特開2018-156083(P2018-156083A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッドの特許一覧
特開2018-156083フォトニック素子を組み込む眼用デバイス
<>
  • 特開2018156083-フォトニック素子を組み込む眼用デバイス 図000003
  • 特開2018156083-フォトニック素子を組み込む眼用デバイス 図000004
  • 特開2018156083-フォトニック素子を組み込む眼用デバイス 図000005
  • 特開2018156083-フォトニック素子を組み込む眼用デバイス 図000006
  • 特開2018156083-フォトニック素子を組み込む眼用デバイス 図000007
  • 特開2018156083-フォトニック素子を組み込む眼用デバイス 図000008
  • 特開2018156083-フォトニック素子を組み込む眼用デバイス 図000009
  • 特開2018156083-フォトニック素子を組み込む眼用デバイス 図000010
  • 特開2018156083-フォトニック素子を組み込む眼用デバイス 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-156083(P2018-156083A)
(43)【公開日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】フォトニック素子を組み込む眼用デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20180907BHJP
   G02F 1/01 20060101ALI20180907BHJP
   G02B 26/02 20060101ALI20180907BHJP
【FI】
   G02C7/04
   G02F1/01 D
   G02F1/01 C
   G02B26/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-64575(P2018-64575)
(22)【出願日】2018年3月29日
(62)【分割の表示】特願2014-51301(P2014-51301)の分割
【原出願日】2014年3月14日
(31)【優先権主張番号】13/833,877
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ランドール・ビー・ピュー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・エイ・フリッチュ
【テーマコード(参考)】
2H006
2H141
2K102
【Fターム(参考)】
2H006BC00
2H141MA04
2H141MB43
2H141MC10
2K102AA28
2K102BA05
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC10
2K102BD00
2K102BD08
2K102DA04
2K102DC09
2K102DD03
2K102EA05
2K102EA12
2K102EB20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フォトニック素子をその上又は内部に有する媒体インサートを備える、眼用デバイスを提供する。
【解決手段】様々な種類の受動的眼用デバイス150が形成され得る。フォトニックベースの投影システムに基づく活性眼用デバイスのための方法及びデバイスがまた、形成され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼用デバイスであって、
少なくとも第1のフォトニックエミッタと、
少なくとも第1の光源であって、前記光源を出た後、前記光源からの光の一部は、前記第1のフォトニックエミッタによって放射される、第1の光源と、
前記光源に電位を印加する電子コンポーネントと、
少なくとも前記電子コンポーネントにエネルギー印加するエネルギー印加素子であって、使用時にユーザの眼の表面と瞼との間の位置を占め得るような寸法及び形状を有する、エネルギー印加素子と、
インサートと、を備え、
前記インサートが、前記眼用デバイスのオプティカルゾーンにはない部分を含み、前記部分が、前記エネルギー印加素子及び前記電子コンポーネントと共に組み込まれる基板を備える、眼用デバイス。
【請求項2】
前記第1のフォトニックエミッタが、半導体材料から構成される、請求項1に記載の眼用デバイス。
【請求項3】
前記半導体材料がシリコンを含む、請求項2に記載の眼用デバイス。
【請求項4】
前記第1のフォトニックエミッタが、抵抗加熱素子を更に含む、請求項3に記載の眼用デバイス。
【請求項5】
前記第1の光源が発光ダイオードまたはレーザを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の眼用デバイス。
【請求項6】
ピクセルベースの光変調システムを更に備える、請求項1〜5のいずれかに記載の眼用デバイス。
【請求項7】
前記ピクセルベースの光変調システムが、表面領域を含み、前記表面領域は、前記表面領域に広がる電位場の印加によって変えられる表面自由エネルギーを有し得る、請求項に記載の眼用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォトニックエミッタを上部又は内部に有する眼用デバイスを説明する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンタクトレンズ、眼内レンズ、又は涙点プラグなどの眼用デバイスには、矯正、美容、若しくは治療的性質を有する生体適合性装置が含まれていた。コンタクトレンズは、例えば、視力矯正機能、美容増進、及び治療効果のうちの1つ又はそれ以上を提供することができる。各機能は、レンズの物理的特性によって与えられる。レンズに屈折性質を組み込む設計は、視力矯正機能を提供することができる。レンズに組み込まれる顔料は、美容強化を提供することができる。レンズに組み込まれる活性薬剤は、治療的機能を提供することができる。こうした物理的特性は、レンズがエネルギー印加された状態となることなく実現される。従来より、涙点プラグは、受動的装置である。
【0003】
エネルギー印加及び非ネルギー印加眼用インサートをベースとする新規の眼用デバイスが近年説明されている。これらのデバイスは、エネルギー印加機能を使用して、活性眼科コンポーネントに電力供給する。
【0004】
近年、ナノスケールのフォトニック素子が、該素子のアレイからのフォトンを投影するのに有用であり得るということが実証されている。フォトン投影の近視野感及び遠視野感の両方において画像を得ることができる。
【0005】
