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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-163661(P2018-163661A)
(43)【公開日】2018年10月18日
(54)【発明の名称】構造物の施工状況確認システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20180921BHJP
【FI】
   G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-57870(P2018-57870)
(22)【出願日】2018年3月26日
(31)【優先権主張番号】特願2017-60267(P2017-60267)
(32)【優先日】2017年3月26日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517038730
【氏名又は名称】エグセファーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130074
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 繁元
(72)【発明者】
【氏名】牧田 久義
(72)【発明者】
【氏名】欲賀 進
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】建築業者等の施工業者の不正を防止し、依頼主が安心して建築状況、施工状況の確認を行うことができる構造物の施工状況確認システムを提供する。
【解決手段】構造物の施工状況確認システム10は、施工業者が構造物写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1と、端末装置1とインターネット5を介して接続されるサーバ4と、サーバ4とインターネット5を介して接続される依頼主が使用する端末装置2とを用いて施工業者と依頼主との間で端末装置2に表示される撮影写真により施工状況の確認を行う。端末装置1は、GPS機能を備えており、端末装置1に予め登録された施工現場の位置情報に対応する場所において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工業者が構造物写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1と、該端末装置1とインターネットを介して接続されるサーバと、該サーバとインターネットを介して接続される依頼主が使用する端末装置2と、を用いて施工業者と依頼主との間で前記端末装置2に表示される撮影写真により施工状況の確認を行う、構造物の施工状況確認システムにおいて、
前記端末装置1は、GPS機能を備えており、前記端末装置1に予め登録された施工現場の位置情報に対応する場所において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となることを特徴とする構造物の施工状況確認システム。
【請求項2】
端末装置1は、高度を検出する気圧センサを備えており、前記端末装置1に予め登録された施工現場の高度情報に対応する高度において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となることを特徴とする請求項1に記載の構造物の施工状況確認システム。
【請求項3】
端末装置1は、高低差を検出する気圧センサを備えており、前記端末装置1に予め登録された施工現場の高低差情報に対応する位置において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となることを特徴とする請求項1に記載の構造物の施工状況確認システム。
【請求項4】
施工業者が構造物写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1は、施工状況確認画面を表示させることができ、該施工状況確認画面において、予め撮影しておいた必要な撮影位置を指示する見本写真を表示させることができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造物の施工状況確認システム。
【請求項5】
施工業者が構造物写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1又は、サーバとインターネットを介して接続される施工業者が使用する端末装置3は、施工状況確認画面を表示させることができ、該施工状況確認画面において必要な写真が撮影されていない場合に、取り忘れていることを知らせるアラーム機能を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の構造物の施工状況確認システム。
【請求項6】
複数の施工現場と複数の施工業者が存在し、該施工業者が構造物写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1が複数ある場合において、前記端末装置1及び、サーバとインターネットを介して接続される特定の施工業者が使用する端末装置3は、施工状況確認画面を表示させることができ、前記特定の施工業者は、端末装置3において、前記複数の端末装置1の各々に表示させることができる前記施工状況確認画面を、どの端末装置1に表示させるか選択することができることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造物の施工状況確認システム。
