【解決手段】圧力センサにおける端子台24の基端部の下端面24TSが、ハウジング12の上端面12TSに、シリコーン系接着剤からなる環状の接着層10aにより接着され、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されるとともに、被覆層10bの上方には、空洞24A内の空気層が形成されるもとで、端子台24の基端部の下端面24TSと基端部の内周面24ISとが交わる環状の交線24EPが、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にあるもの。
圧力を検出し検出出力信号を送出するセンサチップと、センサチップからの信号を送出する少なくとも1本の出力用端子と、該出力用端子を支持するハーメチックガラスを含むハウジングと、前記出力用端子が突出するハーメチックガラスの端面を被覆する被覆層と、を含んでなるセンサユニットと、
前記ハウジングの端面に接着される接着面を有する端子整列部材と、前記センサユニットと、を収容するセンサユニット収容部と、を備え、
前記端子整列部材と前記被覆層との間に空洞部を有し、該端子整列部材の基端部の前記接着面と該基端部の内周面とが交わる環状の交線が、前記ハウジングの内周面の該端子整列部材に向って延びる延長面上、または、前記ハウジングの内周面から該ハウジングの端面に沿って離隔した位置に対向する位置にあることを特徴とする圧力センサ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2は、本発明に係る圧力センサの第1実施例の構成を概略的に示す。
【0016】
図2において、圧力センサは、圧力が検出されるべき流体が導かれる配管に接続される継手部材30と、継手部材30のベースプレート28に連結され後述するセンサユニットを収容しセンサチップからの検出出力信号を所定の圧力測定装置に供給するセンサユニット収容部と、を含んで構成されている。
【0017】
金属製の継手部材30は、上述の配管の接続部の雄ねじ部にねじ込まれる雌ねじ部30fsを内側に有している。雌ねじ部30fsは、矢印Pの示す方向から供給される流体を後述する圧力室28Aに導く継手部材30のポート30aに連通している。ポート30aの一方の開口端は、継手部材30のベースプレート28とセンサユニットのダイヤフラム32との間に形成される圧力室28Aに向けて開口している。
【0018】
センサユニット収容部の外郭部は、カバー部材としての円筒状の防水ケース20により形成されている。樹脂製の防水ケース20の下端部には、開口部20bが形成されている。内側となる開口部20bの周縁の段差部には、継手部材30のベースプレート28の周縁部が係合されている。
【0019】
圧力室28A内には、継手部材30のポート30aを通じて流体としての空気または液体が供給される。センサユニットのハウジング12の下端面は、ベースプレート28の周縁部に溶着されている。
【0020】
圧力室28A内の圧力を検出し検出出力信号を送出するセンサユニットは、円筒状のハウジング12と、圧力室28Aとハウジング12の内周部とを隔絶する金属製のダイヤフラム32と、複数の圧力検出素子を有するセンサチップ16と、接着剤層50を介してセンサチップ16を一端部で支持する金属製のチップマウント部材18と、センサチップ16に電気的に接続される入出力端子群40ai(i=1〜8)と、入出力端子群40aiおよびオイル充填用パイプ44をチップマウント部材18の外周面とハウジング12の内周面との間に固定するハーメチックガラス14と、を主な要素として含んで構成されている。
【0021】
ダイヤフラム32は、上述の圧力室28Aに向き合うハウジング12の一方の下端面に支持されている。圧力室28Aに配されるダイヤフラム32を保護するダイヤフラム保護カバー34は、複数の連通孔34aを有している。ダイヤフラム保護カバー34の周縁は、ダイヤフラム32の周縁とともに溶接によりステンレス鋼製のハウジング12の下端面に接合されている。
【0022】
金属製のダイヤフラム32と向かい合うセンサチップ16およびハーメチックガラス14の端面との間に形成される液封室13には、例えば、圧力伝達媒体として所定量のシリコーンオイルPM、または、フッ素系不活性液体がオイル充填用パイプ44を介して充填されている。なお、オイル充填用パイプ44の一方の端部は、オイル充填後、二点鎖線で示されるように、押し潰され閉塞される。
【0023】
シリコーンオイルは、例えば、シロキサン結合と有機質のメチル基とからなるジメチルポリシロキサン構造を持つシリコーンオイルとされる。フッ素系不活性液体は、例えば、パーフルオロカーボン構造をもつ液体、および、ハイドロフルオロエーテル構造をもつ液体、または、三フッ化塩化エチレンの低重合物であって、主鎖にフッ素および塩素が結合し、両端がフッ素、塩素の構造を有するものでもよい。
【0024】
ハーメチックガラス14の端部に形成される凹部に配されるセンサチップ16とダイヤフラム32との間には、さらに、金属製の電位調整部材17がハーメチックガラス14の下端面に支持されている。電位調整部材17は、例えば、特許第3987386号公報にも示されるような、連通孔を有しセンサチップ16の回路のゼロ電位に接続される端子に接続されている。
【0025】
入出力端子群40ai(i=1〜8)は、2本の電源用端子と、1本の出力用端子と、5本の調整用端子とから構成されている。各端子の両端部は、それぞれ、上述のハーメチックガラス14の端部に形成される凹部と後述する端子台24の孔とに向けて突出している。2本の電源用端子と、1本の出力用端子とは、接続端子36を介して各リード線38の芯線38aに接続されている。各リード線38は、所定の圧力測定装置に接続される。なお、
図2においては、8本の端子うちの4本の端子だけが示されている。入出力端子群40aiと後述するセンサチップ16との間は、ボンディングワイヤWiで接続されている。
【0026】
センサチップ16は、複数の圧力検出素子を有し、例えば、チップマウント部材18の一端部に接着剤層50を介して接着されている。
【0027】
入出力端子群40aiを整列させる端子台24は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台24は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔24bとともに、内側に所定の容積の空洞部24Aを有している(
