【解決手段】サーバ3は、撮像装置1が撮像した第1撮像画像を取得する撮像画像取得部331と、第1撮像画像を操作端末の画面に表示させる表示制御部332と、第1撮像画像を表示した携帯端末2において入力された第1撮像画像における指定位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部333と、第1撮像画像よりも後に撮像装置1において撮像された第2撮像画像における指定位置に対応する位置と第2撮像画像の中心位置との関係を示す情報を出力する情報出力部334と、を有する。
前記情報出力部は、前記第1撮像画像において予め定められた複数の領域のうち、前記位置情報が示す位置がどの領域に含まれるかに基づいて変化する音の情報を出力する、
請求項2に記載の情報出力装置。
前記情報出力部は、前記第1撮像画像から、前記位置情報が示す位置に対応する画像を切り出して切出画像を生成し、前記第2撮像画像における前記切出画像に類似する画像領域の位置と、前記第2撮像画像の中心位置との関係を示す情報を出力する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報出力装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、監視カメラの撮像範囲を調整するためには、監視カメラにより撮像された画像を視認しながら監視カメラを動かす向きを指示する人、及び監視カメラの位置を動かす人の2名で作業を行わなければならなかった。このような中、設置作業に要するコストを削減するために、監視カメラの設置作業に要する作業者の数を低減する技術が求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、監視用に用いられる撮像装置の設置作業に要する作業員の数を低減するための情報を出力する情報出力装置、プログラム及び情報出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報出力装置は、撮像装置が撮像した第1撮像画像を取得する撮像画像取得部と、前記第1撮像画像を操作端末の画面に表示させる表示制御部と、前記第1撮像画像を表示した前記操作端末において入力された前記第1撮像画像における指定位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記第1撮像画像よりも後に前記撮像装置において撮像された第2撮像画像における前記指定位置に対応する位置と前記第2撮像画像の中心位置との関係を示す情報を出力する情報出力部と、を有する。
【0007】
前記情報出力部は、例えば、前記関係に基づいて変化する音の情報を出力する。
前記情報出力部は、前記第1撮像画像において予め定められた複数の領域のうち、前記位置情報が示す位置がどの領域に含まれるかに基づいて変化する音の情報を出力してもよい。
【0008】
前記情報出力部は、前記位置情報が示す位置と前記第1撮像画像における中心位置との関係に基づいて前記撮像装置の撮影位置を制御するための情報を出力してもよい。
【0009】
また、前記情報出力部は、前記第1撮像画像から、前記位置情報が示す位置に対応する画像を切り出して切出画像を生成し、前記第2撮像画像における前記切出画像に類似する画像領域の位置と、前記第2撮像画像の中心位置との関係を示す情報を出力してもよい。
【0010】
本発明の第2の態様のプログラムは、コンピュータを、撮像装置が撮像した第1撮像画像を取得する撮像画像取得部、前記第1撮像画像を操作端末の画面に表示させる表示制御部、前記第1撮像画像を表示した前記操作端末において入力された前記第1撮像画像における指定位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、及び前記第1撮像画像よりも後に前記撮像装置において撮像された第2撮像画像における前記指定位置に対応する位置と前記第2撮像画像の中心位置との関係を示す情報を出力する情報出力部、として機能させる。
【0011】
本発明の第3の態様の情報出力方法は、コンピュータが、撮像装置が撮像した第1撮像画像を取得するステップと、前記第1撮像画像を操作端末の画面に表示させるステップと、
