して示す断面図である。図2は、ポッティング材が充填される以前の状態を示している。
図3】本発明に係る耐圧防爆機器の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図4】装着ステップを説明するための断面図である。
図5】パネル配置ステップを説明するための断面図である。
図6】充填ステップを説明するための断面図である。
図7】加熱硬化ステップを説明するための断面図である。
図8】硬化ステップ終了後の状態を説明するための要部の断面図である。
図9】ばね部材をカバーに組み付けるステップを説明するための断面図である。
図10】従来の耐圧防爆機器の製造方法によって製造される耐圧防爆機器の表示部を示す断面図である。
図11】表示部の一部を拡大して示す断面図である。
図12】ポッティング材の内部の顕微鏡写真である。
図13】ポッティング材の体積変化を説明するための模式図で、同図(A)は室温の状態を示し、同図(B)は硬化温度に上昇した状態を示し、同図(C)は硬化温度で所定時間保持された状態を示し、同図(D)は硬化温度から室温に低下した状態を示す。
図14】冷却時にポッティング材内で応力が生じている状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る耐圧防爆機器の製造方法の一実施の形態を図1図9によって詳細に説明する。
[耐圧防爆機器の構成]
この実施の形態で説明する耐圧防爆機器は、可燃性ガスや引火性液体などを取り扱う工場や事業所等に設置されるものである。この種の耐圧防爆機器としては、例えば防爆型の差圧発信器、ゲージ圧発信器、絶対圧発信器などが挙げられる。
図1に示す耐圧防爆機器21は、本体22と、この本体22に取付けられた蓋部材23とを備えている。本体22の内部には、LCD(Liquid Crystal Display)からなる表示素子24が設けられている。蓋部材23は、この表示素子24の表示を機器外部から視認できるようにするためのもので、詳細は後述するが、防爆構造が採られており、本体22を気密に封止している。
【0017】
蓋部材23は、円筒状に形成されて一端(図1においては上端)が本体22に取付けられたカバー25と、このカバー25の中空部に装着されたガラスパネル26およびばね部材27と、カバー25とガラスパネル26との間に充填されたポッティング層28などを備えている。なお、以下においてカバー25の軸線C2に沿う方向を特定するにあたっては、便宜上、図1において上側となる本体22側を上側とし、これとは反対側を下側として説明する。
【0018】
カバー25の上端部であって外周部分には、本体22に螺着される雄ねじ31が形成されている。この雄ねじ31よりカバー25の下側には第1のOリング32が装着されている。この第1のOリング32は、蓋部材23と本体22との間をシールするためのものである。
カバー25の上端部であって内周部分には、ばね部材27が係合する凹部33が形成されている。ばね部材27は、ガラスパネル26をカバー25の下側に向けて押圧する状態で凹部33に係合している。
【0019】
カバー25の下端部であって内周部分には、カバー25の軸線C2に向かって突出する内フランジ状の凸部34が設けられている。この凸部34の軸心部には円形の穴35が形成されている。
凸部34の上側は、図2に示すように、ガラスパネル26を指向する一端面36と、この一端面36に形成された環状溝37などによって構成されている。この実施の形態においては、環状溝37が本発明でいう「環状の凹部」に相当する。
【0020】
一端面36は、カバー25の軸線C2と直交する平坦面によって形成されている。
環状溝37は、第2のOリング38を保持するためのもので、カバー25と同一軸線上に位置付けられており、ガラスパネル26に向けて開口している。第2のOリング38は、凸部34とガラスパネル26との間をシールするためのものである。この実施の形態による一端面36は、環状溝37より径方向の内側に位置する内側端面36aと、環状溝37より径方向の外側に位置する外側端面36bとを有している。外側端面36bは、内側端面36aより所定寸法だけ下側に位置付けられている。この外側端面36bとガラスパネル26との間には、カバー25の内周面から径方向の内側に延びる円環状空間39が形成されている。
この実施の形態によるカバー25は、アルミダイカスト、もしくはステンレス鋼などの金属によって形成されている。
