【解決手段】上下方向の中心線(基準線)C1から左側に広がる左部1Aと右側に広がる右部1Bとを有する布状のカバー本体1と、相互に係脱自在な凸側2aと凹側2bとを、左部1Aと右部1Bとのそれぞれに有し、凸側2aと凹側2bとの係合により、左部1Aと右部1Bとをそれぞれ左右の肩ベルトに取り付ける左右のスナップボタン2と、相互に係脱自在なボタン3aとボタン穴3bとのうちの一方を左部1Aに、他方を右部1Bに有し、ボタン3aとボタン穴3bとの係合により、カバー本体1を乳幼児に取り付けるボタン&ボタン穴3とを備える。
左右の肩ベルトを有する子守帯に装着されて、使用者に対する乳幼児の涎の付着を防止し、また、前記乳幼児に装着されて、前記乳幼児自身に対する涎の付着を防止する涎防止カバーにおいて、
上下方向の基準線から左側に広がる左部と右側に広がる右部とを有する布状のカバー本体と、
相互に係脱自在な第1凸部と第1凹部とを、前記左部と前記右部とのそれぞれに有し、前記第1凸部と前記第1凹部との係合により、前記左部と前記右部とをそれぞれ左右の前記肩ベルトに取り付ける左右の第1取付具と、
相互に係脱自在な第2凸部と第2凹部とのうちの一方を前記左部に、他方を前記右部に有し、前記第2凸部と前記第2凹部との係合により、前記カバー本体を前記乳幼児に取り付ける第2取付具と、を備える、
ことを特徴とする涎防止カバー。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タオルハンカチとして、また、涎掛けとしても使用できる布状部材が開示されている。
【0003】
この布状部材は、正方形状に形成されていて、1本の対角線の両端にスナップボタンが配設されている。布状部材は、開いた態様(状態)では、タオルハンカチとして使用することができる。
【0004】
一方、対角線で2つ折りにして三角形状にして乳幼児の首に巻き、対角線の両端のスナップボタンに、連結リボンの両端のスナップボタンを係合させることにより、涎掛けとして使用することができる。
【0005】
ところで、抱っこ紐等の子守帯を使用して、乳幼児を対面抱きした際、乳幼児の涎によって使用者の服が濡れたり、汚れたりするおそれがある。また、使用者が合成繊維やニット等の毛足の長い素材の服を着用している場合には、乳幼児の顔が擦れて敏感な肌を傷付けたりするおそれがある。
【0006】
このような使用者の服の汚れや乳幼児の肌の損傷を防止するために、一般に、ハンドタオルやガーゼを乳幼児の顔と使用者の胸との間に挟んで抱っこ紐を着用することが多い。
また、子守帯を使用して、乳幼児を前向き抱きした際には、涎によって子守帯の一部が濡れたり汚れたりするおそれがある。
この対処として、子守帯における乳幼児の口の近傍にタオルハンカチやガーゼを引っかけることがある。
なお、上述の特許文献1に記載された布状の部材は、このような場面で、ハンドタオルやガーゼの代わりに使用することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のように、タオルハンカチやガーゼを乳幼児と使用者の間に挟み込んだり、子守帯に引っ掛けたりする態様では、タオルハンカチやガーゼがすぐにずれたり、落下したりするという問題があった。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、既成の子守帯に、ずれたり落下したりすることなく簡単に着脱することができ、さらに、乳幼児の涎掛けとしても使用することができる涎防止カバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、左右の肩ベルトを有する子守帯に装着されて、使用者に対する乳幼児の涎の付着を防止し、また、前記乳幼児に装着されて、前記乳幼児自身に対する涎の付着を防止する涎防止カバーにおいて、上下方向の基準線から左側に広がる左部と右側に広がる右部とを有する布状のカバー本体と、相互に係脱自在な第1凸部と第1凹部とを、前記左部と前記右部とのそれぞれに有し、前記第1凸部と前