ナノスケールのフォトニック素子又はかかる素子のアレイを該眼用デバイス内に組み込むことによる眼用デバイスを規定することは有用であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、フォトニックエミッタを備える封入された媒体インサートを含み、これはエネルギー印加された眼用デバイス内に含むことができ、いくつかの実施形態では、特にコンタクトレンズ内に含むことができる。フォトニックエミッタは、眼用デバイスによって情報又はデータを、光のパターンの形態でユーザの網膜に伝えるのに使用され得る、光のパターン又は光のパターンからの動的画像を提供することができる。いくつかの実施形態では、投影システムを備えるエネルギー印加された眼用デバイスであって、画像が、光変調素子のフォトニックエミッタのアレイに対応するアレイによってフィルタリングされ、電気光学レンズシステムを通じて投影されるフォトニックエミッタのアレイを備える、眼用デバイスが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はしたがって、フォトニックエミッタを包含する眼用デバイスの開示を含む。眼用デバイスは、フォトニックエミッタに光を提供する光源を更に含んでもよい。新規眼用デバイスは、光源に、電位の形態のエネルギーを制御し、かつ送る電子コンポーネントを更に含んでもよい。電子コンポーネントは、それらのエネルギーをエネルギー印加素子から受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、これらのコンポーネントは全て、眼用デバイス内に組み立てられてもよく、これはユーザの眼の表面と眼の対応する瞼との間にある位置を占める眼用デバイスと一致する寸法及び形状を有してもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、かかるデバイスのフォトニックエミッタは、シリコンを含み得る、又はシリコンから作製され得る半導体材料で形成されてもよい。フォトニックエミッタの設計は、それらの機能に有用な多くの態様を有してもよい。例えば、それらの構造における抵抗加熱素子の組み込みは、フォトニックエミッタ素子を通る光の位相特性に影響を与えるフォトニックエミッタ素子を可能にすることができる。フォトンをシステムに提供するライトパイプに対するフォトニックエミッタの部分の長さ及び分離などの他の設計要素が、重要である場合がある。
【0009】
光をフォトニックエミッタに、及びこれらのフォトニックエミッタの組み合わせから形成されるシステムに提供する光源は異なる種類であってもよい。いくつかの実施形態は、光源に関して発光ダイオードから構成されてもよい。他の実施形態は、光源の少なくとも一部として、半導体レーザ素子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源は複数の光源の組み合わせから構成されてもよい。この組み合わせは、LED及びレーザ源であってもよく、又は各タイプの個々の光源であってもよく、個々の光源は異なる波長特性を有してもよい。いくつかの例に言及すれば、例えば、いずれかのダイオードの種類又はレーザの種類の半導体発光素子は、少なくとも以下の色の選択:赤、オレンジ、黄、緑、又は青の色のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、光源は光源、電子コンポーネント、及び光学コンポーネントを1フローで加工し得る、加工フローにおいて、フォトニックエミッタとして同じ基板内又は基板の上に形成されてもよい。他の実施形態において、別個の光源コンポーネントは、フォトニックエミッタを備えるシステムに取り付けられてもよい。
【0010】
眼用デバイスは、フォトニックエミッタから放射される光が、眼用デバイスを離れる前に、この光の強度に作用する素子及び素子のシステムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、各フォトニックエミッタは、ピクセル素子を含んでもよく、各ピクセル素子はまた、光変調素子を有してもよい。これらの光変調素子の組み合わせは、光変調システムと考えられる場合がある。光変調素子のそれぞれが、フォトニックエミッタ又はフォトニックエミッタの組み合わせの繰り返しと対であるとき、システムはピクセルベースの光変調システムと考えられる場合がある。
【0011】
光変調素子は、フォトニックエミッタから生じる光経路に光をフィルタリングさせる材料を介在させることによって機能してもよい。いくつかの実施形態では、この機能は、誘電体上の液滴駆動(Electro-Wetting on Dielectric:EWOD)ベースの現象を用いて実施することができ、デバイス内の表面領域は発生表面自由エネルギーを有するように構築することができる。EWODデバイスはまた、定義された発生表面自由エネルギーの表面領域とは異なって相互作用する不混和液体又は流体の組み合わせを有してもよい。表面領域にわたる電位の制御された印加は、その表面自由エネルギー又はその有効な表面自由エネルギーを変えるのに有用であり得、したがって不混和流体の組み合わせと、異なって相互作用する。光経路にある、又はない流体を変えることによって、流体のうちの少なくとも1つが、フォトニックエミッタから放射される光を吸収する、又は散乱させ、他の流体がそうでない場合、光強度の制御又は調整を得ることができ、これは光変調と呼ばれることがある。
【0012】
眼用デバイスは、エネルギー印加素子、制御回路、通信回路、及びデータ処理回路に加えて投影システムを単一のエンティティに組み込むことによって、形成されてもよい。投影システムは、少なくとも1つのフォトニックエミッタ素子、1つの光源、1つの光変調素子、及び1つのレンズ素子を備えるサブシステムから構成されてもよい。投影システムはまた、フォトニックエミッタ素子及び関連するピクセルベースの光変調素子の組み合わせを備えるサブシステムから構成されてもよい。
【0013】
投影システムを組み込む眼用デバイスは、様々な形態のデータ又は情報を表示することができる。ディスプレイはテキストベースの情報を投影することができる。同様に、ディスプレイは画像を投影することができる。画像は、複数のピクセルの投影された画像データから構成されたデジタル画像の形態であってもよい。画像は、白黒表示として、又は別の方法として様々な程度の色を有して表示されてもよい。時間軸で表示を変えることによって、投影システムは、様々な形式の動画の形態でデータを表示することができる。
【0014】
