【解決手段】管理装置は、携帯端末から送信されるPRの受信強度の比較結果によりPRに対応する遊技機を特定する。これにより、各情報表示装置が近接して設けられる場合でも、PRを送信した携帯端末を携帯する遊技者の遊技機である対応遊技機が特定し難くなる虞を低減できる。
前記特定手段は、受信強度と、当該受信強度の基準情報とを比較することで所定の基準条件を満たすと共に、複数の前記検知手段の内、最も受信強度の高い旨の比較結果を得た検知手段であって、当該比較結果を複数回得た検知手段に対応する遊技機を対応遊技機として特定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
前記特定手段は、対応遊技機が特定された場合に、送信情報の受信強度と当該受信強度の基準情報とを比較することにより所定の基準条件を満たさないことを特定した場合、当該対応遊技機とは異なる遊技機を新たに対応遊技機として特定した場合、及び送信情報が対応遊技機の特定後に前記検知手段により検知されない場合の少なくともいずれか1つの場合に、当該対応遊技機との特定を終了することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
遊技機側から出力される稼動状態を特定可能な稼動信号を入力し、当該入力された稼動信号により非稼動状態から稼動状態になることを示す稼動開始を特定する稼動判定手段と、
稼動開始と対応遊技機との特定時期を比較することにより、対応遊技機に対応する遊技者の遊技開始を特定する開始特定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2及び遊技情報表示装置(以下、情報表示装置)3が設置されている。これら遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は2台ずつ中継装置4と接続されており、中継装置4はLAN(Local Area Network)5を介して管理装置6(比較手段、特定手段、遊技情報特定手段、遊技情報管理手段、稼動判定手段、開始特定手段)と接続されている。
【0009】
遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、キーボード7、モニタ8、プリンタ(図示せず)等が接続されている。
【0010】
管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から送信される遊技信号を受信することで、遊技機1毎の遊技データ、会員登録された会員毎の個人データ、遊技機1や遊技装置2等の稼動状態等を管理する。尚、管理装置6は、管理者の設定操作により設定された各種設定情報を中継装置4や情報表示装置3へと送信することにより設定可能となっている。
【0011】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ遊技機であり、盤面9に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上部受皿11、下部受皿12を有すると共に、盤面9に、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17を有する。
【0012】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口15、16への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部13にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当り(イベント)を発生する。
【0013】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0014】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/260であり、大当りがその後に確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口17を開放する。尚、1Rの上限入賞数は9個であり、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0015】
(4)対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口15に入賞した場合は2Rが10%であり、4Rが45%であり、15Rが45%であるが、第2始動口16に入賞した場合は4Rが10%であり、15Rが90%であり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口15よりも第2始動口16の方が高く設定されている。
【0016】
(5)確変中は大当り確率が1/74に向上すると共に、各始動口15、16への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するので、大当り後に大当りでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となる。
【0017】
(6)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることと開放回数が増加することで第2始動口16の入賞率が高くなる。以上は特定の機種を例にして説明したが、例示した値は異なる機種であれば大当り確率やラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な仕様となる。
