(54)【発明の名称】ナトリウム(2R,5S,13AR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13A−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−B][1,3]オキサゼピン−8−オレート
【解決手段】ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレート。前記化合物のI型結晶。
前記追加の治療剤が、それぞれ独立に、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、およびHIVを治療するための他の薬物からなる群から選択される、請求項13または請求項14に記載の医薬組成物。
HIV感染の治療または予防的阻止を必要とするヒトにおいてHIV感染を治療するまたは予防的に阻止する方法であって、治療有効量の請求項1から11までのいずれか1項に記載の化合物を、前記ヒトに投与する工程を含むことを特徴とする、方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次の説明において、いくつかの特定の詳細は、本発明の様々な実施形態を十分に理解することを提供するために記載される。しかしながら、当業者は、本発明が、これらの詳細がなくても実行できることを理解している。いくつかの実施形態の以下の説明は、本開示が、特許請求された主題の例証と考えられるものとし、例示された特定の実施形態に添付した特許請求の範囲を制限することを意図していないということが理解される。本開示全体に用いられる見出しは、便宜上示されているにすぎず、いかなる方法においても特許請求の範囲を制限するものと解釈するべきではない。任意の見出しで例示された実施形態は、任意の他の見出しで例示された実施形態と組み合わせることができる。
【0013】
定義
本文脈で別段必要とされない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、単語「comprise」およびその変化形、例えば、「comprises」および「comprising」は、オープンで、包含する意味、すなわち、「それだけには限らないが、〜を含む」と解釈されるものとする。
本明細書を通して、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、本実施形態と関連して記載されているある特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所における語句「一実施形態では」または「実施形態では」を用いることによって、必ずしもすべて同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適当な方式で組み合わせることができる。
【0014】
本明細書に開示される本発明はまた、1個または複数の原子を、原子質量もしくは質量数が異なる原子によって置き換えることによって同位体標識された、式(I)および(II)のすべての薬学的に許容される化合物を包含することも意味する。開示された化合物に取り込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体が含まれ、例えば、それぞれ
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18F、
36Cl、
123I、および
125Iである。これらの放射能標識された化合物は、例えば、作用部位もしくは作用のモード、または薬理学的に重要な作用部位への結合親和性を特徴付けることにより、化合物の有効性を決定するまたは測定する助けになるのに有用となり得る。式(I)および(II)のいくつかの同位体標識された化合物、例えば、放射性同位体を取り込むものは、薬物および/または基質組織分布試験において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち、
3H、および炭素−14、すなわち、
14Cは、これらの取り込み易さおよび検出の即時の手段を考慮すると、こうした目的のために特に有用である。
より重い同位体、例えば、重水素、すなわち、
2Hで置換すると、代謝安定性がより良くなるといういくつかの治療上の利点を提供し得る。例えば、in vivo半減期は、増加してもよく、投与所要量は、減少してもよい。したがって、より重い同位体は、いくつかの状況において好ましいこともある。
【0015】
陽電子放出同位体、例えば、
11C、
18F、
15Oおよび
13Nなどによる置換は、基質受容体占有率を試験するための陽電子放出トポグラフィー(PET)試験において有用となり得る。式(I)および(II)の同位体標識された化合物は、当業者に公知の従来の技法または前もって使用された非標識の試薬の代わりに、適切な同位体標識された試薬を用いて、下記に記載した例に記載されているものと類似の方法により一般に調製することができる。
「安定した化合物」および「安定した構造」は、効果的な治療剤中で有用な程度の純度まで、反応混合物および配合物からの単離を存続するために十分に頑強である化合物を示すことを意味する。
【0016】
「してもよい」または「してもよく」とは、続いて記載されるイベントもしくは状況が、起こり得るまたは起こり得ないということ、ならびに説明が、前記イベントもしくは状況が起こる例および起こらない例が含まれるということを意味する。例えば、「置換してもよいアリール」とは、アリール基が置換されていても置換されていなくてもよいということ、ならびに本説明が、置換されたアリール基および置換されていないアリール基の両方が含むことを意味する。
「薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤」には、それだけには限らないが、ヒトまたは一般家畜において使用するために許容される米国食品医薬品局により承認されている、任意のアジュバント、担体、賦形剤、滑剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、色素/着色料、フレーバーエンハンサー、界面活性剤、湿潤剤、分散化剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤が含まれる。
【0017】
「医薬組成物」とは、本発明の化合物の配合物および生物活性化合物の哺乳類、例えば、ヒトへの送達について当技術分野で一般に容認される媒体を意味する。このような媒体には、すべての薬学的に許容されるそれらの担体、希釈剤または賦形剤が含まれる。
【0018】
「有効量」または「治療有効量」とは、それを必要とする患者に投与する場合、化合物が有用性がある疾患状況、状態、または障害のための治療を行うのに十分である、本発明による化合物の量を意味する。このような量は、組織系または研究者もしくは臨床医により探求される患者の生物学的もしくは医学的応答を誘発するのに十分なはずである。治療有効量を構成する本発明による化合物の量は、本化合物およびその生物活性、投与のために用いられる組成物、投与の時間、投与の経路、化合物の排出の速度、治療の期間、治療される疾患−状態または障害のタイプおよびその重症度、本発明の化合物と組み合わせてまたは同時に用いられる薬物、ならびに患者の年齢、体重、全般的な健康、性別および食事などの因子に応じて変わる。そのような治療有効量は、それら自身の知識、現況技術、および本開示を考慮している当業者により日常的に投与することができる。
本明細書で使用される用語「治療」とは、HIV感染の症状を緩和するまたは取り除く、かつ/または患者においてウイルス負荷を低下させるための本発明による化合物または組成物の投与を意味することを目的としている。用語「治療」はまた、疾患の症状の出現を阻止するおよび/またはウイルスが血液中で検出可能レベルに到達しないようにするための、疾患の症状の出現前を除く個体のウイルスへの曝露後、および/または血液中のウイルスの検出前の本発明による化合物または組成物の投与、ならびに出産する前に母親に投与することによる、および生後数日以内に子供に投与することによる母親から乳児へのHIVの出生時伝染を防止するための本発明による化合物、または組成物の投与も包含する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される場合、用語「治療」とは、HIV感染の症状を緩和するまたは取り除く、かつ/または患者においてウイルス負荷を低下させるための、本発明による化合物または組成物の投与を意味することを目的としている。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される場合、用語「治療」とはさらに、もしくはあるいは、患者においてウイルス負荷の低下を維持するための本発明による化合物または組成物の投与を意味することを目的としている。用語「治療」とは、疾患の症状の出現を阻止する、かつ/またはウイルスが血液中で検出可能レベルに到達しないようにするための、疾患の症状の出現前を除く個体のウイルスへの曝露後;および/または血液中のウイルスの検出前の、本発明による化合物または組成物の投与、ならびに出産する前に母親に投与することによる、および生後数日以内に子供に投与することによる母親から乳児へのHIVの出生時伝染を防止するための本発明による化合物または組成物の投与も包含する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される場合、用語「治療」とはさらに、もしくはあるいは、(例えば、低ウイルス負荷の維持のための)一次治療へのその後のもしくは追加の療法として個体のウイルスへの曝露後、本発明による化合物または組成物の投与を意味することを目的としている。
【0019】
「予防」または「予防する」とは、発症していない疾患または状態の臨床症状を引き起こす疾患または状態の任意の治療を意味する。用語「予防」とは、疾患の症状の出現を阻止するおよび/またはウイルスが血液中で検出可能レベルに到達しないようにするための、個体のウイルスへの曝露前の本発明による化合物または組成物の投与(例えば、曝露前の予防)も包含する。
【0020】
用語「対象」または「患者」とは、治療、観察または実験の目的となっているまたは目的となる(ヒトを含む)哺乳動物などの、動物を意味する。本明細書に記載した方法は、ヒトの療法および/または獣医学的な適用に有用となり得る。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物(または患者)である。いくつかの実施形態では、対象(または患者)は、ヒト、一般家畜(例えば、イヌおよびネコ)、農業用家畜(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタ)、および/または実験動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ブタ、ウサギ、イヌ、およびサル)である。一実施形態では、対象(または患者)は、ヒトである。「それを必要とするヒト(または患者)」とは、いくつかの治療から恩恵を受けるはずである疾患または状態を有し得るまたはそれらの疑いがあり;例えば、本出願に従って本明細書に開示される化合物で治療されるヒトを意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「抗ウイルス薬」とは、ヒトにおけるウイルスの形成および/または複製に必要な宿主もしくはウイルス機構に干渉する薬剤を含むがそれだけに限らない、ヒトにおけるウイルスの形成および/または複製を阻害するのに有効である薬剤(化合物または生物製剤)を意味することを目的としている。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「HIV複製の阻害剤」とは、in vitro、ex vivoもしくはin vivoに関わらず、HIVが宿主細胞中で複製する能力を低下させるまたは取り除くことができる薬剤を意味することを目的としている。
「互変異性体」とは、分子のある原子からの同じ分子の別の原子へのプロトン移動を意味する。本発明には、任意の前記化合物の互変異性体が含まれる。
本明細書における値もしくはパラメーターの「約」への言及には、その値またはパラメーター自体を対象とする実施形態が含まれる(および記載される)。例えば、「約X」を参照する説明では、「X」の説明が含まれる。また、単数形「a」および「the」には、文脈上で別段明らかに指示されない限り、複数形の参照が含まれる。したがって、例えば、「化合物」への言及には、複数のかかる化合物が含まれ、「アッセイ」への言及では、1種または複数のアッセイおよび当業者に公知のそれらの均等物への言及が含まれる。
「薬学的に許容される」または「生理的に許容される」とは、獣医学的なまたはヒトの医薬用用途のために適した医薬組成物を調製するのに有用である化合物、塩、組成物、剤形および他の材料を意味する。
【0023】
「単位剤形」は、対象(例えば、ヒト対象および他の哺乳類)についての単位用量として適した物理的に分離した単位であり、各単位は、適当な医薬用担体と関連して所望の治療効果をもたらすよう算出された活物質の予定された含量を含む。
【0024】
結晶形
式II
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの合成に有用となり得る、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの結晶形を開発することが望ましい。ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの形態は、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの合成のための中間体となり得る。ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの形態は、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの合成における最終生成物となり得る。多形の形態または多形または共結晶は、医学用もしくは医薬用用途に適当となり得るある条件でのバイオアベイラビリティおよび安定性などの特性を有し得る。
【0025】