フォトニックエミッタのシステムを備える眼用ディスプレイの例示的なディスプレイは、眼用デバイスの一部としてレンズを組み込んでもよい。これらのレンズは、フォトニックエミッタのシステムから形成された画像に作用し、ユーザの網膜の上に様々な方法で画像を焦点合わせさせることができる。フォトニックエミッタのアレイによって作られた遠視野像、又はフォトニックエミッタのアレイによって作られた近視野像は、レンズシステムによって焦点合わせされてもよい。いくつかの実施形態では、レンズシステムは複数のレンズサブシステムを備え得る。いくつかの実施形態では、レンズサブシステムは、固定焦点特性又は固定焦点距離を有する素子を有してもよい。他の実施形態では、レンズサブシステムは、少なくとも第1の可変焦点距離レンズを含んでもよい。かかる可変焦点距離レンズの例は、EWOD効果を用いてまた、機能することができるメニスカスベースのレンズを含み得る。合成可変焦点距離レンズはまた、複数の電極領域と共に形成されてもよく、この領域は、レンズの焦点特性を、焦点距離の観点だけでなく、また画像が投影される場所を効果的に変化させることができる並進運動の観点の両方から、移動させるのに有用であり得る。いくつかの場合では、画像は、ユーザの眼を通じて、及びユーザの網膜上に、システムによって投影され得る。ユーザの網膜に投影されるとき、画像のフォトニック素子の範囲によって形成された画像の寸法は、1平方センチメートル未満の寸法であってもよい。他の実施形態において、寸法は1平方ミリメートル未満、又は約1平方ミリメートルの寸法であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】エネルギー印加された眼用デバイスのための媒体インサートの例示的実施形態、及びエネルギー印加された眼用デバイスの例示的実施形態を例示する。
図2】本明細書の技術の態様を実施するのに有用であり得る、組み込まれた環状マルチピースインサートを含む、様々な特徴を備える例示的コンタクトレンズを例示する。
図3図2に実証されたものに対する例示的代替実施形態を例示し、ここではインサートはオプティカルゾーンにおける材料を含む。
図4】本明細書の態様を実施するのに有用であり得る、他の場所の技術水準で説明される構造と一致する、例示的フォトニックエミッタ構造を例示する。
図5】光源及び光源をアレイに連結する手段を備える、フォトニックエミッタのアレイ構造を例示する。
図6】例示の眼用デバイスのオプティカルゾーンの一部内にフォトニックエミッタのアレイを備える、例示的装置を例示する。
図7】本明細書の技術の態様を実施するのに有用であり得る、例示的光変調素子構造を例示する。
図8】本明細書の技術の態様を実施するのに有用であり得る、代替の例示的光変調素子構造を例示する。
図9】本明細書の技術の態様を実施するのに有用であり得る、フォトニックアレイ、光位相又は強度変調アレイ、及びレンズシステムを備える、投影システムのための、例示的エネルギー印加された眼用デバイスを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、眼の環境において光のパターンを投影することがフォトニックエミッタを有する眼用デバイスに関する。以下の項において、本発明の実施形態の詳細な説明を与える。好ましい実施形態及び代替の実施形態の両方の説明は、例示的実施形態に過ぎず、変形、修正、及び代替が当業者にとって明白であり得ることが理解される。したがって、該例示的実施形態は発明の根底の範囲を制限しないことが理解されなければならない。
【0017】
用語集
本発明を対象としたこの説明及び特許請求の範囲においては、以下の定義が適用される様々な用語が用いられ得る。
誘電体上の液滴駆動(Electro-Wetting on Dielectric)、すなわちEWOD:本明細書で使用するとき、不混和性の流体又は液体の組み合わせ、定義された表面自由エネルギーを有する表面領域、及び電位場が存在する、デバイスの類又はデバイスの部分の類を指す。典型的に、電位場は、表面領域の表面自由エネルギーを変えることになり、これは、不混和性流体と表面領域との相互作用を変え得る。
【0018】
エネルギー印加:本明細書で使用するとき、電流を供給することが可能であるか、又は電気エネルギーを内部に蓄積させることが可能である状態を指す。
【0019】
エネルギー:本明細書で使用するとき、ある物理系が仕事をする性能のことを指す。本発明で使用される場合の多くは、動作する際に電気的作用を行うことが可能な該性能に関連し得る。
【0020】
エネルギー源:本明細書で使用するとき、エネルギーを供給し、又は論理若しくは電気デバイスをエネルギー印加された状態に置くことが可能なデバイス又は層を指す。
【0021】
エネルギーハーベスタ:本明細書で使用するとき、環境からエネルギーを抽出することができ、それを電気的エネルギーに変換することができるデバイスを指す。
【0022】
機能化:本明細書で使用するとき、例えばエネルギー印加、作動、又は制御を含めた機能を、層又はデバイスが実行することを可能にすることを指す。
【0023】
漏出:本明細書で使用するとき、エネルギーの不要な喪失を指す。
【0024】
レンズ又は眼用デバイス:本明細書で使用するとき、眼の内又は眼の上に存在する任意のデバイスを指す。これらのデバイスは、光学補正を提供することができ、美容強化であり得、又は眼とは無関係の機能性を提供することができる。例えば、レンズという用語は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼内インサート、光学インサート、又はそれを通して視力が矯正若しくは修正されるか、又は視力を妨げることなくそれを通して眼の生理機能が美容的に強化される(例えば、虹彩色)その他の同様のデバイスを指すことができる。あるいは、レンズは例えばグルコースの監視又は薬剤投与などの非視覚機能を提供することができる。いくつかの実施形態では、本発明の好ましいレンズは、例えばシリコーンヒドロゲル類、及びフルオロヒドロゲル類を含む、シリコーンエラストマー類又はヒドロゲル類から製造されるソフトコンタクトレンズである。
【0025】
レンズ形成用混合物、又は反応性混合物若しくは反応性モノマー混合物(RMM):本明細書で使用されるとき、硬化及び架橋することができるか、又は架橋して眼用レンズを形成することができるモノマー材料又はプレポリマー材料を指す。様々な実施形態は、例えばUV遮断剤、染料、光開始剤、又は触媒、及びコンタクト若しくは眼内レンズ等の眼用レンズに望まれ得る他の添加剤等の1つ又は2つ以上の添加剤を有するレンズ形成混合物を含んでよい。
【0026】
レンズ形成表面:本明細書で使用するとき、眼用レンズの成型に使用される表面を指す。いくつかの実施形態では、任意のかかる表面は、光学品質表面仕上げを有することができ、光学品質表面仕上げとは、表面が十分に滑らかで、成型表面に接触しているレンズ形成材料の重合によって作られるレンズ表面が光学的に許容可能であるように形成されることを示す。更に、いくつかの実施形態では、レンズ形成表面は、球面屈折力、非球面屈折力、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正など、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、所望の光学特性をレンズ表面に付与するのに必要な幾何学形状を有することができる。
【0027】
光変調素子は、本明細書で使用するとき、一方の側から別の側へと透過する光の強度を変調するデバイス又はデバイスの部分を指す。本明細書の実施形態における理想的な光変調素子は、ある状態の全ての光を透過させ、別の状態の光は全く透過させないだろう。実用的な素子は、この理想的な態様を実質的に達成することができる。
