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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-162694(P2018-162694A)
(43)【公開日】2018年10月18日
(54)【発明の名称】スクリュー流体機械
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/16 20060101AFI20180921BHJP
【FI】
   F04C18/16 L
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-59472(P2017-59472)
(22)【出願日】2017年3月24日
(71)【出願人】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
【住所又は居所】東京都港区海岸一丁目16番1号
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 豪
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内一丁目6番6号 株式会社日立製作所内
(72)【発明者】
【氏名】米本 龍一郎
【住所又は居所】東京都港区海岸一丁目16番1号 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】岩井 聡
【住所又は居所】東京都港区海岸一丁目16番1号 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社内
(57)【要約】
【課題】油が吸込口から吸い込まれるガスの主流と混合するのを抑制して、吸気加熱を低減することができ、高エネルギー効率と高能力を有するスクリュー流体機械を提供する。
【解決手段】ケーシング4の中間部4Aには、雄ロータ5の雄ロータ軸5bが貫通する雄貫通孔4bと、雌ロータ6の雌ロータ軸6bが貫通する雌貫通孔4cと、雄貫通孔4b及び雌貫通孔4cの下側に位置しモータ14側から雄ロータ5及び雌ロータ6側へガスを吸い込むための吸込口10と、雄貫通孔4b及び雌貫通孔4cに連通し軸支持手段12a、13aを潤滑した油をモータ14側へ戻すための排油通路部20とが形成され、軸支持手段12a、13aを潤滑した油を、雄油通路17d及び雌油通路17eを介して、排油通路部20に流入させて、吸込口10の水平方向の端縁10bからモータ14側へ流入させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに噛合いながら回転する雄ロータ及び雌ロータと、
前記雄ロータ及び前記雌ロータの駆動軸を回転可能に支持する軸支持手段と、
前記雄ロータ及び前記雌ロータを駆動する駆動手段と、
前記雄ロータ、前記雌ロータ、前記軸支持手段、及び前記駆動手段を収納するケーシングと、
前記軸支持手段へ油を給油する給油手段と、を備え、
前記ケーシングは、前記駆動手段と前記雄ロータ及び前記雌ロータとの間に位置する中間部を有し、
前記中間部には、前記雄ロータの駆動軸が貫通する雄貫通孔と、前記雌ロータの駆動軸が貫通する雌貫通孔と、前記雄貫通孔及び前記雌貫通孔の下側に位置し前記駆動手段側から前記雄ロータ及び前記雌ロータ側へガスを吸い込むための吸込口と、前記雄貫通孔及び前記雌貫通孔に連通し前記軸支持手段を潤滑した油を前記駆動手段側へ戻すための排油通路部とが形成され、
前記軸支持手段を潤滑した油を、前記雄ロータの駆動軸が前記雄貫通孔を貫通することにより形成される雄油通路及び前記雌ロータの駆動軸が前記雌貫通孔を貫通することにより形成される雌油通路を介して、前記排油通路部に流入させて、前記吸込口の水平方向の端縁から前記駆動手段側へ流入させる、スクリュー流体機械。
【請求項2】
前記排油通路部は、鉛直方向に対して交差する方向に油を流すように構成されている請求項1に記載のスクリュー流体機械。
