【解決手段】タイミングコントローラは、入力画像データを受信するデータ受信部と、受信した前記入力画像データを出力画像データとして前記複数のソースドライバICに出力するデータ出力部と、表示装置の動作状態を判定する状態判定部と、を含み、前記状態判定部は、前記表示装置が、通常モードにより表示動作を行うべき第1状態であるか、又は、前記通常モードより消費電力が低い低消費電力モードにより表示動作を行うべき第2状態であるかを判定し、前記表示装置が前記第1状態である場合は、前記表示パネルの表示領域の全体に、前記入力画像データに対応する全体画像を表示し、前記表示装置が前記第2状態である場合は、前記表示領域のうち第1領域に、前記入力画像データの一部を用いて第1画像を表示し、前記表示領域のうち前記第1領域を除いた第2領域に、黒色の第2画像を表示する。
前記タイミングコントローラは、さらに、前記状態判定部により判定された前記表示装置の動作状態に基づいて、前記複数のソースドライバIC及び前記複数のゲートドライバICを制御する制御信号を生成する制御信号生成部を含み、
前記表示装置が前記第2状態である場合は、
前記複数のソースドライバICのうち少なくとも1つは、前記制御信号に基づいて、前記第2画像に対応する画像データを、前記複数のソースラインのうち前記第2領域に配置された前記ソースラインに出力し、
前記複数のゲートドライバICのうち少なくとも1つは、前記制御信号に基づいて、前記複数のゲートラインのうち前記第2領域に配置された前記ゲートラインを駆動するための動作を停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記複数のソースドライバICは、各フレームの前記第1画像において、正極性の画像データにより表示される領域と、負極性の画像データにより表示される領域とが実質的に同じ面積になるように駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
第1色画素、第2色画素及び第3色画素がこの順に、前記ゲートラインが延在する第1方向に並んで繰り返し配置され、かつ、前記第1色画素、第2色画素及び第3色画素のそれぞれが、前記ソースラインが延在する第2方向に並んで配置されており、
前記複数のソースドライバICは、前記複数のソースラインに供給する画像データの極性を1本の前記ソースラインごとに反転させる1カラム反転駆動を行い、
前記第1ソースライン及び前記第2ソースラインは、それぞれ、1ライン分の前記第1色画素、1ライン分の前記第2色画素、及び1ライン分の前記第3色画素に対応する3本の前記ソースラインで構成されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
第1色画素、第2色画素及び第3色画素がこの順に、前記ゲートラインが延在する第1方向に並んで繰り返し配置され、かつ、前記第1色画素、第2色画素及び第3色画素のそれぞれが、前記ソースラインが延在する第2方向に並んで配置されており、
前記複数のソースドライバICは、前記複数のソースラインに供給する画像データの極性を1本の前記ソースラインごとに反転させる1カラム反転駆動を行い、
前記第1ソースライン及び前記第2ソースラインは、それぞれ、2ライン分の前記第1色画素、2ライン分の前記第2色画素、及び2ライン分の前記第3色画素に対応する6本の前記ソースラインで構成されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術によれば、従来の液晶表示装置と比較して消費電力を低減することができるが、近年の液晶表示装置において要求されているレベルの低消費電力化を実現することは困難である。
【0005】
本出願は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示装置の低消費電力化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る表示装置は、タイミングコントローラと、複数のソースドライバICと、複数のゲートドライバICと、複数のソースライン及び複数のゲートラインを含む表示パネルと、を含み、前記タイミングコントローラは、入力画像データを受信するデータ受信部と、受信した前記入力画像データを出力画像データとして前記複数のソースドライバICに出力するデータ出力部と、表示装置の動作状態を判定する状態判定部と、を含み、前記状態判定部は、前記表示装置が、通常モードにより表示動作を行うべき第1状態であるか、又は、前記通常モードより消費電力が低い低消費電力モードにより表示動作を行うべき第2状態であるかを判定し、前記表示装置が前記第1状態である場合は、前記表示パネルの表示領域の全体に、前記入力画像データに対応する全体画像を表示し、前記表示装置が前記第2状態である場合は、前記表示領域のうち第1領域に、前記入力画像データの一部を用いて第1画像を表示し、前記表示領域のうち前記第1領域を除いた第2領域に、黒色の第2画像を表示する、ことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る表示装置では、前記第1画像は、前記全体画像を縮小した画像でもよい。