【0028】
リチウムイオンセル:本明細書で使用するとき、リチウムイオンセルは、セル内を移動するリチウムイオンが電気エネルギーを生成する、電気化学セルを指す。典型的には電池とよばれるこの電気化学セルは、その通常の状態に再エネルギー印加又は再充電され得る。
【0029】
媒体インサート:本明細書で使用するとき、エネルギー印加された眼用デバイスに含まれることになる封入されたインサートを指す。エネルギー印加素子及び回路は、媒体インサートの中に組み込まれてもよい。媒体インサートは、エネルギー印加された眼用デバイスの主要目的を規定する。例えば、エネルギー印加された眼用デバイスによりユーザが光学的屈折力を調節することが可能となる実施形態では、媒体インサートは、オプティカルゾーンの液体メニスカス部分を制御するエネルギー印加素子を含み得る。あるいは、オプティカルゾーンが材料がないように、媒体インサートは環状であってもよい。かかる実施形態では、レンズのエネルギー印加された機能は光学的性質でない場合があるが、この機能は、例えば、グルコース監視又は薬剤投与であり得る。
【0030】
成型型:本明細書で使用されるとき、未硬化配合物からレンズを形成するために使用され得る、剛性又は半剛性の物体を指す。いくつかの好ましい成形型は、前部湾曲した成形型部分及び後部湾曲した成形型部分を形成する2つの成形型部分を含む。
【0031】
動作モード:本明細書で使用するとき、回路にわたる電流により、デバイスがその主なエネルギー印加された機能を実施することが可能になる、高電流引き込み状態を指す。
【0032】
オプティカルゾーン:本明細書で使用するとき、眼用レンズの着用者がそこを通して見る、眼用レンズの領域を指す。
【0033】
フォトニックエミッタ:本明細書で使用するとき、入射光を受け取り、その光を自由空間に透過させることができるデバイス又はデバイス部分を指す。光は一般的にエミッタへの入射とは変えられた方向で進む場合がある。エミッタは典型的に光を透過させるアンテナ構造を備えてもよい。
【0034】
ピクセルベースの光変調システム:本明細書で使用するとき、個々に機能する光変調素子の組み合わせを指し、この光変調素子は、光変調システムの各個々の機能部分がピクセル又はピクチャ素子であると見なされ得る。
【0035】
仕事率:本明細書において使用するとき、単位時間当たりに行われる仕事又は移動するエネルギーのことを指す。
【0036】
再充電可能又は再エネルギー印加可能:本明細書で使用するとき、仕事をするためのより高い性能の状態へと復元される能力を指す。本発明においては多くの場合、特定の率で、特定の復旧された期間、電流を流す能力を復元する能力に関連して使用され得る。
【0037】
再エネルギー印加又は再充電:本明細書で使用するとき、仕事をするためのより高い性能を有する状態までの復元を指す。本発明においては、特定の率で、特定の復旧された期間、電流を流すことができるように、デバイスを復元することに関連して多く使用され得る。
【0038】
基準回路:本明細書で使用するとき、理想的には、固定された安定電圧又は他の回路において使用するのに好適な電流出力を生じさせる回路を指す。基準回路はバンドギャップから得てもよく、温度、供給、及び加工変動に関して補正される場合があり、具体的に、特定用途向け集積回路(ASIC)に即して特に調整される場合がある。
【0039】
成形型から取り外した:本明細書で使用するとき、レンズが、成形型から完全に分離した状態、又は穏やかな揺動によって取り外すか、若しくは綿棒を用いて押し外すことができるように、ほんの軽く付着した状態のいずれかであることを指す。
【0040】
リセット機能:本明細書で使用するとき、例えば論理状態又はエネルギー印加状態を含む、特定の所定の状態に回路を設定する自己作動アルゴリズム機構を指す。リセット機能は、例えば電源ONリセット回路を含んでもよく、これはスイッチ機構と共に作動し、電源への初期接続及びストレージモードからの起動の両方において、正確にチップを起動させるようにする。
【0041】
スリープモード又はスタンバイモード:本明細書で使用するとき、スイッチ機構が閉じた後の、エネルギー印加されたデバイスの、低電流引き込み状態を指し、これは動作モードが必要とされないときにエネルギーの節約を可能にする。
【0042】
積層された:本明細書で使用するとき、少なくとも2層の構成層を、層のうちの1つの1つの面の少なくとも一部が、第2の層の第1の面と接触するように、互いに近接して配置することを意味する。いくつかの実施形態では、接着又は他の機能のために、フィルムが2つの層の間に存在し、これらの層は該フィルムを通じて互いに接触している。
【0043】
積層一体型コンポーネントデバイス(SICデバイス):本明細書で使用するとき、電気的及び電気機械的デバイスを包含し得る基板の薄層を、各層の少なくとも一部を互いの上に積み重ねる手段により、動作可能な一体型デバイスへと組み立てるパッケージング技術製品を指す。層は、様々な型式、材料、形状及びサイズのコンポーネントデバイスを含んでもよい。更に、層は、様々なデバイス製造技術により、様々な輪郭に適合させかつこの輪郭を呈するように作製され得る。
【0044】
ストレージモード:本明細書で使用するとき、電源が供給されており、又は最小限の設計電流負荷の供給が必要とされる、電子機器を備えるシステムの状態を指す。この用語は、スタンバイモードと置き換え可能ではない。
【0045】
基板インサート:本明細書において使用するとき、眼用レンズ内部のエネルギー源を支持することが可能な成形可能又は剛性の基板を指す。いくつかの実施形態では、基板インサートはまた、1つ又は2つ以上のコンポーネントも支持する。
【0046】
スイッチ機構:本明細書で使用するとき、眼用デバイスからは独立している外部の刺激に反応し得る、様々なレベルの抵抗を提供する回路と一体化したコンポーネントを指す。
【0047】
エネルギー印加された眼用デバイス
図1に進むと、エネルギー印加された眼用デバイス及び対応するエネルギー印加された眼用デバイス150のための媒体インサート100の例示的実施形態が示される。媒体インサート100は、視力矯正を提供するように機能的であり得る、又は機能的ではない場合がある、オプティカルゾーン120を備えてもよい。眼用デバイスのエネルギー印加された機能が視力に関連しない場合は、媒体インサート100のオプティカルゾーン120は、材料がなくてもよい。いくつかの実施形態では、媒体インサート100は、エネルギー印加素子110及び電子コンポーネント105と共に組み込まれる基板115を備える、オプティカルゾーン120にはない一部を含む場合がある。フォトニックエミッタを眼用デバイスに含むことに関して、多くの実施形態が存在する可能性がある。
【0048】
