(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-158747(P2018-158747A)
(43)【公開日】2018年10月11日
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 73/00 20060101AFI20180914BHJP
【FI】
B65D73/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-57186(P2017-57186)
(22)【出願日】2017年3月23日
(71)【出願人】
【識別番号】517098343
【氏名又は名称】株式会社富山ねるものコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】麻生 大輔
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA12
3E067AB01
3E067AB06
3E067AC03
3E067AC11
3E067BA15C
3E067BA33B
3E067BC04C
3E067EA04
3E067EB06
3E067EB22
3E067EE06
3E067FA04
3E067FB05
3E067FC01
3E067FC03
(57)【要約】
【課題】デザイン性に優れ、収納の容易な包装体の提供を目的とする。
【解決手段】商品を包装した小分け包装品を複数に並べて配置するベース部と、前記ベース部から前記商品側に向けて折り返す表面部と、前記折り返した表面部からさらに前記ベース部の背面側に折り返す背面部を有し、前記表面部は前記小分け包装品の商品部分を突出させる開口部を有していることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を包装した小分け包装品を複数に並べて配置するベース部と、前記ベース部から前記商品側に向けて折り返す表面部と、
前記折り返した表面部からさらに前記ベース部の背面側に折り返す背面部を有し、
前記表面部は前記小分け包装品の商品部分を突出させる開口部を有していることを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記ベース部又は表面部は両側の側部に前記小分け包装品の端部を差し込む折返部を有していることを特徴とする請求項1記載の包装体。
【請求項3】
前記ベース部と前記背面部の端部付近との間に封止部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深絞り包装品等の真空パック商品を包装する包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、かまぼこ,ちくわ,はんぺん,さつま揚げ,すまき,すじ,ソーセージ等の練り製品は、真空パック包装された状態で販売されている。
これらの商品は、従来比較的大きなサイズであり、食する場合には包装を開封し、小さく切り、小分けするのが一般的であった。
しかし、一度に食べきれない場合等には、残り物が発生し、不便である。
また、旅行やアウドドアにおいても、開封後に食べ残りが生じると不便である。
【0003】
そこで本発明者は、商品を予め小分けにした包装商品とし、これらの小分け包装品を複数包装するのに適した包装体を検討した結果、本発明に至った。
【0004】
特許文献1に、鏡餅セットの包装体を開示するが、1つの商品の包装体であって、複数の商品を包装するのに適したものではない。
特許文献2に、収納部を備えた名刺サイズのシート部材を開示するが、これも小分けした複数の商品の収納に適したものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−227176号公報
【特許文献2】実用新案登録第3002276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、デザイン性に優れ、収納の容易な包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装体は、商品を包装した小分け包装品を複数に並べて配置するベース部と、前記ベース部から前記商品側に向けて折り返す表面部と、前記折り返した表面部からさらに前記ベース部の背面側に折り返す背面部を有し、前記表面部は前記小分け包装品の商品部分を突出させる開口部を有していることを特徴とする。
【0008】
本発明の対象となる商品は、主に食品を対象にするものの、複数に小分けするのに適した商品であれば特に限定されない。
例えば、かまぼこ等の食品は、開封すると食べきるのが好ましいことから、小分けするのに適している。
このような商品は、真空パックにして販売されているものが多く、特に小分けした包装品は、ボトム材の凹部に商品を入れ、トップ材でシールしたものであるのが好ましい。
ボトム材又はトップ材を端部から剥がすようにして開封することで、手で持って食することができる。
【0009】
本発明に係る包装体において、表面部に開口部を有することから、ボトム材とトップ材との重ね合せ部(板状部)を表面部とベース部との間に挟み込み、突出している商品部分をこの開口部から外側に突出させた状態で包装することができる。
