(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-16170(P2018-16170A)
(43)【公開日】2018年2月1日
(54)【発明の名称】コンクリートミキサー車のドラム内部の洗浄又は清掃補助具
(51)【国際特許分類】
B60P 3/16 20060101AFI20180105BHJP
B08B 9/087 20060101ALI20180105BHJP
B08B 9/093 20060101ALI20180105BHJP
【FI】
B60P3/16 C
B08B9/087
B08B9/093
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-147163(P2016-147163)
(22)【出願日】2016年7月27日
(11)【特許番号】特許第6174766号(P6174766)
(45)【特許公報発行日】2017年8月2日
(71)【出願人】
【識別番号】316012924
【氏名又は名称】栗本 博樹
(71)【出願人】
【識別番号】316011673
【氏名又は名称】濱田 常二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181571
【弁理士】
【氏名又は名称】栗本 博樹
(72)【発明者】
【氏名】濱田 常二郎
(72)【発明者】
【氏名】栗本 博樹
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA32
3B116AA46
3B116AB53
3B116BA02
3B116BA22
3B116BB22
3B116BB52
3B116BB62
3B116BB90
(57)【要約】
【課題】
ミキサー車のドラム内部の洗浄等について、ドラム外部からの作業員のブラシによる洗浄等では、生コンクリート撹拌のためのブレードの支障によって、洗い残しが生じる。噴射ノズル等の高圧水を用いた洗浄に関しても、ブレードの支障で視認できない場所やノズルの操作が困難な個所では洗い残しが生じる。効率的、効果的にドラムを洗い残すことなく洗浄等するためには、ドラム内部洗浄等の支障物であるブレードへの対応が課題である。
【解決手段】
ドラムの回転を利用して、ブレード先端を摺動する洗浄又は清掃補助具で支持された洗浄具を使用することによって、ドラム内壁面を効率的、効果的に洗浄する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートミキサー車に装備されたドラムの回転を利用した該ドラム内側の洗浄又は清掃の補助具であって、
ドラム内壁に設置されたブレードを挟む側壁部と該側壁部を繋ぐ天井部からなる形状で前記ブレードの先端部を跨ぎ、該ブレード上を摺動する摺動機構を備えた摺動部を有する摺動体と、
洗浄又は清掃具の荷重を支える下面部と落下を防止する側面部を有する、前記摺動体に連結された洗浄具支持体と、
を備えた洗浄又は清掃補助具。
【請求項2】
ブレード先端部若しくはブレード側面部を転動する回転体を含む摺動部を有する摺動体を備えた請求項1の洗浄又は清掃補助具。
【請求項3】
請求項1の摺動体の摺動方向に対して、自在の角度に洗浄支持体を連結する連結体を備えた請求項1乃至請求項2の洗浄又は清掃補助具。
【請求項4】
請求項1の洗浄具支持体の下面部の軸孔と摺動体天井部の軸孔とを貫通する連結軸と、該連結軸の上下両端の軸止めと、該連結軸を囲み上端は洗浄具支持体に下端は摺動体に達する、上下端の少なくとも何れかが接面に固着されていない圧縮コイルバネとを有する連結体を備えた請求項3の洗浄又は清掃補助具。
【請求項5】
請求項1の洗浄又は清掃具の長手方向の伏角若しくは仰角を一定の範囲で自在の角度に支持する円弧形状を含む凸部を有する洗浄支持体を備えた請求項1乃至請求項4の洗浄又は清掃補助具。
【請求項6】