【0008】
本発明に係る表示装置では、前記タイミングコントローラは、さらに、前記状態判定部により判定された前記表示装置の動作状態に基づいて、前記複数のソースドライバIC及び前記複数のゲートドライバICを制御する制御信号を生成する制御信号生成部を含み、前記表示装置が前記第2状態である場合は、前記複数のソースドライバICのうち少なくとも1つは、前記制御信号に基づいて、前記第2画像に対応する画像データを、前記複数のソースラインのうち前記第2領域に配置された前記ソースラインに出力し、前記複数のゲートドライバICのうち少なくとも1つは、前記制御信号に基づいて、前記複数のゲートラインのうち前記第2領域に配置された前記ゲートラインを駆動するための動作を停止してもよい。
【0009】
本発明に係る表示装置では、前記表示装置の温度を測定する温度センサをさらに含み、前記状態判定部は、前記温度センサにより測定された前記表示装置の温度に基づいて、前記表示装置が前記第1状態であるか、又は、前記第2状態であるかを判定し、前記表示装置の温度が所定の温度未満である場合は、前記状態判定部は、前記表示装置が前記第1状態であると判定し、前記表示装置の温度が前記所定の温度以上である場合は、前記状態判定部は、前記表示装置が前記第2状態であると判定してもよい。
【0010】
本発明に係る表示装置では、前記第1画像は、前記全体画像から、前記複数のソースラインのうちの所定のソースラインに対応する画像を間引いた間引き画像でもよい。
【0011】
本発明に係る表示装置では、前記複数のソースドライバICは、各フレームの前記第1画像において、正極性の画像データにより表示される領域と、負極性の画像データにより表示される領域とが実質的に同じ面積になるように駆動してもよい。
【0012】
本発明に係る表示装置では、前記複数のソースラインは、交互に配置された第1ソースラインと第2ソースラインとを含み、前記第1領域は、複数の前記第1ソースラインに接続する画素が配置された領域であり、前記第2領域は、複数の前記第2ソースラインに接続する画素が配置された領域でもよい。
【0013】
本発明に係る表示装置では、第1色画素、第2色画素及び第3色画素がこの順に、前記ゲートラインが延在する第1方向に並んで繰り返し配置され、かつ、前記第1色画素、第2色画素及び第3色画素のそれぞれが、前記ソースラインが延在する第2方向に並んで配置されており、前記複数のソースドライバICは、前記複数のソースラインに供給する画像データの極性を1本の前記ソースラインごとに反転させる1カラム反転駆動を行い、前記第1ソースライン及び前記第2ソースラインは、それぞれ、1ライン分の前記第1色画素、1ライン分の前記第2色画素、及び1ライン分の前記第3色画素に対応する3本の前記ソースラインで構成されてもよい。
【0014】
本発明に係る表示装置では、第1色画素、第2色画素及び第3色画素がこの順に、前記ゲートラインが延在する第1方向に並んで繰り返し配置され、かつ、前記第1色画素、第2色画素及び第3色画素のそれぞれが、前記ソースラインが延在する第2方向に並んで配置されており、前記複数のソースドライバICは、前記複数のソースラインに供給する画像データの極性を1本の前記ソースラインごとに反転させる1カラム反転駆動を行い、前記第1ソースライン及び前記第2ソースラインは、それぞれ、2ライン分の前記第1色画素、2ライン分の前記第2色画素、及び2ライン分の前記第3色画素に対応する6本の前記ソースラインで構成されてもよい。
【0015】
本発明に係る表示装置では、前記表示領域において、前記第1領域の位置をnフレームごとに異ならせてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る表示装置によれば、低消費電力化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態について、図面を用いて以下に説明する。以下では、液晶表示装置を例に挙げるが、本出願に係る表示装置は、液晶表示装置に限定されるものではなく、例えば有機EL表示装置等であってもよい。