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの結晶形は、医薬組成物中の有効成分として用いるのに適した、バイオアベイラビリティおよび安定性の利点を提供することができる。いくつかの実施形態では、結晶形ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートは、バイオアベイラビリティ(表3)および/または安定性(表4)を改善するという利点を提供する。医薬品原薬または有効成分の結晶構造の差異は、医薬品製品または有効成分の溶解速度(これはバイオアベイラビリティなどに影響を与える恐れがある)、製造性(例えば、取扱いの容易性、公知の強度の用量を一貫して調製する能力)および安定性(例えば、熱安定性、有効期間など)に影響を与える恐れがある。かかる差異は、錠剤およびカプセル剤を含む固形の経口剤形などの異なる剤形または送達形態の、医薬組成物の調製または配合物に影響を与え得る。非結晶のもしくは非晶質の形態などの他の形態と比べて、結晶形は、所望のもしくは適当な吸湿性、粒度制御、溶解速度、溶解性、純度、物理的安定性および化学安定性、製造性、収率、および/またはプロセスコントロールを提供することができる。したがって、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの結晶形は、有効な薬剤の製造工程または化合物もしくは有効成分の製剤形態の安定性または貯蔵性を改善すること、および/または有効な薬剤として適当なバイオアベイラビリティおよび/または安定性を有することなど利点を提供し得る。
【0026】
いくつかの溶媒の使用によって、多形I型を含む、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの異なる多形の形態が生成されることが判明しており、これによって、前述の1つまたは複数の好ましい特性が示され得る。いくつかの実施形態では、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートのI型は、バイオアベイラビリティ(表3)および/または安定性(表4)を改善するという利点を提供することができる。本明細書に記載した多形の調製のための方法、およびこれらの多形の特徴付けは、以下に、より詳細に記載されている。
【0027】
上記に示した化合物名は、ChemBioDraw Ultraを用いて名付けられ、当業者は、化合物の構造が、他の一般に認識される命名システムおよびシンボルを用いて名付けることも同定することもできるということを理解している。例として、化合物は、一般名、系統名または非系統名で名付けても同定してもよい。Chemical Abstract Service(CAS)およびInternational Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)を含むがそれだけに限らない、化学の技術分野で一般に知られている命名システムおよびシンボルである。したがって、上記に示される化合物の構造は、IUPAC下でナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートとして名付けられても同定されてもよい。
【0028】
詳細な実施形態では、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの結晶形が開示されている。
【0029】
式II、I型
いくつかの実施形態において、次の構造(式II)を有するナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの新規な形態が開示されている。
【化3】
さらなる実施形態では、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの結晶形が開示されている。
【0030】
いくつかの実施形態において、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型が開示されている。
【0031】
一実施形態では、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの多形I型が提供され、この多形は、実質的に
図1および/または
図8に示される粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。多形ナトリウムI型は、実質的に
図2に示される示差走査熱量測定法(DSC)サーモグラムを示すことができる。多形ナトリウムI型は、実質的に
図3に示されるサーモグラフ分析(TGA)グラフを示すことができる。多形ナトリウムI型は、実質的に
図4に示される動的水蒸気吸収(DVS)グラフを示すことができる。
例えば、XRPDパターン、DSCサーモグラム、またはTGAグラフに言及される場合、用語「実質的に〜に示される」とは、本明細書に示したものと必ずしも同一でないが、当業者により考慮される場合、実験誤差または偏差の限界内にあるパターン、サーモグラムまたはグラフが含まれる。
【0032】
多形ナトリウムI型は、以下の寸法のX線結晶解析によって決定される単位格子を有し得る。a=8.9561(10)Å;b=13.9202(14)Å;c=31.115(3)Å;α=90°;β=90°;およびγ=90°。
【0033】
多形ナトリウムI型のいくつかの実施形態では、以下の(a)〜(j)の少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、またはすべてが適用される。(a)多形I型は、実質的に
図1および/または
図8に示されるXRPDパターンを有し;(b)多形ナトリウムI型は、実質的に
図2に示されるDSCサーモグラムを有し;(c)多形ナトリウムI型は、実質的に
図3に示されるTGAグラフを有し;(d)多形ナトリウムI型は、実質的に
図4に示されるDVSグラフを有し;(e)多形ナトリウムI型は、以下の寸法のX線結晶解析により決定される単位格子を有し、すなわち、a=8.9561(10)Å;b=13.9202(14)Å;c=31.115(3)Å;α=90°;β=90°;およびγ=90°であり;(f)多形ナトリウムI型は、斜方晶系を有し;(g)多形ナトリウムI型は、P212121空間群を有し;(h)多形ナトリウムI型は、容積が3879.2(7)Å
3であり;(i)多形I型は、Z値が4であり;(j)多形I型は、密度が1.614Mg/m
3である。
いくつかの実施形態では、多形ナトリウムI型は、以下の特性の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたはすべてを有する。
a.実質的に
図1および/または
図8に示されるXRPDパターン;
b.実質的に
図2に示されるDSCサーモグラム;
c.実質的に
図3に示されるTGAグラフ;
d.実質的に
図4に示されるDVSグラフ;および
e.以下の寸法のX線結晶解析により決定される単位格子a=8.9561(10)Å;b=13.9202(14)Å;c=31.115(3)Å;α=90°;β=90°;およびγ=90°;
【0034】
いくつかの実施形態では、多形ナトリウムI型は、実質的に
図1および/または
図8に示されるXRPDパターンの、強度が最も高い回折角2θ−反射を少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ示すXRPDパターンを有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、多形ナトリウムI型は、XRPDパターンが5.5、16.1、および23.3の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)を含む。一実施形態では、多形ナトリウムI型は、XRPDパターンが、5.5、16.1、および23.3の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)ならびに22.1、28.5、および22.5の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)のうち1つまたは複数を含む。一実施形態では、多形ナトリウムI型は、XRPDパターンが、5.5、16.1、および23.3の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)ならびに22.1、28.5、および22.5の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)のうち1つを含む。一実施形態では、多形ナトリウムI型は、XRPDパターンが5.5、16.1、および23.3の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)ならびに22.1、28.5、および22.5の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)のうち2つを含む。一実施形態では、多形ナトリウムI型は、XRPDパターンが、5.5、16.1、および23.3の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)ならびに22.1、28.5、および22.5の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)のうち3つを含む。一実施形態では、多形ナトリウムI型は、XRPDパターンが、5.5、16.1、23.3、22.1、28.5、および22.5の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)を含む。一実施形態では、多形ナトリウムI型は、XRPDパターンが、5.5、16.1、23.3、22.1、28.5、22.5、19.5、および26.6の回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)を含む。一実施形態では、多形ナトリウムI型は、XRPDパターンが5.5、16.1、23.3、22.1、28.5、22.5、19.5、26.6、および17.9からなる群から選択される任意の3つの回折角2θ−反射(+/−0.2°2θ)を含む。
【0036】
医薬組成物
投与の目的では、いくつかの実施形態では、本明細書に記載した化合物は、粗化学物質として投与される、または医薬組成物として配合される。本発明の医薬組成物は、それらの形態および共結晶を含む、式(II)の化合物、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。式(II)の化合物は、目的とする特定の疾患もしくは状態を治療するのに有効である量で組成物中に存在する。式(II)の化合物の活性は、例えば、「POLYCYCLIC−CARBAMOYLPYRIDONE COMPOUNDS AND THEIR PHARMACEUTICAL USE」という表題を付けられた、2013年12月19日出願の同時係属出願の特許出願第14/133,855号に記載されている通り、当業者により決定することができる。式(II)の化合物の活性はまた、例えば、「POLYCYCLIC−CARBAMOYLPYRIDONE COMPOUNDS AND THEIR PHARMACEUTICAL USE.」という表題を付けられた、2013年12月19日出願の同時係属出願のPCT出願番号US2013/076367に記載されている通り、当業者により決定することもできる。適切な濃度および投与量は、当業者によって容易に決定することができる。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、約25mg〜約500mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、約100mg〜約300mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、約5mg〜約100mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、約25mg〜約100mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、約50mg〜約100mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、約5mg〜約100mgの量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、約5mg、25mg、50mg、75mg、100mg、200mg、300mg、400mgまたは約500mgの量で医薬組成物中に存在する。
【0037】
式II
本明細書に記載した少なくとも1個の多形(例えば、式IIの多形I型のいずれか1個または複数)を含む組成物もまた提供される。詳細な実施形態では、本明細書に記載した式IIの多形I型を含む組成物が提供される。他の実施形態では、本明細書に記載した組成物は、実質的に純粋な多形の形態を含んでもよく、他の多形および/または不純物が実質的になくてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、本組成物は、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの多形の形態を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載した多形の形態を含む組成物が提供され、本組成物内のナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートは、実質的に純粋である(すなわち、実質的に純粋なI型)。ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの多形の形態を含む組成物の詳細な実施形態では、本組成物中に存在するナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%は、本明細書に開示される式IIの、I型である。いくつかの実施形態では、本組成物には、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートのI型の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%が含まれる。
【0039】
本明細書に開示される多形の形態を含む組成物の他の実施形態では、本組成物中に存在するナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%未満は、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの他の多形および/または不純物である。
【0040】
