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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-155623(P2018-155623A)
(43)【公開日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】圧力センサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/14 20060101AFI20180907BHJP
【FI】
   G01L19/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-53215(P2017-53215)
(22)【出願日】2017年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝本 和哉
(72)【発明者】
【氏名】穴井 大輔
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB20
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF38
2F055GG25
2F055HH08
(57)【要約】
【課題】圧力センサにおいて、絶縁性接着剤により静電気保護層が形成される場合、気泡が静電気保護層内に形成されることを抑制できること。
【解決手段】圧力センサにおける端子台24の基端部24PEの下端面24TSは、ハウジング12の上端面12TSに対し所定の角度をなす傾斜面を有し、下端面24TSの傾斜面とハウジング12の上端面12TSとの間に形成される隙間が、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)から離隔するにつれて徐々に大となるもの。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力を検出し検出出力信号を送出するセンサチップと、センサチップからの信号を送出する少なくとも1本の出力用端子と、該出力用端子を支持するハーメチックガラスを含むハウジングと、前記出力用端子が突出するハーメチックガラスの端面を被覆する被覆層と、を含んでなるセンサユニットと、
前記ハウジングの端面に接着される接着面を有する端子整列部材と、前記センサユニットと、を収容するセンサユニット収容部と、を備え、
該端子整列部材の接着面が、該接着面および前記ハウジングの端面相互間に所定の隙間を形成するように、該ハウジングの端面に対し傾斜し、該隙間が、前記ハウジングの内周面から離隔するにつれて大となることを特徴とする圧力センサ。
【請求項2】
空洞部が、前記端子整列部材と前記被覆層との間に形成されることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
【請求項3】
前記端子整列部材の接着面は、該接着面および前記ハウジングの端面相互間に所定の隙間を形成するように、該ハウジングの被接着面に当接される傾斜面を有することを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
【請求項4】
前記端子整列部材の接着面は、該接着面および前記ハウジングの端面相互間に所定の隙間を形成するように、該ハウジングの被接着面に当接される突起部を有することを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
【請求項5】
圧力を検出し検出出力信号を送出するセンサチップと、センサチップからの信号を送出する少なくとも1本の出力用端子と、該出力用端子を支持するハーメチックガラスを含むハウジングと、前記出力用端子が突出するハーメチックガラスの端面を被覆する被覆層と、を含んでなるセンサユニットと、
前記ハウジングの端面に接着される接着面を有する端子整列部材と、前記センサユニットと、を収容するセンサユニット収容部と、を備え、
前記端子整列部材の接着面は、該接着面および前記ハウジングの端面相互間に所定の隙間を形成するように位置出し部を備えることを特徴とする圧力センサ。
【請求項6】
接着層が、前記端子整列部材の外周面、および、前記ハウジングの被接着面に連なる平面に臨む部分に、さらに形成されることを特徴とする請求項1または請求項5記載の圧力センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサに関する。
【背景技術】
【0002】
液封型の半導体圧力センサに内蔵されるセンサユニットは、例えば、特許文献1に示されるように、継手部内に支持され圧力検出室と後述する液封室とを隔絶するダイヤフラムと、ダイヤフラムの上方に形成され圧力伝達媒体としてのシリコーンオイルを貯留する液封室と、液封室内に配されダイヤフラムを介しシリコーンオイルの圧力変動を検出するセンサチップと、センサチップを支持するチップマウント部材と、ハウジングの貫通孔におけるチップマウント部材の周囲を密封するハーメチックガラスと、センサチップからの出力信号の送出およびセンサチップへの電力供給を行う端子群とを主な要素として含んで構成されている。
【0003】
端子群を整列させる端子台は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主成分とする樹脂で成形されている。端子台は、端子群が挿入される複数個の孔とともに、内側に所定の容積の空洞部を有している。端子台の下端面は、ハウジングの上端面に、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層がハウジングの上端面に形成されることとなる。
