【解決手段】自己の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体の位置に関する情報を取得する移動体位置情報取得部と、前記移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報を取得する相対位置関係情報取得部と、前記移動体位置情報取得部により取得された情報および前記相対位置関係情報取得部により取得された情報に基づいて、前記移動体の位置に関する条件および前記相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する判定部と、を備える処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
[移動体処理システム]
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る移動体処理システム1の概略的な構成例を示す図である。
移動体処理システム1は、移動体11と、端末装置12と、サーバ装置13と、無線装置31、32と、ネットワーク41を備える。
移動体11は、移動体処理装置21を備える。
本実施形態では、移動体11と端末装置12との相対的な位置の関係(相対位置関係)の一例として、移動体11と端末装置12との距離を用いる。
【0014】
図1の例では、サーバ装置13と、無線装置31と、無線装置32が、それぞれ、ネットワーク41と接続されている。ネットワーク41は、有線のネットワークであってもよく、無線のネットワークであってもよく、あるいは、有線と無線の両方を含むネットワークであってもよい。サーバ装置13と、無線装置31と、無線装置32は、それぞれ、所定の場所に設置されている。本実施形態では、サーバ装置13と、無線装置31と、無線装置32は、それぞれ、異なる場所に設置されている。
【0015】
移動体11の移動体処理装置21は、無線装置31との間で、無線により通信を行う。
端末装置12は、無線装置32との間で、無線により通信を行う。
本実施形態では、移動体処理装置21と端末装置12が、それぞれ異なる無線装置31、32と無線により通信を行う場合を示すが、他の例として、移動体処理装置21と端末装置12が、同一の無線装置(
図1の例では、2個の無線装置31、32のうちの任意の一方)と無線により通信を行ってもよい。
【0016】
ここで、移動体11は、任意の物体であってもよく、本実施形態では、自動車であり、いわゆるコネクテッドカーである。
なお、移動体11は、例えば、自己(当該移動体11)の動力または自己以外(当該移動体11以外のもの)から与えられる動力によって移動可能な物体である。具体例として、移動体11は、当該移動体11が有する駆動部によって駆動することで移動する自動車、自転車、ロボットなどであってもよく、あるいは、外部の人または外部の装置の力(駆動力)によって移動させられる家電機器、カード機器、携帯機器などであってもよい。
【0017】
移動体処理装置21は、例えば、移動体11に内蔵されて備えられてもよく、あるいは、移動体11に付加されることで備えられてもよい。移動体処理装置21は、例えば、移動体11と一体化されてもよく、あるいは、移動体11に対して着脱可能であってもよい。移動体11と移動体処理装置21とが一体化された構成では、例えば、これらが区別されずに、移動体11がこれらのすべての機能を有すると捉えられてもよい。
本実施形態では、移動体処理装置21は、自動車に備えられる車載装置(車載器)であってもよい。
【0018】
それぞれの無線装置31、32は、無線により通信を行う任意の装置であってもよく、例えば、携帯電話(スマートフォンでもよい。)などの移動体通信の基地局装置であってもよく、あるいは、他の装置であってもよい。
ネットワーク41は、任意のネットワークであってもよく、例えば、インターネットであってもよく、あるいは、一部にインターネットを含んでもよい。
端末装置12は、無線により通信を行う任意の装置であってもよく、例えば、携帯電話(スマートフォンでもよい。)などの携帯端末の装置であってもよく、タブレット端末の装置であってもよく、パーソナルコンピュータであってもよく、あるいは、他の装置であってもよい。
【0019】
本実施形態では、移動体11の移動体処理装置21が無線装置31およびネットワーク41を介してサーバ装置13と通信を行い、端末装置12が無線装置32およびネットワーク41を介してサーバ装置13と通信を行う。そして、サーバ装置13が移動体処理装置21と端末装置12との間の通信を中継することで、移動体処理装置21と端末装置12とが通信を行う。
このように、本実施形態では、移動体処理装置21と端末装置12とが、サーバ装置13を介して、通信を行う。本実施形態では、サーバ装置13は、通信を中継するものであり、例えば、ゲートウェイの機能を有する。
【0020】
なお、
図1の例では、1個のサーバ装置13と、2個の無線装置31を例示してあるが、それぞれの数は、任意であってもよい。また、サーバ装置13と、無線装置31、32と、ネットワーク41の配置(接続関係)としては、任意の配置が用いられてもよい。
また、
図1の例では、1個の移動体11(および1個の移動体処理装置21)と、1個の端末装置12を例示してあるが、それぞれの数は、2以上の任意の数であってもよい。移動体11、移動体処理装置21、端末装置12のうちの1以上について、複数備えられる場合には、例えば、これら複数のそれぞれが識別情報(ID)を用いて識別されてもよい。
【0021】
[移動体処理装置]
図2は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る移動体処理装置21の概略的な構成例を示す図である。
移動体処理装置21は、入力部111と、出力部112と、記憶部113と、通信部114と、位置情報取得部115と、制御部116を備える。
制御部116は、移動体位置情報取得部131と、端末位置情報取得部132と、距離情報取得部133と、移動体位置条件取得部134と、距離条件取得部135と、判定部136と、移動体制御部137を備える。
判定部136は、移動体位置判定部151と、距離判定部152を備える。
【0022】
入力部111は、外部から情報を入力する。入力部111は、例えば、ユーザ(人)により行われる操作を受け付ける操作部を有し、当該操作部により受け付けられた操作に応じた情報を入力する。また、入力部111は、例えば、外部の装置(例えば、記録媒体など)と接続されて当該外部の装置から出力される情報を入力する。
出力部112は、情報を出力する。出力部112は、例えば、画面を有しており、情報を画面に表示(出力)する。出力部112は、例えば、外部の装置(例えば、記録媒体など)と接続されて当該外部の装置に情報を出力する。
記憶部113は、情報を記憶する。
通信部114は、情報を通信する。本実施形態では、通信部114は、無線装置31(無線装置32であってもよい。)との間で信号を無線により通信することで、当該信号に含まれる情報を通信する。
【0023】
位置情報取得部115は、移動体11の位置に関する情報を取得する。この位置に関する情報は、例えば、移動体11の位置を特定することが可能な情報である。位置情報取得部115は、一例として、GPS(Global Positioning System)の機能を有して、当該機能により位置に関する情報を取得してもよく、あるいは、他の機能を有して、当該他の機能により位置に関する情報を取得してもよい。
ここで、本実施形態では、位置情報取得部115により取得される情報には、例えば、地上などの平面における二次元の位置の情報が含まれてもよく、あるいは、三次元の位置の情報が含まれてもよい。具体例として、位置情報取得部115により取得される情報には、緯度および経度の情報、方位の情報、あるいは、高度の情報のうちの1以上が含まれてもよい。なお、位置情報取得部115により取得される情報には、少なくとも、当該情報に基づいて行われる処理を実行することが可能な情報が含まれていればよい。
ここで、例えば、位置に関する情報を取得する位置情報取得部115を備える移動体処理装置21が移動体11に付加されるような構成では、正確には位置情報取得部115は当該位置情報取得部115の位置に関する情報を取得すると考えられる場合もあるが、本実施形態では、位置情報取得部115により取得される情報によって特定される位置は移動体11の位置であるとする。
なお、移動体11と移動体処理装置21とが近くに位置する場合、あるいは、移動体11と移動体処理装置21とが一体化された場合などであって、両者の位置の相違が処理に支障を与えないような場合には、移動体11の位置と移動体処理装置21の位置とは特に区別されなくても構わない。
【0024】
制御部116は、移動体処理装置21における各種の制御を行う。
本実施形態では、記憶部113は、所定の制御プログラムおよびそのパラメーターの情報を記憶する。また、制御部116は、CPU(Central Processing Unit)を用いて構成される。そして、制御部116では、CPUが記憶部113に記憶された制御プログラムを、記憶部113に記憶されたパラメーターを使用して実行することで、各種の制御を行う。
【0025】
なお、移動体処理装置21について、
図2に示した各処理部111〜116を備える構成は一例であり、他の構成が用いられてもよい。例えば、各処理部111〜116の機能の区分は、説明の便宜上のものであり、必ずしも
図2に示した構成に限定されない。
【0026】
制御部116の機能について説明する。
移動体位置情報取得部131は、位置情報取得部115により取得された移動体11の位置に関する情報を取得する。
端末位置情報取得部132は、端末装置12の位置に関する情報を取得する。本実施形態では、端末位置情報取得部132は、端末装置12から移動体処理装置21に送られた当該端末装置12の位置に関する情報を取得する。
距離情報取得部133は、移動体位置情報取得部131により取得された情報および端末位置情報取得部132により取得された情報に基づいて、移動体11と端末装置12との距離に関する情報を取得(例えば、演算)する。この距離に関する情報は、例えば、移動体11と端末装置12との距離を特定することが可能な情報である。
【0027】
移動体位置条件取得部134は、移動体11の位置に関する条件の情報(移動体位置条件情報)を取得する。本実施形態では、移動体位置条件情報は、あらかじめ、あるいは、任意のタイミングで、記憶部113に記憶される。移動体位置条件情報は、例えば、入力部111によりユーザなどから入力された情報に基づいて記憶部113に記憶させられてもよく、あるいは、通信部114により端末装置12などから入力された情報に基づいて記憶部113に記憶させられてもよい。
距離条件取得部135は、移動体11と端末装置12との距離に関する条件の情報(距離条件情報)を取得する。本実施形態では、距離条件情報は、あらかじめ、あるいは、任意のタイミングで、記憶部113に記憶される。距離条件情報は、例えば、入力部111によりユーザなどから入力された情報に基づいて記憶部113に記憶させられてもよく、あるいは、通信部114により端末装置12などから入力された情報に基づいて記憶部113に記憶させられてもよい。
ここで、本実施形態では、移動体11と端末装置12との相対位置関係に関する条件(相対位置関係条件)の一例として、移動体11と端末装置12との距離に関する条件(距離条件)が用いられており、そして、相対位置関係条件の情報(相対位置関係条件情報)の一例として、距離条件情報が用いられている。
【0028】
判定部136は、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことについて、判定を行う。
本実施形態では、判定部136は、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを許可するか否かを判定する。この場合に、判定部136は、例えば、移動体11に関する制御の項目が複数ある場合に、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを許可する項目(あるいは、許可しない項目)を判定してもよい。
【0029】
移動体位置判定部151は、移動体11の位置に関する判定を行う。本実施形態では、移動体位置判定部151は、移動体位置情報取得部131により取得された情報および移動体位置条件取得部134により取得された移動体位置条件情報に基づいて、移動体11の位置が当該移動体位置条件情報に相当する条件(移動体位置条件)を満たすか否かを判定する。