本明細書に開示される多形の形態を含む組成物のさらなる他の実施形態では、不純物は、存在する多形の形態の質量に対する総質量の約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%未満を占める。不純物は、例えば、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートを合成することにより得られた副生成物、汚染物、分解生成物、他の多形の形態、非晶質の形態、水、および溶媒を含み得る。いくつかの実施形態では、不純物には、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートを合成する方法から得られた副生成物が含まれる。いくつかの実施形態では、不純物には、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートを合成する方法から得られた汚染物が含まれる。いくつかの実施形態では、不純物には、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの分解生成物が含まれる。いくつかの実施形態では、不純物には、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの他の多形の形態が含まれる。いくつかの実施形態では、不純物には、水または溶媒が含まれる。本明細書に開示される多形の形態を含む組成物のいくつかの実施形態では、不純物は、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートを合成することにより得られた副生成物、汚染物、分解生成物、他の多形の形態、水、溶媒およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0041】
さらなる他の実施形態では、本明細書に開示される式IIの、I型を含む組成物は、非晶質もしくは非結晶のナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートが約5質量%未満、約4質量%未満、約3質量%未満、約2質量%未満、または約1質量%未満である。
【0042】
いくつかの実施形態では、化合物のある特定の多形の形態に関して用語「実質的に純粋な」または「実質的にない」は、多形の形態を含む組成物が、他の多形の形態および/または不純物を含む、他の物質の95質量%未満、90質量%未満、80質量%未満、70質量%未満、65質量%未満、60質量%未満、55質量%未満、50質量%未満、40質量%未満、30質量%未満、20質量%未満、15質量%未満、10質量%未満、5質量%未満、または1質量%未満含有するという意味である。いくつかの実施形態では、「実質的に純粋な」または「実質的に〜がない」は、他の多形の形態および/または不純物を含む、他の物質がない物質を意味する。不純物は、例えば、化学反応から得られた副生成物もしくは試薬の使い残し、汚染物、分解生成物、他の多形の形態、水、および溶媒を含むことができる。
【0043】
投与
純粋な形態のまたは適切な医薬組成物中の本明細書に開示される化合物の投与は、類似の有用性を満たす薬剤の投与の認められたやり方のいずれかによって実施することができる。本明細書に開示される医薬組成物は、本明細書に開示される化合物を、適切な薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせることにより調製することができ、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル、ミクロスフェア、およびエアゾール剤などの、固形、半固形、液体または気体の形態の調製で配合することができる。本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を、適切な薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせることにより調製することができ、固体分散体および固溶体などの固形、半固形、液体または気体の形態の調製で配合することができる。かかる医薬組成物を投与する典型的な経路には、それだけには限らないが、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、口腔、直腸、経膣、および鼻腔内が含まれる。一実施形態では、医薬組成物は、経口投与のために調製される。特定の実施形態では、医薬組成物は、錠剤である。本発明の医薬組成物は、本組成物の患者への投与後その中に含有される有効成分が生体利用可能となるように配合される。対象または患者に投与される組成物は、1種または複数の投与単位の形態をとり、例えば、錠剤は、単一の投与単位となり得、エアゾール剤の形態の本発明の化合物の容器は、複数の投与単位を保持してもよい。かかる剤形を調製する実際の方法は、公知である、または当業者に明らかである。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition (Philadelphia College of Pharmacy and Science, 2000)を参照のこと。投与されようとする組成物は、任意のイベントにおいて、本開示の教示に従って、目的とする疾患または状態の治療のための本発明の化合物の治療有効量を含有する。
【0044】
本明細書に開示される医薬組成物は、製薬分野で周知の方法論により調製することができる。例えば、注射による投与を目的とする医薬組成物は、溶液を形成するように無菌の、蒸留水と本発明の化合物を組み合わせることにより調製することができる。界面活性剤を加えて、均質な溶液または懸濁液の形成を容易にすることができる。界面活性剤は、水性の送達系で化合物の溶解または均質な懸濁を容易にするように、本発明の化合物と非共有結合的に相互作用する化合物である。
例えば、経口投与を目的とした固形の医薬組成物は、本発明の化合物を少なくとも1種の適当な医薬賦形剤と混合して、固形予備処方組成物を形成することにより調製することができ、次いで、錠剤、丸剤およびカプセル剤などの等しく有効な単位剤形に容易に細区画することができる。したがって、一実施形態では、医薬組成物が提供され、これには式(II)の化合物および医薬賦形剤が含まれる。
本明細書に開示される化合物は、治療有効量で投与され、これは、使用される特定の化合物の活性;化合物の代謝安定性および作用の長さ;患者の年齢、体重、全般的な健康、性別、および食事;投与のやり方および時間;排出の速度;薬物の組み合わせ;特定の障害または状態の重症度;および治療を行う対象を含む、様々な因子に応じて変わる。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、患者が感染する、潜伏感染する限り、または感染を防ぐため(例えば、複数年、複数月、複数週または複数日の間)、単独でまたは他の抗ウイルス薬と組み合わせて1日1回もしくは2回投与することができる。
【0045】
併用療法
一実施形態では、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤の治療有効量と組み合わせて、本明細書に開示される化合物の治療有効量をヒトに投与するステップを含む、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するまたは予防するための方法が提供される。一実施形態では、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤の治療有効量と組み合わせて、本明細書に開示される化合物の治療有効量をヒトに投与するステップを含む、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するための方法が提供される。
【0046】
一実施形態では、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤の治療有効量と組み合わせて、本明細書に開示される化合物または組成物の治療有効量をヒトに投与するステップを含む、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するための方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本発明は、HIV感染を治療するために適した1種または複数の追加の治療剤の治療有効量と組み合わせて、本明細書に開示される化合物または組成物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、HIV感染を治療するための方法を提供する。
【0047】
一実施形態は、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するまたは予防するための方法に使用するために、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせて、本明細書に開示される化合物を提供する。一実施形態は、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するための方法に使用するために、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせて、本明細書に開示される化合物を提供する。一実施形態は、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するまたは予防するための方法において使用するための、本明細書に開示される化合物を提供し、本化合物は、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一実施形態は、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するための方法に使用するための、本明細書に開示される化合物を提供し、本化合物は、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本発明は、HIV感染を治療するための方法に使用するために、HIV感染を治療するために適した1種または複数の追加の治療剤と組み合わせて、本明細書に開示される化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、HIV感染を治療するための方法に使用するための、本明細書に開示される化合物を提供し、本化合物は、HIV感染を治療するために適した1種または複数の追加の治療剤と組み合わせて投与される。
【0048】
一実施形態は、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するまたは予防するための医薬品の製造における、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせた、本明細書に開示されるその化合物の使用を提供する。一実施形態は、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するための医薬品の製造における、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせた、本明細書に開示される化合物の使用を提供する。一実施形態は、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するまたは予防するための医薬品の製造における、本明細書に開示される化合物の使用を提供し、本化合物は、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。一実施形態は、感染を有するもしくは感染を有するリスクがあるヒトにおいてHIV感染を治療するための医薬品の製造における、本明細書に開示されるその化合物の使用を提供し、本化合物は、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本発明は、HIV感染を治療する上で、HIV感染を治療するために適した1種または複数の追加の治療剤と組み合わせた、本明細書に開示されるその化合物の使用を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、HIV感染を治療するための本明細書に開示されるその化合物の使用を提供し、本化合物は、HIV感染を治療するために適した1種または複数の追加の治療剤と組み合わせて投与される。
【0049】
本明細書に開示される化合物(例えば、式(II)の任意の化合物)は、式IIの化合物の任意の用量(例えば、化合物の50mg〜1000mg)で1種または複数の追加の治療剤と組み合わせることができる。
一実施形態では、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせた、本明細書に開示される化合物、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
一実施形態では、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせた、本明細書に開示される化合物を含む併用医薬品が提供される。
【0050】
一実施形態では、1種または複数(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1種から3種)の追加の治療剤と組み合わせた、本明細書に開示される化合物を含むキットが提供される。
【0051】
上記の実施形態では、追加の治療剤は、抗HIV薬となり得る。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非−触媒部位(またはアロステリックな)インテグラーゼ阻害剤、侵入阻害剤(例えば、CCR5阻害剤、gp41阻害剤(すなわち、融合阻害剤)およびCD4付着阻害剤)、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、G6PDおよびNADH−オキシダーゼ阻害剤、HIVカプシドを標的とする化合物(「カプシド阻害剤」;例えば、WO2013/006738(Gilead Sciences社)、US2013/0165489(University of Pennsylvania)、およびWO2013/006792(Pharma Resources社)に開示されているものなどのカプシド重合阻害剤またはカプシドを破壊する化合物、薬物動態学的エンハンサー、およびHIVを治療するための他の薬物、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0052】