【0004】
上述のようなセンサチップの内部回路は、静電気放電(ESD)に起因した高電圧により破壊される場合がある。上述のセンサユニットにおいては、例えば、上述の継手部およびエレメント本体からセンサチップに至る経路、あるいは、外部リード線および端子群からセンサチップに至る経路を通じて静電気放電に起因した高電圧がセンサチップの内部回路に印加される虞がある。このような場合の対策として、例えば、特許文献1に示されるように、シリコーン系接着剤からなる静電気保護層が被覆層および接着層により形成されている。即ち、シリコーン系接着剤からなる被覆層が、端子群が突出するハーメチックガラスの上端面全体に所定の厚さで形成されている。また、上述の環状の接着層が、ハウジングの上端面に形成されている。
【0005】
このようにシリコーン系接着剤により静電気保護層が形成されることにより、ESD保護回路の有無に影響されることなく、センサユニットの静電気耐力が、向上することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2015/194105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の端子台の下端面が、ハウジングの上端面にシリコーン系接着剤により接着される場合、接着剤の種類によって所定の温度まで加熱される。このような場合、ポリブチレンテレフタレートで成形された端子台において、雰囲気中から内部に取り込まれた水分が加熱により気化し気泡となって端子台から外部に出る虞がある。これにより、端子台から外部に出た気泡が、ハウジングの上端面に隣接した端子台の下端面とハーメチックガラスの上端面との間に、滞留し、接着層および被覆層が固化したとき、気泡が被覆層内に取り込まれる。その結果、その気泡によって被覆層の膜厚の薄い部分が部分的に形成されることとなる。
【0008】
また、端子台の接着面とハウジングの上端面(被接着面)との間の表面あらさに起因した微細な凹部内の空気が、加熱により端子台の接着面とハウジングの上端面との間から被覆層内に押し出される。その結果、接着層および被覆層が固化したとき、気泡が被覆層内に取り込まれるので気泡によって被覆層の膜厚の薄い部分が形成されることとなる。
【0009】
従って、固化した被覆層内に複数の気泡が形成されることによって、被覆層の膜厚の薄い部分が部分的に形成されることにより、センサユニットの静電気耐力が、低下する虞がある。
【0010】
以上の問題点を考慮し、本発明は、圧力センサであって、絶縁性接着剤により静電気保護層が形成される場合、気泡が静電気保護層内に形成されることを抑制できる圧力センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するために、本発明に係る圧力センサは、圧力を検出し検出出力信号を送出するセンサチップと、センサチップからの信号を送出する少なくとも1本の出力用端子と、出力用端子を支持するハーメチックガラスを含むハウジングと、出力用端子が突出するハーメチックガラスの端面を被覆する被覆層と、を含んでなるセンサユニットと、ハウジングの端面に接着される接着面を有する端子整列部材と、センサユニットと、を収容するセンサユニット収容部と、を備え、端子整列部材の接着面が、接着面およびハウジングの端面相互間に所定の隙間を形成するように、ハウジングの端面に対し傾斜し、隙間が、ハウジングの内周面から離隔するにつれて大となることを特徴とする。
【0012】
また、空洞部が、端子整列部材と被覆層との間に形成されるものであってもよい。端子整列部材の接着面は、接着面およびハウジングの端面相互間に所定の隙間を形成するように、ハウジングの傾斜面に当接される傾斜面を有するものでもよい。端子整列部材の接着面は、接着面およびハウジングの端面相互間に所定の隙間を形成するように、ハウジングの傾斜面に当接される突起部を有するものでもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る圧力センサは、圧力を検出し検出出力信号を送出するセンサチップと、センサチップからの信号を送出する少なくとも1本の出力用端子と、出力用端子を支持するハーメチックガラスを含むハウジングと、出力用端子が突出するハーメチックガラスの端面を被覆する被覆層と、を含んでなるセンサユニットと、ハウジングの端面に接着される接着面を有する端子整列部材と、センサユニットと、を収容するセンサユニット収容部と、を備え、端子整列部材の接着面は、接着面およびハウジングの端面相互間に所定の隙間を形成するように位置出し部を備えることを特徴とする。
【0014】
接着層が、端子整列部材の外周面、および、ハウジングの被接着面に連なる平面に臨む部分に、さらに形成されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る圧力センサによれば、端子整列部材の接着面が、ハウジングの端面相互間に所定の隙間を形成するように、ハウジングの端面に対し傾斜し、隙間が、ハウジングの内周面から離隔するにつれて大となるので接着面に滞留する空気が外部に放出され、従って、絶縁性接着剤により静電気保護層が形成される場合、気泡が静電気保護層内に形成されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る圧力センサの一例のセンサユニットの要部を、部分的に拡大して示す部分断面図である。
