【解決手段】本実施の形態に係る融資管理装置は、融資の際又は当該融資の契約変更の際に、実質金利を算出する実質金利算出手段と、前記実質金利が上限金利を超えないように、前記融資の契約変更の際の手数料の上限を上限手数料として算出し、算出した上限手数料を表示手段の画面に表示する上限手数料算出手段と、を備えている。
債権番号に関連づけて、返済回毎に、閏年をまたぐ場合に返済回数を2回に分割するための返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数(但し、残高積数=残高×積数日数÷一年間日数)、及びみなし利息を格納する実質金利算出用マスタを備え、
前記実質金利算出手段は、
対象の債権番号について、返済回毎に、前記返済回数枝番、前記積数始期、前記積数終期、前記積数日数、前記一年間日数、前記残高、前記残高積数、及び前記みなし利息のデータを算出して前記実質金利算出用マスタに登録し、また、前記実質金利を、実質金利=みなし利息÷残高積数の累計で算出し、
前記上限手数料算出手段は、前記上限手数料を、上限手数料=上限金利(%)×残高積数の累計−みなし利息で算出することを特徴とする請求項1に記載の融資管理装置。
前記実質金利算出手段は、算出した実質金利が上限金利を超える場合は、前記実質金利算出用マスタへの算出したデータの登録を禁止することを特徴とする請求項2に記載の融資管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る融資管理装置、融資管理方法、及び融資管理プログラムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
個人(事業主を含む)に融資する場合、融資業者は、利息制限法・貸金業法に定められている上限金利を超えないように手数料を設定しなければならない。融資時や契約更新(繰上弁済や早期完済)の事務手数料なども利息とみなされることがあるため、融資業者は、契約利率とは別に実質金利も算出してチェックしている。
【0016】
融資業者によっては、通常の返済の利息計算方法と実質金利の計算方法が違う場合ある(閏年を考慮するか、前利方式か後利方式か、月割か日割か等々)。従来の融資管理システムでは、融資時には正確な実質金利を算出していたが、契約更新(繰上弁済や早期完済)時には、最新の返済予定のデータより概算で実質金利を算出していた。このため、繰上弁済などを何度か繰り返した場合には、実質金利の誤差が大きくなっていく。そのため、契約更新時の手数料を低めに設定するしかなかった。そこで、本実施の形態では、上限金利に極めて近い手数料を設定することができるようにした。
【0017】
従来の実質金利の算出方法について説明する。
図1は、融資の返済予定の作成に使用する返済予定マスタのデータ構成例を示す図である。
図1に示すように、返済予定マスタ106aは、債権No、返済回数、返済日、利息計算起算日、利息計算終了日、利息計算日数、契約利率、返済前元本残高、元本返済額、利息返済額、手数料返済額、及び返済後元本残高等のデータを含むテーブル等である。
【0018】
図2は、従来の融資時の実質金利の計算方法を説明するための図である。
図3は、従来の契約変更時(早期完済時)の実質金利の計算方法を説明するための図である。従来は、融資時と早期完済時で同じ返済予定マスタ106aを使用して実質金利を計算していた。
【0019】
図2は、債権No「1001−1」、融資日「2012/11/1」、融資金額「1,000,000円」、融資利率「12.000000%」、返済回数「20」、返済期間「2012/11/25〜2014/6/25」、事務手数料「10,000円」とした場合の返済予定を示している。システムは、対象の債権NOについて、各返済回の返済日、利息計算起算日、利息計算終了日、利息計算日数、契約利率、返済前元本残高、元本返済額、利息返済額、手数料返済額、及び返済後元本残高のデータを算出して、返済予定マスタ400に登録する。ここで、利息返済額は、利息返済額=返済前元本残高×契約利率×利息計算日数÷365(閏年をまたがる場合は366)で算出する。また、残高積数を返済回毎に毎回算出する。残高積数は、残高積数=返済前元本残高×利息計算日数で算出する。
【0020】
さらに、みなし利息、残高積数合計、実質金利を算出する。みなし利息は、みなし利息=利息返済額の合計+手数料返済額の合計で算出する。残高積数累計は、残高積数累計=残高積数の合計で算出する。一年間日数は、返済期間に閏年が含まれる場合は、366日、そうでない場合は365日とする。実質金利は、実質金利=みなし利息×一年間日数÷残高積数累計で算出する。
図2に示す例では、実質金利は13,1941044%となっている。
【0021】
図3は、
図2の返済予定を、早期完済日「2013/4/25」、繰上手数料「10.000円」とした場合の実質金利の計算を説明するための図である。この場合も融資時と同じ返済予定マスタ106aを使用する。この場合は、実質金利は、16,79%となり、上限金利(15%)を越えてしまうため、手数料を減額して調整することになる。従来は、上限金利(15%)を越えないように、概算で手数料を算出していたため、手数料を実質金利の上限まで設定することができなった。本実施の形態では、上限金利に極めて近くなるような上限手数料を算出してユーザに提示することで、ユーザは、融資の契約変更の際の手数料を、上限金利を超えない範囲で高く設定できるようにしている。