【0021】
ガラスパネル26は、外径がカバー25の内径よりも小さな円板状に形成されている。このようなガラスパネル26は、例えば、強化ガラスによって形成することができる。
ポッティング層28は、加熱されることにより硬化するポッティング材41(図6参照)を使用して形成されている。このポッティング材41の材料としては、例えばシリコーン樹脂などの公知のポッティング材料を使用することができる。
【0022】
[耐圧防爆機器の製造方法]
次に、本発明に係る耐圧防爆機器の製造方法を図3によって説明する。
この耐圧防爆機器の製造方法を実施するにあたっては、先ず、前準備として、ポッティング材41内に含まれる気泡を取り除くために、ポッティング材41を脱気する(ステップS1)。この脱気は、図示してはいないが、例えば、真空チャンバ内にポッティング材41を配置し、真空ポンプで真空チャンバ内を真空状態とすることにより行うことができる。
そして、カバー25と、ガラスパネル26と、ばね部材27と、第1および第2の0リング32,38の表面から油分を取り除く脱脂処理を行う(ステップS2)。
【0023】
次に、ステップS3において、図4に示すように、凸部34の上面に形成された環状溝37に第2のOリング38を装着する。このステップS3が本発明でいう「装着ステップ」に相当する。そして、図5に示すように、ガラスパネル26を、凸部34の一端面に対向した状態で一定の間隔を保つように、第2のOリング38に当接させて載置する(ステップS4)。ガラスパネル26を第2のOリング38に載せるにあたっては、例えば図示していない治具によってガラスパネル26を保持し、カバー5と同一軸線上に配置する。このステップS4が本発明でいう「パネル配置ステップ」に相当する。
【0024】
このようにガラスパネル26が配置された後、図6に示すように、ガラスパネル26の外周とカバー25の内周面との間に、ステップS1で脱気されたポッティング材41を充填する(ステップS5)。このとき、ポッティング材41は、ガラスパネル26の外周面とカバー25の内周面とを伝って流れ下り、円環状空間39に流入する。このステップS5が本発明でいう「充填ステップ」に相当する。
【0025】
ポッティング材41の充填が終了した後、ポッティング材41の未充填部分が残存することを防ぐために、カバー25を真空引きする(ステップS6)。この真空引きは、ステップS1でポッティング材41を脱気した場合と同様、カバー25を収容した真空チャンバ内を真空ポンプで真空状態とすることにより行われる。ここでは、5分以上の真空引きと大気開放とが2回以上繰り返される。この真空引きは、ガラスパネル26が第2のOリング38の上に載置されている状態、すなわち、第2のOリング38がガラスパネル26の重量のみで押されるような状態で行われる。
この真空引きにより、ポッティング材41の未充填部分をなくすことができる。
【0026】
次に、ガラスパネル26に付着したポッティング材41を拭き取り(ステップS7)、更に真空引きを1時間以上行う(ステップS8)。真空引きが終了した後、ポッティング材41に気泡が存在するか否か確認する(ステップS9)。
ポッティング材41に気泡が存在する場合(ステップS9:NO)、ポッティング材41を再注入し(ステップS10)、ステップS8の処理に戻る。
【0027】
一方、ポッティング材41に気泡が存在しない場合(ステップS9:YES)、ポッティング材41を加熱して硬化させる(ステップS11)。これにより、図7に示すように、ポッティング層28が形成される。なお、ポッティング材41の硬化は、例えば、ポッティング材41が充填されたカバー25を加熱炉(図示せず)に入れて加熱することにより行うことができる。このステップS11が本発明でいう「加熱硬化ステップ」に相当する。
このステップS11が終了するまで、ステップS4(パネル配置ステップ)以降の工程では、ガラスパネル26を第2のOリング38へ押圧する如何なる部材も使用していない。
【0028】
ポッティング層28が形成された後、このポッティング層28の状態を確認する(ステップS12)。このステップS12(確認ステップ)においては、先ず、ステップS11(加熱硬化ステップ)が終了して加熱炉から取り出されたカバー25を予め定めた時間だけ室温で保持する。そして、ユーザが目視により、ポッティング材41が固まっているか、気泡が存在していないか、ポッティング材41が剥がれていないかなどについて確認する。