【0019】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る液晶表示装置10の概略構成を示す図である。液晶表示装置10は、タイミングコントローラ(TCON)100と、ソースドライバ200と、ゲートドライバ300と、表示パネル400と、バックライト500とを含んでいる。表示パネル400及びバックライト500は、周知の構成を適用することができる。
【0020】
タイミングコントローラ100は、データ受信部110と、転送制御部120と、データ出力部130と、状態判定部140と、制御信号生成部150と、制御信号出力部160とを含んでいる。
【0021】
データ受信部110は、外部に設けられたシステム(図示せず)から出力された画像データDAを受信し、該画像データDAを転送制御部120に転送する。転送制御部120は、データ受信部110から受信した画像データDAをデータ出力部130に転送する。また転送制御部120は、状態判定部140から判定結果(後述)を受信し、該判定結果に基づいて画像データDAをデータ出力部130に転送する。データ出力部130は、転送制御部120から受信した画像データDAをソースドライバ200に出力する。
【0022】
状態判定部140は、液晶表示装置10を構成する各部の動作状態を監視して液晶表示装置10の動作状態を判定し、動作モードを指示する指示信号SS(判定結果)を出力する。例えば、状態判定部140は、液晶表示装置10が通常モードにより表示動作を行うべき状態(第1状態)であるか、又は、低消費電力モードにより表示動作を行うべき状態(第2状態)であるかを判定する。より具体的には例えば、液晶表示装置10の内部又は外部に設けられた温度センサ600が、表示パネル400、各種ドライバ(ソースドライバ200、ゲートドライバ300等)、各種電子部品、電源(
図2参照)等の温度を測定し、状態判定部140が温度センサ600から測定データを受信する。そして、上記温度が上昇し閾値を超えると、状態判定部140は、低消費電力モードにより表示動作を行うべき状態であると判定し、低消費電力モードを指示する指示信号SSを制御信号生成部150に出力する。また上記温度が低下し上記閾値以下になると、状態判定部140は、通常モードにより表示動作を行うべき状態であると判定し、通常モードを指示する指示信号SSを制御信号生成部150に出力する。状態判定部140は、例えば、上記温度が閾値以下のときは、通常モードを指示するローレベルの指示信号SS(L)を制御信号生成部150に出力し、上記温度が閾値を超えているときは、低消費電力モードを指示するハイレベルの指示信号SS(H)を制御信号生成部150に出力する。
図1では、温度センサ600が、液晶表示装置10の内部に設けられた例を示している。この場合、温度センサ600は、例えば表示パネル400の表面温度を測定し、測定データを状態判定部140に送信する。
【0023】
また、他の例としては、状態判定部140が、液晶表示装置10に搭載されたバッテリの残量を常時監視する。そして、バッテリ残量が低下し閾値以下になると、状態判定部140は、低消費電力モードにより表示動作を行うべき状態であると判定し、低消費電力モードを指示するハイレベルの指示信号SS(H)を制御信号生成部150に出力する。またバッテリ残量が上記閾値を超えているときは、状態判定部140は、通常モードにより表示動作を行うべき状態であると判定し、通常モードを指示するローレベルの指示信号SS(L)を制御信号生成部150に出力する。
【0024】
制御信号生成部150は、状態判定部140から指示信号SS(判定結果)を受信すると、該指示信号SSに基づいて、ソースドライバ200及びゲートドライバ300の動作を制御するための制御信号(後述)を生成し、該制御信号を制御信号出力部160に転送する。制御信号出力部160は、制御信号生成部150から受信した制御信号をソースドライバ200及びゲートドライバ300に出力する。
【0025】
図2は、液晶表示装置10の具体的な構成を示す平面図である。ソースドライバ200は、複数のソースドライバICで構成されており、ゲートドライバ300は、複数のゲートドライバICで構成されている。