他の実施形態では、追加の治療剤は、抗HIV薬となり得る。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV非ヌクレオシド系または非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非−触媒部位(またはアロステリックな)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤(例えば、CCR5阻害剤、gp41阻害剤(すなわち、融合阻害剤)およびCD4付着阻害剤)、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、G6PDおよびNADH−オキシダーゼ阻害剤、HIVワクチン、HIV成熟阻害剤、潜伏HIV復帰剤(latency reversing agent)(例えば、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、プロテアソーム阻害剤、プロテインキナーゼC(PKC)アクチベーター、およびBRD4阻害剤)、HIVカプシドを標的とする化合物(「カプシド阻害剤」;例えば、カプシド重合阻害剤またはカプシドを破壊する化合物、HIVヌクレオカプシドp7(NCp7)阻害剤、HIV p24カプシドタンパク質阻害剤)、薬物動態学的エンハンサー、免疫に基づいた療法(例えば、Pd−1モジュレーター、Pd−L1モジュレーター、toll様受容体モジュレーター、IL−15アゴニスト)、HIV抗体、二重特異性抗体およびHIV gp120またはgp41を標的とするものを含む、「抗体様の」医薬品としてのタンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)、HIV用の併用薬、HIV p17基質タンパク質阻害剤、IL−13アンタゴニスト、ペプチジル−プロリルシス−トランス異性化酵素Aモジュレーター、タンパク質ジスルフィド異性化酵素阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチル化酵素阻害剤、HIV vif遺伝子モジュレーター、Vif二量体化アンタゴニスト、HIV−1ウイルス感染性因子阻害剤(HIV−1 viral infectivity factor inhibitor)、TATタンパク質阻害剤、HIV−1 Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合された細胞系譜キナーゼ−3(MLK−3)阻害剤、HIV−1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK−9阻害剤、樹状細胞特異的ICAM−3結合ノンインテグリン1(Dendritic ICAM−3 grabbing nonintegrin 1)阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤 プロタンパク質転換酵素PC9刺激薬、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆転写酵素プライミング複合体阻害剤、HIV遺伝子療法、PI3K阻害剤、WO2013/006738(Gilead Sciences社)、US2013/0165489(University of Pennsylvania)、国際公開第2013/091096号(Boehringer Ingelheim社)、WO2009/062285(Boehringer Ingelheim社)、US20140221380(Japan Tobacco社)、US20140221378(Japan Tobacco社)、WO2010/130034(Boehringer Ingelheim社)、WO2013/159064(Gilead Sciences社)、WO2012/145728(Gilead Sciences社)、WO2012/003497(Gilead Sciences社)、WO2014/100323(Gilead Sciences社)、WO2012/145728(Gilead Sciences社)、WO2013/159064(Gilead Sciences社)およびWO2012/003498(Gilead Sciences社)およびWO2013/006792(Pharma Resources社)に開示されている化合物、ならびにHIVを治療するための他の薬物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV非ヌクレオシド系または非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非−触媒部位(またはアロステリックな)インテグラーゼ阻害剤、薬物動態学的エンハンサー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0054】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、錠剤として配合され、これは、HIVを治療するために有用な、1種または複数の他の化合物を含有してもよい。いくつかの実施形態では、錠剤は、HIVを治療するための別の有効成分、例えば、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV非ヌクレオシド系または非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非−触媒部位(またはアロステリックな)インテグラーゼ阻害剤、薬物動態学的エンハンサー、およびそれらの組み合わせなどを含有することができる。いくつかの実施形態では、錠剤は、HIVを治療するための1種または複数の有効成分、例えば、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤などを含有することができる。いくつかの実施形態では、かかる錠剤は、1日1回投与に適している。
【0055】
さらなる実施形態では、追加の治療剤は、
(1)アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、TMC−126、TMC−114、モゼナビル(mozenavir)(DMP−450)、JE−2147(AG1776)、L−756423、RO0334649、KNI−272、DPC−681、DPC−684、GW640385X、DG17、PPL−100、DG35、およびAG 1859からなる群から選択されるHIVプロテアーゼ阻害剤;
(2)カプラビリン、エミビリン(emivirine)、デラビリジン(delaviridine)、エファビレンツ、ネビラピン、(+)カラノリドA、エトラビリン、GW5634、DPC−083、DPC−961、DPC−963、MIV−150、TMC−120、リルピビリン、BILR 355 BS、VRX 840773、レルシビリン(UK−453061)、RDEA806、KM023およびMK−1439からなる群から選択されるHIV非ヌクレオシド系または非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤;
(3)ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アバカビル硫酸塩、アムドキソビル、エルブシタビン(elvucitabine)、アロブジン、MIV−210、±−FTC、D−d4FC、エムトリシタビン、ホスファジド(phosphazide)、フォジブジンチドキシル(fozivudine tidoxil)、アプリシチビン(apricitibine)(AVX754)、KP−1461、GS−9131(Gilead Sciences社)、フォサルブジンチドキシル(fosalvudine tidoxil)(以前はHDP 99.0003)、テノフォビル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミド(tenofovir alafenamide)、テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート、テノフォビルアラフェンアミドフマル酸塩(Gilead Sciences社)、GS−7340(Gilead Sciences社)、GS−9148(Gilead Sciences社)、アデフォビル、アデフォビルジピボキシル、CMX−001(Chimerix社)およびCMX−157(Chimerix社)からなる群から選択されるHIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤;
【0056】
(4)クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸の誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸の誘導体、コーヒー酸フェネチルエステル、コーヒー酸フェネチルエステルの誘導体、チロホスチン、チロホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、S−1360、AR−177、L−870812、およびL−870810、ラルテグラビル、BMS−538158、GSK364735C、BMS−707035、MK−2048、BA 011、エルビテグラビア、ドルテグラビル、ドルテグラビルナトリウム、およびGSK−744からなる群から選択されるHIVインテグラーゼ阻害剤;
(6)それだけには限らないが、BI−224436、CX0516、CX05045、CX14442、WO2009/062285(Boehringer Ingelheim社)、WO2010/130034(Boehringer Ingelheim社)、WO2013/159064(Gilead Sciences社)、WO2012/145728(Gilead Sciences社)、WO2012/003497(Gilead Sciences社)、WO2012/003498(Gilead Sciences社)において開示されている化合物(これはそれぞれ、その全体を参照により本明細書に組み込む)を含む、HIV非−触媒部位またはアロステリックなインテグラーゼ阻害剤(NCINI);
【0057】
(7)エンフビルチド、シフビルチド(sifuvirtide)、アルブビルチド(albuvirtide)、FB006M、およびTRI−1144からなる群から選択されるgp41阻害剤;
(8)CXCR4阻害剤AMD−070;
(9)侵入阻害剤SP01A;
(10)gp120阻害剤BMS−488043;
(11)G6PDおよびNADH−オキシダーゼ阻害剤イミュニチン(immunitin);
(12)アプラビロック、ビクリビロック、マラビロク、セニクリビロック(cenicriviroc)、PRO−140、INCB15050、PF−232798(Pfizer社)、およびCCR5mAb004からなる群から選択されるCCR5阻害剤;
【0058】
(13)イバリズマブ(ibalizumab)(TMB−355)およびBMS−068(BMS−663068)からなる群から選択されるCD4付着阻害剤;
(14)コビシスタットおよびSPI−452からなる群から選択される薬物動態学的エンハンサー;ならびに
(15)BAS−100、SPI−452、REP 9、SP−01A、TNX−355、DES6、ODN−93、ODN−112、VGV−1、PA−457(ベビリマット(bevirimat))、HRG214、VGX−410、KD−247、AMZ 0026、CYT 99007A−221 HIV、DEBIO−025、BAY 50−4798、MDX010(イピリムマブ)、PBS 119、ALG 889、およびPA−1050040(PA−040)からなる群から選択されるHIVを治療するための他の薬物ならびにそれらの組み合わせのうち1種または複数から選択される。
【0059】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、
(1)ATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、COMPLERA(登録商標)またはEVIPLERA(登録商標)(リルピビリン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビア+コビシスタット+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、ドルテグラビル+アバカビル硫酸塩+ラミブジン、TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル+アバカビル+ラミブジン)、ラミブジン+ネビラピン+ジドブジン、ドルテグラビル+リルピビリン、ドルテグラビル+リルピビリン塩酸塩、アタザナビル硫酸塩+コビシスタット、アタザナビル+コビシスタット、ダルナビル+コビシスタット、エファビレンツ+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート+エムトリシタビン+コビシスタット+エルビテグラビア、テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート+エムトリシタビン、テノフォビルアラフェンアミド+エムトリシタビン、テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート+エムトリシタビン+リルピビリン、テノフォビルアラフェンアミド+エムトリシタビン+リルピビリン、Vacc−4x+ロミデプシン、ダルナビル+テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート+エムトリシタビン+コビシスタット、APH−0812、ラルテグラビル+ラミブジン、KALETRA(登録商標)(ALUVIA(登録商標)、ロピナビル+リトナビル)、アタザナビル硫酸塩+リトナビル、COMBIVIR(登録商標)(ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC)、EPZICOM(登録商標)(Kivexa(登録商標)、アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ABC+3TC)、TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル硫酸塩+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC)、TRUVADA(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン、TDF+FTC)、ドラビリン(doravirine)+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ドラビリン+ラミブジン+テノフォビルジソプロキシル(disoproxil)、テノフォビル+ラミブジンおよびラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩からなる群から選択される併用薬;