【請求項7】
依頼主が使用する端末装置2は、自己の構造物の施工状況確認画面を表示させることができ、サーバによる認証を経て前記自己の構造物の施工状況確認画面を閲覧することができることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造物の施工状況確認システム。
【請求項8】
サーバは、構造物の施工状況確認画面に表示された複数の写真データと、該写真データを編集するソフトウェアとを、パーソナルコンピュータにより読み取り可能な媒体に記録する機能を有することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の構造物の施工状況確認システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の建築工事や構造物の設置工事の進捗状況を施主等の依頼主及び建築業者等の施工業者がインターネットを介して確認できるようにした構造物の施工状況確認システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、施主がインターネットを介して住宅の建築状況を確認することができるシステムは知られており、その一例として、建築業者が工事写真の編集業務を行うための工事写真管理システムを有するサーバと、前記サーバからネットワークを介して工事写真を閲覧可能な施主の端末とを含んで構成され、施主はサーバによる認証を経て自己の工事写真を閲覧可能としたシステムがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−331552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムでは、建築業者が工事写真の編集業務を行うに際して、必要な写真が無い場合や、不具合を隠ぺいする目的で、別の建築現場で撮影した写真を流用する不正を行う恐れがあり、これを防止する手段を有しているものではなかった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、建築業者等の施工業者の不正を防止し、施主等の依頼主が安心して建築状況、施工状況の確認を行うことができる構造物の施工状況確認システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、施工業者が構造物写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1と、該端末装置1とインターネットを介して接続されるサーバと、該サーバとインターネットを介して接続される依頼主が使用する端末装置2と、を用いて施工業者と依頼主との間で前記端末装置2に表示される撮影写真により施工状況の確認を行う、構造物の施工状況確認システムにおいて、前記端末装置1は、GPS機能を備えており、前記端末装置1に予め登録された施工現場の位置情報に対応する場所において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となることを特徴としている。
【0007】
請求項1の発明に係る構造物の施工状況確認システムは、カメラ機能を備えた端末装置1がGPS機能も備えており、予め登録された建築現場の位置情報に対応していない場所ではカメラ撮影を行うことができないこととしたことから、必要な写真が無い場合や、不具合を隠ぺいする目的で、別の施工現場で撮影した写真を流用する不正が行われることを防止することができ、施主が安心して施工状況の確認を行うことができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、端末装置1は、高度を検出する気圧センサを備えており、前記端末装置1に予め登録された施工現場の高度情報に対応する高度において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となることを特徴としている。
【0009】
したがって、予め登録された施工現場の位置情報に対応する場所であっても、予め登録された施工現場の高度情報に対応する高度でなければカメラ機能のロックが解除されず撮影することはできないこととしたことから、必要な写真が無い場合や、不具合を隠ぺいする目的で、別の施工現場で撮影した写真を流用する不正が行われることを防止することができ、施主が安心して施工状況の確認を行うことができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、端末装置1は、高低差を検出する気圧センサを備えており、前記端末装置1に予め登録された施工現場の高低差情報に対応する位置において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となることを特徴としている。
【0011】