前記第1撮像画像を表示した前記操作端末において入力された前記第1撮像画像における指定位置を示す位置情報を取得するステップと、前記位置情報を取得した後に、前記撮像装置が撮像した第2撮像画像を取得するステップと、前記第2撮像画像における前記指定位置に対応する位置と前記第2撮像画像の中心位置との関係を示す情報を出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、監視用に用いられる撮像装置の設置作業に要する作業員の数を低減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
[作業支援システムSの構成の概要]
図1は、第1の実施形態の作業支援システムSの構成を示す図である。作業支援システムSは、撮像装置1と、携帯端末2と、サーバ3と、を備える。撮像装置1、携帯端末2及びサーバ3は、ネットワークNを介して互いに情報を送受信できる。ネットワークNは、例えばインターネット及び携帯電話網を含む。
【0015】
撮像装置1は、監視用に用いられるカメラであり、所定の撮像範囲内の被写体を撮影し、撮影した被写体を含む撮像画像を生成する。撮像装置1は、所定のフレームレートで撮像画像を順次生成し、ネットワークNを介して、生成した撮像画像を携帯端末2又はサーバ3に送信する。
【0016】
携帯端末2は、例えばスマートフォン又はタブレット端末であり、撮像装置1の設置作業者(以下、ユーザという)が操作する操作端末である。携帯端末2は、撮像装置1又はサーバ3から送信された撮像画像を表示する。携帯端末2の画面にはタッチパネルが設けられており、ユーザは、画面に触れることにより、サーバ3に伝える指示を入力することができる。携帯端末2は、ユーザにより入力された指示の内容を示す指示情報を撮像装置1又はサーバ3に送信する。
【0017】
サーバ3は、撮像装置1から取得した撮像画像、及び携帯端末2から取得した指示情報に基づいて、撮像装置1による撮像範囲が適切な範囲になるように撮像装置1の設置位置を調整するための情報を撮像装置1及び携帯端末2の少なくともいずれかに出力する情報出力装置である。サーバ3は、撮像装置1が設置された事業所内に設置されたサーバであってもよく、クラウド上のサーバであってもよい。
【0018】
[作業支援システムSにおける処理の流れの概要]
図2及び
図3は、作業支援システムSにおける処理の流れの概要を説明するための図である。
まず、撮像装置1は、生成した第1撮像画像をサーバ3に送信する。第1撮像画像は、ユーザが撮像装置1の撮像範囲の中心位置を指定するために用いられる撮像画像である。サーバ3は、撮像装置1から送信された第1撮像画像を取得する(
図2における(1))。
【0019】
続いて、サーバ3は、取得した第1撮像画像を携帯端末2に送信する。携帯端末2は、サーバ3から受信した第1撮像画像を画面に表示する(
図2における(2))。ユーザは、携帯端末2に表示された第1撮像画像において、撮像装置1により監視する際の撮像範囲の中心にしたい位置に触れることで、撮像範囲の中心位置を指定することができる(
図2における(3))。携帯端末2は、ユーザが触れた位置にアイコン画像(例えば、
図2における★印)を表示させる。
図2に示す例の場合、ユーザが、建物の入り口付近を撮像範囲の中心位置に合わせたいと考えていることがわかる。
【0020】
携帯端末2は、撮像範囲の中心位置にしたい位置としてユーザが指定した中心指定位置を特定するための位置情報をサーバ3に送信する。位置情報は、例えば、第1撮像画像における中心指定位置の座標である。
【0021】
サーバ3は、携帯端末2から送信された位置情報を取得すると(
図2における(4))、位置情報に対応する位置の近傍の画像を切り出して、切出画像を生成する(
図2における(5))。切出画像は、例えば50画素×50画素のサイズの画像である。サーバ3は、切出画像を生成すると、携帯端末2に対して、調整の開始が可能であることを通知するための調整許可情報を送信する。携帯端末2は、調整許可情報を受信すると、調整を開始できる旨を画面に表示する。ユーザは、調整が可能である旨を確認すると、撮像装置1の向きを動かすことにより、撮像範囲の調整を開始する。
【0022】
続いて、