【0060】
(2)アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、インジナビル硫酸塩、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、DG−17、TMB−657(PPL−100)およびTMC−310911からなる群から選択されるHIVプロテアーゼ阻害剤;
(3)デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、ネビラピン、エトラビリン、ダピビリン(dapivirine)、ドラビリン、リルピビリン、エファビレンツ、KM−023、VM−1500、レンチナンおよびAIC−292からなる群から選択されるHIV非ヌクレオシド系または非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤;
【0061】
(4)VIDEX(登録商標)およびVIDEX(登録商標)EC(ジダノシン、ddl)、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、センサブジン(censavudine)、アバカビル、アバカビル硫酸塩、アムドキソビル、エルブシタビン、アロブジン、ホスファジド、フォジブジンチドキシル、アプリシタビン(apricitabine)、アムドキソビル、KP−1461、フォサルブジンチドキシル(fosalvudine tidoxil)、テノフォビル、テノフォビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルジソプロキシルヘミフマレート、テノフォビルアラフェンアミド、テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート、テノフォビルアラフェンアミドフマル酸塩、アデフォビル、アデフォビルジピボキシル、およびフェスチナビル(festinavir)からなる群から選択されるHIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤;
(5)クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸の誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸の誘導体、コーヒー酸フェネチルエステル、コーヒー酸フェネチルエステルの誘導体、チロホスチン、チロホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、ラルテグラビル、エルビテグラビア、ドルテグラビルおよびカボテグラビル(cabotegravir)からなる群から選択されるHIVインテグラーゼ阻害剤;
(6)CX−05168、CX−05045およびCX−14442からなる群から選択されるHIV非−触媒部位またはアロステリックなインテグラーゼ阻害剤(NCINI);
(7)エンフビルチド、シフビルチドおよびアルブビルチドからなる群から選択されるHIV gp41阻害剤;
(8)セニクリビロック(cenicriviroc)からなる群から選択されるHIV侵入阻害剤;
(9)Radha−108(Receptol)およびBMS−663068からなる群から選択されるHIV gp120阻害剤;
(10)アプラビロック、ビクリビロック、マラビロク、セニクリビロック、PRO−140、アダプタビル(Adaptavir)(RAP−101)、ニフェビロック(nifeviroc)(TD−0232)、TD−0680、およびvMIP(Haimipu)からなる群から選択されるCCR5阻害剤;
(11)イバリズマブからなる群から選択されるCD4付着阻害剤;
(12)プレリキサホル、ALT−1188、vMIPおよびHaimipuからなる群から選択されるCXCR4阻害剤;
(13)コビシスタットおよびリトナビルからなる群から選択される薬物動態学的エンハンサー;
(14)デルマビル(dermaVir)、インターロイキン−7、プラケニル(ヒドロキシクロロキン)、プロロイキン(proleukin)(アルデスロイキン、IL−2)、インターフェロンα、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−n3、ペグ化インターフェロンα、インターフェロンγ、ヒドロキシ尿素、ミコフェノール酸モフェチル(MPA)およびそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、WF−10、リバビリン、IL−2、IL−12、ポリマーポリエチレンイミン(PEI)、Gepon、VGV−1、MOR−22、BMS−936559、toll様受容体モジュレーター(tlr1、tlr2、tlr3、tlr4、tlr5、tlr6、tlr7、tlr8、tlr9、tlr10、tlr11、tlr12およびtlr13)、リンタトリモド(rintatolimod)およびIR−103からなる群から選択される免疫に基づいた療法;
(15)ペプチドワクチン、組換え型サブユニットタンパク質ワクチン、生ベクターワクチン、DNAワクチン、ウイルス様粒子ワクチン(偽ウイルス粒子ワクチン)、CD4−由来ペプチドワクチン、ワクチンの組み合わせ、rgp120(AIDSVAX)、ALVAC HIV(vCP1521)/AIDSVAX B/E(gp120)(RV144)、単量体gp120 HIV−1サブタイプCワクチン(Novartis社)、レミューン(Remune)、ITV−1、コントレビル(Contre Vir)、Ad5−ENVA−48、DCVax−001(CDX−2401)、PEP−6409、Vacc−4x、Vacc−C5、VAC−3S、多系統群(multiclade)DNA組換え型アデノウイルス−5(rAd5)、Pennvax−G、VRC−HIV MAB060−00−AB、AVX−101、Tat Oyiワクチン、AVX−201、HIV−LAMP−vax、Ad35、Ad35−GRIN、NAcGM3/VSSP ISA−51、ポリ−ICLCアジュバントされたワクチン、TatImmune、GTU−multiHIV(FIT−06)、AGS−004、gp140[delta]V2.TV1+MF−59、rVSVIN HIV−1 gagワクチン、SeV−Gagワクチン、AT−20、DNK−4、Ad35−GRIN/ENV、TBC−M4、HIVAX、HIVAX−2、NYVAC−HIV−PT1、NYVAC−HIV−PT4、DNA−HIV−PT123、rAAV1−PG9DP、GOVX−B11、GOVX−B21、ThV−01、TUTI−16、VGX−3300、TVI−HIV−1、Ad−4(Ad4−env Clade C+Ad4−mGag)、EN41−UGR7C、EN41−FPA2、PreVaxTat、TL−01、SAV−001、AE−H、MYM−V101、CombiHIVvac、ADVAX、MYM−V201、MVA−CMDR、ETV−01、CDX−1401、rcAd26.MOS1.HIV−EnvおよびDNA−Ad5 gag/pol/nef/nev(HVTN505)からなる群から選択されるHIVワクチン;
【0062】
(16)BMS−936559、TMB−360を含む、HIV抗体、二重特異性抗体および「抗体様の」医薬品としてのタンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体など)ならびにバビツキシマブ、UB−421、C2F5、C2G12、C4E10、C2F5+C2G12+C4E10、3−BNC−117、PGT145、PGT121、MDX010(イピリムマブ)、VRC01、A32、7B2、10E8、VRC−07−523およびVRC07からなる群から選択される、HIV gp120またはgp41を標的とするもの;
(17)ロミデプシン、ボリノスタット、パノビノスタットなどのヒストン脱アセチル化酵素阻害剤;ベルケイドなどのプロテアソーム阻害剤;インドラクタム、プロストラチン、インゲノールBおよびDAG−ラクトン、イオノマイシン、GSK−343、PMA、SAHA、BRD4阻害剤、IL−15、JQ1、ジスルフラム(disulfram)、およびアムホテリシンBなどのプロテインキナーゼC(PKC)アクチベーターからなる群から選択される潜伏HIV復帰剤;
【0063】
(18)アゾジカルボンアミドからなる群から選択されるHIVヌクレオカプシドp7(NCp7)阻害剤;
(19)BMS−955176およびGSK−2838232からなる群から選択されるHIV成熟阻害剤;
(20)イデラリシブ、AZD−8186、ブパルリシブ(buparlisib)、CLR−457、ピクチリシブ(pictilisib)、ネラチニブ、リゴサチブ、リゴサチブナトリウム、EN−3342、TGR−1202、アルペリシブ(alpelisib)、ドゥベリシブ(duvelisib)、UCB−5857、タセリシブ(taselisib)、XL−765、ゲダトリシブ(gedatolisib)、VS−5584、コパンリシブ(copanlisib)、CAIオロテート、ペリフォシン、RG−7666、GSK−2636771、DS−7423、パヌリシブ(panulisib)、GSK−2269557、GSK−2126458、CUDC−907、PQR−309、INCB−040093、ピララリシブ(pilaralisib)、BAY−1082439、プキチニブ(puquitinib)メシレート、SAR−245409、AMG−319、RP−6530、ZSTK−474、MLN−1117、SF−1126、RV−1729、ソノリシブ(sonolisib)、LY−3023414、SAR−260301およびCLR−1401からなる群から選択されるPI3K阻害剤;
【0064】
(21)WO2004/096286(Gilead Sciences社)、WO2006/110157(Gilead Sciences社)、WO2006/015261(Gilead Sciences社)、WO2013/006738(Gilead Sciences社)、US2013/0165489(University of Pennsylvania)、US20140221380(Japan Tobacco社)、US20140221378(Japan Tobacco社)、WO2013/006792(Pharma Resources社)、WO2009/062285(Boehringer Ingelheim社)、WO2010/130034(Boehringer Ingelheim社)、国際公開第2013/091096号(Boehringer Ingelheim社)、WO2013/159064(Gilead Sciences社)、WO2012/145728(Gilead Sciences社)、WO2012/003497(Gilead Sciences社)、WO2014/100323(Gilead Sciences社)、WO2012/145728(Gilead Sciences社)、WO2013/159064(Gilead Sciences社)およびWO2012/003498(Gilead Sciences社)に開示されている化合物;および
【0065】
(22)BanLec、MK−8507、AG−1105、TR−452、MK−8591、REP 9、CYT−107、アリスポリビル、NOV−205、IND−02、メテンケファリン(metenkefalin)、PGN−007、アセマンナン(Acemannan)、ガミムン(Gamimune)、プロラスチン、1,5−ジカフェオイルキナ酸、BIT−225、RPI−MN、VSSP、Hlviral、IMO−3100、SB−728−T、RPI−MN、VIR−576、HGTV−43、MK−1376、rHIV7−shl−TAR−CCR5RZ、MazF遺伝子療法、ブロックアイド(BlockAide)、ABX−464、SCY−635、ナルトレキソン、AAV−eCD4−Ig遺伝子療法およびPA−1050040(PA−040)からなる群から選択されるHIVを治療するための他の薬物;
ならびにそれらの組み合わせのうち1種または複数から選択される。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、2種、3種、4種またはそれ以上の追加の治療剤と組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、2種の追加の治療剤と組み合わされる。他の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、3種の追加の治療剤と組み合わされる。さらなる実施形態では、本明細書に開示される化合物は、4種の追加の治療剤と組み合わされる。2種、3種、4種またはそれ以上の追加の治療剤は、同じクラスの治療剤から選択される異なる治療剤となってもよく、異なるクラスの治療剤から選択してもよい。特定の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤およびHIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤と組み合わされる。他の特定の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わされる。さらなる実施形態では、本明細書に開示される化合物は、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わされる。さらなる実施形態では、本明細書に開示される化合物は、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、および薬物動態学的エンハンサーと組み合わされる。他の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、2種のHIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤と組み合わされる。
