特開2018-164448(P2018-164448A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-164448ゼオライト含有スプレー並びにゼオライト含有スプレーの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-164448(P2018-164448A)
(43)【公開日】2018年10月25日
(54)【発明の名称】ゼオライト含有スプレー並びにゼオライト含有スプレーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20180928BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20180928BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20180928BHJP
【FI】
   A01K29/00
   A61L9/01 BZAB
   A61L9/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-79274(P2017-79274)
(22)【出願日】2017年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】516156215
【氏名又は名称】笠松 裕史
(72)【発明者】
【氏名】笠松 裕史
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA05
4C180AA10
4C180BB06
4C180BB07
4C180BB08
4C180BB12
4C180CC04
4C180EA14Y
4C180EA23Y
4C180EA26X
4C180EA64Y
(57)【要約】
【課題】ゼオライトの有する良好な機能を発揮することによって、ペットの糞尿の臭いやその洗浄を容易とするゼオライト含有スプレー、並びに、そのゼオライト含有スプレーを簡易に製造し得るゼオライト含有スプレーの製造方法を提供する。
【解決手段】ゼオライトと、水と、pH調整剤と、を含む、ゼオライト含有スプレー及びその応用。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼオライトと、水と、pH調整剤と、を含む、ゼオライト含有スプレー。
【請求項2】
含有物全量に対し1質量%〜50質量%のゼオライトと、含有物全量に対し50質量%〜99質量%の水と、含有物全量に対し0質量%〜10質量%のpH調整剤と、を含む、請求項1記載のゼオライト含有スプレー。
【請求項3】
ペット用スプレーである、請求項1または2記載のゼオライト含有スプレー。
【請求項4】
ゼオライトと、水と、pH調整剤とを混合する混合工程、および、前記混合工程にて得られた混合物を撹拌する撹拌工程、を含む、ゼオライト含有スプレーの製造方法。
【請求項5】
含有物全量に対し1質量%〜50質量%のゼオライトと、含有物全量に対し50質量%〜99質量%の水と、含有物全量に対し0質量%〜10質量%のpH調整剤とを混合する混合工程、および、前記混合工程にて得られた混合物を撹拌する撹拌工程、を含む、請求項4記載のゼオライト含有スプレーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト含有スプレー並びにゼオライト含有スプレーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ペットブームであり、犬や猫を飼う人が増えてきている。
ペット、特に犬であることが多いと思われるが、飼い主が散歩に連れ出す際に、道路端や公園等の公共施設などにおいて、糞をしてしまった場合、その場で飼い主がスコップやゴミばさみを用いて拾い、エチケット袋に収めて持ち帰ることは、近年、散歩時のマナーとして広く浸透してきている。
【0003】
しかしながら、犬が尿をしてしまった場合には、飼い主は不十分な対処手段しか持たないのが現状である。個別の飼い主の中には、ペットボトルに水を入れて持参し、尿のかかった個所に散布することによって尿の希釈を行うなどの対処も見られるが、このような対処では、かえって、尿の拡散が生じてしまうため、尿に対する十分有効な手段とはいえなかった。
【0004】
