特開2018-164432(P2018-164432A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-164432高甘味度甘味料含有飲食品組成物、高甘味度甘味料含有食品組成物の呈味改善剤、高甘味度甘味料含有飲食物の呈味改善方法
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  • 特開2018164432-高甘味度甘味料含有飲食品組成物、高甘味度甘味料含有食品組成物の呈味改善剤、高甘味度甘味料含有飲食物の呈味改善方法 図000019
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-164432(P2018-164432A)
(43)【公開日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】高甘味度甘味料含有飲食品組成物、高甘味度甘味料含有食品組成物の呈味改善剤、高甘味度甘味料含有飲食物の呈味改善方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20180928BHJP
【FI】
   A23L27/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-63459(P2017-63459)
(22)【出願日】2017年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】591014097
【氏名又は名称】サンエイ糖化株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】林 佳奈子
(72)【発明者】
【氏名】深見 健
【テーマコード(参考)】
4B047
【Fターム(参考)】
4B047LB03
4B047LB04
4B047LB08
4B047LB09
4B047LG08
4B047LG09
4B047LG17
4B047LG20
4B047LG23
4B047LG26
4B047LG32
4B047LP02
(57)【要約】
【課題】高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善効果に優れた新規な呈味改善剤、及び、このような呈味改善剤により呈味が改善された高甘味度甘味料含有飲食品組成物、及び高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味を改善する方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の成分として含有することを特徴とする高甘味度甘味料含有飲食品組成物である。また、本発明は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の成分からなる、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善剤である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の成分を含有する、高甘味度甘味料含有飲食品組成物。
【請求項2】
飲食品組成物中の前記成分の含量(A)と、高甘味度甘味料の含量(B)の質量比(A/B)が、0.01〜7000である請求項1に記載の高甘味度甘味料含有飲食品組成物。
【請求項3】
前記糖カルボン酸が、マルトビオン酸、イソマルトビオン酸、マルトトリオン酸、イソマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトヘキサオン酸及びセロビオン酸からなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む、請求項1又は2に記載の高甘味度甘味料含有飲食品組成物。
【請求項4】
前記糖カルボン酸が、マルトオリゴ糖酸化物、分岐オリゴ糖酸化物、水飴酸化物、粉飴酸化物又はデキストリン酸化物の形態で含まれる、請求項1から3のいずれかに記載の高甘味度甘味料含有飲食品組成物。
【請求項5】
重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の成分からなる、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善剤。
【請求項6】