図1参照)。所定の容積を有する空洞部24Aは、円筒状の基端部24PEの内周面24ISと、その基端部を連結する端子整列部24Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面とにより囲まれて形成されている。内周面24ISは、端子台24の基端部の下端面24TSと所定の角度で交差するように、所定の勾配を有している。上述の端子整列部24Tは、互いに離隔した複数個の孔24bを有し上述の基端部と直交するように一体に成形されている。接着面としての端子台24の基端部の下端面24TSは、ハウジング12の上端面12TSに、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aが、ハウジング12の上端面12TSに形成されることとなる。
【0028】
円筒状のハウジング12の上端面12TSにおける内周縁に近い部分には、所定の勾配を有する傾斜面12Cが形成されている。これにより、隙間が端子台24の基端部の下端面24TSと傾斜面12Cとの間に、形成される。傾斜面12Cの端と内周面12ISとが交わる環状の交線12EPは、ハーメチックガラス14の上端面14UEよりも高い位置に形成されている。
【0029】
その際、端子台24の基端部の下端面24TSと基端部の内周面24ISとが交わる環状の交線24EPは、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にある。
【0030】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。
【0031】
被覆層10bの厚さは、
図1に部分的に拡大されて示されるように、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部の内周面24ISに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞24A内の空気層が形成されている。上述したように、端子台24の基端部の下端面24TSと基端部の内周面24ISとが交わる環状の交線24EPは、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にあるので仮に、接着層10a内の空気、または、端子台24に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡AIとして被覆層10b内に発生した場合であっても、
図1における矢印で示されるように、気泡AIが被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bが固化する以前に、気泡AIが直上の空洞24A内の空気層内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡AIが固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0032】
また、ハウジング12の上端面12TSおよびハーメチックガラス14の上端面全体には、接着層10a、および、被覆層10bからなるシリコーン系接着層が静電気保護層として形成されることとなる。従って、このようにシリコーン系接着剤により静電気保護層が形成されることにより、ESD保護回路の有無に影響されることなく、センサユニットの静電気耐力が、向上することとなる。
【0033】
なお、被覆層10bは、ハーメチックガラス14の上端面全体に形成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、被覆層10bが、ハーメチックガラス14の上端面における入出力端子群40aiとハウジング12の内周面との間の環状領域CAだけに少なくとも形成されるように静電気保護層が構成されてもよい。
【0034】
上述のシリコーン系接着剤は、例えば、柔軟性のある付加型の一成分系であるものが好ましい。シリコーン系接着剤は、例えば、低分子シロキサン結合を有する接着剤とされる。また、シリコーン系接着剤とシリコーンオイルとが相性がよいのでシリコーン系接着剤にシリコーンオイル等が万一混じりあった場合であっても、シリコーン系接着剤の接着性が悪化する虞がない。
【0035】
端子整列部材としての端子台24の外周面、および、端子台24に連結され上述の端子整列部24Tの孔24bおよび端子台24の上部の開口端を覆うエンドキャップ22の外周面と防水ケース20の内周面との間、また、防水ケース20の内周面とハウジング12の外周面との間には、封止材26が、所定量、充填されている。端子台24およびエンドキャップ22は、上述のセンサユニットを挟んで継手部材30のベースプレート28と向き合って防水ケース20内に配置されている。
【0036】
エンドキャップ22の上端面は、防水ケース20の開口端から上方に向けて突出している。即ち、エンドキャップ22の上端面の位置は、防水ケース20の開口端面の位置よりも高い位置となる。
【0037】
上述の
図1に示される例においては、端子台24の内周面24ISは、端子台24の基端部の下端面24TSと所定の角度で交差するように、所定の勾配を有しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図3に部分的に拡大されて示されるように、端子台44の内周面44ISが、端子台44の基端部の下端面44TSと直交するように形成されてもよい。なお、
図3は、
図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0038】
図3において、入出力端子群40aiを整列させる端子台44は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台44は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔44bとともに、内側に所定の容積の空洞部44Aを有している。所定の容積を有する空洞部44Aは、円筒状の基端部44PEの内周面44ISと、その基端部を連結する端子整列部44Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面14UEとにより囲まれて形成されている。上述の端子整列部44Tは、互いに離隔した複数個の孔44bを有し上述の基端部と直交するように一体に成形されている。接着面としての端子台44の基端部の下端面44TSは、ハウジング12の上端面12TSに、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aが、ハウジング12の上端面12TSに形成されることとなる。