図3を参照しながら、ユーザが撮像装置1の撮像範囲の調整を行う処理の流れの概要を説明する。撮像装置1は、ユーザが撮像範囲を調整中に、複数の第2撮像画像を順次サーバ3に送信する。第2撮像画像は、第1撮像画像よりも後に生成された撮像画像である。サーバ3は、第2撮像画像を取得すると(
図3における(6))、第2撮像画像において、切出画像と類似度が高い画像範囲を探索する。切出画像と類似度が高い画像範囲は、例えば、切出画像との間の相関値が所定の閾値以上となる画像である。サーバ3は、切出画像と類似度が高い画像範囲を特定すると、特定した画像範囲の中心位置を中心指定位置であると特定する。そして、サーバ3は、特定した中心指定位置と、第2撮像画像における中心位置との関係を特定する(
図3における(7))。
【0023】
サーバ3は、中心指定位置と中心位置との関係に基づく音を撮像装置1又は携帯端末2から出力するための音情報を生成し、撮像装置1又は携帯端末2に音情報を送信する。
図3においては、サーバ3が音情報を携帯端末2に送信する場合の例を示している。
【0024】
携帯端末2は、サーバ3から音情報を受信すると、音情報に基づく音をスピーカーから出力する(
図3における(8))。携帯端末2が出力する音の詳細については後述するが、例えば、携帯端末2は、ユーザが入力した中心指定位置と第2撮像画像の中心位置との距離、及び撮像装置1を上下左右のどの向きに動かすと中心指定位置と中心位置とが近付くかを示す音を出力する。携帯端末2がこのような音を出力することで、ユーザは、携帯端末2をポケットに入れた状態で、両手を使って一人で撮像装置1の向きを調整することができる。
【0025】
[サーバ3の構成]
以下、サーバ3の詳細な構成について説明する。
図4は、サーバ3の構成を示す図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。通信部31は、ネットワークNを介して情報を送受信するための通信インターフェースであり、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを含んでいる。通信部31は、撮像装置1又は携帯端末2から受信した情報を制御部33に通知する。また、通信部31は、制御部33から入力された情報を撮像装置1又は携帯端末2に送信する。
【0026】
記憶部32は、情報を記憶する記憶媒体であり、例えばハードディスク、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含んでいる。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。
【0027】
制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、撮像画像取得部331、表示制御部332、位置情報取得部333及び情報出力部334として機能する。
【0028】
撮像画像取得部331は、撮像装置1が送信した撮像画像を取得する。具体的には、撮像画像取得部331は、ユーザが中心指定位置を入力するために用いる第1撮像画像、及びユーザが撮像装置1の向きを調整中に撮像装置1から送信される第2撮像画像を取得する。
【0029】
表示制御部332は、第1撮像画像を携帯端末2の画面に表示させる。具体的には、表示制御部332は、撮像画像取得部331が取得した第1撮像画像を通信部31及びネットワークNを介して携帯端末2に送信することにより、携帯端末2の画面に第1撮像画像を表示させる。
【0030】
位置情報取得部333は、第1撮像画像における中心指定位置を示す位置情報として、携帯端末2においてユーザが入力した中心指定位置の座標データを取得する。位置情報取得部333は、取得した座標データを情報出力部334に入力する。
【0031】
情報出力部334は、撮像装置1の撮像範囲の調整に用いられる情報を生成し、生成した情報を撮像装置1又は携帯端末2へと出力する。ここでは、情報出力部334が、ユーザが撮像装置1の向きを調整する際に用いる音の音情報を生成し、生成した音情報を携帯端末2に送信する場合について説明する。
【0032】
