【解決手段】第1コネクタ20と、第1コネクタ20に対向する第2コネクタ30と、第1、第2コネクタ20、30に保持されて第1コネクタ20と第2コネクタ30を導通する中継導体10を含むコネクタ組立体100であって、第1コネクタ20は、第2コネクタ30との相対的な移動方向であるX軸方向に中継導体10の移動を許容するように中継導体10を挟んで保持する一対の端子22、23を有し、第2コネクタ30は、第1コネクタ10との相対的な移動方向であって、X軸方向と交差するY軸方向に中継導体10の移動を許容するように中継導体10を挟んで保持する一対の端子32、33を有するとよい。
第1コネクタと、前記第1コネクタに対向する第2コネクタと、前記第1、第2コネクタに保持されて前記第1コネクタと前記第2コネクタを導通する中継導体を含むコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、前記第2コネクタとの相対的な移動方向である第1方向に前記中継導体の移動を許容するように前記中継導体を挟んで保持する一対の端子を有し、
前記第2コネクタは、前記第1コネクタとの相対的な移動方向であって、前記第1方向と交差する第2方向に前記中継導体の移動を許容するように前記中継導体を挟んで保持する一対の端子を有するコネクタ組立体。
前記抜け止め部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタが離間する際に、前記第1コネクタ側の前記側面に続く、前記第2コネクタの前記縁部に摺動する傾斜面と、前記第2コネクタ側の前記側面から突出し、前記第1コネクタの前記挟持片が係止される突き当て面を有する
請求項4または5に記載のコネクタ組立体。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態(以下、本実施形態という)に係るコネクタ組立体100について説明する。
図1は、本実施形態に係るコネクタ組立体の分解斜視図である。
図2は、中継導体が第1コネクタにより保持された状態を示す斜視図である。
図3は、
図2の状態から中継導体がさらに第2コネクタに保持された状態を示す斜視図である。すなわち、
図3は、コネクタ組立体が組み立てられた状態を示す斜視図である。
図4は、本実施形態に係るコネクタ組立体の上面図である。
図5は、
図4のV−V線で切断した断面を示す断面図である。
図6は、
図4のVI−VI線で切断した断面を示す断面図である。
【0018】
以下の説明においては、各図に示すように、第2コネクタ30に対する第1コネクタ20の相対的な移動方向であって、第2コネクタ30が一対の保持部322、332により中継導体10を挟む方向をX軸方向とする。また、第1コネクタ20に対する第2コネクタ30の相対的な移動方向であって、第1コネクタ20が一対の保持部222、232により中継導体10を挟む方向をY軸方向とする。また、中継導体10の中心軸方向(上下方向)をZ軸方向とする。また、図中の矢印方向を各軸の正方向とし、正方向の反対方向を負方向とする。
【0019】
[コネクタ組立体100の概要]
コネクタ組立体100は、中継導体10と、第1コネクタ20と、第2コネクタ30とを有する。コネクタ組立体100は、第1コネクタ20が備える一対の端子22、23及び第2コネクタ30が備える一対の端子32、33に接触する中継導体10を介して、第1コネクタ20が取り付けられる回路基板と、第2コネクタ30が取り付けられる回路基板とを電気的に接続するものである。また、本実施形態において、第1コネクタ20及び第2コネクタ30は、中継導体10に対して、Z軸方向で取り付け及び取り外し可能に設けられるものである。
【0020】
[コネクタ組立体100が備える各部材の構成の概要]
主に
図1を参照して、コネクタ組立体100が備える各部材の構成の概要について説明する。
【0021】
中継導体10は、例えば真鍮、アルミ等の金属やカーボン等の導電性を有する部材であるとよい。中継導体10は、例えば、
図1に示すように、下面11と、上面12と、下面11と上面12を繋ぐ側面13とを有する円盤形状であるとよい。中継導体10は、その側面13に、径方向の外側に突出する抜け止め部14を有するとよい。
【0022】
第1コネクタ20は、平板部21と、一対の端子22、23と、一対の半田付け部24、25とを有するとよい。端子22は、平板部21を基部としてそこから屈曲して平板部21に対して略垂直方向(図中のZ軸正方向)に延びる弾性部221と、弾性部221の先端に設けられる保持部222とを有するとよい。同様に、端子23は、平板部21から屈曲して平板部21に対して略垂直方向(図中のZ軸正方向)に延びる弾性部231と、弾性部231の先端に設けられる保持部232とを有するとよい。また、第1コネクタ20は、コネクタ組立体100の外部の回路基板(不図示)に対して半田付けされる半田付け部24、25を平板部21から延出して有するとよい。図示は省略するが、回路基板は、平板部21の下面(端子22、23が延びる方向と反対方向の面)に面接触するように設けられるとよい。なお、回路基板への第1コネクタ20の取り付けは、半田付けに限られるものではなく、第1コネクタ20が回路基板に対して固定されるものであればよい。