【0067】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、1種、2種、3種、4種またはそれ以上の追加の治療剤と組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、1種の追加の治療剤と組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、2種の追加の治療剤と組み合わされる。他の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、3種の追加の治療剤と組み合わされる。さらなる実施形態では、本明細書に開示される化合物は、4種の追加の治療剤と組み合わされる。1種、2種、3種、4種またはそれ以上の追加の治療剤は、同じクラスの治療剤から選択される異なる治療剤となってもよく、かつ/または異なるクラスの治療剤から選択してもよい。特定の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤およびHIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤と組み合わされる。他の特定の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わされる。さらなる実施形態では、本明細書に開示される化合物は、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わされる。さらなる実施形態では、本明細書に開示される化合物は、HIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、HIV非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、および薬物動態学的エンハンサーと組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも1種のHIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、および薬物動態学的エンハンサーと組み合わされる。他の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、2種のHIVヌクレオシド系またはヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤と組み合わされる。
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、少なくとも1種のHIVヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、および薬物動態学的エンハンサーと組み合わされる。
詳細な実施形態では、本明細書に開示される化合物は、アバカビル、アバカビル硫酸塩、テノフォビル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミド、またはテノフォビルアラフェンアミドヘミフマレートと組み合わされる。
【0069】
詳細な実施形態では、本明細書に開示される化合物は、テノフォビル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミド、またはテノフォビルアラフェンアミドヘミフマレートと組み合わされる。
詳細な実施形態では、本明細書に開示される化合物は、アバカビル、アバカビル硫酸塩、テノフォビル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミド、およびテノフォビルアラフェンアミドヘミフマレートからなる群から選択される第1の追加の治療剤ならびにエムトリシタビン(emtricitibine)およびラミブジンからなる群から選択される第2の追加の治療剤と組み合わされる。
【0070】
詳細な実施形態では、本明細書に開示される化合物は、テノフォビル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミド、およびテノフォビルアラフェンアミドヘミフマレートからなる群から選択される第1の追加の治療剤ならびに第2の追加の治療剤と組み合わされ、第2の追加の治療剤は、エムトリシチビンである。
【0071】
詳細な実施形態では、本明細書に開示される化合物は、Triumeq(登録商標)(ドルテグラビル+アバカビル+ラミブジン)、ドルテグラビル+アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ラルテグラビル、ラルテグラビル+ラミブジン、Truvada(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン、TDF+FTC)、マラビロク、エンフビルチド、Epzicom(登録商標)(Livexa(登録商標)、アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ABC+3TC)、Trizivir(登録商標)(アバカビル硫酸塩+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC)、アデフォビル、アデフォビルピボキシル、Stribild(登録商標)(エルビテグラビア+コビシスタット+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、リルピビリン、リルピビリン塩酸塩、Complera(登録商標)(Eviplera(登録商標)、リルピビリン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、コビシスタット、アタザナビル硫酸塩+コビシスタット、アタザナビル+コビシスタット、ダルナビル+コビシスタット、Atripla(登録商標)(エファビレンツ+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、アタザナビル、アタザナビル硫酸塩、ドルテグラビル、エルビテグラビア、Aluvia(登録商標)(Kaletra(登録商標)、ロピナビル+リトナビル)、リトナビル、エムトリシタビン、アタザナビル硫酸塩+リトナビル、ダルナビル、ラミブジン、プロラスチン、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、エファビレンツ、Combivir(登録商標)(ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC)、エトラビリン、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、インターフェロン、ジダノシン、スタブジン、インジナビル、インジナビル硫酸塩、テノフォビル+ラミブジン、ジドブジン、ネビラピン、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、アルデスロイキン、ザルシタビン、チプラナビル、アンプレナビル、デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、Radha−108(Receptol)、Hlviral、ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、エファビレンツ+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ホスファジド、ラミブジン+ネビラピン+ジドブジン、アバカビル、アバカビル硫酸塩、テノフォビル、テノフォビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ダルナビル+コビシスタット、アタザナビル硫酸塩+コビシスタット、アタザナビル+コビシスタット、テノフォビルアラフェンアミドおよびテノフォビルアラフェンアミドヘミフマレートから選択される1種、2種、3種、4種またはそれ以上の追加の治療剤と組み合わされる。
【0072】
詳細な実施形態では、本明細書に開示される化合物は、アバカビル、アバカビル硫酸塩、テノフォビル、テノフォビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルジソプロキシルヘミフマレート、テノフォビルアラフェンアミドまたはテノフォビルアラフェンアミドヘミフマレートと組み合わされる。
詳細な実施形態では、本明細書に開示される化合物は、テノフォビル、テノフォビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミド、またはテノフォビルアラフェンアミドヘミフマレートと組み合わされる。
【0073】
詳細な実施形態では、本明細書に開示される化合物は、アバカビル硫酸塩、テノフォビル、テノフォビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミド、およびテノフォビルアラフェンアミドヘミフマレートからなる群から選択される第1の追加の治療剤ならびにエムトリシタビンおよびラミブジンからなる群から選択される第2の追加の治療剤と組み合わされる。
詳細な実施形態では、本明細書に開示される化合物は、テノフォビル、テノフォビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミド、およびテノフォビルアラフェンアミドヘミフマレートからなる群から選択される第1の追加の治療剤ならびに第2の追加の治療剤と組み合わされ、第2の追加の治療剤は、エムトリシタビンである。
【0074】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、5〜30mgのテノフォビルアラフェンアミドフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート、またはテノフォビルアラフェンアミドおよび200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、5〜10;5〜15;5〜20;5〜25;25〜30;20〜30;15〜30;または10〜30mgのテノフォビルアラフェンアミドフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート、またはテノフォビルアラフェンアミドおよび200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、10mgのテノフォビルアラフェンアミドフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート、またはテノフォビルアラフェンアミドおよび200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、25mgのテノフォビルアラフェンアミドフマル酸塩、テノフォビルアラフェンアミドヘミフマレート、またはテノフォビルアラフェンアミドおよび200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。本明細書に開示される化合物(例えば、式(II)の化合物)は、投与量の各組み合わせを詳細におよび個別に列挙した場合と同様に、化合物の任意の用量(例えば、化合物50mg〜500mg)で本明細書に示される薬剤と組み合わせることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、200〜400mgのテノフォビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、またはテノフォビルジソプロキシルヘミフマレートおよび200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、200〜250;200〜300;200〜350;250〜350;250〜400;350〜400;300〜400;または250〜400mgのテノフォビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、またはテノフォビルジソプロキシルヘミフマレートおよび200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、300mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノフォビルジソプロキシルヘミフマレート、またはテノフォビルジソプロキシルおよび200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。本明細書に開示される化合物(例えば、式(II)の化合物)は、投与量の各組み合わせを詳細におよび個別に列挙した場合と同様に、化合物の任意の用量(例えば、化合物50mg〜500mg)で本明細書に示される薬剤と組み合わせることができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物が、前述した1種または複数の追加の治療剤と組み合わされる場合、本組成物の構成成分は、同時もしくは逐次のレジメンとして投与される。逐次的に投与する場合、組み合わせは、2回以上の投与で投与することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、例えば、経口投与のための固形剤形として、患者への同時投与のための単位剤形で1種または複数の追加の治療剤と組み合わされる。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、1種または複数の追加の治療剤と共に投与される。本明細書に開示される化合物の1種または複数の追加の治療剤との同時投与とは、一般に、本明細書に開示される化合物および1種または複数の追加の治療剤の治療有効量がどちらも患者の体内で存在するような、本明細書に開示される化合物および1種もしくは複数の追加の治療剤の同時または逐次の投与を意味する。
同時投与は、1種もしくは複数の追加の治療剤の単位剤形の投与前後の本明細書に開示される化合物の単位剤形の投与、例えば、1種もしくは複数の追加の治療剤の投与の数秒、数分、または数時間以内の本明細書に開示される化合物の投与を含む。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物の単位投与量が、最初に投与され、その後、数秒以内または数分以内に1種または複数の追加の治療剤の単位投与量が投与される。あるいは、他の実施形態では、1種または複数の追加の治療剤の単位投与量が最初に投与され、その後、数秒以内または数分以内に本明細書に開示される化合物の単位投与量が投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物の単位投与量が最初に投与され、その数時間後に(例えば、1〜12時間)、1種または複数の追加の治療剤の単位投与量が投与される。他の実施形態では、1種または複数の追加の治療剤の単位投与量が最初に投与され、その数時間後に(例えば、1〜12時間)、本明細書に開示される化合物の単位投与量が投与される。
【0078】
XRPDデータ