情報出力部334は、撮像画像取得部331から、ユーザが撮像範囲を調整中に撮像装置1において撮像された第2撮像画像を取得し、位置情報取得部333から、中心指定位置の座標データを取得する。情報出力部334は、座標データに対応する位置を中心とする所定の領域を切り出した切出画像を生成する。そして、情報出力部334は、第2撮像画像において、切出画像と類似度が高い画像領域の位置を探索する。情報出力部334は、第2撮像画像における切出画像と類似度が高い画像領域を特定すると、特定した画像領域の中心の位置である中心指定位置と、第2撮像画像の中心位置との関係を示す情報を出力する。本実施形態の情報出力部334は、中心指定位置と中心位置との関係に基づいて変化する音の情報を出力する。
【0033】
[出力される音情報]
図5は、情報出力部334が生成する音情報の内容について説明するための図である。
図5における点線の円は、第2撮像画像の中心位置を示している。情報出力部334は、第2撮像画像において特定した中心指定位置が中心位置の右側の領域Rに含まれている場合、撮像装置1が撮像する向きを左向きに調整することを指示する内容を含む音情報を生成する。例えば、情報出力部334は、「左へ10度移動してください」のように、移動するべき向き、及び移動するべき量を示す音声を含む音情報を生成する。
【0034】
情報出力部334は、移動するべき量の代わりに、中心指定位置と中心位置との距離に応じて発生間隔が変化する電子音を含む音情報を生成してもよい。例えば、情報出力部334は、中心指定位置と中心位置との距離が第1距離である場合に「左へ、ピッ、ピッ、ピッ」と第1間隔(例えば1秒間隔)で発生する電子音を含む音情報を生成する。そして、情報出力部334は、中心指定位置と中心位置との距離が第1距離よりも短い第2距離になると、「左へ、ピピピピピ」と第1間隔よりも短い第2間隔(例えば0.5秒間隔)で発生する電子音を含む音情報を生成する。情報出力部334は、第2撮像画像において特定した中心指定位置が、第2撮像画像の中心位置から所定の範囲(例えば
図5の点線領域)に入った場合、調整を終了してよい旨を示す音情報を生成する。
【0035】
情報出力部334は、電子音の発生間隔を変化させる代わりに、中心指定位置と中心位置との距離に応じて電子音の周波数を変化させてもよい。また、情報出力部334は、移動させるべき向きに対応する態様の電子音を発生させてもよい。このように、情報出力部334が、中心指定位置と中心位置との距離に応じて変化する音の音情報を生成することにより、ユーザは、携帯端末2において、中心指定位置と中心位置との距離に応じて変化する音を聞きながら、撮像装置1の撮像範囲を調整することができる。なお、情報出力部334は、第2撮像画像において中心指定位置を特定できない場合、第2撮像画像に中心指定位置が含まれていないことを示す音情報を出力する。
【0036】
[作業支援システムSにおける処理シーケンス]
図6は、ユーザが撮像装置1の撮像範囲を調整する際の作業支援システムSにおける処理シーケンスの一例を示す図である。まず、撮像装置1は、第1撮像画像を生成し(S11)、生成した第1撮像画像をサーバ3に送信する。サーバ3は、受信した第1撮像画像を携帯端末2に転送する。
【0037】
携帯端末2は、受信した第1撮像画像を画面に表示させ、表示した第1撮像画像においてユーザが撮像範囲の中心にしたい位置の入力を受けることにより、中心指定位置を取得する(S12)。携帯端末2は、取得した中心指定位置の座標データをサーバ3に送信する。
【0038】
サーバ3の情報出力部334は、携帯端末2から受信した座標データに対応する位置の画像を第1撮像画像から切り出して切出画像を生成する(S13)。また、サーバ3の情報出力部334は、撮像装置1の調整を開始できる旨を示す調整許可情報を携帯端末2に通知する。携帯端末2は、調整許可情報を取得すると、調整を開始する指示を受け付けるための画面を表示する。例えば、携帯端末2は「調整開始」という指示入力画像を表示する。携帯端末2は、調整を開始するための指示をユーザから取得すると(S14)、調整開始指示をサーバ3に送信する。
【0039】