距離判定部152は、移動体11と端末装置12との距離に関する判定を行う。本実施形態では、距離判定部152は、距離情報取得部133により取得された情報および距離条件取得部135により取得された距離条件情報に基づいて、移動体11と端末装置12との距離が当該距離条件情報に相当する条件(距離条件)を満たすか否かを判定する。
【0030】
ここで、本実施形態では、判定部136は、移動体位置判定部151により移動体位置条件を満たすことが判定され、かつ、距離判定部152により距離条件を満たすことが判定された場合に、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを許可することを判定する。この許可は、例えば、制御全般(制御のすべての項目)の許可であってもよく、あるいは、制御の項目ごとの許可であってもよい。
また、本実施形態では、判定部136は、移動体位置判定部151により移動体位置条件を満たさないことが判定され、かつ、距離判定部152により距離条件を満たさないことが判定された場合に、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを許可しないことを判定する。この不許可(許可しないこと)は、例えば、制御全般(制御のすべての項目)の不許可であってもよく、あるいは、制御の項目ごとの不許可であってもよい。
【0031】
また、本実施形態では、判定部136は、移動体位置判定部151により移動体位置条件を満たすことが判定され、かつ、距離判定部152により距離条件を満たさないことが判定された場合に、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを許可しないことを判定する。この不許可(許可しないこと)は、例えば、制御全般(制御のすべての項目)の不許可であってもよく、あるいは、制御の項目ごとの不許可であってもよい。
なお、他の例として、判定部136は、このような場合に、移動体位置条件と距離条件の両方が満たされる場合と比べて、端末装置12による移動体11に関する制御に関して、一部の項目の制御だけを許可する(または、許可しない)ことを判定してもよい。
【0032】
また、本実施形態では、判定部136は、移動体位置判定部151により移動体位置条件を満たさないことが判定され、かつ、距離判定部152により距離条件を満たすことが判定された場合に、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを許可しないことを判定する。この不許可(許可しないこと)は、例えば、制御全般(制御のすべての項目)の不許可であってもよく、あるいは、制御の項目ごとの不許可であってもよい。
なお、他の例として、判定部136は、このような場合に、移動体位置条件と距離条件の両方が満たされる場合と比べて、端末装置12による移動体11に関する制御に関して、一部の項目の制御だけを許可する(または、許可しない)ことを判定してもよい。
【0033】
移動体制御部137は、判定部136による判定の結果に基づいて、移動体11に関する制御を行う。
本実施形態では、移動体制御部137は、判定部136によって許可された範囲(例えば、すべての項目または一部の項目)において、端末装置12から移動体処理装置21に送られる指示(移動体11に関する指示)に応じて移動体11に関する制御を行う。
この場合、本実施形態では、移動体制御部137は、判定部136によって許可されなかった範囲(例えば、すべての項目または一部の項目)において、端末装置12から移動体処理装置21に送られる指示(移動体11に関する指示)に応じて移動体11に関する制御を行うことを実行しないようにする。
ここで、移動体制御部137は、判定部136によってすべての制御が許可されなかった端末装置12について、当該端末装置12から移動体11へのすべてのアクセス(または、一部のアクセスでもよい。)を遮断する制御を行ってもよい。
【0034】
また、移動体制御部137は、移動体11に関する制御として、判定部136による判定の結果に関する情報を出力する制御を行ってもよい。この出力の態様は、例えば、情報を画面に表示(出力)する態様であってもよい。また、この出力は、任意の装置において行われてもよく、例えば、移動体処理装置21、端末装置12、サーバ装置13などのうちの1以上で行われてもよい。この出力が移動体処理装置21以外の装置で行われる場合には、例えば、その出力の指示を移動体処理装置21が当該装置に送り、当該装置が当該指示を受けたことに応じてその出力を行う。当該装置として、端末装置12あるいは他の端末装置を用いた場合、移動体処理装置21から当該装置に対して、判定部136による判定の結果に関する情報をリモートで通知することができる。
【0035】
また、この出力の内容(出力される情報)としては、任意の情報が用いられてもよく、例えば、制御が許可されたこと、制御が許可されなかったこと、制御が許可されなかった場合における警告(ウォーニング)、制御が許可された項目などの範囲、制御が許可されなかった項目などの範囲などのうちの1以上の情報が用いられてもよい。制御が許可されなかった場合における警告は、例えば、時刻、移動体11の位置、端末装置12の位置、移動体11と端末装置12との距離、移動体11の識別情報、端末装置12の識別情報などのうちの1以上を含んでもよい。
【0036】
なお、本実施形態では、移動体処理装置21が、端末装置12からの指示を受けて、当該指示に応じた制御を移動体11に対して実行する構成としたが、他の構成例として、移動体11が有する他の機能(すなわち、移動体処理装置21以外の機能)が、端末装置12からの指示を受けて、当該指示に応じた制御を当該移動体11に対して実行してもよい。この場合、この制御の抑制は、例えば、移動体処理装置21により行われてもよく、あるいは、移動体11が有する他の機能(すなわち、移動体処理装置21以外の機能)により行われてもよい。
いずれの構成においても、本実施形態では、移動体処理装置21が端末装置12に対して許可した範囲で、当該端末装置12が移動体11に対する制御を行うことが可能な構成となっている。
【0037】
他の構成例として、移動体処理装置21の移動体制御部137は、判定部136によって端末装置12から移動体11への制御が許可されなかったときに、その旨を所定の装置に通知し、これに応じて当該所定の装置から当該制御を許可する指示を受信した場合に、端末装置12から移動体11への当該制御を許可する構成が用いられてもよい。当該所定の装置は、任意の装置であってもよく、例えば、移動体11の管理者(人)などにより所有される装置であってもよい。
なお、ある装置から他の装置への通知としては、例えば、専用のアプリケーションによる通知、電子メールによる通知、あるいは、SMS(Short Message Service)のメールによる通知などが用いられてもよい。また、例えば、あらかじめ、移動体処理装置21の記憶部113に、通知の宛先アドレスが設定されて記憶されてもよい。このような通知は、例えば、移動体処理装置21から当該所定の装置に直接送信されてもよく、あるいは、移動体処理装置21から、ネットワーク41あるいはサーバ装置13などを介して、当該所定の装置に送信されてもよい。
【0038】
[端末装置]
図3は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る端末装置12の概略的な構成例を示す図である。
本実施形態では、端末装置12は、移動体11に対して遠隔制御などの離隔制御(リモート制御)を行う装置として用いられる。
端末装置12は、入力部211と、出力部212と、記憶部213と、通信部214と、位置情報取得部215と、制御部216を備える。
制御部216は、端末位置情報通知部231と、移動体離隔制御部232を備える。
【0039】
入力部211は、外部から情報を入力する。入力部211は、例えば、ユーザ(人)により行われる操作を受け付ける操作部を有し、当該操作部により受け付けられた操作に応じた情報を入力する。入力部211は、例えば、外部の装置(例えば、記録媒体など)と接続されて当該外部の装置から出力される情報を入力する。
出力部212は、情報を出力する。出力部212は、例えば、画面を有しており、情報を画面に表示(出力)する。出力部212は、例えば、外部の装置(例えば、記録媒体など)と接続されて当該外部の装置に情報を出力する。
記憶部213は、情報を記憶する。
通信部214は、情報を通信する。本実施形態では、通信部214は、無線装置32(無線装置31であってもよい。)との間で信号を無線により通信することで、当該信号に含まれる情報を通信する。
【0040】
位置情報取得部215は、端末装置12の位置に関する情報を取得する。この位置に関する情報は、例えば、端末装置12の位置を特定することが可能な情報である。位置情報取得部215は、一例として、GPSの機能を有して、当該機能により位置に関する情報を取得してもよく、あるいは、他の機能を有して、当該他の機能により位置に関する情報を取得してもよい。
ここで、本実施形態では、位置情報取得部215により取得される情報には、例えば、地上などの平面における二次元の位置の情報が含まれてもよく、あるいは、三次元の位置の情報が含まれてもよい。具体例として、位置情報取得部215により取得される情報には、緯度および経度の情報、方位の情報、あるいは、高度の情報のうちの1以上が含まれてもよい。なお、位置情報取得部215により取得される情報には、少なくとも、当該情報に基づいて行われる処理を実行することが可能な情報が含まれていればよい。
【0041】
制御部216は、端末装置12における各種の制御を行う。
本実施形態では、記憶部213は、所定の制御プログラムおよびそのパラメーターの情報を記憶する。また、制御部216は、CPUを用いて構成される。そして、制御部216では、CPUが記憶部213に記憶された制御プログラムを、記憶部213に記憶されたパラメーターを使用して実行することで、各種の制御を行う。
【0042】
なお、端末装置12について、
図3に示した各処理部211〜216を備える構成は一例であり、他の構成が用いられてもよい。例えば、各処理部211〜216の機能の区分は、説明の便宜上のものであり、必ずしも
図3に示した構成に限定されない。
【0043】
制御部216の機能について説明する。
端末位置情報通知部231は、位置情報取得部215により取得された端末装置12の位置に関する情報を取得して、当該情報を移動体処理装置21に通知する。本実施形態では、端末位置情報通知部231は、当該情報を移動体処理装置21に宛てて通信部214により送信することで、当該情報を移動体処理装置21に通知する。この場合、移動体処理装置21は、当該情報を通信部114により受信する。
移動体離隔制御部232は、移動体11に関する指示を移動体処理装置21に送る。移動体11に関する指示は、移動体11に関する制御を要求する指示である。当該指示には、要求される制御の項目が含まれてもよい。本実施形態では、移動体離隔制御部232は、移動体11に関する指示を示す情報を移動体処理装置21に宛てて通信部214により送信することで、当該指示を移動体処理装置21に送る。この場合、移動体処理装置21は、当該情報を通信部114により受信して、当該情報により示される指示に応じた制御を移動体制御部137により移動体11に対して実行する。
【0044】
ここで、移動体11に関する制御としては、任意の制御が用いられてもよく、例えば、移動体11自体の制御が用いられてもよく、あるいは、移動体11に関連する他の物の制御が用いられてもよい。移動体11に関連する他の物としては、例えば、移動体11の内部または外部に付加された物であってもよい。
例えば、移動体11に関する制御としては、制御の項目(制御の内容)ごとの制御であってもよい。制御の項目としては、任意の項目が用いられてもよく、例えば、電源のオンとオフとの切り替え、電源以外の任意の2個以上の状態の切り替え、所定の動作の実行、所定の動作の停止、所定のレベルの増加または減少、速度あるいは加速度の設定、記憶情報に関する制御などが用いられてもよい。一例として、移動体11が自動車である場合には、制御の項目として、ドアのロック、ドアのアンロック、アクセル(前進または後進)、ステアリング、ブレーキ、速度、加速度、ライト、バンパー、車内の空調、バッテリの充電状況などに関する項目が用いられてもよい。
また、移動体11に関する指示は、例えば、ユーザが入力部211の操作部を操作した内容に応じた指示であってもよく、あるいは、あらかじめ端末装置12に設定された指示(例えば、あらかじめ記憶部213に記憶された情報に基づく指示)であってもよい。
【0045】