図2】本発明に係る圧力センサの一例の構成を示す断面図である。
図3】(A)は、図2に示される圧力センサに用いられる端子台の他の一例の要部を部分的に拡大して示す部分断面図であり、(B)は、(A)に示される端子台の下面図である。
図4】(A)、(B)、および、(C)は、それぞれ、図2に示される圧力センサに用いられる端子台のさらなる他の一例の要部を部分的に拡大して示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2は、本発明に係る圧力センサの一例の構成を概略的に示す。
【0018】
図2において、圧力センサは、圧力が検出されるべき流体が導かれる配管に接続される継手部材30と、継手部材30のベースプレート28に連結され後述するセンサユニットを収容しセンサチップからの検出出力信号を所定の圧力測定装置に供給するセンサユニット収容部と、を含んで構成されている。
【0019】
金属製の継手部材30は、上述の配管の接続部の雄ねじ部にねじ込まれる雌ねじ部30fsを内側に有している。雌ねじ部30fsは、矢印Pの示す方向から供給される流体を後述する圧力室28Aに導く継手部材30のポート30aに連通している。ポート30aの一方の開口端は、継手部材30のベースプレート28とセンサユニットのダイヤフラム32との間に形成される圧力室28Aに向けて開口している。
【0020】
センサユニット収容部の外郭部は、カバー部材としての円筒状の防水ケース20により形成されている。防水ケース20は、センサユニット、および、センサユニットの周囲に充填される封止材26が配される収容空間20Aを内側に有している。
【0021】
樹脂製の防水ケース20の下端部には、開口部20bが形成されている。内側となる開口部20bの周縁の段差部には、継手部材30のベースプレート28の周縁部が溶着されている。
【0022】
圧力室28A内には、継手部材30のポート30aを通じて流体としての気体または液体、あるいは、冷媒が供給される。センサユニットのハウジング12の下端面は、ベースプレート28の周縁部に溶着されている。
【0023】
圧力室28A内の圧力を検出し検出出力信号を送出するセンサユニットは、円筒状のハウジング12と、圧力室28Aとハウジング12の内周部とを隔絶する金属製のダイヤフラム32と、複数の圧力検出素子を有するセンサチップ16と、接着剤層50を介してセンサチップ16を一端部で支持する金属製のチップマウント部材18と、センサチップ16に電気的に接続される入出力端子群40ai(i=1〜8)と、入出力端子群40aiおよびオイル充填用パイプ44をチップマウント部材18の外周面とハウジング12の内周面との間に固定するハーメチックガラス14と、を主な要素として含んで構成されている。
【0024】
ダイヤフラム32は、上述の圧力室28Aに向き合うハウジング12の一方の下端面に支持されている。圧力室28Aに配されるダイヤフラム32を保護するダイヤフラム保護カバー34は、複数の連通孔34aを有している。ダイヤフラム保護カバー34の周縁は、ダイヤフラム32の周縁とともに溶接によりステンレス鋼製のハウジング12の下端面に接合されている。
【0025】
金属製のダイヤフラム32と向かい合うセンサチップ16およびハーメチックガラス14の端面との間に形成される液封室13には、例えば、圧力伝達媒体として所定量のシリコーンオイルPM、または、フッ素系不活性液体がオイル充填用パイプ44を介して充填されている。なお、オイル充填用パイプ44の一方の端部は、オイル充填後、二点鎖線で示されるように、押し潰され閉塞される。
【0026】
シリコーンオイルは、例えば、シロキサン結合と有機質のメチル基とからなるジメチルポリシロキサン構造を持つシリコーンオイルとされる。フッ素系不活性液体は、例えば、パーフルオロカーボン構造をもつ液体、および、ハイドロフルオロエーテル構造をもつ液体、または、三フッ化塩化エチレンの低重合物であって、主鎖にフッ素および塩素が結合し、両端がフッ素、塩素の構造を有するものでもよい。
【0027】
ハーメチックガラス14の端部に形成される凹部に配されるセンサチップ16とダイヤフラム32との間には、さらに、金属製の電位調整部材17がハーメチックガラス14の下端面に支持されている。電位調整部材17は、例えば、特許第3987386号公報にも示されるような、連通孔を有しセンサチップ16の回路のゼロ電位に接続される端子に接続されている。
【0028】
入出力端子群40ai(i=1〜8)は、2本の電源用端子と、1本の出力用端子と、5本の調整用端子とから構成されている。各端子の両端部は、それぞれ、上述のハーメチックガラス14の端部に形成される凹部と後述する端子台24の孔24bとに向けて突出している。2本の電源用端子と、1本の出力用端子とは、接続端子36を介して各リード線38の芯線38aに接続されている。各リード線38は、所定の圧力測定装置に接続される。なお、図2においては、8本の端子うちの4本の端子だけが示されている。入出力端子群40aiと後述するセンサチップ16との間は、ボンディングワイヤWiで接続されている。
【0029】
センサチップ16は、複数の圧力検出素子を有し、例えば、チップマウント部材18の一端部に接着剤層50を介して接着されている。
【0030】
