【実施例】
【0047】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例における各種物性の測定法を下記する。
【0048】
<直鎖状低密度ポリエチレンの密度>
密度は、JIS K6922−1:1998に準拠して密度勾配管法で測定した。
【0049】
<直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン共重合体のMFR>
メルトマスフローレイト(MFR)は、東洋精機製作所社製のセミオートメルトインデクサー2Aを用い、JIS K 7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載のb)ピストンが所定の距離を移動する時間を測定する方法により測定する。測定条件は、試料3〜8g、予熱270秒、ロードホールド30秒、試験温度190℃、試験荷重21.18N、ピストン移動距離(インターバル)25mmとした。試料の試験回数は3回とし、その平均をメルトマスフローレイト(g/10分)の値とした。
【0050】
<直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン系共重合体の融点>
融点は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法により測定した。
すなわち、示差走査熱量計装置DSC6220型(エスアイアイナノテクノロジー社製)を用い、アルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんした。充填後、窒素ガス流量20mL/分のもと、30℃から−40℃まで降温した後10分間保持した。保持後、−40℃から220℃まで昇温し(1st Heating)、10分間保持した。次いで、220℃から−40℃まで降温し(Cooling)、10分間保持後−40℃から220℃まで昇温(2nd Heating)したときのDSC曲線を得た。なお、全ての昇温・降温は速度10℃/分で行い、基準物質としてアルミナを用いた。本明細書において、融点(℃)とは、装置付属の解析ソフトを用いて、2nd Heating過程にみられる融解ピークのトップの温度を読み取った値とし、融解ピークが2つ以上ある場合それぞれを融点(℃)とした。
【0051】
<直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン系共重合体の軟化温度>
JIS K7196:1991「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分
析による軟化温度試験方法」記載の方法に準拠し測定した。
すなわち、樹脂試料を180℃で5分間熱プレスして、厚み1mm、直径10mmの円盤プレート状試験片を作製する。熱・応力・歪み測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、商品名「EXSTRAR TMA/SS6100」)を用い、窒素雰囲気下で針入試験モード(針の先端 φ1mm、石英製プローブ)、荷重500mNで、試験片に針を当てて、30℃から昇温速度5℃/分で温度を上げていきTMA曲線を得た。得られたTMA曲線を装置付属の解析ソフトで石英係数設定による補正を行い、TMA曲線の圧子(針)が侵入を始めるよりも低温側に認められる直線部分を高温側に延長し、侵入速度が最大となる部分の接線の低温側への延長との交点を針入温度とし、その針入温度をこの樹脂試料の軟化温度とした。なお、TMA曲線から針入温度の規定方法を
図3に示した。
【0052】
<発泡成形体の密度>
発泡成形体(成形後、50℃で4時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の質量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(kg/m
3)を求めた。
【0053】
<発泡成形体の平均気泡径、最大気泡径、最小気泡径>
発泡成形体の平均気泡径を以下のように測定した。
具体的には、発泡成形体の切断面を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型式:JSM−6360LV)を用いて15〜30倍に拡大して撮影した。なお、画像を撮影する際には、成形体切断面を少なくとも4.0mm×2.5mmの範囲を含む画像で、任意に選択した箇所から5箇所撮影した。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、成形体切断面の画像上に任意で画像の縮尺で3mmの長さの直線を1本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均気泡径を次式により算出した。
平均気泡径(mm)=3/(気泡数)
ただし、任意の直線はできる限り発泡成形体を構成するいずれかの発泡粒子の中心点を通り、かつ直線と気泡が接点でのみ接しないように描いた(接してしまう場合は気泡数に含めた)。
試料ごとに計5画像分の平均値を平均気泡径とした。
また、最大気泡径と最小気泡径に関しても任意の直線上の存在する気泡の中で、最も大きい気泡の気泡径(T)、最も小さい気泡の気方径(t)を測定し、これも試料ごとに計5画像分の平均値をそれぞれ最大気泡径、最小気泡径とした。
なお、最大気泡径、最小気泡径の測定時に関しても任意の直線が気泡に接点でのみ接してしまう場合は、計測の気泡に含めることとした。
【0054】
<成形性(成形時調圧)>