【0039】
その際、端子台44の基端部の下端面44TSと基端部の内周面44ISとが交わる環状の交線44EP1は、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にある。端子台44の内周面44ISにおける交線44EP1よりも上方の位置には、矩形状の横断面を有する凹部44Rが全周面にわたり連続して環状に形成されている。凹部44Rの開口端縁を形成する環状の交線44EP2、および、交線44EP3は、それぞれ、内周面44ISにおける交線44EP1の真上となる位置に形成されている。
【0040】
内周面44ISにおける交線44EP3よりも上方部分は、端子整列部44Tに連なっている。
【0041】
このように凹部44Rが端子台44の内周面44ISに形成されることにより、凹部44Rに起因した表面張力により、被覆層10bが内周面44IS全周にわたり広げられることとなる。なお、凹部44Rは、斯かる例に限られることなく、矩形状の横断面に代えて、V字状の横断面を有するものであってもよく、また、全周面にわたり、所定の間隔をもって分断されるように、形成されてもよい。また、凹部44Rに代えて、入出力端子群40aiに向けて突出する所定の高さの突起部が、内周面44ISに形成されてもよい。
【0042】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。被覆層10bの厚さは、
図3に部分的に拡大されて示されるように、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部の内周面44ISおよび凹部44Rに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞44A内の空気層が形成されている。上述したように、端子台44の基端部の下端面44TSと基端部の内周面44ISとが交わる環状の交線44EP1は、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にあるので仮に、接着層10a内の空気、または、端子台44に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡AIとして被覆層10b内に発生した場合であっても、
図3における矢印で示されるように、気泡AIが被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bの固化以前に、気泡AIが直上の空洞44A内の空気層内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡AIが固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0043】
さらに、上述した
図1に示される例に代えて、例えば、
図4に部分的に拡大されて示されるように、端子台54の大径部の内周面54IS1が、端子台54の基端部の下端面54TSと直交するように形成されるとともに、段差部54Rを介して小径部の内周面54TS2が形成されてもよい。なお、
図4は、
図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0044】
図4において、入出力端子群40aiを整列させる端子台54は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台54は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔54bとともに、内側に所定の容積の空洞部54Aを有している。所定の容積を有する空洞部54Aは、円筒状の基端部54PE
における大径部の内周面54IS1と、段差部54Rを介して小径部の内周面54IS2と、その基端部を連結する端子整列部54Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面14UEとにより囲まれて形成されている。段差部54Rの一端は、大径部の内周面54IS1の端に直交し、段差部54Rの他端は、小径部の内周面54IS2の下端と直交している。小径部の内周面54IS2の上端は、端子整列部54Tに連なっている。
【0045】
上述の端子整列部54Tは、互いに離隔した複数個の孔54bを有し上述の基端部と直交するように一体に成形されている。接着面としての端子台54の基端部の下端面54TSは、ハウジング12の上端面12TSに、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aが、ハウジング12の上端面12TSに形成されることとなる。
【0046】
その際、端子台54の基端部の下端面54TSと基端部における大径部の内周面54IS1とが交わる環状の交線54EP1は、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にある。端子台54の内周面54IS1における交線54EP1よりも上方の位置には、段差部54Rが全周面にわたり連続して形成されている。
【0047】
段差部54Rの他端と小径部の内周面54IS2の下端とが交差する交線54EP2は、交線54EP1の位置よりも入出力端子群40aiに向けて半径方向に飛び出た位置に形成されている。
【0048】
このように段差部54Rが端子台54の大径部の内周面54IS1の上端と小径部の内周面54IS2の下端との間に形成されることにより、段差部54Rに起因した表面張力により、被覆層10bが内周面54IS1全周にわたり広げられることとなる。なお、段差部54Rは、斯かる例に限られることなく、その代わりに、例えば、大径部の内周面54IS1の上端と小径部の内周面54IS2の下端とが、円弧面により連結されるように構成されてもよい。
【0049】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。被覆層10bの厚さは、