以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る融資管理装置100の構成について、
図4を参照して説明する。
図4は、融資管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
融資管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、融資管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
融資管理装置100は、
図2に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。融資管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、融資管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、融資管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112又はマウス112として記載する場合がある。また、ユーザがモニタ114に表示して、入力装置112で操作等をすることを、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0028】
記憶部106は、返済予定マスタ106aと、実質金利算出用マスタ106bと格納する。
図5は、返済予定マスタ106a及び実質金利算出用マスタ106bのデータ構成例を示す図である。
【0029】
返済予定マスタ106aは、返済予定算出部102aが融資の返済予定を算出する場合に使用するマスタである。返済予定マスタ106aは、
図5に示すように、債権No、返済回数、返済日、利息計算起算日、利息計算終了日、利息計算日数、契約利率、返済前元本残高、元本返済額、利息返済額、手数料返済額、及び返済後元本残高等のデータを含むテーブル等である。返済予定マスタ106aは、上記
図1に示した返済予定マスタ106aと同様な構成である。
【0030】
実質金利算出用マスタ106bは、実質金利算出部102bが、融資の際又は融資の契約変更の際に実質金利を算出する場合に使用するマスタである。実質金利算出用マスタ106bは、
図5に示すように、債権No、返済回数、閏年をまたぐ場合に返済回数を2回に分割するための返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数、及びみなし利息額等のデータを含むテーブル等である。
【0031】
返済回数枝番は、通常は「1(回)」であり、当月の25日を支払日とした場合、通常、積算日数は、積数始期が前月の26日で積数終期が当月の25日となる。本実施の形態では、閏年をまたぐ場合には、積算日数を年度末にリセットして新年度から新たに積算を開始するために、12月26日〜12月31日を返済回数枝番「1」とし、1月1日〜1月25日を返済回数枝番「2」として、一年間日数が正確になるようにして、実質金利を正確に算出できるようにしている。
【0032】
制御部102は、融資管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、返済予定算出部102aと、実質金利算出部102bと、上限手数料算出部102cとを備えている。
【0033】
返済予定算出部102aは、返済予定マスタ106aを使用して、返済予定を作成する。返済予定の融資時と契約更新時の返済予定の作成は、上記
図1〜
図3で説明したのと同様である。
【0034】
実質金利算出部102bは、実質金利算出用マスタ106bを使用して、融資の際又は当該融資の契約変更の際に実質金利を算出する。実質金利算出部102bは、対象の融資(債権No)に関して、返済回毎に、返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数、及びみなし利息額を算出して、実質金利算出用マスタ106bに登録し、実質金利を、実質金利=みなし利息÷残高積数累計で算出する。
【0035】
上限手数料算出部102cは、契約変更時の実質金利が上限金利を超えないように、融資の契約変更の際の手数料の上限を上限手数料として算出し、算出した上限手数料をモニタ112の画面に表示する。上限手数料は、上限手数料=上限金利15%÷一年間日数−みなし利息(契約変更の際の手数料を除く)で算出する。
【0036】
[3.処理の具体例]
本実施の形態に係る融資管理装置100の処理の具体例について、
図2〜
図10を参照して詳細に説明する。
図6〜
図10は、本実施の形態に係る融資管理装置100の処理の具体例を説明するための図である。以下の具体例では、融資の契約変更の場合として、「早期完済」を例示して説明する。
【0037】
図6は、融資時(融資申し込み時)の実質金利を算出する場合の表示例を説明するための図である。
図7は、融資時の実質金利の算出を説明するための図である。
【0038】
融資時(融資申し込み時)の実質金利を算出する場合は、実質金利算出部102bは、例えば、
図6(A)に示す画面をモニタ114に表示する。
図6(A)において、ユーザが入力装置112を操作して、債権No、融資日、融資金額、融資利率、返済回数、返済期間、事務手数料を入力して、実行ボタンを押すと、実質金利算出部102bは、当該債権Noについて、入力される、融資日、融資金額、融資利率、返済回数、返済期間、及び事務手数料に基づいて、実質金利を算出する。
【0039】