図2では、4個のソースドライバIC(それぞれ、ソースドライバSD1、ソースドライバSD2、ソースドライバSD3、ソースドライバSD4と表す)と、2個のゲートドライバIC(それぞれ、ゲートドライバGD1、ゲートドライバGD2と表す)とを示している。またここでは、表示パネル400が、解像度WUXGA(横1920×3ドット(RGB)=横5760ドット、縦1200ドット)の構成を有する場合を例に挙げて説明する。この場合、横5760ドットに対応してソースラインSLが5760本配置されており、これを4個のソースドライバICで駆動する場合、1個のソースドライバICは少なくとも1440本のソースラインSLを駆動する能力を有する。また、縦1200ドットに対応してゲートラインGLが1200本配置されており、これを2個のゲートドライバICで駆動する場合、1個のゲートドライバICは少なくとも600本のゲートラインGLを駆動する能力を有する。
【0026】
ゲートドライバICの具体的な構成について、
図3及び
図4を用いて以下に説明する。
図3は、ゲートドライバIC(GD1,GD2)の構成を示すブロック図であり、
図4は、通常モードにおけるゲートドライバICに入出力される各種信号のタイミングチャートである。
図3に示すように、ゲートドライバGD1,GD2はそれぞれ、シフトレジスタ31及び電圧セレクタ32を含んでいる。STV(STVIN)はゲートスタートパルスを示し、CPVはゲートクロックを示し、これらの信号は、制御信号生成部150により生成される。
【0027】
シフトレジスタ31は、
図4に示すように、ゲートスタートパルスSTVの先頭ライン信号STVINが入力されると、ゲートクロックCPVの立ち上がりによりラッチし、先頭ラインの出力L1を「ハイ」にし、次のゲートクロックCPVの立ち上がりにより、出力L1を「ロー」にするとともに出力L2を「ハイ」にし、以降、ゲートクロックCPV毎に、出力L3から出力L600まで順次「ロー」及び「ハイ」を切り替えていく。
【0028】
電圧セレクタ32は、シフトレジスタ31から出力L1〜L600が入力されると、その値Lが「ハイ」のときは走査選択電圧(ゲートオン電圧)VgonをゲートラインGL1〜GL600に出力し、該値Lが「ロー」のときは走査非選択電圧(ゲートオフ電圧)VgoffをゲートラインGL1〜GL600に出力する。この動作により、ゲートオン電圧Vgonが、ゲートラインGL1〜GL600に順次出力される。またシフトレジスタ31の最終ライン出力L600は、ゲートドライバGD1からSTVOUTとして出力され、次段のゲートドライバGD2の先頭ライン信号STVINとして入力される。次段のゲートドライバGD2は、前段のゲートドライバGD1からSTVOUTが入力されると、次のゲートクロックCPVの立ち上がりにより順次ラッチしていき、ゲートラインGL601(ゲートドライバGD2のゲートラインGL1に相当)〜GL1200(ゲートドライバGD2のゲートラインGL600に相当)に対して、ゲートオン電圧Vgonを順次出力していく。ゲートドライバ300は、以上の動作により、例えば1200本のゲートラインGLを順次駆動する。
【0029】
ソースドライバSD1、ソースドライバSD2、ソースドライバSD3、及びソースドライバSD4には、それぞれ、タイミングコントローラ100のデータ出力部130から画像データDAが入力され、タイミングコントローラ100の制御信号出力部160からデータクロックDCK、ラッチパルスLP、及び反転信号POL(極性制御信号)等の制御信号が入力される。各ソースドライバICは、上記制御信号に基づいて画像データDAに応じた階調電圧Daを選択し、該階調電圧Da(画像データ)を、対応するソースラインSLに出力する。
【0030】
上記ゲートドライバ300及びソースドライバ200の動作により、所望の画像が表示パネル400に表示される。
【0031】
ここで、状態判定部140が、液晶表示装置10が低消費電力モードにより表示動作を行うべき状態であると判定した場合のゲートドライバ300の動作について説明する。例えば、表示パネル400の温度が上昇して閾値を超えた場合、ゲートドライバ300は以下の動作を実行する。
【0032】
状態判定部140は、低消費電力モードを指示するハイレベルの指示信号SS(H)を制御信号生成部150に出力する。制御信号生成部150は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、ゲートドライバGD1に動作停止信号STを出力する(
図5参照)。ゲートドライバGD1は、動作停止信号STを受信すると、ゲートドライバGD2に対するSTVOUTの出力動作を停止する(