例えば、ペットの居住空間、寝室、台所や玄関等において、糞尿といった排泄物、生ゴミ、加齢臭に対して、消臭や除菌を目的とした除菌消臭洗浄剤がある(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、特許文献1の消臭スプレーは屋内用であり、ペットの居住空間であるのと同時に人間の居住空間である場合が多く、そのような場所で用いるものであることから、特に人間にとっての、空間の快適な居住性を維持するべく、芳香性を加えたものや界面活性剤等の添加剤を添加したものであるため、屋外の土壌環境や生態系に配慮することを鑑みると、特許文献1のような消臭スプレーを屋外での散歩時等で使用することは困難であった。
【0005】
また、近年の、上記のような、道路や公園といった公共施設並びに住宅地におけるマナーの向上や環境保全が叫ばれる以上に、ペットの糞尿を原因とした看過できない事柄として、各地で街灯や標識柱といった公共設備が腐食し、倒壊する事故が発生しており、それに伴う住民への被害も発生している。上記設備の腐食の原因については、ペットの糞尿が繰り返されることによって、その糞尿に含まれる塩化物や尿素(アンモニア)の蓄積が関与しているといわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−69918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故、ペットの排泄物、特に尿の消臭、洗浄を達成でき、それによる腐食事故を低減し、且つ、噴霧する物質が土壌及び植物に無害で、環境保全にも配慮可能な機能性スプレーを開発することが求められている。
本発明の一実施形態の課題は、ゼオライトの有する良好な機能を発揮することによって、ペットの糞尿の臭いやその洗浄を容易とするゼオライト含有スプレー、並びに、そのゼオライト含有スプレーを簡易に製造し得るゼオライト含有スプレーの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するための手段は、以下の実施形態を含む。
<1> ゼオライトと、水と、pH調整剤と、を含む、ゼオライト含有スプレー。
【0009】
<2> 含有物全量に対し1質量%〜50質量%のゼオライトと、含有物全量に対し50質量%〜99質量%の水と、含有物全量に対し0質量%〜10質量%のpH調整剤と、を含む、<1>に記載のゼオライト含有スプレー。
【0010】
<3> ペット用スプレーである、<1>または<2>に記載のゼオライト含有スプレー。
【0011】
<4> ゼオライトと、水と、pH調整剤とを混合する混合工程、および、前記混合工程にて得られた混合物を撹拌する撹拌工程、を含む、ゼオライト含有スプレーの製造方法。
【0012】
<5> 含有物全量に対し1質量%〜50質量%のゼオライトと、含有物全量に対し50質量%〜99質量%の水と、含有物全量に対し0質量%〜10質量%のpH調整剤とを混合する混合工程、および、前記混合工程にて得られた混合物を撹拌する撹拌工程、を含む、<4>に記載のゼオライト含有スプレーの製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施形態によれば、ゼオライトの有する良好な機能を発揮することによって、ペットの糞尿の臭いやその洗浄を容易とするゼオライト含有スプレー、並びに、そのゼオライト含有スプレーを簡易に製造し得るゼオライト含有スプレーの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態を、より具体的な例を挙げて詳細に説明するが、本実施形態はその趣旨に反しない限り、以下の記載に限定されない。
【0015】
[ゼオライト含有スプレー]
本実施形態のゼオライト含有スプレーは、ゼオライトと、水と、pH調整剤と、を含むゼオライト含有スプレーである。
以下、本実施形態のゼオライト含有スプレーの構成成分について説明する。
【0016】
<ゼオライト>
本実施形態のゼオライト含有スプレーはゼオライトを含有する。
ゼオライトは、アルミノケイ酸塩化合物であり、結晶構造中に空隙を有する。
これは、ケイ素、アルミニウム、酸素からなる骨格を基本とし、これによって負に帯電しているが、結晶骨格外にカチオンを存在させることによって、電荷のバランスをとっており、いわゆるイオン交換体ということである。例えば、ナトリウム含有ゼオライトをカルシウムイオンを含む水溶液中に投入すると、ゼオライト中のナトリウムイオンが水溶液中に放出され、代わりに水溶液中のカルシウムイオンがゼオライト中に入るといったものである。
ゼオライトはこのような高い陽イオン交換容量により、例えば、土壌へ肥料と共に投入することで、土の保肥力が向上する機能を有することが知られている。
ゼオライトは、上記のとおり、多孔質物質であり、ペットの居住空間に特有の、アンモニア、硫化水素、トリメチルアミン、イソ吉草酸、ホルムアルデヒドなどのガスを吸着し、消臭する、或いは水分を吸収したり、放出したりする機能を有することも知られている。