[サーバ装置]
図4は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係るサーバ装置13(情報処理装置の一例)の概略的な構成例を示す図である。
サーバ装置13は、入力部311と、出力部312と、記憶部313と、通信部314と、制御部315を備える。
制御部315は、通信制御部331を備える。
【0046】
入力部311は、外部から情報を入力する。入力部311は、例えば、ユーザ(人)により行われる操作を受け付ける操作部を有し、当該操作部により受け付けられた操作に応じた情報を入力する。入力部311は、例えば、外部の装置(例えば、記録媒体など)と接続されて当該外部の装置から出力される情報を入力する。
出力部312は、情報を出力する。出力部312は、例えば、画面を有しており、情報を画面に表示(出力)する。出力部312は、例えば、外部の装置(例えば、記録媒体など)と接続されて当該外部の装置に情報を出力する。
記憶部313は、情報を記憶する。
通信部314は、情報を通信する。本実施形態では、通信部314は、ネットワーク41を介して端末装置12との間で信号を通信することで、当該信号に含まれる情報を通信する。また、通信部314は、ネットワーク41を介して移動体処理装置21との間で信号を通信することで、当該信号に含まれる情報を通信する。
【0047】
制御部315は、サーバ装置13における各種の制御を行う。
本実施形態では、記憶部313は、所定の制御プログラムおよびそのパラメーターの情報を記憶する。また、制御部315は、CPUを用いて構成される。そして、制御部315では、CPUが記憶部313に記憶された制御プログラムを、記憶部313に記憶されたパラメーターを使用して実行することで、各種の制御を行う。
【0048】
なお、サーバ装置13について、
図4に示した各処理部311〜315を備える構成は一例であり、他の構成が用いられてもよい。例えば、各処理部311〜315の機能の区分は、説明の便宜上のものであり、必ずしも
図4に示した構成に限定されない。
【0049】
制御部315の機能について説明する。
通信制御部331は、通信部314により端末装置12から受信された信号を通信部314により移動体処理装置21に送信する制御を行い、また、通信部314により移動体処理装置21から受信された信号を通信部314により端末装置12に送信する制御を行う。これにより、通信制御部331は、端末装置12と移動体処理装置21との間の通信を中継する制御を行う。
【0050】
[移動体位置条件]
図5は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る移動体位置条件の一例を示す図である。
図5の例では、移動体11の基準位置1011と、半径R1が設定されている。そして、移動体11の基準位置1011を中心とする半径R1の円の内側の範囲を許容範囲1021とし、移動体11の位置が許容範囲1021の内側に存在する場合に条件が満たされたとする移動体位置条件が用いられる。移動体11の基準位置1011は、任意の位置であってもよく、例えば、固定的な位置である。半径R1は、任意の値であってもよく、例えば、本実施形態において、50kmあるいは100kmなどであってもよい。
この場合、移動体位置条件情報は、例えば、移動体11の基準位置1011の情報および半径R1の情報であってもよく、あるいは、許容範囲1021の情報であってもよく、あるいは、許容範囲1021を特定することが可能な他の情報であってもよい。
この場合、移動体処理装置21における移動体位置判定部151は、移動体11の位置が許容範囲1021の内側に存在する場合に移動体位置条件が満たされたことを判定し、他の場合には移動体位置条件が満たされていないことを判定する。
なお、許容範囲1021の境界線については、例えば、条件を満たすと定められてもよく、あるいは、条件を満たさないと定められてもよい。
【0051】
図6は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る移動体位置条件の他の例を示す図である。
図6の例では、移動体11の基準位置1111を含む許容範囲1121が設定されている。許容範囲1121は、任意の範囲であってもよく、例えば、都道府県あるいは市区町村などの所定の地域の範囲であってもよい。移動体11の基準位置1111は、任意の位置であってもよく、例えば、固定的な位置である。
ここで、許容範囲1121は、例えば、移動体11の基準位置1111を中心として、それぞれの方向(例えば、東西南北などの方位)ごとに許容される離隔距離が設定された範囲であると捉えることも可能である。つまり、移動体11の基準位置1111に対してある方向についてはある許容される離隔距離が設定されており、当該方向については当該離隔距離以下(または、当該離隔距離未満)の位置が許容される。それぞれの方向について許容される離隔距離は異なってもよく、例えば、すべての方向について許容される離隔距離が一定である場合には
図5の例のように円状の許容範囲となる。
【0052】
そして、移動体11の位置が許容範囲1121の内側に存在する場合に条件が満たされたとする移動体位置条件が用いられる。
この場合、移動体位置条件情報は、例えば、移動体11の基準位置1111の情報およびそれぞれの方向について許容される離隔距離の情報であってもよく、あるいは、許容範囲1121の情報であってもよく、あるいは、許容範囲1121を特定することが可能な他の情報であってもよい。
この場合、移動体位置判定部151は、移動体11の位置が許容範囲1121の内側に存在する場合に移動体位置条件が満たされたことを判定し、他の場合には移動体位置条件が満たされていないことを判定する。
なお、許容範囲1121の境界線については、例えば、条件を満たすと定められてもよく、あるいは、条件を満たさないと定められてもよい。
ここで、
図6の例では、移動体の基準位置1111の情報がなくても許容範囲1121を定義することが可能であることから、移動体の基準位置1111の情報が用いられなくてもよい。
【0053】
他の例として、移動体位置条件を設定するにあたって、移動体11の基準位置の代わりに、移動体11の基準範囲が用いられてもよい。移動体11の基準範囲としては、任意の範囲が用いられてもよく、例えば、
図6に示される許容範囲1121のような範囲が用いられてもよい。そして、移動体位置条件としては、例えば、移動体11の基準範囲の外側の範囲であり、かつ、移動体11の基準範囲の境界線と移動体11との距離が所定の距離以下(または、所定の距離未満)である範囲を許容範囲とし、移動体11の位置が当該許容範囲の内側に存在する場合に条件が満たされたとする条件が用いられてもよい。この場合、移動体11の基準範囲の境界線と移動体11との距離は、例えば、当該境界線上の任意の点のうちで移動体11との距離が最も短く(小さく)なるところの距離が用いられてもよい。
なお、この構成においても、許容範囲は、例えば、
図6に示される許容範囲1121のように、所定の範囲となり得る。
【0054】
他の例として、
図5の例あるいは
図6の例に示される許容範囲1021、1121などのような任意の許容範囲が2個以上設定されて、これら2個以上の許容範囲のすべてについてそれぞれの許容範囲の内側に移動体11の位置があるという条件が移動体位置条件として用いられてもよい。この場合、複数用意された許容範囲のうちで2個以上の所定数の許容範囲の組み合わせを移動体位置条件とすることが可能である。この場合、例えば、移動体位置条件情報には、当該所定数の許容範囲の組み合わせを行うべき許容範囲を示す情報(つまり、当該所定数の許容範囲を示す情報)が含まれる。
【0055】
ここで、
図5の例および
図6の例では、移動体11が移動する領域を平面状に捉えた場合(例えば、移動体11である自動車が地上を走行し、平面状の地図で捉えて、高度を考慮しない場合)における移動体位置条件(二次元の許容範囲)を示したが、他の例として、三次元を考慮した移動体位置条件が用いられてもよい。つまり、移動体位置条件として、三次元の許容範囲が用いられてもよい。
なお、移動体位置条件では、通常、許容範囲が小さい方が安全性が高いと考えられるが、使い勝手などを考慮して、任意に設定されてもよい。
【0056】
[距離条件]
図7は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る距離条件の一例を示す図である。
図7の例では、距離の閾値(距離閾値R11)が設定されている。そして、移動体11の位置を中心とする半径が距離閾値R11である円の内側の範囲を許容範囲1211とし、端末装置12の位置が許容範囲1211の内側に存在する場合に条件が満たされたとする距離条件が用いられる。つまり、当該距離条件では、移動体11の位置と端末装置12の位置との間の距離D1が所定の距離閾値R11以下(または、所定の距離閾値R11未満)である場合に条件が満たされたとされる。移動体11の位置は、当該移動体11の移動によって変化し得る。距離閾値R11は、任意の値であってもよく、例えば、本実施形態において、1kmあるいは5kmなどであってもよい。
この場合、距離条件情報は、例えば、距離閾値R11の情報である。
この場合、距離判定部152は、移動体11の位置と端末装置12の位置との距離D1が所定の距離閾値R11以下(または、所定の距離閾値R11未満)である場合に距離条件が満たされたことを判定し、他の場合には距離条件が満たされていないことを判定する。
なお、距離閾値R11と一致する距離については、例えば、条件を満たすと定められてもよく、あるいは、条件を満たさないと定められてもよい。
【0057】
ここで、距離条件の他の例として、移動体11の位置を中心とするそれぞれの方向について距離の閾値(距離閾値)が設定されてもよい。この場合、許容範囲は、例えば、移動体11の位置を中心として、それぞれの方向(例えば、東西南北などの方位)ごとに許容される離隔距離(距離閾値)が設定された範囲であると捉えることも可能である。つまり、移動体11の位置に対してある方向についてはある許容される離隔距離(距離閾値)が設定されており、当該方向については当該離隔距離以下(または、当該離隔距離未満)の位置が許容される。それぞれの方向について許容される離隔距離(距離閾値)は異なってもよく、例えば、すべての方向について許容される離隔距離(距離閾値)が一定である場合には
図7の例のように円状の許容範囲となる。
この場合、距離条件情報は、例えば、移動体11の位置に対するそれぞれの方向について許容される離隔距離(距離閾値)の情報であってもよい。
【0058】
ここで、
図7の例では、移動体11および端末装置12が移動する領域を平面状に捉えた場合における距離条件(二次元の許容範囲)を示したが、他の例として、三次元を考慮した距離条件が用いられてもよい。つまり、距離条件として、三次元の許容範囲が用いられてもよい。
【0059】
なお、距離条件では、通常、許容範囲が小さい方が安全性が高いと考えられるが、使い勝手などを考慮して、任意に設定されてもよい。特に、例えば、移動体11が自動車である場合、移動する自動車に対して距離条件の許容範囲を小さくすると、セキュリティが高まると考えられる。距離条件が無いと、ある国に存在する移動体11に対して他の国に存在する端末装置12からの制御も可能であるが、本実施形態では、このような制御を禁止するときには、このような制御を許可しないことができる。
また、一例として、許容範囲が距離を用いて定められる場合、移動体位置条件における許容範囲の距離よりも、距離条件における許容範囲の距離を小さくした構成が、安全性の観点で、好ましい一例である。
【0060】
[距離以外の相対位置関係について]
ここで、本実施形態では、移動体11と端末装置12との相対位置関係の一例として距離が用いられているが、他の構成例として、距離以外の任意の相対位置関係が用いられてもよく、この構成では、例えば、移動体11と端末装置12との相対位置関係が所定の範囲である場合(所定の範囲に収まる場合)に条件が満たされたとされる相対位置関係条件が用いられてもよい。
【0061】
一例として、移動体11と端末装置12との相対位置関係として、高度が用いられてもよく、この構成では、例えば、端末装置12の高度が移動体11の高度未満である場合(あるいは、端末装置12の高度が移動体11の高度以下である場合でもよい。)に条件が満たされたとされる相対位置関係条件が用いられてもよい。この相対位置関係条件では、端末装置12の高度が移動体11の高度以上である場合(あるいは、端末装置12の高度が移動体11の高度を超える場合でもよい。)には、条件が満たされないとされる。
