【解決手段】加圧された空気をブロー成形型11に設けられた空気孔13からキャビティ12に供給して、該空気により成形後の容器Cの外面を押圧して容器Cの内部の液体Lを所定量だけ容器Cの外部に排出させる液体排出工程と、所定量の液体Lを外部に排出した状態の容器Cの口部Caから充填ノズル22を離脱させて容器Cの内部にヘッドスペースHSを形成するヘッドスペース形成工程と、を有する容器製造方法。
前記ブロー成形工程において、前記空気孔から空気を吸引することによって前記キャビティ内でラベルを前記空気孔に吸着させた状態で、前記プリフォームを液体ブロー成形する、請求項1に記載の容器製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の容器製造方法のように、液体ブロー成形に使用する加圧媒体として最終的に容器に収容される液体を用いる場合には、成形後の容器の内部に適度な大きさのヘッドスペース(内容液で満たされない空間)を形成することが望ましい。
【0007】
上記従来の容器製造方法では、液体供給路に供給された加圧された液体を充填ノズルからプリフォームの内部に供給してプリフォームを液体ブロー成形した後、ブロー成形型に内蔵された圧縮タブをキャビティの内部に向けて突出させ、成形後の容器の外面を当該圧縮タブで押圧することにより、容器の内部から所定量の内容液を外部に排出させて、当該容器の内部に所定量のヘッドスペースを形成している。
【0008】
しかし、このような方法では、ブロー成形型として圧縮タブやその駆動機構を内蔵した複雑な構成のものを用いる必要があるので、当該容器の製造コストが高くなってしまうという問題点があった。
【0009】
本開示は、このような点に鑑み、ブロー成形型を複雑な構成とすることなく容器の内部に所望の大きさのヘッドスペースを形成可能な容器製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態としての容器製造方法は、
合成樹脂製のプリフォームを液体ブロー成形して内容液を収容した容器を製造する容器製造方法であって、
ブロー成形型に前記プリフォームを配置するとともに、液体供給路に接続された充填ノズルを前記プリフォームの口部に係合させるプリフォームセット工程と、
前記液体供給路に供給された加圧された液体を前記充填ノズルから前記プリフォームの内部に供給して該プリフォームを前記ブロー成形型のキャビティに沿った形状に液体ブロー成形するブロー成形工程と、
加圧された空気を前記ブロー成形型に設けられた空気孔から前記キャビティに供給して、該空気により成形後の容器の外面を押圧して該容器の内部の液体を所定量だけ該容器の外部に排出させる液体排出工程と、
所定量の液体を外部に排出した状態の前記容器の口部から前記充填ノズルを離脱させて該容器の内部にヘッドスペースを形成するヘッドスペース形成工程と、を有するものである。
【0011】
本発明の1つの実施形態として、前記ブロー成形工程において、前記空気孔から空気を吸引することによって前記キャビティ内でラベルを前記空気孔に吸着させた状態で、前記プリフォームを液体ブロー成形してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ブロー成形型を複雑な構成とすることなく容器の内部に所望の大きさのヘッドスペースを形成可能な容器製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態としての容器製造方法について詳細に例示説明する。
【0015】
本発明の一実施形態としての容器製造方法は、合成樹脂製のプリフォームを液体ブロー成形して内容液を収容した容器を製造する容器製造方法であって、ブロー成形型にプリフォームを配置するとともに、液体供給路に接続された充填ノズルをプリフォームの口部に係合させるプリフォームセット工程と、液体供給路に供給された加圧された液体を充填ノズルからプリフォームの内部に供給してプリフォームをブロー成形型のキャビティに沿った形状に液体ブロー成形するブロー成形工程と、加圧された空気をブロー成形型に設けられた空気孔からキャビティに供給して、空気により成形後の容器の外面を押圧して容器の内部の液体を所定量だけ容器の外部に排出させる液体排出工程と、所定量の液体を外部に排出した状態の容器の口部から充填ノズルを離脱させて容器の内部にヘッドスペースを形成するヘッドスペース形成工程と、を有するものである。