請求項1の洗浄又は清掃具を固定支持又は摺動支持する蓋部を有する洗浄支持体を備えた請求項1乃至請求項5の洗浄又は清掃補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートミキサー車のドラム内部の洗浄又は清掃(以下洗浄等ともいう。)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場で用いられる生コンクリートは、生コンクリート製造工場で製造される生コンクリートをコンクリートミキサー車(以下ミキサー車という。)で現場に運搬されて打設される。ミキサー車には、鋼製のドラムが装備され、該ドラムの後方にあるホッパーから投入された生コンクリートは、該ドラムの内部に収容される。運搬中の生コンクリートの材料が分離或いは硬化するのを防止するため、ドラムを回転させ、ドラム内壁面に取付けられたブレードと呼ばれる撹拌羽の働きによって、生コンクリートが撹拌される。建設現場においては、ドラム後方の開口部から生コンクリートを排出し、コンクリート打設に使用される。
【0003】
生コンクリート排出後、ミキサー車に装備するタンク内の洗浄水をドラムに投入し、ドラム内に残された生コンクリートの残滓の硬化を抑制しつつ、生コンクリート製造工場に帰還する。帰還後、ドラム内壁やドラム内部のブレードへの生コンクリートの残滓の付着やその硬化を防止するため、作業員はドラム内部の洗浄を行う必要がある。柄のついたブラシで、外からの洗浄若しくは清掃の他、ホッパーからドラム内部に入り、ブラシによる洗浄などが行われている。
【0004】
特許文献1では、ドラム内部の洗浄に噴射ノズルやシャワーボールを設けたドラム洗浄装置が提案されている。特許文献2では、アジテータトラック(ミキサー車)備え付けの散水用レバー付きノズルの先端に簡単迅速に装着する事ができるアタッチメントを備えたフレキシブル管付き散水ノズルで、従来洗浄出来なかったドラム内部の特定の部分について、フレキシブル管を自在に屈曲させることにより洗浄可能とし、コンクリート固着防止に役立つとされている。特許文献3では、洗浄パイプの損傷を防止することが可能なミキサー車のドラム洗浄装置を提供する。洗浄液供給ホースと、洗浄液供給ホースに 接続され、先端部がミキサドラムの開口端を通じて当該ミキサドラム内に挿入される洗浄パイプと、洗浄パイプに設けられ、洗浄液をミキサドラム内に噴射する噴射部とを備える。洗浄パイプは、外部から加えられる外力に応じて可動するように構成されるので、外力が洗浄パイプに作用した場合であっても、洗浄パイプの損傷を防止できるとされている。特許文献4では、耐圧ホースの先端に取付けられた洗浄ノズルを中空のカゴ体に収納し、ブレード等への引っ掛かりを防止しつつ、ドラム内部を洗浄する装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平1−146911号
【特許文献2】実開平7−39946号
【特許文献3】特開2014−184779号
【特許文献4】特開2016−107472号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ミキサー車のドラム内部の洗浄等について、ドラム外部からの作業員のブラシによる洗浄等では、生コンクリート撹拌のためのブレード等の支障によって、洗い残しが生じる。また、 噴射ノズルや散水ノズルやその他の高圧水を用いた洗浄に関しても、硬化の始まった生コンクリート残滓を対象にする場合、ピンポイントで高圧水ノズルを残滓に当てるような洗浄が必要で、ブレード等の支障で視認できない場所やノズルの操作が困難な個所では洗い残しが生じる。作業員がドラム内部に入り、洗浄を行うのは、ドラム内の温度が高いなど作業環境が劣悪で、誤ってドラムの回転させた場合など非常に危険な場合もある。
【0007】
効率的、効果的にドラム内部を洗い残すことなく洗浄等するためには、ドラム内部洗浄等の支障物であるブレードへの対応が課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