高甘味度甘味料含有飲食品組成物において、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の成分を含有させることによって、呈味を改善する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高甘味度甘味料含有飲食品組成物、高甘味度甘味料含有飲食品の後引き等低減等の呈味改善剤、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の高甘味度甘味料は、ショ糖の数百倍の甘味を呈するが低カロリーである特性を持ち、健康志向の高まりから多くの飲食品に使用されている。しかし、ショ糖に比べると甘味の後引きが強く、またボディ感の不足により嗜好性が劣るという欠点があった。飲食品において嗜好性は購買意欲に大きく関与する要素であるため、甘味の後引きやボディ感の不足の改善に関して、種々検討がなされてきた。
【0003】
高甘味度甘味料の呈味を改善させるための呈味改善剤としては、例えば、リンゴ酸やグルコン酸等の有機酸またはこれらの塩を有効成分として含有する高甘味度甘味料の呈味改善剤(特許文献1)や、キナ酸またはキナ酸を含むコーヒー豆加水分解物を有効成分として含有することを特徴とする高甘味度甘味料の呈味改善剤(特許文献2)が開示されている。また、デキストリンを用いることで高甘味度甘味料の甘味の後引き改善及びボディ感を付与する方法(特許文献3)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3803065号公報
【特許文献2】特許4068788号公報
【特許文献3】特開2013−252075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1、2においては、ボディ感向上に関する記載はなく、特に特許文献1においては強い酸味が付与されることにより、味のバランスを損なう恐れがあり、高甘味度甘味料の風味改善方法として十分ではなかった。また、特許文献3においては、高分子のデキストリンを使用することによって、甘味の後引きが改善されボディ感も付与されるものの、甘味が平坦になってしまうことや、果実等の風味がマスキングされることにより味のバランスを損なう恐れがあった。
【0006】
したがって、特許文献1〜3に記載された呈味改善剤は、高甘味度甘味料の呈味改善剤、改善方法として十分に満足できるものではなかった。
【0007】
本発明は以上の実情にかんがみてなされたものであり、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善効果に優れた新規な呈味改善剤、及び、このような呈味改善剤により呈味が改善された高甘味度甘味料含有飲食品組成物、及び、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味を改善する方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、重合度2以上の澱粉分解物または転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸を用いることで、高甘味度甘味料特有の甘味の後引きを低減し、さらにボディ感を付与することにより、高甘味度甘味料含有飲食物の呈味を改善できることを見出し、本発明に至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0009】
(1) 重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の成分を含有する高甘味度甘味料含有飲食品組成物。
【0010】
(2) 飲食品組成物中の前記成分の含量(A)と、高甘味度甘味料の含量(B)の質量比(A/B)が0.01〜7000である(1)に記載の高甘味度甘味料含有飲食品組成物。
【0011】
(3) 前記糖カルボン酸が、マルトビオン酸、イソマルトビオン酸、マルトトリオン酸、イソマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトヘキサオン酸、及びセロビオン酸からなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む、(1)または(2)に記載の高甘味度甘味料含有飲食品組成物。
【0012】
(4) 前記糖カルボン酸が、マルトオリゴ糖酸化物、分岐オリゴ糖酸化物、水飴酸化物、粉飴酸化物又はデキストリン酸化物の形態で含まれる、(1)から(3)のいずれかに記載の高甘味度甘味料含有飲食品組成物。
【0013】
(5) 重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の成分からなる、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善剤。
【0014】