【0016】
このような本発明の一実施形態としての容器製造方法は、例えば
図1〜
図5に示す構成の液体ブロー成形装置1を用いて実施することができる。
【0017】
液体ブロー成形装置1は、合成樹脂製のプリフォームPFを液体ブロー成形することにより、内部に液体(内容液)Lを収容するとともに所定の大きさのヘッドスペースHSを有する液体入りの容器Cを製造するものである。液体ブロー成形とは、プリフォームPFに加圧した液体Lを供給して、プリフォームPFをブロー成形型11のキャビティ12に沿った形状の容器Cに成形するブロー成形のことである。
【0018】
液体ブロー成形においてプリフォームPFに供給される液体Lとしては、成形後の容器Cに収容されて内容液Lとなる液体が用いられる。このような液体Lとしては、例えば飲料、化粧品、薬品、洗剤、シャンプー等のトイレタリーなどの様々な液体を用いることができる。
【0019】
プリフォームPFは、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性を有する合成樹脂材料を原材料とし、射出成形やダイレクトブロー成形、押出し成形等を行うことによって成形することができる。本実施形態では、プリフォームPFは、開口端となる円筒状の口部PFaと、口部PFaに連なるとともに下端が閉塞された有底円筒状の胴部PFbとを有する略試験管状をなしている。
【0020】
プリフォームPFとしては、上記形状のものに限らず、成形後の容器Cの形状や材質等に応じて種々の形状ないし材質のものを用いることができる。
【0021】
口部PFaの外壁面には、成形後の容器Cの口部Caに、口部Caを閉塞する閉塞キャップ、注出ノズル等を備えた注出キャップ、又はポンプ付き吐出装置の装着キャップ等(不図示)を装着するための雄ねじPFcが一体に設けられている。口部PFaの外壁面に、雄ねじPFcに替えて前述のような種々のキャップを打栓(アンダーカット係合)によって装着するための係合突起を設けた構成とすることもできる。
【0022】
プリフォームPFは、ヒーター等の加熱手段を用いて延伸性を発現する所定の温度にまで予め加熱された後、
図1に示すように、胴部PFbがキャビティ12の内部に配置されるとともに口部PFaがキャビティ12から上方に突出する起立姿勢でブロー成形型11に配置される。
【0023】
ブロー成形型11のキャビティ12は、本実施形態では、容器の最終形状となるボトル形状に形成されている。すなわち、本実施形態では、成形後の容器Cは、円筒状の口部Caと、当該口部Caに連なるとともに口部Caより拡径した胴部Cbと、胴部Cbの下端を閉塞する底部Ccとを有するボトル形状をなしている。キャビティ12はブロー成形型11の上面において上方に向けて開口しており、当該開口から上記のようにプリフォームPFの口部PFaを上方に突出させることができる。
【0024】
詳細は図示しないが、ブロー成形型11は左右に型開きすることができるようになっており、プリフォームPFを液体入りの容器Cに成形した後にブロー成形型11を左右に開くことで、当該液体入りの容器Cをブロー成形型11から取り出すことができる。
【0025】
ブロー成形型11は、キャビティ12と連通する複数の空気孔13と、当該複数の空気孔13と接続された空気供給路14とを有している。空気供給路14は、開閉弁15を介して圧力源(図示省略)と接続されている。本実施形態では、複数の空気孔13は、ブロー成形型11における、成形後の容器Cの胴部Cbに対応する位置に配置されている。
【0026】
複数の空気孔13には、液体ブロー成形時にブロー成形型内(インモールド)で容器Cの胴部Cbの外面に貼着されることになるラベル(インモールドラベル)Rが配置される。ラベルRは、例えば、プリフォームセット工程において、ブロー成形型11にプリフォームPFを配置する前にブロー成形型11内に配置することができる。ラベルRは、容器Cの胴部Cbに貼着されるまで、開閉弁15を開いて圧力源から負圧を付与することにより空気孔13から空気を吸引することによって複数の空気孔13に吸着され、ブロー成形型11内で安定して保持される。ラベルRは、容器Cの胴部Cbの全周に亘って配置される筒状であってもよいし、全周の一部のみに亘って配置されるものであってもよく、その形状は特に限定されない。
