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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-157652(P2018-157652A)
(43)【公開日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】遮断器現地保守点検作業台
(51)【国際特許分類】
   H02B 3/00 20060101AFI20180907BHJP
   H02B 11/12 20060101ALI20180907BHJP
   B62B 3/02 20060101ALI20180907BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20180907BHJP
【FI】
   H02B3/00 Z
   H02B3/00 L
   H02B11/12 G
   B62B3/02 F
   B62B3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-51094(P2017-51094)
(22)【出願日】2017年3月16日
(71)【出願人】
【識別番号】599041606
【氏名又は名称】三菱電機プラントエンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】上原 龍也
(72)【発明者】
【氏名】野口 英明
(72)【発明者】
【氏名】丹野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 良幸
(72)【発明者】
【氏名】牧野 恵三
(72)【発明者】
【氏名】古川 仁一
【テーマコード(参考)】
3D050
5G012
【Fターム(参考)】
3D050BB02
3D050CC06
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG01
5G012JJ02
5G012JJ04
(57)【要約】
【課題】運搬の利便性が良く、かつ、遮断器の試験や保守点検の作業の効率を向上させることができる遮断器現地保守点検作業台を提供する。
【解決手段】遮断器現地保守点検作業台100は、自在式車輪11を有する台車1と、台車1に着脱可能に取付けられる一対の支柱31,32及び支柱31,32の間に設けられる支持パイプ33を有する支持部3と、同様に、支柱41,42及び支持パイプ43を有する支持部4と、支持パイプ33,43に着脱可能に取付けられる作業台部2とを備える。よって、遮断器現地保守点検作業台100は分解することができ、運搬の利便性が良い。また、台車1には自在式車輪11が取付けられるので、遮断器現地保守点検作業台100を位置や向きを容易に変えることが出来る。また、開口部6が形成されるため、遮断器Aの底面の点検もスムーズに行うことができ、作業の効率が向上する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自在式車輪を有する台車と、
前記台車に着脱可能に取付けられる一対の支柱と、前記一対の支柱の間に設けられる支持パイプとを各々が有する一対の支持部と、
前記支持パイプに着脱可能に取付けられる作業台部とを備え、
前記作業台部には遮断器が載置可能であるとともに、前記作業台部には前記遮断器の底面を視認可能な開口部が形成される遮断器現地保守点検作業台。
【請求項2】
前記一対の支持部のうち少なくとも一方の支持部の前記支柱には腕部の一端が取付けられ、前記腕部の他端は、他の前記支持部の前記支柱に着脱可能に係合する請求項1に記載の遮断器現地保守点検作業台。
【請求項3】
前記支持パイプと前記作業台部との間には弾性体が設けられる請求項1又は2に記載の遮断器現地保守点検作業台。
【請求項4】
前記支持パイプの厚みは2〜3mmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の遮断器現地保守点検作業台。
【請求項5】
前記台車、前記一対の支持部及び前記作業台部の少なくともいずれか1つはアルミ材により形成される請求項1〜4のいずれか一項に記載の遮断器現地保守点検作業台。
【請求項6】
前記支柱は前記台車に対してノブボルトによって着脱可能に固定される請求項1〜5のいずれか一項に記載の遮断器現地保守点検作業台。
【請求項7】