(6) 高甘味度甘味料含有飲食品組成物において、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の成分を含有させることによって、呈味を改善する方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善効果に優れた新規な呈味改善剤、及び、このような呈味改善剤により呈味が改善された高甘味度甘味料含有飲食品組成物、及び高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味を改善する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】クエン酸とマルトビオン酸のそれぞれの酸味強度を揃えた場合における、酸味の強さと時間の関係を示す呈味曲線のグラフである。
図2】高甘味度甘味料であるアスパルテームに糖カルボン酸であるマルトビオン酸またはデキストリン酸化物を添加した場合における、呈味強度と時間の関係を示す呈味曲線のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
【0018】
<高甘味度甘味料含有飲食品組成物>
本発明の高甘味度甘味料含有飲食品組成物は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分(以下、単に「糖カルボン酸」と称する場合がある)を含む。
【0019】
本発明の高甘味度甘味料含有飲食品組成物によれば、糖カルボン酸を用いることにより、呈味を改善することができる。糖カルボン酸であるマルトビオン酸の酸味強度は、有機酸であるクエン酸や特許文献1に記載のリンゴ酸の10〜12分の1程度の穏やかな酸味を呈し、酒石酸のような収斂味がないという特徴がある。前記の通り、糖カルボン酸自身が強い酸味を呈さないため、高甘味度甘味料を含有する飲食品組成物において、風味のバランスを崩すことなく呈味改善効果を発揮できるものと考えられる。
【0020】
糖カルボン酸の酸味がクエン酸等の有機酸と比較して穏やかであることを上述したが、酸味の強度だけでなく、酸味の質も大きく異なる。糖カルボン酸であるマルトビオン酸と有機酸であるクエン酸の酸味強度をそろえた場合の時間と酸味の関係について官能評価を行い、その酸味曲線を図1に示した。図1に示すように、クエン酸は酸味の立ち上がりが早く鋭い酸味を呈するのに対して、マルトビオン酸は酸味が緩やかに立ち上がって持続するため、高甘味度甘味料に由来する甘味の後引きをマスキングし、後味のキレが向上するものと考えられる。
【0021】
また、糖カルボン酸は糖質素材であるため、有機酸を添加する場合に比べて飲食品組成物にボディ感やコク等と表現される風味の厚さを付与させることが可能となる。図2に示すように、高甘味度甘味料に糖カルボン酸を添加した場合、甘味を引き立てて全体的な呈味強度が上昇するとともに、後半の呈味に厚みを付与するが、後味のキレが向上する。以上により、糖カルボン酸を用いることによって、高甘味度甘味料含有飲食品組成物における総合的な呈味改善が可能となる。
【0022】
本発明において、高甘味度甘味料含有飲食品組成物とは、高甘味度甘味料を含有する飲食品用の組成物のことを指す。食品組成物の形状は特に限定されず、例えば、固体状(ゼリー等の半固体状態の物も含む)、ペースト状、液状等であってもよい。
【0023】
高甘味度甘味料としては、天然の植物から抽出される高甘味度甘味料であるステビア(甘味度(ショ糖を1とした場合の甘味度):150〜300)、ラカンカ(甘味度:300)、グリチリリチン(甘味度:250)、タウマチン(甘味度:3000〜5000)、モネリン(甘味度:3000)、アミノ酸を原料とする高甘味甘味料であるアスパルテーム(甘味度:200)、アリテーム(甘味度:2000〜2900)、アドバンテーム(甘味度:14000〜48000)、ネオテーム(甘味度:7000〜13000)、その他の高甘味度甘味料であるサッカリン(甘味度:300〜500)、チクロ(甘味度:30〜40)、アセスルファムK(甘味度:200)、スクラロース(甘味度:600)、ズルチン(甘味度:200〜250)のいずれも使用することができる。これらは単独で使用しても良く、2種類以上を使用してもよい。
【0024】
また、高甘味度甘味料を含有する飲食品組成物としては、清涼飲料、炭酸飲料、高甘味度甘味料入り乳飲料、混合飲料、アルコール飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、機能性飲料等の飲料類、ケーキ、ゼリー、ムース、ジャム、キャンディー、グミ、キャラメル、ガム、クッキー、和菓子等の菓子類、ヨーグルト、アイスクリーム等の乳製品類、シャーベット等の冷菓類、シロップ類、ジャム類、フィリング類、漬物類、ドレッシング、タレ、ソース等の調味料類、スープ類、冷凍食品、チルド食品、レトルトパウチ食品、惣菜等の調理食品、果実類の加工品、野菜類の加工品、魚介類の加工品、練製品、インスタント食品、缶及び瓶詰食品、栄養食品等が例示できる。