入出力端子群40aiを整列させる端子台24は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台24は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔24bとともに、内側に所定の容積の空洞部24Aを有している(図1参照)。所定の容積を有する空洞部24Aは、円筒状の基端部24PEの内周面24ISと、その基端部24PEを連結する端子整列部24Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面とにより囲まれて形成されている。内周面24ISは、端子台24の基端部24PEの下端面24TSと所定の角度で交差するように、所定の勾配を有している。上述の端子整列部24Tは、互いに離隔した複数個の孔24bを有し上述の基端部24PEと直交するように一体に成形されている。
【0031】
端子整列部24Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う内周面には、ハーメチックガラス14に向けて突出する環状の突起部24dが形成されている。突起部24dの突出長さは、被覆層10bの粘性等に応じて設定されている。このように環状の突起部24dが形成されることにより、被覆層10bが形成されるとき、塗布された被覆層10bの一部が、表面張力により突起部24dと端子台24の空洞部を形成する内周面であってハーメチックガラス14の上端面14UEに略直交する内周面との間の狭い空間内に引っ張られ保持されるので被覆層10bが端子台24の空洞部内における一方側に偏ることなく均一に塗布されることとなる。
【0032】
接着面としての端子台24の基端部24PEの下端面24TSは、ハウジング12の上端面12TSに対し所定の角度をなす傾斜面を有している。その傾斜面は、ハウジング12の上端面12TSの端と内周面12ISとが交わる環状の交線12EPで当接されている。
【0033】
下端面24TSの傾斜面とハウジング12の上端面12TSとの間に形成される隙間は、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)から離隔するにつれて徐々に大となる。端子台24の基端部24PEの下端面24TSは、被接着面としてのハウジング12の上端面12TSに、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aおよび接着層10cが、ハウジング12の上端面12TSに形成されることとなる。
【0034】
ハウジング12の上端面12TSの端と内周面12ISとが交わる環状の交線12EPは、ハーメチックガラス14の上端面14UEよりも高い位置に形成されている。
【0035】
その際、端子台24の基端部24PEの下端面24TSと基端部24PEの内周面24ISとが交わる環状の交線24EPの位置は、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)よりも入出力端子群40aiに近い位置とされる。
【0036】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。
【0037】
被覆層10bの厚さは、図1に部分的に拡大されて示されるように、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部24PEの内周面24ISに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞24A内の空気層が形成されている。
【0038】
圧力センサにおいて、端子台24が、ハーメチックガラス14および入出力端子群40aiなどが一体とされたハウジング12に接着される場合、例えば、端子台24およびハウジング12が防水ケース20内に未だ装着されていない状態で行われる。上述の接着層10aおよび接着層10c、被覆層10bが形成されるにあたっては、所定量のシリコーン系接着剤がハーメチックガラス14の上端面およびハウジング12の内周縁近傍に塗布された後、端子台24の基端部24PEの下端面24TSがハウジング12の上端面12TSに載置される。これにより、ハーメチックガラス14の上端面およびハウジング12の内周縁近傍に塗布された接着剤の一部が、端子台24の基端部24PEの下端面24TSで押圧され、ハウジング12の上端面12TSにおける端子台24の基端部24PEの外周面に押し出される。そして、端子台24およびシリコーン系接着剤が、所定の温度で加熱されることにより、固化した接着層10aおよび接着層10c、被覆層10bが形成される。接着層10cが形成されることにより、接着剤の塗布の有無、および、接着剤の硬化状態の確認が可能となる。
【0039】
上述したように、下端面24TSの傾斜面とハウジング12の上端面12TSとの間に形成される隙間は、ハウジング12の内周面12IS(交線12EP)から離隔するにつれて徐々に大となるように形成されているので図1に示される矢印の示す方向に、接着層10a内の空気がその隙間を通じて容易に雰囲気中に押し出されるとともに、接着層10c内の空気が雰囲気中に放出される。また、仮に、雰囲気中から端子台24に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡として被覆層10b内に発生した場合であっても、気泡が被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bが固化する以前に、気泡が直上の空洞24A内の空気層内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡が固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0040】