【0023】
第2コネクタ30は、平板部31と、一対の端子32、33と、一対の半田付け部34、35とを有するとよい。端子32は、平板部31を基部としてそこから屈曲して平板部31に対して略垂直方向(図中のZ軸負方向)に延びる弾性部321と、弾性部322の先端に設けられる保持部322とを有するとよい。同様に、端子33は、平板部31から屈曲して平板部31に対して略垂直方向(図中のZ軸負方向)に延びる弾性部331と、弾性部331の先端に設けられる保持部332とを有するとよい。また、第2コネクタ30は、コネクタ組立体100の外部の回路基板(不図示)に対して半田付けされる半田付け部34、35を平板部31から延出して有するとよい。図示は省略するが、回路基板は、平板部31の下面(端子32、33が延びる方向と反対方向の面)に面接触するように設けられるとよい。なお、回路基板への第2コネクタ30の取り付けは、半田付けに限られるものではなく、第2コネクタ30が回路基板に対して固定されるものであればよい。
【0024】
本実施形態においては、第1コネクタ20の端子22、23、基部としての平板部21、および半田付け部24、25が金属板により一体に形成するよう開示される。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、端子22、23および半田付け部24、25を金属板で一体に形成し、基部としての平板部21を樹脂により成形し、一体に形成される端子22、23および半田付け部24、25を平板部21が支持するようにしてもよい。第2コネクタ30についても同様に、端子32、33及び半田付け部34、35を金属板で一体に形成し、基部としての平板部31を樹脂により成形し、一体に形成される端子32、33及び半田付け部34、35を平板部31が支持するようにしてもよい。
【0025】
[中継導体10を保持する第1コネクタ20の保持構造]
次に、主に
図2、
図4、及び
図5を参照して、中継導体10を保持する第1コネクタ20の保持構造について説明する。
【0026】
第1コネクタ20は、中継導体10の下面11側に配置される。第1コネクタ20は、端子22の保持部222と、端子23の保持部232により、中継導体10を挟んで保持する。端子22の弾性部221及び端子23の弾性部231はそれぞれ弾性を有するとよい。端子22の弾性部221及び端子23の弾性部231が弾性を有することにより、中継導体10は、端子22の保持部222と端子23の保持部232とにより弾性的に保持されることとなる。
【0027】
中継導体10は、保持部222と保持部232とにより挟まれて弾性的に保持されることにより、保持部222からY軸負方向に働く弾性力を受け、保持部232からY軸正方向に働く弾性力を受ける。これにより、保持部222は中継導体10からY軸正方向に働く反力を受け、保持部232は中継導体10からY軸負方向に働く反力を受ける。これら反力は、中継導体10が静止した状態においてY軸方向で打ち消し合う。そのため、第1コネクタ20が中継導体10を弾性的に保持することに起因した負荷が、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板に生じることはない。
【0028】
図4及び
図5に示すように、保持部222は、保持部232側へ向かって延在する挟持片222dと、挟持片222dの先端に形成されて中継導体10に接触する縁部222bとを含む。
図5に示すように、抜け止め部14の径方向の外側への突出量をl
1とし、挟持片222dの長さl
2とした場合、l
2>l
1とするとよい。l
2>l
1とすることにより、抜け止め部14と、端子22の弾性部221との間に隙間ができ、抜け止め部14と弾性部221とが干渉することがない。同様に、保持部232は、保持部222側へ向かって延在する挟持辺232dと、挟持片232dの先端に形成されて中継導体10に接触する縁部232bとを含む。
図5に示すように、抜け止め部14の径方向の外側への突出量をl
1とし、挟持片232dの長さl
3とした場合、l
3>l
1とするとよい。l
3>l
1とすることにより、抜け止め部14と、端子23の弾性部231との間に隙間ができ、抜け止め部14と弾性部231とが干渉することがない。
【0029】