【0025】
(糖カルボン酸)
本発明の高甘味度甘味料含有飲食品組成物は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分を含有する。糖カルボン酸は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化されたものであれば、特に限定されない。澱粉分解物又は転移反応物の重合度は、例えば、2〜100等であってもよい。より具体的には、糖カルボン酸は、マルトビオン酸、イソマルトビオン酸、マルトトリオン酸、イソマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトヘキサオン酸、セロビオン酸、パノース酸化物等が挙げられる。これらのうち、高甘味度甘味料含有飲食品の呈味改善効果が高い点で、マルトビオン酸、マルトトリオン酸が好ましく、マルトビオン酸がより好ましい。これらは、単独で使用してよく、2種以上を併用してもよい。また、糖カルボン酸は、遊離の酸であってもよく、その塩類及びラクトンであってもよい。
【0026】
上記成分(重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分)の飲食品組成物中の含有量(A)と高甘味度甘味料の含有量(B)の質量比(A/B)は、特に限定されず、例えば、高甘味度甘味料含有飲食品組成物中、高甘味度甘味料に対して0.01〜7000であり、0.05〜1000が好ましく、0.1〜500がより好ましく、1〜200がさらにより好ましい。また、上記成分(重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分)の含有量は、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の目的、用途に応じて適宜設定しても良く、例えば、飲食品組成物が、飲料、アルコール類、ペースト等であるときは、A/Bが0.01〜500であることが好ましく、飲食品組成物がキャンディー、グミ、ゼリー等であるときは0.1〜1000であることが好ましく、シロップ、ソース類であるときは0.1〜7000であることが好ましい。
【0027】
糖カルボン酸の含有量は、HPAED−PAD法(パルスドアンペロメトリー検出器、CarboPac PA1カラム)により測定する。測定は、溶出:35℃、1.0ml/min、水酸化ナトリウム濃度:100mM、酢酸ナトリウム濃度:0分−0mM、5分−0mM、10分−40mM、30分−50mMの条件で行う。
【0028】
糖カルボン酸は、どのような形態で含まれてもよく、例えば、マルトオリゴ糖酸化物、分岐オリゴ糖酸化物、水飴酸化物、粉飴酸化物又はデキストリン酸化物の形態で含まれてもよい。また、液体であっても粉末であってもよい。
【0029】
糖カルボン酸は、常法に従って製造することができる。例えば、澱粉分解物又は転移反応物を化学的な酸化反応により酸化する方法や、澱粉分解物又は転移反応物にオリゴ糖酸化能を有する微生物、又は酸化酵素を作用させる反応により製造することができる。
【0030】
化学的な酸化反応としては、例えば、パラジウム、白金、ビスマス等を活性炭に担持させた酸化触媒の存在下で、マルトース等の重合度2以上のアルドースと酸素をアルカリ雰囲気下で接触酸化させることにより、糖カルボン酸を製造することができる。以下に、化学的な酸化反応によるマルトビオン酸の製造方法について、より具体的な一例を説明する。
【0031】
まず、50℃に保持した20%マルトース溶液100mlに白金−活性炭触媒3gを加え、100mL/minで酸素を吹き込みながら600rpmで攪拌する。反応pHは、10N水酸化ナトリウム溶液を滴下することによって、pH9.0に維持する。そして、反応開始から5時間後、遠心分離とメンブレンフィルターろ過により触媒を取り除いて、マルトビオン酸ナトリウム溶液を得ることができる。得られたマルトビオン酸ナトリウム溶液をカチオン交換樹脂又は電気透析により脱塩することで、マルトビオン酸を得ることができる。
【0032】
マルトビオン酸に塩類を添加することで、マルトビオン酸塩を調製可能である。例えば、マルトビオン酸カルシウムを製造するには、上記の方法で得られたマルトビオン酸溶液に炭酸カルシウム等のカルシウム源を2:1のモル比となるように添加し、溶解させることで、マルトビオン酸カルシウムを調製することができる。この際に使用されるカルシウム源は、可食性のカルシウムであれば特に限定されず、例えば、卵殻粉末、サンゴ粉末、骨粉末、貝殻粉末等の天然素材、或いは、炭酸カルシウム、塩化カルシウム等の化学合成品等が挙げられる。
【0033】