続いて、撮像装置1は、第2撮像画像を順次生成し(S15)、生成した第2撮像画像をサーバ3に送信する。サーバ3の情報出力部334は、取得した第2撮像画像における切出画像と類似する画像領域を中心指定位置として特定し(S16)、特定した中心指定位置と第2撮像画像の中心位置との関係を特定する(S17)。そして、情報出力部334は、特定した関係に基づいて音情報を生成し(S18)、生成した音情報を携帯端末2に送信する。携帯端末2は、サーバ3から受信した音情報をデコードして、撮像装置1の撮像範囲を調整するための音を出力する(S19)。携帯端末2は、第2撮像画像において特定された中心指定位置が、第2撮像画像の中心位置から所定の範囲に入った場合、調整を終了してよい旨を示す音を出力する。
【0040】
撮像装置1、携帯端末2及びサーバ3は、ユーザが調整を終了するまでの間、ステップS15からステップS19までの処理を繰り返す。ユーザが、例えば、携帯端末2の画面において調整を終了するための操作を行うと、調整を終了する旨がサーバ3に通知され、作業支援システムSは動作を終了する。
【0041】
[第1の実施形態の作業支援システムSによる効果]
以上説明したように、作業支援システムSにおいては、撮像範囲を調整する前に撮像装置1が生成した第1撮像画像を携帯端末2に表示させ、ユーザに、撮像範囲の中心にしたい位置を入力させる。そして、情報出力部334は、ユーザが入力した位置の画像と同一の画像又は類似する画像が、その後に撮像装置1から送られてくる第2撮像画像に含まれる位置を特定し、特定した位置と中心位置との関係を示す音情報を携帯端末2に出力する。作業支援システムSがこのような構成を有することにより、ユーザは、携帯端末2から出力される音を聞きながら、一人で適切な向きに撮像装置1の撮像範囲を調整することができる。
【0042】
特に、本実施形態のサーバ3は、ユーザが指定した位置の付近の切出画像を生成し、第2撮像画像において切出画像を探索することにより、第2撮像画像における中心位置と中心指定位置との関係を特定する。このように、ユーザが指定した中心指定位置の座標を用いないことで、撮像装置1の画素数によらず、第2撮像画像における中心位置と中心指定位置との関係を高い精度で特定することができる。
【0043】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、撮像装置1の撮像範囲を調整するために、ユーザが撮像装置1の撮像範囲を調整する場合について説明した。第2の実施形態は、撮像装置1が撮像範囲を自身で調整可能なカメラである点で第1の実施形態と異なる。撮像装置1は、外部から入力される制御情報に基づいて、左右方向にレンズの向きを移動するパンの動作、上下方向にレンズの向きを移動するチルトの動作、及び撮像画像を拡大・縮小するズームの動作を行うことができる。
【0044】
図7は、撮像装置1の構成を示す図である。撮像装置1は、撮像部11と、駆動部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0045】
撮像部11は、レンズを含む光学系部品と、レンズを介して入射した光を電気信号に変換する撮像素子とを有する。駆動部12は、制御部15の制御に基づいて撮像部11の光軸の向きとズーム率を変化させるアクチュエータを有する。通信部13は、携帯端末2又はサーバ3との間で情報を送受信するための無線又は有線の通信インターフェースである。通信部13は、例えば、サーバ3から目標画像を受信する。
【0046】
記憶部14は、ROM及びRAMを有しており、制御部15が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部14は、制御部15の制御に基づいて、撮像部11が生成した撮像画像を一時的に記憶する。
【0047】
制御部15は、例えばCPUである。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、駆動部12を制御して撮像部11の光軸の向きを変化させたり、撮像部11に撮像画像を生成させたりする。
【0048】
図8は、第2の実施形態の作業支援システムSにおいて撮像装置1の撮像範囲を調整する際の処理シーケンスの一例を示す図である。ステップS11及びステップS12は、
図6に示した第1の実施形態の処理シーケンスと同じである。
【0049】