したがって、予め登録された施工現場の位置情報に対応する場所であっても、予め登録された施工現場の高低差情報に対応する位置でなければカメラ機能のロックが解除されず撮影することはできないこととしたことから、必要な写真が無い場合や、不具合を隠ぺいする目的で、別の施工現場で撮影した写真を流用する不正が行われることを防止することができ、施主が安心して施工状況の確認を行うことができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、施工業者が構造物写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1は、施工状況確認画面を表示させることができ、該施工状況確認画面において、予め撮影しておいた必要な撮影位置を指示する見本写真を表示させることができることを特徴としている。
【0013】
したがって、施工現場で撮影を行う施工業者が、施工状況確認画面で必要な写真を撮り忘れることを防ぐと共に、適切な撮影位置や撮影方向を事前に確認することができ、写真の取り直しを減らすことができる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、施工業者が構造物写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1又は、サーバとインターネットを介して接続される施工業者が使用する端末装置3は、施工状況確認画面を表示させることができ、該施工状況確認画面において必要な写真が撮影されていない場合に、取り忘れていることを知らせるアラーム機能を備えていることを特徴としている。
【0015】
したがって、必要な写真が撮影されていない場合は、施工業者側の端末装置1又は端末装置3で、その旨を知ることができるので、必要な写真を撮り忘れるのを防ぐことができる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において、複数の施工現場と複数の施工業者が存在し、該施工業者が構造物写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1が複数ある場合において、前記端末装置1及び、サーバとインターネットを介して接続される特定の施工業者が使用する端末装置3は、施工状況確認画面を表示させることができ、前記特定の施工業者は、端末装置3において、前記複数の端末装置1の各々に表示させることができる前記施工状況確認画面を、どの端末装置1に表示させるか選択することができることを特徴としている。
【0017】
したがって、特定の施工業者は、施工現場ごとに担当させる施工業者を把握することができると共に、担当させる施工業者以外の施工業者に施工現場の情報が漏れるのを防ぐことができる。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかの発明において、依頼主が使用する端末装置2は、自己の施工状況確認画面を表示させることができ、サーバによる認証を経て前記自己の施工状況確認画面を閲覧することができることを特徴としている。
【0019】
したがって、依頼主以外の者がサーバに不正にアクセスして閲覧するのを防ぐことができ、依頼主以外の者に構造物の情報が流出するのを防ぐことができる。
【0020】
請求項8の発明は、請求項4〜7のいずれかの発明において、サーバは、構造物の施工状況確認画面に表示された複数の写真データと、該写真データを編集するソフトウェアとを、パーソナルコンピュータにより読み取り可能な媒体に記録する機能を有することを特徴としている。
【0021】
したがって、住宅建築等の構造物が完成した時に、建築経過を時系列的に編集し、記憶媒体又は、印刷してアルバムとして施主に贈呈することができる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1〜3の発明では、別の施工現場で撮影した写真を流用する不正が行われることを防止することができ、依頼主が安心して施工状況の確認を行うことができる。また、請求項4の発明では、必要な写真を撮り忘れることを防ぐと共に、適切な撮影位置や撮影方向を事前に確認することができ、写真の取り直しを減らすことができる。さらに、請求項5の発明では、必要な写真が撮影されていない場合は、施工業者側の端末装置で、その旨を知ることができるので、必要な写真を撮り忘れるのを防ぐことができる。
【0023】
また、請求項6の発明では、特定の施工業者は施工現場ごとに担当させる施工業者を把握することができると共に、担当させる施工業者以外の施工業者に施工現場の情報が漏れるのを防ぐことができる。また、請求項7の発明では、依頼主以外の者がサーバに不正にアクセスして閲覧するのを防ぐことができ、依頼主以外の者に構造物の情報が流出するのを防ぐことができる。また、請求項8の発明では、住宅建築等の構造物が完成した時に、建築経過を時系列的に編集し、記憶媒体又は、印刷してアルバムとして施主に贈呈することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る構造物の施工状況確認システムの概略を示す概念図である。
図2】ログイン画面を示す図である。
図3】工程詳細画面の一例を示す図である。
図4】工程詳細画面の一例を示す図である。
図5】撮影画面の一例を示す図である。
図6】工程一覧画面の一例を示す図である。
図7】現場一覧画面の一例を示す図である。
図8】撮影画面の他例を示す図である。
図9】端末装置にインストールされた専用ソフトウェアにより表示される各画面を示す説明図である。