いくつかの実施形態では、結晶形は、X線粉末回折パターン(XRPD)により決定された格子面間隔を特徴とする。XRPDのディフラクトグラムは、通常、ピークの強度対ピークの位置をプロットする図表、すなわち、角度として回折角2θ(2シータ)によって表される。強度はしばしば、以下の略語を用いて括弧内に示される。すなわち、非常に強力な=vst;強力な=st;中間=m;弱い=w;および非常に弱い=vwである。所与のXRPDの特徴的なピークは、ピーク位置およびそれらの相対強度に従って選択して、この結晶構造を他と好都合に区別することができる。
【0079】
当業者は、同じ化合物の所与の結晶形についてのXRPDピーク位置および/または強度の測定が、誤差限界内で変わることを理解している。回折角の値2θによって、適切な許容誤差が可能になる。通常、許容誤差は、「±」によって表される。例えば、約「8.7±0.3」の回折角2θは、約8.7+0.3、すなわち、約9.0から、約8.7−0.3、すなわち、約8.4の範囲までを表す。試料の調製技法、装置に適用されるキャリブレーション技法、ヒトの操作上の差異などに応じて、当業者は、XRPDについての適切な限界の誤差が、±0.5;±0.4;±0.3;±0.2;±0.1;±0.05またはそれ以下となり得るということを理解している。本発明のいくつかの実施形態では、XRPD誤差限界は、±0.2である。
【0080】
XRPD分析のために用いられる方法および装置のさらなる詳細は、例のセクションに記載されている。
本発明のナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレート(式II)の結晶形についてのXRPDピークは、以下の表1中に見出すことができる。
【0082】
多形の調製
(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド(例えば、式(I)の化合物)を合成する一方法は、PCT国際公開番号WO2014/100323に以前に記載されている。特に、(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミドの合成に関して、本参考文献を参照によりその全体を本明細書に組み込む。ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレート(例えば、式(II)の化合物))を合成する一方法は、本明細書に記載されている。
【0083】
例えば、一態様では、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの1種または複数の多形を含む組成物を生成する方法が提供され、本方法は、式(II)の化合物を、適当な溶媒または適当な溶媒の混合物と組み合わせて、式(II)の化合物の1種または複数の多形を含む組成物を生成するステップを含む。他の態様では、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの1種または複数の多形を含む組成物を生成する別の方法が提供され、本方法は、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートを適当な溶媒または適当な溶媒の混合物と組み合わせるステップを含む。
【0084】
ある特定の溶媒または溶媒の組み合わせを選択すると、別の形態よりも、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートのある多形の形態に好都合に形成するよう作用する。多形形成に適した溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、水、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、および任意のそれらの混合物を含むことができる。
【0085】
他の態様では、本明細書に記載した方法のいずれかに従って生成されたナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの1種または複数の多形がやはり提供される。
本明細書に記載した多形(任意の多形I型を含む)を調製する方法が、実験室規模で生成されたナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートを調製するための方法と比較して、含量および品質の差をもたらし得るということが理解されるべきである。
【0086】
式II、I型
一実施形態では、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの多形I型を含む組成物を生成する方法が提供され、本方法は、(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミドを、溶媒中でナトリウム塩基(例えば、水酸化ナトリウム)と組み合わせて、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの多形I型を含む組成物を生成するステップを含み、溶媒は、エタノール、ジメチルホルムアミド、および任意のその混合物からなる群から選択される。一実施形態では、溶媒は、エタノールおよびジメチルホルムアミドの混合物である。
【0087】
(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミドを、溶媒中でナトリウム塩基(例えば、水酸化ナトリウム)と組み合わせることにより調製された、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの多形I型がやはり提供され、溶媒は、エタノール、ジメチルホルムアミド、および任意のその混合物からなる群から選択される。一実施形態では、溶媒は、エタノールおよびジメチルホルムアミドの混合物である。
【0088】
製剤の製造における使用
式II
製剤の製造における本明細書に記載した多形の使用がやはり提供される。本明細書に記載した多形の形態の1種または複数(例えば、多形I型)は、製造工程において中間体として用いて製剤を生成することができる。
いくつかの実施形態では、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートのI型は、原薬の製造において用いられる。
【0089】
製造品およびキット
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの1個または複数を含み、1種もしくは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤または他の成分に配合された組成物を調製し、適切な容器に入れ、適応となる状態の治療についてラベル表示することができる。したがって、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの1個または複数の剤形を含む容器、および化合物を使用するための指示を含むラベルなどの製造品がやはり考慮される。
【0090】
いくつかの実施形態では、製造品は、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートの剤形、および1種もしくは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤または他の成分を含む容器である。本明細書に記載した製造品の一実施形態では、剤形は錠剤である。
【0091】
キットがやはり考慮される。例えば、キットは、医薬組成物の剤形および医学的状態の治療における本組成物の使用についての指示を含む添付文書を備えることができる。キットにおける使用についての指示は、HIVを治療するためとなり得る。いくつかの実施形態では、キットにおける使用についての指示は、HIVを治療するためとなり得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載した多形および溶媒和物の形態は、特性の改善を潜在的に示すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載した多形および溶媒和物の形態は、安定性の改善を潜在的に示すことができる。かかる安定性の改善は、例えば、長期間中間体を貯蔵プロセスする(store process)能力を提供するなど、式Iの化合物の製造に対して潜在的に有益な影響を与え得る。安定性の改善はまた、式IIの化合物の組成物または医薬組成物に潜在的に利益にもなり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載した多形および溶媒和物の形態はまた、式IIの化合物の収率を潜在的に改善させることができる、または式IIの化合物の品質を潜在的に改善させることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載した多形および溶媒和物の形態はまた、薬物動態学的な特性の改善および/またはバイオアベイラビリティの潜在的な改善も示し得る。
【0093】
方法
合成
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレート(式II)
(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド(20g)およびエタノール(80mL)を、反応槽に加え、約75℃に加温した。水性の水酸化ナトリウム(2M溶液22mL)をおよそ30分にわたって加え、その後、スラリーを、およそ1時間にわたっておよそ20℃まで冷却した。ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型を、ろ過によって収集し、EtOH(50mL)で洗浄し、減圧下で乾燥した。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ10.63(t、J=5.8Hz、1H)、7.88(s、1H)、7.29−7.07(m、2H)、5.20(dd、J=8.6、3.6Hz、1H)、5.09(t、J=4.1Hz、1H)、4.52(m、3H)、4.35(dd、J=12.8、3.6Hz、1H)、3.87(dd、J=12.7、8.7Hz、1H)、2.03−1.80(m、3H)、1.76−1.64(m、2H)、1.50−1.40(m、1H)。
【0094】
特徴付け
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型は、後述の手順を用いて、粉末X線回折パターン(XPPD)、示差走査熱量測定法(DSC)、サーモグラフ分析(TGA)、および動的水蒸気吸収装置(DVS)を含めた、様々な分析技法によって特徴付けられた。
【0095】
粉末X線回折:XRPD分析を、銅放射線(Cu Kα、λ=1.5418Å)を用いて、回折計(PANanalytical XPERT−PRO、PANanalytical B.V.、Almelo、Netherlands)で行った。試料を、零点バックグラウンドプレートを装備したアルミニウム製ホルダーの中央に、粉末化した試料を堆積させることにより分析用に調製した。発電機を電圧45kVおよびアンペア数40mAで操作した。用いたスリットは、Soller0.02ラド、散乱除去1.0°、および発散であった。試料の回転速度は、2秒であった。走査を、ステップサイズ0.0167°2θにより5〜15分間2〜40°2θまで行った。データ分析を、X’Pert Highscore version 2.2c(PANalytical B.V.、Almelo、Netherlands)およびX’Pert data viewer version 1.2d(PANalytical B.V.、Almelo、Netherlands)により行った。
【0096】
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についてのXRPDパターンを、
図1に示す。
図1に示したナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についての算出されたXRPDパターンを、Mercury 3.1 Development(Build RC5)を用いることにより算出した。ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についての単結晶データを、Mercury 3.1 Development(Build RC5)に入力して、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についてのXRPDパターンを算出した。温度間の化学量論アリティなどのバルク原料を、電源設定40kV、15mA、1分当たりの走査速度2.0000°、Miniflex 300/600ゴニオメーターおよびASC−6 attachment、走査範囲3.000〜40.000°、入射スリット1.250°、長さ制限スリット10.0mm、およびSC−70検出器、受信スリット#1 1.250°、連続走査モード、および受信スリット#2 0.3mmを用いた、Rigaku Miniflex II XRDで得た。試料を、金属製ホルダー中に取り付けたシリコンディスク上で固体約20mgを滑らかにすることにより調製した。取得温度は、約21℃であった。
【0097】
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についてのXRPDパターンをさらに
図8に示す。
図8に示されたナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についての算出されたXRPDパターンを、Mercury 3.1 Development(Build RC5)を用いることにより算出した。ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についての単結晶データを、Mercury 3.1 Development(Build RC5)に入力して、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についてのXRPDパターンを算出した。温度間の化学量論アリティなどのバルク原料を、電源設定40kV、15mA、1分当たりの走査速度2.0000°、Miniflex 300/600ゴニオメーターおよびASC−6 attachment、走査範囲3.000〜40.000°、入射スリット1.250°、長さ制限スリット10.0mm、およびSC−70検出器、受信スリット#1 1.250°、連続走査モード、および受信スリット#2 0.3mmを用いて、Rigaku Miniflex II XRDで得た。試料を、金属製ホルダー中に取り付けたシリコンディスク上で固体約20mgを滑らかにすることにより調製した。取得温度は、約21℃であった。
【0098】