【請求項3】
前記排油通路部は、前記雄貫通孔と前記雌貫通孔を連通する連通路と、前記雄貫通孔に連通し前記雌貫通孔から離間する側へ延びる又は前記雌貫通孔に連通し前記雄貫通孔から離間する側へ延びる排出路と、を有する、請求項1又は請求項2に記載のスクリュー流体機械。
【請求項4】
前記駆動手段が前記雄ロータを回転駆動する場合には、前記排出路は、前記雌貫通孔に連通し前記雄貫通孔から離間する側へ延び、
前記駆動手段が前記雌ロータを回転駆動する場合には、前記排出路は、前記雄貫通孔に連通し前記雌貫通孔から離間する側へ延びる、請求項3に記載のスクリュー流体機械。
【請求項5】
前記中間部の前記雄ロータ及び前記雌ロータ側の端面には、前記雄ロータの駆動軸外周の一部に沿い前記吸込口の水平方向の一方の端部に連通する雄吸込溝及び及び前記雌ロータの駆動軸の外周の一部に沿い前記吸込口の水平方向の他方の端部に連通する雌吸込溝が形成され、
前記排油通路部の前記排出路は、前記雄吸込溝又は前記雌吸込溝に開口する、請求項 3に記載のスクリュー流体機械。
【請求項6】
前記排油通路部は、前記雄貫通孔に連通し前記雌貫通孔から離間する側へ延びる雄排出路と、前記雌貫通孔に連通し前記雌貫通孔から離間する側へ延びる雌排出路と、を有する、請求項1又は請求項2に記載のスクリュー流体機械。
【請求項7】
前記中間部の前記雄ロータ及び前記雌ロータ側の端面には、前記雄ロータの駆動軸の外周の一部に沿い前記吸入口の水平方向の一方の端部に連通する雄吸込溝及び及び前記雌ロータの駆動軸の外周の一部に沿い前記吸入口の水平方向の他方の端部に連通する雌吸込溝が形成され、
前記雄排出路は前記雄吸込溝に開口し、前記雌排出路は前記雌吸込溝に開口する、請求項6に記載のスクリュー流体機械。
【請求項8】
前記雄吸込溝及び/又は前記雌吸込溝を形成する面であって、前記雄ロータ及び/又は前記雌ロータのロータ軸の下側に位置する部分に、吸込口よりも下側に油を排出する排油逃げ溝が形成されている、請求項5又は請求項7に記載のスクリュー流体機械。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HFC系、HFO系等の冷媒、空気や二酸化炭素等の自然系冷媒及びその他の圧縮性気体を扱うスクリュー流体機械に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリュー流体機械は、冷凍空調用圧縮機や空気圧縮機として広く普及している。空調機やチラー、冷凍機を始めとするヒートポンプ機器の主要構成機器であり、省エネであることへの社会的な要求は極めて強く、高エネルギー効率、高能力であることがますます重要になっている。
【0003】
従来のスクリュー流体機械では、雄ロータ及び雌ロータのロータ軸を回転可能に支持する軸支持手段を潤滑した油は、雄ロータ及び雌ロータ側の壁面を伝って吸込口に流入し、吸入口から吸い込まれるガスの主流と混合した後に油溜りに戻されるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のスクリュー流体機械の油を戻す構成では、油が吸込口から吸い込まれるガスの主流と混合してしまうため、ガスと油のとの間で熱交換が行われ、吸気加熱を増大させることになり、圧縮効率を低減させている。
【0005】
そこで本発明は、油が吸込口から吸い込まれるガスの主流と混合するのを抑制して、吸気加熱を低減することができ、高エネルギー効率と高能力を有するスクリュー流体機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一形態に係るスクリュー流体機械は、互いに噛合いながら回転する雄ロータ及び雌ロータと、前記雄ロータ及び前記雌ロータの駆動軸を回転可能に支持する軸支持手段と、前記雄ロータ及び前記雌ロータを駆動する駆動手段と、前記雄ロータ、前記雌ロータ、前記軸支持手段、及び前記駆動手段を収納するケーシングと、前記軸支持手段へ油を給油する給油手段と、を備え、前記ケーシングは、前記駆動手段と前記雄ロータ及び前記雌ロータとの間に位置する中間部を有し、前記中間部には、前記雄ロータの駆動軸が貫通する雄貫通孔と、前記雌ロータの駆動軸を貫通する雌貫通孔と、前記雄貫通孔及び前記雌貫通孔の下側に位置し前記駆動手段側から前記雄ロータ及び前記雌ロータ側へガスを吸い込むための吸込口と、前記雄貫通孔及び前記雌貫通孔に連通し前記軸支持手段を潤滑した油を前記駆動手段側へ戻すための排油通路部とが形成され、前記軸支持手段を潤滑した油を、前記雄ロータの駆動軸が前記雄貫通孔を貫通することにより形成される雄油通路及び前記雌ロータの駆動軸が前記雌貫通孔を貫通することにより形成される雌油通路を介して、前記排油通路部に流入させて、前記吸込口の水平方向の端縁から前記駆動手段側へ流入させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、油が吸込口から吸い込まれるガスの主流と混合するのを抑制して、吸気加熱を低減することができ、高エネルギー効率と高能力を有するスクリュー流体機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係るスクリュー流体機械の水平断面図を示す。
図2】第1の実施形態におけるスクリュー流体機械の図1のA−A線に沿った断面図を示す。
図3】第1の実施形態におけるスクリュー流体機械の図1のB−B線に沿った断面図を示す。
図4】第1の実施形態におけるスクリュー流体機械の図1のC−C線に沿った断面図を示す。
図5】第1の実施形態におけるスクリュー流体機械の図4のD−D線に沿った断面図を示す。
図6】第2の実施形態におけるスクリュー流体機械の図1のC−C線に沿った断面図を示す。
図7】第3の実施形態におけるスクリュー流体機械の図1のC−C線に沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第1の実施形態に係るスクリュー流体機械1について図面を参照して説明する。
【0010】
スクリュー流体機械1の全体構成について図1〜4を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るスクリュー流体機械1の水平断面図、図2は、第1の実施形態におけるスクリュー流体機械1の図1のA−A線に沿った断面図を示している。図3は、第1の実施形態におけるスクリュー流体機械1の図1のB−B線に沿った断面図を示している。図4は、第1の実施形態におけるスクリュー流体機械1の図1のC−C線に沿った断面図を示している。
【0012】
図1に示すように、スクリュー流体機械1は、圧縮部2と、駆動部3と、圧縮部2および駆動部3を収納するケーシング4とを備える。図1、2に示すように、スクリュー流体機械1は、ケーシング4に形成された吸込ポート15からスクリュー流体機械1内に吸込んだガスを、モータ14を通過した後に中間部4Aに形成された作動室の吸込口10から作動室へと吸込む。そして吸込んだガスを圧縮し作動室の吐出口11を経由して吐出ポート16からスクリュー流体機械1の外部へと吐出する。
【0013】
圧縮部2は、駆動部3に配設した駆動手段であるモータ14により回転駆動される雄ロータ5と、雄ロータ5と互いに噛合いながら回転する雌ロータ6と、これら雄ロータ5及び雌ロータ6を収納するケーシング4と、軸支持手段12a、12b、13a、13bと、吸込側軸支持手段の給油手段17と、吐出側軸支持手段の給油手段(図示せず)とを備える。
【0014】
雄ロータ5及び雌ロータ6は、回転軸しての雄ロータ軸5b、雌ロータ軸6bをそれぞれ備える。吸込側軸支持手段12aは、雄ロータ5の雄ロータ軸5bの吸込側を支持する2つのころ軸受で構成され、吐出側軸支持手段12bは雄ロータ5の雄ロータ軸5bの吐出側を支持するころ軸受と玉軸受で構成されている。吸込側軸支持手段13aは雌ロータ6の雌ロータ軸6bの吸込側を支持するころ軸受で構成され、吐出側軸支持手段13bは雌ロータ6の雌ロータ軸6bの吐出側を支持するころ軸受と玉軸受で構成されている。