コンクリートミキサー車に装備されたドラムの回転を利用した該ドラム内側の洗浄又は清掃の補助具であって、
ドラム内壁に設置されたブレードを挟む側壁部と該側壁部を繋ぐ天井部からなる形状で前記ブレードの先端部を跨ぎ、該ブレード上を摺動する摺動機構を備えた摺動部を有する摺動体と、
洗浄又は清掃具の荷重を支える下面部と落下を防止する側面部を有する、前記摺動体に連結された洗浄具支持体と、
を備えた洗浄又は清掃補助具。
【0009】
ブレード先端部若しくはブレード側面部を転動する回転体を含む摺動部を有する摺動体を備えた前記の洗浄又は清掃補助具。
【0010】
前記摺動体の摺動方向に対して、自在の角度に洗浄具支持体を連結する連結体を備えた洗浄又は清掃補助具。
【0011】
洗浄具支持体の下面部の軸孔と摺動体天井部の軸孔とを貫通する連結軸と、該連結軸の上下両端の軸止めと、該連結軸を囲み上端は洗浄具支持体に、下端は摺動体に達する、上下端の少なくとも何れかが接面に固着されていない圧縮コイルバネとを有する連結体を備えた前記の洗浄又は清掃補助具。
【0012】
洗浄又は清掃具の長手方向伏角若しくは仰角を一定の範囲で自在の角度に支持する円弧形状を含む凸部を有する洗浄支持体を備えた洗浄又は清掃補助具。
【0013】
洗浄又は清掃具を固定支持又は摺動支持する蓋部を有する洗浄支持体を備えた洗浄又は清掃補助具。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のドラムの回転を利用した該ドラム内側の洗浄等の補助具は、ドラムの回転を利用しつつ、ドラム内側に取付けられたブレードを活用するものであるが、そのブレードの本来の働きを示しながら本発明の効果を記載する。
【0015】
図2は、ドラム内部と該ドラムの内壁に設置されたブレードの右側面断面端図で、ドラム回転軸がミキサー車の前方運転席側にある(以下ドラム前方とは、ミキサー車の前方運転席側で、ドラム後方とはミキサー車の後方とする。)。ドラムは、このドラム回転軸によって回転するため、回転軸の中心線をドラム回転軸線として、
図2に表示する。なお、ホッパーとドラム開口部は、ミキサー車本体から支持されており、ドラムが回転しても回転はしない。ドラム内側の頂部を結んだ線をドラムトップライン(以下トップラインという。)とし、ドラム底部を結んだ線をドラムボトムライン(以下ボトムライン)とする。一般にブレードはドラム後方からドラム最深部の方向へ見て右回り螺旋状にドラム内壁に取付けられる2本の連続する鋼製の羽で構成され、2本のブレードを便宜上1号ブレードと2号ブレードと呼ぶ。また、ブレードのドラム内壁側を付根部、内空側を先端部、それらの間を側面部と呼ぶこととする。
【0016】
図3は、ドラムの平面断面図(ドラム回転軸線を含む面での断面)を模式的に示したものである。
図3ではボトムラインを中心に左右のドラムの内壁間が表示されている。
【0017】
図4のブレード展開図(1)は、
図3を基に作成したブレードの展開図である。この場合の展開図とは、
図3の断面より上方のブレードも表示されており、ある時点でトップライン位置のブレードからドラム前方に向かって次のトップライン位置にある同一ブレード、即ちドラム回転軸線を中心に360度のブレードを連続に平面的に表現したものである。例えば、
図4展開図(1)のA位置からE位置の2号ブレードは、
図2表示でトップライン上のA位置から次のトップラインE位置までを展開したものであり、右回り螺旋状にドラム内壁に取付けられているため、
図3のB位置からD位置を含めて、
図4の展開図(1)では右肩下がりの表示の形状となる。
【0018】
ドラムは、ドラム回転軸線(
図4及び
図5の展開図ではボトムラインと同一)を中心とし、図上のドラム回転軸線に直交する2点鎖線の回転面上を回転する。従って、ドラムの回転によるブレードの位置変化について、
図4展開図(1)上では、2号ブレードA位置からE位置は、それぞれの交差する2点鎖線上を左右に水平移動する。但し、左右の端部では、反対の端部へ移動する。