図5の「×」印)。これにより、ゲートドライバGD2には先頭ライン信号STVINが入力されないため、ゲートドライバGD2は、シフト動作(スキャン動作)を停止する。尚、この場合、ゲートドライバGD2は、ゲートラインGL601〜GL1200に常時、ゲートオフ電圧Vgoffを出力されることになり、表示を確立させるためのゲートオン電圧Vgonが出力されないため、所望の画像表示が行われず、結果として黒表示として視認される。する。また、ゲートドライバGD1は、制御信号生成部150が状態判定部140から通常モードを指示するローレベルの指示信号SS(L)を受信するまで、STVOUTの出力動作を停止する。これにより、ゲートドライバGD2のシフト動作を停止させることができるため、ゲートドライバ300の消費電力を低減することができる。
【0033】
ゲートドライバ300は、上記動作に限定されず以下のように動作してもよい。例えば、各ゲートドライバICに機能を有効にするためのイネーブル信号(制御信号)がタイミングコントローラ100から入力される構成である場合は、制御信号生成部150は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、ゲートドライバGD2へのイネーブル信号の出力動作を停止する。これにより、ゲートドライバGD2にはイネーブル信号が入力されないため、ゲートドライバGD2は、機能が無効になりシフト動作を停止する。尚、この場合、ゲートドライバGD2は、ゲートラインGL601〜GL1200にゲートオフ電圧Vgoffを出力する。
【0034】
またゲートドライバ300は以下のように動作してもよい。例えば、制御信号生成部150は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、ゲートドライバGD2に動作停止信号STを出力する。ゲートドライバGD2は、動作停止信号STを受信すると、電源から出力されたゲートオン電圧Vgonの入力動作を停止する。この場合、ゲートドライバGD2は、シフト動作を停止してゲートラインGL601〜GL1200にゲートオフ電圧Vgoffを出力してもよいし、シフト動作を行ってゲートラインGL601〜GL1200にゲートオフ電圧Vgoffを出力してもよい。
【0035】
さらにゲートドライバ300は以下のように動作してもよい。例えば、制御信号生成部150は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、ゲートクロックCPVの周期を2倍に設定する。
図6は、
図4のタイミングチャートに対してゲートクロックCPVの周期を2倍に設定した場合のタイミングチャートである。ゲートクロックCPVの周期が2倍になると、ゲートラインGL1〜GL600の書き込み時間が2倍になり、ゲートラインGL1〜GL600のみ動作(スキャン)され、ゲートラインGL601〜GL1200の動作(スキャン)が停止する。
【0036】
ゲートドライバ300は、例えば表示パネル400が高温になると、上述した低消費電力モードの動作を実行する。これにより、ゲートドライバ300の消費電力を低減することができる。
【0037】
次に、状態判定部140が、液晶表示装置10が低消費電力モードにより表示動作を行うべき状態であると判定した場合のソースドライバ200の動作について説明する。例えば、表示パネル400の温度が上昇して閾値を超えた場合、ソースドライバ200は以下の動作を実行する。
【0038】
状態判定部140は、低消費電力モードを指示するハイレベルの指示信号SS(H)を転送制御部120に出力する。転送制御部120は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、ソースドライバSD1,SD2に画像データDAが入力され、ソースドライバSD3,SD4に黒表示を意味する“ローデータ”が入力されるように制御する。具体的には、
図7に示すように、画像データDAの伝送ラインにおいて、ソースドライバSD3,SD4に分岐される箇所(図中「×」印)を電気的に切断し、黒表示を意味する“ローデータ”を入力させる。例えば、上記伝送ラインの分岐点(ここではソースドライバSD2,SD3の分岐点)にスイッチを設け、転送制御部120が該スイッチをオフする制御信号を該スイッチに送信すると黒表示を意味する“ローデータ”を入力させるように動作する。これにより、ソースドライバSD3,SD4に接続されたソースラインSLには、画像データDA(この場合は黒データ)に応じた階調電圧Daが供給され、表示は黒表示となる。
【0039】
ソースドライバ200は、上記動作に限定されず以下のように動作してもよい。例えば、各ソースドライバICのそれぞれに、タイミングコントローラ100から別個に画像データDAが入力される構成(Point to Point方式)の場合は、転送制御部120は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、ソースドライバSD3,SD4に対する画像データDAを、黒表示を意味する“ローデータ”に固定させ、黒表示を実行させる。一方、ソースドライバSD1,SD2は画像データDAに応じた表示を実行させる。