ラクトンを調製する方法は、特に限定されないが、脱水操作により調製することができ、例えばマルトビオン酸を脱水操作することで、マルトビオノラクトンを調製することができる。また、マルトビオノラクトン等のラクトンは、水に溶かすと速やかにマルトビオン酸等の糖カルボン酸となる。
【0034】
オリゴ糖酸化能を有する微生物を用いた方法としては、例えば、アシネトバクター属、ブルクホルデリア属、アセトバクター属、グルコノバクター属等を用いた微生物変換・発酵法により糖カルボン酸を製造することができる。
【0035】
酵素反応による製造方法としては、例えば、Acremonium chrysogenum(アクレモニウム クリソゲナム)等の、オリゴ糖酸化能を有する微生物から酸化酵素を抽出し作用させる方法により製造することができる。
【0036】
(他の成分)
また、本発明の高甘味度甘味料含有飲食品組成物は、上記以外の従来公知のいずれの成分を加えてもよく、加えなくてもよい。このような成分としては、例えば、香料、増粘剤、甘味料(砂糖、異性化糖、ぶどう糖、果糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖、はちみつ、水飴、粉飴、マルトデキストリン、ソルビトール、マルチトール、還元水飴、マルトース、トレハロース、黒糖等)、酸味料(クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸)、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウム、亜鉛、銅等)、乳化剤、機能性成分、保存料、安定剤、酸化防止剤、ビタミン類、果汁または野菜汁等が挙げられる。これらの成分の添加量は、得ようとする効果に応じて適宜調整できる。
【0037】
本発明の高甘味度甘味料含有飲食品組成物は、上述の通り、有機酸と併用することができ、高甘味度甘味料含有飲食品組成物中の有機酸の一部を糖カルボン酸に置き換えての使用も可能である。糖カルボン酸と併用可能な有機酸として、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、酒石酸等が挙げられる。これら有機酸1種単独で用いても、2種以上を併用しても良い。これら有機酸の添加量は目的に応じて適宜調整できる。
【0038】
本発明の高甘味度甘味料含有飲食品組成物の製法は、特に限定されないが、各飲食品組成物の製造工程の実状に適した添加方法を採用することができ、例えば、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分を、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の原料に対して初めから混合してもよく、製造工程中、あるいは加工終了時に添加してもよい。また、高甘味度甘味料含有飲食品組成物に対して、各種成分を混合する際、加熱して各種成分を溶解させてもよいし、容器詰めした後加熱殺菌し、常温で長期保存可能なようにしてもよい。例えば、容器としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)等のプラスチックボトル、スチールやアルミ等の金属缶、紙パック、パウチ容器等が挙げられる。
【0039】
<高甘味度甘味料含有食品組成物の呈味改善剤>
本発明の高甘味度甘味料含有食品組成物の呈味向上剤は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上の成分からなる、高甘味度甘味料含有飲食品組成物における呈味改善剤である。
【0040】
本発明の高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善剤によれば、糖カルボン酸を用いることにより、高甘味度甘味料含有飲食物において、高甘味度甘味料の甘味の後引きを低減し、さらにボディ感を付与することにより、総合的な呈味改善を可能とする。
【0041】
本発明における「呈味改善」とは、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味が改善されることを指す。改善される呈味は、高甘味度甘味料に特有な甘味の後引きやエグ味のマスキング、また、高甘味度甘味料を用いることによって生じるボディ感の不足の改善等が挙げられる。
【0042】
なお、上記高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善剤の糖カルボン酸は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化されたものであれば、特に限定されず、上述の高甘味度甘味料含有飲食品組成物における糖カルボン酸と同様のものを例示できるが、澱粉分解物又は転移反応物の重合度は、例えば、2〜100等であってもよい。より具体的には、糖カルボン酸は、マルトビオン酸、イソマルトビオン酸、マルトトリオン酸、イソマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトヘキサオン酸、セロビオン酸、パノース酸化物等が挙げられる。これらは、単独で使用してよく、2種以上を併用してもよい。また、糖カルボン酸は、遊離の酸であってもよく、その塩類及びラクトンであってもよい。