保持部222、232のうち中継導体10に接触する縁部222b、232bは、平面視においてX軸方向に延びる直線状であるとよい。また、縁部222b、232bは側面視において平面状あるいは傾斜面222c、232cにより板厚が潰されたエッジ状で中継導体10の側面13と接触するとよい。このような構成により、保持部222及び保持部232に挟まれて弾性的に保持される中継導体10は、縁部222b、232bに沿うように、第1コネクタ20に対してX軸方向の相対移動が許容される。
【0030】
また、保持部222は、X軸方向における中継導体10の可動範囲を規制する一対の規制部222aを有するとよい。
図4に示すように、規制部222aは、保持部222のX軸方向の両端において、Y軸負方向に突出する突起であるとよい。同様に、保持部231は、X軸方向における中継導体10の可動範囲を規制する一対の規制部232aを有するとよい。
図4に示すように、規制部232aは、保持部232のX軸方向の両端において、Y軸正方向に突出する突起であるとよい。中継導体10が第1コネクタ20に対してX軸方向に相対移動した場合、中継導体10の側面13の一部が規制部222a及び規制部232aに突き当たる。そのため、中継導体10が第1コネクタからX軸方向において離脱してしまうことが抑制される。
【0031】
また、
図5に示すように、中継導体10は、中継導体10の下面11が第1コネクタ20の平板部21とZ軸方向に隙間を有するように一対の保持部222、232に挟まれて弾性的に保持されるとよい。具体的には、Z軸方向における、後述の突き当て面14bと下面11との距離をL
1とし、縁部222bと第1コネクタ20の平板部21との距離をL
2とした場合に、L
2>L
1とするとよい。同様に、縁部232bと第1コネクタ20の平板部21との距離をL
3とした場合に、L
3>L
1とするとよい。L
2>L
1、L
3>L
1とすることで、Z軸方向において、下面11と平板部21との間、又は縁部222b、232bと突き当て面14bとの間の少なくともいずれかに隙間ができることとなる。このような構成により、中継導体10は、第1コネクタ20に対してZ軸方向の相対移動が許容される。
【0032】
また、
図5に示すように、中継導体10は、抜け止め部14よりも上側(Z軸正方向側)の側面13aが一対の保持部222、232に挟まれて弾性的に保持されるとよい。このような構成により、中継導体10が第1コネクタ20に対してZ軸正方向に相対移動した場合、保持部222、232が抜け止め部14に引っ掛かる。そのため、中継導体10が第1コネクタ20から容易に離脱してしまうことが抑制される。なお、
図5に示すように、抜け止め部14は、中継導体10が第1コネクタ20に対してZ軸正方向に相対移動した場合、挟持片222d、232dのうち抜け止め部14に対向する側に形成される角部222e、232eに対して面接触する突き当て面14bを有するとよい。
図5に示すように、中継導体10が第1コネクタ20に対してZ軸正方向に相対移動した場合、角部222e、232eが、側面13aと突き当て面14bとで形成される角に嵌り、かつ突き当て面14bに突き当たる構成とすることで、中継導体10が第1コネクタ20から容易に離脱してしまうことがさらに抑制される。
【0033】
また、本実施形態において、中継導体10は円盤形状であり、その側面13aは曲率一定の曲面となっている。一方、第1コネクタ20の保持部222、232のうち中継導体10に接触する領域は平面視において直線状の縁部222b、232bである。このような構成のため、中継導体10は、保持部222、232の縁部222b、232bに対して中継導体10の側面13aが接触しつつ中継導体10の中心軸を回転軸として回転可能である。すなわち、中継導体10は、第1コネクタ20に対して回転方向の相対移動が許容されるように、第1コネクタ20の保持部222、232に挟まれて弾性的に保持される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態において、中継導体10は、第1コネクタ20に対してX軸方向、Z軸方向、及び回転方向への相対移動が許容されるように、第1コネクタ20の保持部222、232に挟まれて弾性的に保持される。そのため、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と、第2コネクタ30が半田付けされる回路基板との、X軸方向、Z軸方向、又は回転方向における位置ズレが許容される。そして、位置ズレをした場合であっても、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板に負荷が生じることはない。
【0035】