他の例として、移動体11と端末装置12との相対位置関係として、高度および高度以外の相対位置関係が用いられてもよく、この構成では、例えば、端末装置12の高度が移動体11の高度未満である場合(あるいは、端末装置12の高度が移動体11の高度以下である場合でもよい。)であって、かつ、高度以外の相対位置関係(例えば、地上の平面における距離)が所定の範囲である場合に条件が満たされたとされる相対位置関係条件が用いられてもよい。この相対位置関係条件では、端末装置12の高度が移動体11の高度以上である場合(端末装置12の高度が移動体11の高度を超える場合でもよい。)、あるいは、移動体11と端末装置12との高度以外の相対位置関係が所定の範囲ではない場合には、条件が満たされないとされる。
なお、端末装置12の高度が移動体11の高度を超える場合は、例えば、端末装置12が移動体11よりも上空(ここでは、高度以外は考慮していない。)に存在する場合に相当する。また、このような高度の条件とともに、さらに高度以外の相対位置関係についての条件が用いられてもよい。
【0062】
他の例として、移動体11と端末装置12との相対位置関係として、東西南北などの方位が用いられてもよく、この構成では、例えば、移動体11と端末装置12との方位(例えば、方位角)の差が±20度以上である場合(あるいは、当該差が±20度を超える場合であってもよい。)に条件が満たされたとされる相対位置関係条件が用いられてもよい。この相対位置関係条件では、移動体11と端末装置12との方位(例えば、方位角)の差が±20度未満である場合(あるいは、当該差が±20度以下である場合であってもよい。)に条件が満たされないとされる。なお、閾値(ここでは、20度)としては、任意の値が用いられてもよい。方位は、例えば、緯度および経度の情報に基づいて特定されてもよい。
【0063】
なお、上記は例示であって、例えば、条件が満たされるとされる場合と、条件が満たされないとされる場合とが、逆であってもよい。
また、2種類以上の相対位置関係が用いられてもよく、例えば、これらのうちの少なくとも1つの条件が満たされた場合に全体の条件が満たされたとされてもよく、あるいは、これらのすべての条件が満たされた場合に全体の条件が満たされたとされてもよい。
【0064】
このように、移動体11と端末装置12との相対位置関係が用いられる構成では、例えば、距離条件情報の代わりに相対位置関係条件情報が用いられ、距離情報取得部133の代わりに設けられる相対位置関係情報取得部が相対位置関係に関する情報(相対位置関係情報)を取得し、距離条件取得部135の代わりに設けられる相対位置関係条件取得部が相対位置関係条件情報を取得し、距離判定部152の代わりに設けられる相対位置関係判定部が相対位置関係に関する判定を行う。
【0065】
[他の条件]
さらに、例えば、端末装置12の位置が所定の許容範囲の内側にある場合に条件が満たされたとする条件(端末装置位置条件)が用いられてもよい。この場合、例えばあらかじめ、端末装置位置条件の情報が移動体処理装置21の記憶部113に記憶される。
端末装置位置条件は、任意の条件であってもよく、例えば、移動体位置条件と同じであってもよく、あるいは、移動体位置条件に対して異なる許容範囲の条件であってもよい。
なお、端末装置位置条件情報の規定の仕方としては、例えば、移動体位置条件情報の規定の仕方と同様であってもよく、具体的には、移動体位置条件情報の内容における「移動体11の位置」を「端末装置12の位置」に置き換えた規定の仕方が用いられてもよい。
例えば、端末装置位置条件が用いられるときには、判定部136は、端末装置位置条件が満たされるか否かを判定し、端末装置位置条件が満たされない場合には、移動体制御部137は端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを当該端末装置12に許可しないように制御する。この不許可(許可しないこと)は、例えば、制御全般(制御のすべての項目)の不許可であってもよく、あるいは、制御の項目ごとの不許可であってもよい。
【0066】
さらに、例えば、端末装置12の識別情報が所定の識別情報である場合に条件が満たされたとする条件(端末装置条件)が用いられてもよい。この場合、例えばあらかじめ、端末装置条件の情報が移動体処理装置21の記憶部113に記憶される。
この場合、例えば、端末装置12は自己(当該端末装置12)の識別情報を移動体処理装置21に送信し、移動体処理装置21は当該識別情報を受信する。
例えば、端末装置条件が用いられるときには、判定部136は、端末装置条件が満たされるか否かを判定し、端末装置条件が満たされない場合には、移動体制御部137は端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを当該端末装置12に許可しないように制御する。この不許可(許可しないこと)は、例えば、制御全般(制御のすべての項目)の不許可であってもよく、あるいは、制御の項目ごとの不許可であってもよい。
このように、端末装置12の識別情報が所定の識別情報であることを許可の条件とすることで、不正な識別情報を有する端末装置12から移動体11への離隔制御を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
【0067】
ここで、1個の移動体11に対して制御を行うことが許容される端末装置12の数としては、例えば、1個であってもよく、あるいは、2個以上であってもよい。
具体例として、移動体11が自動車である場合には、当該自動車のオーナーが携帯する端末装置、当該オーナー以外のドライバが携帯する端末装置などがあり、これら複数の端末装置によって移動体11に対して制御を行うことが可能な構成とされてもよい。
【0068】
さらに、例えば、移動体11に関して行われた過去の操作の履歴の情報(操作履歴情報)に基づく条件(操作条件)が用いられてもよい。この場合、例えばあらかじめ、当該操作履歴情報および当該操作条件の情報が、移動体処理装置21の記憶部113に記憶される。
例えば、操作条件が用いられるときには、判定部136は、今回の操作の内容について、操作条件が満たされるか否かを判定し、操作条件が満たされない場合には、移動体制御部137は端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを当該端末装置12に許可しないように制御する。この不許可(許可しないこと)は、例えば、制御全般(制御のすべての項目)の不許可であってもよく、あるいは、制御の項目ごとの不許可であってもよい。
ここで、操作条件としては、任意の条件が用いられてもよく、例えば、操作が行われた時間(または、時間帯でもよい。)、あるいは、操作が行われた頻度(例えば、アクセスの頻度)などに関する条件が用いられてもよい。
【0069】
操作条件としては、例えば、今回の操作の内容が、操作履歴情報に含まれる過去の操作の内容とは所定の程度で異なる場合に、条件が満たされないとする条件が用いられてもよい。
今回の操作の内容が操作履歴情報に含まれる過去の操作の内容とは所定の程度で異なることは、一例として、今回の操作の内容を表す値が操作履歴情報に含まれない場合(つまり、過去の操作に無かった場合)にそのように判定する構成が用いられてもよく、他の例として、今回の操作の内容を表す値が、操作履歴情報に含まれる過去の操作の内容を表す値の平均値などと比べて、所定の値を超えた差分(または、所定の値以上の差分)で離れている場合(つまり、過去の操作の平均などから所定の程度で相違する場合)にそのように判定する構成が用いられてもよい。操作の内容を表す値は、例えば、時間の値、あるいは、頻度の値などが用いられてもよい。
なお、操作履歴情報は、例えば、移動体11に関する離隔操作の履歴の情報であってもよく、あるいは、移動体11に関する直接操作の履歴の情報であってもよく、あるいは、これらの両方であってもよい。具体例として、移動体11が自動車である場合には、離隔操作は端末装置12(あるいは、離隔制御のための他の装置)によって行われる操作であり、また、直接操作は自動車に乗ったドライバ(人)によって行われる操作である。
【0070】
[移動体情報処理システムにおける処理]
図8は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る移動体処理システム1において行われる処理の概要の一例を示す図である。
図8の例では、端末装置12、サーバ装置13、移動体処理装置21のそれぞれにより行われる処理の概要を示してある。ただし、本実施形態では、サーバ装置13は通信の中継を行い、
図8の例では、特にはサーバ装置13による処理を明示していない。
なお、本例では、説明の便宜上、それぞれの処理を順に説明するが、必ずしもその順序に限定されない。
【0071】
(処理T1)
端末装置12では、自己(当該端末装置12)の位置に関する情報を検出して取得する。
(処理T2)
端末装置12では、自己(当該端末装置12)の位置に関する情報の検出結果に基づいて、当該情報を移動体処理装置21に送信する。
【0072】
ここで、端末装置12から移動体処理装置21に当該端末装置12の位置に関する情報を送信するタイミングとしては、任意であってもよく、例えば、端末装置12から移動体処理装置21に移動体11に関する指示を送る前であってもよく、あるいは、当該指示と同時であってもよく、あるいは、当該指示よりも後であってもよい。
また、端末装置12から移動体処理装置21に当該端末装置12の位置に関する情報を送信する処理は、例えば、端末装置12により自発的に行われてもよく、あるいは、移動体処理装置21から端末装置12に送られる所定の要求に応じて端末装置12により行われてもよい。
【0073】
(処理T11)
移動体処理装置21では、移動体11の位置に関する情報を検出して取得する。
(処理T12)
移動体処理装置21では、端末装置12から当該端末装置12の位置に関する情報を受信している。そして、移動体処理装置21では、移動体11の位置に関する情報と、端末装置12の位置に関する情報に基づいて、移動体位置条件および距離条件に関して、判定を行う。
(処理T13)
移動体処理装置21では、判定の結果に基づいて、制御を行う。当該制御は、例えば、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを当該端末装置12に許可するか否かに関する制御である。
【0074】
図9は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る移動体処理装置21において行われる処理の手順の一例を示すフローチャートである。
なお、本例では、説明の便宜上、それぞれの処理を順に説明するが、必ずしもその順序に限定されない。
【0075】
(ステップS1)
移動体位置情報取得部131は、移動体11に関する位置の情報を取得する。そして、(ステップS2)の処理へ移行する。
【0076】
(ステップS2)
端末位置情報取得部132は、端末装置12に関する位置の情報を取得する。そして、(ステップS3)の処理へ移行する。
【0077】
(ステップS3)
距離情報取得部133は、移動体11と端末装置12との距離に関する情報を取得する。そして、(ステップS4)の処理へ移行する。
【0078】
(ステップS4)
移動体位置条件取得部134は、移動体11の位置に関する条件(移動体位置条件)の情報を取得する。そして、(ステップS5)の処理へ移行する。
【0079】
(ステップS5)
距離条件取得部135は、移動体11と端末装置12との距離に関する条件(距離条件)の情報を取得する。そして、(ステップS6)の処理へ移行する。
【0080】
(ステップS6)
移動体位置判定部151は、移動体位置条件に基づいて、移動体11の位置が許容範囲にあるか否かを判定する。
この判定の結果、移動体位置判定部151が移動体11の位置が許容範囲にあると判定した場合には(ステップS6:YES)、(ステップS7)の処理へ移行し、他の場合には(ステップS6:NO)、(ステップS9)の処理へ移行する。
【0081】
(ステップS7)
距離判定部152は、距離条件に基づいて、移動体11と端末装置12との距離が許容範囲にあるか否かを判定する。
この判定の結果、距離判定部152が移動体11と端末装置12との距離が許容範囲にあると判定した場合には(ステップS7:YES)、(ステップS8)の処理へ移行し、他の場合には(ステップS7:NO)、(ステップS9)の処理へ移行する。
【0082】
(ステップS8)
移動体制御部137は、移動体位置条件および距離条件の両方が満たされたことに応じて、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを許可する制御を行う。そして、本フローの処理が終了する。