【0019】
図5のブレード展開図(2)は、2号ブレードのみに注目して、このようなドラムの90度の回転によるブレードの位置変化を表現したものである。
図5のブレード展開図(2)に示すように、A〜Eの位置の2号ブレードは、ドラムの後方から見て左周りに約90度回転した場合、破線で表示する回転後の2号ブレードの位置はA’〜E’となる。従って、ドラムが後方から見て左回転する(以下左回転という。)と、ボトムライン上ではブレードは見かけ上、降下する(
図2に示すボトムラインの斜面上を下に移動する。)ことになり、逆回転するとブレードは上昇することになる。
【0020】
左回転した場合、ドラムに投入された生コンクリートの動きは、ドラム内部へ送り込まれることになる。ホッパーから生コンクリートを投入するときに行われる。一方ドラムが右回転すると、生コンクリートは、斜め上に持ち上げられることになる。この動きは、生コンをドラムから排出するときに行われる。
【0021】
請求項1の補助具の摺動体はブレード先端上を摺動することによって、概ねボトムライン上方付近から位置を変えることない。例えば、
図5のボトムライン上方のグレード上にある(イ)の位置にある前記補助具は、ドラムが90度左回転した時、2号ブレードC位置からD位置までブレード先端部上を摺動するが、補助具は(ロ)の位置にある。見かけ上は、(イ)から(ロ)の方向に、下るようにドラム前方(内奥部)に降下する。一方、右回転の時は逆に、(ロ)の位置にある前記補助具は(ロ)から(イ)へとドラム後方に上昇する。
【0022】
請求項1の洗浄具支持体は、摺動体に連結されて、安定して概ねボトムライン上方に位置し、洗浄具を支持し、本発明外の別途洗浄具の操作によって、ドラム底部線上付近のドラム内壁やブレード側面の洗浄ができる。
【0023】
本補助具は、ドラムの左回転によって、洗浄等の範囲を広げつつ、ドラム内部に進む。洗浄具支持体に支持された洗浄具によるホッパーからの洗浄等は、可変長のブラシの柄を長くすることや洗浄用の水を供給するホースを送り込むことによって、内奥部に進めることができる。
【0024】
ドラムの回転によって、前記補助具が載置されたホッパー近傍からドラム最深部近傍まで移動すると、次に、ドラムを逆回転することによって、ドラム最深部近傍からホッパー方向に前記補助具を移動させ、洗い残しを再洗浄することができる。ホッパー近くまで移動した補助具は、清掃具とともに回収することができる。
【0025】
現在使用されているミキサー車のドラム内部には、前述のように2本の連続したブレードが取り付けられている場合が多く、この場合、回収された補助具を更に他方のブレード先端に載置して、前述の作業を行うとホッパー付近からドラム最深部までのすべての内壁面に洗浄装置が及ぶことができる。
【0026】
請求項2の補助具ついては、ブレード先端部上の摺動体のブレードに対する摩擦抵抗を低くするため、ブレード先端部又はブレード側面部の摺動体に接する箇所に回転体を設けたものである。
【0027】
請求項3の補助具については、摺動体の摺動方向に対して、洗浄具支持体の角度を調整できるようにするため、連結体を備えたものである。これによって、洗浄方向に対する自由度が高まり、ボトムライン付近以外の箇所の洗浄が容易となる。
【0028】
請求項4の補助具は、前記連結体として、回転自在の連結軸と接面に固着されていない圧縮コイルばねを用いることにより、摺動体に対して洗浄具支持体を所定の方向に変更することができ、方向変更ののちは、圧縮コイルばねの復元力による連結軸両端の止め具の摩擦抵抗及びコイルばねの回転に対する摩擦抵抗によって、摺動体に対する洗浄具支持体の方向は安定する。洗浄具支持体下面部に圧縮コイルバネの復元力を超える程度の力を加えて所定の方向に変更するとより円滑かつ容易に方向変更が可能である。
【0029】
請求項5の補助具は、洗浄具支持体下面部に円弧上の凸部を設けることによって、洗浄具支持体上の洗浄具の長手方向の伏角又は仰角を変更することができ、更に洗浄方向に対する自由度が高まり、効率的効果的な洗浄が可能となる。