いくつかの実施形態では、例えば電池であり得る電源110、及び例えば半導体ダイであり得る負荷105が基板115に取り付けられてもよい。導電性トレース125及び130は、電子コンポーネント105及びエネルギー印加素子110を電気的に相互接続することができる。媒体インサート100は完全に封入されて、エネルギー印加素子、トレース、及び電子コンポーネントを保護及び包含することができる。いくつかの実施形態では、例えば水などの特定の物質が媒体インサート100に入るのを阻止し、並びに周囲ガス又はエネルギー印加素子内の反応副産物などの、特定の物質が媒体インサート100に浸透し、又は媒体インサートから出られるようにするために、封入材料は半透過性であってもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、媒体インサート100は、生体適合性ポリマー材料を含み得る眼用レンズ150に含まれ得る。眼用デバイス150は、中央が剛性でスカートが柔軟な設計を有し得、中央の剛性光学素子は媒体インサート100を含み得る。いくつかの特定の実施形態では、媒体インサート100は、前面及び後面のそれぞれが大気及び角膜表面と直接接触していてもよく、あるいは、媒体インサート100は眼用デバイス150に封入されていてもよい。眼用レンズ150の周辺部155は、例えば、ヒドロゲル材料を含む柔軟なスカート材料であってもよい。
【0050】
媒体インサート100及び眼用レンズ150の基盤は、フォトニックエミッタを用いた光投影を伴う多くの実施形態のための環境を提供することができ、これは活性又は非活性レンズデバイスと組み合わせされてもよく、いくつかの実施形態では光強度変調アレイと組み合わされてもよい。これらの実施形態のいくつかは、フォトニック投影コンポーネントに関連しない眼用デバイスの部分の、純粋に受動的機能を伴う場合がある。他の実施形態は、フォトニック投影コンポーネントの機能を補完又は補足することができる活性機能を有する眼用デバイスを伴う場合がある。例えば、デバイスの非投影部分は、デバイスの視力矯正又は入射光に対するこの部分の透明性が低減されるように、活性「スクリーニング」を提供することができる。
【0051】
図2に進むと、アイテム200、例示のマルチピースインサートの図解が断面で示され得る。このタイプのインサートは、材料を欠く中央のオプティカルゾーン周囲に材料のリングを備える環状インサートである。図2において、眼用デバイス220は断面の表示230を有する場合があり、これは線210によって示される位置を通じた断面を表す。例示の実施形態では、眼用デバイスのオプティックゾーン外側のインサートの領域は、エネルギー印加素子、及び様々な種類の活性素子を支持するための制御電子機器を含んでもよい。これらの活性素子は一般的に、様々な種類のセンサ及び通信素子を含み得る。あるいは、本発明の技術のいくつかの実施形態では、フォトニック投影素子に基づく投影素子のための制御及びエネルギー印加機能を提供することができる。同様に、そこのデバイスのオプティックゾーン外側に、アイテム221によって示され、アイテム231として断面で示されるように、インサート上に配置された印刷パターンが存在してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、接眼レンズ環境内における眼用レンズの配向に関する要件が存在する場合がある。アイテム250及び260は、安定化ゾーン特徴部を表す場合があり、これは、ユーザの眼の上の形成された眼用レンズの配向に役立つことができる。更に、いくつかの実施形態では、マルチピース環状インサート上での配向特徴部の使用は、成型された安定化特徴部に対するその配向を可能にし、これは動的焦点合わせ及び中央揃え制御を有さない投影素子及びレンズシステムの配置に特に重要であり得る。
【0053】
図3に進むと、アイテム300、図2に示される例示のマルチピースインサートの変形が、断面で示され得る。図3において、眼用デバイス320は断面の表示330を有する場合があり、これは線310によって示される位置を通じた断面を表す。例示の実施形態では、眼用デバイス320のオプティックゾーンは、液体メニスカスベースのレンズシステム335など活性の焦点調整レンズが見出され得る一部を含む場合がある。同様に、デバイスのオプティックゾーン外側に、エネルギー印加素子、並びに制御及び起動コンポーネントを包含するインサートの部分が336に存在する場合がある。図2の実施形態と同様な動機付けに関して、アイテム350及び360として示されるように眼用デバイスに組込まれるアライメント機能又は安定化ゾーンが存在する場合があり、並びに、特徴部331としてインサート上に印刷されたパターンが存在する場合がある。
【0054】
フォトニック投影素子
図4に進むと、アイテム400のフォトニックエミッタが表示される。フォトニック印加の使用に関して、エミッタ素子(これはまた、ラジエータであると考えられ得る)を規定する多くの方法が存在する可能性がある。400では、アイテム410は、技術水準で説明されるいくつかの定義と一致する、簡易なフォトニックエミッタを実証する。システムのためのフォトンの光源は、ラジエータ素子の連結部分430に平行に走るライトパイプ420であってもよい。ライトパイプ420を通じて移動するフォトンは、エバネスセント結合(ライトパイプの周辺部の近傍領域における指数関数的に減衰する現象)と呼ばれることがある過程によって、結合部分430に結合され得る。この結合は、フォトンが、ライトパイプからラジエータ素子まで移動するのを可能にするだろう。結合の度合いと、したがって、強度のタイプである、ラジエータ素子に入るフォトンの数は、使用される材料、周辺条件、しかしより重要にはシステムの構造的設計などの、多くの現象によって変調させることができる。アイテム430の平行部分の長さ、及びこの領域とライトパイプとの間の空隙435は、結合の効率を左右する場合があり、並びに、フォトニックエミッタの集合体におけるフォトニックエミッタの名目的相対強度を調整するのに使用することができる。アイテム410では、光は、それが回折格子に成形されたラジエータ部分に到達するまで、素子の光導コンポーネント430を通じて前進するだろう。フォトニックエミッタを通じる光の効率を増加させるために多くの効果、例えば発光面の構築された角度及びそれらの形状、並びに空隙寸法が活用されてもよい。理想では、可能な限り多くの光が1つの方向において440で、例えば「ページの外」へ放射されるだろう。
【0055】