ここで、(ステップS8)の処理において、移動体11に関する制御を許可する態様としては、例えば、すべての項目について制御を許可する態様が用いられてもよく、あるいは、他の態様が用いられてもよい。
【0083】
(ステップS9)
移動体制御部137は、移動体位置条件および距離条件のうちの少なくとも一方が満たされなかったことに応じて、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを抑制する制御を行う。そして、本フローの処理が終了する。
ここで、(ステップS9)の処理において、移動体11に関する制御を抑制する態様としては、例えば、すべての項目について制御を許可しない態様が用いられてもよく、あるいは、他の態様が用いられてもよい。
【0084】
図10は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る移動体処理装置21において行われる処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
図10の例におけるフローチャートの処理では、移動体処理装置21では、
図9の例における(ステップS1)〜(ステップS5)の処理と同じ処理を行った後に、
図10の例における(ステップS21)〜(ステップS27)の処理を行う。
ここでは、(ステップS1)〜(ステップS5)の処理と同じ処理については説明を省略し、(ステップS21)〜(ステップS27)の処理について説明する。
【0085】
(ステップS21)
移動体位置判定部151は、移動体位置条件に基づいて、移動体11の位置が許容範囲にあるか否かを判定する。
この判定の結果、移動体位置判定部151が移動体11の位置が許容範囲にあると判定した場合には(ステップS21:YES)、(ステップS22)の処理へ移行し、他の場合には(ステップS21:NO)、(ステップS24)の処理へ移行する。
【0086】
(ステップS22)
距離判定部152は、距離条件に基づいて、移動体11と端末装置12との距離が許容範囲にあるか否かを判定する。
この判定の結果、距離判定部152が移動体11と端末装置12との距離が許容範囲にあると判定した場合には(ステップS22:YES)、(ステップS23)の処理へ移行し、他の場合には(ステップS22:NO)、(ステップS26)の処理へ移行する。
【0087】
(ステップS23)
移動体制御部137は、移動体位置条件および距離条件の両方が満たされたことに応じて、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを許可する制御を行う。そして、本フローの処理が終了する。
ここで、(ステップS23)の処理において、移動体11に関する制御を許可する態様としては、例えば、すべての項目について制御を許可する態様が用いられてもよく、あるいは、他の態様が用いられてもよい。
【0088】
(ステップS24)
距離判定部152は、位置条件に基づいて、移動体11と端末装置12との距離が許容範囲にあるか否かを判定する。
この判定の結果、距離判定部152が移動体11と端末装置12との距離が許容範囲にあると判定した場合には(ステップS24:YES)、(ステップS27)の処理へ移行し、他の場合には(ステップS24:NO)、(ステップS25)の処理へ移行する。
【0089】
(ステップS25)
移動体制御部137は、移動体位置条件および距離条件の両方が満たされなかったことに応じて、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを抑制する(例えば、許可しない)制御を行う。そして、本フローの処理が終了する。
ここで、(ステップS25)の処理において、移動体11に関する制御を抑制する態様としては、例えば、すべての項目について制御を許可しない態様が用いられてもよく、あるいは、他の態様が用いられてもよい。
【0090】
(ステップS26)
移動体制御部137は、移動体位置条件が満たされたが、距離条件が満たされなかったことに応じて、この判定結果に対応付けられた所定の制御を行う。当該判定結果と当該所定の制御の内容との対応の情報は、あらかじめ、記憶部113に記憶されている。そして、本フローの処理が終了する。
(ステップS27)
移動体制御部137は、移動体位置条件が満たされなかったが、距離条件が満たされたことに応じて、この判定結果に対応付けられた所定の制御を行う。当該判定結果と当該所定の制御の内容との対応の情報は、あらかじめ、記憶部113に記憶されている。そして、本フローの処理が終了する。
【0091】
ここで、移動体位置条件が満たされたが距離条件が満たされなかったことに応じた所定の制御と、移動体位置条件が満たされなかったが距離条件が満たされたことに応じた所定の制御としては、それぞれ、任意の制御が用いられてもよく、例えば、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを抑制する(例えば、許可しない)制御が用いられてもよい。
移動体11に関する制御を抑制する態様としては、例えば、すべての項目について制御を許可しない態様が用いられてもよく、あるいは、一部の項目について制御を許可する(または、許可しない)態様が用いられてもよい。
また、移動体位置条件が満たされたが距離条件が満たされなかったことに応じた所定の制御と、移動体位置条件が満たされなかったが距離条件が満たされたことに応じた所定の制御としては、例えば、それぞれ異なる制御であってもよく、あるいは、同じ制御であってもよい。
【0092】
図10の例では、(ステップS23)の処理、(ステップS25)の処理、(ステップS26)の処理、(ステップS27)の処理によって、最大で、4種類の異なる制御を行うことが可能である。
【0093】
[第1実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態に係る移動体処理システム1では、端末装置12によって移動体11に関する制御が行われる場合に、セキュリティを向上させることができる。
本実施形態に係る移動体処理システム1では、例えば、移動体処理装置21の機能により、端末装置12から移動体11への不正アクセス(本実施形態では、不正の可能性があるアクセスを含む。)を検出することが可能である。
【0094】
本実施形態に係る移動体処理システム1では、例えば、移動体11の位置(絶対位置)に関する移動体位置条件と、移動体11と端末装置12との位置関係(相対位置)に関する相対位置関係条件(本実施形態では、距離条件)について判定を行うことで、位置情報の改ざんなどに対するセキュリティを向上させることができる。
【0095】
また、本実施形態に係る移動体処理システム1では、移動体処理装置21において条件(本実施形態では、移動体位置条件および距離条件など)の記憶、端末装置12の位置に関する情報の取得、判定、判定結果に応じた制御が行われるため、例えば、端末装置12あるいはサーバ装置13に対する不正な攻撃が発生し得る場合においても、安全性を高めることが可能である。また、例えば、移動体処理装置21において移動体11の位置に関する情報、端末装置12の位置に関する情報が管理されるため、移動体11の位置に関する情報が当該移動体11の外部に漏れる可能性を低くすることができ、プライバシー保護に役立つ。
このような構成は、例えば、端末装置12が盗難などされて、当該端末装置12が悪用される可能性を考えた場合に、好ましい。通常は端末装置12は正規のユーザにより用いられるが、当該端末装置12が盗難等された場合には不正なユーザにより用いられる可能性がある。
【0096】
また、本実施形態に係る移動体処理システム1では、端末装置12によって移動体11が制御される前に、移動体処理装置21が当該制御について許可するか否かを判定するため、端末装置12によって不正に移動体11が制御されてしまうことを防止することができる。
【0097】
本実施形態に係る移動体処理システム1により得られる効果の具体例を示す。
IoTの不正アクセス事例調査などによると、物(本実施形態では、移動体11)の側のセキュリティが強固であっても、端末装置(本実施形態では、端末装置12)からセンターサーバ装置(本実施形態では、サーバ装置13)への認証などの脆弱な部分から、成りすましなどにより当該物に正規のユーザを装って侵入されるケースが散見される。そこで、本実施形態に係る移動体処理システム1では、移動体11の位置に関する条件に基づく許容範囲と、移動体11と端末装置12との相対位置関係(本実施形態では、距離)に関する条件に基づく許容範囲との両方を用いることで、改ざんされにくくした。また、本実施形態に係る移動体処理システム1では、例えば、複雑な構成にしなくても実現が可能であり、大きなコストをかけなくても実現が可能であると考えられる。
【0098】
ここで、本実施形態では、移動体11の位置に関する条件(移動体位置条件)と、移動体11と端末装置12との相対位置関係に関する条件(本実施形態では、距離に関する条件)との両方の条件が満たされた場合に、端末装置12から移動体11への所定の制御が許可される構成を示したが、他の構成例として、この許可を与えるための条件として、第1の条件と第2の条件とをユーザにより設定することが可能であってもよい。当該第1の条件は、例えば、移動体位置条件と相対位置関係条件との両方が満たされるという条件であってもよい。当該第2の条件は、例えば、(相対位置関係条件が満たされなくても)移動体位置条件が満たされるという条件であってもよく、あるいは、(移動体位置条件が満たされなくても)相対位置関係条件が満たされるという条件であってもよい。ユーザによる設定は、例えば、条件の判定を行う装置に備えられた入力部の操作部(本実施形態では、移動体処理装置21に備えられた入力部111の操作部)を用いて行われてもよく、あるいは、端末装置12に備えられた入力部211の操作部を用いて行われてもよい。ユーザによる設定が端末装置12で行われる場合には、例えば、端末装置12は、当該設定の内容を示す情報を、条件の判定を行う装置(本実施形態では、移動体処理装置21)に送信して通知する。このような構成では、ユーザによる設定に応じて、第1の条件と第2の条件とを切り替えることが可能である。
なお、他の構成例として、3種類以上の条件を設定する(切り替える)ことが可能な構成が用いられてもよい。
【0099】
なお、本実施形態では、移動体処理装置21と端末装置12とがサーバ装置13を介して通信する構成を示したが、他の構成例として、移動体処理装置21と端末装置12とが直接通信する場合があってもよい。移動体処理装置21と端末装置12との直接通信では、例えば、無線の通信が行われ、一例として、いわゆる近距離通信が行われてもよい。移動体処理装置21と端末装置12との直接通信は、例えば、移動体処理装置21の通信部114と端末装置12の通信部214により行われてもよい。
直接通信としては、任意の無線通信規格が用いられてもよく、例えば、赤外線通信、あるいは、ブルートゥース(登録商標)の通信などが用いられてもよい。また、直接通信としては、例えば、いわゆるワイヤレスキーの無線通信が用いられてもよい。
移動体処理装置21と端末装置12とが直接通信する機能を有する場合には、例えば、これらが直接通信することができるときには、これらが近く(直接通信することが可能な距離)に存在すると判定することができ、一方、これらが直接通信することができないときには、これらが遠く(直接通信することが不可能な距離)に存在する、または、これらの間に障害物がある、と判定することができる。
【0100】
また、端末装置12とサーバ装置13との間で行われる通信、あるいは、移動体処理装置21とサーバ装置13との間で行われる通信などのうちの任意の通信では、暗号化を用いた通信が行われてもよく、あるいは、暗号化を用いない通信が行われてもよい。
【0101】
本実施形態に係る移動体処理システム1は、例えば、移動体11が自動車である場合に限られず、任意の移動体11に適用されてもよい。このように、本実施形態に係る移動体処理システム1は、IoTのセキュリティ対策として広く適用されることが可能である。一例として、本実施形態に係る移動体処理システム1は、家庭にある電化製品などを離隔操作することが可能なホームコントロールに適用されてもよい。
【0102】
また、本実施形態では、移動体処理システム1における移動体処理装置21について説明したが、同様な要旨を有するシステム、方法あるいはプログラムなどが実施されてもよい。
【0103】
<第1実施形態に係る構成例>
一構成例として、処理装置(