発泡粒子を発泡成形機の300mm×400mm×30mmの金型内に充填し、水蒸気により加熱して発泡粒子を発泡させながら、発泡粒子同士を熱融着させて縦400mm×横300mmの上面を有し、厚み30mmの直方体形状の発泡成形体を得た。
水蒸気による加熱の際、水蒸気の蒸気圧を0.08MPaから0.25MPaまで0.01MPa刻みで変化させて20秒間水蒸気を導入し成型テストを実施した。
以上の成型の結果、得られた発泡成形体の、融着率が90%以上であった最も低い蒸気圧を元に、以下の基準で評価した。また、90%の融着率が得られた最も低い蒸気圧を成型時調圧と称した。
〇(良) :0.12MPa以下の蒸気圧で融着率90%以上の発泡成形体が得られた。低圧での成形が可能であり、非常に生産性が高かった。
△(可) :0.12MPaより高く、0.15MPa以下の蒸気圧で融着率90%以上の発泡成形体が得られた。
×(不可):0.15MPaを越える蒸気圧が融着率90%以上の発泡成形体を得るためには必要であり、生産性に難が見られた。
【0055】
融着率を、以下の手順で測定した。
縦400mm×横300mmの上面を有し、厚み30mmの直方体形状の発泡成形体の上面に、カッターで横方向に沿って長さ300mm、深さ約5mmの切り込み線を入れ、この切り込み線に沿って発泡成形体を2分割した。そして、2分割された発泡成形体の破断面の発泡粒子について、発泡粒子内で破断している発泡粒子数(a)と、発泡粒子間の界面で破断している発泡粒子数(b)を測定し、下式に基づいて融着率を算出した。
融着率(%)=100×(a)/〔(a)+(b)〕
【0056】
<発泡成形体の加熱寸法変化:80℃>
発泡成形体の加熱寸法変化率をJIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」記載のB法にて測定した。
具体的には、発泡成形体から縦150mm×横150mm×高さ20mmの試験片を切り出した。試験片の表面に、縦方向に指向する長さ50mmの直線を3本、互いに平行に50mm間隔毎に記入すると共に、横方向に指向する長さ50mmの直線を3本、互いに平行に50mm間隔毎に記入した。しかる後、試験片を80℃の熱風循環式乾燥機の中に168時間(7日間)に亘って放置した後に取出し、標準状態(20±2℃、湿度65±5%)の場所にて1時間に亘って放置した。次に、試験片の表面に記入した6本の直線の長さをそれぞれ測定し、6本の直線の長さの相加平均値L1を算出した。下式に基づいて変化度Sを算出し、変化度Sの絶対値を加熱寸法変化(/1000)とした。
S=100×(L1−50)/50
加熱寸法変化率(%)を以下の基準で評価した。
○(良) : 0≦S≦1.5;寸法変化率が低く、寸法の安定性が良好
△(可) :1.5<S≦2.0;寸法変化が見られるが、実用上使用可能
×(不可):2.0<S;寸法の変化が著しく見られ、実用上使用不能
【0057】
<発泡成形体の残存ガス量調整日数>
発泡成形体の残存ガス量調整は60℃環境雰囲気下および23℃環境雰囲気下でそれぞれ実施した。
具体的には、各温度下に整置した発泡成形体を24×X時間ごとに残存ガス量を測定し、最初に0.10wt%を下回った日数(X1)を記録すると共に、継続して残存ガス量を測定し続け0.025wt%を下回る日数(X2)を確認した。Xは発泡成形体を製造してからの経過日数であり、製造直後を24×0=0時間とし計測を開始した。
なお残存ガス量の測定はガスクロマトグラフィーで行った。
【0058】
残存ガス量調整日数(日)を以下の基準で評価した。
60℃環境雰囲気下での評価では下記の基準とした。
○(良) :0≦X1<5 かつ X2≦14;残存ガス量が短時間で低下し、保管処理に要する時間が短く、生産効率に優れる。
△(可) :5≦X1<8 かつ X2≦14;残存ガス量を低下させるための保管処理に時間を要するが、実用上使用は可能。
×(不可):8≦X1 かつ X2≦14 ;残存ガス量を低下させるため長い保管処理時間を要する。実用上の使用は困難。
23℃環境雰囲気下での評価では下記の基準とする。
○(良) : 0≦X1<13;残存ガス量が短時間で低下し、保管処理に要する時間が短く、生産効率に優れる。
△(可) :13≦X1<15;残存ガス量を低下させるための保管処理に時間を要するが、実用上使用は可能。
×(不可):15≦X1 ;残存ガス量を低下させるため長い保管処理時間を要する。実用上の使用は困難。
【0059】
<発泡成形体の25%圧縮強度>
(圧縮強度の測定方法)
発泡成形体の25%圧縮強度は、JIS A9511:1995「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準拠して測定した。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは50mm×50mm×50mmとし、圧縮速度を10mm/minとして25%圧縮時の圧縮強度を測定した。
【0060】
<発泡成形体の燃焼速度>
燃焼速度は、米国自動車安全基準FMVSS302に準拠した方法で測定した。
試験片は、350mm×100mm×12mm(厚み)とし、少なくとも350mm×100mmの二面には表皮が存在するものとした。
燃焼速度(mm/分)を以下の基準で評価した。
○(良):所定密度の発泡成形体で、燃焼速度が80mm/分より小さい場合
もしくは所定密度の発泡成形体で、測定開始点に達する前に消火した場合
なお、この場合の燃焼速度を0mm/分(自己消化性:SE)とした。
×(不可):所定密度の発泡成形体で、燃焼速度が80mm/分より大きい場合
【0061】
<発泡粒ライフ>
密度29kg/m