【0015】
ケーシング4は、圧縮部2と駆動部3との間に位置する中間部4Aを備える。中間部4Aには、雄貫通孔4bと、雌貫通孔4cと、吸込口10と、排油通路部20とが形成されている。雄貫通孔4bには、雄ロータ5の雄ロータ軸5bか貫通して、雄油通路17dが形成される。雌貫通孔4cには、雌ロータ6の雌ロータ軸6bが貫通して、雌油通路17eが形成される。吸込口10は、雄貫通孔4b及び雌貫通孔4cの下側に位置し、水平方向における端縁10a、10bを有する。また、吸込口10は、雄ロータ5側に広く開口し、逆に雌ロータ6側への狭く開口している。
【0016】
作動室は、雄ロータ5及び雌ロータ6の歯溝5a、6a、ケーシング4のボア(各ロータの径方向に相対する壁面)7、ケーシング4の吸込端面8、およびケーシング4の吐出端面9により複数形成されている。ここで、図1に示したケーシング4は、一例として一体構造で示したが、圧縮部2と駆動部3の間や、圧縮部2を雄雌ロータの吐出側軸支持手段を配設するケーシング部で分割した分割構造等であってもでも構わない。
【0017】
次に、給油手段17の構成について詳細に説明する。
【0018】
ケーシング4には、雄ロータ5の吸込側軸支持手段12aと雌ロータ6の吸込側軸支持手段13aへの給油経路として、給油主経路17aと給油分岐路17bが形成されている。給油は、たとえば、油分離器(図示せず)等で分離した油を圧力差により供給する方法を用いるが、別の方法でも良い。雄ロータ5側において、給油主岐路17aから吸込側軸支持手段12aに供給する油は、モータ14側への油漏れを防止するシール部材17cによりモータ14側へ流出することなく、吸込側軸支持手段12aを潤滑後、雄ロータ5の雄ロータ軸5bが中間部4Aの雄貫通孔4bを貫通することにより形成される雄油通路17dまで流出する。雌ロータ6側では、給油分岐路17bから吸込側軸支持手段13aに供給した油は、吸込側軸支持手段13aを潤滑後、雌ロータ6の雌ロータ軸6bが中間部4Aの雌貫通孔4cを貫通することにより形成される雌油通路17eまで流出する。
【0019】
図4、5を用いて、雄油通路17d、雌油通路17eから油溜21へ油を導くための排油通路部20について説明する。
【0020】
図5は、第1の実施形態におけるスクリュー流体機械1の図4のD−D線に沿った断面図を示している。
【0021】
図4、5に示すように、中間部4Aの吸込端面8には、作動室の吸込口10と、吸込端面8を反ロータ側に掘り込んだ雄ロータ側の雄吸込溝18a及び雌ロータ側の雌吸込溝18bとが形成されている。また、中間部4Aには、排油通路部20が形成されている。
【0022】
吸込口10は、雄ロータ軸5a及び雌ロータ軸6bの下側に形成されている。雄吸込溝18a、雌吸込溝18bは、それぞれ雄ロータ軸5a、雌ロータ軸6bの外周の一部(外側部分)に沿うように形成されている。そして、吸込口10と雄吸込溝18aとの境界19aは、図4における雌ロータ軸6bの下部の右側に位置し、吸込口10と雌吸込溝18bとの境界19bは、雌ロータ軸6bの直下に位置している。なお、境界19a、19bは、吸込口10の水平方向における端縁10a、10bに相当する
【0023】
排油通路部20は、連通路20aと、排出路20bと、プラグ20cと、排出溝20dとにより構成される。連通路20a、排出路20b、及び排出溝20dは、水平方向に延び、ケーシング4に対しドリルにより一回の加工で形成され、プラグ20cはケーシング4の外面の穴を閉止している。連通路20aは、雄油通路17dの下部と雌油通路17eの下部とを接続している。排出路20bは、雌油通路17eの下部と雌吸込溝18bとを接続している。すなわち、排出路20bは、雌貫通孔4cに連通し、雄貫通孔4bから離間する側に延び、雌吸込溝18bに開口している。排出溝20dは、排油通路部20を大口径の穴として加工したために、雌吸込溝18bの底面を削ることにより形成されている。このため、排油通路部20を小口径の穴として加工した場合には、排出溝20dは形成されない。