図2の例では、移動体処理装置21)において、自己(ここでは、移動体のことである。)の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体(
図1の例では、移動体11)の位置に関する情報を取得する移動体位置情報取得部(
図2の例では、移動体位置情報取得部131)と、移動体と端末装置(
図1の例では、端末装置12)との相対位置関係(本実施形態では、距離)に関する情報を取得する相対位置関係情報取得部(
図2の例では、距離情報取得部133)と、移動体位置情報取得部により取得された情報および相対位置関係情報取得部により取得された情報に基づいて、移動体の位置に関する条件および相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する判定部(
図2の例では、判定部136)と、を備える。
一構成例として、処理装置において、判定部による判定の結果に基づいて、端末装置によって移動体に関する制御を行うことを許可するか否かに基づく制御を行う制御部(
図2の例では、移動体制御部137)を備える。
一構成例として、処理装置において、移動体の位置に関する条件は、移動体の位置が所定の範囲に存在する場合に条件が満たされたとされる条件であり、相対位置関係に関する条件は、移動体と端末装置との相対位置関係(本実施形態では、距離)が所定の範囲(本実施形態では、所定の閾値未満)である場合に条件が満たされたとされる条件である。
一構成例として、処理装置において、移動体と端末装置との相対位置関係は、移動体と端末装置との距離である。
一構成例として、処理方法(例えば、移動体処理装置21により行われる処理の方法)では、移動体位置情報取得部が、自己の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体の位置に関する情報を取得し、相対位置関係情報取得部が、移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報を取得し、判定部が、移動体位置情報取得部により取得された情報および相対位置関係情報取得部により取得された情報に基づいて、移動体の位置に関する条件および相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する。
一構成例として、コンピュータ(例えば、移動体処理装置21を構成するコンピュータ)に、自己の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体の位置に関する情報を取得する機能と、移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報を取得する機能と、取得された移動体の位置に関する情報および取得された移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報に基づいて、移動体の位置に関する条件および相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0104】
(第2実施形態)
[移動体処理システム]
本実施形態に係る移動体処理システムの概略的な構成は、
図1に示される移動体処理システム1と同様である。
本実施形態に係る移動体処理システムでは、
図1および
図2に示される移動体処理装置21の代わりに、
図11に示される移動体処理装置401に置き換えられている。また、本実施形態に係る移動体処理システムでは、
図1および
図4に示されるサーバ装置13の代わりに、
図12に示されるサーバ装置501に置き換えられている。
本実施形態に係る移動体処理システムは、他の構成部については、
図1に示される移動体処理システム1と同様であり、同じ符号を使用して説明する。
【0105】
本実施形態に係る移動体処理システムは、概略的には、サーバ装置501において、移動体位置条件および距離条件に関する判定と制御を行う点で、第1実施形態に係る移動体処理システム1と相違しており、他の点では同様である。
本実施形態では、このような相違する点について詳しく説明し、同様な点については説明を省略または簡易化する。
【0106】
[移動体処理装置]
図11は、本発明の実施形態(第2実施形態)に係る移動体処理装置401の概略的な構成例を示す図である。
移動体処理装置401は、入力部411と、出力部412と、記憶部413と、通信部414と、位置情報取得部415と、制御部416を備える。
制御部416は、移動体位置情報通知部431と、移動体制御部432を備える。
【0107】
入力部411、出力部412、記憶部413、通信部414、位置情報取得部415の機能は、それぞれ、
図2に示される入力部111、出力部112、記憶部113、通信部114、位置情報取得部115の機能と同様である。
なお、本実施形態では、記憶部413には、移動体位置条件情報および距離条件情報(さらに他の条件が使用される場合には、その条件の情報)が記憶されなくてもよい。
【0108】
制御部416は、移動体処理装置401における各種の制御を行う。
制御部416の機能について説明する。
移動体位置情報通知部431は、位置情報取得部415により取得された移動体11の位置に関する情報を取得して、当該情報をサーバ装置501に通知する。本実施形態では、移動体位置情報通知部431は、当該情報をサーバ装置501に宛てて通信部414により送信することで、当該情報をサーバ装置501に通知する。この場合、サーバ装置501は、当該情報を通信部514により受信する。
【0109】
移動体制御部432は、移動体11に関する制御を行う。
本実施形態では、移動体制御部432は、サーバ装置501から移動体処理装置401に送られる指示(移動体11に関する指示)に応じて移動体11に関する制御を行う。
【0110】
[端末装置]
本実施形態では、概略的には、
図3に示されるものと同様な端末装置12が用いられる。
ただし、本実施形態では、端末位置情報通知部231は、位置情報取得部215により取得された端末装置12の位置に関する情報を取得して、当該情報をサーバ装置501に通知する。本実施形態では、端末位置情報通知部231は、当該情報をサーバ装置501に宛てて通信部214により送信することで、当該情報をサーバ装置501に通知する。この場合、サーバ装置501は、当該情報を通信部514により受信する。
【0111】
[サーバ装置]
図12は、本発明の実施形態(第2実施形態)に係るサーバ装置501(情報処理装置の一例)の概略的な構成例を示す図である。
サーバ装置501は、入力部511と、出力部512と、記憶部513と、通信部514と、制御部515を備える。
制御部515は、通信制御部531と、移動体位置情報取得部532と、端末位置情報取得部533と、距離情報取得部534と、移動体位置条件取得部535と、距離条件取得部536と、判定部537と、移動体離隔制御抑制部538を備える。
判定部537は、移動体位置判定部551と、距離判定部552を備える。
【0112】
入力部511、出力部512、記憶部513、通信部514の機能は、それぞれ、
図4に示される入力部311、出力部312、記憶部313、通信部314の機能と同様である。
なお、本実施形態では、記憶部513には、移動体位置条件情報および距離条件情報(さらに他の条件が使用される場合には、その条件の情報)が記憶される。
【0113】
制御部515は、サーバ装置501における各種の制御を行う。
制御部515の機能について説明する。
通信制御部531の機能は、
図4に示される通信制御部331の機能と同様である。
移動体位置情報取得部532は、移動体11の位置に関する情報を取得する。本実施形態では、移動体位置情報取得部532は、移動体処理装置21からサーバ装置13に送られた移動体11の位置に関する情報を取得する。
端末位置情報取得部533は、端末装置12の位置に関する情報を取得する。本実施形態では、端末位置情報取得部533は、端末装置12からサーバ装置13に送られた当該端末装置12の位置に関する情報を取得する。
距離情報取得部534は、移動体位置情報取得部532により取得された情報および端末位置情報取得部533により取得された情報に基づいて、移動体11と端末装置12との距離に関する情報を取得(例えば、演算)する。この距離に関する情報は、例えば、移動体11と端末装置12との距離を特定することが可能な情報である。
【0114】
移動体位置条件取得部535は、移動体11の位置に関する条件の情報(移動体位置条件情報)を取得する。本実施形態では、移動体位置条件情報は、あらかじめ、あるいは、任意のタイミングで、記憶部513に記憶される。
距離条件取得部536は、移動体11と端末装置12との距離に関する条件の情報(距離条件情報)を取得する。本実施形態では、距離条件情報は、あらかじめ、あるいは、任意のタイミングで、記憶部513に記憶される。
【0115】
判定部537は、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことについて、判定を行う。
移動体位置判定部551は、移動体11の位置に関する判定を行う。
距離判定部552は、移動体11と端末装置12との距離に関する判定を行う。
【0116】
移動体離隔制御抑制部538は、判定部537による判定の結果に基づいて、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことが許可されない場合には、当該制御を抑制する制御を行う。許可される制御あるいは許可されない制御は、それぞれ、例えば、すべての範囲(例えば、すべての項目)の制御であってもよく、あるいは、一部の範囲(例えば、一部の項目)の制御であってもよい。
【0117】
ここで、移動体離隔制御抑制部538が、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを抑制する方法としては、任意の方法が用いられてもよい。
一例として、移動体離隔制御抑制部538は、端末装置12から移動体処理装置401(あるいは、移動体11が有する他の機能)に宛てられた情報(例えば、移動体11に関する指示を示す情報)が当該端末装置12から受信された場合に、当該情報を移動体処理装置401(あるいは、移動体11が有する当該他の機能)に送信しないように制御してもよい。
他の例として、移動体離隔制御抑制部538は、移動体処理装置401(あるいは、移動体11が有する他の機能)に対して、端末装置12からの指示を許可しないように命令する指示を示す情報を送信してもよい。この場合、移動体処理装置401(あるいは、移動体11が有する当該他の機能)では、当該情報が受信されたことに応じて、端末装置12からの指示(移動体11に関する指示)を許可しないように制御する。移動体処理装置401では、この制御は、移動体制御部432により行われてもよい。
他の例として、移動体離隔制御抑制部538は、移動体処理装置401(あるいは、移動体11が有する他の機能)に対して移動体11に関する指示を送らないように命令する指示を示す情報を、端末装置12に、送信してもよい。この場合、端末装置12では、当該情報が受信されたことに応じて、移動体11に関する指示を送らないように制御する。
【0118】
[複数の移動体および複数の端末装置に関する条件]
図13は、本発明の実施形態(第2実施形態)に係る複数の移動体11および複数の端末装置12に関する条件の一例を示す図である。
図13には、この条件の情報(条件情報2011)の一例を示してある。
条件情報2011は、移動体11の識別情報(移動体ID)と、端末装置12の識別情報(端末ID)と、条件の対象(条件対象)と、条件とを対応付けて格納する。
図13の例では、条件対象は、移動体の位置、あるいは、距離(移動体11と端末装置12との距離)である。
【0119】
図13の例における一行目の欄では、移動体IDが「0001」である移動体11と、端末IDが「0011」である端末装置12との組み合わせについて、移動体11の位置に関して、条件A1が設定されており、距離に関しては条件B1が設定されている。また、
図13の例における他の行の欄についても、同様に、
図13に示される通りである。
ここで、
図13の例では、条件A1〜条件A3は移動体位置条件であり、条件B1〜B3は距離条件である。
【0120】
本実施形態では、サーバ装置501において、記憶部513が
図13に示される条件情報2011を記憶し、そして、判定部537(移動体位置判定部551、距離判定部552)が当該条件情報2011を参照して、移動体11と端末装置12との組み合わせごとに該当する欄の条件を使用することで、移動体11と端末装置12との組み合わせごとに適した判定を行うことが可能である。
