【実施例1】
【0011】
本発明のスティック状被包装物供給装置を
図1ないし
図5に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のスティック状被包装物供給装置20は、複数のスティック状被包装物aを略水平方向に延在させた状態で保持可能なスティック状被包装物保持体11と、スティック状被包装物保持体11の一側方に配されスティック状被包装物保持体11内のスティック状被包装物aが一端12a側から移動可能に設けられた回動体12と、スティック状被包装物保持体11の下方に設けられ回動体12内のスティック状被包装物aを長手方向に立てた状態で搬送用カップbに投入可能なスティック状被包装物投入部13とを有したスティック状被包装物転回部14と、搬送用カップbを周回させるための搬送用カップ循環路15と、搬送用カップ循環路15に設けられた搬送用カップ昇降装置16と、搬送用カップ循環路15に設けられたスティック状被包装物回転投入装置17とを備えている。以下、各構成について順次詳述する。
【0012】
スティック状被包装物保持体11は、複数のスティック状被包装物aを略水平方向に延在させた状態で保持可能なものであり、この実施例では、
図1に示すように、上方が開口した舟形状に構成されており、一側方11bは開口し、他側方11aは閉塞している。そして、設定本数(例えば60本)のスティック状被包装物aを保持可能な幅、長さおよび深さを有した容器に構成されている。また、スティック状被包装物保持体11は、他側方11a側を軸として図示しないモーターなどの回転往復駆動手段により、
図2の矢印fに沿って略90°回動可能に構成されている。
【0013】
回動体12は、スティック状被包装物保持体11の一側方11bに配されスティック状被包装物保持体11内のスティック状被包装物aが一端12a側から移動可能に設けられている。この実施例の回動体12は、一端12a側に向かって徐々に拡径する拡径部を有した筒状体に構成されており、一端12aはスティック状被包装物保持体11の一側方11bの半円形の開口と同心で同一半径の円形開口に構成され、スティック状被包装物保持体11の一側方11bに近接配置されることにより、スティック状被包装物保持体11内のスティック状被包装物aが一端12a側から移動可能に構成されている。また、回動体12は、一端側12a側を軸として図示しないモーターなどの回転往復駆動手段により、
図2の矢印gに沿って略90°回動可能に構成されている。
【0014】
スティック状被包装物投入部13は、スティック状被包装物保持体11の下方に設けられ回動体12内のスティック状被包装物aを長手方向に立てた状態で搬送用カップbに投入可能とする部位である。
【0015】
このように、本発明のスティック状被包装物供給装置20は、スティック状被包装物保持体11、回動体12およびスティック状被包装物投入部13を有したスティック状被包装物転回部14を有している点に特徴を有するものである。
【0016】
なお、この実施例のスティック状被包装物転回部14は、スティック状被包装物保持体11が、一側方11bに回動体12へのスティック状被包装物aの移動を制止可能とする第1シャッター18を有している。この第1シャッター18は、シリンダーなどの図示しない往復動手段により、
図2の矢印eに沿って上下方向に往復動可能に構成されている。この第1シャッター18により、スティック状被包装物保持体11に保持されたスティック状被包装物aが、スティック状被包装物保持体11および回動体12の下方への回動の前に回動体12内に移動してしまうことを抑止して、スティック状被包装物保持体11および回動体12の下方への回動に伴い、一度に纏めて回動体12へ移動させることができるように構成されている。
【0017】
また、この実施例のスティック状被包装物転回部14では、回動体12の他端12b側が開口しており、回動体12の他端12b側に回動体12の他端12b側が回動する軌道(
図2に示すように水平位置からスティック状被包装物投入部13に至る略90°の円弧)に沿った弧状面19が設けられている。これにより、回動体12の下方への回動に伴い、複数のスティック状被包装物aが回動体12の他端12b側から外方に放出されてしまうことをこの弧状面19にて抑止できるよう構成されている。
【0018】