記第1凹部との係合により、前記左部と前記右部とをそれぞれ左右の前記肩ベルトに取り付ける左右の第1取付具と、相互に係脱自在な第2凸部と第2凹部とのうちの一方を前記左部に、他方を前記右部に有し、前記第2凸部と前記第2凹部との係合により、前記カバー本体を前記乳幼児に取り付ける第2取付具と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る涎防止カバーにおいて、前記第1取付具は、前記第1凸部と前記第1凹部のうちの一方が前記カバー本体の上部における端部近傍に配設され、他方が一方と前記基準線との間に配設され、前記カバー本体は、前記第1凸部と前記第1凹部との間に位置する部位が前記肩ベルトに巻き付けられて前記第1凸部と前記第1凹部とが係合されることで、前記子守帯に装着される、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る涎防止カバーにおいて、前記第1凸部がスナップボタンの凸側であり、前記第1凹部がスナップボタンの凹側であり、前記凸側と前記凹側とのうちの一方が前記カバー本体の表面側に、他方が裏面側に配設されている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に係る涎防止カバーにおいて、前記第2取付具は、前記第2凸部と前記第2凹部が前記カバー本体の上部に配設され、前記カバー本体は、前記第2凸部と前記第2凹部との間に位置する部位が前記乳幼児の首に巻かれて前記第2凸部と前記第2凹部とが係合されることで、前記乳幼児に装着される、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に係る涎防止カバーにおいて、前記第2凸部がボタンであり、前記第2凹部がボタン穴であり、前記カバー本体は、前記上部に、左右方向に延びる折り線を有し、前記ボタンは、前記折り線の下側に配設されるとともに、前記ボタン穴は、前記折り線を基準として線対称な2箇所に設けられ、前記カバー本体は、前記折り線よりも上側に位置する折返し部を折り返して、前記ボタンと前記ボタン穴との間に位置する部位を前記乳幼児の首に巻き付けた後、前記ボタンを2個の前記ボタン穴に係合させることにより、前記乳幼児に装着される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、涎防止カバーは、左右の第1取付具の第1凸部と第1凹部とを係脱することにより、子守帯の左右の肩ベルトに対し、簡単に係脱することができる。そして、装着時には、不要なずれや落下を防止して、乳幼児の涎が使用者に付着することを確実に防止することができる。
【0016】
一方、涎防止カバーは、第2取付具の第2凸部と第2凹部とを係脱することにより、乳幼児に対して、簡単に係脱することができる。そして、装着後には、乳幼児の涎が乳幼児自身に付着することを防止する。
【0017】
しかも、第1取付具と第2取付具とのいずれもが、涎防止カバーのカバー本体に配設されているので、涎防止カバーの装着先となる子守帯及び乳幼児側には、装着のための取付具は不要であり、このため高い汎用性を発揮することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、涎防止カバーは、カバー本体の上部における第1凸部と第1凹部との間に位置する部位を肩ベルトに巻き付けて、これら第1凸部と第1凹部とを係合させることで、子守帯に装着することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、スナップボタンの凸側と凹側とは、一方がカバー本体の表面側、他方が裏面側に配設されているので、これら凸側と凹側とは、係合させた場合に、カバー本体のうちの肩ベルトに巻き付けられた部位の内側に位置して、外側には露出されることがない。このため乳幼児が凸側や凹側に直接触れたり、かじったりするおそれがない。
【0020】