450において、より洗練されたフォトニックエミッタを見出すことができる。加熱機構がエミッタセルに組み込まれてもよい。加熱機構は、フォトニックエミッタ内に構築された抵抗加熱器から構成されてもよい。エミッタがシリコンのような半導体材料で形成される実施形態では、抵抗器は同じ層で形成されてもよく、ここではこの層は、抵抗特性を変えるためにドーピングされてもよい。コンタクト480から、抵抗アーム470及びエミッタ本体430の一部を通じて電流を流し、並びに、抵抗アーム471の別の部分及びコンタクト460を通じて電流を戻すことによって、フォトニックエミッタは、光経路の一部を異なって加熱させることができる。アイテム430のものなどの、ライトパイプにおける熱効果は、ライトパイプを通じて移動する光の位相特性を変えることができる。したがって、アイテム450のフォトニックエミッタは、光源パイプ420における強度、並びにエミッタデバイスの結合領域の近接度及び結合領域の寸法に基づく、エミッタデバイスへの光源の結合の効率に基づいて、このエミッタから特定の強度の光を放射させることができる。更に、追加として、その光の位相は、アイテム460と480との間のヒータ部分を通る電流の印加に基づいて制御可能に変えることができる。放射された光の相対位相をかかる方法で制御することは、かかるフォトニックエミッタを用いて構築されたアレイの遠視野像で観察可能である、位相特性にエンコードされる情報の有効な伝達となることができ、このフォトニックエミッタでは、個々のピクセルの位相は、エミッタデバイスの部分に課された熱状態によって制御することができる。非限定的な実施例として、内部にかかるフォトニックエミッタを製造することができる多くの材料が存在する可能性があり、異なる材料が、熱の制御及び機械的な応力制御を含む位相効果をもたらす多くの手段が存在する可能性がある。
【0056】
図5に進むと、アイテム500、フォトニックエミッタから構築された例示のアレイが図解される。いくつかの実施形態ではフォトニックエミッタピクセル520は、410又は450における素子と同様な方法で画定され得る。アイテム500では、セルはアイテム450におけるタイプを図解する。光は光源540から供給され、この光源はいくつかの実施形態では、フォトニックエミッタアレイのために1つ又は2つ以上の供給ライトパイプに光を放射する、1つ又は2つ以上のレーザ素子から構成されてもよい。ピクセル520の加熱部分を通じて流れる電流は、集積回路における金属配線と同様の方法でフォトニックエミッタ内に構築される導電性金属配線によって取り込まれてもよい。ワード線530のセットは、効果的な方法で個々のセルのアドレス指定を可能にするために、対応するビット線535を有してもよい。いくつかの実施形態では、フォトニックアレイは、アレイ自体のために、制御電子機器を構築するのに有用なシリコン基板内に構築されてもよい。520などの代表的なピクセルセス素子は、約9マイクロメートル×9マイクロメートル以下の寸法を有してもよい。したがって、64×64エミッタのアレイは、おおよそ0.5mm×0.5mmの寸法スケールを有してもよい。ピクセルの実際の寸法は、マトリックスにおいて変化してもよく、並びに発光の異なる対象波長に関して異なってもよい。
【0057】
アイテム500の挿入図550において、光源及び供給ライトパイプの拡大版540が示されてもよい。光源からの光561はライトパイプ内に誘導され得る。ライトパイプの寸法に沿って、追加のライトパイプの形態の追加の供給素子を見出すことができる。アイテム570、571及び572は、主要供給ライトパイプ内に結合され、フォトニックエミッタの列に光を供給するために、ほぼ垂直に走るライトパイプを実証することができる。列に沿ったパイプ及び個々のピクセル素子の設計態様は、各素子に関して最適化されてもよく、これによって列に沿った、並びにアレイにおける特定の強度パターンを得ることができる。好ましい実施例では、アレイは、各ピクセルからの得られる発光強度が、全ての素子に関してほぼ同じであるように設計してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、異なる波長の多数の光源を使用して、単一の光源パイプ540に光を付与することができ、又はいくつかの実施形態では、ライトパイプ540は複数のパイプから構成されてもよい。実施例では、3つの異なる光源561、562及び563が存在してもよい。非限定的な実施例の場合では、光源561は、赤色光源を含んでもよく、光源562は、緑色光源を含んでもよく、光源563は青色光源を含んでもよい。非限定的な実施例として、半導体レーザ、半導体発光ダイオード、又はフィルタを装着した白熱ランプを含め、本発明の技術と一致する多くのタイプの光源が存在する場合がある。アレイのピクセルの相対位相が、情報をエンコードするのに重要である実施形態では、光源は出力された光の所望のコヒーレント性によって特徴付けられてもよい。他の実施形態は、非コヒーレントな光源を用いて機能してもよい。
【0059】
供給源で提供された複数の波長が存在する場合、アイテム570として示されるライトパイプの列の相互作用は、1つの光源が特定の列において優遇されるように制御されてもよい。これは、列570のライトパイプが供給ライトパイプと連結する領域において、フィルタ材料を使用することによって制御されてもよい。あるいは、複数の供給ライトパイプが存在する場合、特定の光源に関して所望ではない波長のパイプは吸収材料によって遮断されてもよい。金属材料又は半導体材料における高いドーピングレベルの使用を含め、光結合を遮断するために使用され得る多くの材料があり得る。
【0060】
代替の実施形態では、複数の光源はデューティサイクルを有し得る。光源は、光源パイプを使用する際に順番にオン、オフされ得る。かかる実施形態では、アレイの異なる領域へ異なる光源を送るための複数の光源ライン又は制御部のいずれにも必要性が存在しない場合がある。しかしながら、フォトニックエミッタピクセルの設計は、特定の波長に対して最適化されるのではなく、使用される全ての波長に関して最適化されるかかる方法で実施される必要があり得る。いくつかの実施形態では、ピクセルは複数のエミッタによって構成されてもよく、ここではエミッタのうちの1つが特定の光源のために最適化され得る。
【0061】
アイテム510のアレイにおいて(ここでは、個々のピクセルは位相シフトコンポーネントをそれらの設計に含む)、アレイの遠視野像を特定の点の上に焦点を合わせるのを可能にするレンズを含むのが有用であり得、この点にはユーザの網膜も含み得る。単一光源の実施形態では、コヒーレントな光が光源として使用されるのが重要である場合がある。得られる遠視野像は、個々のピクセル内の位相情報から構築された画像を含み得る。かかる実施形態の実施例(ここではフォトニックアレイが遠視野の位相制御されたピクセル画像を投影する)が、図6にアイテム600で図解され得る。眼用インサート610は、説明されているように、エネルギー印加素子を包含することができ、制御回路は、電気バス630を通じて電気信号を制御することができる。いくつかの実施形態では、このバスは、可視光吸収特性を可能な限り小さくした電導体で構築されてもよい。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)は一例であり得る。投影システム620は、オプティカルゾーンの中央に配置されてもよく、並びに、含まれるコンポーネントに少し言及するが、制御回路、光源、及びレンズ素子に加えて、アイテム650に示されるようにフォトニックエミッタのアレイを備えることができる。
【0062】