【0024】
吸込側軸支持手段12aを潤滑し雄油通路17dに流入した油の多くは、連通路20aに流入して水平方向へ流れ、雌油通路17eに流出し、雌油通路17eにおいて吸込側軸支持手段13aを潤滑した油と合流し、合流した油の多くは、排出路20bを通り水平方向へ流れ、雌吸込溝18bへ排出される。雌吸込溝18bへ排出された油は、雌吸込溝18bに沿って落下し、吸込口10の端縁10bから、モータ14側に位置する油溜21へ流入する。このように、吸込側軸支持手段12a、13aを潤滑した油は、排油通路部20によって鉛直方向に対して交差する方向(本実施形態では水平方向)に流れたのち、吸込口10の端縁10bから、モータ14側へ流れるように構成されている。
【0025】
よって、吸込側軸支持手段12a、13aを潤滑した油は、吸込口10の端縁10bを形成する壁を這ってモータ14側へ戻されるので、油が吸込口10から吸い込まれるガスの主流と混合するのを抑制することができ、吸気加熱を低減することができる。これにより、高エネルギー効率と高能力を有するスクリュー流体機械1を実現することができる。
【0026】
また、吸込側軸支持手段12a、13aを潤滑した油を、排油通路部20によって鉛直方向に対して交差する方向(本実施形態では水平方向)に流し、雌吸込溝18bに沿って落下させ雌吸込溝18bに油膜として存在するものも増やすことにより、ケーシング4との熱交換により油の温度を低下させることができる。その結果、吸込口10から吸い込まれるガスの加熱を低減することができる。
【0027】
また、排油通路部20の連通路20aは、雄貫通孔4bと雌貫通孔4cを連通し、排油通路部20の排出路20bは、雌貫通孔4cに連通し雄貫通孔4bから離間する側へ延びるように構成されている。このため、連通路20a及び排出路20bをケーシング4に対しドリルにより一回の加工で形成することができるので、連通路20a及び排出路20bを容易に形成することができる。
【0028】
また、モータ14は、雄ロータ5を回転駆動し、排出路20bは、雌貫通孔4cに連通し雄貫通孔4bから離間する側へ延びている。吸込口10においてモータ14を設けない側は、ケーシング4の小型化に伴い開口が狭くなるので、排出路20bを雌貫通孔4cから雄貫通孔4bから離間する側へ延びるように構成することにより、排出路20bの出口から吸込口10までの距離を長くして油の温度を低下させさせることができる。よって、吸込口10から吸い込まれるガスの加熱を低減することができる。
【0029】
次に、本発明の第2の実施形態に係るスクリュー流体機械1について図6を参照して説明する。第2の実施形態に係るスクリュー流体機械1と同一の部材については同一の参照番号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0030】
図6は、第2の実施形態におけるスクリュー流体機械1の図1のC−C線に沿った断面図を示している。
【0031】
図6に示すように、吸込口10は、雄ロータ軸5b及び雌ロータ軸6bの中央に位置し、紙面に対し直行する面に対し対象の形状をなしている。中間部4Aには、排油通路部20に代えて、雄排油通路部50及び雌排油通路部51が形成されており、雄油通路17dの下部と雌油通路17eの下部とを接続する連通路20aは形成されていない。
【0032】
雄排油通路部50は、雄排出路50aと、プラグ50bと、排出溝50cとにより構成される。雄排出路50a及び排出溝50cは、水平方向に延び、ケーシング4に対しドリルによる加工で形成され、プラグ50bはケーシング4の外面の穴を閉止している。雄排出路50aは、雄油通路17dの下部と雄吸込溝18aとを接続している。すなわち、雄排出路50aは、雄貫通孔4bに連通し、雌貫通孔4cから離間する側に延び、雄吸込溝18aに開口している。排出溝50cは、雄排油通路部50を大口径の穴として加工したために、雄吸込溝18aの底面を削ることにより形成されている。
【0033】