また、ハウジング12の上端面12TSおよびハーメチックガラス14の上端面全体には、接着層10a、被覆層10b、および、接着層10cからなるシリコーン系接着層が静電気保護層として形成されることとなる。従って、このようにシリコーン系接着剤により静電気保護層が形成されることにより、ESD保護回路の有無に影響されることなく、センサユニットの静電気耐力が、向上することとなる。
【0041】
なお、被覆層10bは、ハーメチックガラス14の上端面全体に形成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、被覆層10bが、ハーメチックガラス14の上端面における入出力端子群40aiとハウジング12の内周面12ISとの間の環状領域CAだけに少なくとも形成されるように静電気保護層が構成されてもよい。
【0042】
上述のシリコーン系接着剤は、例えば、柔軟性のある付加型の一成分系であるものが好ましい。シリコーン系接着剤は、例えば、低分子シロキサン結合を有する接着剤とされる。また、シリコーン系接着剤とシリコーンオイルとが相性がよいのでシリコーン系接着剤にシリコーンオイル等が万一混じりあった場合であっても、シリコーン系接着剤の接着性が悪化する虞がない。
【0043】
端子整列部材としての端子台24の外周面、および、端子台24に連結され上述の端子整列部24Tの孔24bおよび端子台24の上部の開口端を覆うエンドキャップ22の外周面と防水ケース20の内周面との間、また、防水ケース20の内周面とハウジング12の外周面との間には、封止材26が、所定量、充填されている。端子台24およびエンドキャップ22は、上述のセンサユニットを挟んで継手部材30のベースプレート28と向き合って防水ケース20内に配置されている。
【0044】
エンドキャップ22の上端面は、防水ケース20の開口端から上方に向けて突出している。即ち、エンドキャップ22の上端面の位置は、防水ケース20の開口端面の位置よりも高い位置となる。
【0045】
上述の図1に示される例においては、端子台24の下端面24TSの傾斜面とハウジング12の上端面12TSとが、ハウジング12の上端面12TSの端と内周面12ISとが交わる環状の交線12EPで当接されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、図3(A)および(B)に示されるように、端子台24´の下端面24´TSが位置出し部24´Pで被接着面としてのハウジング12´の上端面12´TSで当接されるように構成されてもよい。なお、図3(A)において、図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0046】
入出力端子群40aiを整列させる端子台24´は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台24´は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔24´bとともに、内側に所定の容積の空洞部24´Aを有している。所定の容積を有する空洞部24´Aは、円筒状の基端部24´PEの内周面24´ISと、その基端部24´PEを連結する端子整列部24´Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面14UEとにより囲まれて形成されている。内周面24´ISは、端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSと所定の角度で交差するように、所定の勾配を有している。上述の端子整列部24´Tは、互いに離隔した複数個の孔24´bを有し上述の基端部24´PEと直交するように一体に成形されている。
【0047】
端子整列部24´Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う内周面には、ハーメチックガラス14に向けて突出する環状の突起部24´dが形成されている。突起部24´dの突出長さは、被覆層10bの粘性等に応じて設定されている。このように環状の突起部24´dが形成されることにより、被覆層10bが形成されるとき、塗布された被覆層10bの一部が、表面張力により突起部24´dと端子台24´の空洞部を形成する内周面であってハーメチックガラス14の上端面14UEに略直交する内周面との間の狭い空間内に引っ張られ保持されるので被覆層10bが端子台24´の空洞部内における一方側に偏ることなく均一に塗布されることとなる。
【0048】
接着面としての端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSは、図3(B)に示されるように、外周縁近傍4箇所に90°間隔で位置出し部24´Pを有している。略長方形の位置出し部24´Pは、所定の高さを有しハウジング12´の上端面12´TSに当接されている。これにより、位置出し部24´P相互間には、所定の隙間が、下端面24´TSとハウジング12´の上端面12´TSとの間に形成されることとなる。
【0049】
円筒状のハウジング12´の上端面12´TSにおける内周縁に近い部分には、被接着面としての所定の勾配を有する傾斜面12´Cが形成されている。これにより、隙間が、端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSと傾斜面12´Cとの間にも、形成される。傾斜面12´Cの端と内周面12´ISとが交わる環状の交線12´EPは、ハーメチックガラス14の上端面14UEよりも高い位置に形成されている。