図4に部分的に拡大されて示されるように、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部の内周面54IS1および段差部54Rに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞54A内の空気層が形成されている。上述したように、端子台54の基端部の下端面54TSと基端部の内周面54IS1とが交わる環状の交線54EP1は、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にあるので仮に、接着層10a内の空気、または、端子台54内に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡AIとして被覆層10b内に発生した場合であっても、
図4における矢印で示されるように、気泡AIが被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bが固化する以前に、気泡AIが直上の空洞54A内の空気層内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡AIが固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0050】
上述の
図1、
図3、および、
図4に示される例においては、それぞれ、端子台の基端部の下端面と基端部における内周面とが交わる環状の交線が、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にあるように構成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図5に示されるように、端子台24´の基端部24´PEの環状の交線24´EPの位置が、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の位置から離隔した、ハウジング12の端面である傾斜面12Cのいずれかの部分の真上となる位置にあるように構成されてもよい。なお、
図5に示される例において、
図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付し、その重複説明を省略する。
【0051】
入出力端子群40aiを整列させる端子台24´は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台24´は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔24´bとともに、内側に所定の容積の空洞部24´Aを有している。所定の容積を有する空洞部24´Aは、円筒状の基端部24´PEの内周面24´ISと、その基端部24´PEを連結する端子整列部24´Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面とにより囲まれて形成されている。内周面24´ISは、端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSと交差している。上述の端子整列部24´Tは、互いに離隔した複数個の孔24´bを有し上述の基端部24´PEと直交するように一体に成形されている。接着面としての端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSは、ハウジング12の上端面12TSに、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aが、ハウジング12の上端面12TSに形成されることとなる。
【0052】
その際、端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSと基端部24´PEの内周面24´ISとが交わる環状の交線24´EPの位置は、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の位置から離隔したハウジング12の傾斜面12Cのいずれかの部分の真上となる位置にある。
【0053】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。
【0054】
被覆層10bの厚さは、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部24´PEの内周面24´ISに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞24´A内の空気層が形成されている。上述したように、端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSと基端部24´PEの内周面24´ISとが交わる環状の交線24´EPの位置は、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の位置から離隔したハウジング12の傾斜面12Cのいずれかの部分の真上となる位置にあるので仮に、接着層10a内の空気、または、端子台24´に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡AIとして被覆層10b内に発生した場合であっても、
図5における矢印で示されるように、気泡AIが被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bが固化する以前に、気泡AIが直上の空洞24´A内の空気層内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡AIが固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0055】
また、ハウジング12の上端面12TSおよびハーメチックガラス14の上端面全体には、接着層10a、および、被覆層10bからなるシリコーン系接着層が静電気保護層として形成されることとなる。従って、このようにシリコーン系接着剤により静電気保護層が形成されることにより、ESD保護回路の有無に影響されることなく、センサユニットの静電気耐力が、向上することとなる。
【0056】
なお、被覆層10bは、ハーメチックガラス14の上端面全体に形成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、被覆層10bが、ハーメチックガラス14の上端面における入出力端子群40aiとハウジング12の内周面との間の環状領域だけに少なくとも形成されるように静電気保護層が構成されてもよい。