ここで、サーバ装置501では、端末装置12との通信において当該端末装置12の識別情報を受信して取得し、また、移動体処理装置401(あるいは、移動体11が有する他の機能)との通信において当該移動体11の識別情報を受信して取得する。
なお、移動体処理装置401の識別情報に基づいて移動体11を特定することが可能である場合には、移動体11の識別情報の代わりに、移動体処理装置401の識別情報が用いられてもよい。
【0121】
[移動体情報処理システムにおける処理]
図14は、本発明の実施形態(第2実施形態)に係る移動体処理システムにおいて行われる処理の概要の一例を示す図である。
図14の例では、端末装置12、サーバ装置501、移動体処理装置401のそれぞれにより行われる処理の概要を示してある。
なお、本例では、説明の便宜上、それぞれの処理を順に説明するが、必ずしもその順序に限定されない。
【0122】
(処理T101)
端末装置12では、自己(当該端末装置12)の位置に関する情報を検出して取得する。
(処理T102)
端末装置12では、自己(当該端末装置12)の位置に関する情報の検出結果に基づいて、当該情報をサーバ装置501に送信する。
【0123】
(処理T111)
移動体処理装置401では、移動体11の位置に関する情報を検出して取得する。
(処理T112)
移動体処理装置401では、移動体11の位置に関する情報の検出結果に基づいて、当該情報をサーバ装置501に送信する。
【0124】
ここで、端末装置12あるいは移動体処理装置401からサーバ装置501に位置に関する情報を送信するタイミングとしては、任意であってもよく、例えば、端末装置12から移動体処理装置401に移動体11に関する指示を送る前であってもよく、あるいは、当該指示と同時であってもよく、あるいは、当該指示よりも後であってもよい。
また、端末装置12からサーバ装置13に位置に関する情報を送信する処理は、例えば、端末装置12により自発的に行われてもよく、あるいは、移動体処理装置401またはサーバ装置501から端末装置12に送られる所定の要求に応じて端末装置12により行われてもよい。
また、移動体処理装置401からサーバ装置13に位置に関する情報を送信する処理は、例えば、移動体処理装置401により自発的に行われてもよく、あるいは、端末装置12またはサーバ装置501から移動体処理装置401に送られる所定の要求に応じて移動体処理装置401により行われてもよい。
【0125】
(処理T121)
サーバ装置501では、端末装置12から当該端末装置12の位置に関する情報を受信しており、また、移動体処理装置401から移動体11の位置に関する情報を受信している。そして、サーバ装置501では、これらの位置の情報に基づいて、移動体位置条件および距離条件に関して、判定を行う。
(処理T122)
サーバ装置501では、判定の結果に基づいて、制御を行う。当該制御は、例えば、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを当該端末装置12に許可するか否かに関する制御である。
【0126】
(処理T123)
一例として、サーバ装置501では、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを当該端末装置12に許可しない場合に、当該制御を抑制するための信号を端末装置12に送信する。なお、処理T123は一例であり、必ずしも行われなくてもよい。
(処理T124)
一例として、サーバ装置501では、端末装置12によって移動体11に関する制御を行うことを当該端末装置12に許可しない場合に、それに関する警告を通知するための信号を移動体処理装置401に送信する。なお、処理T124は一例であり、必ずしも行われなくてもよい。
【0127】
ここで、サーバ装置501における判定(処理T121)および制御(処理T122)は、例えば、自発的に行われてもよく、あるいは、他の装置からの要求に応じて行われてもよい。
一例として、サーバ装置501では、端末装置12からの信号あるいは移動体処理装置401からの信号などに基づいて、端末装置12から移動体11に関する指示が行われようとしていることが検出された場合に、自発的に、判定(処理T121)および制御(処理T122)を行ってもよい。
他の例として、端末装置12あるいは移動体処理装置401が所定の要求をサーバ装置501に送り、そして、サーバ装置501が、当該要求を受けたことに応じて、判定(処理T121)および制御(処理T122)を行ってもよい。
【0128】
[第2実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態に係る移動体処理システムでは、端末装置12によって移動体11に関する制御が行われる場合に、セキュリティを向上させることができる。
本実施形態に係る移動体処理システムでは、例えば、サーバ装置501の機能により、端末装置12から移動体11への不正アクセス(本実施形態では、不正の可能性があるアクセスを含む。)を検出することが可能である。
【0129】
ここで、本実施形態では、第1実施形態の場合と比べて、第1実施形態に係る移動体処理装置21の代わりにサーバ装置501において不正アクセスの検出など(判定および制御)を行う点を除いて、第1実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
本実施形態に係る移動体処理システムでは、サーバ装置501において条件(本実施形態では、移動体位置条件および距離条件など)の記憶、端末装置12の位置に関する情報の取得、移動体11の位置に関する情報の取得、判定、判定結果に応じた制御が行われるため、例えば、端末装置12あるいは移動体処理装置401または移動体11に不正な攻撃が発生し得る場合においても、安全性を高めることが可能である。
また、本実施形態に係る移動体処理システムでは、サーバ装置501において、複数の端末装置12、複数の移動体処理装置401、複数の移動体11について、情報を一括で管理することが可能であり、制御を一括で行うことが可能である。
【0130】
また、本実施形態では、移動体処理システムにおけるサーバ装置501について説明したが、同様な要旨を有するシステム、方法あるいはプログラムなどが実施されてもよい。
【0131】
<第2実施形態に係る構成例>
一構成例として、処理装置(
図12の例では、情報処理装置の一例であるサーバ装置501)において、自己(ここでは、移動体のことである。)の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体(
図1の例では、移動体11)の位置に関する情報を取得する移動体位置情報取得部(
図12の例では、移動体位置情報取得部532)と、移動体と端末装置(
図1の例では、端末装置12)との相対位置関係(本実施形態では、距離)に関する情報を取得する相対位置関係情報取得部(
図12の例では、距離情報取得部534)と、移動体位置情報取得部により取得された情報および相対位置関係情報取得部により取得された情報に基づいて、移動体の位置に関する条件および相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する判定部(
図12の例では、判定部537)と、を備える。
一構成例として、処理装置において、判定部による判定の結果に基づいて、端末装置によって移動体に関する制御を行うことを許可するか否かに基づく制御を行う制御部(
図12の例では、通信制御部531)を備える。
一構成例として、処理装置において、移動体の位置に関する条件は、移動体の位置が所定の範囲に存在する場合に条件が満たされたとされる条件であり、相対位置関係に関する条件は、移動体と端末装置との相対位置関係(本実施形態では、距離)が所定の範囲(本実施形態では、所定の閾値未満)である場合に条件が満たされたとされる条件である。
一構成例として、処理装置において、移動体と端末装置との相対位置関係は、移動体と端末装置との距離である。
一構成例として、処理方法(例えば、サーバ装置501により行われる処理の方法)では、移動体位置情報取得部が、自己の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体の位置に関する情報を取得し、相対位置関係情報取得部が、移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報を取得し、判定部が、移動体位置情報取得部により取得された情報および相対位置関係情報取得部により取得された情報に基づいて、移動体の位置に関する条件および相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する。
一構成例として、コンピュータ(例えば、サーバ装置501を構成するコンピュータ)に、自己の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体の位置に関する情報を取得する機能と、移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報を取得する機能と、取得された移動体の位置に関する情報および取得された移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報に基づいて、移動体の位置に関する条件および相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0132】
(第3実施形態)
[移動体処理システム]
本実施形態に係る移動体処理システムの概略的な構成は、
図1に示される移動体処理システム1と同様である。
本実施形態に係る移動体処理システムでは、
図1および
図2に示される移動体処理装置21の代わりに、
図11に示される移動体処理装置401に置き換えられている。また、本実施形態に係る移動体処理システムでは、
図1および
図3に示される端末装置12の代わりに、
図15に示される端末装置601に置き換えられている。
本実施形態に係る移動体処理システムは、他の構成部については、
図1に示される移動体処理システム1と同様であり、同じ符号を使用して説明する。また、
図11に示される移動体処理装置401については、第2実施形態と同じ符号を使用して説明する。
【0133】
本実施形態に係る移動体処理システムは、概略的には、端末装置601において、移動体位置条件および距離条件に関する判定と制御を行う点で、第1実施形態に係る移動体処理システム1と相違しており、他の点では同様である。
本実施形態では、このような相違する点について詳しく説明し、同様な点については説明を省略または簡易化する。
ここで、本実施形態では、端末装置601において、移動体位置条件および距離条件に関する判定と制御を行う機能を有する情報処理装置が含まれていると捉えることもできる。本実施形態では、当該情報処理装置の機能が端末装置601と一体化されており、当該情報処理装置の機能が端末装置601の機能として実現されている。
【0134】
[移動体処理装置]
本実施形態では、概略的には、
図11に示されるものと同様な移動体処理装置401が用いられる。
ただし、本実施形態では、移動体位置情報通知部431は、位置情報取得部415により取得された移動体11の位置に関する情報を取得して、当該情報を端末装置601に通知する。本実施形態では、移動体位置情報通知部431は、当該情報を端末装置601に宛てて通信部414により送信することで、当該情報を端末装置601に通知する。この場合、端末装置601は、当該情報を通信部614(
図15を参照。)により受信する。
【0135】
[端末装置]
図15は、本発明の実施形態(第3実施形態)に係る端末装置601の概略的な構成例を示す図である。
端末装置601は、入力部611と、出力部612と、記憶部613と、通信部614と、位置情報取得部615と、制御部616を備える。
制御部616は、端末位置情報取得部631と、移動体位置情報取得部632と、距離情報取得部633と、移動体位置条件取得部634と、距離条件取得部635と、判定部636と、移動体離隔制御部637を備える。
判定部636は、移動体位置判定部651と、距離判定部652を備える。
【0136】
入力部611、出力部612、記憶部613、通信部614、位置情報取得部615の機能は、それぞれ、
図3に示される入力部211、出力部212、記憶部213、通信部214、位置情報取得部215の機能と同様である。
なお、本実施形態では、記憶部613には、移動体位置条件情報および距離条件情報(さらに他の条件が使用される場合には、その条件の情報)が記憶される。