3に予備発泡した発泡粒子を、400mm×300mm×30mmの大きさの成形用金型に入れ、0.09MPaの水蒸気を20秒間導入して加熱し、融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を作製した。なお、発泡成形体の作製は発泡粒子を予備発泡した日を0日とし、7日目(1週間)、14日目(2週間)、21日目(3週間)、28日目(4週間)、35日目(5週間)、42日目(6週間)、49日目(7週間)、56日目(8週間)にそれぞれ成形を行い、得られた発泡成形体の対金型寸法変化率の測定を行った。対金型寸法変化率の測定結果として0/1000〜8/1000である場合を合格とし、7日目〜56日目までの間で、最後に対金型寸法変化率を満足した発泡成形体が得られた週(例えば35日目成形体が合格で、42日目成形体が不合格だった場合は発泡粒ライフが5週間とした)を発泡粒ライフとして記録した。
発泡粒ライフ(週間)を以下の基準で評価した。
○(良) :発泡粒ライフ(週間)が3週間以上:実用上十分な発泡粒ライフを有している。
△(可) :発泡粒ライフ(週間)が1週間以上〜2週間以下:発泡粒ライフは短いが実用上使用は可能
×(不可):発泡粒ライフ(週間)が1週間未満:発泡粒ライフが短すぎるため実用上の使用は困難
【0062】
<成形品外観>
発泡成形体(長さ400mm×幅300mm×高さ50mm)の長さ方向の中心に沿って、カッターナイフで深さ約5mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って発泡成形体を手で二分割し(長さ200mm×幅300mm×高さ50mm)、その破断面における発泡粒子について、100〜150個の任意の範囲について、発泡粒子内で破断している粒子の数(a)と発泡粒子同士の界面で破断している粒子の数(b)とを数え、式[(a)/((a)+(b))]×100に代入して得られた値を融着率(%)とし、
成形品外観を以下の基準で評価した。
良好:融着率が70%以上
不良:融着率が70%未満
【0063】
<総合評価>
寸法変化率、残存ガス量調整日数(条件:常温及び60℃、各残存ガス量0.1質量%以下)、圧縮強度、成型性、燃焼速度及び発泡粒ライフの計7項目の評価結果に基づいて、以下の基準で評価した。
◎:7項目すべての評価結果において良の結果
○:7項目のうち2項目以内において可の結果
×:7項目のうち1項目以上で不可の結果もしくは3項目以上で可の結果
【0064】
(実施例1)
密度937kg/m
3、MFR1.8g/10分、融点127℃、軟化温度117℃の直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(プライムポリマー社製SP4020:B樹脂)100質量部とエチレン−アクリル酸エチル共重合体(エチレン共重合体、日本ポリエチレン製、レクスパール品番A1100、MFR0.4g/10分、融点104℃、軟化温度83℃、エチレンアクリル酸エチル由来成分含有量10質量%:A樹脂)67質量部とをタンブラーミキサーに投入し、10分間混合した。
次いで、この樹脂混合物を押出機に供給して温度230〜250℃で溶融混練し、水中カット方式により造粒して楕円球状(卵状)に切断し、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂粒子(種粒子)を得た。なお、この直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂粒子の平均質量は0.6mgであった。
【0065】
次に、攪拌機付の5リットルのオートクレーブに、ピロリン酸マグネシウム40g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを純水2kgに分散させて分散用媒体を得た。分散用媒体に30℃で種粒子600gを分散させて10分間保持し、次いで60℃に昇温して懸濁液を得た。更に、この懸濁液に、重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを0.6g溶解させたスチレン300gを30分かけて滴下した。滴下後、30分間保持することで、種粒子中にスチレンを含浸させた。含浸後、140℃に昇温し、この温度で2時間重合(第1重合)させた。
次に、115℃に下げた懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3gを純水20gに分散させ10分かけて滴下した後、t−ブチルパーオキシベンゾエートを4g溶解させたスチレン1100gを4時間30分かけて滴下した。滴下後、115℃で1時間保持することで、種粒子中にスチレンを含浸させた。その後、ピロリン酸マグネシウム5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3g、気泡調整剤Aとしてエチレンビスステアリン酸アミド3gを純水100gに分散させて作製した分散媒体を30分かけて滴下した後、115℃で1時間保持し、種粒子中に気泡調整剤を含浸させた。含浸後、140℃に昇温し、この温度で3時間保持して重合(第2重合)させた。この重合の結果、複合樹脂粒子を得ることができた(種粒子とポリスチレンとの質量比30/70)。
【0066】
その後、反応系の温度を60℃にして、この懸濁液中に、難燃剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(日本化成社製:TAIC6B)50gと、難燃助剤としてジクミルパーオキサイド(DCP)10gと、気泡調整剤Bとしてエチレンビスステアリン酸アミド3gとを投入した。投入後、反応系の温度を130℃に昇温し、2時間攪拌を続けることで難燃剤含有複合樹脂粒子を得た。