【0018】
遊技機1及び当該遊技機1に付設されている周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口15、16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
【0019】
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機から出力される信号でも良い。
【0020】
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0021】
始動信号=遊技機1から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部(役物)における始動処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及び始動数(S、始動処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じて始動処理を特定する。尚、始動口に入賞したことを示す信号としても良い。
【0022】
大当り信号=遊技機から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中に強度出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口の入賞率が向上する特別状態中(時短中(確変時を含む))に強度出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中に強度出力される状態信号(確変信号)であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0023】
遊技装置2は所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技装置2の状態や遊技機1の遊技状態を示す状態表示部18、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口19、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部20、持玉(会員であれば貯玉も含む、獲得価値、有価価値)を払い出すための払出釦21、払い出された玉が通過する払出ノズル22、一般カードや会員カードが挿入されるカード挿入口23、遊技機1の下部受皿12の下方に位置する着脱可能な計数受皿24等を有する。
【0024】
遊技装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)貨幣を受け付ける(貨幣受付処理)と、入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦(図示せず)が操作(貸出操作、対価付与操作)されると、対価額単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出し(貸出処理、対価付与処理)、その対価分を残高から引き落とす(減算する)。尚、貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。貸出処理を行うと、売上信号(付与信号)として100円に対して1パルスのパルス信号を管理装置6に出力する。
【0025】
(2)遊技機1の下部受皿12から落下した玉を計数受皿24により受けると、その受けた玉を計数して持玉として管理し、その持玉を対価とした払い出しも可能とする。払出釦21が操作(払戻操作)されると、対価額単位(例えば500円)分の持玉を払出ノズル22から払い出し(払戻処理)、その対価分を持玉から引き落とす(減算する)。払戻処理を行うと、払い出した合計の玉数を示す払出信号(付与信号)として払出10玉に対して1パルスのパルス信号を管理装置6に出力する。
【0026】
(3)残高や持玉がある状態で遊技機1の返却釦(図示せず)が操作(発行操作)されると、残高や持玉を(記録する等して)特定可能な一般カードを発行する(発行処理)。尚、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行も可能とする。また、一般カードを受け付けると、その一般カードにより特定される(記録されている)残高及び持玉を引き継ぐ。
【0027】
(4)会員カードのIDに対応付けて遊技者が遊技場へと預け入れた持玉である貯玉を管理装置6(会員毎の貯玉口座)にて管理しており、会員カードを受け付けると、管理装置6に管理されている貯玉を特定し、その貯玉を対価とした払い出しも可能とする。この場合も、持玉の払い出しと同様に、払い出した合計の玉数を示す払出信号として払出10玉に対して1パルスのパルス信号を管理装置6に出力する。
【0028】
(5)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理、貸出処理、対価付与処理、払戻処理、発行処理、残高、持玉、貸出数、払出数、入金額、台払出、ノズル払出、計数玉数、貸出の対価となる売上額、及び一般カードの受付等の各種情報を特定可能としても良い。尚、上記の払出数や売上額以外を払出信号や売上信号と同様にパルス信号(例えば入金500円に対して1パルス等)にて特定しても良い。