なお、中継導体10は、円盤形状に限られるものではない。中継導体10は、少なくとも保持部222と保持部232に接触する領域が曲面であればよい。より具体的には、中継導体10は、少なくとも保持部222と保持部232に接触する領域が、平面視において中継導体10の中心軸からの距離が同じである円弧に沿う形状であればよい。このような構成により、中継導体10は第1コネクタ20に対して回転方向に相対移動が許容されることとなる。さらに、中継導体10の平面形状は矩形であってもよい。すなわち、中継導体10は、その側面13が保持部222の縁部222a及び保持部232の縁部232aに平行な平面であってもよい。このような構成においては、中継導体10は第1コネクタ20に対して、少なくともX軸方向への相対移動が許容されることとなる。
【0036】
[中継導体10を保持する第2コネクタ30の保持構造]
次に、主に
図3、
図6を参照して、中継導体10を保持する第2コネクタ30の保持構造について説明する。
【0037】
第2コネクタ30は、中継導体10の上面12側に配置される。第2コネクタ30は、端子32の保持部322と、端子33の保持部332により、中継導体10を挟んで保持する。端子32の弾性部321及び端子33の弾性部331はそれぞれ弾性を有するとよい。端子32の弾性部321及び端子33の弾性部331が弾性を有することにより、中継導体10は、端子32の保持部322と端子33の保持部332とにより弾性的に保持されることとなる。
【0038】
中継導体10は、保持部322と保持部332とにより挟まれて弾性的に保持されることにより、保持部322からX軸負方向に働く弾性力を受け、保持部332からX軸正方向に働く弾性力を受ける。これにより、保持部322は中継導体10からX軸正方向に働く反力を受け、保持部332は中継導体10からX軸負方向に働く反力を受ける。これら反力は、中継導体10が静止した状態においてX軸方向で打ち消し合う。そのため、第2コネクタ30が中継導体10を弾性的に保持することに起因した負荷が、第2コネクタ30が半田付けされる回路基板に生じることはない。
【0039】
図6に示すように、保持部322は、保持部332側へ向かって延在する挟持片322dと、挟持片322dの先端に形成されて中継導体10に接触する縁部322bとを含む。
図6に示すように、抜け止め部14の径方向の外側への突出量をl
1とし、挟持片322dの長さをl
4とした場合、l
4>l
1とするとよい。l
4>l
1とすることにより、抜け止め部1
4と、端子32の弾性部321との間に隙間ができ、抜け止め部14と弾性部321とが干渉することがない。同様に、保持部332は、保持部322側へ向かって延在する挟持片332dと、挟持片332dの先端に形成されて中継導体10に接触する縁部332bとを含む。
図6に示すように、抜け止め部14の径方向の外側への突出量をl1とし、挟持片332dの長さをl
5とした場合、l
5>l
1とするとよい。l
5>l
1とすることにより、抜け止め部14と、端子33の弾性部331との間に隙間ができ、抜け止め部14と弾性部331とが干渉することがない。
【0040】
保持部322、332のうち中継導体10に接触する縁部322b、332bは、平面視においてY軸方向に延びる直線状であるとよい。また、縁部322b、332bは側面視において平面状あるいは傾斜面322c、332cにより板厚が潰されたエッジ状で中継導体10の側面13と接触するとよい。このような構成により、保持部322及び保持部332に挟まれて弾性的に保持される中継導体10は、縁部322b、332bに沿うように、第2コネクタ30に対してY軸方向の相対移動が許容される。
【0041】
また、保持部322は、上述の保持部222と同様に、Y軸方向における中継導体10の可動範囲を規制する一対の規制部(不図示)を有するとよい。保持部322の規制部は、保持部322のY軸方向の両端において、X軸負方向に突出する突起であるとよい。同様に、保持部332は、Y軸方向における中継導体10の可動範囲を規制する一対の規制部(不図示)を有するとよい。保持部332の規制部は、保持部332のY軸方向の両端において、X軸正方向に突出する突起であるとよい。中継導体10が第2コネクタ30に対してY軸方向に相対移動した場合、中継導体10の側面13の一部が保持部322及び保持部332の規制部に突き当たる。そのため、中継導体10が第2コネクタ30からY軸方向において離脱してしまうことが抑制される。
【0042】
また、
図6に示すように、中継導体10は、中継導体10の上面12が第2コネクタ30の平板部31とZ軸方向に隙間を有するように一対の保持部322、332に挟まれて弾性的に保持されるとよい。具体的には、Z軸方向における、傾斜面14aのうち最も保持部322に近い部分と上面12との距離をL
4とし、縁部322bと第2コネクタ30の平板部31との距離をL
5とした場合に、L