【0029】
ポッティング材41は、硬化温度まで加熱されることにより固化し、硬化温度から室温まで低下する過程で体積が減少する。この実施の形態においては、ステップS12(確認ステップ)において予め定めた時間だけポッティング層28を室温で保持しているので、体積の減少が完了した状態で上記の確認を行うことができる。ここで、ポッティング材41の体積が減少するときのカバー25内の状態を図8によって説明する。
【0030】
ポッティング材41が加熱されて硬化した直後は、図8中に二点鎖線で示すように、ガラスパネル26が凸部34の内側端面36aから上側に距離Aだけ離間した位置にある。この状態においては、第2のOリング38は殆ど弾性変形していない。一方、固化したポッティング材41(ポッティング層28)が冷却されて体積が減少すると、図8中に実線で示すように、ガラスパネル26が収縮前の位置から距離Bだけ下がり、凸部34の内側端面36aから上側に距離Cだけ離間した位置に移動する。
【0031】
すなわち、加熱硬化ステップ終了から所定時間経過後のガラスパネル26と凸部34の一端面36(内側端面36a)との距離Cは、加熱硬化ステップ前のガラスパネル26と凸部34の一端面(内側端面36a)との距離Aよりも短縮される。例えば、距離Aが0.2mm程度であった場合、距離Bは0.08mm程度である。このガラスパネル26の移動に伴い、第2のOリング38がガラスパネル26によって押されて圧縮される。
【0032】
このようにポッティング層28の状態を確認した後、ばね部材27に潤滑材を散布し(ステップS13)、図9に示すように、ばね部材27をカバー25に組み付ける(ステップS14)。このばね部材27の組み付けは、ばね部材27をカバー25の上端側からカバー25の内部に入れた後、ばね部材27の縁部をばね部材27のばね力に抗してカバー25の凹部33に嵌め込むことにより行われる。これにより、ばね部材27がガラスパネル26を下側に向けて押圧するので、ガラスパネル26は、カバー25の内部に固定されることとなる。
【0033】
ばね部材27が組み付けられた後、ばね部材27が適切な状態で組み付けられているか否かを確認する(ステップS15)。この確認は、例えば、ユーザの目視により行われる。
ばね部材27が適切な状態で組み付けられていない場合(ステップS15:NO)、ユーザは、ばね部材27の組み付けられた状態を修正する(ステップS16)。
ばね部材27が適切な状態で組み付けられている場合(ステップS15:YES)、または、ばね部材27の組み付けられている状態を修正すると、ユーザは、ステップS17において、蓋部材23について最終確認を行う。これにより、蓋部材23が組み立てられることとなる。
【0034】
以上説明したように、この実施の形態による耐圧防爆機器の製造方法は、ポッティング材41がガラスパネル26と凸部34の一端面36との間で硬化するときの体積減少を許容する方法であるから、硬化時にポッティング材41中に過大な応力が生じることはない。
したがって、この実施の形態によれば、ポッティング材中に気泡や剥離、ひび割れ等が生じることがない耐圧防爆機器の製造方法を提供することができる。
【0035】
この実施の形態による耐圧防爆機器の製造方法は、ステップS4(パネル配置ステップ)以降の工程では、ガラスパネル26を第2のOリング38へ押圧する如何なる部材も使用しない方法である。このため、ガラスパネル26とカバー25の凸部34との間に形成されるポッティング材充填用の円環状空間39を可及的広く保つことができるから、この円環状空間39に充填されたポッティング材41から気泡が排出されるときの排出経路を広くすることができる。したがって、この実施の形態によれば、ポッティング材中の気泡が排出され易い耐圧防爆機器の製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0036】
1…表示部、22…本体、23…蓋部材、25…カバー、26…ガラスパネル、34…凸部、36…一端面、37…環状溝(環状の凹部)、38…第2のOリング(Oリング)、41…ポッティング材、S3…装着ステップ、S4…パネル配置ステップ、S5…充填ステップ、S11…加熱硬化ステップ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14