【0050】
その際、端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSと基端部24´PEの内周面24´ISとが交わる環状の交線24´EPは、ハウジング12´の内周面12´IS(交線12´EP)の真上となる位置よりもよりも入出力端子群40aiに近い位置とされる。
【0051】
端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSは、ハウジング12´の上端面12´TSに、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aおよび接着層10cが、ハウジング12´の上端面12´TSに形成されることとなる。
【0052】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。
【0053】
被覆層10bの厚さは、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部24´PEの内周面24´ISに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞24´A内の空気層が形成されている。
【0054】
上述したように、下端面24´TSとハウジング12´の上端面12´TSとの間に形成される隙間は、位置出し部24´P相互間に形成されるので図3(A)に示される矢印の示す方向に、接着層10a内の空気がその隙間を通じて容易に雰囲気中に押し出されるとともに、接着層10c内の空気が雰囲気中に放出される。また、仮に、雰囲気中から端子台24´に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡として被覆層10b内に発生した場合であっても、気泡が被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bが固化する以前に、気泡が直上の空洞24´A内の空気層内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡が固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0055】
ハウジング12´の上端面12´TSおよびハーメチックガラス14の上端面全体には、接着層10a、被覆層10b、および、接着層10cからなるシリコーン系接着層が静電気保護層として形成されることとなる。従って、このようにシリコーン系接着剤により静電気保護層が形成されることにより、ESD保護回路の有無に影響されることなく、センサユニットの静電気耐力が、向上することとなる。
【0056】
さらに、図3(A)に示される例においては、隙間が、端子台24´の基端部24´PEの下端面24´TSと傾斜面12´Cとの間にも、形成されるように構成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、図4(A)に示されるように、端子台44の基端部の下端面44TSの第2の斜面44S2が、被接着面としてのハウジング12´の傾斜面12´Cに当接されるように構成されてもよい。なお、図4(A)において、図3(A)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0057】
図4(A)において、入出力端子群40aiを整列させる端子台44は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台44は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔44bとともに、内側に所定の容積の空洞部44Aを有している。所定の容積を有する空洞部44Aは、円筒状の基端部44PEの内周面44ISと、その基端部44PEを連結する端子整列部44Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面とにより囲まれて形成されている。内周面44ISは、端子台44の基端部44PEの下端面44TSと所定の角度で交差するように、所定の勾配を有している。上述の端子整列部44Tは、互いに離隔した複数個の孔44bを有し上述の基端部44PEと直交するように一体に成形されている。
【0058】
端子整列部44Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う内周面には、ハーメチックガラス14に向けて突出する環状の突起部44dが形成されている。突起部44dの突出長さは、被覆層10bの粘性等に応じて設定されている。このように環状の突起部44dが形成されることにより、被覆層10bが形成されるとき、塗布された被覆層10bの一部が、表面張力により突起部44dと端子台44の空洞部を形成する内周面であってハーメチックガラス14の上端面14UEに略直交する内周面との間の狭い空間内に引っ張られ保持されるので被覆層10bが端子台44の空洞部内における一方側に偏ることなく均一に塗布されることとなる。
【0059】
接着面としての端子台44の基端部44PEの下端面44TSは、ハウジング12´の上端面12´TSに対し所定の角度をなす第1の斜面44S1と、第1の斜面44S1に連なる第2の斜面44S2とを有している。第2の斜面44S2のハウジング12´の上端面12´TSに対する角度は、第1の斜面44S1のハウジング12´の上端面12´TSに対する角度に比して大に設定されている。
【0060】