図10】管理機能画面の一例を示す図である。
図11】依頼主が使用する端末装置に表示される工程カテゴリー画面の一例を示す図である。
図12】依頼主が使用する端末装置に表示される工程一覧画面の一例を示す図である。
図13】依頼主が使用する端末装置に表示される工程詳細画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る構造物の施工状況確認システムの概略を示す概念図である。本発明に係る構造物の施工状況確認システム10は、建築物に限らず、電柱や道路標識等を含む構造物全般の施工に適用されるものであるが、一例として、構造物が建築物であり、施工業者が建築業者であり、施工現場が建築現場である場合について以下に説明する。
【0026】
建築業者が建築写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1と、端末装置1とインターネット5を介して接続されるサーバ4と、サーバ4とインターネット5を介して接続される依頼主が使用する端末装置2とを用いて建築業者と依頼主との間で端末装置2に表示される撮影写真により建築状況の確認を行うシステムである。
【0027】
そして、端末装置1は、GPS機能を備えており、端末装置1に予め登録された建築現場の位置情報に対応する場所において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となるようにしている。
【0028】
具体的には、端末装置1にインストールされている専用のソフトウェアが、端末装置1に予め登録されている建築現場の位置情報と、GPS機能により得られる実際の位置情報とを比較して、直線距離で100mを超えてずれている場合には、端末装置1のカメラ機能がロックされた状態となり、写真撮影を行うことができないようにしている。ここで、カメラ機能がロックされた状態の一例として、後述するように、端末装置1がタッチパネルを備えたスマートフォンやタブレットの場合には、専用ソフトウェアによって、撮影ボタンが表示されない状態を挙げることができる。
【0029】
尚、専用のソフトウェアがインストールされていない端末装置やデジタルカメラを使用して建築現場の写真を撮影した場合には、サーバ4のユーザサイト4aの所定の位置に、撮影された写真を表示させることができない構成としている。
【0030】
これにより、必要な写真が無い場合や、不具合を隠ぺいする目的で、別の建築現場で撮影した写真を流用する不正が行われることを防止することができる。また、GPS機能を備えた端末装置1で撮影された写真データに位置情報が記載される構成とすることもできる。
【0031】
そして、端末装置1にインストールされている専用のソフトウェアが、端末装置1に予め登録されている建築現場の位置情報と、GPS機能により得られる実際の位置情報とを比較して、直線距離で100m以内の場合には、端末装置1のカメラ機能のロックが解除された状態となり、写真撮影を行うことができるようにしている。ここで、カメラ機能のロックが解除された状態の一例として、後述するように、端末装置1がタッチパネルを備えたスマートフォンやタブレットの場合には、専用ソフトウェアによって、撮影ボタンを表示する状態を挙げることができる。尚、上述の例では、端末装置1に予め登録されている建築現場の位置情報と、GPS機能により得られる実際の位置情報とを比較して、直線距離で100m以内の場合に写真撮影が可能となるようにしているが、本発明はこれに限定されるものでは無く、一例である。そして、撮影された写真データは、インターネット5を介してサーバ4に蓄積されると共に、該サーバ4のユーザサイト4aの所定の位置に撮影された写真が表示される。依頼主は、専用のソフトウェアがインストールされている端末装置2を使用し、サーバ4のユーザサイト4aにアクセスして、安心して建築状況の確認を行うことができる。
【0032】
また、別の方法として、端末装置1は、GPS機能を備えており、端末装置1に予め登録された建築現場の位置情報に対応する場所において撮影された場合の写真のみが、端末装置2の所定の画面に表示可能となるようにしてもよい。
【0033】
具体的には、端末装置1にインストールされている専用のソフトウェアが、端末装置1に予め登録されている建築現場の位置情報と、端末装置1のカメラ機能により撮影されると共に、GPS機能により得られる実際の位置情報が組み込まれている写真データとを比較して、直線距離で100mを超えてずれている場合には、サーバ4のユーザサイト4aの所定の位置に、撮影された写真を表示させることができない。即ち、端末装置2の所定の画面に表示させることができない構成としている。
【0034】
これにより、必要な写真が無い場合や、不具合を隠ぺいする目的で、別の建築現場で撮影した写真を流用する不正が行われることを防止することができる。
【0035】
そして、端末装置1にインストールされている専用のソフトウェアが、端末装置1に予め登録されている建築現場の位置情報と、GPS機能により得られる実際の位置情報とを比較して、直線距離で100m以内の場合には、撮影された写真データは、インターネット5を介してサーバ4に蓄積されると共に、該サーバ4のユーザサイト4aの所定の位置に撮影された写真が表示される。依頼主は、専用のソフトウェアがインストールされている端末装置2を使用し、サーバ4のユーザサイト4aにアクセスして、安心して建築状況の確認を行うことができる。尚、上述の例では、端末装置1に予め登録されている建築現場の位置情報と、GPS機能により得られる実際の位置情報とを比較して、直線距離で100m以内の場合にユーザサイト4aの所定の位置に撮影された写真が表示されるとしているが、本発明はこれに限定されるものでは無く、一例である。