【0027】
複数の空気孔13は、容器Cの成形後に開閉弁15を開いて圧力源から加圧された空気を供給することにより、容器Cの胴部Cbの外面に向けて空気を流出させることができ、それにより、当該空気によって胴部Cbの外面を(ラベルRを介して)押圧することができる(
図4参照)。
【0028】
本実施形態では、ラベルRをインモールドで容器Cに貼着する構成としているが、型開きの後にラベルRを容器Cに貼着する構成としてもよいし、ラベルRを容器Cに設けない構成としてもよい。また、ブロー成形型11に設ける空気孔13の数は適宜設定することができ、単数であっても構わない。単一又は複数の空気孔13を、ブロー成形型11における、成形後の容器Cの胴部Cbに対応する位置に代えて、又は加えて、ブロー成形型11における、成形後の容器Cの底部Ccに対応する位置に配置してもよい。
【0029】
ブロー成形型11の上側には、ブロー成形型11に対して上下方向に相対移動自在にノズルユニット20が設けられている。ノズルユニット20は本体ブロック21と充填ノズル22とを有している。
【0030】
充填ノズル22は、プリフォームPFの口部PFaの内部に挿入される円筒状に形成されたノズル本体22aとこのノズル本体22aと一体に形成された大径の挟持部22bとが、例えば鋼材や樹脂材料等により一体に形成された構成となっている。充填ノズル22は、挟持部22bが本体ブロック21の内面に嵌め込まれることにより本体ブロック21に固定されている。ノズル本体22aは、ブロー成形型11のキャビティ12と同軸に配置されており、ノズルユニット20が所定位置にまで下降するとブロー成形型11に装着されたプリフォームPFの口部PFaに係合するようになっている。
【0031】
本体ブロック21の内部にはノズル本体22aと同軸となって上下方向に延びる液体供給路23が設けられている。この液体供給路23は充填ノズル22に液体Lを供給するための流路であり、その下端において充填ノズル22に連通している。
【0032】
液体供給路23には配管24を介して加圧液体供給部25が接続されている。加圧液体供給部25は、配管24を介して液体供給路23に所定の圧力にまで加圧した液体Lを供給することができる。加圧液体供給部25としては、例えば加圧源としてプランジャーポンプを用いた構成のものを用いることができる。
【0033】
加圧液体供給部25から液体供給路23に加圧された液体Lが供給されると、液体Lは液体供給路23から充填ノズル22を介してブロー成形型11に配置されたプリフォームPFの内部に供給される。これにより、プリフォームPFが加圧された液体Lによってブロー成形型11のキャビティ12に沿った形状の容器Cに液体ブロー成形される。
【0034】
液体供給路23の内部には、充填ノズル22を液体供給路23に対して開閉するためのシール体26が配置されている。シール体26は液体供給路23の軸心に沿って延びる円筒状に形成されており、液体供給路23の内部で上下方向に移動自在となっている。シール体26が下方のストローク端にまで移動してその下端面が挟持部22bの上面に当接すると、液体供給路23とノズル本体22aとの連通がシール体26によって遮断され、充填ノズル22は液体供給路23に対して閉じられた状態となる。一方、シール体26が閉じた状態から上方に移動し、その下端面が挟持部22bの上面から離れると、液体供給路23とノズル本体22aとが連通され、充填ノズル22は液体供給路23に対して開かれた状態となる。
【0035】
ノズルユニット20には、充填ノズル22から液体供給路23に対して分岐する排出路30が設けられている。すなわち、排出路30は、充填ノズル22とシール体26との閉塞位置より下流で充填ノズル22に接続されている。排出路30には開閉弁31が設けられており、排出路30は、当該開閉弁31を開閉することにより、開閉することができる。排出路30は、図示しないタンクに接続されている。
【0036】