前記作業台部には、前記遮断器の車輪が載置可能な一対のレール部が設けられ、
前記レール部の側部には、前記レール部の上面よりも上側に突出する脱輪防止壁が設けられる請求項1〜6のいずれか一項に記載の遮断器現地保守点検作業台。
【請求項8】
前記脱輪防止壁には、前記遮断器の前記車輪と当接可能に設けられ、前記レール部に沿った前記遮断器の移動を規制するストッパが着脱可能に取付けられる請求項7に記載の遮断器現地保守点検作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遮断器の試験や保守点検の作業に用いられる遮断器現地保守点検作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遮断器の試験や保守点検を行う際には、遮断器を床に下ろして作業者が座って作業を行うことが多かった。しかしながら、床の上に置かれた遮断器に対して試験や保守点検を行う作業は、長時間に亘ると作業者に無理な姿勢を強いてしまうため、身体的な負担が大きい。また、遮断器は50〜60Kgの重さがあるため、上げ下ろしの作業が困難であった。
【0003】
一方、特許文献1に示すように、設備から取り外された遮断器を作業台の上に載せてから試験や保守点検等の作業を行う場合もある。この場合、作業者は椅子などに座った状態で作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−050911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載される作業台は、分解することができず、例えば作業台を階段で高層階の作業場所まで運ばなければならない時は持ち運びに極めて不便だった。また、特許文献1の作業台に遮断器を載せると遮断器の底面が見えなくなってしまうため、遮断器の底面側の点検を容易に行うことができないという問題もあった。
【0006】
この発明は、このような問題を解決するためになされ、運搬の利便性が良く、かつ、遮断器の試験や保守点検の作業の効率を向上させることができる遮断器現地保守点検作業台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明に係る遮断器現地保守点検作業台は、自在式車輪を有する台車と、台車に着脱可能に取付けられる一対の支柱と、一対の支柱の間に設けられる支持パイプとを各々が有する一対の支持部と、支持パイプに着脱可能に取付けられる作業台部とを備え、作業台部には遮断器が載置可能であるとともに、作業台部には遮断器の底面を視認可能な開口部が形成される。
【0008】
この発明に係る遮断器現地保守点検作業台の一対の支持部のうち少なくとも一方の支持部の支柱には腕部の一端が取付けられ、腕部の他端は、他の支持部の支柱に着脱可能に係合してもよい。
【0009】
また、支持部の支持パイプと作業台部との間には弾性体が設けられてもよい。
さらに、支持パイプの厚みは2〜3mmであってもよい。
【0010】
また、台車、一対の支持部及び作業台部の少なくともいずれか1つはアルミ材により形成されていてもよい。
【0011】
さらに、支持部の支柱は台車に対してノブボルトによって着脱可能に固定されてもよい。
【0012】
また、作業台部には、遮断器の車輪が載置可能な一対のレール部が設けられ、レール部の側部には、レール部の上面よりも上側に突出する脱輪防止壁が設けられてもよい。
またさらに、脱輪防止壁には、遮断器の車輪と当接可能に設けられ、レール部に沿った遮断器の移動を規制するストッパが着脱可能に取付けられてもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る遮断器現地保守点検作業台によれば、運搬の利便性が良く、かつ、遮断器の試験や保守点検の作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施の形態1に係る遮断器現地保守点検作業台の斜視図である。
図2図1に示す遮断器現地保守点検作業台の分解斜視図である。
図3図1に示す遮断器現地保守点検作業台の台車と支持部との接合部分を示す図である。
図4図1に示す遮断器現地保守点検作業台の支持部の支柱と上側パイプとの接続箇所の構造を示す斜視図である。
図5図1に示す遮断器現地保守点検作業台の支持部に取付けられる腕部の構造を示す断面図である。
図6図1に示す遮断器現地保守点検作業台の作業台部の上に遮断器が載置された状態を示す側面図である。