代替の実施形態は、光のエミッタとしてフォトニックアレイの使用を伴ってもよく、ここでは位相特性が主な焦点ではない。図7に進むと、アイテム700、加熱器を組み込んでいない、例示のフォトニックエミッタを採用するピクセル素子720の実施例を見出すことができる。いくつかの実施形態では、加熱器の組み込みは依然として望ましいが、例えば、それは図解されていない。得られるアレイの近視野像は、特定の位置において焦点合わせされる場合、光源は投影システムの一部であってもよく、ここでは各ピクセルはエミッタからユーザの網膜まで進む透過強度を制御する素子を有する。図7では、各発光素子に配列される光強度制御素子の実施例を見出すことができる。
【0063】
誘電体上の液滴駆動の現象は、各ピクセルベースで透過される強度を制御するのに使用されてもよい。流体近傍の表面の表面自由エネルギーを変えることによって、流体の組み合わせに対して技術を作用させる。ある液体が例えば水溶液のような極性のある液体であり、他方の液体がオイルのような非極性液体である不混和性の液体の組み合わせは、EWODデバイスには有効であり得る。これらの液体のうちの1つは、特定の所望の波長の状況における光に対して透明であるように配合され、他の液体は、これら又は全ての可視波長において不透明であり得る。液体自体はかかる特性を有してもよく、あるいは液体は、染料剤と組み合わされて所望の波長遮断効果となってもよい。そして、同じデバイス内で異なるピクセル素子において、異なる固有の波長遮断特性を有する、液体の異なる組み合わせを含むことが可能となり得る。
【0064】
例示の実施形態では、オイル系の非水溶性液体は、染料剤を含んで、EWODピクセルセル層において有効な吸光度とすることができ、このセルは、光変調素子と考えられ得る。図7において、アイテム710はピクセル素子を含んでもよく、このピクセル素子では、オイル系の液体がピクセルにわたって配置され、著しい量の光を吸収する。ピクセルセルの縁部を画定する分離構造711及び716が存在してもよい。オイル系の液体は、例示のピクセルベースのEWODセルでアイテム717として図解されるものであってもよい。アイテム713におけるセルの一部は、オイル系の流体をはじくことができるような、表面自由エネルギーを有する材料でコーティングされてもよい。液体流体は、アイテム718として表されてもよい。したがって、標準非エネルギー印加状態において、流体は色付けされたオイル系の相が、表面713から離れたピクセルの内部領域にわたって、したがってピクセルを通じて進む光の光経路において、局所化された場所を呈することを優先すると思われる。表面713の材料の下層の又はこの材料を含む誘電体に加えて、電極715及び714の組み合わせは、この2つの不混和性液体にわたって電位の印加を可能にする。電極にわたって電位を印加することによって、表面713の自由エネルギーは、720でそれが確認され得るように、アイテム717のオイル系の液体を引き付けるように変えることができる。色付けされた流体717が727として示されるように、電極の側壁領域に引かれたとき、それは光学パスから外に移動し、ピクセルはそれを通る光に対してより透明になる。この実施形態はしたがって、フォトニックエミッタから内部を通じて放射される光のピクセルベースの制御を可能にする。いくつかの実施形態では、これは、透過性を制御する誘電体セル上の液滴駆動を含む対応するピクセル素子を、それぞれが備えるフォトニックエミッタのアレイの組み合わせから投影システムが形成されるのを可能にする。これらの実施形態はまた、光源、光源及びピクセル素子両方のための制御電子機器、及び所望の位置(これはユーザの網膜を含み得る)において近視野像を焦点合わせするためのレンズシステムを備えてもよい。フォトニックエミッタ近傍の光の透過性の制御を可能にし得る、誘電体上の液滴駆動に対して多くの代替が存在することが可能である。更に、誘電体ベースのセル上の液滴駆動の提供される実施例は、例えば光を遮断する染料又は固有の特質を備え得る流体の反転型を含む、多くの代替を有し得る。
【0065】
図8に進むと、アイテム800、EWODピクセルベースの光強度変調セルの代替実施形態が図解される。この実施形態では、表面に近接する電極(これに沿って流体が引き付けられることになる)は、縦型構造の側壁上ではなく、セル面のうちの1つに沿う。デバイスは、この表面を通じて進む光で動作することができるため、かかる実施形態では比較的透明な電極の使用が重要である。前述の説明で言及したように、電極の材料としてITOを使用することは容認できる解である。同様に、EWODセル面の周辺に同様に電極を配置することを可能にする修正も存在する可能性がある。それにもかかわらず、図8において、アイテム810は、光吸収剤量がセル表面の大半を遮断するセルを表してもよい。アイテム817は、吸収特性(これは固有又は染料の使用によるもののいずれかである)を備える、流体を表してもよい。アイテム818は、セルを通じる光と著しく相互作用することがない他の流体を表してもよい。アイテム813は、定義された表面自由エネルギー(これは固有又は表面特性を確立するよう設計された加工によるもののいずれかであり得る)を有する表面を表してもよい。アイテム812は、誘電体材料の任意選択の層であってもよく、これは、誘電体上の追加のフィルム又は誘電体の表面改質のいずれかとしてアイテム813が作製された場合に存在する場合がある。アイテム814は、誘電体表面の領域を画定するのに有用な電極であってもよく、これは、電位がEWODセルにわたって印加されたときに影響を受ける。アイテム811及び816は、ピクセルを画定するのに使用される構造的封じ込め部であってもよい。814及び815の点において電位がセルにわたって印加されたとき、セルの状態はアイテム820で図解されるようなものであってもよい。電極814の上の表面の領域において光吸収流体をはじくようにさせることによって、流体は、セルの図解上の827によって示されるピクセル素子の縁部まで移動する。したがって、それは光学経路から外に移動し、ピクセルはそれを通る光に対してより透明となる。
【0066】
フォトニックエミッタを備える、エネルギー印加されたデバイス
図9に進むと、アイテム900、フォトニックベースの画像処理システムに関して説明した態様の多くを組み込む実施形態が表示される。アイテム910は、ユーザの眼の表面上に着用することができる眼用デバイスであってもよい。これはヒドロゲル系のスカート911から形成されてもよく、これは、いくつかの実施形態ではインサートデバイスを完全に包囲し、又は他の実施形態ではインサートデバイスを部分的に包囲し、若しくは支持する。図解において、スカート911は基本的な環状インサートデバイス936を包囲する。インサートデバイス936内の密閉物は、エネルギー印加素子、制御、起動、通信、処理等のための電子回路であってもよい。エネルギー印加素子は、使いきりの電池素子又は、デバイスの再充電を可能にする電力制御システムに加えて、再充電可能な素子であってもよい。コンポーネントは、別個のコンポーネントとして、又は複数の活性層を備える積層集積素子としてインサートデバイス内に配置されてもよい。
【0067】
眼用デバイスは、安定化素子950及び960を含め、このデバイスに構造的又は化粧効果のある態様を有してもよく、この安定化素子は、ユーザの眼の上でデバイスの向きを画定するために、及びデバイスを適切に中心合わせするために有用であり得る。基本的な環状デバイスは、虹彩パターンアイテム921として図解されるように、並びにアイテム931としてライン915にそって、断面930に示されるように、その表面の1つ又は2つ以上の上に印刷されたパターンを有してもよい。