請求項4の発明によれば、涎防止カバーは、カバー本体の上部における第2凸部と第2凹部との間に位置する部位を乳幼児の首に巻き付けて、これら第2凸部と第2凹部とを係合させることで、乳幼児に装着することができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、乳幼児の首には、カバー本体の端縁ではなく、折り線近傍がソフトに接触する。また、ボタン穴が二重となるので、係合後のボタンを外れにくくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
図1〜
図3を参照して、本発明を適用した実施形態1に係る涎防止カバー10について説明する。
【0024】
このうち、
図1(A)は、涎防止カバー10の正面図、
図1(B)は、涎防止カバー10の背面図である。また、
図2(A)は、涎防止カバー10を、抱っこ紐(子守帯)50で乳幼児を対面抱きする際に、涎カバーH1として使用する態様を示す斜視図であり、
図2(B)は、涎カバーH1を抱っこ紐50に装着した状態を示す斜視図である。また、
図3(A)は、折返し部1eを前側に折り返した状態の涎防止カバー10の正面図、
図3(B)は、涎防止カバー10の、涎掛けH2としての態様を示す斜視図である。
【0025】
涎防止カバー10は、
図2(B)に示すように、抱っこ紐(子守帯)50に装着される態様では、涎カバーH1として使用される。一方、
図3(B)に示すように、乳幼児(不図示)に装着される態様では、涎掛けH2として使用される。
【0026】
涎カバーH1は、抱っこ紐50の使用者(不図示)と、この抱っこ紐50によって対面抱きされた乳幼児(不図示)との間を仕切るように配設される。これにより、乳幼児の涎が使用者の衣服等に付着するのを防止する。一方、涎掛けH2は、一般的な涎掛けと同様、乳幼児の首に巻かれて、乳幼児の涎が乳幼児自身の衣服等に付着するのを防止するものである。
【0027】
涎防止カバー10は、
図1に示すように、上下方向の中心線(基準線)C1を基準として左右に広がる布状のカバー本体1と、左右の第1取付具2,2と、第2取付具3とを備えている。
【0028】
なお、以下では、カバー本体1が二等辺三角形状に形成され、また、第1取付具2がスナップボタンであり、さらに、第2取付具3がボタン&ボタン穴である場合を例に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0029】
例えば、カバー本体1の形状は、長方形状、半円形状、半楕円形状等の形状としてもよく、第1取付具2は、面ファスナーやボタン&ボタン穴としてもよく、第2取付具3は、スナップボタンや面ファスナーとしてもよい。
【0030】
カバー本体1は、頂点1tを下向きにした二等辺三角形状の布状に形成されている。カバー本体1は、頂点1tを通る中心線(基準線)C1を基準として左側に広がる左部1Aと右側に広がる右部1Bとを有している。カバー本体1の表裏については、表面1a側と裏面1b側とを区別する。また、
図1(A)に示す表面1aにおける左側の端部を左端部1L、右側の端部を右端部1Rとする。左端部1Lの角度と右端部1Rの角度とは同じになっている。つまり、カバー本体1の左側と右側とは、中心線C1を基準として線対称となっている。
【0031】
カバー本体1における上端縁1cの下側には、左右方向に延びる直線状のステッチ1dが施されている。このステッチ1dは、折り線C2と一致している。カバー本体1のうちの、ステッチ1dよりも上側に位置する部分は、左右方向に長い帯状の折返し部1eとなっている。後述するように、涎防止カバー10を乳幼児の涎掛けH2として使用する場合には、
図3(A)に示すように、折返し部1eをこのステッチ1dを折り線C2として、表面1a側に折り返すことになる。
左右一対のスナップボタン2は、左部1Aと右部1Bとのそれぞれに、中心線C1を基準として線対称な位置に配設されている。
【0032】