図7図1に示す遮断器現地保守点検作業台の作業台部の一部の構造を拡大した図である。
図8】この発明の実施の形態2に係る遮断器現地保守点検作業台の作業台部の斜視図である。
図9図8に示す遮断器現地保守点検作業台の作業台部の上に遮断器が載置された状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に示すように、遮断器現地保守点検作業台100は、台車1と、台車1に着脱可能に取付けられるとともに互いに対向して設けられる一対の支持部3,4と、一対の支持部3,4の上に載置される作業台部2とを備える。作業台部2の上には遮断器Aが載置される。一対の支持部3,4は、遮断器Aを間に挟むように設けられる一対の腕部35,45を介して連結されている。そして、図2に示すように、遮断器現地保守点検作業台100は、台車1と、一対の支持部3,4と、作業台部2とに分解することができる。
なお、以下の説明において、図1に示すように、腕部35が設けられている側を遮断器現地保守点検作業台100の正面側Fとし、腕部45が設けられている側を背面側Bとする。
【0016】
図1及び2を参照して台車1の構造について説明する。
台車1は、略正方形状の台12と、台12の下面の四隅に取付けられる自在式車輪11と、台12の上面の四隅に設けられる支柱係合部15とを有する。自在式車輪11は、水平方向に360度回転することができる。よって、台車1は、前後左右又は斜め方向に自在に移動させることができ、また、その場で回転させて向きを変えることもできる。また、図2に示すように、台12は、台12の4辺を構成する枠材12aと、枠材12aの内側に互いに平行に架け渡される3本の横材12bとを有する。ここで、枠材12aと横材12bとの間及び枠材12a同士の間は間隔が空いて空間となっているため、同様の大きさを有する正方形状の板材と比べて台12の重量はより軽いものとなる。また、支柱係合部15の各々は、台12の枠材12aに固定される固定部15aと、固定部15aに接続するとともに台12に対して垂直方向に延びる略円筒形状の係合筒部15bとを有する。また、各々の係合筒部15bには支柱固定用ボルト孔15cが形成される(図3参照)。
ここで、台12及び支柱係合部15はアルミ材により形成される。
【0017】
次に、図1〜5を参照して、支持部3の構造について説明する。
図1及び2に示すように、支持部3は、互いに平行な一対の支柱31,32と、一対の支柱31,32の間に架け渡される支持パイプ33とを有する。なお、支持パイプ33の厚みtは2.6mmであるものとする(図7参照)。ここで、図3に示すように、支柱31,32の下端部は、各々、台車1の支柱係合部15の係合筒部15bに嵌め込まれて、台車1に取付けられる。また、支柱係合部15の係合筒部15bの支柱固定用ボルト孔15cには支柱固定用ノブボルト14が挿入される。そして、支柱固定用ノブボルト14が支柱31,32を押圧し、支柱固定用ノブボルト14と係合筒部15bの内周面との間に支柱31,32が挟み込まれることによって、支柱31,32は支柱係合部15を介して台車1に固定される。なお、支柱固定用ノブボルト14を締付け、又は緩めることによって、支柱31,32は台車1に対して着脱可能となっている。
【0018】
また、図2に示すように、支柱31と支持パイプ33との間、及び支柱32と支持パイプ33との間には、各々、2本ずつの補強パイプ37が斜交いに取付けられている。さらに、支持パイプ33の上側には、一対の支柱31,32の間に架け渡される上側パイプ30が設けられる。なお、上側パイプ30の両端は略円筒形状のコネクタ51を介して、各々、一対の支柱31,32に取付けられている。上側パイプ30が設けられることにより、一対の支柱31,32の間隔は一定に保たれる。また、支柱31には、支持パイプ33と上側パイプ30との間に腕部35の一端が接続されている。
ここで、支持部3の支柱31,32、支持パイプ33、腕部35、補強パイプ37及び上側パイプ30はアルミ材により形成されている。
【0019】
図4を参照して、支持部3の支柱31と上側パイプ30との接続箇所の詳細な構造について説明する。