【0030】
請求項6の補助具は、洗浄具支持体上の洗浄具を摺動支持又は固定支持する蓋部を設けることによって、特に高圧水による洗浄具を安定的に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図12】ブレード方向角度及び伏角設定の洗浄補助具
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の補助具5に関して、想定している洗浄又は清掃具4は、柄付きブラシ41、高圧水送水ホース43や高圧水送水パイプ44などの洗浄液体供給管、高圧洗浄ノズル42などである。摺動体50のブレード2を挟む側壁部51と天井部52とからなる形状については、断面形状で表現すると、溝型形状(
図1等)、台形型形状(
図10)、円弧型形状が想定される。洗浄具支持体60についても、荷重を支える下面部61と洗浄具の落下防止のための側面部62を備えるが、両機能を明確に区分する形状でない円弧型形状のものは含まれる。以下に本発明の実施例を示す。
【実施例1】
【0033】
図6に示すように、ホッパー3から可変長さの柄付きブラシ41を用いて、洗浄等する例を示す。可変長さの柄付きブラシに関しては、一般のものであり、柄の部分が入れ子構造になっているが、詳細は省略している。本実施例の補助具5は、
図1に示すように、上下に2個の溝型の形状体を逆向きで略90度捻じった状態で連結一体化した形状である。
【0034】
下の溝型の形状体は、ドラム1内部に設置されたブレード2を挟む2つの側壁部51と該両側壁部を繋ぐ天井部52とブレード先端部22との接触面の摩擦抵抗を軽減し且つブレード側面部23への接触を最小限にするため、前記天井部52下面に凹型加工を施す摺動部53とを設けた摺動体50である。
【0035】
上の溝型の形状体は、可変長さの柄付きブラシ41の柄を支持する洗浄具支持体60であり、該柄の側方への動きを拘束し、柄付きブラシの補助具からの転落を防止する側面部62と柄付きブラシの重量を支える下面部61から構成される。下面部上面にはブラシ先端方向の伏角若しくは仰角を自在に確保でき、ブラッシングの際、前記柄の前後方向への動きの接触抵抗を軽減するため、該柄の長手方向に円弧状の凸部63を設けている。
【0036】
上記実施例の摺動部53に関して、更に摺動体50の摩擦抵抗を減らした例として、両側壁部51で天井部52に近い位置の貫通孔と該貫通孔に両端が挿入された軸と該軸を中心に回転し、ブレード先端部22に接する天井部回転体54aを有するものを
図9に示す。更に
図9の補助具5は、請求項4の連結体70によって、洗浄具支持体60と摺動体50を連結しており、ブレード先端部22の方向に対して、洗浄具支持体60の平面上の角度の調整が容易にできる。加えて、上の溝型の洗浄具等支持体60には、洗浄具支持体側面部で下面部に近い位置の貫通孔と該貫通孔に両端が挿入された軸と該軸を中心に回転する回転体を凸部63として有し、柄付きブラシの柄の動きを支援する工夫が加えられている。
【0037】
本実施例では、
図6に示すような可変長さの柄付きブラシをホッパー3から送入し、補助具5を一方のブレード上に載置し柄の長手方向に前後するブラッシングを行うことで、ドラムの左回転では、ドラムの最深部方向へ洗浄部位を進めることができる。最深部に到達するとドラムの逆回転により、後方のホッパーの方へ洗い残しのブラッシングを行いながら進め、ホッパー近傍に達した段階で、他方のブレード上に前記補助具を載置し、残りの部位の洗浄を行う。これによって、ドラムの回転速度、ブラッシングの速度及びブラッシング幅を調整することによって、ドラム内壁のホッパーシュート31部から前方部の全ての部位を効率的、効果的に洗浄することができる。
【実施例2】
【0038】
高圧洗浄機を利用した洗浄に関して、実施例1と同様に
図7のように、本発明の補助具を高圧洗浄ノズル42の設置、高圧水送水用パイプ43若しくはホース42の設置に利用することができる。