左のスナップボタン2は、左部1Aにおける上部に配設されて、相互に係脱自在な凸側2aと凹側2bとによって構成されている。凸側2aは、左端部1Lにおける裏面1b側に配設され、また、凹側2bは、表面1a側に配設されていて、凸側2aと同じ高さで、左右方向の位置については、凸側2aと中心線C1との間に配設されている。
【0033】
ここで、カバー本体1のうちの、左のスナップボタン2の凸側2aと凹側2bとの間(二点鎖線S1,S2間)の領域を左の巻き付け部M1とする。この巻き付け部M1は、
図2(A),(B)を参照して後述するように、カバー本体1の左端部1L側を抱っこ紐50の左の肩ベルト52に取り付ける際、ループを形成して、左の肩ベルト52に巻き付けられる。
右のスナップボタン2につては、上述の左のスナップボタン2と同様である。
【0034】
すなわち、右のスナップボタン2は、右部1Bにおける上部に配設されて、相互に係脱自在な凸側2aと凹側2bとによって構成されている。凸側2aは、右端部1Rにおける裏面1b側に配設され、また、凹側2bは、表面1a側に配設されていて、凸側2aと同じ高さで、左右方向の位置については、凸側2aと中心線C1との間に配設されている。
【0035】
ここで、カバー本体1のうちの、右のスナップボタン2の凸側2aと凹側2bとの間(二点鎖線S3,S4間)の領域を右の巻き付け部M1とする。この巻き付け部M1は、
図2(A),(B)を参照して後述するように、カバー本体1の右端部1R側を抱っこ紐50の右の肩ベルト52に取り付ける際、ループを形成して、右の肩ベルト52に巻き付けられる。
次に、ボタン&ボタン穴(第2取付具)3は、相互に係脱自在なボタン3aと2個のボタン穴3bとによって構成されている。
ボタン3aは、カバー本体1のステッチ1dの下側の右端近傍における裏面1b側に配設されている。
【0036】
2個のボタン穴3bは、それぞれカバー本体1を表裏方向に貫通するスリット状に形成されている。2個のボタン穴3bは、折り線C2を基準として、線対称の位置に形成されている。このうち、下のボタン穴3bは、中心線C1を基準として、ボタン3aと線対称の位置に形成されている。これら2個のボタン穴3bは、折返し部1eを、折り線C2で折り返した際に、重なって二重となる。
【0037】
ここで、カバー本体1のうちの、ボタン3aとボタン穴3bとの間(二点鎖線S5,S6間)の領域を巻き付け部M2とする。この巻き付け部M2は、後述するように、カバー本体1を乳幼児の首に取り付ける際、ループを形成して、乳幼児の首に巻き付けられる。
つづいて、
図2(A)、(B)を参照して、涎防止カバー10を抱っこ紐50に装着して、涎カバーH1として使用する例を説明する。
【0038】
涎防止カバー10の装着先となる抱っこ紐50は、背当て51、左右の肩ベルト52、及び腰ベルト53を備えている。このうち、背当て51は、乳幼児の尻から背中に架けて支持するものである。また、左右の肩ベルト52は、端部52aが背当て51に連結されていて、乳幼児を抱っこする際に、使用者が左右の肩に掛けるベルトである。また、腰ベルト53は、背当て51の下端に連結されていて、使用者の腰に巻き付けるベルトである。
この抱っこ紐50に対し、以下のようにして、涎防止カバー10を装着する。
開いた状態の涎防止カバー10を、その表面1aが抱っこ紐50の背当て51の内面(外面51aの反対の面)に対向するように配置する。
【0039】
カバー本体1の表面1a側の左の巻き付け部M1を、左の肩ベルト52の端部52aの内面に当て、巻き付け部M1の左端部1L側を肩ベルト52の端部52aの外面側に回し、さらに、スナップボタン2の凸側2aを内面側に回して、凹側2bに係合させる。これにより、左の巻き付け部M1を左の肩ベルト52に取り付けることができる。なお、この状態では、
図2(A)に示すように、スナップボタン2の凸側2a及び凹側2bのいずれもが、ループ状の巻き付け部M1の内面側に位置して外部に露出することはない。このため、乳幼児がスナップボタン2を弄ったり齧ったりするおそれはない。また、乳幼児の顔の敏感な肌に、スナップボタン2が触れたりするおそれもない。