【0029】
さて、LAN5にはAP(Access Point)25(近距離通信手段)が接続されている。AP25は、遊技者が携帯する携帯電話、所謂スマートフォン等の携帯端末26が遊技情報を受信可能とするために設けられており、中継装置4と同様に携帯端末26との間で遊技情報等の送受信を中継し、携帯端末26へは無線にて情報を送受信する無線ルータとして機能する。AP25は、遊技場に複数台設けられており、1台のAP25では当該AP25の周辺に位置する複数の携帯端末26(例えば100台)との同時通信が可能である。
【0030】
携帯端末26はAP25とWi−Fi通信(近距離通信)を行い、AP25を経由して管理装置6が管理する遊技情報やインターネット上の各種情報を受信可能となっている。AP25を経由してインターネットへ接続する場合、遊技場外では閲覧できない遊技場提供のサイトや、従来であれば有料であるサイトを無料閲覧できるといった来店特典を与えることが可能である。
【0031】
情報表示装置3は、大当り回数表示部27、スタート回数表示部28、液晶表示部29、呼出釦30、遊技者が表示を切替えるための操作釦31等が設けられている。情報表示装置3は入力した遊技情報を集計する機能を有しており、集計した遊技情報を情報表示部の表示対象としている。
【0032】
図2は情報表示装置3の電気的構成を概略的に示すブロック図である。制御部32(強度特定手段)は、CPU32a、ROM32b、RAM32c及びI/O32dなどを有するマイクロコンピュータにより構成されており、ROM32bなどに記憶されているコンピュータプログラムに基づいて情報表示装置3の動作を制御する。制御部32は、表示制御信号を各表示部27〜29に出力することで各表示部27〜29の制御を実行したり、I/F33を介して遊技機1側からの遊技信号や管理装置6側からの遊技情報を中継装置4を介して入力することで遊技機1が稼動中であるか否かや、大当り状態の発生回数等を特定したりする。
【0033】
ところで、遊技者が会員カードを遊技装置2に挿入して遊技する場合は当該遊技者の遊技情報を管理して提供することが可能であるが、会員カードを携帯していない遊技者や、会員カードを遊技装置2に挿入しない遊技者の場合は、遊技者毎の所定期間の遊技情報を管理することができず、遊技者に対して遊技情報を提供することができない。
【0034】
一方、スマートフォン等の携帯端末26の普及により遊技者の携帯端末26の所有率が高くなり、遊技場に来場する遊技者のほとんどが携帯端末26を携帯していることから、遊技機1で遊技している遊技者が携帯している携帯端末26を特定し、当該携帯端末26に対応して遊技情報を管理して遊技情報を提供することが考えられる。この場合、携帯端末26を特定する方法として、携帯端末26から送信される所謂プローブリクエスト(以下、PR)と呼ばれる送信情報を利用することが考えられる。
【0035】
即ち、Wi−Fi通信可能に設定されている携帯端末26は、AP25とのWi−Fi接続を確立するためにPRを所定間隔で送信しており、AP25との未接続中においてはスリープ状態なら1分間隔、非スリープ状態なら10秒間隔、AP25との接続中は6分間隔で送信する。尚、携帯端末26の設定状況等に応じて送信間隔は適宜変更可能であり、上記のような状態による区分も必ずしも行わなくとも良い。
【0036】
このPRには少なくとも携帯端末26の識別情報である端末ID(例えばMACアドレス等)が含まれており、端末IDにより携帯端末26を識別可能である。このように携帯端末26からPRが送信されるには、携帯端末26を例えばWi−Fi通信可能に設定する必要があるが、遊技者が自宅で携帯端末26を使用してインターネットに接続する場合は、自宅に設置されている無線ルータとWi−Fi通信するのが一般的であることから、携帯端末26はWi−Fi通信可能に常に設定されていると考えられるが、上記来店特定を得るため、或いは携帯端末26の通信費の節約等を考慮すれば、遊技者が来店に応じてWi−Fi通信可能に設定することも想定し得る。
【0037】
従って、遊技機側にPRを検知する検知手段を設置し、携帯端末26から送信されるPRを検知することで遊技者が携帯している携帯端末26の端末IDを特定することが可能となる。
【0038】
しかしながら、各情報表示装置3は近接して設置されていることから、複数の検知手段が同一の携帯端末26から送信されたPRを同時に受信する可能性が高い。このため、PRにより携帯端末26を特定可能であっても、当該携帯端末26を携帯している遊技者が遊技している対応遊技機を特定することは困難であるのが実情である。
【0039】
このような事情から、本実施形態では、
図2に示すように携帯端末26から送信されるPRを検知する検知部34(検知手段)を情報表示装置3に設け、PRの送信エリアに複数の情報表示装置3が位置する場合であっても、次のようにして遊技者の対応遊技機を特定可能とした。尚、遊技者が携帯する携帯端末26がWi−Fi通信可能に設定されているものとして説明する。
【0040】
即ち、PRを伝搬する電波のエネルギは携帯端末26からの距離の2乗に比例して減衰することから、複数の検知部34がPRを受信した場合、携帯端末26との距離の2乗に比例してPRの受信強度が低下する。そこで、制御部32は、検知部34によりPRの受信強度を特定し、当該受信強度とPRに含まれる端末IDとを示すPR情報を管理装置6へ送信する。尚、本実施形態のように島端にAP25を設置する等すれば必ずしも情報表示装置3が携帯端末26とWi−Fi通信を確立する必要性はなく、PRの受信強度のみを特定できれば良いが、必要に応じてWi−Fi通信を確立しても良い。