サーバ3の情報出力部334は、ユーザにより入力された中心指定位置の座標データを取得すると、第1撮像画像における中心位置の座標を特定する(S21)。続いて、情報出力部334は、中心位置の座標と、中心指定位置の座標とを比較して、中心位置と中心指定位置との差を示す差分ベクトルを算出する(S22)。差分ベクトルは、撮像装置1のレンズの光軸の向きを移動させるべき向き及び量に相当する。情報出力部334は、算出した差分ベクトルに基づいて、撮像装置1を制御するための制御情報を生成する(S23)。
【0050】
具体的には、情報出力部334は、差分ベクトルの向き及び大きさに相当する水平方向の移動量であるパン量、及び垂直方向の移動量であるチルト量を含む制御情報を生成する。例えば、中心指定位置が、中心位置に対して、右向きに500画素、下向きに300画素だけ離れている場合、情報出力部334は、左向きに500画素のパン量、及び上向きに300画素のチルト量を含む制御情報を生成する。情報出力部334は、生成した制御情報を撮像装置1に送信する。撮像装置1の制御部15は、受信した制御情報に基づいて駆動部12を制御することにより、撮像部11の光軸の向きを変化させる(S24)。
【0051】
[第2の実施形態による効果]
以上説明したように、第2の実施形態の作業支援システムSにおいては、情報出力部334が、第1撮像画像においてユーザが入力した中心指定位置に対応する位置を第2撮像画像において特定し、特定した位置と第2撮像画像の中心位置との関係に基づく制御情報を撮像装置1に対して出力する。このようにすることで、ユーザは、撮像範囲の中心にしたい位置を第1撮像画像において指定するだけで、容易に撮像装置1の撮像範囲を調整することができる。
【0052】
<第3の実施形態>
第1の実施形態の作業支援システムSにおいては、サーバ3が音情報又は制御情報を生成するものとしたが、第3の実施形態の作業支援システムSにおいては、携帯端末2において音情報を生成する点で異なる。例えば、携帯端末2のCPUがプログラムを実行することにより、第1の実施形態のサーバ3における撮像画像取得部331、表示制御部332、位置情報取得部333及び情報出力部334と同等の機能を実行する。
【0053】
図9は、第3の実施形態の作業支援システムSにおいて撮像装置1の撮像範囲を調整する際の処理シーケンスの一例を示す図である。撮像装置1は、第1撮像画像を生成すると(S11)、第1撮像画像を携帯端末2に送信する。携帯端末2のCPUは、受信した第1撮像画像を表示し(S31)、ユーザによる中心指定位置の入力を受け付ける(S32)。携帯端末2のCPUは、ユーザが入力した中心指定位置の近傍の画像を切り出して切出画像を生成する(S33)。
【0054】
続いて、撮像装置1は第2撮像画像を生成し(S14)、第2撮像画像を携帯端末2に送信する。携帯端末2のCPUは、受信した第2撮像画像において切出画像と同一の画像又は類似する画像を探索し、第2撮像画像における中心指定位置を特定する(S34)。携帯端末2のCPUは、特定した中心指定位置と第2撮像画像の中心位置との関係を特定し(S35)、特定した関係に基づいて、撮像装置1の撮像範囲を調整するための音を出力する(S36)。
なお、撮像装置1が、第2の実施形態と同様にレンズの光軸の向きを移動可能なカメラである場合、携帯端末2は、音を出力する代わりに、撮像装置1に対して制御情報を送信してもよい。
【0055】
[第3の実施形態の作業支援システムSによる効果]
以上説明したように、第3の実施形態の作業支援システムSによれば、サーバ3を用いることなく、撮像装置1及び携帯端末2を用いることにより、一人のユーザが撮像装置1の撮像範囲を容易に調整することができる。
【0056】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0057】
例えば、以上の説明においては、携帯端末2又はサーバ3が音情報又は制御情報を出力する場合について説明したが、撮像装置1が、中心指定位置の座標データを携帯端末2から取得し、撮像装置1のCPUがプログラムを実行することにより、音情報を生成したり、自身のレンズの向きを制御するための制御情報を生成したりしてもよい。すなわち、本発明の情報出力装置は、サーバ3に限らず、撮像装置1又は携帯端末2が情報出力装置の全ての構成又は一部の構成を含んでいてもよい。