図10には、回転機能付き高圧洗浄ノズルを使用する場合の蓋部64付の洗浄具等支持体60で該ノズルを支持する実施例を示す。高圧洗浄ノズルは、自動的にブレード間に噴射できる回転型噴射ノズルを想定している。ノズルを設置する補助具に関しては、
図10に示す蓋部付の上方拘束が好ましい。また、高圧水を送水するホースに関しても
図11に示すように、蓋部付の本補助具を利用するのが好ましい。高圧水の噴射反力やホースの曲部に係る反力が大きいためである。高圧水を送水するホースに関しては、
図11に示すように、蓋部による上部拘束を緩くする摺動支持とし、支持体側面部で下面部に近い位置に貫通孔と該貫通孔に両端が挿入された軸と該軸を中心に回転する回転体とを配し摺動性を高くすることによって、ホースの送込み若しくは引戻しを容易にしている。
図7の固定支持のノズル位置のブレードと高圧ホース位置のブレード間の間隔がドラム内の位置によって異なり、それに対応するためである。
【実施例3】
【0039】
高圧洗浄ノズルをドラムの側方内壁に向けて洗浄するケースを
図8に示す。ボトムライン上に洗浄水等が滞水している場合、滞水しているドラム底部13での噴射洗浄の洗浄効果は低い。この場合、
図8に示すように、滞水面上のドラムの側方内壁面を洗浄するのが効果的である。
図12(1)には、高圧洗浄ノズルを支持する洗浄具支持体60をブレード長手方向に軸支する連結体70を備えている。また、高圧洗浄ノズルに対して15度の伏角を確保して、設置している例を示している。この場合、高圧洗浄ノズルは蓋部による固定支持で、蓋部64に2個の締め具貫通孔を設け、一方に12図(2)に示すように、締め具を貫通する長孔66を設けて、角度に併せて長孔における締め具貫通位置を調整し、円弧上凸部63によるパイプ下部からと蓋部による上面からの締め付けによって固定できる構造となっている。本例では伏角15度から仰角15度までの取付けが可能となっている。ブレードを挟み、
図8に示すような範囲に噴射洗浄できれば、2本のブレードに対して、1つのブレードからの洗浄で全ての内壁面の洗浄が可能である。
【実施例4】
【0040】
ドラム後方の開口部は、ドラムに収容された生コンクリートを排出するためのものであり、
図4及び
図5で説明したようにドラムに右回転をさせ、ブレードが生コンクリートを押上げるような動きによってそれを実現する。この開口部は、ホッパーの下方に位置し、図に示すようにブレード上方に空間的な余裕はなく、実施例1から実施例3による補助具を用いた洗浄は困難である。
【0041】
そこで、
図13に示すような摺動体の側方で挟持体を支持する連結体を備えた補助具を用いて、高圧洗浄ノズルを設置し開口部から高圧水ホースを送り込み洗浄する。ホッパーからの送込みも可能である。いずれの場合も、複数個所に補助具を設置することが有効な場合がある。但し、ドラムボトムライン付近でブレードがホッパーシュート部下面とブレード先端部と接している区間に関しては、補助具を一旦取り外し、ブレード先端部上方に空間がある区間に再載置する必要がある。
【符号の説明】
【0042】
1 ドラム、11 ドラム回転軸、12 ドラム内壁、13 ドラム底部、14 ドラム最深部、15 ドラム開口部、16 ドラムボトムライン、17 ドラムトップライン
2 ブレード、21 ブレード付根部、22 ブレード先端部、23 ブレード側面部
3 ホッパー、31 ホッパーシュート部、
4 洗浄又は清掃具、41 柄付きブラシ、42 高圧洗浄ノズル、43 高圧水送水ホース、44高圧水送水パイプ、45 ノズル継手部、46 継手パイプ部
5 洗浄又は清掃補助具、50 摺動体、51 側壁部、52 天井部、53 摺動部、
54a 天井部回転体、54b 側壁部回転体
60 洗浄具支持体、61 下面部、62 側面部、63 凸部、64 蓋部、65 蓋部止め具、66 蓋部長孔
70 連結体、71 連結軸、72a 支持体下面部軸孔、72b 摺動体天井部軸孔、73 支持体止め具、74 圧縮コイルバネ、