これにより、ベース部に複数の小分け包装品の板状部(シート状部)を相互に重ね合せるように並べ、その上に表面部を折り返すことができる。
よって、開口部を有する表面部が商品の額縁となる。
【0010】
本発明において、ベース部又は表面部は両側の側部に前記小分け包装品の端部を差し込む折返部を有しているようにしてもよい。
このようにすると、ベース部に複数個並べたうちの両側の端部の小分け包装品の端部(板状部)をベースあるいは表面部のうち、一方に設けた折返部の間に差し込むことで、商品が安定する。
【0011】
本発明は、表面部の開放側からベース部の背面側に折り返した背面部を設けたことにより、表面部とベース部とが開かないようにしたものであり、ベース部と前記背面部の端部付近との間に封止部を有するようにしてもよい。
この封止部の封止方法は、テープ類によるシール,のり付け等、手段に制限はない。
また、封止部より内側に切り込み帯等の開封部を設けてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る包装体は、複数の小分け包装品をベース部に並べ、その上から表面部を重ね合せるように折り返し、さらに背面部をベース部の背面側に折り返すだけで包装できるので、構造が簡単で包装作業が容易である。
また、表面部に設けた開口部から商品が見えるので店頭に陳列しやすく、必要に応じてフック片にて吊り下げることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)は本発明に係る包装体の外観図を示し、(b)は表面部を除去したベース部の状態を示す。(c)は表面部の開口部に設けた意匠シートの例を示す。
【
図2】(a)は本発明に係る包装体を開いた包装台紙の状態を示し、(b)はA−A線断面図を示す。
【
図3】(a)はベース部に小分け包装品を3つ並べた例を示し、その断面図を(b)に示す。
【
図4】(a)は表面部をベース部の表側に折り返した状態を示し、(b)はその断面図を示す。
【
図5】(a)は背面部をベース部の背面側に折り返した状態を示し、(b)はその断面図を示す。
【
図6】(a)はベース部及び背面部を背面側から見た状態を示し、(b)はフック片を切り起こした状態を示す。
【
図7】小分け包装品を開封して食する状態を(a),(b)に示す。
【
図8】(a)は小分け包装品が2つの場合、(b)は小分け包装品が5つの場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る包装体の構造例を以下、図面に基づいて説明する。
図1に本発明に係る包装体10を示し、
図2にこの包装体10を展開した包装台紙11の状態を示す。
包装台紙11は、一度に食べきれる大きさの商品1を、真空パック包装した小分け包装品2を複数個並べるベース部12と、このベース部から折り目12cを介して延在した表面部13を有する。
表面部13は、さらに折り目13bを介して背面部14を連続的に有する。
ベース部12は、
図2(b)に断面図を示すように、左右両側の端部を商品側に折り返した折返部12aを形成し、内側に小分け包装品2のシート状端部を差し込むための保持溝部12bを有する。
小分け包装品2は、
図7に示すように凹部を有するボトム材2cに商品1を収容し、トップ材2aでシールしてある。
【0015】
図3に小分け包装品2を3つ、ベース部12に並べた状態を示す。
その状態の断面図を
図3(b)に示す。
中央の小分け包装品2の両側のシート状部の上に、外側の小分け包装品2のシート部とを重ね合せた重ね合せ部2bを形成するように配置する。
両側の端に配置した小分け包装品のシート状部の端部を保持溝部12bに差し込んだ状態になっている。
この状態で
図3(a)に示すように、表面部13を背面部14とともに商品の表面側に向けて折り返す。
この状態を
図4(a)に示し、(b)に断面図を示す。
【0016】
次に、背面部14をベース部12の背面側に廻し込むように折り返す。
この状態を
図5(a)に示し、その断面図を(b)に示す。
図6は、包装体10を背面側から見た状態であり、背面部14の端部付近14bにてベース部12の背面とをテープ材でシール又はのり付けシールする。
このシール部より内側(折り目12b側)に開封部14aを有する。
本実施例では、帯状に切り込みを入れた切り込み帯を採用した例になっているが、これに限定されない。
また、ベース部12の
図6では、上端部に点線状に切り込みを入れたフック片12dを有し、これを切り起こしたのが
図6(b)の状態であり、フック孔12eを有する。
このフック孔12eを用いて店頭等で吊り下げることができる。
【0017】
このように、小分け包装品2を包装した状態を
図1(a)に示し、表面部13を切除し、ベース部12を表したのが
図1(b)である。
本実施例では、表面部13の開口部13aに商品名等を記載した意匠シート15を設けた例を示し、その状態を
図1(c)、貼り付け構造を
図2に示す。
【0018】
本発明は、小分け包装品の数に制限がなく、例えば
図8(a)に2つ、(b)に5つの例を示す。
【符号の説明】
【0019】
1 商品
2 小分け包装品
10 包装体
11 包装台紙
12 ベース部
12a 折返部
12b 保持溝部
12c 折り目
12d フック片
12e フック孔
13 表面部
13a 開口部
13b 折り目
14 背面部
14a 開封帯(切り込み帯)
15 意匠シート