同様にして、右の巻き付け部M1を右の肩ベルト52に取り付ける。
以上により、涎防止カバー10を、抱っこ紐50に簡単に装着して、涎カバーH1の態様とすることができる。なお、逆の手順となる取外しも容易である。
【0040】
乳幼児は、抱っこ紐50の背当て51と涎カバーH1との間に入れることになる。これにより、乳幼児の口元と、使用者の胸元との間には、涎カバーH1が存在することになる。したがって、この涎防止カバー10の涎カバーH1としての態様では、乳幼児の涎が使用者の衣類等を濡らしたり汚したりすることを防止あるいは抑制することができる。
次に、
図3(A),(B)を参照して、涎防止カバー10を乳幼児に装着して、涎掛けH2として使用する例を説明する。
図3(A)に示すように、カバー本体1の折返し部1eを、折り線C2で表面1a側に折り返す。これにより、2個のボタン穴3bが重なって二重となる。
【0041】
この状態を維持し、表面1a側が乳幼児の胸側に当たるようにして、巻き付け部M2を乳幼児の首に巻き付けて、ボタン3aをボタン穴3bに通す(係合する)。
以上により、涎防止カバー10を、乳幼児に簡単に装着して、涎掛けH2の態様とすることができる。なお、逆の手順となる取外しも容易である。
涎掛けH2は、一般的な涎掛けと同様、乳幼児の涎によって、乳幼児自身の衣服が濡れたり汚れたりすることを防止あるいは抑制することができる。
以下に、本実施形態1の涎防止カバー10の効果を整理する。
【0042】
・涎防止カバー10は、左右のスナップボタン(第1取付具)2の凸側(第1凸部)2aと凹側(第1凹部)2bとを係脱することにより、抱っこ紐(子守帯)50の左右の肩ベルト52に対し、簡単に係脱することができる。そして、装着時には、不要なずれや落下を防止して、乳幼児の涎が使用者に付着することを確実に防止することができる。
【0043】
一方、涎防止カバー10は、ボタン&ボタン穴(第2取付具)3のボタン(第2凸部)3aとボタン穴(第2凹部)3bとを係脱することにより、乳幼児に対して、簡単に係脱することができる。そして、装着後には、乳幼児の涎が乳幼児自身に付着することを防止する。
【0044】
しかも、スナップボタン(第1取付具)2とボタン&ボタン穴(第2取付具)3とのいずれもが、涎防止カバー10のカバー本体1に配設されているので、涎防止カバー10の装着先となる抱っこ紐(子守帯)50及び乳幼児側には、装着のための取付具は不要であり、このため高い汎用性を発揮することができる。
【0045】
・涎防止カバー10は、カバー本体1の上部における凸側(第1凸部)2aと凹側(第1凹部)2bとの間に位置する巻き付け部(部位)M1を肩ベルト52に巻き付けて、これら凸側(第1凸部)2aと凹側(第1凹部)2aとを係合させることで、抱っこ紐(子守帯)50に装着することができる。
【0046】
・スナップボタン2の凸側2aと凹側2bとは、一方がカバー本体1の表面1a側、他方が裏面1b側に配設されているので、これら凸側2aと凹側2bとは、係合させた場合に、カバー本体1のうちの肩ベルト52に巻き付けられた巻き付け部(部位)M1の内側に位置して、外側には露出されることがない。このため乳幼児が凸側2aや凹側2bに直接触れたり、かじったりするおそれがない。
【0047】
・涎防止カバー10は、カバー本体1の上部におけるボタン(第2凸部)3aとボタン穴(第2凹部)3bとの間に位置する巻き付け部(部位)M2を乳幼児の首に巻き付けて、これらボタン(第2凸部)3aとボタン穴(第2凹部)3bとを係合させることで、乳幼児に装着することができる。
【0048】
・涎防止カバー10は、折返し部1eを折り線C2で折り返して乳幼児の首に巻き付けるので、乳幼児の首には、カバー本体1の端縁ではなく、折り線C2近傍がソフトに接触する。また、ボタン穴3bが二重となるので、係合後のボタン3aを外れにくくすることができる。
<実施形態2>
図4〜
図6を参照して、本発明を適用した実施形態2に係る涎防止カバー10Aについて説明する。
【0049】
このうち、