図8は、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型の算出されたXRPDパターンを、ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型の実験用XRPDパターンと比較する。比較では、算出されたXRPDおよび実験用XRPDが一致する回折角が示されている。強い一致から、溶解した結晶構造もまた、XRPDにより直接分析された材料の結晶構造であることが示される。この決定によって、化学量論などのバルク原料の組成物についての直交データを裏付けることができる。
XRPDピークは、上記の表1において見出される。
【0099】
示差走査熱量測定法:ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型の熱特性を、示差走査熱量測定法(DSC)装置(TA Q1000、TA Instruments社、New Castle、DE、USA)を用いて評価した。固体試料およそ1〜10mgを、各実験用にピンホールでガス抜きされる標準のアルミニウム製皿に入れ、50mL/分の窒素パージ下で10℃/分の速度で加熱した。データ分析を、Universal Analysis 2000 Version 4.7A(TA Instruments、New Castle、DE、USA)を用いて行った。融解熱分析を、吸熱溶融ピークのS字状集積によって行った。
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についてのDSCを、
図2に示す。
【0100】
熱重量分析:ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型の熱重量分析(TGA)を、TGA装置(TA Q500、TA Instruments社、New Castle、DE、USA)で行った。固体試料およそ1〜10mgを、各実験用に開放型のアルミニウム製皿に入れ、を用いて60mL/分の窒素パージ下で10℃/分の速度で加熱した。データ分析を、Universal Analysis 2000 Version 4.7A(TA Instruments、New Castle、DE、USA)を用いて行った。
【0101】
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についてのTGAを、
図3に示す。
動的水蒸気吸収:ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型の吸湿性を、動的水蒸気吸収(DVS)装置(TGA Q5000 TA Instruments社、New Castle、DE)を用いて約25℃で評価した。水吸着および脱着を、室温で0〜90%の範囲の相対湿度(RH)に対する関数として試験した。チャンバー中の湿度を、初期レベル50%RHから60%RHまで増加し、固体および雰囲気が平衡になるまで保持した。平衡試験を、10時間後通るまたは終了するまで継続した。この時点で、RHを10%上昇させ、このプロセスを、RH90%に達し平衡するまで繰り返した。この期間中、水吸収をモニターした。脱着のために、相対湿度を、類似の方式で減少させ、十分な吸収/脱着周期を測定した。周期を繰り返してもよい。すべての実験を、dm/dtモード(経時的な質量の変動)で操作して、平衡エンドポイントを決定した。固体のナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートおよそ3mgを用いた。データ分析を、Universal Analysis 2000 Version 4.7A(TA Instruments社、New Castle、DE、USA)を用いて行った。
【0102】
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型についてのDVSは、
図4に示す。
【0103】
式IIのI型についての指標化データを、以下の表2にまとめる。
【0105】
単結晶のX線回折試験を、Mo Kα放射線(λ=0.71073Å)を備えるBruker APEX II Ultra回折計で実施した。対象化合物の結晶を、0.22×0.18×0.04mm切片に切断し、Paratone−N油を用いてCryoloopに固定した。データを、100(2)Kで、窒素ガス流中で収集した。反射の総数15725を、これらの価、−9<=h<=10、−13<=k<=16、−37<=l<=36.7163を補い収集した。7163の反射は、0.0682のR
intを有する、独立した対称性であることが判明した。指標化および単位格子の改良では、斜方晶の格子を示す。データにおいて系統的に存在しないことにより一義的に定義された空間群は、P2
12
12
1であると見出した。データを、Bruker SAINTソフトウェアプログラムを用いて統合し、SADABSソフトウェアプログラムを用いてスケール変更した。直接法(SHELXT)による溶液は、提案された構造に適合する完全位相モデルを生成した。
【0106】
すべての非水素原子を、完全行列最小自乗(SHELXL−2014)により非等方的に精製した。すべての水素原子を、ライディングモデルを用いて配置した。これらの位置を、SHELXL−2014において適切なHFIXコマンドを用いて、これらの親原子に対して強制した。結晶解析的なデータを表2Aにまとめる。絶対立体化学を設定して、同じ化合物の前もって試験した試料に適合させた。
【0107】
式IIのI型についての単結晶X線結晶解析データを、以下の表2Aにまとめる。
【0108】
溶解プロファイル
本発明のナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレート(式II)I型の固有の溶解プロファイルならびに(CRYSTALLINE FORMS OF (2R,5S,13AR)−8−HYDROXY−7,9−DIOXO−N−(2,4,6−TRIFLUOROBENZYL)−2,3,4,5,7,9,13,13A−OCTAHYDRO−2,5−METHANOPYRIDO[1’,2’:4,5]PYRAZINO[2,1−B][1,3]OXAZEPINE−10−CARBOXAMIDEという表題を付けられた2014年6月20日出願の同時係属出願の米国特許仮出願第62/015,238号に開示された)遊離酸の、(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミドの式IのI型およびIII型の固有の溶解プロファイルを、一定の表面積からAPI溶解を特徴付けることにより測定した。原薬およそ150mgを、油圧プレス(Carver Press、Fred Carver社、NJ、USA)を用いて1500psiでおよそ3秒間圧縮した。圧縮された原薬は、平らな円板(表面積約0.49cm
2)を形成し、これを溶解装置(VanKel Industries Inc.、Edison、NJ、VK7000、W1120A−0288)に固定した。次いで、回転円板(100rpm)を、37±1℃まで平衡させた溶解媒質(0.01N HCl 500mL)に降下した。試料を予定された時点で抜き取り、薬物濃度を、適切なUPLC−UV法を用いて測定した。固有の溶解速度定数(K)を、以下の数式を用いて算出した。
【0110】
Cが、時間tにおける活性物(the active)の濃度である場合、Aは、錠剤の表面積(約0.49cm
2)であり、Vは、媒体の容積(500mL)である。本明細書で使用される場合、用語「活性物」とは、構造が、式Iおよび式IIによって共有される、親分子を意味することに留意されたい。
溶解プロファイルは、
図5において見出すことができる。
【0111】
溶解性
生体関連の(biorelevant)媒体中の本発明のナトリウムの形態および遊離酸の、(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミドIII型の溶解性を、時間の関数として室温で決定した。溶解性を、次の生体関連の媒体:0.1mM絶食時の擬似胃液(FaSSGF)pH1.6(0.08mMタウロコール酸塩、0.02mMレシチン、34.2mM NaCl);18.75mM摂食時の擬似腸液(FeSSIF)pH5(15mMタウロコール酸塩、3.75mMレシチン、0.12M NaCl);および3.75mM絶食時の擬似腸液(FaSSIF)pH5(3mMタウロコール酸塩、0.75mMレシチン、0.10M NaCl)において決定した。原薬およそ20mgを、生体関連の媒体50mLの入ったマグネチックスター−プレートで混合した。試料(約1mL)を、2時間の間5〜10分毎に引き抜いた。試料を、直ちにろ過し/0.45μmナイロンフィルターを備えたSpin−X管中で10分間遠心した。得られたろ液を、適切なUPLC−UV法を用いて分析した。
FaSSGF中の溶解性プロファイルは、
図6において見出すことができる。FeSSIFおよびFaSSIF中の溶解性プロファイルは、
図7において見出すことができる。
【0112】
バイオアベイラビリティ
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレート(式II)I型のバイオアベイラビリティを、(2R,5S,13aR)−8−ヒドロキシ−7,9−ジオキソ−N−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−10−カルボキサミド(式I)III型のバイオアベイラビリティと比較した。
各用量群は、処置済みの純血種の雄のビーグル犬6匹からなる。投薬時、これらの動物は、10〜13kgと秤量された。動物を、用量投与前に終夜および投与の4hr後まで絶食させた。各対象を、ペンタガストリン(6μg/kg)で予め処置し、式IIのI型または式IのIII型の単回の25mg力価の錠剤を30分後に投薬した。各対象に、水10mLを与えて、嚥下を助けた。
【0113】
連続的な静脈血サンプル(各およそ1mL)を、投薬の0、0.250、0.483、0.583、0.750、1.00、1.50、2.00、4.00、8.00、12.0、および24.0時間後に各動物から採取した。血液サンプルを、抗凝血剤としてEDTA−K2を含有するVacutainer(商標)管中で収集し、血漿の場合凍結血漿のまま直ちに遠心分離にかけた。LC/MS/MS法を用いて、血漿中の試験化合物の濃度を測定した。各血漿試料100μLのアリコートを、清浄な96穴プレートに加え、冷アセトニトリル/内標準溶液(ACN)/(ISTD)400μLを加えた。タンパク質沈殿後、上澄み110μLのアリコートを、清浄な96−穴プレートに移し、水300μLで希釈した。上記溶液25μLのアリコートを、Hypersil Gold C
18HPLCカラム(50×3.0mm、5μm;Thermo−Hypersil Part#25105−053030)を利用したTSQ Quantum Ultra LC/MS/MS系に注射した。Agilent 1200シリーズバイナリポンプ(P/N G1312A Bin Pump)を溶出および分離に用い、HTS Pal autosampler(LEAP Technologies社、Carrboro、NC)を試料導入に用いた。TSQ Quantum Ultra三連四重極型質量分析計を、選択的な反応モニタリングモード(Thermo Finnigan社、San Jose、CA)において利用した。液体クロマトグラフィーを、2つの移動相:pH3.0の、2.5mMギ酸アンモニウム水溶液中の1%アセトニトリルを含有する移動相A、およびpH4.6の、10mMギ酸アンモニウム中の90%アセトニトリルを含有する移動相Bを用いて行った。非区画薬物動態分析を、血漿濃度−時間データにおいて行った。得られたデータを表3に示す。F(%)は、経口バイオアベイラビリティを意味し;AUCは、曲線下面積を意味し、示された化合物の総血漿曝露の測定値であり;C
maxは、投与後の化合物のピーク血漿濃度を意味する。
【0115】
安定性
ナトリウム(2R,5S,13aR)−7,9−ジオキソ−10−((2,4,6−トリフルオロベンジル)カルバモイル)−2,3,4,5,7,9,13,13a−オクタヒドロ−2,5−メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1−b][1,3]オキサゼピン−8−オレートI型の安定性を試験した。以下の表4に示されるように、本化合物は、加速条件下で貯蔵の4週間後も安定である。表5において、ANは、面積の基準化を意味し、試料中に含有される他の不純物および構成成分に対する活性物の相対的ピーク面積である。LSは、不安定性強度を意味し、理論量に対して存在する活性物の量である。
【0117】
本出願において引用されるすべての特許、特許出願および刊行物を含むそれぞれの参照文献は、そのそれぞれが個々に組み込まれているかのように、参照によりその全体を本明細書に組み込まれる。さらに、本発明の上記の教示において、当業者は、本発明にいくつかの変更または修正を加えることができ、これらの均等物がやはり、本明細書の添付した特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内であることを理解しているはずである。本出願において引用されるすべての特許、特許出願および刊行物を含むそれぞれの参照文献は、そのそれぞれが個々に組み込まれているかのように、参照によりその全体を本明細書に組み込まれる。さらに、本発明の上記の教示において、当業者は、本発明にいくつかの変更または修正を加えることができ、これらの均等物がやはり、本明細書の添付した特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内であることを理解しているはずである。
本出願において引用されるすべての特許、特許出願および刊行物を含むそれぞれの参照文献は、そのそれぞれが個々に組み込まれているかのように、参照によりその全体を本明細書に組み込まれる。さらに、本発明の上記の教示において、当業者は、本発明にいくつかの変更または修正を加えることができ、これらの均等物がやはり、本明細書の添付した特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内であることを理解しているはずである。本出願において引用されるすべての特許、特許出願および刊行物を含むそれぞれの参照文献は、そのそれぞれが個々に組み込まれているかのように、参照によりその全体を本明細書に組み込まれる。さらに、本発明の上記の教示において、当業者は、本発明にいくつかの変更または修正を加えることができ、これらの均等物がやはり、本明細書の添付した特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内であることを理解しているはずである。