さらに、この実施例のスティック状被包装物転回部14は、スティック状被包装物投入部13が、下方に向かって回動した回動体12の他端12b側からのスティック状被包装物aの移動を制止可能とする第2シャッター21を有している。この第2シャッター21は、
図1または
図2に示すように、シリンダーなどの図示しない往復動手段などにより、二枚の板状体が矢印h方向(水平方向)に沿ってそれぞれ往復動することで当接し或いは離間してシャッター機能を発揮する。スティック状被包装物投入部13にこのような第2シャッター21が設けられることにより、第2シャッター21の開閉のタイミングを制御することで複数のスティック状被包装物aを、一度に纏めて搬送用カップbや包装機の包装袋へ移動させることができるよう構成されている。
【0019】
さらに、この実施例のスティック状被包装物転回部14は、スティック状被包装物保持体11の上方に配され、設定本数のスティック状被包装物aをスティック状被包装物保持体11に順次落下させるスティック状被包装物収束部22を有している。このようなスティック状被包装物収束部22を設けることにより、スティック状被包装物収束部22から順次、設定本数のスティック状被包装物aをスティック状被包装物保持体11に供給することができるため、スティック状被包装物保持体11は、スティック状被包装物収束部22の下方に一つ設ければよく、スティック状被包装物転回部14の構造をより簡素化できる。
【0020】
そして、上記のように構成されたスティック状被包装物転回部14は、以下のように作用する。すなわち、図示しないスティック状被包装物計数装置より、スティック状被包装物収束部22上に設定本数のスティック状被包装物aが載置される毎に、スティック状被包装物収束部22が開いて、下方に配されたスティック状被包装物保持体11上に、設定本数のスティック状被包装物aが
図2の矢印dのように落下する。この時、スティック状被包装物保持体11の一側方11bに設けられた第1シャッター18は、
図2の矢印eに沿って上昇しており、回動体12の一端12aを閉塞していて回動体12内へのスティック状被包装物aの移動が制止された状態となっている。
【0021】
つぎに、第1シャッター18が
図2の矢印eに沿って下降すると同時に、スティック状被包装物保持体11および回動体12は、
図2の矢印f,gに沿ってそれぞれ下方に向かって約90°回動することで、スティック状被包装物保持体11内のスティック状被包装物aは回動体12内に移動する。この動作中、開口した回動体12の他端12b側には弧状面19が設けられているため、回動体12の下方への回動に伴い、複数のスティック状被包装物aが回動体12の他端12b側から外方に放出されてしまうことが抑制されている。
【0022】
スティック状被包装物保持体11および回動体12が90°回動してスティック状被包装物投入部13の上方に位置して停止すると、第2シャッター21が開く。これにより、回動体12内のスティック状被包装物aは、回動体12の他端12b側から長手方向に立った状態で、一度に纏めて搬送用カップb内に落下し投入される。
【0023】
設定本数のスティック状被包装物aが搬送用カップb内に落下して投入されると、スティック状被包装物転回部14は、それぞれの構成が初期位置に戻るように作用する。すなわち、スティック状被包装物投入部13の第2シャッター21は閉じて、スティック状被包装物保持体11および回動体12は、
図2の矢印f,gに沿ってそれぞれ上方に向かって約90°回動し、水平方向に沿って延在する。さらに、スティック状被包装物保持体11の一側方11aに設けられた第1シャッター18が、
図2の矢印eに沿って上昇して、
図2に示した初期状態に戻る。
【0024】
スティック状被包装物転回部14は、以上の作用を繰り返し行うことにより、設定本数のスティック状被包装物aを、水平方向に延在した状態から長手方向に立った状態に転回して順次、搬送用カップb内に投入するように構成されている。そして、スティック状被包装物転回部14におけるこれらの作用の中には、スティック状被包装物aを押し出す作用がなく、スティック状被包装物aの自然落下を利用して転回しているため、スティック状被包装物を長手方向に立てた状態で搬送用カップや包装機の包装袋に供給するに際して、スティック状被包装物が装置内で挟まって、破袋したり、ラインを停止させたりすることがない。
【0025】