【0036】
また、端末装置1にGPS機能に加えて高度を検出する気圧センサを備えさせて、前記端末装置1に予め登録された施工現場の高度情報に対応する高度において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となる構成とすることができる。これにより、予め登録された施工現場の位置情報に対応する場所であっても、予め登録された施工現場の高度情報に対応する高度でなければカメラ機能のロックが解除されず撮影することはできない。この気圧センサは、道路上に電柱や道路標識を設置する際や、高層マンションにおいて各々の住居の施工現場を撮影する際に利用することができる。また、気圧センサを備えた端末装置1で撮影された写真データに高度情報が記載される構成とすることもできる。
【0037】
また、端末装置1にGPS機能に加えて高低差を検出する気圧センサを備えさせて、前記端末装置1に予め登録された施工現場の高低差情報に対応する位置において撮影する場合のみ、カメラ機能のロックが解除されて撮影可能となる構成とすることができる。これにより、予め登録された施工現場の位置情報に対応する場所であっても、予め登録された施工現場の高低差情報に対応する高度でなければカメラ機能のロックが解除されず撮影することはできない。また、気圧センサを備えた端末装置1で撮影された写真データに高低差情報が記載される構成とすることもできる。この気圧センサは、高層マンションにおいて各々の住居の施工現場を撮影する際に利用することができる。例えば、1階の住居の施工現場であるバスルームを撮影した後、同じ間取りの2階の住居の施工現場であるバスルームを撮影する場合に、予め登録された施工現場の高低差情報に対応する高度でなければカメラ機能のロックが解除されず撮影することはできない。また、気圧センサを備えた端末装置1で撮影された写真データに高低差情報が記載される構成としておけば、1階の住居の施工現場であるバスルームで撮影された写真データを2階以上の階の他の住居の施工現場写真として使い回すことを防ぐことができる。
【0038】
上述した高度又は高低差を検出する気圧センサの一例として、ローム株式会社製の(BM1383GLV)を挙げることができる。同小型気圧センサICは、スマートフォンやタブレット端末に搭載することができるICチップであり、±20cmの相対高度精度にて測定することができる。
【0039】
尚、建築業者が建築写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1又は、サーバ4とインターネット5を介して接続される建築業者が使用する端末装置3にインストールされている専用のソフトウェアは、ユーザサイト4aの施工状況確認画面(後述する工程一覧画面)において必要な写真が撮影されていない場合に、取り忘れていることを知らせるアラーム機能を備えている。
【0040】
これにより、必要な写真が撮影されていない場合は、建築業者側の端末装置1又は端末装置3で、その旨を知ることができるので、必要な写真を撮り忘れるのを防ぐことができる。
【0041】
尚、サーバ4は、施工状況確認画面(後述する工程一覧画面)に表示された複数の写真データと、該写真データを編集するソフトウェアとを、パーソナルコンピュータにより読み取り可能な媒体に記録する機能を備えるものであって、施工状況確認画面に表示された複数の写真データには、撮影された場所の位置情報が含まれているものであり、写真データを編集するソフトウェアは、予め登録された建築現場の位置情報に対応しない写真データを編集することができない構成とすることができる。
【0042】
これにより、住宅建築が完成した時に、建築経過を時系列的に編集し、記憶媒体又は、印刷してアルバムとして施主に贈呈することができると共に、写真データの編集段階において、別の場所で撮影された写真が紛れ込むのを防ぐことができる。
【0043】
図2は、ログイン画面を示す図である。ログイン画面20は、図1に示した端末装置1、端末装置2及び端末装置3の各々にインストールされている専用のソフトウェアを起動させると最初に表示される画面である。
【0044】
そして、端末装置1〜3の使用者が、サーバ4へのアクセスを可能とするためには、事前にアカウントの登録を行い、IDとパスワードとが発行される構成としている。これにより、端末装置1〜3を使用する際には、必ず、サーバ4による認証が行われることとなり、IDとパスワードが一致しない場合には、端末装置1〜3にインストールされている専用ソフトウェアを利用することができない。
【0045】
これにより、例えば、施主以外の者がサーバ4に不正にアクセスして施工状況確認画面を閲覧するのを防ぐことができ、依頼主以外の者に構造物の情報が流出するのを防ぐことができる。
【0046】
図3及び図4は、工程詳細画面の一例を示す図である。建築業者が建築写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1では、専用のソフトウェアを起動させて、図2に示したサーバ4による認証が完了すると、工程詳細画面30又は30aへと移ることができる。この工程詳細画面30又は30aは、事前に、必要な撮影位置を指示する見本写真31が薄い灰色で表示されている。