【0043】
<高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味を改善する方法>
本発明の高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味を改善する方法は、高甘味度甘味料含有飲食品組成物において、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分を含有させることによって、高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味を改善する方法である。
【0044】
本発明の高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善方法によれば、上述のとおり、糖カルボン酸を用いることにより、高甘味度甘味料含有飲食物において、高甘味度甘味料の甘味の後引きを低減し、さらにボディ感を付与することにより、総合的な呈味改善を可能とする。
【0045】
なお、上記高甘味度甘味料含有飲食品組成物の呈味改善方法の糖カルボン酸は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化されたものであれば、特に限定されず、上述の高甘味度甘味料含有飲食品組成物における糖カルボン酸と同様のものを例示できるが、澱粉分解物又は転移反応物の重合度は、例えば、2〜100等であってもよい。より具体的には、糖カルボン酸は、マルトビオン酸、イソマルトビオン酸、マルトトリオン酸、イソマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトヘキサオン酸、セロビオン酸、パノース酸化物等が挙げられる。これらは、単独で使用してよく、2種以上を併用してもよい。また、糖カルボン酸は、遊離の酸であってもよく、その塩類及びラクトンであってもよい。
【実施例】
【0046】
(糖カルボン酸試験物質)
以下の評価試験では、マルトオリゴ糖酸化物(Brix70%)、マルトオリゴ糖酸化カルシウム、マルトオリゴ糖酸化ナトリウム、マルトオリゴ糖酸化カリウム、DE19のデキストリン酸化物(サンエイ糖化製、商品名NSD700を酸化)を用いた。なお、マルトオリゴ糖酸化物中(HPLC法;固形分換算)には、マルトビオン酸 70.0wt%に加えて、グルコン酸 1.0wt%、マルトトリオン酸15.0wt%及びマルトテトラオン酸(重合度4)以上のマルトオリゴ糖酸14.0wt%を含む。マルトオリゴ糖酸化カルシウム、ナトリウム、カリウムは、前述のマルトオリゴ糖酸化物に対し、カルシウム4.1wt%、ナトリウム4.7wt%、カリウム7.6wt%をそれぞれ含む。
【0047】
<味質評価試験1 アスパルテーム>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)、クエン酸(和光純薬工業製)、アスパルテーム(キリン協和フーズ製)を用い、下記の表1に示すサンプル(比較例1、2および実施例1)を調製し、官能評価を行った。官能評価では、呈味が非常に良好であるものを◎、:呈味が良好であるものを○、効果が弱いものを△、変化無し又は呈味に違和感があるものを×として評価を行った。その結果を以下の表1に示す。また、表中、「A/B」は、高甘味度甘味料の含有量に対する、糖カルボン酸含有量の質量比である。
【0048】
【表1】
【0049】
評価の結果、アスパルテーム溶液にマルトオリゴ糖酸化物を添加することにより、高甘味度甘味料特有の後味の不快味がマスキングされるとともに、自然な甘さが引き出されて厚みのある風味となることが確認された。
【0050】
<味質評価試験2 スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)、クエン酸(和光純薬工業製)、スクラロース(三栄源エフエフアイ製)、アセスルファムカリウム(キリン協和フーズ製)、ステビア(守田化学工業製)を用い、下記の表2に示すサンプル(比較例3〜8および実施例2〜4)を調製し、官能評価を行った。官能評価では、呈味が非常に良好であるものを◎、:呈味が良好であるものを○、効果が弱いものを△、変化無し又は呈味に違和感があるものを×として評価を行った。その結果を以下の表1に示す。なお、以下の表において、「K」はカリウムを指す。また、表中、「A/B」は、高甘味度甘味料の含有量に対する、糖カルボン酸含有量の質量比である。