既述の如き機能を有するゼオライトは、吸着材料、イオン交換材料、有機溶媒の脱水、湿度調節材、土壌改良材、放射性汚染水の浄化、有害重金属イオンの除去等として用いられる。
【0017】
特開2001−48719号公報の段落番号〔0014〕には、ゼオライトのガス吸着による消臭、陽イオン交換による抗菌、殺菌効果について記載されている。
特開2004−242516号公報の要約には、ゼオライトがペット用の消臭剤として用いられることが記載されている。また、ゼオライト由来のペット用トイレ砂は一般に市販されており、ペット愛好者には公知の存在である。
特開平6−136356号公報の段落番号〔0025〕には、ゼオライトが塩化ナトリウムや塩化カルシウムといった塩化物を吸着担持することが記載されている。塩化物の吸着については活性炭等も公知であり、補助的にゼオライトに併せて用いても良い。
【0018】
本実施形態に使用し得るゼオライトには特に制限はなく、天然物であってもよく、人工的に合成された人工物であってもよい。
例えば、特開2005−60175号公報の段落番号〔0018〕〜〔0019〕において、人工ゼオライト、天然ゼオライトとして記載されるゼオライトは、本実施形態にも好適に使用される。
ゼオライトの粒径は、mmオーダーから、μmオーダー、nmオーダーまでさまざまな粒径があり、目的に応じて適宜選択されるが、スプレーボトルにて噴霧するという性質上、より細かい粒径のゼオライトが好ましい。
ゼオライトは、市販品を使用してもよく、市販品としては、例えば、ジークライト株式会社のゼオライトSGWシリーズ(商品名)などが挙げられる。使用し得るゼオライトは上述のゼオライト製品に限らず、一般的に購入できるゼオライト製品はいずれも本実施形態のゼオライト含有スプレーに使用することができる。
【0019】
本実施形態のゼオライト含有スプレー全量に対するゼオライトの含有量は、1質量%〜50質量%の範囲において、用途に応じて適宜選択することができる。ゼオライト含有スプレー全量に対するゼオライトの含有量が1質量%未満であると、ゼオライト含有スプレーとして期待するゼオライトの高機能性を発揮させることが困難である。ゼオライトの含有量が50質量%を超えると、スプレーが詰まる恐れがある。
ゼオライトの含有量については、スプレー全量に対し、15質量%〜40質量%であることが好ましい。
【0020】
<pH調整剤>
本実施形態のゼオライトスプレーは、pH調整剤を含有する。なお、pH調整剤の、ゼオライト含有物全量に対する含有率を0質量%からとしたのは、ゼオライト溶液が混合時で既に所望のpH値を示す場合には、pH調整は不要と考えるためである。
pH調整剤は、ゼオライトスプレー溶液を中性から弱アルカリ性に調整するために用いる。これは、ペット、特に犬の尿がpH6〜7の弱酸性から中性の間にあり、両液が混合時にほぼ中性となるようにということと、一般的な土壌の適切なpH値も同様に弱酸性から中性にあり、負の影響を与えることを避けるためである。
用いるpH調整剤は、本実施形態の効果を損なわない限り、必要に応じて選択できるが、好適には無機物であることである。ゼオライトも無機物であり、有機物の関与により、土壌の生態系を乱すことを避けるという配慮である。
また、ゼオライトは産地により、弱酸性のものから、弱アルカリ性のものまで存在する。従って、pH調整剤としては、酸性物質もアルカリ性物質も考えられる。例えば酸性物質としては、リン酸やリン酸カリウムが考えられる。例えばアルカリ性物質としては、重曹(炭酸水素ナトリウム)やケイ酸カリウムが考えられる。いずれも肥料または土壌改良材としても用いられる無機物質である。
【0021】
<その他の成分>
本実施形態のゼオライト含有スプレーには、ゼオライト、水、pH調整剤に加え、本実施形態の効果を損なわない限り、必要に応じて、その他の成分を含有することができる。
その他の成分としては、上述した塩化物の吸着のための活性炭、ゼオライト以外の公知の消臭剤、界面活性剤、水以外のバインダー、芳香剤、などが挙げられる。また、意匠性を付与するための種々の成分、例えば、着色剤等を含有することもできる。
しかしながら、基本的には、ゼオライト、水、pH調整剤の構成とするのが好ましい。というのは、上述したその他の成分のほとんどは有機物であり、スプレー噴霧後に、雨水と共に土壌に流れ込む際にその生態系へ何らかの影響を与える恐れがあるためである。例えば、芳香剤については、天然物由来のもの、人工物由来のものとあるが、いずれも大半が有機物であるため、使用しないことが好ましい。いずれにせよ、屋外での使用となり、居住空間ではないため、噴霧後にそれほど長居をする可能性は低いと考えられ、あえて芳香を持たせる必要性は基本的にはないと考えられる。