支柱31には、支柱31の延長方向に沿って延びる帯状の凸部31aが形成されている。コネクタ51の一端は凸部31aに係合するとともに、凸部31aに沿ってスライド可能となっている。また、コネクタ51には上側パイプ30の端部が挿入される。さらにまた、コネクタ51の側部にはコネクタノブボルト52が取付けられている。ここで、コネクタノブボルト52を締め付け方向に回すと、コネクタ51の側部は、コネクタノブボルト52の締付け力によって潰されるように変形する。これにより、コネクタ51が支柱31の凸部31aを挟持する把持力が高まり、コネクタ51は支柱31に対して容易にスライドすることができなくなる。また、上側パイプ30の端部は、コネクタ51の内側で締付けられるように把持され、コネクタ51から容易に取り外すことができなくなる。従って、コネクタノブボルト52を締め付けることにより、上側パイプ30は支柱31に対して安定的に固定される。逆に、コネクタノブボルト52を緩める方向に回して締付け力を弱くすると、コネクタ51が支柱31の凸部31aを挟持する把持力が弱くなる。これにより、コネクタ51を支柱31の延長方向、すなわち上下方向に容易にスライドさせることができるようになる。
また、支柱32と上側パイプ30との接続箇所も、図4に示すものと同様の構造であるものとする。
従って、上側パイプ30は、両端がコネクタ51に挿入された状態で、支柱31,32に対してスライド可能となっており、上下方向の位置を適宜調整することができる。また、コネクタノブボルト52は手作業で締め付けたり緩めたりすることができるため、工具を用いずに上側パイプ30の位置を容易に調整することができる。
【0020】
次に、図5を参照して、腕部35の詳細な構造について説明する。
腕部35の一端には、略円筒形状の取付部34が設けられ、取付部34が支持部3の支柱31に遊びを持った状態で嵌合されることにより、腕部35は支柱31に対して回転可能に取付けられている。また、腕部35の他端にはフック36が取付けられている。フック36は、支持部4の支柱42に係合可能な略半円形状の凹部を有する。フック36にはフック側ボルト孔36aが形成され、フック側ボルト孔36aにはフック側ノブボルト38が挿入される。ここで、腕部35のフック36を支持部4の支柱42に固定させるためには、フック側ボルト孔36aに挿入したフック側ノブボルト38をねじ込み、支柱42に当接させる。そして、支柱42がフック側ノブボルト38とフック36との間に挟み込まれることにより、支持部3の腕部35は支持部4の支柱42に固定される。また、フック側ノブボルト38は紛失防止のためにチェーン39を介して腕部35に接続されている。また、フック側ノブボルト38は締め付けに工具を必要とせず、手作業だけで腕部35を支柱42に固定することができる。
【0021】
ここで、支持部3に対向して設けられる支持部4も、支持部3の支柱31,32、支持パイプ33、腕部35、補強パイプ37及び上側パイプ30と同様の構造の支柱41,42、支持パイプ43、腕部45、補強パイプ47及び上側パイプ40を有する。
また、上側パイプ40と支柱41,42との間にも、図4に示すコネクタ51が設けられているため、上側パイプ40は支柱41,42に対して上下方向にスライドし、適宜位置を適宜調整することができる。
また、支持部4の支柱41に取付けられる腕部45も、腕部35の取付部34、フック36及びフック側ノブボルト38と同様の構造の取付部44、フック46及びフック側ノブボルト48を有し、腕部45のフック46は支持部3の支柱32に着脱可能に係合する。
【0022】
次に、図1,2,6及び7を参照して、作業台部2の詳細な構造について説明する。
図1及び2に示すように、作業台部2は、互いに平行に延びる一対の細長板形状部材である作業台板部21a,21bを有する。また、図2に示すように、一対の作業台板部21a,21bの上面には一対のレール部25a,25bが載置され、この一対のレール部25a,25bは、一対の作業台板部21a,21bの間に互いに平行に延びるように架け渡されている。ここで、作業台板部21a,21bとレール部25a,25bとに囲まれた空間は開口部6を構成する。さらに、各々の作業台板部21a,21bの両端部付近の下面には、係合突出部22が突出して設けられる。各々の係合突出部22は、互いに対向して設けられる一対の板片22a,22bによって構成される。また、一対のレール部25a,25bの各々の外側の側部には、略L字形状の断面を有する板材である第一脱輪防止壁23が、各々2個ずつ取付けられる。そして、第一脱輪防止壁23の上端部は、作業台部2の内側、すなわち遮断器Aが設けられる側に向かって折り曲げられている。ここで、正面側に設けられる第一脱輪防止壁23を、前方脱輪防止壁23aとする。前方脱輪防止壁23aには、ストッパ取付孔23bが形成されている。さらにまた、一対のレール部25a,25bの各々の内側の側部には、略長方形状をなす板材である第二脱輪防止壁24が各々2個ずつ取付けられる。各々の第一脱輪防止壁23と第二脱輪防止壁24とは互いに対向するように配置されるとともに、作業台板部21a,21bに対応する位置に設けられる。なお、第一脱輪防止壁23及び第二脱輪防止壁24は、レール部25a,25bの上面から上側に突出するように設けられる。また、第一脱輪防止壁23の上端の高さは第二脱輪防止壁24の上端の高さよりも高い。さらに、レール部25a,25bの各々の上面の背面側Bの一端には車輪止め部28が突出して設けられている。