【0047】
これにより、建築現場で撮影を行う建築業者が、工程詳細画面30又は30aで適切な撮影位置や撮影方向を事前に確認することができ、写真の取り直しを減らすことができる。
【0048】
尚、図3及び図4は、端末装置1として、タッチパネルを備えたスマートフォンやタブレットを使用する場合を示しており、タッチパネルに表示された登録・更新ボタン32にタッチすることによって、撮影された写真の登録又は更新が行われるようにしている。
【0049】
また、図3に示すように、端末装置1に予め登録されている建築現場の位置情報と、GPS機能により得られる実際の位置情報とを比較して、直線距離で100mを超えてずれている場合には、端末装置1のカメラ機能がロックされた状態となり、写真撮影を行うことができず、「現場から100.0m以内で撮影してください。」と記載されたエラー画面33が表示される。
【0050】
また、図4に示すように、建築現場の位置情報と実際の位置情報とを比較して、直線距離で100m以内の場合には、撮影ボタン34、コメント入力欄35及び登録・更新ボタン32が表示される。
【0051】
図5は、撮影画面の一例を示す図である。図4に示した工程詳細画面30aにおいて、撮影ボタン34をタッチすると、図5に示す撮影画面が表示される。この撮影画面では、カメラレンズを介した実際の撮影現場の画像36が表示されると共に、この実際の撮影現場の画像36の下に、図3及び図4に示した見本写真31が薄い灰色で重ね合わせて表示されており、所定の撮影位置でシャッターボタン37をタッチすることにより、実際の撮影現場の画像36の撮影が完了する。尚、撮影を中止する場合には、キャンセル表示部分38をタッチすることによって、図4に示した工程詳細画面30aに戻ることとなる。
【0052】
図5における撮影画面で撮影が完了すると、図4に示した工程詳細画面30aが表示される。この時には見本写真31は、実際に撮影された写真に替わっており、この写真で登録する場合には、登録・更新ボタン32をタッチすることによって、登録が完了する。取り直したい場合には、再度撮影ボタン34をタッチすると図5の撮影画面へと移って写真を撮り直すことができる。
【0053】
図6は、工程一覧画面の一例を示す図である。建築業者が建築写真を撮影するためのカメラ機能を備えた端末装置1では、専用のソフトウェアを起動させて、図2に示したサーバ4による認証が完了すると、工程一覧画面40へと移ることができる。この工程一覧画面40は、写真撮影が必要な工程の一覧が表示されており、図3及び図4で示した工程詳細画面30、30aと同様に、事前に、必要な撮影位置を指示する見本写真41が薄い灰色で表示されており、実際に撮影された写真が登録されると見本写真41が実際に撮影された写真に替わる構成としている。尚、端末装置3においても図6に示す工程一覧画面を閲覧することができる。
【0054】
尚、前述したとおり、端末装置1又は端末装置3にインストールされている専用のソフトウェアは、必要な写真が撮影されていない場合に、取り忘れていることを知らせるアラーム機能を備えており、図6に示すように、工程一覧画面40において、見本写真41の右側に「写真が撮影されていません」とのアラーム文字42が表示される。尚、見本写真41に対応する写真撮影を必要としない場合もある。その場合には、図4で示したコメント入力欄35に写真は不要である旨のコメントを入力することによって、アラーム文字42の表示が消える構成としている。尚、特許請求の範囲における「施工状況確認画面」とは、建築物等の構造物の施工状況を確認することができる画面を意味する用語であり、図6に示す工程一覧画面が対応する構成である。
【0055】
図7は、現場一覧画面の一例を示す図であり、端末装置1と端末装置3で表示される画面である。現場一覧画面50は、図7に示すように、同時に進行している建築現場が複数ある場合において、地図51上に建築現場の位置を表示させることができると共に、登録された依頼主名のボタン52をタップすることによって、図6で示した対応する工程一覧画面40へと移ることができるので、写真撮影を行う位置を間違えるのを防ぐことができる。
【0056】
尚、施工現場が複数ある場合には、端末装置3を特定の施工業者(例えば元請)が所有し、端末装置1を複数の施工業者(例えば下請)が各々所有するようにし、前記特定の施工業者は、端末装置3において、前記複数の端末装置1の各々に表示させることができる前記施工状況確認画面を含む施工現場の情報を、どの端末装置1に表示させるか選択することができるようにしている。これにより、特定の施工業者は、施工現場ごとに担当する施工業者を把握することができ、担当する施工業者以外の施工業者に施工現場の情報が漏れるのを防ぐことができる。
【0057】
図8は、撮影画面の他例を示す図である。図8に示すように撮影画面60aは、実際の現場の画像を撮影する前の状態であり、見本写真61が薄い灰色で表示されている。この状態からカメラのレンズに映る実際の現場の画像を上から重ね合わせて表示させた状態で、画面をタップすることによって、撮影画面60bには、実際に撮影された写真62が表示される。また、コメント欄63が表示され、コメントを入力することができるようになっている。
【0058】