【0068】
インサートデバイスは、アイテム940として示されるようにオプティカルゾーンの小さな領域におけるフォトニックベースの画像処理システムを有してもよい。いくつかの実施形態では、上述のように、64×64ピクセル画像処理システムは、約0.5mm×0.5mmの寸法で形成されてもよい。断面において、アイテム940は、フォトニックプロジェクションコンポーネントであってもよく、これはフォトニックエミッタ素子、EWODベースのピクセル透過性制御デバイス、光源、又は複数の光源、並びにこれらのコンポーネントを制御すための電子機器を備えてもよいことが観察され得る。フォトニックベースの画像処理システムは、レンズシステム950に取り付けられてもよく、並びにデータ及び電力相互接続バス941によって環状インサートコンポーネントに接続されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、レンズシステムは、眼用デバイスの本体に関連する空間における固定位置に、画像処理システムの近視野像を焦点合わせする、静的レンズコンポーネントから形成されてもよい。他の実施形態では、レンズシステムはまた、活性コンポーネントを含んでもよい。例えば、複数の電極領域を備える、メニスカスベースのレンズデバイスは、投影された画像の中心部の並進運動、並びに、投影された画像の焦点及び寸法を効果的に調整するためにデバイスの焦点屈折力の調整の両方のために使用することができる。レンズデバイスは、それ自体の制御電子機器を有してもよく、あるいは、レンズデバイスは、フォトニックベースの画像処理コンポーネント又は環状インサートデバイスのいずれか、又はこの両方により制御され、電力供給されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、デバイスは、64×64ベースの投影システムであってもよく、しかし、概してそのピクセルは容易に本発明技術の範囲内であり、これはピクセル素子の寸法及び眼用デバイス自体によって限定され得る。ディスプレイは、ドットマトリックスのテクストデータ、画像データ、又は動画データを表示するのに有用であり得る。レンズシステムは、いくつかの実施形態では、データを表示しながら、ユーザの眼にわたって投影システムをラスタ化することによって、表示の有効なピクセル寸法を拡大するのに使用することができる。ディスプレイは実際は白黒であってもよく、又は別の方法として、複数の光源をベースとする色の範囲を有してもよい。表示されるべきデータは、外部源から眼用レンズに通信されてもよく、あるいは、眼用デバイス自体から、又は例えばセンサ若しくはメモリコンポーネントから生じてもよい。いくつかの場合によっては、データは通信部を備える外部源から、及び眼用デバイス自体の両方から生じてもよい。
【0071】
〔実施の態様〕
(1) 眼用デバイスであって、
少なくとも第1のフォトニックエミッタと、
少なくとも第1の光源であって、前記光源を出た後、前記光源からの光の一部は、前記第1のフォトニックエミッタによって放射される、第1の光源と、
前記光源に電位を印加する電子コンポーネントと、
少なくとも前記電子コンポーネントにエネルギー印加するエネルギー印加素子であって、使用時にユーザの眼の表面と瞼との間の位置を占め得るような寸法及び形状を有する、エネルギー印加素子と、を備える、眼用デバイス。
(2) 前記第1のフォトニックエミッタが、半導体材料から構成される、実施態様1に記載の眼用デバイス。
(3) 前記半導体材料がシリコンを含む、実施態様2に記載の眼用デバイス。
(4) 前記第1のフォトニックエミッタが、抵抗加熱素子を更に含む、実施態様3に記載の眼用デバイス。
(5) 前記第1の光源が発光ダイオードを含む、実施態様1に記載の眼用デバイス。
【0072】
(6) 前記第1の光源がレーザを含む、実施態様1に記載の眼用デバイス。
(7) ピクセルベースの光変調システムを更に備える、実施態様1に記載の眼用デバイス。
(8) 前記ピクセルベースの光変調システムが、表面領域を含み、前記表面領域は、前記表面領域に広がる電位場(electropotential field)の印加によって変えられる表面自由エネルギーを有し得る、実施態様7に記載の眼用デバイス。
(9) 眼用デバイスであって、
フォトニックエミッタ、光源、光変調素子、及びレンズ素子を含む、前記眼用デバイス内の投影システムと、
前記眼用デバイス内に配置される少なくとも第1のエネルギー印加素子と、
前記眼用デバイスの外部に配置される信号源との無線通信のための通信プロトコルを、前記眼用デバイス内部から制御する、電子回路と、
前記投影システムに通信される形式にデータを処理する電子回路と、を備える、眼用デバイス。
(10) 使用時に、前記眼用デバイスの一部は、ユーザの眼の表面に近接して存在する、実施態様9に記載の眼用デバイス。
【0073】
(11) 前記投影システムがテキスト形式でデータを投影する、実施態様10に記載の眼用デバイス。
(12) 前記投影システムが、画像形式でデータを投影する、実施態様10に記載の眼用デバイス。
(13) 前記投影システムが、ビデオ形式でデータを投影する、実施態様10に記載の眼用デバイス。
(14) 前記レンズ素子が、固定焦点距離レンズを含む、実施態様10に記載の眼用デバイス。
(15) 前記レンズ素子が、可変焦点レンズを含む、実施態様10に記載の眼用デバイス。
【0074】
(16) 前記可変焦点レンズが、メニスカスベースのレンズを含む、実施態様15に記載の眼用デバイス。
(17) 前記データがユーザの網膜に投影される、実施態様10に記載の眼用デバイス。
(18) 意図した画像平面において投影される画像の寸法が、1平方センチメートル未満の寸法である、実施態様12に記載の眼用デバイス。
(19) 前記光源が、2つ以上の半導体発光素子を含む、実施態様10に記載の眼用デバイス。
(20) 赤色の発光の中心波長を有する第1の半導体発光素子と、
緑色の発光の中心波長を有する第2の半導体発光素子と、
青色の発光の中心波長を有する第3の半導体発光素子と、を更に含む、実施態様19に記載の眼用デバイス。
【0075】
(21) 眼用デバイスであって、
抵抗加熱部分を含むフォトニックエミッタ、光源、及びレンズ素子を含む、投影システムと、
眼用デバイス内に配置される少なくとも第1のエネルギー印加素子と、
前記眼用デバイスの外部に配置された信号源との無線通信のための通信プロトコルを、前記眼用デバイス内部から制御する、電子回路と、
前記投影システムに通信される形式にデータを処理する電子回路であって、前記データは放射された前記光において位相特性として前記投影システムによってエンコードされる、電子回路と、を備える、眼用デバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9