したがって、ノズル本体22aをプリフォームPFの口部PFaに係合させ、シール体26を開いて液体供給路23を充填ノズル22に連通させるとともに排出路30の開閉弁31を閉じた状態で加圧液体供給部25を作動させることで、加圧液体供給部25から液体供給路23及び充填ノズル22を介してプリフォームPFの内部に加圧された液体Lを供給してプリフォームPFを液体ブロー成形することができる。液体ブロー成形に際しては、加圧液体供給部25を作動させると同時にシール体26を開くようにしてもよいし、加圧液体供給部25を作動させた後にシール体26を開くようにしてもよい。また、液体ブロー成形後に、シール体26を閉じて充填ノズル22を液体供給路23に対して閉じるとともに排出路30の開閉弁31を開いた状態で、加圧された空気を複数の空気孔13からキャビティ12に供給することで、当該空気により容器Cの外面を押圧して容器Cの内部の液体Lを、排出路30に向けて所定量だけ容器Cの外部に排出することができる。
【0037】
ノズルユニット20に排出路30を設けない構成とすることもできる。この場合、液体ブロー成形後に、充填ノズル22を液体供給路23に対して開いたままの状態で、加圧された空気を複数の空気孔13からキャビティ12に供給することで、当該空気により容器Cの外面を押圧して容器Cの内部の液体Lを、液体供給路23に向けて所定量だけ容器Cの外部に排出することができる。
【0038】
図示するように、液体ブロー成形装置1は延伸ロッド27を備えた構成とすることもできる。延伸ロッド27は、シール体26の軸心に該シール体26に対して上下方向に相対移動自在に挿入されており、シール体26の下端からキャビティ12の内部に向けて出没可能となっている。延伸ロッド27を下方に向けて進出移動させることにより、プリフォームPFを当該延伸ロッド27により軸方向に延伸させることができる。このように、延伸ロッド27を設けた構成とした場合には、液体ブロー成形装置1は、プリフォームPFを延伸ロッド27により軸方向に延伸させつつ加圧した液体Lにより径方向に延伸させる二軸延伸ブロー成形を行うことができる。
【0039】
液体ブロー成形装置1は、延伸ロッド27を備えない構成とすることもできる。
【0040】
次に、このような構成の液体ブロー成形装置1を用いて、合成樹脂製のプリフォームPFを液体ブロー成形して内容液Lを収容した所定形状の容器Cを製造する方法(本発明の一実施形態としての容器製造方法)について説明する。
【0041】
まず、プリフォームセット工程が行われる。プリフォームセット工程においては、まず、
図1に示すように、ラベルRをキャビティ12内に配置し、空気孔13から空気を吸引することによってキャビティ12内でラベルRを空気孔13に吸着させる。次に、予めヒーター等の加熱手段(不図示)を用いて延伸性を発現する程度の所定の温度(例えば80℃〜150℃)にまで加熱しておいたプリフォームPFをブロー成形型11に配置し、型締めするとともに、ノズルユニット20を下降させ、充填ノズル22のノズル本体22aをプリフォームPFの口部PFaに係合させる。プリフォームセット工程においては、充填ノズル22はシール体26によって閉じた状態とされ、加圧液体供給部25は停止している。
【0042】
プリフォームセット工程が完了すると、次にブロー成形工程が行われる。ブロー成形工程においては、
図2に示すように、シール体26を上方に移動させて充填ノズル22を開くとともに加圧液体供給部25を作動させる。これにより、加圧液体供給部25から液体供給路23に加圧した液体Lが供給されるとともに、当該液体Lが充填ノズル22を通って口部PFaからプリフォームPFの内部に供給される。そして、プリフォームPFの内部に加圧した液体Lが供給されることにより、プリフォームPFがブロー成形型11のキャビティ12に沿った形状の容器Cに液体ブロー成形される。
【0043】
ブロー成形工程においては、延伸ロッド27を用いてプリフォームPFを縦方向(軸方向)に延伸することにより二軸延伸ブロー成形を行うことができる。このとき、延伸ロッド27による軸方向の延伸中または延伸後に液体Lの供給が開始されてもよい。延伸ロッド27を用いることにより、成形中におけるプリフォームPFの芯ずれを抑制することができる。延伸ロッド27は最初からプリフォームPFを延伸させる必要はなく、液体LのみによってプリフォームPFを軸方向に或る程度延伸させた後に、延伸ロッド27でプリフォームPFをさらに軸方向に延伸させるようにしてもよい。
【0044】