その際、端子台44の基端部44PEの下端面44TSと基端部44PEの内周面44ISとが交わる環状の交線44EPは、ハウジング12´の内周面12´IS(交線12´EP)の真上となる位置よりもよりも入出力端子群40aiに近い位置とされる。
【0061】
端子台44の基端部44PEの下端面44TSは、被接着面としてのハウジング12´の上端面12´TSに、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aおよび接着層10cが、ハウジング12´の上端面12´TSに形成されることとなる。
【0062】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UE全体には、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。
【0063】
被覆層10bの厚さは、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部44PEの内周面44ISに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞44A内の空気層が形成されている。
【0064】
上述したように、ハーメチックガラス14の上端面に塗布された接着剤の一部が、端子台44の基端部44PEの下端面44TSで押圧され、ハウジング12´の上端面12´TSにおける端子台44の基端部44PEの外周面に押し出されるので接着層10a内の空気がその隙間を通じて容易に雰囲気中に押し出されるとともに、接着層10c内の空気が雰囲気中に放出される。また、仮に、雰囲気中から端子台44に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡として被覆層10b内に発生した場合であっても、気泡が被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bが固化する以前に、気泡が直上の空洞44A内の空気層内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡が固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0065】
さらにまた、図4(A)に示される例においては、端子台44の基端部の下端面44TSの第2の斜面44S2が、被接着面としてのハウジング12´の傾斜面12´Cに当接されるように構成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、図4(B)に示されるように、端子台54の基端部54PEの下端面54TSの傾斜した内側端縁54Pが、被接着面としてのハウジング12´の傾斜面12´Cに当接されるように構成されてもよい。なお、図4(B)において、図4(A)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0066】
図4(B)において、入出力端子群40aiを整列させる端子台54は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台54は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔54bとともに、内側に所定の容積の空洞部54Aを有している。所定の容積を有する空洞部54Aは、円筒状の基端部54PEの内周面54ISと、その基端部54PEを連結する端子整列部54Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面とにより囲まれて形成されている。内周面54ISは、端子台54の基端部54PEの下端面54TSと所定の角度で交差するように、所定の勾配を有している。上述の端子整列部54Tは、互いに離隔した複数個の孔54bを有し上述の基端部54PEと直交するように一体に成形されている。
【0067】
端子台54の基端部54PEは、接着面としてのハウジング12´の上端面12´TSに対し略平行な下端面54TSと、下端面54TSに連なり下端面54TSに対し所定の角度をなす内側端縁54Pとを有している。
【0068】
その際、端子台54の基端部54PEの下端面54TSに連なる内側端縁54Pと基端部54PEの内周面54ISとが交わる環状の交線54EPの位置は、ハウジング12´の内周面12´IS(交線12´EP)の真上となる位置近傍とされる。
【0069】
端子台54の基端部54PEの下端面54TSは、ハウジング12´の上端面12´TSに、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aおよび接着層10cが、ハウジング12´の上端面12´TSに形成されることとなる。
【0070】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UEには、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。
【0071】
被覆層10bの厚さは、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部54PEの内周面54ISに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞54A内の空気層が形成されている。
【0072】