【0040】
これにより、表示領域のうち、ソースドライバSD3,SD4に接続されたソースラインSLが配置された領域には、黒画像が表示される。ここで、低消費電力モードにおいて、スキャン動作が停止するゲートドライバGD2に接続されたゲートラインGLが配置された領域においても黒画像が表示されるように、例えば、スキャン動作を停止する直前に、上記領域の画素に黒電圧を書き込むことが好ましい。これにより、ソースドライバSD3,SD4により駆動する領域(右側領域)と、ゲートドライバGD2により駆動する領域(下側領域)とに、黒画像を表示させることができる。
【0041】
またこのとき、表示パネル400は、画像データDAに対応する全画面の画像(全画像)を、表示領域のうち、ソースドライバSD1,SD2及びゲートドライバGD1により駆動する領域に縮小して表示することが好ましい。
図8(a)は、通常モードにおける画像表示の一例を示し、
図8(b)は、低消費電力モードにおける画像表示(縮小表示)の一例を示している。
【0042】
全画像を縮小表示させる方法は以下の方法を適用することができる。例えば、各ソースドライバICが、2画素分の画像データDA(奇数データDAo、偶数データDAe)が1データクロックDCKに同期して入力される構成(2ドット/クロック仕様)である場合は、転送制御部120は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、奇数データDAo及び偶数データDAeの何れか一方を、ソースドライバSD1,SD2に出力する。そして、ソースドライバSD1,SD2は、1ドット/クロック仕様に変更して、奇数データDAo及び偶数データDAeの何れか一方により、各ソースラインSL(奇数ライン及び偶数ライン)に階調電圧Daを出力する。これにより、元の画像データDAの半分のデータ量によって全画像を縮小表示することができる。
【0043】
また例えば、各ソースドライバICが、1画素分の画像データDAが1データクロックDCKに同期して入力される構成(1ドット/クロック仕様)である場合は、転送制御部120は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、データ転送周期を2倍に設定する。ソースドライバSD1,SD2は、通常モードより2倍の周期で画像データDAを受信して、各ソースラインSLに階調電圧Daを出力する。これにより、元の画像データDAの半分のデータ量によって全画像を縮小表示することができる。
【0044】
ソースドライバ200は、例えば表示パネル400が高温になると、上述した低消費電力モードの動作を実行する。これにより、ソースドライバ200の消費電力を低減することができる。
【0045】
また上記の方法によれば、タイミングコントローラ100において縮小画像を生成する必要がないため、例えば縮小画像を生成するためのフレームメモリが不要になる。よって、液晶表示装置10の構成を複雑化させることなく、簡易な構成により縮小画像を用いた低消費電力モードによる表示動作を実現することできる。尚、液晶表示装置10は、既存のフレームメモリを使用して、タイミングコントローラ100において縮小画像を生成する構成としてもよい。またこの場合は、表示サイズに応じてフレームレートを調整してもよい。
【0046】
また動作モードが低消費電力モードに移行した場合は、バックライト500(
図1参照)を部分的に停止させてもよい。例えば、バックライト500が表示パネル400の上下に2個所配置されている場合は、黒画像表示の領域に近い方(
図8では下側)のバックライト500を停止する。また例えば、バックライト500が表示パネル400の左右に2個所配置されている場合は、黒画像表示の領域に近い方(
図8では右側)のバックライト500を停止する。さらに例えば、バックライト500を構成する複数の光源が表示パネル400の直下に配置されている場合は、黒画像表示の領域の直下に配置される光源を停止する。上記各構成により、バックライト500の消費電力を低減することができる。
【0047】
また上記各構成において、低消費電力モードのときに警告表示を行ってもよい。例えば、タイミングコントローラ100にフレームメモリを設け、低消費電力モードのときに、フレームメモリに記憶された警告表示に対応する画像(メモリ画像)を、黒画像を表示する領域の一部に表示させてもよい。
【0048】