雌排油通路部51は、雌排出路51aと、プラグ51bと、排出溝51cとにより構成される。雌排出路51a及び排出溝51cは、水平方向に延び、ケーシング4に対しドリルによる加工で形成され、プラグ51bはケーシング4の外面の穴を閉止している。雌排出路51aは、雌油通路17eの下部と雌吸込溝18bとを接続している。すなわち、雌排出路51aは、雌貫通孔4cに連通し、雄貫通孔4bから離間する側に延び、雌吸込溝18bに開口している。排出溝51cは、雌排油通路部51を大口径の穴として加工したために、雌吸込溝18bの底面を削ることにより形成されている。
【0034】
吸込側軸支持手段12aを潤滑し雄油通路17dに流入した油の多くは、雄排出路50aを通り水平方向へ流れ、雄吸込溝18aへ排出される。雄吸込溝18aへ排出された油は、雄吸込溝18aに沿って落下し、吸込口10の端縁10aから、モータ14側に位置する油溜21へ流入する。このように、吸込側軸支持手段12aを潤滑した油は、雄排油通路部50によって鉛直方向に対して交差する方向(本実施形態では水平方向)に流れたのち、吸込口10の端縁10aから、モータ14側へ流れるように構成されている。
【0035】
また、吸込側軸支持手段13aを潤滑し雌油通路17eに流入した油の多くは、雌排出路51aを通り水平方向へ流れ、雌吸込溝18bへ排出される。雌吸込溝18bへ排出された油は、雌吸込溝18bに沿って落下し、吸込口10の端縁10bから、モータ14側に位置する油溜21へ流入する。このように、吸込側軸支持手段13aを潤滑した油は、雌排油通路部51によって鉛直方向に対して交差する方向(本実施形態では水平方向)に流れたのち、吸込口10の端縁10bから、モータ14側へ流れるように構成されている。
【0036】
本実施形態のスクリュー流体機械1によれば、雄ロータ5側の雄排油通路部50と、雌ロータ6側の雌排油通路部51とを有するので、吸込口10の両端縁10a、10bから油を通過させることができるので、吸込ガスと油との熱交換を抑制することができる。よって、吸気加熱を低減して高エネルギー効率と高能力を有するスクリュー流体機械1を実現できる。
【0037】
次に、本発明の第3の実施形態に係るスクリュー流体機械1について図7を参照して説明する。第1の実施形態に係るスクリュー流体機械1と同一の部材については同一の参照番号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0038】
図7は、第3の実施形態におけるスクリュー流体機械1の図1のC−C線に沿った断面図を示している。
【0039】
図7に示すように、雌吸込溝18bを形成する面であって、雌ロータ6の雌ロータ軸6bの下側に位置する部分に、吸込口10よりも下側に油を排出する排油逃げ溝40が形成されている。
【0040】
これにより、吸込口10よりも下側から油が戻されるので、油が吸込口10から吸い込まれるガスの主流と混合するのをさらに抑制することができ、吸気加熱をさらに低減することができる。これにより、より高エネルギー効率と高能力を有するスクリュー流体機械1を実現することができる。
【0041】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
【0042】
例えば、モータ14により雄ロータ5を駆動したが、雌ロータ6を駆動してもよい。この場合、排油通路部20を雌油通路17e側ではなく、雄油通路17dに形成してもよい。また、排油逃げ溝40を第2の実施形態の雄吸込溝18a及び雌吸込溝18bの両方に形成してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1:スクリュー流体機械、4:ケーシング、4A:中間部、4b:雄貫通孔、4c:雌貫通孔、5:雄ロータ、5b:雄ロータ軸、6:雌ロータ、6b:雌ロータ軸、8:端面、10:吸込口、10a、10b:端縁、12a、13a:吸込側軸支持手段、14:モータ、17:給油手段、17d:雄油通路、17e:雌油通路、18a:雄吸込溝 18b:雌吸込溝、20:排油通路部、20a:連通路、20b:排出路、50:雄排油通路部、50a:雄排出路、51:雌排油通路部、51a:雌排出路