図6(A)に示す例では、債権No「1001−1」、融資日「2012/11/1」、融資金額「1,000,000円」、融資利率「12.000000%」、返済回数「20」、返済期間「2012/11/25〜2014/6/25」、事務手数料「10,000円」が入力されている。
【0040】
債権No「1001−1」、融資日「2012/11/1」、融資金額「1,000,000円」、融資利率「12.000000%」、返済回数「20」、返済期間「2012/11/25〜2014/6/25」、事務手数料「10,000」の場合の返済回数、返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数、及びみなし利息額の計算例は、
図7に示すようになる。
【0041】
図7において、残高積数は、残高積数=残高×積数日数÷一年間日数で算出する。返済回数枝番は、通常は「1(回)」であり、当月の25日が支払日であるため、積算日数は、積数始期が前月の26日で積数終期が25日となる。本例では、閏年をまたぐため、返済回数3回目の2012/12/26〜2013/1/25日の返済を2回に分割し、2012/12/26(積数始期)〜2012/12/31(積数終期)を返済回数枝番「1」とし、2013/1/1(積数始期)〜2013/1/26(積数終期)を返済回数枝番「2」とし、一年間日数が正確になるようにして、実質金利の誤差が小さくなるようにしている。
【0042】
さらに、実質金利算出部102bは、実質金利を、実質金利=みなし利息×残高積数累計で算出する。
図7に示す例では、実質金利=13.16439%となり、実質金利算出部102bは、算出した実質金利を
図6(B)に示すように表示する。そして、ユーザが登録ボタンを押すと、実質金利算出部102bは、債権NO「1001−1」について、算出した、返済回数、返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数、及びみなし利息額のデータを実質金利算出用マスタ106bに登録する。
【0043】
図8は、本実施の形態の早期完済時の実質金利を算出する場合のモニタ114の表示例を説明するための図である。
図9は、本実施の形態の早期完済時の実質金利の算出を説明するための図である。
【0044】
早期完済時の実質金利を算出する場合には、実質金利算出部102bは、例えば、
図8(A)に示す画面をモニタ114に表示する。
図8(A)において、ユーザが入力装置112を操作して、債権No、早期完済日、繰上手数料を入力して、実行ボタンを押すと、実質金利算出部102bは、当該債権Noについて、実質金利算出用マスタ106bに既に登録されているデータを参照して、実質金利を算出する。
【0045】
図8(A)に示す例では、債権No「1001−1」、早期完済日「2013/4/25」、繰上手数料「10.000円」が入力されている。
【0046】
実質金利算出部102bは、債権NO「1001−1」、について、実質金利算出用マスタ106bに既に登録されているデータを参照して、返済回数毎に、返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数、及びみなし利息額を算出する。債権No「1001−1」、早期完済日「2013/4/25」、繰上手数料「10.000円」とした場合の返済回数、返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数、及びみなし利息の計算例は、
図9に示すようになる。
【0047】
図9において、返済回数は6回となっており、返済回数枝番は、
図7と同様である。みなし利息には、繰上手数料10,000円も含まれている。
【0048】
さらに、実質金利算出部102bは、実質金利を、
図7と同様に、実質金利=みなし利息×残高積数累計で算出する。
図9に示す例では、実質金利=16.76325%(=みなし利息70,377円÷残高積数累計419,829円)となり、実質金利算出部102bは、算出した実質金利を
図8(B)に示すように表示する。このように、本例の繰上弁済手数料10,000円では、実質金利が15%を超えてしまう。
【0049】
他方、上限手数料算出部102cは、上限手数料を、上限手数料=15%×残高積数累計÷一年間日数−みなし利息(繰上手数料を除く)で算出する。
図9に示す例では、上限手数料は2,597円(=上限金利15%÷一年間日数366−みなし利息(みなし利息70,377円−繰上手数料10,000円))となり、上限手数料算出部102cは、算出した上限手数料を
図8(B)に示すように表示する。
【0050】
この上限手数料は正確な金額であるので、繰上手数料を2,577円とした場合、実質金利は14.999916(=みなし利息(60,377円+2,597円)÷残高積数累計419,829円)となり、上限金利に極めて近い値となるため、上限金利ぎりぎりまで繰上手数料を設定することができる。
【0051】
実質金利算出部102bは、実質金利が15%を越える場合は、登録ボタンが押されても、例えば、「実質金利が上限金利を超えているので、繰上手数料を再設定(例えば、上限手数料に設定)して再度計算して下さい。」というメッセージを表示して、算出したデータ(返済回数、返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数、及びみなし利息)の実質金利算出用マスタ106bへの登録を禁止してもよい。他方、実質金利算出部102bは、実質金利が15%以下となる場合のみ、算出したデータを実質金利算出用マスタ106bへ登録することにしてもよい。