なお、一対の作業台板部21a,21b、係合突出部22、一対のレール部25a,25b、第一脱輪防止壁23及び第二脱輪防止壁24は、アルミ材により形成される。
【0023】
図6の矢印Sに示すように、遮断器Aは正面側Fから背面側Bに向かってスライドさせられて、遮断器現地保守点検作業台100の作業台部2の上に載置される。この時、一対のレール部25a,25bの上には遮断器Aの車輪Wが載置されている。そして、レール部25a,25bの上を移動する遮断器Aの車輪Wは、レール部25a,25bの背面側Bに設けられる車輪止め部28に当接して位置決めされる。この時、図7に示すように、遮断器Aの4つの車輪Wの各々は、第一脱輪防止壁23と第二脱輪防止壁24との間に配置される。また、前方脱輪防止壁23aのストッパ取付孔23bにはストッパノブボルト29が挿入される。そして、ストッパ取付孔23bに挿入されたストッパノブボルト29のネジ部29aはレール部25の側に突出し、遮断器Aの正面側Fの車輪Wが当接可能となるように配置されている。これにより、遮断器Aの前後方向のスライド移動が規制される。
なお、ストッパノブボルト29はストッパを構成する。
【0024】
また、図7に示すように、支持パイプ33が係合突出部22の一対の板片22a,22bの間に挟み込まれるように嵌合することにより、作業台部2と支持部3は着脱可能に係合する。また図7と同様に、支持パイプ43が係合突出部22に嵌合することにより、作業台部2と支持部4も着脱可能に係合する。
【0025】
さらにまた、図7に示すように、支持パイプ33と作業台板部21aとの間には弾性体であるゴムシート5が設けられる。同様に、支持パイプ43と作業台板部21aとの間、支持パイプ33と作業台板部21bとの間、及び支持パイプ43と作業台板部21bとの間にも、各々ゴムシート5が設けられるものとする。
【0026】
以上より、この実施の形態に係る遮断器現地保守点検作業台100では、台車1と、一対の支持部3,4と、作業台部2とが互いに着脱可能に組み立てられているため、図2に示すように分解することができる。そのため、分解された各部を複数人で持ち運んだり、複数回に分けて持ち運んだりすることができ、重い遮断器現地保守点検作業台100を一度に運ぶ必要がない。従って、遮断器現地保守点検作業台100の運搬の利便性が向上する。
また、台車1は自在式車輪11を有しているため、どのような方向にでも移動させることができ、またその場で回転させて向きを変えることができる。そのため、遮断器Aの試験や保守点検の作業の効率性が向上する。
また、遮断器現地保守点検作業台100に遮断器Aを載せて作業を行っていない時は、台12の上に荷物や機材を載せて台車として使用することができる。従って、別途、作業用の台車を用意する必要がなく、作業現場に運搬する機材の点数を削減することができる。
さらに、作業台部2には開口部6が形成されるため、作業台部2の下から遮断器Aの底面を視認することができ、作業の効率性がさらに向上する。
【0027】
また、支持部3,4の支柱31,41には腕部35,45の一端が取付けられ、腕部35,45の他端に設けられるフック36,46は、各々、対向する支持部4,3の支柱42,32に着脱可能に係合する。これにより、腕部35,45を介して支持部3,4が連結され、遮断器Aをより安定して遮断器現地保守点検作業台100に載置させることができる。また、遮断器Aを試験又は保守点検する場合、遮断器A内で蓄勢された電動ばね(図示せず)のエネルギーによって、遮断器現地保守点検作業台100に大きな衝撃が加わることがある。従って、腕部35,45を介して支持部3,4を連結させることにより、遮断器現地保守点検作業台100の強度が上がり、作業時に遮断器Aに発生する衝撃に耐えることができるようになる。
【0028】