また上記各構成において、表示領域における、縮小画像を表示する領域の位置を、所定の周期(例えばnフレームごと(nは1以上の整数))で異ならせてもよい。具体的には例えば、低消費電力モードにおいて、第1フレームでは、縮小画像を左上の領域(
図8(b))に表示させ、第2フレームでは、ソースドライバSD2,SD3とゲートドライバGD1とを駆動して、表示領域のうち中央(左右方向)の上側の領域に縮小画像を表示させてもよい。
【0049】
また上記各構成では、ゲートドライバICを2個備えた構成について説明したが、これに限らずN個備えた場合についても同様に考えることができる。このとき、停止させる個数は1からN−1個まで設定することが可能であり、低消費電力モードに応じて段階的に停止する個数を設定することも可能である。
【0050】
また上記各構成では、ソースドライバICを4個備えた場合について説明したが、これに限らずM個備えた場合についても同様に考えることができる。このとき、停止させる個数は1からM−1個まで設定することが可能であり、低消費電力モードに応じて段階的に停止する個数を設定することも可能である。
【0051】
[実施形態2]
本発明の実施形態2について、図面を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1において示した構成要素と構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施形態1において定義した用語については特に断らない限り本実施形態においてもその定義に則って用いるものとする。なお、後述の各実施形態についても同様である。
【0052】
上記実施形態1に係る液晶表示装置10は、低消費電力モードにおいて、表示領域の一部に全体画像を縮小した縮小画像を表示させ、残りの領域に黒画像を表示させる構成である。これに対して、実施形態2に係る液晶表示装置10は、低消費電力モードにおいて、表示領域の全体に、全体画像のうち所定のソースラインSLに対応する画像を間引いて表示させる構成である。以下、実施形態2に係る液晶表示装置10の具体的な構成について説明する。尚、実施形態2に係る液晶表示装置10では、ゲートドライバ300は、通常モード及び低消費電力モードで同一の動作を行う。
【0053】
例えば表示パネル400の温度が上昇して閾値を超えた場合、状態判定部140は、液晶表示装置10が低消費電力モードにより表示動作を行うべき状態であると判定し、液晶表示装置10は以下の動作を実行する。状態判定部140は、低消費電力モードを指示するハイレベルの指示信号SS(H)を転送制御部120に出力する。転送制御部120は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、例えば偶数ライン(偶数番目)のソースラインSLに対応する画像データDAを間引いて、奇数ライン(奇数番目)のソースラインSLに対応する画像データDAのみをソースドライバ200に出力する。また転送制御部120は、画像データDAを間引くライン(ここでは偶数ライン)に対して、黒色に対応する画像データDAをソースドライバ200に出力する。ソースドライバ200は、偶数ラインのソースラインSLに黒色に対応する画像データDa(階調電圧Da)(黒電圧)を出力する。
【0054】
これにより、表示領域のうち、偶数ラインのソースラインSLが配置された領域には、黒画像が表示される。
図9(a)は、通常モードにおける画像表示の一例を示し、
図9(b)は、低消費電力モードにおける画像表示(間引き画像表示)の一例を示している。
【0055】
上記構成によれば、黒色に対応する画像データDaが供給されるソースラインSLの充放電回数を低減することができ、また、該ソースラインSLに接続されるアナログ回路(DA変換回路、電圧アンプ回路等)に供給される定電流を停止させることができるため、ソースドライバ200の消費電力を低減することができる。尚、上記構成では、ソースドライバ200及びゲートドライバ300は、周知の構成を適用することができる。
【0056】
画像データDAを間引くラインの場所は、奇数ライン又は偶数ラインに限定されず、複数ラインおきに1ライン分又は複数ライン分を間引いてもよい。また、画像データDAのうち間引く画像データDAの量は限定されず、例えば、表示パネル400の温度が10%上昇した場合は、画像データDAのデータ量のうち10%に相当するデータ量の画像データDAを間引いてもよい。また、nフレームごとに、画像データDAを間引くラインの場所を変更してもよい。
【0057】