【0041】
一方、管理装置6は、情報表示装置3から受信したPR情報により、遊技機1毎にPRの受信強度を端末ID単位で特定する。この場合、上述したように複数の情報表示装置3にて同一の携帯端末26から送信されたPRを受信することもあり、遊技者の対応遊技機を特定できない虞もあるが、管理装置6は、遊技者が遊技している遊技機、即ち、対応遊技機での遊技開始及び遊技終了を以下のように特定することでその虞を低減している。
【0042】
管理装置6は、PRの受信強度に応じて以下に示すPR開始条件が成立した場合にPRに基づく遊技開始であるPR開始を特定する。
(1)受信強度が基準値(−50dB、基準情報)に達している(上回っている)。
(2)同時期に同一のPRを受信した情報表示装置3間で受信強度を比較し、複数回、例えば2回連続して最高となる。尚、他台から受信していない場合も最高であると判定される。
【0043】
図3は検知部34が特定したPRの受信強度の履歴を例示している。
図3に示す例では、3番台の3回目(図中に右斜線で示す)以外は基準値(−50dB)に達しており、上記(1)の条件が成立している。また、1回目は2番台が最高(図中に左斜線で示す)であるものの連続しておらず、2回目と3回目は1番台が連続して最高であるため、上記(2)の条件が成立しており、最終的に1番台でのPR開始を特定する。
【0044】
一方、以下に示すPR終了条件が成立した場合にPRに基づく遊技終了であるPR終了を特定する。この場合、PR開始は上記(1)、(2)の双方が成立した場合に特定するが、PR終了は下記(3)〜(5)のいずれかが成立した場合に特定する。
【0045】
(3)受信強度が連続して基準値(−50dB)に達していない。
(4)他の遊技機1にてPR情報に対応する端末IDによる遊技開始が特定された。
(5)最後のPR受信から基準期間(例えば10分)以内に、いずれの情報表示装置3でもPR情報に対応する端末IDを特定した携帯端末26からのPRが受信されない。
【0046】
尚、本実施形態では上記の通りPR開始条件や、PR終了条件を定めているが、受信強度の比較結果だけでPR開始やPR終了を特定しても良く、更に稼動開始等を考慮せずPR開始やPR終了を遊技開始や遊技終了として特定しても良い。
【0047】
図4は例えば1番台の遊技履歴を例示しており、以下の項目が設定されている。
NO.、時刻=NO.はレコードに採番される連番、時刻は対応する時刻
端末ID、受信強度=数値はPR情報により特定した端末IDと受信強度で、PR情報を受信していない等、特定できない場合は「−」を登録。尚、同レコードにて複数のPR情報を受信した場合は受信分だけ記憶する。
【0048】
アウト、セーフ、S=遊技信号により特定される遊技情報。尚、Sはスタート。
状態=遊技信号により特定される遊技状態等や「PR開始」等のレコードに対応した状態を示す。
【0049】
遊技端末=PR情報により特定した対応する携帯端末26の端末IDで、特定できない場合は「−」を登録する。尚、遊技開始から遊技終了までの遊技期間をグループ化している。
【0050】
この遊技履歴では「状態」が変化することに応じてレコード作成条件が成立すると新規レコードを作成し、レコードに対応する遊技情報を管理する。即ち、従来と同様に、従来の遊技機単位で特定される非稼動状態にてアウトやS等の稼動情報を特定する等して稼動状態になることを「稼動開始」、稼動状態にて稼動情報を所定期間(例えば1分)特定できない等して非稼動状態になることを「稼動終了」として記憶するのに加えて、上述のようにして特定した「PR開始」、「PR終了」を記憶する。
【0051】
管理装置6は、遊技履歴に記憶した「稼動開始」と「PR開始」、或いは「稼動終了」と「PR終了」との記憶順を比較し、その判定結果に基づいて「遊技開始」や「遊技終了」を最終的に特定して記憶する。つまり、PR開始条件が成立することを条件とした「PR開始」と「稼動開始」との両方が成立した場合は携帯端末26を携帯した遊技者による遊技開始を確定することができることから、その早い方となる「遊技開始」は携帯端末26を携帯する遊技者の遊技開始を示すことになる。同じくPR終了条件が成立することを条件とした「PR終了」と「稼動終了」との両方が成立した場合は携帯端末26を携帯した遊技者による「遊技終了」を確定することができることから、その早い方となる「遊技終了」は携帯端末26を携帯する遊技者の遊技終了を示すことになる。
【0052】
図4に示す例では、NO.2−NO.4にて遊技信号に基づいて遊技機1の稼動開始から稼動終了を特定することで稼動状態を特定し、その稼動状態中において、携帯端末26からのPRを受信することでNO.3にて端末IDを特定しているが、遊技端末としては特定されていない。つまり、PRが示す端末IDは1番台の遊技機(以下、当台)の遊技者が携帯している携帯端末26として特定されていない。これは、携帯端末26を携帯していない遊技者が当台で遊技すると共に、隣の例えば2番台の遊技機(以下、隣台)の遊技者が携帯している携帯端末26から送信されたPRにより特定したPR情報にて端末IDを特定したものの、隣台でも同様にPR情報が特定され、隣台の方の受信強度が高い等、PR開始条件が成立していなかったために当台での遊技者ではないと判定されることで遊技端末が特定されていない状態を示している。