5>L
4とするとよい。同様に、縁部332bと第2コネクタ30の平板部31との距離をL
6とした場合に、L
6>L
4とするとよい。L
5>L
4、L
6>L
4とすることで、Z軸方向において、上面12と平板部31との間、又は縁部322b、332bと傾斜面14aのうち最も保持部322、332に近い部分との間の少なくともいずれかに隙間ができることとなる。このような構成により、中継導体10は、第2コネクタ30に対してZ軸方向の相対移動が許容される。
【0043】
また、
図6に示すように、中継導体10は、抜け止め部14よりも下側(Z軸負方向側)の側面13bにおいて一対の保持部322、332に挟まれて保持されるとよい。このような構成により、中継導体10が第2コネクタ30に対してZ軸負方向に相対移動した場合、保持部322、332が抜け止め部14に引っ掛かる。そのため、中継導体10が第2コネクタ30から容易に離脱してしまうことが抑制される。
【0044】
また、本実施形態において、中継導体10は円盤形状であり、その側面13bは曲率一定の曲面となっている。一方、第2コネクタ30の保持部322、332のうち中継導体10に接触する領域は平面視において直線状の縁部322b、332bである。このような構成のため、中継導体10は、保持部322、332の縁部322b、332bに対して中継導体10の側面13bが接触しつつ中継導体10の中心軸を回転軸として回転可能である。すなわち、中継導体10は、第2コネクタ30に対して回転方向の相対移動が許容されるように、第2コネクタ30の保持部322、332に挟まれて弾性的に保持される。
【0045】
ここで、前述の側面13aと側面13bが曲率一定の曲面、すなわち所定の半径で形成されている場合、側面13aと側面13bの半径を異なるものとすることにより、一対の縁部間の幅を第1コネクタ20と第2コネクタ30で異なるものとすることができる。これにより、第1コネクタ20および第2コネクタ30を設置する場所に応じてコネクタの大きさを変えることができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態において、中継導体10は、第2コネクタ30に対してY軸方向、Z軸方向、及び回転方向への相対移動が許容されるように、第2コネクタ30の保持部322、332に挟まれて弾性的に保持される。そのため、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と、第2コネクタ30が半田付けされる回路基板との、Y軸方向、Z軸方向、又は回転方向における位置ズレが許容される。そして、位置ズレをした場合であっても、第2コネクタ30が半田付けされる回路基板に負荷が生じることはない。
【0047】
なお、中継導体10は、円盤形状に限られるものではない。中継導体10は、少なくとも保持部322と保持部332に接触する領域が曲面であればよい。より具体的には、中継導体10は、少なくとも保持部322と保持部332に接触する領域が、平面視において中継導体10の中心軸からの距離が同じである円弧に沿う形状であればよい。このような構成により、中継導体10は第2コネクタ30に対して回転方向に相対移動が許容されることとなる。さらに、中継導体10の平面形状は矩形であってもよい。すなわち、中継導体10は、その側面13が保持部322の縁部322b及び保持部332の縁部332bに平行な平面であってもよい。このような構成においては、中継導体10は第2コネクタ30に対して、少なくともY軸方向への相対移動が許容されることとなる。
【0048】
[中継導体10に対する第1コネクタ20の取り付け構造]
次に、主に
図1及び
図5を参照して、中継導体10に対する第1コネクタ20の取り付け構造について説明する。以下で説明する構造を採用することにより、第1コネクタ20を中継導体10に対して容易に取り付けることができる。
【0049】
図5に示すように、第1コネクタ20の保持部222には傾斜面222cが設けられ、第1コネクタ20の保持部232には傾斜面232cが設けられるとよい。傾斜面222c、232cは、第1コネクタ20が中継導体10を保持した状態で、Z軸方向における中継導体10の抜け止め部14の反対側に設けられるとよい。
【0050】
また、
図5に示すように、中継導体10の抜け止め部14には傾斜面14aが設けられるとよい。傾斜面14aは、第1コネクタ20が中継導体10を保持した状態で、第1コネクタ20の保持部222、232に対してZ軸方向の反対側に設けられるとよい。
【0051】