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2017年11月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに噛合いながら回転する雄ロータ及び雌ロータと、
前記雄ロータ及び前記雌ロータの駆動軸を回転可能に支持する軸支持手段と、
前記雄ロータ及び前記雌ロータを駆動する駆動手段と、
前記雄ロータ、前記雌ロータ、前記軸支持手段、及び前記駆動手段を収納するケーシングと、
前記軸支持手段へ油を給油する給油手段と、を備え、
前記ケーシングは、前記駆動手段と前記雄ロータ及び前記雌ロータとの間に位置する中間部を有し、
前記中間部には、前記雄ロータの駆動軸が貫通する雄貫通孔と、前記雌ロータの駆動軸を貫通する雌貫通孔と、前記駆動手段側から前記雄ロータ及び前記雌ロータ側へガスを吸い込むための吸込口と、前記雄貫通孔及び前記雌貫通孔に連通し前記軸支持手段を潤滑した油を前記駆動手段側へ戻すための排油通路部と、が形成され、
前記軸支持手段を潤滑した油を、前記排油通路部を介して、前記吸込口を通過するガスを避けるように、前記吸込口から前記駆動手段側へ戻すように構成された、スクリュー流体機械。
【請求項2】
前記吸入口は、前記雄貫通孔及び前記雌貫通孔の下側に位置し、
前記軸支持手段を潤滑した油を、前記雄ロータの駆動軸が前記雄貫通孔を貫通することにより形成される雄油通路及び前記雌ロータの駆動軸が前記雌貫通孔を貫通することにより形成される雌油通路を介して、前記排油通路部に流入させて、前記吸込口の水平方向の端縁から前記駆動手段側へ流入させる、請求項1に記載のスクリュー流体機械。
【請求項3】
前記排油通路部は、鉛直方向に対して交差する方向に油を流すように構成されている請求項2に記載のスクリュー流体機械。
【請求項4】
前記排油通路部は、前記雄貫通孔と前記雌貫通孔を連通する連通路と、前記雄貫通孔に連通し前記雌貫通孔から離間する側へ延びる又は前記雌貫通孔に連通し前記雄貫通孔から離間する側へ延びる排出路と、を有する、請求項2又は請求項3に記載のスクリュー流体機械。
【請求項5】
前記駆動手段が前記雄ロータを回転駆動する場合には、前記排出路は、前記雌貫通孔に連通し前記雄貫通孔から離間する側へ延び、
前記駆動手段が前記雌ロータを回転駆動する場合には、前記排出路は、前記雄貫通孔に連通し前記雌貫通孔から離間する側へ延びる、請求項4に記載のスクリュー流体機械。
【請求項6】
前記中間部の前記雄ロータ及び前記雌ロータ側の端面には、前記雄ロータの駆動軸外周の一部に沿い前記吸込口の水平方向の一方の端部に連通する雄吸込溝及び前記雌ロータの駆動軸の外周の一部に沿い前記吸込口の水平方向の他方の端部に連通する雌吸込溝が形成され、
前記排油通路部の前記排出路は、前記雄吸込溝又は前記雌吸込溝に開口する、請求項4に記載のスクリュー流体機械。
【請求項7】
前記排油通路部は、前記雄貫通孔に連通し前記雌貫通孔から離間する側へ延びる雄排出路と、前記雌貫通孔に連通し前記雌貫通孔から離間する側へ延びる雌排出路と、を有する、請求項2又は請求項3に記載のスクリュー流体機械。
【請求項8】
前記中間部の前記雄ロータ及び前記雌ロータ側の端面には、前記雄ロータの駆動軸の外周の一部に沿い前記吸入口の水平方向の一方の端部に連通する雄吸込溝及び前記雌ロータの駆動軸の外周の一部に沿い前記吸入口の水平方向の他方の端部に連通する雌吸込溝が形成され、
前記雄排出路は前記雄吸込溝に開口し、前記雌排出路は前記雌吸込溝に開口する、請求項7に記載のスクリュー流体機械。
【請求項9】
前記雄吸込溝及び/又は前記雌吸込溝を形成する面であって、前記雄ロータ及び/又は前記雌ロータのロータ軸の下側に位置する部分に、吸込口よりも下側に油を排出する排油逃げ溝が形成されている、請求項6又は請求項8に記載のスクリュー流体機械。