上述したように、ハーメチックガラス14の上端面に塗布された接着剤の一部が、端子台54の基端部54PEの下端面54TSで押圧され、ハウジング12´の上端面12´TSにおける端子台54の基端部54PEの外周面に押し出されるので接着層10a内の空気がその隙間を通じて容易に雰囲気中に押し出されるとともに、接着層10c内の空気が雰囲気中に放出される。また、仮に、雰囲気中から端子台54に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡として被覆層10b内に発生した場合であっても、気泡が被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bが固化する以前に、気泡が直上の空洞54A内の空気層内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡が固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0073】
図4(B)に示される例においては、端子台54の基端部54PEの下端面54TSの傾斜した内側端縁54Pが、被接着面としてのハウジング12´の傾斜面12´Cに当接されるように構成されているが、その代わりに、例えば、図4(C)に示されるように、端子台64の基端部64PEの下端面64TSの端に形成される突起部64Pが、被接着面としてのハウジング12´の傾斜面12´Cに当接されるように構成されてもよい。なお、図4(C)において、図4(B)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0074】
入出力端子群40aiを整列させる端子台64は、樹脂材料、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主な成分として成形されている。端子台64は、入出力端子群40aiが挿入される複数個の孔64bとともに、内側に所定の容積の空洞部64Aを有している。所定の容積を有する空洞部64Aは、円筒状の基端部64PEの内周面64ISと、その基端部64PEを連結する端子整列部64Tにおけるハーメチックガラス14の上端面14UEに向き合う面と、ハーメチックガラス14の上端面14UEとにより囲まれて形成されている。内周面64ISは、端子台64の基端部64PEの下端面64TSと所定の角度で交差するように、所定の勾配を有している。上述の端子整列部64Tは、互いに離隔した複数個の孔64bを有し上述の基端部64PEと直交するように一体に成形されている。
【0075】
端子台64の基端部64PEは、接着面としてのハウジング12´の上端面12´TSに対し略平行な下端面64TSと、下端面64TSに連なり下端面64TSの端に対し上端面12´TSに向けて突出する突起部64Pとを有している。
【0076】
その際、端子台64の基端部64PEの下端面64TSに連なる突起部64Pと基端部64PEの内周面64ISとが交わる環状の交線64EPの位置は、ハウジング12´の内周面12´IS(交線12´EP)の真上となる位置近傍とされる。
【0077】
端子台64の基端部64PEの下端面64TSは、ハウジング12´の上端面12´TSに、シリコーン系接着剤により接着されている。これにより、所定の厚さを有する環状の接着層10aおよび接着層10cが、被接着面としてのハウジング12´の上端面12´TSに形成されることとなる。
【0078】
また、入出力端子群40aiが突出するハーメチックガラス14の上端面14UEには、シリコーン系接着剤からなる被覆層10bが所定の厚さで形成されている。
【0079】
被覆層10bの厚さは、入出力端子群40aiの周囲から離隔し基端部64PEの内周面64ISに近づくにつれて入出力端子群40aiの周囲の厚さに比して徐々に大となっている。被覆層10bの上方には、空洞64A内の空気層が形成されている。
【0080】
上述したように、ハーメチックガラス14の上端面に塗布された接着剤の一部が、端子台64の基端部64PEの下端面64TSで押圧され、ハウジング12´の上端面12´TSにおける端子台64の基端部64PEの外周面に押し出されるので接着層10a内の空気がその隙間を通じて容易に雰囲気中に押し出されるとともに、接着層10c内の空気が雰囲気中に放出される。また、仮に、雰囲気中から端子台64に取り込まれた水分が加熱により気化され空気が被覆層10b内に押し出され、そのような空気が気泡として被覆層10b内に発生した場合であっても、気泡が被覆層10b内に滞留することなく、被覆層10bが固化する以前に、気泡が直上の空洞64A内の空気層内に導かれることとなる。従って、被覆層10bが固化した場合、センサユニットの静電気耐力が、低下するような所定量以上の気泡が固化した被覆層10b内に取り込まれる虞がない。
【0081】
以上の説明において、上述の圧力センサの一例を構成する構成要素の相対位置関係をあらわす「上下」の概念は、図1乃至図4に示される各構成要素の相対位置関係をあらわす「上下」に対応するものであり、圧力センサの一例における実際の設置、使用においては、圧力センサの構成要素の相対位置関係は、そのような「上下」の概念に限定されるものではない。
【0082】
上述の例においては、絶縁性接着剤としてシリコーン系接着剤について説明したが、本発明はシリコーン系接着剤に限らず、硬化する際に接着層内に気泡が発生する接着剤に対しても同等の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0083】
10a、10c 接着層
10b 被覆層
12、12´ ハウジング
14 ハーメチックガラス
24、24´、44、54、64 端子台
図1
図2
図3
図4