なお、この実施例のスティック状被包装物転回部14は、回動体12の他端12b側が開口しており、かつ、回動体12の他端12b側には回動体12の他端12b側が回動する軌道に沿った弧状面19が設けられることにより、回動体12の下方への回動に伴い、複数のスティック状被包装物aが回動体12の他端12b側から外方に放出されてしまうことが抑止されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、回動体の開口した他端側に、回動体の他端側からのスティック状被包装物の放出を制止可能なシャッターを有するものであってもよい。これにより、弧状面19および第2シャッター21を不要とすることができ構造をより簡素化できる。
【0026】
また、この実施例のスティック状被包装物転回部14は、スティック状被包装物投入部13が搬送用カップ内に順次、スティック状被包装物aを投入するものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、スティック状被包装物投入部が包装機内の包装袋にスティック状被包装物を投入するものでもよい。
【0027】
さらに、この実施例のスティック状被包装物転回部14は、図示しないスティック状被包装物計数装置よりスティック状被包装物収束部22上に設定本数のスティック状被包装物aが載置され、スティック状被包装物収束部22が開いて、下方に配された一つのスティック状被包装物保持体11上に設定本数のスティック状被包装物aが落下するよう構成されているが、本発明はこれに限定されず、回動体の一端側に順次搬送される、
図10または
図11に示した従来技術のような多数のスティック状被包装物保持体を有し、スティック状被包装物収束部を有しないものであってもよい。
【0028】
搬送用カップ循環路15は、搬送用カップbを周回させ循環させるためのものであり、この実施例では、
図5に示すように、スティック状被包装物転回部14によりスティック状被包装物aが投入された搬送用カップbを搬送用カップ循環路15を構成するコンベアにて搬送し、スティック状被包装物回転投入装置17により包装機内の包装袋にスティック状被包装物aを投入した後、空の搬送用カップbをスティック状被包装物転回部14に戻して、包装機への搬送用カップbによるスティック状被包装物aの搬送を繰り返すためのものである。
【0029】
なお、スティック状被包装物供給装置20は、
図3または
図4に示すように、搬送用カップ循環路15に2機のスティック状被包装物転回部14を備えているが、これに限定するものではなく、単数または3以上のスティック状被包装物転回部を備えるものであっもてよい。
【0030】
搬送用カップ昇降装置16は、搬送用カップbを搬送用カップ循環路15上で昇降させるためのものである。スティック状被包装物回転投入装置17は、包装機の包装袋にスティック状被包装物aを投入するためのものであり、この実施例のスティック状被包装物回転投入装置17は、搬送用カップ循環路15に設けられ、スティック状被包装物a入りの搬送用カップbを回転体17aに順次挿入して、回転体17aの回転により、搬送用カップbが最下方で反転して、その下方で開口した包装袋に順次スティック状被包装物aを投入するよう構成されている。
【0031】
つぎに、本発明のスティック状被包装物供給装置を備えた包装機を
図6ないし
図9に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のスティック状被包装物供給装置40を備えた包装機Pは、複数のスティック状被包装物aを略水平方向に延在させた状態で保持可能なスティック状被包装物保持体11と、スティック状被包装物保持体11の一側方に配されスティック状被包装物保持体11内のスティック状被包装物aが一端12a側から移動可能に設けられた回動体12と、スティック状被包装物保持体11の下方に設けられ回動体12内のスティック状被包装物aを長手方向に立てた状態で搬送用カップbに投入可能なスティック状被包装物投入部13とを備えたスティック状被包装物転回部14と、搬送用カップbを周回させるための搬送用カップ循環路15と、搬送用カップ循環路15に設けられた搬送用カップ昇降装置16と、搬送用カップ循環路15に設けられたスティック状被包装物回転投入装置17とを有したスティック状被包装物供給装置40とを備え、グリップ対が包装袋の袋口の両側付近を把持して移動体32と共に各包装ステーションを間欠移動することにより、設定本数のスティック状被包装物が順次包装される包装機である。以下、各構成について順次詳述するが、スティック状被包装物供給装置20と同一構成部分については同一符号を付し、それらの作用効果を含めて説明を省略する。