上記構成では、タイミングコントローラ100が、画像データDAの間引き動作を行っている。実施形態2に係る液晶表示装置10は、上記構成に限定されず、例えば、ソースドライバ200が、画像データDAの間引き動作を行ってもよい。具体的には、転送制御部120は、通常モードと同様に全ライン分の画像データDAをソースドライバ200に出力する。制御信号生成部150は、状態判定部140から指示信号SS(H)を受信すると、ソースドライバ200に、画像データDAの間引き動作を指示する制御信号を出力する。ソースドライバ200は、タイミングコントローラ100から上記制御信号を受信すると、例えば偶数ラインのソースラインSLに対応する画像データDAを間引いて、奇数ラインのソースラインSLに対応する画像データDAに基づいて階調電圧Daを決定し、該階調電圧Daを奇数ラインのソースラインSLに出力する。またソースドライバ200は、偶数ラインのソースラインSLに黒色に対応する階調電圧Daを出力する。尚、タイミングコントローラ100は、ソースドライバ200に内蔵されていてもよい。
【0058】
ここで、ソースラインSLに供給する画像データDa(階調電圧Da)の極性を考慮した場合、液晶表示装置10を以下の構成とすることが好ましい。
【0059】
図10は、カラム反転駆動方式(列ライン反転駆動方式)における各画素の階調電圧Daの極性変化を示す図である。
図10(a)は、第1フレームにおける各画素の階調電圧Daの極性を示し、
図10(b)は、第1フレームに続く第2フレームにおける各画素の階調電圧Daの極性を示している。例えば、階調電圧Daの極性を1本のソースラインSLごと(1カラムごと)に反転させるカラム反転駆動方式(1カラム反転駆動方式)において、偶数ラインのソースラインSLに対応する画像データDAを間引いて、奇数ラインのソースラインSLに対応する画像データDAにより画像を表示させた場合、表示画像は、第1フレームでは
図11(a)に示すように全体が正極性(+)の画像となり、続く第2フレームでは
図11(b)に示すように全体が負極性(−)の画像となる。このため、フリッカが生じ易くなる。
【0060】
そこで、例えば
図12に示すように、階調電圧Daの極性を2本のソースラインSLごと(2カラムごと)に反転させる2カラム反転駆動方式とすることが好ましい。これにより、
図13に示すように、各フレームの階調電圧Daの極性が正極性又は負極性に偏らなくなるため、フリッカを抑えることができる。このように、各ソースドライバICは、各フレームの画像において、正極性の画像データにより表示される領域と、負極性の画像データにより表示される領域とが実質的に同じ面積割合になるように駆動することが好ましい。
【0061】
また、実施形態2に係る液晶表示装置10は、1カラム反転駆動(
図10参照)を行う場合、2ラインおきに1ライン分を間引く構成としてもよい。これにより、
図14に示すように、各フレームの階調電圧Daの極性が正極性又は負極性に偏らなくなるため、フリッカを抑えることができる。
【0062】
また、実施形態2に係る液晶表示装置10は、1カラム反転駆動(
図10参照)を行う場合であって、表示パネル400が、例えば赤色画素(R画素)、緑色画素(G画素)及び青色画素(B画素)を含み、同一色の画素が列方向(ソースラインSLの延在方向)に並んで配置される構成を有する場合は、3ライン(R画素ライン、G画素ライン、B画素ライン)おきに3ライン分を間引く構成としてもよい。これにより、
図15に示すように、各色画素の表示割合が偏らなくなるため、色味のばらつきを抑えることができる。尚、この構成では、第1フレームでは
図15(a)に示すように相対的に正極性に偏った画像となり、続く第2フレームでは
図15(b)に示すように相対的に負極性に偏った画像となる。そこで、実施形態2に係る液晶表示装置10は、6ラインおきに6ライン分を間引く構成としてもよい。この構成によれば、
図16に示すように、各フレームの階調電圧Daの極性が正極性又は負極性に偏らなくなるため、フリッカを抑えることができる。
【0063】
また上記各構成では、各フレームにおいて同一のソースラインSLに対応する画像データDAを間引く構成であるが、実施形態2に係る液晶表示装置10はこれに限定されず、間引くラインを所定の周期(例えばnフレームごと)で異ならせてもよい。例えば、第1フレーム(奇数フレーム)では偶数ラインのソースラインSLに対応する画像データDAを間引き、第2フレーム(偶数フレーム)では奇数ラインのソースラインSLに対応する画像データDAを間引く構成としてもよい。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。