【0052】
ユーザが、
図8(B)の画面で繰上手数料を上限手数料に変更して、実行ボタンを押すと、実質金利算出部102bは、繰上手数料を上限手数料とした場合のデータを計算し、登録ボタンが押されると、実質金利算出用マスタ106bにデータを登録する。
【0053】
図10は、早期返済時の変形例を説明するための図である。繰上手数料を入力(設定)しないで、直接、上限手数料と当該上限手数料を繰上手数料とした場合の実質金利を算出して表示してもよい。実質金利算出部102bは、例えば、
図10(A)に示す画面をモニタ114に表示する。
図10(A)において、ユーザが入力装置112を操作して、債権No(例えば、1001−1)、早期完済日(例えば、2013/4/25)を入力して、実行ボタンを押す。これに応じて、
図10(B)に示すように、当該債権Noについて、上限手数料算出部106cは、
図9と同じ方法で、上限手数料を算出して表示し、実質金利算出部102bは、
図9と同じ方法で、当該算出した上限手数料を繰上手数料とした場合の実質金利を算出して表示してもよい。登録ボタンが押されると、実質金利算出部102bは、実質金利算出用マスタ106bに算出したデータを登録する。これにより、ユーザは繰上手数料を入力しなくても、上限手数料を設定することができ、ユーザの手間を省くことが可能となる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態の融資管理装置100によれば、融資の際又は当該融資の契約変更の際に、実質金利を算出する実質金利算出部102bと、実質金利が上限金利を超えないように、融資の契約変更の際の手数料の上限を上限手数料として算出し、算出した上限手数料をモニタ114の画面に表示する上限手数料算出部102cと、を備えているので、融資の契約変更の際の手数料を上限金利を超えない範囲で高く設定することが可能となる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、債権番号に関連づけて、返済回毎に、閏年をまたぐ場合に返済回数を2回に分割するための返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数(但し、残高積数=残高×積数日数÷一年間日数)、及びみなし利息を格納する実質金利算出用マスタ106bを備え、実質金利算出部102bは、対象の債権番号について、返済回毎に、返済回数枝番、積数始期、積数終期、積数日数、一年間日数、残高、残高積数、及びみなし利息のデータを算出して実質金利算出用マスタ106bに登録し、また、実質金利を、実質金利=みなし利息の累計÷残高積数の累計で算出し、上限手数料算出部102cは、上限手数料を、上限手数料=上限金利(%)×残高積数の累計−みなし利息で算出することとしたので、実質金利及び上限手数料を正確に算出することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、実質金利算出部102bは、算出した実質金利が上限金利を超える場合は、実質金利算出用マスタ106bへの算出したデータの登録を禁止することとしたので、実質金利算出用マスタ106bに不適切なデータが登録されるのを防止することが可能となる。
【0057】
なお、上記実施の形態では、融資の契約変更を早期完済とした場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、繰上弁済等についても適用可能である。
【0058】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0059】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0060】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0061】
また、融資管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0062】
例えば、融資管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて融資管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0063】
また、このコンピュータプログラムは、融資管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0064】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0065】
また、「プログラム」とは、任意の言語又は記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0066】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0067】
また、融資管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、融資管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0068】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。