そして、登録ボタン65をタッチすることによって、登録され、図6に示した工程一覧画面40に表示されると共に、アラーム文字42が非表示となる。また、再撮影を行いたい場合には、再撮影ボタン64をタッチすることによって、撮影画面60aに戻ることとなる。
【0059】
図9は、端末装置1と端末装置3にインストールされた専用ソフトウェアにより表示される各画面を示す説明図である。前述したとおり、専用ソフトウェアを利用するためには、事前に発行されたIDとパスワードが一致していなければならない。パスワードやIDを忘れた場合には、パスワードやIDを事前に登録されたメールアドレスに通知するための手続きを専用の画面で行うことができる。
【0060】
ログインが完了すると、図7において説明したとおり、現場一覧画面が表示される。この現場一覧画面は端末装置のGPS機能と連動している。そして、現場一覧画面で表示されている現場の一つを選択すると、その現場の工程一覧を示す画面が表示される。工程一覧画面は、図6において説明したとおり、必要な写真を撮り忘れている場合には、撮り忘れを知らせるアラーム表示がされる。
【0061】
工程一覧画面で表示されている工程の一つを選択すると、工程詳細画面が表示される。工程詳細画面は、図3及び図4において説明したとおり、端末装置1に備えられているGPS機能と連動しており、端末装置1に予め登録されている建築現場の位置情報と、GPS機能により得られる実際の位置情報とを比較して、直線距離で100mを超えてずれている場合には、端末装置1のカメラ機能がロックされた状態、即ち、撮影ボタンが表示されず、エラー画面が表示された状態となる。
【0062】
建築現場の位置情報と実際の位置情報とを比較して、直線距離で100m以内の場合には、図4に示す工程詳細画面となり、撮影ボタン34、コメント入力欄35及び登録・更新ボタン32が表示される。この画面上で撮影ボタン34を押すと、図5において説明した撮影画面となる。尚、撮影画面が表示された状態においてもGPS機能と連動しており、予め登録されている建築現場の位置情報と、GPS機能により得られる実際の位置情報とを比較して、直線距離で100mを超えてずれている場合には、端末装置1のカメラ機能がロックされた状態、即ち、撮影ボタンが表示されず、エラー画面が表示される図3で示した状態へ戻ることとなる。
【0063】
図10は、管理機能画面の一例を示す図である。管理機能画面70は、図1の管理サイト4bに保存されている画面であり、端末装置3にインストールされた専用ソフトウェアにより見ることができる。そして、図6に示した工程一覧画面よりも多くの工程名75を含んでおり、写真71の欄は見本写真又は現場で実際に撮影された写真が表示されている。
【0064】
管理者は、この管理機能画面70において、施工業者の端末装置1で表示させる場合にはチェックボックス72にチェックを入れ、依頼主の端末装置2で表示させる場合にはチェックボックス73にチェックを入れる。また、端末装置1及び2において非表示としたい場合には、チェックボックス74にチェックを入れる。
【0065】
図11は、依頼主が使用する端末装置に表示される工程カテゴリー画面の一例を示す図であり、図12は、依頼主が使用する端末装置に表示される工程一覧画面の一例を示す図である。また、図13は、依頼主が使用する端末装置に表示される工程詳細画面の一例を示す図である。これらの図を用いて依頼主が使用する端末装置に表示される画面について説明する。
【0066】
前述したとおり、依頼主が使用する端末装置2は、インストールされている専用のソフトウェアを起動させると図2に示すログイン画面20が最初に表示される。そして、IDとパスワードを入力し、ログインボタンをタッチすると、図11に示す工程カテゴリー画面80が表示される。工程カテゴリー画面80には、住宅建築における各工程がカテゴリー別に分けられて表示されている。この工程カテゴリー画面80において、例えば、「3 基礎」の欄をタッチすると、図12に示す基礎の工程の一覧を示す工程一覧画面90が表示される。この工程一覧画面90において、例えば、「2 改良完了2」の欄をタッチすると、図13の工程詳細画面100に示すように、土壌改良工事が完了した状態の写真が表示される。
【0067】
工程一覧画面90及び工程詳細画面100に表示される写真は、図6に示す端末装置1又は端末装置3の工程一覧画面40に表示される写真の一部を構成している。したがって、必要な写真が無い場合や、不具合を隠ぺいする目的で、別の建築現場で撮影した写真を流用する不正が行われることが防止されているので、施主は、安心して建築状況の確認を行うことができる。
【0068】
尚、特許請求の範囲における「自己の構造物の施工状況確認画面」とは、依頼主が施工状況を確認することができる画面を意味する用語であり、図12に示す工程一覧画面90及び図13に示す工程詳細画面100が対応する構成である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の構造物の施工状況確認システムは、住宅の建築工事等の構造物の施工の進捗状況を依頼主及び施工業者がインターネットを介して確認するために使用される。
【符号の説明】
【0070】
1、2、3 端末装置
4 サーバ
5 インターネット
10 構造物の施工状況確認システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13