【0032】
包装機Pの移動体(円盤状回転体)32には、
図6に示すように、包装袋を掴着又は釈放するためのグリップ対が等角度間隔で放射方向に突出するように設けられており、これらグリップ対は、包装袋の袋口の両側付近を把持して移動体32と共に、下記の10のステーションで行われる包装工程毎に間欠回転移動するように構成されている。
【0033】
包装機Pは、給袋ステーションと、印字ステーションと、袋姿勢確認・捺印検査ステーションと、袋開口ステーションと、スティック状被包装物充填ステーションと、スチーム脱気ステーションと、シールステーションと、冷却ステーションと、インラインチェックステーションと、製品排出ステーションの計10のステーションを有している。以下、各ステーションで行われる各包装工程について順次説明する。
【0034】
給袋ステーションでは、給袋コンベアによって順次搬送される包装袋を、給袋装置によって間欠移動してくるグリップ対に順次把持させることにより給袋工程が行われる。具体的には、給袋工程は、吸盤によって垂直姿勢を保持して上昇する包装袋を給袋装置の把持バーが把持して袋高さを補正した後、グリップ対に受け渡すことにより行われる。
【0035】
印字ステーションでは、グリップ対に垂直姿勢で支持された包装袋の裏面側に、捺印装置にて賞味期限等を印字する。袋姿勢確認・捺印検査ステーションでは、センサにより包装袋の姿勢を確認すると共に、カメラによって印字部分を撮影して印字の良否を検査する。
【0036】
袋開口ステーションでは、グリップ対に垂直姿勢で支持された包装袋の表裏面をそれぞれ吸盤にて吸着して袋口を若干開口する。スティック状被包装物充填ステーションでは、充填用漏斗が袋口から挿入されて、搬送用カップ循環路15に設けられたスティック状被包装物回転投入装置17の回転体17aから搬送用カップb内に配された設定本数のスティック状被包装物が包装袋に充填される。
【0037】
スチーム脱気ステーションでは、スチーム脱気装置のスチーム吐出ノズルから包装袋内にスチームが吐出され、これにより、包装袋内の空気が追い出される。シールステーションでは、包装袋のシール部位が、包装袋の表裏面から対となるシールバーにより挟着されることによりシールが施される。冷却ステーションでは、包装袋の表裏面から対となる冷却バーが包装袋のシール部位を挟圧することにより冷却される。
【0038】
インラインチェックステーションでは、スティック状被包装物が包装された包装袋の重量が計量される。製品排出ステーションでは、スティック状被包装物が包装された包装袋の重量が適量の場合、振分シュートを介して機外の搬送コンベアに排出される。そして、包装機Pでは、これら一連の包装工程が移動体32の間欠回転によって間欠移動してくるグリップ対に支持された包装袋に順次行われることによりスティック状被包装物の包装製品が量産されるように構成されている。
【0039】
なお、スティック状被包装物供給装置40と前述したスティック状被包装物供給装置20とは基本構造は同様であるが、スティック状被包装物供給装置40は、スティック状被包装物転回部14を3機備えている点、空カップを一時的にストックする空カップバッファコンベア31を搬送用カップ循環路15に備えている点、
図9に示すように、スティック状被包装物回転投入装置17において、搬送用カップbに投入された2カップ分のスティック状被包装物aが包装機Pで順次送られてくる包装袋内に充填される点で被包装物供給装置20と異なる。
【0040】
以上のように、本発明のスティック状被包装物供給装置40を備えた包装機Pは、スティック状被包装物供給装置40がスティック状被包装物転回部14を3機備えており、スティック状被包装物転回部14の作用の中には、スティック状被包装物aを押し出す作用がなく、スティック状被包装物aの自然落下を利用して転回させるため、スティック状被包装物を長手方向に立てた状態で搬送用カップや包装機の包装袋に供給するに際して、スティック状被包装物が装置内で挟まって、破袋したり、ラインを停止させたりすることが抑制される。