図1に示す中継導体10と第1コネクタ20とが離間した状態から、中継導体10が第1コネクタ20の保持部222、232の間に挟まるよう、Z軸方向において中継導体10を第1コネクタ20に対して嵌め込む。この際、まず、中継導体10の傾斜面14aと、第1コネクタ20の傾斜面222c、232cとが接触する。そして、中継導体10により保持部222、232が押されることにより、端子22の弾性部221がY軸正方向に弾性変形し、端子23の弾性部231がY軸負方向に弾性変形する。さらに、中継導体10の傾斜面14aと、第1コネクタ20の傾斜面222c、232cとが摺動し、その後、保持部222及び保持部232が抜け止め部14を乗り越えて、中継導体10のうち抜け止め部14より上方の側面13aを弾性的に保持することとなる。このように、中継導体10に対して第1コネクタ20を取り付ける際、中継導体10の傾斜面14aと、第1コネクタ20の傾斜面222c、232cとが摺動するため、保持部222及び保持部232が抜け止め部14に引っ掛かることなく、中継導体10に対して第1コネクタ20を容易に取り付けることができる。
【0052】
[中継導体10に対する第2コネクタ30の取り付け及び取り外し構造]
次に、主に
図1、
図3及び
図6を参照して、中継導体10に対する第2コネクタ30の取り付け及び取り外し構造について説明する。以下で説明する構造を採用することにより、第2コネクタ30を中継導体10から容易に取り付け、かつ取り外すことができる。
【0053】
図6に示すように、第2コネクタ30の保持部322には傾斜面322cが設けられ、第2コネクタ30の保持部332には傾斜面332cが設けられるとよい。傾斜面322c、332cは、第2コネクタ30が中継導体10を保持した状態で、Z軸方向における中継導体10の抜け止め部14の反対側に設けられるとよい。また、上述したように、中継導体10の抜け止め部14には傾斜面14aが設けられるとよい。
【0054】
図1に示す中継導体10と第2コネクタ30とが離間した状態から、中継導体10が第2コネクタ30の保持部322、332の間に挟まるよう、Z軸方向において中継導体10を第2コネクタ30に対して嵌め込む。この際、まず、中継導体10の抜け止め部14の突き当て面14bと、第2コネクタ30の傾斜面322c、332cとが接触する。そして、中継導体10により保持部322、332が押されることにより、端子32の弾性部321がX軸正方向に弾性変形し、端子33の弾性部331がX軸負方向に弾性変形する。さらに、中継導体10の抜け止め部14に対して第2コネクタ30の傾斜面322c、332cが摺動し、その後、保持部322及び保持部332が抜け止め部14を乗り越えて、中継導体10のうち抜け止め部14より下方の側面13bを弾性的に保持することとなる。このように、中継導体10に対して第2コネクタ30を取り付ける際、中継導体10の抜け止め部14に対して第2コネクタ30の傾斜面322c、332cが摺動するため、保持部322及び保持部332が抜け止め部14に引っ掛かることなく、中継導体10に対して第2コネクタ30を容易に取り付けることができる。
【0055】
図3に示す中継導体10が第2コネクタ30に嵌め込まれた状態から、Z軸正方向に第2コネクタ30を引っ張ることにより、中継導体10から第2コネクタ30を取り外す。この際、まず、中継導体10の傾斜面14aと、第2コネクタ30の保持部322、332が接触する。そして、中継導体10により保持部322、332が押されることにより、端子32の弾性部321がX軸正方向に弾性変形し、端子33の弾性部331がX軸負方向に弾性変形する。さらに、中継導体10の傾斜面14aと、第2コネクタ30の保持部322、332とが摺動し、その後、保持部322及び保持部332が抜け止め部14を乗り越え、中継導体10から第2コネクタ30が取り外される。このように、中継導体10から第2コネクタ30を取り外す際、第2コネクタ30の保持部322、332に対して中継導体10の傾斜面14aが摺動するため、保持部322及び保持部332が抜け止め部14に引っ掛かることなく、中継導体10から第2コネクタ30を容易に取り外すこができる。なお、傾斜面14aの傾斜の角度は、図中に示すものに限られるものではなく、用途等に応じて適宜設定するとよい。傾斜面14aの傾斜角が緩やかであれば、中継導体10から第2コネクタ30を取り外しやすくなり、傾斜面14aの傾斜角が急であれば、中継導体10に対して第2コネクタ30を安定して保持させることができる。
【0056】