【0022】
<スプレー方式>
本実施形態のゼオライト含有スプレーにおけるスプレー方式は、本実施形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、公知の方式でよい。
例えば、特開2004−242516号公報の段落番号〔0011〕〜〔0012〕において記載されるスプレー方式は、本実施形態にも好適に使用される。
当然、必ずしも圧縮ガスで密閉充填されている必要はなく、トリガー方式やポンプ方式も好ましい。
このゼオライト含有スプレーが静置された後、噴霧する場合には、スプレーボトルを振って、沈殿しているゼオライトを分散させてから、噴霧することが好ましい。
1回あたりの噴霧する量としては、少なくとも犬のした尿の範囲を全て覆う量が望ましい。犬の糞の場合には、糞をエチケット袋に収容後に、糞のあった場所を全て覆うように噴霧するのが望ましい。
仮に、ゼオライトが残留した場合には、使用者が水を加えて、スプレーボトルを振って再度用いることができる。
仮に、中身が残った状態で廃棄をする場合であっても、内容物は全て無機物質の土壌に優しい成分であるため、土壌にそのまま廃棄することができる。
スプレーボトルについては、屋外にて用いる用途が主であることを鑑みて、使用者が取り出し易い大きさ、且つ、観賞にたえる意匠の優れた外観が望まれる。
【0023】
[ゼオライト含有スプレーの製造方法]
本実施形態のゼオライト含有スプレーは、以下に示す製造方法により製造されることが好ましい。
本実施形態のゼオライト含有スプレーの製造方法は、ゼオライトと、水と、pH調整剤とを混合する混合工程、および、前記混合工程にて得られた混合物を撹拌する撹拌工程、を含む。
以下、本実施形態のゼオライト含有スプレーの製造方法について、工程順に説明する。
【0024】
<混合工程>
本工程では、所定量のゼオライト、水、および、pH調整剤を含むゼオライト含有混合物を調製する。ゼオライトは予めふるいにかけ、均一な粒度とするのが望ましい。ゼオライト含有混合物を調製する際の各材料の添加順としては、ゼオライトと水をまず加えて混合し、必要に応じて、所望により各種の添加剤を投入した後、pH測定を行い、このpH値に応じて、酸性またはアルカリ性物質の添加を行う。既に中性から弱アルカリ性にある場合には、ここで終了する。
本工程は、常温(25℃)で行なうことができる。
【0025】
<撹拌工程>
撹拌手段には特に制限はなく、公知の撹拌装置、混合装置等を適宜使用することができる。用いるゼオライト含有混合物が少量であれば、スプレー容器を振ることによって行ってもよい。
十分に撹拌すれば、ゼオライト溶液と、pH調整剤とが均一に混合する。
【0026】
<本発明品の用途>
本実施形態のゼオライト含有スプレーは、上記構成としたので、種々の分野に適用することができる。
例えば、犬の散歩時だけでなく、野良猫の糞尿に対し用いることも有効であるし、ペット全般に有効と考えている。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
【実施例1】
【0028】
<ゼオライト含有スプレーの調製>
以下の(1)と(2)の成分を、トリガータイプのスプレーボトルに投入した。
(1)天然ゼオライト(イタヤ・ゼオライトSGW−B4(商品名)平均粒子径:18μm以下、ジークライト株式会社製) 50g
(2)水道水 150g
(3)89%リン酸(燐化学工業株式会社製) 極微量
【0029】
まず、(1)天然ゼオライトと(2)水道水を、スプレーボトルに投入し、ボトルを振ることで天然ゼオライトの水溶液を調整した。次に、pHテスターを用いて、前記のゼオライト溶液のpHを測定したところ、pH値は8.4を示した。一般的なペットの尿のpH値は6〜7の間といわれており、これに合わせて、ゼオライト溶液のpHを中性から弱アルカリ性に合わせて調整するため、(3)リン酸を駒込ピペット1滴分400mlの水で希釈し、この希釈用液を駒込ピペットで14滴滴下し、混合したゼオライト溶液のpH値を7.7とし、ゼオライト含有スプレーの内容とした。
今回用いたリン酸であるが、無機物であり、極微量であるため土壌環境に与える影響が極小であること、また、植物の3大栄養素でもあることから負の影響は皆無と思われる。
今回調整した溶液は灰色であった。
【0030】
本実施形態のゼオライト含有スプレーは、ゼオライト、水、pH調整剤を用いて得られ、スプレーに含まれるゼオライトは土壌改良材などの農業資材として使用される材料であり、pH調整剤もまた肥料または土壌改良材として使用される材料を選択しているため、仮に土壌中に廃棄しても、土壌を汚染する懸念がない。また、いずれの材料も無機物質としたため、有機物のように、分解にバクテリアが介在せず、土壌バランス並びにその生態系に最大限配慮されている。