【0057】
図6は、本発明に係る圧力センサの第2実施例の構成を概略的に示す。
【0058】
図6において、圧力センサは、圧力が検出されるべき流体が導かれる配管に接続される継手部材30と、継手部材30のベースプレート28に連結されセンサユニットを収容しセンサチップからの検出出力信号を所定の圧力測定装置に供給するセンサユニット収容部と、を含んで構成されている。
【0059】
なお、
図6において、
図2に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0060】
入出力端子群40aiを整列させる端子台64は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台64は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔とともに、内側に所定の容積の空洞部64Aを有している。所定の容積を有する空洞部64Aは、円筒状の基端部64PEの内周面64ISと、その基端部に連なる端子整列部64Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面14UEとにより囲まれて形成されている。上述の端子整列部64Tは、共通の円周上に互いに離隔した複数個の孔を有し上述の基端部と直交するように一体に成形されている。また、接続端子36が突出する端子台64の内周面64ISの一部と端子整列部64Tの端部との間には、連通孔64Hが形成されている。これにより、エンドキャップ22の内部空間と空洞部64Aとの間が、連通孔64Hを介して連通することとなる。さらに、端子整列部64Tにおける複数個の孔が形成される部分は、他の部分に対し窪んでいるので複数個の孔が形成される部分と端子台64の内周面64ISとの間には、溝部64Dが、複数個の孔が形成される部分を囲うように、端子整列部64Tに形成されている。逃げ部としての溝部64Dの両端は、連通孔64Hに向けて開口している。このように溝部64Dが端子整列部64Tの周囲に形成されることにより、仮に塗布される被覆層10bの量が増大した場合であっても、シリコーン系接着剤の内周面64ISに沿った這い上がりが回避される。
【0061】
内周面64ISは、端子台64の基端部の下端面と直交している。接着面としての端子台64の基端部の下端面は、ハウジング12の上端面12TSにシリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aが、ハウジング12の上端面12TSに形成されることとなる。
【0062】
円筒状のハウジング12の上端面12TSにおける内周縁に近い部分には、所定の勾配を有する傾斜面12Cが形成されている。これにより、隙間が、端子台64の基端部の下端面と傾斜面12Cとの間に形成される。傾斜面12Cの端と内周面12ISとが交わる環状の交線12EPは、ハーメチックガラス14の上端面14UEよりも高い位置に形成されている。
【0063】
その際、端子台64の基端部の下端面と基端部の内周面64ISとが交わる環状の交線64EPは、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にある。
【0064】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。被覆層10bの厚さは、
図6に示されるように、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部の内周面64ISに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞64A内の空気層が形成されている。また、空洞64A内の空気層は、連通孔64Hを介してエンドキャップ22内の空気層に連通している。
【0065】
上述したように、端子台64の環状の交線64EPは、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)の真上となる延長した面上にあるので仮に、接着層10a内の空気、または、端子台64に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡AIとして被覆層10b内に発生した場合であっても、気泡AIが被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bが固化する以前に気泡AIが直上の空洞64A内の空気層、および、連通孔64Hを介してエンドキャップ22内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡AIが固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0066】
また、ハウジング12の上端面12TSおよびハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、被覆層10a、および、被覆層10bからなるシリコーン系接着層が静電気保護層として形成されることとなる。従って、このようにシリコーン系接着剤により静電気保護層が形成されることにより、ESD保護回路の有無に影響されることなく、センサユニットの静電気耐力が、向上することとなる。
【0067】
なお、
図6に示される例においては、内周面64ISは、端子台64の基端部の下端面と直交しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図1に示されるように、内周面64ISが所定の勾配を有するものであってもよく、または、
図3に示されるような、凹部44Rが、内周面64ISに形成されても良い。さらにまた、
図4に示されるような段差部54Rが、内周面64ISに形成されても良い。以上の説明において、上述の圧力センサの一例を構成する構成要素の相対位置関係をあらわす「上下」の概念は、
図1乃至
図6に示される各構成要素の相対位置関係をあらわす「上下」に対応するものであり、圧力センサの一例における実際の設置、使用においては、圧力センサの構成要素の相対位置関係は、そのような「上下」の概念に限定されるものではない。
【0068】
上述の例においては、絶縁性接着剤としてシリコーン系接着剤について説明したが、本発明はシリコーン系接着剤に限らず、硬化する際に接着層内に気泡が発生する接着剤に対しても同等の効果を得ることができる。