図4(A)は、涎防止カバー10Aの正面図、
図4(B)は、涎防止カバー10Aの背面図である。また、
図5は、涎防止カバー10Aを、抱っこ紐50で乳幼児を前向き抱きする際に、涎カバーH3として使用する態様を示す斜視図である。また、
図6(A)は折返し部1eを前側に折り返した状態の涎防止カバー10Aの正面図、
図6(B)は、涎防止カバー10Aの、涎掛けH2としての態様を示す斜視図である。
【0050】
本実施形態2の涎防止カバー10Aは、上述の実施形態1の涎防止カバー10に対し、カバー本体1に垂れ部Tを付加した点が相違する。他の点は、ほぼ同様なので、同じ符号を付して説明は省略する。
【0051】
図4(A),(B)に示すように、垂れ部Tは、頂点T1が下向きの二等辺三角形状の布状部材によって形成されている。垂れ部Tは、その上端縁T2がカバー本体1の上端縁1cに連結されている。すなわち、垂れ部Tは、カバー本体1と一体的に形成されるとともに、裏面1b側に垂れ下がっている。
この涎防止カバー10Aは、
図5に示すように抱っこ紐50に装着することにより、
図2に示す涎カバーH2とは異なる態様の涎カバーH3を構成する。
【0052】
すなわち、まず、カバー本体1の表面1a側が外側を向くようにして、カバー本体1と垂れ部Tとを軽く開き、カバー本体1の上端縁1cを背当て51の上端部に載せる。これにより、涎防止カバー10が背当て51の上端部に跨って、カバー本体1が背当て51の外面51a側に垂れ、垂れ部Tが背当て51の内面側に垂れる。
【0053】
この状態を維持したまま、カバー本体1の左の巻き付け部M1を、左の肩ベルト52の端部52aの外面から内面に巻き付け、スナップボタン2の凸側2aを凹側2bに係合させる。右の巻き付け部M1についても同様にする。
【0054】
このようにして、抱っこ紐50の背当て51に装着された涎防止カバー10Aは、カバー本体1が背当て51の外面51aを、また、垂れ部Tが背当て51の内面を覆うことになる。
これにより、抱っこ紐50によって前向き抱きされた乳幼児の涎による、背当て51の汚れを防止することができる。
なお、この涎カバーH3は、
図2(B)に示す涎カバーH2とは、抱っこ紐50に対する装着位置(態様)が異なり、また、効果も異なる。
次に、
図6(A),(B)を参照して、涎防止カバー10Aを乳幼児に装着して、涎掛けH2として使用する例を説明する。
乳幼児に対する涎防止カバー10Aの装着方法は、
図3(A),(B)に示す涎防止カバー10の装着方法と同様である。
【0055】
すなわち、
図6(A)に示すように、カバー本体1の折返し部1eを、折り線C2で表面1a側に折り返す。これにより、2個のボタン穴3bが重なって二重となる。
【0056】
この状態を維持し、表面1a側が乳幼児の胸側に当たるようにして、巻き付け部M2を乳幼児の首に巻き付けて、ボタン3aをボタン穴3bに通す(係合する)。
以上により、涎防止カバー10Aを、乳幼児に簡単に装着して、涎掛けH2の態様とすることができる。なお、逆の手順となる取外しも容易である。
涎掛けH2は、一般的な涎掛けと同様、乳幼児の涎によって、乳幼児の衣服が濡れたり汚れたりすることを防止あるいは抑制することができる。
【0057】
なお、本実施形態2の涎防止カバー10Aは、実施形態1の涎防止カバー10と同様に抱っこ紐50の肩ベルト52に取り付けて、涎カバーH1の態様として使用することも可能である。
本実施形態2の涎防止カバー10Aは、実施形態1の涎防止カバー10が奏する効果に加え、以下のような効果を奏することができる。
【0058】
・涎防止カバー10Aは、垂れ部Tを設けることにより、抱っこ紐50によって乳幼児を前向き抱きした際に、背当て51に涎カバーH3の態様として装着して、涎による背当て51の濡れや汚れを防止することができる。
【0059】
・涎防止カバー10Aは、乳幼児に装着して涎掛けH2の態様としたときに、垂れ部Tがカバー本体1の下面側に重なって、この部分が二重となるので、その分、多くの涎を吸収することができる。