そして、本実施形態のゼオライト含有スプレーに含まれるゼオライトは、ペット、特に犬の尿に含まれる腐食成分や臭い成分を吸着するため、尿による街灯や標識柱等の公共設備の劣化を低減することができる。
さらには、本実施形態のゼオライト含有スプレーを使用することによって、飼い主は周辺の人々に対し、ペットの散歩時のマナーを守り、環境保全に尽力していることを表明できるのである。
従って、本実施形態のゼオライト含有スプレーは、スプレーに含まれるゼオライトの有する良好な機能を発揮することが期待できるのである。
【手続補正書】
【提出日】2017年5月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
また、近年の、上記のような、道路や公園といった公共施設並びに住宅地におけるマナーの向上や環境保全が叫ばれる以上に、ペットの糞尿を原因とした看過できない事柄として、各地で街灯や標識柱といった公共設備が腐食し、倒壊する事故が発生しており、それに伴う住民への被害も発生している。上記設備の腐食の原因については、ペットの糞尿が繰り返されることによって、その糞尿に含まれる塩化物や尿素(アンモニア)の蓄積が関与しているといわれている。
ということは、既存の塩素系の消臭洗浄スプレーについても更なる蓄積となる恐れがあるため、屋外での利用は控えた方が無難であるといわざるを得ない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
<スプレー方式>
本実施形態のゼオライト含有スプレーにおけるスプレー方式は、本実施形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、公知の方式でよい。
例えば、特開2004−242516号公報の段落番号〔0011〕〜〔0012〕において記載されるスプレー方式は、本実施形態にも好適に使用される。
当然、必ずしも圧縮ガスで密閉充填されている必要はなく、トリガー方式やポンプ方式も好ましい。
このゼオライト含有スプレーが静置された後、噴霧する場合には、スプレーボトルを振って、沈殿しているゼオライトを分散させてから、噴霧することが好ましい。
1回あたりの噴霧する量としては、少なくとも犬のした尿の範囲を全て覆う量が望ましい。犬の糞の場合には、糞をエチケット袋に収容後に、糞のあった場所を全て覆うように噴霧するのが望ましい。
仮に、ゼオライトが残留した場合には、使用者が水を加えて、スプレーボトルを振って再度用いることができる。
仮に、中身が残った状態で廃棄をする場合であっても、内容物は全て無機物質の土壌に優しい成分であるため、土壌にそのまま廃棄することができる。
スプレーボトルについては、屋外にて用いる用途が主であることを鑑みて、使用者が取り出し易い大きさ、且つ、観賞にたえる意匠の優れた外観が望まれる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
<混合工程>
本工程では、所定量のゼオライト、水、および、pH調整剤を含むゼオライト含有混合物を調製する。ゼオライトは予めふるいにかけ、均一な粒度とするのが望ましい。ゼオライト含有混合物を調製する際の各材料の添加順としては、ゼオライトと水をまず加えて混合し、必要に応じて、所望により各種の添加剤を投入した後、pH測定を行い、このpH値に応じて、酸性またはアルカリ性物質の添加を行う。既に中性から弱アルカリ性にある場合には、ここで終了する。
本工程は、常温(25℃)で行なうことができる。
なお、ゼオライトに予めpH調整を施した後、水で混合しても差し支えはない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
<本発明品の用途>
本実施形態のゼオライト含有スプレーは、上記構成としたので、種々の分野に適用することができる。
例えば、犬の散歩時だけでなく、野良猫の糞尿に対し用いることも有効であるし、ペット全般に有効と考えている。
また、本発明のスプレーはゼオライトをふんだんに含むものであるため、ペットの歯磨きや耳掃除等、消臭を目的とした従来公知の用途に用いることもできる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
【実施例1】
<ゼオライト含有スプレーの調製>
以下の(1)〜(3)の成分を、トリガータイプのスプレーボトルに投入した。
(1)天然ゼオライト(イタヤ・ゼオライトSGW−B4(商品名)平均粒子径:18μm以下、ジークライト株式会社製) 50g
(2)水道水 150g
(3)89%リン酸(燐化学工業株式会社製) 極微量