【0051】
【表2】
【0052】
評価の結果、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア溶液においてもマルトオリゴ糖酸化物を添加することによる呈味改善効果が確認され、マルトオリゴ糖酸化物は種々の高甘味度甘味料に対して呈味改善効果が得られることが確認された。
【0053】
<味質評価試験3 ミネラル塩>
マルトオリゴ糖酸化カルシウム(サンエイ糖化製)、マルトオリゴ糖酸化ナトリウム(サンエイ糖化製)、マルトオリゴ糖酸化カリウム(サンエイ糖化製)、乳酸カルシウム(扶桑化学工業製)、アスパルテーム(キリン協和フーズ製)を用い、下記の表3に示すサンプル(比較例1、9および実施例5〜7)を調製し、官能評価を行った。官能評価では、呈味が非常に良好であるものを◎、:呈味が良好であるものを○、効果が弱いものを△、変化無し又は呈味に違和感があるものを×として評価を行った。その結果を以下の表3に示す。なお、以下の表において、「Ca」はカルシウムを「Na」はナトリウムを「K」はカリウムを指す。また、表中、「A/B」は、高甘味度甘味料の含有量に対する、糖カルボン酸含有量の質量比である。
【0054】
【表3】
【0055】
評価の結果、マルトオリゴ糖酸化物のミネラル塩として用いた場合にも高甘味度甘味料特有の後味の不快味がマスキングされるとともに、厚みのある風味となることが確認された。
【0056】
<味質評価試験4 デキストリン酸化物>
デキストリン酸化物(サンエイ糖化製)、アスパルテーム(キリン協和フーズ製)、アセスルファムカリウム(キリン協和フーズ製)を用い、下記の表4に示すサンプル(比較例1、10および実施例例8、9)を調製し、官能評価を行った。官能評価では、呈味が非常に良好であるものを◎、:呈味が良好であるものを○、効果が弱いものを△、変化無し又は呈味に違和感があるものを×として評価を行った。その結果を以下の表4に示す。また、表中、「A/B」は、高甘味度甘味料の含有量に対する、糖カルボン酸含有量の質量比である。
【0057】
【表4】
【0058】
評価の結果、デキストリン酸化物を用いた場合にも十分な呈味改善効果が確認され、糖カルボン酸の高甘味度甘味料に対する呈味改善効果は糖カルボン酸の重合度によらないことが示された。
【0059】
<味質評価試験5>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)、マルトオリゴ糖酸化カルシウム、デキストリン酸化物(サンエイ糖化製)、クエン酸(和光純薬工業製)、アスパルテーム(キリン協和フーズ製)、スクラロース(三栄源エフエフアイ製)、砂糖(三井製糖製)を用い、下記の表5、6に示すサンプル(比較例11〜15及び実施例10〜22)を調製し、官能評価を行った。官能評価では、呈味が非常に良好であるものを◎、:呈味が良好であるものを○、効果が弱いものを△、変化無し又は呈味に違和感があるものを×として評価を行った。その結果を以下の表5〜7に示す。また、表中、「A/B」は、高甘味度甘味料の含有量に対する、糖カルボン酸含有量の質量比である。
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
評価の結果、マルトオリゴ糖酸化物及びその塩類やデキストリン酸化物は高甘味度甘味料に対して0.01〜5000wt%程度の添加でも呈味改善効果が得られることが確認された。
【0064】
<味質評価試験6 クエン酸との併用>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)、クエン酸(和光純薬工業製)、リンゴ酸(関東化学工業製)、スクラロース(三栄源エフエフアイ製)を用い、下記の表8に示すサンプル(比較例16、17、実施例23、24)を調製し、官能評価を行った。官能評価では、呈味が非常に良好であるものを◎、:呈味が良好であるものを○、効果が弱いものを△、変化無し又は呈味に違和感があるものを×として評価を行った。その結果を以下の表8に示す。また、表中、「A/B」は、高甘味度甘味料の含有量に対する、糖カルボン酸含有量の質量比である。
【0065】
【表8】
【0066】
評価の結果、マルトオリゴ糖酸化物は、クエン酸等の酸味料と併用した場合にも呈味改善効果が確認された。マルトオリゴ糖酸化物を加えることにより酸味が持続するため、後味のキレが良くなることが特徴的であった。
【0067】