ブロー成形工程が完了すると、次に液体排出工程が行われる。液体排出工程においては、まず、
図3に示すように、充填ノズル22を閉じ、加圧液体供給部25が停止した状態で、排出路30を開く。次に、
図4に示すように、加圧された空気を空気孔13からキャビティ12に供給して、該空気により成形後の容器Cの胴部Cbの外面を押圧する。これにより、容器Cの胴部Cbがその内容量が減少するように弾性変形し、容器Cの内部に収容されている液体Lが排出路30に向けて所定量だけ口部Caから容器Cの外部に排出される。排出路30に向けて排出された液体Lは、タンクに貯留される。タンクに貯留した液体Lは、液体ブロー成形のための液体Lとして再利用することができる。排出路30に向けて容器Cの内部から排出させる液体Lの量は、空気孔13からの空気の流入量を変更することによって所望の量に設定することができる。このように、容器Cの胴部Cbを変形させて所定量の液体Lを成形後の容器Cの内部から排出させることにより、容器Cはその内部に満注容量よりも少ない液体Lが収容された状態となる。
【0045】
本実施形態のように、ブロー成形工程において延伸ロッド27を用いた二軸延伸ブロー成形を行った場合には、
図4に示したように延伸ロッド27を成形後の容器Cの内部に残したままで、空気孔13からの空気による胴部Cbの押圧を行ってもよいし、延伸ロッド27を成形後の容器Cの内部から引き抜いてから空気孔13からの空気による胴部Cbの押圧を行ってもよい。
【0046】
液体排出工程が完了すると、次にヘッドスペース形成工程が行われる。ヘッドスペース形成工程においては、
図4に示したように空気孔13からの空気により容器Cの胴部Cbを押圧した状態のまま、つまり容器Cを所定量の液体Lを外部に排出した状態としたまま、排出路30を閉じる。次に、
図5に示すように、ノズルユニット20を原位置にまで上昇させて充填ノズル22を口部Caから離脱させる。このとき、排出路30は閉じられているので、排出路30に向けて排出された液体Lが容器Cに戻ることはない。これにより、容器Cの胴部Cbは液体ブロー成形が完了した時の形状に復元し、その内部に所望の大きさのヘッドスペースHSが形成される。
【0047】
排出路30を用いずに液体排出工程を行うこともできる。この場合、液体排出工程において、充填ノズル22を液体供給路23に対して開いたままの状態で、加圧された空気を複数の空気孔13からキャビティ12に供給することで、当該空気により容器Cの外面を押圧して容器Cの内部の液体Lを、液体供給路23に向けて所定量だけ容器Cの外部に排出するとともに、ヘッドスペース形成工程において、充填ノズル22を液体供給路23に対して閉じて、所定量の液体Lを外部に排出した状態の容器Cの口部Caから充填ノズル22を離脱させて容器Cの内部にヘッドスペースHSを形成することができる。
【0048】
このように、本実施形態の容器製造方法によれば、プリフォームPFを液体ブロー成形した後に、加圧された空気をブロー成形型11に設けられた空気孔13からキャビティ12に供給して、当該空気により成形後の容器Cの外面を押圧し、これにより容器Cの内部の液体Lを所定量だけ外部に排出させて容器Cの内部にヘッドスペースHSを形成するようにしたので、ブロー成形型11を複雑な構成とすることなく容器Cの内部に所望の大きさのヘッドスペースHSを形成することができる。したがって、この容器Cの製造コストを低減することができる。
【0049】
また、本実施形態においては、ブロー成形工程において、空気孔13から空気を吸引することによってキャビティ12内でラベルRを空気孔13に吸着させた状態で、プリフォームPFを液体ブロー成形するようにしたので、ラベルRの吸着孔とヘッドスペースHS形成用の空気孔13とを兼用し、容器CにインモールドラベルRを設ける場合のブロー成形型11の構成を簡略化させることができる。
【0050】
以上、説明した実施形態は、本発明の実施形態の一例にすぎず、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0051】
例えば、前記実施形態では、
図1〜
図5に示す構成の液体ブロー成形装置1を用いて本発明の一実施形態としての容器製造方法を行う場合を示したが、他の構成の液体ブロー成形装置等を用いて本発明の一実施形態としての容器製造方法を行うこともできる。