【0067】
次いで、30℃以下まで冷却し、オートクレーブから複合樹脂粒子を取り出した。複合樹脂粒子2kgと水2リットル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.0gとを、5リットルの攪拌機付オートクレーブに入れた。更に、発泡剤としてブタン(n−ブタン:i−ブタン=7:3)15質量部300g(520mL)をオートクレーブに入れた。この後、70℃に昇温し、4時間攪拌を続けることで発泡性粒子を得ることができた。その後、30℃以下まで冷却して、発泡性粒子をオートクレーブから取り出し、脱水乾燥させた。
【0068】
次いで、得られた発泡性粒子を嵩密度29kg/m
3に予備発泡させることで、発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の一部を、物性測定用として1日間室温(23℃)に放置し、400mm×300mm×30mmの大きさの成形用金型に入れ、0.09MPaの水蒸気を20秒間導入して加熱し、融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。
なお、残りの発泡粒子を使用し、発泡粒ライフを評価した。
各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表1に、得られた発泡成形体の気泡状態を示したSEM画像を
図1に示す。
【0069】
(実施例2)
複合樹脂粒子の製造において、気泡調整剤の添加量0.30質量部を0.50質量部にして2回に分け、2回目の含浸温度130℃を120℃に変更すること以外は実施例1と同様にして融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表1に示す。
【0070】
(実施例3)
複合樹脂粒子の製造において、気泡調整剤の添加量0.30質量部を0.50質量部にして温度140℃での1回の含浸に変更すること以外は実施例1と同様にして融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表1に示す。
【0071】
(比較例1)
複合樹脂粒子の製造において、気泡調整剤の添加量0.30質量部を0.10質量部にして温度140℃での1回の含浸に変更すること以外は実施例1と同様にして融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。
各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表1に、得られた発泡成形体の気泡状態を示したSEM画像を
図2に示す。
【0072】
(比較例2)
種粒子のB樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、品番NF444A、密度912kg/m
3、MFR2g/10分、融点121℃、軟化温度93℃:B樹脂)を使用すること以外は実施例1と同様にして融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表1に示す。
【0073】
(実施例4)
種粒子の比率樹脂(A樹脂/B樹脂)40/60を50/50に変更すること以外は実施例1と同様にして融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表2に示す。
【0074】
(比較例3)
複合樹脂粒子の製造において、気泡調整剤の添加量0.30質量部を0.08質量部にして2回に分けること以外は実施例1と同様にして融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表2に示す。
【0075】
(実施例5)
種粒子のB樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製、品番140HK、密度937kg/m
3、MFR3.5g/10分、融点126℃、軟化温度119℃:B樹脂)を使用すること以外は実施例1と同様にして融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表2に示す。
【0076】
(実施例6)
複合樹脂粒子の製造において、気泡調整剤の添加を温度140℃での1回の含浸に変更すること以外は実施例1と同様にして融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表2に示す。
【0077】
(比較例4)
複合樹脂粒子の製造において、気泡調整剤を添加しないこと以外は実施例1と同様にして融着率90%以上の密度29kg/m
3の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の外観は良好であった。各種評価結果をその原料及び製造条件と共に表2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
表1及び2の結果から、実施例の発泡成形体は、残存ガス量の低下が促進され、更に残存ガス量が多くても遅燃性に優れた発泡成形体であることがわかる。
特に、実施例1、4および5のように、気泡調整剤を直鎖状低密度ポリエチレンの融点以上の温度で、かつ2回に分割して投入した場合、平均気泡径が微細化されると共に、最大気泡径と最小気泡径の差が小さい均一な気泡を有する発泡成形体が得られると共に、得られた発泡成形体は全ての評価項目で優れた成形体であることがわかる。