<味質評価試験7 デキストリンとの比較>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)、クエン酸(和光純薬工業製)、デキストリン(サンエイ糖化製 NSD700)、アスパルテーム(キリン協和フーズ製)を用い、下記の表9に示すサンプル(比較例18、19、実施例25、26)を調製し、官能評価を行った。官能評価では、呈味が非常に良好であるものを◎、:呈味が良好であるものを○、効果が弱いものを△、変化無し又は呈味に違和感があるものを×として評価を行った。その結果を以下の表9に示す。また、表中、「A/B」は、高甘味度甘味料の含有量に対する、糖カルボン酸含有量の質量比である。
【0068】
【表9】
【0069】
評価の結果、マルトオリゴ糖酸は、高甘味度甘味料の呈味改善効果があるとされるデキストリンと比較した場合にも、呈味改善効果に優れていることが確認された。
【0070】
<味質評価試験8 高甘味度甘味料併用>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)、クエン酸(和光純薬工業製)、リンゴ酸(関東化学工業製)、アスパルテーム(キリン協和フーズ製)、アセスルファムカリウム(キリン協和フーズ製)を用い、下記の表10に示すサンプル(比較例20〜23、実施例27〜29)を調製し、官能評価を行った。官能評価では、呈味が非常に良好であるものを◎、:呈味が良好であるものを○、効果が弱いものを△、変化無し又は呈味に違和感があるものを×として評価を行った。その結果を以下の表10に示す。また、表中、「A/B」は、高甘味度甘味料の含有量に対する、糖カルボン酸含有量の質量比である。
【0071】
【表10】
【0072】
評価の結果、高甘味度甘味料を複数用いた場合でもマルトオリゴ糖酸化物による呈味改善効果が確認された。また、同時にクエン酸等の酸味料との併用した場合においても、呈味改善効果が確認された。
【0073】
<清涼飲料>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)を用い、下記の表11に示す処方にて、清涼酸飲料(実施例30)を調製し、官能評価を行った。その結果を以下の表11に示す。
【0074】
【表11】
【0075】
評価の結果、表11に示すとおり、マルトオリゴ糖酸化物を用いることにより、えぐみや甘味の後引きが低減された飲料を作成することができた。
<紅茶飲料>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)を用い、紅茶葉抽出液に下記の表12に示した材料を添加した紅茶飲料(実施例31)を調製し、官能評価を行った。その結果を以下の表12に示す。
【0076】
【表12】
【0077】
評価の結果、表12に示すとおり、マルトオリゴ糖酸化物を用いることにより、えぐみや甘味の後引きが低減された紅茶飲料を作成することができた。
【0078】
<リンゴゼリー>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)を用い、下記の表13に示す処方にて、全ての材料を煮溶かした後に、容器に充填して冷やし固めたリンゴのゼリー(実施例32)を調製し、官能評価を行った。その結果を以下の表13に示す。
【0079】
【表13】
【0080】
評価の結果、表12に示すとおり、マルトオリゴ糖酸化物を用いることにより、えぐみや甘味の後引きが低減されたゼリーを作成することができた。
【0081】
<トマトピューレ加工品>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)を用い、下記の表14に示す処方にて、全ての材料を混合、加熱撹拌し、沸騰後さらに弱火で3分間加熱撹拌して、容器に充填したトマトピューレ加工品(実施例33)を調製し、官能評価を行った。その結果を以下の表14に示す。
【0082】
【表14】
【0083】
評価の結果、表14に示すとおり、マルトオリゴ糖酸化物を用いることにより、えぐみや甘味の後引きが低減されたトマトピューレ加工品を作成することができた。
【0084】
<フルーツソース>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)を用い、下記の表15に示す処方にて、フルーツソース(実施例34)を調製し、官能評価を行った。その結果を以下の表15に示す。
【0085】
【表15】
【0086】
評価の結果、表15に示すとおり、マルトオリゴ糖酸化物を用いることにより、えぐみや甘味の後引きがないフルーツソースを作成することができた。
【0087】
<デザートソース>
マルトオリゴ糖酸化物(サンエイ糖化製)を用い、下記の表16に示す処方にて、デザートソース(実施例35)を調製し、官能評価を行った。その結果を以下の表16に示す。
【0088】
【表16】
【0089】
評価の結果、表16に示すとおり、マルトオリゴ糖酸化物を用いることにより、えぐみや甘味の後引きがなく爽やかな酸味のあるデザートソースを作成することができた。
図1
図2