【0053】
一方、NO.5−NO.26では端末IDが特定されているが、これは
図3の例示のように隣台等でもPR情報が特定されるものの当台に対応する情報表示装置3の受信強度が最高である等のPR開始条件が成立したため、当台にて端末IDが特定されている。この場合、NO.5にて稼動開始が成立済みのため、NO.5とNO.8の内、早い方であるNO.5を当該遊技者の遊技開始として特定している。
【0054】
また、NO.15のように受信強度が基準値に達していない場合があってもNO.14やNO.16では基準値に達しており、基準値に達していない状態が連続していないことから、PR終了条件が成立せずPR終了を特定していない。一方、NO.26ではPR情報に対応する端末IDが他の情報表示装置3にてPR開始が特定され、PR終了条件が成立したためPR終了を特定しているが、NO.25にて稼動終了が成立済みのため、NO.25にて遊技終了を特定している。
尚、稼動開始よりもPR開始の方が早ければPR開始が遊技開始となり、稼動終了よりもPR終了開始の方が早ければPR終了が遊技終了となる。
【0055】
そして、管理装置6は、
図4に示す遊技履歴に基づいて遊技者単位の遊技履歴や遊技機単位の遊技者数等を特定する。
図5は、
図4に基づく携帯端末単位(
図5は端末ID=11111)での遊技履歴例を示している。台番(遊技機ID)により機種を特定する等して、遊技中の遊技情報を端末IDに対応付けて管理している。
【0056】
このように携帯端末26毎の遊技情報を管理することで、遊技者単位の遊技傾向が把握可能になる。
また、
図4等の管理により、遊技機単位の遊技者数を特定可能になるため、遊技者一人当たりの平均遊技情報等の遊技情報管理を可能することにより遊技者単位で遊技情報を管理しても良い。
【0057】
尚、例えば遊技者が休憩する等して離席した場合、遊技終了と判定する虞もあるが、遊技終了の判定後、次の遊技開始が同一の端末IDであれば遊技者が休憩したとして先の遊技終了を取り消し、遊技継続と判定しても良い。この場合、取り消される遊技終了後から次の遊技開始までにその端末IDにて他台での遊技開始等が特定されないことを条件にすると、更に遊技継続の特定精度を高められる。
【0058】
以下、情報表示装置3及び管理装置6の動作の内、PRに関する動作について説明する。
図6は情報表示装置3の処理を示しており、検知部34にて携帯端末26から送信されるPRを受信したかを判定している(S101:NO)。
【0059】
さて、携帯端末26を携帯した遊技者が遊技場に来場し、当該携帯端末26から送信されているPRの送信エリアに情報表示装置3が位置すると、当該情報表示装置3に内蔵された検知部34がPRを受信するようになる(S101:YES)。すると、情報表示装置3は、検知部34が受信したPRの受信強度を特定し(S102)、その受信強度と自己の端末IDとを示すPR情報を対応する遊技機(台番)を特定可能に管理装置6に送信する(S103)。この場合、携帯端末26から送信されるPRの送信エリアに複数の検知部34が位置している場合には、複数の情報表示装置3から管理装置6に対して同一の端末IDとPRの受信強度とを示すPR情報が送信されることになる。
【0060】
図7は管理装置6の処理を示しており、情報表示装置3からPR情報を受信したか(S201:NO)、遊技中の端末IDで基準期間PR情報を受信していない端末IDが有るか(S211:NO)を判定する待機フローを実行している。情報表示装置3からPR情報を受信すると(S201:YES)、レコードを作成して遊技機毎に管理している
図3に示すようにPR情報を記憶する(S202)。
【0061】
次に管理装置6は、情報表示装置3から受信したPR情報により示される受信強度が基準値(−50dB)に達しているかを判定する(S203)。携帯端末26を携帯している遊技者が情報表示装置3に十分に接近したことにより基準値に達した場合に(S203:YES)、PR情報の送信元で遊技中(既にPR開始が特定済み)であれば(S204:YES)、継続してPRを検出しているとしてリターンする。
【0062】
PR情報の送信元で遊技中でない場合(S204:NO)、
図3にて説明した様に同時期に同一のPRを受信した他の情報表示装置3(他台)と受信強度の比較を行い、受信強度が連続して最大となっているかを判定する(S205)。連続して最大の場合に(S205:YES)、PR情報に対応する端末IDが他台にて遊技中であれば(S206:YES)、他台でのPR終了条件が成立したとして他台でのPR終了を特定する一方(S207)、送信元となる当台でのPR開始条件が成立したとしてPR開始を特定する(S208)。尚、PR開始特定後やPR終了特定後は
図4にて説明したように遊技開始や遊技終了を特定する。
【0063】
特定の端末IDの受信感度が連続で最大の場合に(S205:YES)、当該端末IDが他の遊技機1でも遊技中でない場合は(S206:NO)、遊技者は遊技開始前であることから、送信元の当台でのPR開始を特定する(S208)。一方、当台にてPRの受信強度が最大となった初回の場合や連続で最大となっていない場合には(S205:NO)、PR開始を特定しない。
【0064】