【0137】
制御部616は、端末装置601における各種の制御を行う。
制御部616の機能について説明する。
端末位置情報取得部631は、位置情報取得部615により取得された端末装置601の位置に関する情報を取得する。
移動体位置情報取得部632は、移動体11の位置に関する情報を取得する。本実施形態では、移動体位置情報取得部632は、移動体処理装置401から端末装置601に送られた移動体11の位置に関する情報を取得する。
距離情報取得部633は、端末位置情報取得部631により取得された情報および移動体位置情報取得部632により取得された情報に基づいて、移動体11と端末装置601との距離に関する情報を取得(例えば、演算)する。この距離に関する情報は、例えば、移動体11と端末装置601との距離を特定することが可能な情報である。
【0138】
移動体位置条件取得部634は、移動体11の位置に関する条件の情報(移動体位置条件情報)を取得する。本実施形態では、移動体位置条件情報は、あらかじめ、あるいは、任意のタイミングで、記憶部613に記憶される。
距離条件取得部635は、移動体11と端末装置601との距離に関する条件の情報(距離条件情報)を取得する。本実施形態では、距離条件情報は、あらかじめ、あるいは、任意のタイミングで、記憶部613に記憶される。
【0139】
判定部636は、端末装置601によって移動体11に関する制御を行うことについて、判定を行う。
移動体位置判定部651は、移動体11の位置に関する判定を行う。
距離判定部652は、移動体11と端末装置601との距離に関する判定を行う。
【0140】
移動体離隔制御部637は、移動体11に関する指示を移動体処理装置401に送る。移動体11に関する指示は、移動体11に関する制御を要求する指示である。当該指示には、要求される制御の項目が含まれてもよい。本実施形態では、移動体離隔制御部637は、移動体11に関する指示を示す情報を移動体処理装置401に宛てて通信部614により送信することで、当該指示を移動体処理装置401に送る。この場合、移動体処理装置401は、当該情報を通信部414により受信して、当該情報により示される指示に応じた制御を移動体制御部432により移動体11に対して実行する。
【0141】
また、移動体離隔制御部637は、判定部636による判定の結果に基づいて、端末装置601によって移動体11に関する制御を行うことが許可されない場合には、当該制御を抑制する制御を行う。許可される制御あるいは許可されない制御は、それぞれ、例えば、すべての範囲(例えば、すべての項目)の制御であってもよく、あるいは、一部の範囲(例えば、一部の項目)の制御であってもよい。
【0142】
ここで、移動体離隔制御部637が、端末装置601によって移動体11に関する制御を行うことを抑制する方法としては、任意の方法が用いられてもよい。
一例として、移動体離隔制御部637は、端末装置601において、移動体11に関する指示を送らないように制御してもよい。
他の例として、移動体離隔制御部637は、端末装置601において、移動体処理装置401(あるいは、移動体11が有する他の機能)に宛てられる情報を送らないように制御してもよい。
他の例として、移動体離隔制御部637は、移動体処理装置401(あるいは、移動体11が有する他の機能)に対して、端末装置601からの指示を許可しないように命令する指示を示す情報を送信してもよい。この場合、移動体処理装置401(あるいは、移動体11が有する他の機能)では、当該情報が受信されたことに応じて、端末装置601からの指示(移動体11に関する指示)を許可しないように制御する。移動体処理装置401では、この制御は、移動体制御部432により行われてもよい。
【0143】
[サーバ装置]
本実施形態では、概略的には、
図4に示されるものと同様なサーバ装置13が用いられる。
【0144】
[移動体情報処理システムにおける処理]
図16は、本発明の実施形態(第3実施形態)に係る移動体処理システムにおいて行われる処理の概要の一例を示す図である。
図16の例では、端末装置601、サーバ装置13、移動体処理装置401のそれぞれにより行われる処理の概要を示してある。ただし、本実施形態では、サーバ装置13は通信の中継を行い、
図16の例では、特にはサーバ装置13による処理を明示していない。
なお、本例では、説明の便宜上、それぞれの処理を順に説明するが、必ずしもその順序に限定されない。
【0145】
(処理T201)
端末装置601では、自己(当該端末装置601)の位置に関する情報を検出して取得する。
【0146】
(処理T211)
移動体処理装置401では、移動体11の位置に関する情報を検出して取得する。
(処理T212)
移動体処理装置401では、移動体11の位置に関する情報の検出結果に基づいて、当該情報を端末装置601に送信する。
【0147】
ここで、移動体処理装置401から端末装置601に移動体11の位置に関する情報を送信するタイミングとしては、任意であってもよく、例えば、端末装置601から移動体処理装置401に移動体11に関する指示を送る前であってもよく、あるいは、当該指示と同時であってもよく、あるいは、当該指示よりも後であってもよい。
また、移動体処理装置401から端末装置601に移動体11の位置に関する情報を送信する処理は、例えば、移動体処理装置401により自発的に行われてもよく、あるいは、端末装置601から移動体処理装置401に送られる所定の要求に応じて移動体処理装置401により行われてもよい。
【0148】
(処理T202)
端末装置601では、移動体処理装置401から移動体11の位置に関する情報を受信している。そして、端末装置601では、自己(当該端末装置601)の位置に関する情報と、移動体11の位置に関する情報に基づいて、移動体位置条件および距離条件に関して、判定を行う。
(処理T203)
端末装置601では、判定の結果に基づいて、制御を行う。当該制御は、例えば、端末装置601によって移動体11に関する制御を行うことを当該端末装置601に許可するか否かに関する制御である。
【0149】
[第3実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態に係る移動体処理システムでは、端末装置601によって移動体11に関する制御が行われる場合に、セキュリティを向上させることができる。
本実施形態に係る移動体処理システムでは、例えば、端末装置601の機能により、端末装置601から移動体11への不正アクセス(本実施形態では、不正の可能性があるアクセスを含む。)を検出することが可能である。
【0150】
ここで、本実施形態では、第1実施形態の場合と比べて、第1実施形態に係る移動体処理装置21の代わりに端末装置601において不正アクセスの検出など(判定および制御)を行う点を除いて、第1実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
本実施形態に係る移動体処理システムでは、端末装置601において条件(本実施形態では、移動体位置条件および距離条件など)の記憶、移動体11の位置に関する情報の取得、判定、判定結果に応じた制御が行われるため、例えば、サーバ装置13あるいは移動体処理装置401または移動体11に不正な攻撃が発生し得る場合においても、安全性を高めることが可能である。
【0151】
また、本実施形態では、移動体処理システムにおけるサーバ装置501について説明したが、同様な要旨を有するシステム、方法あるいはプログラムなどが実施されてもよい。
【0152】
<第3実施形態に係る構成例>
一構成例として、処理装置(
図15の例では、端末装置601に含まれる情報処理装置)において、自己(ここでは、移動体のことである。)の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体(
図1の例では、移動体11)の位置に関する情報を取得する移動体位置情報取得部(
図15の例では、移動体位置情報取得部632)と、移動体と端末装置(
図15の例では、端末装置601)との相対位置関係に関する情報を取得する相対位置関係情報取得部(
図15の例では、距離情報取得部633)と、移動体位置情報取得部により取得された情報および相対位置関係情報取得部により取得された情報に基づいて、移動体の位置に関する条件および相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する判定部(
図15の例では、判定部636)と、を備える。
一構成例として、処理装置において、判定部による判定の結果に基づいて、端末装置によって移動体に関する制御を行うことを許可するか否かに基づく制御を行う制御部(
図15の例では、移動体離隔制御部637)を備える。
一構成例として、処理装置において、移動体の位置に関する条件は、移動体の位置が所定の範囲に存在する場合に条件が満たされたとされる条件であり、相対位置関係に関する条件は、移動体と端末装置との相対位置関係(本実施形態では、距離)が所定の範囲(本実施形態では、所定の閾値未満)である場合に条件が満たされたとされる条件である。
一構成例として、処理装置において、移動体と端末装置との相対位置関係は、移動体と端末装置との距離である。
一構成例として、処理方法(例えば、端末装置601に含まれる情報処理装置により行われる処理の方法)では、移動体位置情報取得部が、自己の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体の位置に関する情報を取得し、相対位置関係情報取得部が、移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報を取得し、判定部が、移動体位置情報取得部により取得された情報および相対位置関係情報取得部により取得された情報に基づいて、移動体の位置に関する条件および相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する。
一構成例として、コンピュータ(例えば、端末装置601に含まれる情報処理装置を構成するコンピュータ)に、自己の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体の位置に関する情報を取得する機能と、移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報を取得する機能と、取得された移動体の位置に関する情報および取得された移動体と端末装置との相対位置関係に関する情報に基づいて、移動体の位置に関する条件および相対位置関係に関する条件が満たされたか否かを判定する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0153】
[以上の実施形態のまとめ]
以上の実施形態に係る各種の装置(例えば、移動体処理装置21、401、端末装置12、601、サーバ装置13、501など)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)に記録(記憶)して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行うことができる。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えば、DRAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含む。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0154】
なお、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態には限定されない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々に変更したり代替態様を採用したりすることが可能なことは、当業者に明らかである。
本発明の実施形態に係る処理装置は、自己の動力または自己以外から与えられる動力によって移動可能な物体である移動体の位置に関する情報を取得する移動体位置情報取得部と、
の相対位置関係に関する情報を取得する相対位置関係情報取得部と、前記移動体位置情報取得部により取得された情報および前記相対位置関係情報取得部により取得された情報に基づいて、前記移動体の位置に関する条件および前記相対位置関係に関する条件
判定部が、前記移動体位置情報取得部により取得された情報および前記相対位置関係情報取得部により取得された情報に基づいて、前記移動体の位置に関する条件および前記相対位置関係に関する条件