また、試験又は保守点検作業時の遮断器Aから支持部3,4に伝達される衝撃を緩和するため、支持パイプ33,43と作業台部2との間にはゴムシート5が設けられる。また、支持パイプ33,43の厚みtを2.6mmとして、通常のアルミパイプの厚さよりも厚くすることにより、衝撃により強い構造としている。
なお、支持パイプ33,43の厚みtは2.6mmに限定されず、2〜3mmの厚さであればよいものとする。
【0029】
また、台車1、一対の支持部3,4及び作業台部2がアルミ材によって形成されていることにより、遮断器現地保守点検作業台100の軽量化を達成することができ、遮断器現地保守点検作業台100の運搬や取扱いの利便性が向上する。
なお、この実施の形態において、台車1、一対の支持部3,4及び作業台部2のうちの一部のみがアルミ材によって形成されていてもよいものとする。
【0030】
また、支持部3,4の支柱31,32,41,42は台車1に対して支柱固定用ノブボルト14によって固定される。このように、部材同士の接合にノブボルトを用いることにより、工具が不要となり、遮断器現地保守点検作業台100の組み立て及び分解がスムーズとなる。また、工具が不要な分、作業現場に運搬する荷物の量を少なくすることができる。
【0031】
レール部25a,25bの側部には、レール部25a,25bの上面よりも上側に突出する第一脱輪防止壁23及び第二脱輪防止壁24が設けられる。これにより、遮断器Aの車輪Wがレール部25a,25bから脱輪することが防止される。さらに、前方脱輪防止壁23aには、遮断器Aの車輪Wと当接可能に設けられるストッパノブボルト29が着脱可能に取付けられ、ストッパノブボルト29は遮断器Aの前後方向の移動を規制することができる。そのため、遮断器Aの試験作業時に強い衝撃が発生した場合でも、衝撃によって遮断器Aの車輪Wが脱輪したり、遮断器Aの位置が予期せず移動したりする事態が防止される。従って、遮断器Aをより安定して作業台部2の上に位置決めすることができる。
【0032】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る遮断器現地保守点検作業台200の作業台部202の構成を図8及び9に示す。なお、図1〜7の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図8に示すように、作業台部202のレール部25a,25bの下には、前方脱輪防止壁23aに対応する位置に、各々、外側に張り出す一対の板状の作業台板部221a,221bが設けられている。また、作業台板部221a,221bの下には、各々、係合突出部222が設けられる。係合突出部222は板片22aと、板片22aの内側に配置される内側係合板片222bとを有する。図9に示すように、板片22aと内側係合板片222bとの間には、支持パイプ33,43が嵌合される。また、内側係合板片222bは板片22aよりも下方に向かって長く延びている。また、一対の内側係合板片222bの間には前方作業台板部210が架け渡される。前方作業台板部210の両端は、一対の内側係合板片222bの下端に接続される。これにより、遮断器Aの底面から前方作業台板部210の上面までの間隔D1は、遮断器Aの底面と背面側Bの作業台板部21bの上面との間隔D2よりも広くなる。
なお、作業台板部221a,221b、係合突出部222及び前方作業台板部210も、アルミ材により形成される。
【0033】
以上より、この実施の形態2に係る遮断器現地保守点検作業台200の作業台部202では、正面側Fの前方作業台板部210を、背面側Bの作業台板部21bよりも下方に配置する。これにより、遮断器Aの底面から前方作業台板部210の上面までの間隔D1をより広く取ることができる。従って、作業者は作業台部202の下から開口部6を介して遮断器Aの底面の状態を確認しつつ、遮断器Aの底面と前方作業台板部210との間に容易に手や工具を差し入れて作業を行うことができるため、作業の効率性がより向上する。
【符号の説明】
【0034】
1 台車、2,202 作業台部、3,4 支持部、5 ゴムシート(弾性体)、6 開口部、11 自在式車輪、14 支柱固定用ノブボルト、23 第一脱輪防止壁、24 第二脱輪防止壁、25a,25b レール部、29 ストッパノブボルト(ストッパ)、31,32,41,42 支柱、35,45 腕部、100,200 遮断器現地保守点検作業台、A 遮断器、W 遮断器の車輪、t 支持パイプの厚み。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9