受信強度が基準値に達していない場合において(S203:NO)、PR情報が示す端末IDが当台での遊技中を示しているものの、連続して基準値に達していない場合には(S209:YES)、遊技者は遊技することなく移動している可能性が高いとして当台でのPR終了を判定する(S210)。一方、基準値に達していないのが初回の場合や遊技中でない場合には(S209:NO)、PR終了を特定しない。
【0065】
基準期間PRを受信していない端末IDがある場合には(S211:YES)、遊技者が休憩中か退場した可能性が高いとして当該端末IDにて遊技中の遊技機でのPR終了を特定する(S212)。
【0066】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置6は、携帯端末26から送信されるPRの受信強度の比較結果によりPRに対応する遊技機1を特定するため、各情報表示装置3が近接して設けられる場合でも、PRを送信した携帯端末26を携帯する遊技者の遊技機である対応遊技機が特定し難くなる虞を低減できる。
【0067】
受信強度を端末ID単位で比較することにより、複数の携帯端末26が近接してPRを送信する場合でも、対応遊技機の特定精度が低くなる虞を低減できる。
図5のように遊技者単位で遊技情報を管理することにより、遊技者の動向等の特定精度を高められる。
【0068】
PR開始条件を受信強度が基準値に達し、かつ複数回、最高の受信強度とし、そのPR開始条件が成立した遊技機にてPR開始を特定することで、PR開始の特定精度を高められる。
【0069】
PR終了条件を受信強度が基準値に達していないこと、他台にてPR開始が特定されたこと、PRが送信されなくなったこととし、そのPR終了条件が成立した遊技機にてPR終了の特定精度を高められる。
稼動開始とPR開始との早い方を遊技開始とすることで、いずれか一方の開始特定が長引いた場合であっても精度高く遊技開始を特定可能となる。
【0070】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
送信情報としてPRを例示したが、受信強度を特定可能な情報であればどのような情報であっても良いが、端末IDを特定可能である情報が望ましい。
情報表示装置等からのビーコン等の受信情報がなくともPRを送信する構成を例示したが、情報表示装置等から受信情報を送信し、携帯端末26側にて特定される受信情報の受信強度を特定可能なPR(送信情報の送信前に携帯端末が受信した受信情報の受信強度を特定可能な送信情報)を検知部34にて受信し、その受信強度により遊技者がいずれの遊技機に近接するかを特定しても良い。
【0071】
情報表示装置のみに検知部を設ける構成を例示したが、例えばPOSや島端計数機等、他の装置に検知部を設けても勿論よい。また、検知部34を情報表示装置に付随させずに独立して設けて本発明に適用しても良い。
【0072】
遊技信号により特定可能な遊技情報を遊技者単位で管理することを例示したが、
図5でも示したように例えば機種名等の入力された遊技情報別に遊技者の特定回数を管理する等して対応遊技機に対応する遊技情報を対応遊技機の特定結果に応じて管理しても良く、そのいずれか一方のみを管理対象としても勿論良い。
【0073】
PR開始条件として連続して最高になることを例示したが1回だけとしても良いし、複数回最高となれば3回以上連続した場合としても良いし、最高となった回数が最も多いとする等連続としなくとも良い。同様にPR終了条件として連続して基準値に達していないことを例示したが、1回だけとしても良いし、3回以上としても良い。また、PR終了条件としていずれか一つだけを採用しても良いし、PR開始条件として基準値と比較しない条件を採用しても良い。更に、PR開始条件とPR終了条件との基準値は異なる値としても良い。
【0074】
例示した設定情報は予め設定されれば、遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。また、記録媒体としてカードを例示したが、有価価値を特定可能な情報を記録可能であれば例えばコイン等の他の記録媒体であっても良い。
【0075】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用する等して間接的に特定しても良い。また、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
【0076】
以上と超過についてはどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は以上となった或いは超過したのいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0077】
対象となる遊技機は遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等も採用できる。尚、所謂封入式等を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0078】
例示した処理は表示装置と管理装置だけでなく、中継装置や遊技装置等、どのような機器により行っても良く、管理装置がPR開始等を判定する構成を例示したが、表示装置間にて通信して相互の受信強度を比較する等して表示装置にてPR開始等を判定する等、管理装置をシステムに必ずしも含まなくとも良い。また、変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせても良いし、適宜、除外して採用しても良い。