なお、上述したように、本実施形態においては、中継導体10の抜け止め部14には、第1コネクタ20の保持部222、232側に突き当て面14bが設けられ、第2コネクタ30の保持部322、332側に傾斜面14aが設けられる。このため、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と、第2コネクタ30が半田付けされる回路基板との電気的接続を解除するため、いずれか一方の回路基板を他方の回路基板から引き離す方向に引っ張ると、第2コネクタ30が中継導体10から取り外され、第1コネクタ20が中継導体10を保持する状態を維持することとなる。すなわち、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と、第2コネクタ30が半田付けされる回路基板との電気的接続を解除した場合、中継導体10は第1コネクタ20側に残ることとなる。なお、第1コネクタ20は、中継導体10に対して取り付け及び取り外し可能な構成であるものに限られるものではない。すなわち、第1コネクタ20が常に中継導体10を保持している構成であり、第2コネクタ30のみが中継導体10に取り付け及び取り外し可能に構成されてもよい。
【0057】
本実施形態においては、第1コネクタ20と第2コネクタ30とを同じ構造とした。そのため、第1コネクタ20と第2コネクタ30を同様の工程により製造することが可能であり、効率良くコネクタ組立体100を製造することができる。
【0058】
また、抜け止め部14は、各図に示すように、中継導体10の外周の全周に連続して設けられるのが好ましい。これにより、第1コネクタ20及び第2コネクタ30が回転方向におけるどの位置にある場合においても、第1コネクタ20の保持部222、232、第2コネクタ30の保持部322、332が抜け止め部14に引っ掛かることになるため、第1コネクタ20及び第2コネクタ30が中継導体10から容易に離脱してしまうことを抑制できる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係るコネクタ組立体100においては、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と、第2コネクタ30が半田付けされる回路基板との位置ズレを、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及び回転方向のいずれの方向においても許容し、かつ、位置ズレが生じた場合であっても、各回路基板に負荷がかかることもない。第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と第2コネクタ30が半田付けされる回路基板がX軸方向に位置ズレをしたとしても、第1コネクタ20が中継導体10に対してX軸方向に相対移動するためである。また、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と第2コネクタ30が半田付けされる回路基板が、Y軸方向に位置ズレをしたとしても、第2コネクタ30が中継導体10に対してY軸方向に相対移動するためである。また、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と第2コネクタ30が半田付けされる回路基板が、Z軸方向に位置ズレをしたとしても、第1コネクタ20及び第2コネクタ30のうち少なくとも一方が中継導体10に対してZ軸方向に相対移動するためである。また、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と第2コネクタ30が半田付けされる回路基板が、回転方向に位置ズレをしたとしても、第1コネクタ20及び第2コネクタ30のうち少なくとも一方が中継導体10に対して回転方向に相対移動するためである。
【0060】
なお、第1コネクタ20が半田付けされる回路基板と、第2コネクタ30が半田付けされる回路基板とは、それら回路基板の略全域が互いに対向して設けられる構成であってもよいし、それら回路基板の一部のみが互いに対向して設けられる構成であってもよい。
【0061】
また、図中においては、第1コネクタ20と第2コネクタ30とが、中継導体10を保持した状態において、第1コネクタ20の半田付け部24、25と、第2コネクタ30の半田付け部34、35とが、互いに平行に配置される構成について示した。このような構成においては、半田付け部24、25が半田付けされる回路基板と、半田付け部34、35が半田付けされる回路基板とを、互いに平行に配置した状態で、コネクタ組立体100を介して電気的に接続することができる。しかしながら、このような構成に限られるものではなく、例えば、第1コネクタ20の半田付け部24が、平板部21から屈曲してZ軸方向の負方向に延びるように形成されてもよい。そのような構成とすることにより、半田付け部24が半田付けされる回路基板と、半田付け部34、35が半田付けされる回路基板とを、互いに垂直に配置した状態で、コネクタ組立体100を介して電気的に接続することができる。
【0062】
本明細書の開示はコネクタ組立体の一例にすぎず、発明の主旨を保っての適宜の変更で且つ当業者が容易に想到し得るものは、本発明の範囲に含有される。